IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ バイドゥ オンライン ネットワーク テクノロジー(ペキン) カンパニー リミテッドの特許一覧

特開2022-6165トラフィック調整方法、装置、電子機器、コンピュータ可読記録媒体及びコンピュータプログラム
<>
  • 特開-トラフィック調整方法、装置、電子機器、コンピュータ可読記録媒体及びコンピュータプログラム 図1
  • 特開-トラフィック調整方法、装置、電子機器、コンピュータ可読記録媒体及びコンピュータプログラム 図2
  • 特開-トラフィック調整方法、装置、電子機器、コンピュータ可読記録媒体及びコンピュータプログラム 図3
  • 特開-トラフィック調整方法、装置、電子機器、コンピュータ可読記録媒体及びコンピュータプログラム 図4
  • 特開-トラフィック調整方法、装置、電子機器、コンピュータ可読記録媒体及びコンピュータプログラム 図5
  • 特開-トラフィック調整方法、装置、電子機器、コンピュータ可読記録媒体及びコンピュータプログラム 図6
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022006165
(43)【公開日】2022-01-12
(54)【発明の名称】トラフィック調整方法、装置、電子機器、コンピュータ可読記録媒体及びコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04L 47/6275 20220101AFI20220104BHJP
   H04L 47/76 20220101ALI20220104BHJP
【FI】
H04L47/6275
H04L47/76
【審査請求】有
【請求項の数】21
【出願形態】OL
【外国語出願】
【公開請求】
(21)【出願番号】P 2021104552
(22)【出願日】2021-06-24
(31)【優先権主張番号】202011481133.7
(32)【優先日】2020-12-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】512015127
【氏名又は名称】バイドゥ オンライン ネットワーク テクノロジー(ペキン) カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】特許業務法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】張安站
(72)【発明者】
【氏名】曲晶瑩
【テーマコード(参考)】
5K030
【Fターム(参考)】
5K030GA03
5K030HA08
5K030HB17
5K030HC01
5K030JT06
5K030LA03
5K030LE05
5K030MB06
5K030MB09
(57)【要約】
【課題】高レベルトラフィックをスムーズに配信し、ユーザにバリューの高い配信コンテンツを表示することを確保できるトラフィック調整方法を提供する。
【解決手段】上記方法は、サーバがトラフィック調整条件を満たすことに応答して、サーバのトラフィック関連情報を取得するステップと、トラフィック関連情報に基づいて、トラフィック調整ステップを決定し、トラフィック調整ステップは、低レベルから高レベルへの順に従って、複数のレベルの配信トラフィックの中から少なくとも1つのレベルの配信トラフィックを決定してトラフィックのダウンレギュレーションを行うことを示し、任意の2つのレベルの配信トラフィックのうち、レベルの高い配信トラフィックのバリュー値がレベルの低い配信トラフィックのバリュー値より大きく、トラフィック調整ステップのうちの各ステップの前後順に従って、トラフィック調整ステップを実行するステップと、を含む。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
トラフィック調整方法であって、前記トラフィック調整方法はサーバに用いられ、
前記サーバがトラフィック調整条件を満たすことに応答して、前記サーバのトラフィック関連情報を取得するステップと、
前記トラフィック関連情報に基づいて、トラフィック調整ステップを決定するステップであって、前記トラフィック調整ステップは、低レベルから高レベルへの順に従って、複数のレベルの配信トラフィックの中から少なくとも1つのレベルの配信トラフィックを決定してトラフィックのダウンレギュレーションを行うことを示し、前記少なくとも1つのレベルは、前記複数のレベルのうちの最高レベルを含まず、任意の2つのレベルの配信トラフィックのうち、レベルの高い配信トラフィックのバリュー値がレベルの低い配信トラフィックのバリュー値より大きいステップと、
前記トラフィック調整ステップのうちの各ステップの前後順に従って、前記トラフィック調整ステップのうちの少なくとも1つのステップを実行するステップと、を含むトラフィック調整方法。
【請求項2】
前記トラフィック関連情報に基づいて、トラフィック調整ステップを決定する前記ステップは、
前記サーバが満たすトラフィック調整条件が、端末に対する否定応答値が目標値まで増加したことであることに応答して、前記サーバのトラフィックサービスを冗長サーバに切り替えるステップであって、前記否定応答値は、要求に対して応答せず、又は応答が遅延することを示すステップと、
前記冗長サーバに切り替えたトラフィックサービスが正常な状態に達していないことに応答して、前記トラフィック関連情報に基づいて、トラフィック調整ステップを決定するステップと、を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記サーバがトラフィック調整条件を満たすことに応答する前記ステップは、
高トラフィック将来期間が存在すると決定することに応答して、前記サーバがトラフィック調整条件を満たすと決定するステップを含み、
前記トラフィック調整ステップは前記高トラフィック将来期間における実行に用いられ、前記トラフィック関連情報は前記トラフィック調整ステップの決定要素を含み、前記決定要素は、トラフィックの容量の需要、及び配信トラフィックのレベルのうちの少なくとも1つを含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記トラフィック関連情報はサービス状態情報を含み、
前記トラフィック関連情報に基づいて、トラフィック調整ステップを決定する前記ステップは、
前記サーバが満たすトラフィック調整条件が、端末に対する否定応答値の増加であることに応答して、前記サービス状態情報に対応する故障原因情報を決定するステップと、
前記故障原因情報に基づいて、トラフィック調整ステップを決定するステップと、を含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項5】
前記トラフィック調整ステップは、前記サーバの1つ以上のレベルの配信トラフィックに対してサービス容量の調整を行うことをさらに示し、前記トラフィック関連情報はサービス状態情報を含み、
前記トラフィック関連情報に基づいて、トラフィック調整ステップを決定する前記ステップは、
前記サーバのサービス状態情報に基づいて、前記サーバの容量が前記サーバの目標期間のトラフィックを満たすか否かを決定するステップであって、前記目標期間のトラフィックは現在のトラフィック又は高トラフィック将来期間のトラフィックであるステップと、
前記サーバの容量が前記サーバの目標期間のトラフィックを満たさないと決定すると、前記トラフィック調整ステップを決定するステップと、を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記1つ以上のレベルのトラフィックは最高レベルのトラフィックを含み、
前記サーバの1つ以上のレベルの配信トラフィックに対してサービス容量の調整を行う前記ステップは、
配信トラフィックのレベルの高い方から低い方への順に従って、前記複数のレベルの配信トラフィックの中から第1の予め設定された数のレベルの配信トラフィックを決定してサービス容量の拡張を行うことで、新たな運行リソースを追加して前記第1の予め設定された数のレベルの配信トラフィックを処理するステップを含み、前記第1の予め設定された数は前記1つ以上のレベルのレベル数以下である、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記サーバの1つ以上のレベルの配信トラフィックに対してサービス容量の調整を行う前記ステップは、
配信トラフィックのレベルの低い方から高い方への順に従って、前記複数のレベルの配信トラフィックの中から第2の予め設定された数のレベルの配信トラフィックを決定してサービス容量の縮小を行うことで、運行リソースを減らして前記第2の予め設定された数のレベルの配信トラフィックを処理するステップをさらに含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記トラフィック調整ステップのうちの各ステップの前後順に従って、前記トラフィック調整ステップのうちの少なくとも1つのステップを実行する前記ステップは、
前記トラフィック調整ステップのうちの各ステップの前後順に従って、前記トラフィック調整ステップのうちの1つのステップを実行するステップと、
前記新たな運行リソースの否定応答値が目標値まで増加したことに応答して、前記トラフィック調整ステップのうちの1つのステップに対応するロールバック動作を実行するステップと、を含む、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記少なくとも1つのレベルの配信トラフィックにおいて、各レベルの配信トラフィックに対応するダウンレギュレーションの幅が存在し、いずれかのレベルのトラフィックのダウンレギュレーションの幅は前記いずれかのレベルよりもレベルの高いトラフィックのダウンレギュレーションの幅以上である、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
トラフィック調整装置であって、前記トラフィック調整装置はサーバに用いられ、
前記サーバがトラフィック調整条件を満たすことに応答して、前記サーバのトラフィック関連情報を取得するように構成される取得ユニットと、
前記トラフィック関連情報に基づいて、トラフィック調整ステップを決定するように構成される決定ユニットであって、前記トラフィック調整ステップは、低レベルから高レベルへの順序に従って、複数のレベルの配信トラフィックの中から少なくとも1つのレベルの配信トラフィックを決定してトラフィックのダウンレギュレーションを行うことを示し、前記少なくとも1つのレベルは前記複数のレベルのうちの最高レベルを含まず、任意の2つのレベルの配信トラフィックのうち、レベルの高い配信トラフィックのバリュー値がレベルの低い配信トラフィックのバリュー値より大きい決定ユニットと、
前記トラフィック調整ステップのうちの各ステップの前後順に従って、前記トラフィック調整ステップのうちの少なくとも1つのステップを実行するように構成される実行ユニットとを含む、トラフィック調整装置。
【請求項11】
前記決定ユニットは、さらに、
前記サーバの満たすトラフィック調整条件が、端末に対する否定応答値が目標値まで増加したことであることに応答して、前記サーバのトラフィックサービスを冗長サーバに切り替え、前記否定応答値は、要求に対して応答せず、又は応答が遅延することを示し、
前記冗長サーバに切り替えたトラフィックサービスが正常な状態に達していないことに応答して、前記トラフィック関連情報に基づいてトラフィック調整ステップを決定する方法によって、
前記トラフィック関連情報に基づいて、トラフィック調整ステップを決定する前記ステップを実行するように構成される、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記取得ユニットは、さらに、
高トラフィック将来期間が存在すると決定することに応答して、前記サーバがトラフィック調整条件を満たすと決定する方法によって、
前記サーバがトラフィック調整条件を満たすことに応答する前記ステップを実行するように構成され、
前記トラフィック調整ステップは前記高トラフィック将来期間における実行に用いられ、前記トラフィック関連情報は前記トラフィック調整ステップの決定要素を含み、前記決定要素は、トラフィックの容量の需要及び配信トラフィックのレベルのうちの少なくとも1つを含む、請求項10又は11に記載の装置。
【請求項13】
前記トラフィック関連情報はサービス状態情報を含み、
前記決定ユニットは、さらに、
前記サーバが満たすトラフィック調整条件が、端末に対する否定応答値の増加であることに応答して、前記サービス状態情報に対応する故障原因情報を決定し、
前記故障原因情報に従って、トラフィック調整ステップを決定する方法によって、
前記トラフィック関連情報に基づいて、トラフィック調整ステップを決定する前記ステップを実行するように構成される、請求項10又は11に記載の装置。
【請求項14】
前記トラフィック調整ステップは、前記サーバの1つ以上のレベルの配信トラフィックに対してサービス容量の調整を行うことをさらに示し、前記トラフィック関連情報はサービス状態情報を含み、
前記決定ユニットは、さらに、
前記サーバのサービス状態情報に従って、前記サーバの容量が前記サーバの目標期間のトラフィックを満たすか否かを決定し、前記目標期間のトラフィックは現在のトラフィック又は高トラフィック将来期間のトラフィックであり、
前記サーバの容量が前記サーバの目標期間のトラフィックを満たさないと決定すると、前記トラフィック調整ステップを決定する方法によって、
前記トラフィック関連情報に基づいて、トラフィック調整ステップを決定する前記ステップを実行するように構成される、請求項10に記載の装置。
【請求項15】
前記1つ以上のレベルのトラフィックは最高レベルのトラフィックを含み、
前記サーバの1つ以上のレベルの配信トラフィックに対してサービス容量の調整を行う前記ステップは、
配信トラフィックのレベルの高い方から低い方への順に従って、前記複数のレベルの配信トラフィックの中から第1の予め設定された数のレベルの配信トラフィックを決定してサービス容量の拡張を行うことで、新たな運行リソースを追加して前記第1の予め設定された数のレベルの配信トラフィックを処理するステップであって、前記第1の予め設定された数は前記1つ以上のレベルのうちのレベル数以下であるステップを含む、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記サーバの1つ以上のレベルの配信トラフィックに対してサービス容量の調整を行う前記ステップは、
配信トラフィックのレベルの低い方から高い方への順に従って、前記複数のレベルの配信トラフィックの中から第2の予め設定された数のレベルの配信トラフィックを決定してサービス容量の縮小を行うことで、運行リソースを減らして前記第2の予め設定された数のレベルの配信トラフィックを処理するステップをさらに含む、請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記トラフィック調整ステップのうちの各ステップの前後順に従って、前記トラフィック調整ステップのうちの少なくとも1つのステップを実行する前記ステップは、
前記トラフィック調整ステップのうちの各ステップの前後順に従って、前記トラフィック調整ステップのうちの1つのステップを実行するステップと、
前記新たな運行リソースの否定応答値が目標値まで増加したことに応答して、前記1つのステップに対応するロールバック動作を実行するステップとを含む、請求項14に記載の装置。
【請求項18】
前記少なくとも1つのレベルの配信トラフィックにおいて、各レベルの配信トラフィックに対応するダウンレギュレーションの幅が存在し、いずれかのレベルのトラフィックのダウンレギュレーションの幅は前記いずれかのレベルよりもレベルの高いトラフィックのダウンレギュレーションの幅以上である、請求項10に記載の装置。
【請求項19】
1つ以上のプロセッサと、
1つ以上のプログラムを記憶するための記憶装置とを含み、
前記1つ以上のプログラムは、前記1つ以上のプロセッサによって実行されると、前記1つ以上のプロセッサに請求項1~9のいずれか1項に記載の方法を実現させる電子機器。
【請求項20】
コンピュータプログラムが記憶され、前記プログラムは、プロセッサによって実行されると、請求項1~9のいずれか1項に記載の方法を実現する、コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項21】
コンピュータ指令を含むコンピュータプログラムであって、前記コンピュータ指令がプロセッサによって実行されると、請求項1~9のいずれか1項に記載の方法を実現する、コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、コンピュータの技術分野に関し、具体的には、クラウドコンピューティングの技術分野に関し、特にトラフィック(network flow)調整方法、装置、電子機器、コンピュータ可読記録媒体及びコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
インターネット技術の発展に伴い、各種のインターネット製品は人々の生活必需品となりつつ、人々の生活の各方面に影響を及ぼしている。
【0003】
ユーザ数の増加に伴い、クラウドへの負荷もますます増大し、特に、短時間のトラフィックのピークが発生し、それに伴いクラウドサーバが過負荷となってしまうなどの問題が発生する恐れがある。トラブルが発生した場合には、業務を円滑に進めるために緊急の対応策が求められる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本願はトラフィック調整方法、装置、電子機器、コンピュータ可読記録媒体及びコンピュータプログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の態様によれば、サーバがトラフィック調整条件を満たすことに応答して、サーバのトラフィック関連情報を取得するステップと、トラフィック関連情報に基づいて、トラフィックのダウンレギュレーション(network flow downregulation)を含むトラフィック調整ステップを決定するステップであって、トラフィックのダウンレギュレーションは、低レベルから高レベルへの順に従って、複数のレベルの配信トラフィック(downlink flow)の中から少なくとも1つのレベルの配信トラフィックを決定してトラフィックのダウンレギュレーションを行うことを示し、少なくとも1つのレベルは複数のレベルのうちの最高レベルを含まず、任意の2つのレベルの配信トラフィックのうち、レベルの高い配信トラフィックのバリュー値がレベルの低い配信トラフィックのバリュー値より大きいステップと、トラフィック調整ステップのうちの各ステップの前後順に従って、トラフィック調整ステップのうちの少なくとも1つのステップを実行するステップとを含む、トラフィック調整方法を提供する。
【0006】
第2の態様によれば、サーバがトラフィック調整条件を満たすことに応答して、サーバのトラフィック関連情報を取得するように構成される取得ユニットと、トラフィック関連情報に基づいて、トラフィックのダウンレギュレーションを含むトラフィック調整ステップを決定するように構成される決定ユニットであって、トラフィックのダウンレギュレーションは、低レベルから高レベルへの順に従って、複数のレベルの配信トラフィックの中から少なくとも1つのレベルの配信トラフィックを決定してトラフィックのダウンレギュレーションを行うことを示し、少なくとも1つのレベルは複数のレベルのうちの最高レベルを含まず、任意の2つのレベルの配信トラフィックのうち、レベルの高い配信トラフィックのバリュー値がレベルの低い配信トラフィックのバリュー値より大きい決定ユニットと、トラフィック調整ステップのうちの各ステップの前後順に従って、トラフィック調整ステップのうちの少なくとも1つのステップを実行するように構成される実行ユニットとを含む、トラフィック調整装置を提供する。
【0007】
第3の態様によれば、1つ以上のプロセッサと、1つ以上のプログラムを格納するための記憶装置とを含み、
1つ以上のプログラムが1つ以上のプロセッサによって実行されると、1つ以上のプロセッサにトラフィック調整方法のいずれかの実施例の方法を実現させる電子機器を提供する。
【0008】
第4の態様によれば、コンピュータプログラムが格納され、該プログラムは、プロセッサによって実行されると、トラフィック調整方法のいずれかの実施例の方法を実現する、コンピュータ可読記憶媒体を提供する。
【0009】
第5の態様によれば、コンピュータ指令を含むコンピュータプログラムであって、前記コンピュータ指令がプロセッサによって実行されると、トラフィック調整方法のいずれかの実施例の方法を実現するコンピュータプログラムを提供する。
【発明の効果】
【0010】
本出願の技術方案によれば、最低レベルを含める少なくとも1つのレベルの配信トラフィックに対してトラフィックのダウンレギュレーションを行うことにより、高レベルトラフィックをスムーズに配信し、ユーザにバリューの高い配信コンテンツを表示することを効果的に確保できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
以下の図面を参照しながら行われる非限定的な実施例に対する詳細な説明より、本出願のほかの特徴、目的及び利点はより明らかになる。
図1】本出願のいくつかの実施例が適用され得る例示的なシステムアーキテクチャ図である。
図2】本出願に係るトラフィック調整方法の一実施例のフローチャートである。
図3】本出願に係るトラフィック調整方法の別の実施例のフローチャートである。
図4】本出願に係るトラフィック調整方法の別の実施例のフローチャートである。
図5】本出願に係るトラフィック調整装置の一実施例の構造模式図である。
図6】本出願の実施例のトラフィック調整方法を実現する電子機器のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照しながら本出願の例示的な実施例を説明し、この説明には、理解を助けるための本出願の実施例の各種の詳細が含まれているが、これらのものは例示的なものに過ぎないと理解すべきである。したがって、当業者は、本出願の範囲及び主旨を逸脱することなく、ここで記載された実施例に対して各種の変化や修正を行うことができることを理解すべきである。同様に、明確及び明瞭のために、以下の説明において公知の機能及び構造についての説明を省略する。
【0013】
なお、矛盾しない限り、本出願における実施例及び実施例における特徴は互いに組み合わせることができる。以下、図面を参照して実施例にて本出願を詳しく説明する。
【0014】
図1は、本出願のトラフィック調整方法又はトラフィック調整装置の実施例が適用される例示的なシステムアーキテクチャ100を示す。
【0015】
図1に示すように、システムアーキテクチャ100は、端末機器101、102、103と、ネットワーク104と、サーバ105とを含むことができ、また、サーバ106をさらに含んでもよい。ネットワーク104は、端末機器101、102、103とサーバ105、106との間で通信リンクを提供する媒体として機能する。ネットワーク104は、さまざまな接続タイプ、例えば有線、無線通信リンクや光ファイバケーブルなどを含みうる。
【0016】
ユーザは、端末機器101、102、103を用いてネットワーク104を介してサーバ105、106とインタラクションし、メッセージなどを送受信することができる。端末機器101、102、103には、各種の通信クライアントアプリケーション、例えばビデオアプリケーション、ライブ配信アプリケーション、インスタントメッセージングツール、電子メールクライアント、ソーシャルプラットフォームソフトウェアなどがインストールされてもよい。
【0017】
ここでの端末機器101、102、103は、ハードウェアであってもよいし、ソフトウェアであってもよい。端末機器101、102、103がハードウェアである場合、表示画面を備える各種の電子機器であってもよく、スマートフォン、タブレットコンピュータ、電子書籍リーダ、ラップトップコンピュータやデスクトップコンピュータなどを含むが、これらに制限されない。端末機器101、102、103がソフトウェアである場合、上記の電子機器にインストールされ得る。複数のソフトウェア又はソフトウェアモジュール(例えば分散サービスを提供するための複数のソフトウェア又はソフトウェアモジュール)として実装されてもよく、単一のソフトウェア又はソフトウェアモジュールとして実装されてもよい。ここでは特に限定しない。
【0018】
サーバ105は、さまざまなサービスを提供しうるサーバ、例えば端末機器101、102、103をサポートするバックエンドサーバである。バックエンドサーバは、受信したトラフィック関連情報などのデータについて分析などの処理を行い、処理結果(例えばトラフィック調整ステップの実行結果)を端末機器にフィードバックすることができる。サーバ106は予め設定された冗長サーバを指し得る。該冗長サーバは、サーバ105に対するサービス容量の拡張に用いることができ、つまり、サーバ105のサービス容量の拡張に新たな運行リソースを提供するものであってもよい。
【0019】
なお、本出願の実施例によって提供されるトラフィック調整方法はサーバ105によって実行されてもよく、対応して、トラフィック調整装置はサーバ105、106に配置されてもよい。
【0020】
なお、図1の端末機器、ネットワーク、及びサーバの数は例示的なものに過ぎない。実装の必要に応じて、任意の数の端末機器、ネットワーク及びサーバを有してもよい。
【0021】
また、図2を参照すると、本出願に係るトラフィック調整方法の一実施例の手順200が示されている。該トラフィック調整方法は、サーバに適用でき、該方法は、ステップ201~ステップ203を含むことができる。
【0022】
ステップ201、サーバがトラフィック調整条件を満たすことに応答して、サーバのトラフィック関連情報を取得する。
【0023】
本実施例では、トラフィック調整方法が運行されている実行エンティティ(例えば図1に示すサーバ)は、該サーバがトラフィック調整条件を満たす場合、該サーバのトラフィック関連情報を取得する。該トラフィック調整条件が満たされる場合にのみ、上記サーバに対してトラフィックの調整ができる。例えば、トラフィック調整条件は流速が予め設定された流速に達したことを指してもよく、ここでの流速は、1秒あたりのデータ量であってもよい。ここでのサーバは1つのサーバであってもよいし、少なくとも2つのサーバからなるサーバクラスターであってもよい。
【0024】
トラフィック関連情報は、トラフィック調整ステップを決定することに用いられ、トラフィックに関連する各種の情報を指すものであってもよい。例えば、トラフィック関連情報は、アップロードトラフィック(その生成を要求されるトラフィック)に対するフィードバック速度を含んでもよい。
【0025】
ステップ202、トラフィック関連情報に基づいて、トラフィック調整ステップを決定し、トラフィック調整ステップは、低レベルから高レベルへの順序に従って、複数のレベルの配信トラフィックの中から少なくとも1つのレベルの配信トラフィックを決定してトラフィックのダウンレギュレーション(downregulation)を行うことを示し、少なくとも1つのレベルは複数のレベルのうちの最高レベルを含まず、任意の2つのレベルの配信トラフィックのうち、レベルの高い配信トラフィックのバリュー値がレベルの低い配信トラフィックのバリュー値より大きい。
【0026】
本実施例では、上記実行エンティティは、トラフィック関連情報に基づいて、トラフィックのダウンレギュレーションを含むトラフィック調整ステップを決定する。つまり、トラフィック調整ステップはトラフィックのダウンレギュレーションを行うことを示し、ここでのトラフィックのダウンレギュレーションは、配信トラフィックに対するダウンレギュレーションのことである。そして、該サーバの配信トラフィックはさまざまなレベルに分けることができ、上記実行エンティティは、これらレベルのうちの少なくとも1つのレベルの配信トラフィックに対してトラフィックのダウンレギュレーションを行うことができ、ここでダウンレギュレーション対象となる配信トラフィックは最低レベルの配信トラフィックを含むが、最高レベルの配信トラフィックを含まない。ここでのトラフィックダウンレギュレーションは、あるレベルのトラフィックを部分的に低減させることを含んでもよく、あるレベルの全部のトラフィックを削除することを含んでもよい。
【0027】
ここでの各レベルの配信トラフィックは、ユーザ要求に対する配信トラフィックを含んでもよい。一例として、ユーザ要求が天気予報の問い合わせを示す場合、要求に対する配信トラフィックは複数のレベルの配信トラフィックを含むことができ、例えば最高レベルP0の配信トラフィックは、詳細な(例えば天気に関連する色、特殊効果)天気予報を含み、次の高レベルP1の配信トラフィックは、あるアプリケーションにおける天気に関する文字による記述を含む。最低レベルP2の配信トラフィックは、2人の友達がパブリックプラットフォームにおける天気に関するチャットの記録を含む。
【0028】
配信トラフィックのレベルが高いほどバリュー値が高くなる。バリュー値は、各種のバリュー値要素により決定することができ、例えばバリュー値要素は、ユーザ要求との関連度、権威度、適時性、ユーザ履歴クリック確率のうちの少なくとも1つを含むことができる。例えば、上記実行エンティティ又は他の電子機器は、任意のレベルの配信トラフィックの各バリュー値に加重をして、加重の結果を用いて、該レベルのバリュー値を決定することができる。具体的には、配信トラフィックとは、ユーザの端末へデータを配信する際に生じたトラフィックのことを指す。
【0029】
ステップ203、トラフィック調整ステップのうちの各ステップの前後順に従って、トラフィック調整ステップのうちの少なくとも1つのステップを実行する。
【0030】
本実施例では、上記実行エンティティは、決定したトラフィック調整ステップのうちの各ステップの前後順に従って、各ステップのうちの少なくとも1つのステップを実行する。実際には、上記実行エンティティは、さまざまな方法でトラフィック調整ステップのうちの少なくとも1つのステップを実行することができ、例えばトラフィック調整ステップのうちのすべてのステップを前後順にしたがって実行する。若しくは、上記実行エンティティは、予め設定された期間内でトラフィック調整ステップを実行し、予め設定された期間に達すると、どのステップまで実行しているにかかわらず、実行を停止する。
【0031】
オプション的に、上記サーバは、災害復旧キャッシュ(cache)領域と性能キャッシュ領域とをさらに含んでもよい。否定応答値(negative response value)が増加した場合、上記実行エンティティは、災害復旧キャッシュ領域及び/又は性能キャッシュ領域から、キャッシュしたデータを取得し、キャッシュしたデータを利用して応答処理を行うことができる。災害復旧キャッシュ領域には、要求に返信するためのデータ、例えば履歴返信データが記憶されている。性能キャッシュ領域は応答を速めるのに用いられる。
【0032】
本出願の上記実施例による方法は、最低レベルを含める少なくとも1つのレベルの配信トラフィックに対してトラフィックのダウンレギュレーションを行うことができ、それにより、高レベルトラフィックをスムーズに配信し、ユーザにバリューの高い配信コンテンツを表示することを効果的に確保できる。
【0033】
本実施例のいくつかの好ましい実施形態では、ステップ202は、サーバが満たしているトラフィック調整条件が、端末に対する否定応答値が目標値まで増加したことであることに応答して、サーバのトラフィックサービスを冗長サーバに切り替えるステップであって、否定応答値は、要求に対して応答せず、又は応答が遅延することを示すステップと、冗長サーバに切り替えたトラフィックサービスが正常な状態に達していないことに応答して、トラフィック関連情報に基づいて、トラフィック調整ステップを決定するステップとを含んでもよい。
【0034】
これらのオプション的な実施形態では、上記実行エンティティは、サーバが満たしているトラフィック調整条件が、端末の否定応答値が目標値まで増加した場合、上記サーバのトラフィックサービスを冗長サーバに切り替えることができる。切り替えた後に、冗長サーバが依然として該トラフィックサービスをサポートできない場合、上記実行エンティティは、トラフィック調整ステップを決定し、トラフィック調整ステップによって該トラフィックサービスを正常にすることができる。ここでの冗長サーバは予め設定され、上記実行エンティティと異なる少なくとも1つのサーバであってもよい。
【0035】
否定応答は、サービスの異常又は故障として理解してもよい。具体的には、上記否定応答値は、否定応答の数、否定応答の確率、否定応答の増分又は否定応答の増加率を指し得る。ここでの否定応答とは、ユーザによる要求に応答しないこと又は応答が遅延することを指すものであってもよい。実際には、ここでの否定応答値が目標値まで増加するとは、大幅に増加すること指すものとしてもよく、例えば、増分が予め設定された増加量よりも大きく、又は増加率が予め設定された増加率よりも大きい。例えば、ユーザによる要求に応答しない確率が百分の一から百分の五に上昇すると、上記実行エンティティはトラフィック調整条件が満たされると決定することができる。
【0036】
ここでの正常な状態はトラフィックサービスについて予め設定された状態である。例えば、正常な状態は、否定応答の確率が百分の一であること、及び応答が遅延する確率が百分の一であることを含むことができる。
【0037】
これらの実施形態では、サービスに異常が生じた場合、まず、最も効率的かつ効果的な緊急応答を実現するためにサービスを他のサーバに切り替え、いずれのトラフィックのレベルを低下させずにサービスの異常に対処することを試みる。
【0038】
本実施例のいくつかのオプション的な実施形態では、ステップ201において、サーバがトラフィック調整条件を満たしていることに応答するステップは、高トラフィック将来期間が存在すると決定することに応答して、サーバがトラフィック調整条件を満たすと決定するステップを含んでもよく、トラフィック調整ステップは高トラフィック将来期間における実行に用いられ、トラフィック関連情報はトラフィック調整ステップの決定要素を含み、決定要素はトラフィックの容量の需要及び配信トラフィックのレベルのうちの少なくとも1つを含む。
【0039】
これらのオプション的な実施形態では、上記トラフィック調整条件は、上記実行エンティティが高トラフィック将来期間の存在可能性を決定することであってもよい。具体的には、高トラフィックとは、トラフィックピークの時のサーバのトラフィックを指し、トラフィックピークとは、トラフィックの流速が予め設定された流速閾値より大きいことを指し得る。ここでの高トラフィック将来期間とは、端末(例えば技術者の端末)のユーザによって設定されたものであってもよく、上記実行エンティティが予め設定されたモデルを用いて得たものであってもよい。
【0040】
ここでの高トラフィック将来期間が存在し得るトラフィックピークとは、ネットワークプラットホームによる運営活動により発生する短時間のトラフィックピークであってもよい。上記実行エンティティは、このようなシーンの下、トラフィック調整ステップの決定要素を利用してトラフィック調整ステップを決定することができる。具体的には、決定要素はトラフィックの容量の需要を含むことができ、また、配信トラフィックのレベルを含むこともできる。ここでのトラフィックの容量の需要とは、該高トラフィック将来期間について設定されたトラフィックの容量の需要を示し得る。該容量の需要は、上記実行エンティティが特定のモデルを利用して生成したものであってもよく、端末(例えば技術者の端末)から取得したものであってもよい。
【0041】
実際には、上記実行エンティティは、さまざまな方法で、トラフィックの容量の需要及び配信トラフィックのレベルに基づいて、トラフィック調整ステップを決定することができる。例えば、上記実行エンティティは対応関係を取得し、この対応関係は、上記容量の需要、配信トラフィックのレベルの両方とトラフィック調整ステップとの間の対応関係を示す。このようにして、上記実行エンティティは、上記サーバのトラフィックの容量の需要と配信トラフィックのレベルに対応するトラフィック調整ステップを探索できる。若しくは、上記実行エンティティは、上記サーバのトラフィックの容量の需要と配信トラフィックのレベルを、特定のモデル(例えば訓練済みのディープニューラルネットワーク)に入力し、該モデルから出力されたトラフィック調整ステップを得る。
【0042】
これらの実施形態は、将来トラフィックピークが存在すると予測した場合、トラフィック調整条件を満たすと決定することができ、それにより、この該トラフィックピーク期間について実施可能なトラフィック調整ステップを決定し、この期間内でサーバがサービスをスムーズに提供できるようにする。
【0043】
本実施例のいくつかのオプション的な実施形態では、トラフィック関連情報はサービス状態情報を含み、ステップ202は、サーバが満たすトラフィック調整条件が、端末に対する否定応答値の増加であることに応答して、サービス状態情報に対応する故障原因情報を決定するステップと、故障原因情報に従って、トラフィック調整ステップを決定するステップとを含んでもよい。
【0044】
これらのオプション的な実施形態では、上記実行エンティティは、上記サーバに故障が生じた場合、故障原因情報を決定し、該故障原因情報はサーバの故障原因を示すのに用いられる。次に、上記実行エンティティは、故障原因情報に従って、トラフィック調整ステップを決定してもよい。サービス状態情報は、トラフィックに関連するサービスの現在の状態を反映する各種の情報であってもよい。例えば、サービス状態情報は各サービスインスタンスのノードの運行状況である。
【0045】
実際には、上記実行エンティティは、さまざまな方法で故障原因情報を決定することができる。例えば、上記実行エンティティは、サービス状態情報と故障原因情報との対応関係を取得し、この対応関係から該サービス状態情報に対応する故障原因情報を探索する。若しくは、上記実行エンティティは、サービス状態情報を特定の端末(例えば技術者の端末)に送信し、該端末から返された故障原因情報を取得してもよい。
【0046】
実際には、上記実行エンティティは、さまざまな方法で、故障原因情報に従って、トラフィック調整ステップを決定することができる。例えば、上記実行エンティティは、故障原因情報とトラフィック調整ステップとのマッピング関係を取得し、このマッピング関係から該故障原因情報に対応するトラフィック調整ステップを探索する。若しくは、上記実行エンティティは、該故障原因情報を目標モデルに入力し、該目標モデルは、故障原因情報に対応するトラフィック調整ステップを予測することに用いられる。このようにして、上記実行エンティティは該目標モデルから出力されたトラフィック調整ステップを得る。
【0047】
これらの実施形態は、サーバの故障原因を分析することによって、直接的に故障原因に対して適合するトラフィック調整ステップを決定し、それにより、トラフィック調整ステップの決定の正確性を向上させることができる。
【0048】
本実施例のいくつかのオプション的な実施形態では、少なくとも1つのレベルの配信トラフィックにおいて、各レベルの配信トラフィックに対応するダウンレギュレーションの幅が存在し、いずれかのレベルのトラフィックのダウンレギュレーションの幅は当該いずれかのレベルよりもレベルの高いトラフィックのダウンレギュレーションの幅以上である。
【0049】
これらのオプション的な実施形態では、任意のレベルのトラフィックのダウンレギュレーションの幅は、該任意のレベルよりもレベルの高いトラフィックのダウンレギュレーションの幅以上である。例えば、最低レベルの全部のトラフィックを削除するとともに、それに次ぐ低レベルのトラフィックの一部を減らす。
【0050】
これらの実施形態は、高バリューのトラフィックをスムーズに配信することを優先的に確保できる。
【0051】
さらに、図3を参照して、図3は本出願に係るトラフィック調整方法の別の実施例のフローチャートである。
【0052】
さらに、図4を参照して、図4には、トラフィック調整方法の別の実施例の手順400が示されている。該手順400では、トラフィック調整ステップは、サーバの1つ以上のレベルの配信トラフィックに対してサービス容量の調整を行うことをさらに示し、トラフィック関連情報はサービス状態情報を含む。該方法は、ステップ401~ステップ404を含む。
【0053】
ステップ401、サーバがトラフィック調整条件を満たすことに応答して、サーバのトラフィック関連情報を取得する。
【0054】
本実施例では、トラフィック調整方法が運行されているものの実行エンティティ(例えば図1に示すサーバ)は、該サーバがトラフィック調整条件を満たす場合、該サーバのトラフィック関連情報を取得してもよい。トラフィック調整条件は、トラフィックに対して調整するために満たすべき条件を指すようにしてもよい。例えば、トラフィック調整条件は流速が予め設定された流速に達したことを指すようにしてもよく、ここでの流速は、1秒あたりのデータ量としてもよい。ここでのサーバは1つのサーバであってもよく、少なくとも2つのサーバからなるサーバクラスターであってもよい。
【0055】
ステップ402、サーバのサービス状態情報に基づいて、サーバの容量がサーバの目標期間のトラフィックを満たすか否かを決定し、目標期間のトラフィックは現在のトラフィック又は高トラフィック将来期間のトラフィックであり、トラフィック調整ステップは、低レベルから高レベルへの順序に従って、複数のレベルの配信トラフィックの中から少なくとも1つのレベルの配信トラフィックを決定してトラフィックのダウンレギュレーションを行うことを示し、少なくとも1つのレベルは複数のレベルのうちの最高レベルを含まず、任意の2つのレベルの配信トラフィックのうち、レベルの高い配信トラフィックのバリュー値がレベルの低い配信トラフィックのバリュー値より大きい。
【0056】
本実施例では、上記実行エンティティは、サーバのサービス状態情報に従って、サーバの容量がサーバの目標期間のトラフィックを満たすか否かを決定するようにしてもよい。
【0057】
実際には、サービス状態情報により現在提供しているサービスが正常であることが示された場合、サーバの容量が現在のトラフィックを満たすと決定してもよい。若しくは、上記実行エンティティは、現在のトラフィックと高トラフィック将来期間の予測トラフィックとを比較し、例えば高トラフィック将来期間の予測トラフィックと現在のトラフィックとの差を決定し、予め設定された対応関係表、モデル又は特定の端末を利用して、該サーバの現在のアイドルリソースがこの差を満たすか否かを決定し、満たさない場合、該サーバの容量が該サーバの目標期間のトラフィックを満たさないと決定する。
【0058】
ステップ403、サーバの容量がサーバの目標期間のトラフィックを満たさないと決定する場合、トラフィック調整ステップを決定する。
【0059】
本実施例では、上記実行エンティティは、該サーバの容量が上記サーバの現在のトラフィックを満たさないと決定する場合、トラフィック調整ステップを決定し、該トラフィック調整ステップは、サーバの1つ以上のレベルの配信トラフィックに対してサービス容量の調整を行うことを含む。
【0060】
具体的には、ここでのサービス容量の調整は、さまざまな方法により実現することができ、例えばすべてのレベルの配信トラフィックサービスに対して容量の拡張を行ったり、最低レベルのトラフィックサービスに対して容量の縮小を行ったりする。ここでのサービス容量の拡張及びサービス容量の縮小は、サービスのサービスインスタンスに対して行われ得る。
【0061】
ステップ404、トラフィック調整ステップのうちの各ステップの前後順に従って、トラフィック調整ステップのうちの少なくとも1つのステップを実行する。
【0062】
本実施例では、上記実行エンティティは、決定したトラフィック調整ステップのうちの各ステップの前後順に従って、該各ステップのうちの少なくとも1つのステップを実行する。実際には、上記実行エンティティは、さまざまな方法で、トラフィック調整ステップのうちの少なくとも1つのステップを実行することができ、例えば、トラフィック調整ステップのうちのすべてのステップを前後順に従って実行する。若しくは、上記実行エンティティは、予め設定された期間内でトラフィック調整ステップを実行し、予め設定された期間に達すると、どのステップまで実行されているかにかかわらず、実行を停止するようにしてもよい。
【0063】
本実施例では、サーバの容量が不充分であると決定した場合、トラフィックをスムーズに配信するように、配信トラフィックに対して容量の調整を行うことができる。
【0064】
本実施例のいくつかのオプション的な実施形態では、1つ以上のレベルのトラフィックは最高レベルのトラフィックを含む。サーバの1つ以上のレベルの配信トラフィックサービスに対して容量の調整を行う上記ステップは、配信トラフィックのレベルの高い方から低い方への順に従って、複数のレベルの配信トラフィックの中から第1の予め設定された数のレベルの配信トラフィックを決定してサービス容量の拡張を行うことで、新たな運行リソースを追加して第1の予め設定された数のレベルの配信トラフィックを処理するステップを含み、第1の予め設定された数は1つ以上のレベルのレベル数以下である。
【0065】
これらのオプション的な実施形態では、上記実行エンティティは、配信トラフィックの高い方から低い方への順に従って、サーバの第1の予め設定された数のレベルの配信トラフィックサービスに対して容量の拡張を行うことで、該第2の予め設定された数のレベルの配信トラフィックの生成及び配信を増加させる。このようにして、本機器又は他の機器におけるより多くの運行リソース(例えば運行により占められたスペースやメモリなど)は、該第1の予め設定された数のレベルの配信トラフィックのスムーズな配信に用いることができる。ここでのサービス容量の拡張に係る第1の予め設定された数のレベルは、上記1つ以上のレベルの全部であっても、一部だけであってもよい。
【0066】
ここでのサービス容量の拡張は最高レベルの配信トラフィックに対するものであってもよく、他のレベルの配信トラフィックに対するものであってもよく、例えばすべてのレベルの配信トラフィックに対して行われるようにしてもよい。
【0067】
これらの実施形態は、サーバの高レベルの配信トラフィックサービスに対して容量の拡張を行うことで、高バリューのトラフィックをスムーズに配信することを確保できる。
【0068】
本実施例のいくつかのオプション的な実施形態では、サーバの1つ以上のレベルの配信トラフィックサービスに対して容量の調整を行う上記ステップは、配信トラフィックのレベルの低い方から高い方への順に従って、複数のレベルの配信トラフィックの中から第2の予め設定された数のレベルの配信トラフィックを決定してサービス容量の縮小を行うことで、運行リソースを減らして第2の予め設定された数のレベルの配信トラフィックを処理するステップをさらに含んでもよい。
【0069】
これらのオプション的な実施形態では、上記実行エンティティは、配信トラフィックのレベルの低い方から高い方への順に従って、サーバの第2の予め設定された数のレベルの配信トラフィックサービスに対して容量の縮小を行うことで、該第2の予め設定された数のレベルの配信トラフィックの生成及び配信を減らすこともできる。第2の予め設定された数のレベルは最高レベルを含まない。
【0070】
これらの実施形態は、サーバの低レベルの配信トラフィックサービスに対して容量の縮小を行うことで、高バリューのトラフィックをスムーズに配信することを確保できる。
【0071】
本実施例のいくつかのオプション的な実施形態では、ステップ204は、トラフィック調整ステップのうちの各ステップの前後順に従って、トラフィック調整ステップのうちの1つのステップを実行するステップと、上記新たな運行リソースの否定応答値が目標値まで増加したことに応答して、1つのステップに対応するロールバック動作を実行するステップと、を含んでもよい。
【0072】
これらのオプション的な実施形態では、上記実行エンティティは、各ステップの前後順に従って順次実行してもよい。且つ、上記実行エンティティは、1つのステップを実行するたびに、該ステップの実行効果を決定し、つまり、否定応答値が目標値まで増加したか否かを決定する。目標値まで増加したと決定すると、ロールバックである後退動作を行う。それにより、上記サーバがこれらのうちの1つのステップを実行されていない状態に戻る。
【0073】
これらの実施形態は、ステップの実行をリアルタイムで監視し、トラフィック調整ステップの実行効果が好ましくないと決定した場合、ロールバックを行うことで新しい故障の発生を回避する。
【0074】
さらに、図5を参照すると、上記各図に示す方法の実装として、本出願は、トラフィック調整装置の一実施例を提供し、該装置の実施例は、図2に示す方法の実施例に対応しており、下記の特徴に加え、該装置の実施例は、図2に示す方法の実施例と同一又は対応する特徴又は効果を含んでもよい。該装置は、具体的には、各種の電子機器に適用できる。
【0075】
図5に示すように、本実施例のトラフィック調整装置500は、取得ユニット501と、決定ユニット502と、実行ユニット503とを含む。取得ユニット501は、サーバがトラフィック調整条件を満たすことに応答して、サーバのトラフィック関連情報を取得するように構成され、決定ユニット502は、前記トラフィック関連情報に基づいて、トラフィック調整ステップを決定するように構成され、前記トラフィック調整ステップは、低レベルから高レベルへの順序に従って、複数のレベルの配信トラフィックの中から少なくとも1つのレベルの配信トラフィックを決定してトラフィックのダウンレギュレーションを行うことを示し、前記少なくとも1つのレベルは前記複数のレベルのうちの最高レベルを含まず、任意の2つのレベルの配信トラフィックのうち、レベルの高い配信トラフィックのバリュー値がレベルの低い配信トラフィックのバリュー値より大きく、実行ユニット503は、トラフィック調整ステップのうちの各ステップの前後順に従って、トラフィック調整ステップのうちの少なくとも1つのステップを実行するように構成される。
【0076】
本実施例では、トラフィック調整装置500の取得ユニット501、決定ユニット502、及び実行ユニット503による具体的な処理及びこれらの処理による技術的効果は、それぞれ図2の対応する実施例のステップ201、ステップ202、及びステップ203の関連説明を参照すればよく、ここでは詳しく説明しない。
【0077】
本実施例のいくつかのオプション的な実施形態では、前記決定ユニットは、さらに、前記サーバが満たすトラフィック調整条件が、端末に対する否定応答値が目標値まで増加したことであることに応答して、前記サーバのトラフィックサービスを冗長サーバに切り替え、前記否定応答値は、要求に対して応答せず、又は応答が遅延することを示し、前記冗長サーバに切り替えたトラフィックサービスが正常な状態に達していないことに応答して、前記トラフィック関連情報に基づいて、トラフィック調整ステップを決定する方法によって、前記トラフィック関連情報に基づいて、トラフィック調整ステップを決定する前記ステップを実行するように構成される。
【0078】
本実施例のいくつかのオプション的な実施形態では、前記取得ユニットは、さらに、高トラフィック将来期間が存在すると決定することに応答して、前記サーバがトラフィック調整条件を満たすと決定する方法によって、前記サーバがトラフィック調整条件を満たすことに応答する前記ステップを実行するように構成され、前記トラフィック調整ステップは前記高トラフィック将来期間に実行されるのに用いられ、前記トラフィック関連情報は前記トラフィック調整ステップの決定要素を含み、前記決定要素はトラフィックの容量の需要、及び配信トラフィックのレベルのうちの少なくとも1つを含む。
【0079】
本実施例のいくつかのオプション的な実施形態では、前記トラフィック関連情報はサービス状態情報を含み、前記決定ユニットは、さらに、前記サーバが満たすトラフィック調整条件が、端末に対する否定応答値の増加であることに応答して、前記サービス状態情報に対応する故障原因情報を決定し、前記故障原因情報に従って、トラフィック調整ステップを決定する方法によって、前記トラフィック関連情報に基づいて、トラフィック調整ステップを決定する前記ステップを実行するように構成される。
【0080】
本実施例のいくつかのオプション的な実施形態では、前記トラフィック調整ステップは、また、前記サーバの1つ以上のレベルの配信トラフィックに対してサービス容量の調整を行うことを示し、前記トラフィック関連情報はサービス状態情報を含み、前記決定ユニットは、さらに、前記サーバのサービス状態情報に従って、前記サーバの容量が前記サーバの目標期間のトラフィックを満たすか否かを決定し、前記目標期間のトラフィックは現在のトラフィック又は高トラフィック将来期間のトラフィックであり、前記サーバの容量が前記サーバの目標期間のトラフィックを満たさないと決定すると、前記トラフィック調整ステップを決定する方法によって、前記トラフィック関連情報に基づいて、トラフィック調整ステップを決定する前記ステップを実行するように構成される。
【0081】
本実施例のいくつかのオプション的な実施形態では、前記1つ以上のレベルのトラフィックは最高レベルのトラフィックを含み、前記サーバの1つ以上のレベルの配信トラフィックに対してサービス容量の調整を行う前記ステップは、配信トラフィックのレベルの高い方から低い方への順に従って、前記複数のレベルの配信トラフィックの中から第1の予め設定された数のレベルの配信トラフィックを決定してサービス容量の拡張を行うことで、新たな運行リソースを追加して前記第1の予め設定された数のレベルの配信トラフィックを処理するステップを含み、前記第1の予め設定された数は前記1つ以上のレベルのレベル数以下である。
【0082】
本実施例のいくつかのオプション的な実施形態では、前記サーバの1つ以上のレベルの配信トラフィックに対してサービス容量の調整を行う前記ステップは、配信トラフィックのレベルの低い方から高い方への順に従って、前記複数のレベルの配信トラフィックの中から第2の予め設定された数のレベルの配信トラフィックを決定してサービス容量の縮小を行うことで、運行リソースを減らして前記第2の予め設定された数のレベルの配信トラフィックを処理するステップをさらに含む。
【0083】
本実施例のいくつかのオプション的な実施形態では、前記トラフィック調整ステップのうちの各ステップの前後順に従って、前記トラフィック調整ステップのうちの少なくとも1つのステップを実行する前記ステップは、前記トラフィック調整ステップのうちの各ステップの前後順に従って、前記トラフィック調整ステップのうちの1つのステップを実行するステップと、前記新たな運行リソースの否定応答値が目標値まで増加したことに応答して、前記1つのステップに対応するロールバック動作を実行するステップと、を含む。
【0084】
本実施例のいくつかのオプション的な実施形態では、前記少なくとも1つのレベルの配信トラフィックにおいて、各レベルの配信トラフィックに対応するダウンレギュレーションの幅が存在し、いずれかのレベルのトラフィックのダウンレギュレーションの幅は当該いずれかのレベルよりもレベルの高いトラフィックのダウンレギュレーションの幅以上である。
【0085】
本出願の実施例によれば、本出願は、電子機器、可読記憶媒体、及びコンピュータプログラムをさらに提供する。
【0086】
図6には、本出願の実施例に係るトラフィック調整方法の電子機器のブロック図が示されている。電子機器は、ラップトップコンピュータ、デスクトップコンピュータ、ワークステーション、パーソナル・デジタル・アシスタント、サーバ、ブレードサーバ、メインフレームコンピュータ、及び他の適切なコンピュータのような、様々な形態のデジタルコンピュータを表すことを意図している。電子機器はまた、パーソナルデジタルプロセッシング、セルラー電話、スマートフォン、ウェアラブルデバイス、及び他の類似のコンピューティング装置のような、様々な形態のモバイル装置を表すことができる。本明細書に示されるコンポーネント、それらの接続及び関係、ならびにそれらの機能は一例にすぎず、本明細書に記載及び/又は必要とされる本出願の実装を制限することを意図していない。
【0087】
図6に示すように、該電子機器は、1つ以上のプロセッサ601と、メモリ602と、高速インタフェイスと低速インターフェイスとを含む、各コンポーネントを接続するためのインタフェイスとを含む。各コンポーネントは、異なるバスを用いて相互に接続され、共通のマザーボードに実装される、又は、必要に応じて他の方法で実装され得る。プロセッサは、外部入力/出力装置(例えば、インターフェイスに結合された表示機器)にGUIのグラフィック情報を表示するためにメモリ内又はメモリ上に記憶されたコマンドを含む、電子機器内で実行されるコマンドを処理することができる。他の実施形態では、必要に応じて、複数のプロセッサ及び/又は複数のバスは、複数のメモリ及び複数のメモリと共に使用され得る。同様に、複数の電子機器を接続することができ、各機器は、必要な動作の一部(例えば、サーバアレイ、ブレードサーバセット、又はマルチプロセッサシステムとして)を提供する。図6では、1つのプロセッサ601が例示されている。
【0088】
メモリ602は、本出願による非一時的コンピュータ可読記憶媒体である。ここで、メモリは、少なくとも1つのプロセッサに本出願によるトラフィック調整方法を実行させるために、少なくとも1つのプロセッサによって実行可能な指令を記憶している。本出願の非一時的コンピュータ可読記憶媒体は、本出願によるトラフィック調整方法をコンピュータに実行させるためのコンピュータ指令を記憶する。
【0089】
メモリ602は、非一時的コンピュータ可読記憶媒体として、非一時的ソフトウェアプログラム、非一時的コンピュータ実行可能プログラム、及び本出願の実施例におけるトラフィック調整方法に対応するプログラム指令/モジュール(例えば、図5に示す取得ユニット501、決定ユニット502、及び実行ユニット503)のようなモジュールを記憶するために使用することができる。プロセッサ601は、メモリ602に記憶された非一時的ソフトウェアプログラム、指令、及びモジュールを実行することによって、サーバの様々な機能アプリケーション及びデータ処理を実行する、すなわち、上記方法の実施例におけるトラフィック調整方法を実現することができる。
【0090】
メモリ602は、オペレーティングシステム、少なくとも1つの機能に必要なアプリケーションプログラムを記憶することができるプログラム記憶領域と、トラフィック調整方法の電子機器の使用に応じて送信されたデータなどを記憶することができるデータ記憶領域とを含む。さらに、メモリ602は、高速ランダムアクセスメモリを含むことができ、少なくとも1つの磁気ディスクメモリデバイス、フラッシュメモリデバイス、又は他の非一時的固体メモリデバイスなどの非一時的メモリを含むこともできる。いくつかの実施例では、メモリ602は、オプションとして、プロセッサ601に対して遠隔的に設置されたメモリを含むことができ、これらの遠隔メモリは、メモリネットワークを介してトラフィック調整電子機器に接続され得る。上記のネットワークの例には、インターネット、企業イントラネット、ローカルエリアネットワーク、移動体通信ネットワーク、及びこれらの組み合わせが含まれるが、これらに限定されるものではない。
【0091】
トラフィック調整方法の電子機器は、入力装置603及び出力装置604をさらに含むことができる。プロセッサ601、メモリ602、入力装置603、及び出力装置604は、バス又は他の方法で接続されてもよく、図6には、バスを介した接続が例示されている。
【0092】
入力装置603は、入力された数字又は文字情報を受信すること、及びトラフィック調整方法の電子機器のユーザ設定及び機能制御に関連するキー信号入力を生成することができ、例えば、タッチスクリーン、キーパッド、マウス、トラックボード、タッチパッド、ポインティングスティック、1つ以上のマウスボタン、トラックボール、ジョイスティックなどの入力装置である。出力装置604は、表示機器、補助照明装置(例えば、LED)、及び触覚フィードバック装置(例えば、振動モータ)などを含むことができる。この表示機器は、液晶ディスプレイ(LCD)、発光ダイオード(LED)ディスプレイ、及びプラズマディスプレイを含むことができるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、表示機器はタッチスクリーンであってもよい。
【0093】
ここで記載されたシステム及び技術の様々な実施形態は、デジタル電子回路システム、集積回路システム、専用ASIC(特定用途向け集積回路)、コンピュータハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、及び/又はこれらの組み合わせにおいて実装されてもよい。これらの様々な実施形態は、以下を含むことができる。1つ以上のコンピュータプログラムで実行し、この1つ以上のコンピュータプログラムは、専用又は汎用のプログラマブルプロセッサとすることができる少なくとも1つのプログラマブルプロセッサを含むプログラマブルシステム上で実行及び/又は解釈することができ、記憶システムと、少なくとも1つの入力装置と、少なくとも1つの出力装置とからデータ及び指令を受信し、この記憶システムと、この少なくとも1つの入力装置と、この少なくとも1つの出力装置とにデータ及び指令を転送することができる。
【0094】
これらの計算プログラム(プログラム、ソフトウェア、ソフトウェアアプリケーション、又はコードとも呼ばれる)は、プログラマブルプロセッサの機械指令を含み、これらの計算プログラムは、高度なプロセス及び/又はオブジェクト指向プログラミング言語、及び/又はアセンブル/機械語を使用して実装されてもよい。本明細書で使用されるように、用語「機械可読媒体」及び「コンピュータ可読媒体」は、機械指令及び/又はデータをプログラマブルプロセッサに提供するための任意のコンピュータプログラム、機器、及び/又は装置(例えば、磁気ディスク、光ディスク、メモリ、プログラマブル論理デバイス(PLD))を指し、機械可読信号としての機械指令を受信する機械読み取り可能媒体を含む。用語「機械可読信号」は、機械指令及び/又はデータをプログラマブルプロセッサに提供するための任意の信号を指す。
【0095】
ユーザとの対話を提供するために、ここで記載されたシステム及び技術は、コンピュータで実施することができ、このコンピュータは、ユーザに情報を表示するための表示装置(例えば、CRT(陰極線管)又はLCD(液晶ディスプレイ)モニタ)と、ユーザがコンピュータに入力を提供することを可能にするキーボード及びポインティング装置(例えば、マウス又はトラックボール)とを有する。他の種類の装置も、ユーザとの対話を提供するために使用され得、例えば、ユーザに提供されるフィードバックは、任意の形態のセンシングフィードバック(例えば、視覚フィードバック、聴覚フィードバック、又は触覚フィードバック)であってもよく、そしてユーザからの入力は、任意の形式(音声入力、音声入力、又は触覚入力を含む)で受信することができる。
【0096】
ここで記載されたシステム及び技術は、バックグラウンドコンポーネント(例えば、データサーバとして)、又はミドルウェアコンポーネント(例えば、アプリケーションサーバ)、又はフロントエンドコンポーネントを含むコンピューティングシステム(例えば、ユーザがここで記載されたシステム及び技術の実施形態と対話することを可能とするグラフィカルユーザインタフェース又はウェブブラウザを有するユーザコンピュータ)、又はそのようなバックグラウンドコンポーネント、ミドルウェアコンポーネント、又はフロントエンドコンポーネントの任意の組み合わせを含むコンピューティングシステムにおいて実施される。システムのコンポーネントは、任意の形や媒体のデジタルデー通信(例えば、通信ネットワーク)を使っても相互に接続され得る。通信ネットワークの例には、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、及びインターネットが含まれる。
【0097】
コンピュータシステムは、クライアント及びサーバを含むことができる。クライアント及びサーバは、一般的に互いに離れており、通常通信ネットワークを介してインタラクションする。クライアントとサーバの関係は、対応するコンピュータ上で実行され、互いにクライアント-サーバ関係を有するコンピュータプログラムによって生成される。サーバはクラウドコンピューティングサーバ又はクラウドホストとも呼ばれるクラウドサーバであってもよく、クラウドコンピューティングサービスシステムのホスト製品であり、それにより、従来の物理ホストとVPSサービス(「Virtual Private Server」、略語「VPS」)に存在する管理の難しさとビジネスの拡張性の弱さの欠点を解決する。サーバは、分散システムのサーバであっても、ブロックチェーンと組み合わせたサーバであってもよい。
【0098】
図面中のフローチャート及びブロック図は、本出願の様々な実施例によるシステム、方法、及びコンピュータプログラムの可能な実装のアーキテクチャ、機能、及び動作を例示する。この点において、フローチャート又はブロック図の各ブロックは、所定の論理機能を実現するための1つ以上の実行可能指令を含むモジュール、プログラムセグメント、又はコードの一部を表してもよい。なおいくつかの代替実装では、ブロックに記載された機能は、図面に記載された順序とは異なる順序で発生することもある。例えば,連続して表示される2つのブロックは、実際には、基本的に並行して実行され、機能によっては逆の順序で実行されることもある。また、なお、ブロック図及び/又はフローチャート中の各ブロック、ならびにブロック図及び/又はフローチャート中のブロックの組み合わせは、特定の機能又は動作を実行する専用ハードウェアベースのシステムによって実装されてもよく、又は専用ハードウェアとコンピュータ指令との組み合わせによって実装されてもよい。
【0099】
本出願の実施例に係るユニットは、ソフトウェアの形態で実現されてもよく、ハードウェアの形態で実現されてもよい。説明するユニットはまた、プロセッサに配置されてもよく、例えば、プロセッサは、取得ユニットと、決定ユニットと、実行ユニットとを含むように記載してもよい。ここで、これらのユニットの名称は、場合によって、このユニット自体を制限するものではなく、例えば、取得ユニットは、「サーバがトラフィック調整条件を満たすことに応答して、サーバのトラフィック関連情報を取得するユニット」として記載してもよい。
【0100】
別の態様として、本出願は、コンピュータ可読媒体をさらに提供し、該コンピュータ可読媒体は、上記実施例に記載の装置に含まれるものであってもよく、該装置に組み込まれずに単独で存在してもよい。上記コンピュータ可読媒体は、1つ以上のプログラムを担持しており、上記1つ以上の複数のプログラムは、該装置により実行されると、サーバがトラフィック調整条件を満たすことに応答して、サーバのトラフィック関連情報を取得し、前記トラフィック関連情報に基づいて、トラフィック調整ステップを決定するステップであって、前記トラフィック調整ステップは、低レベルから高レベルへの順序に従って、複数のレベルの配信トラフィックの中から少なくとも1つのレベルの配信トラフィックを決定してトラフィックのダウンレギュレーションを行うことを示し、前記少なくとも1つのレベルは前記複数のレベルのうちの最高レベルを含まず、任意の2つのレベルの配信トラフィックのうち、レベルの高い配信トラフィックのバリュー値がレベルの低い配信トラフィックのバリュー値より大きいステップと、トラフィック調整ステップのうちの各ステップの前後順に従って、トラフィック調整ステップのうちの少なくとも1つのステップを実行するステップとを、該装置が実行するようにする。
【0101】
以上の説明は、本出願の好適な実施例及び適用される技術原理に対する説明にすぎない。当業者は、本出願に係る発明の範囲は上記の技術的特徴の特定の組合せからなる技術方案に限定されるものではなく、上記の発明技術的思想を逸脱することなく、上記の技術的特徴又はその均等の特徴の任意の組合せからなる他の技術方案をもカバーしていることを理解すべきである。例えば、上記の特徴と、本出願で開示された(ただし、これに限定されない)類似の機能を有する技術的特徴とを相互に置き換えて形成された技術方案である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【外国語明細書】