(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022061721
(43)【公開日】2022-04-19
(54)【発明の名称】炭化水素油の水素化処理触媒及び水素化処理触媒の製造方法
(51)【国際特許分類】
B01J 27/19 20060101AFI20220412BHJP
B01J 35/10 20060101ALI20220412BHJP
B01J 37/04 20060101ALI20220412BHJP
B01J 37/03 20060101ALI20220412BHJP
B01J 37/06 20060101ALI20220412BHJP
B01J 37/08 20060101ALI20220412BHJP
C10G 45/08 20060101ALI20220412BHJP
【FI】
B01J27/19 M
B01J35/10 301A
B01J37/04 102
B01J37/03 B
B01J37/06
B01J37/08
C10G45/08 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020169837
(22)【出願日】2020-10-07
(71)【出願人】
【識別番号】000004444
【氏名又は名称】ENEOS株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000190024
【氏名又は名称】日揮触媒化成株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100128381
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 義憲
(74)【代理人】
【識別番号】100169454
【弁理士】
【氏名又は名称】平野 裕之
(74)【代理人】
【識別番号】100190931
【弁理士】
【氏名又は名称】熊谷 祥平
(72)【発明者】
【氏名】吉田 正典
(72)【発明者】
【氏名】香川 智靖
(72)【発明者】
【氏名】関 浩幸
【テーマコード(参考)】
4G169
4H129
【Fターム(参考)】
4G169AA03
4G169AA08
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4G169BA16C
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4G169BA42C
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4H129NA02
4H129NA04
4H129NA37
4H129NA46
(57)【要約】
【課題】新規な炭化水素油の水素化処理触媒を提供すること。
【解決手段】Si、Ti及びAlを含む無機酸化物担体と、周期律表第6族元素、第8族元素、第9族元素及び第10族元素からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属成分と、を含有する炭化水素油の水素化処理触媒であって、無機酸化物担体におけるAlの含有量がAl
2O
3換算で60質量%以上、Siの含有量がSiO
2換算で1.0~10.0質量%、Tiの含有量がTiO
2換算で12.0~30.0質量%であり、無機酸化物担体の、紫外線分光分析により測定されるTi由来の吸収ピークの吸収端波長が350nm以下であり、一酸化窒素吸着により測定される一酸化窒素の吸着量が7.5cc/ml以上である、炭化水素油の水素化処理触媒。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
Si、Ti及びAlを含む無機酸化物担体と、周期律表第6族元素、第8族元素、第9族元素及び第10族元素からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属成分と、を含有する炭化水素油の水素化処理触媒であって、
前記無機酸化物担体におけるAlの含有量がAl2O3換算で60質量%以上、Siの含有量がSiO2換算で1.0~10.0質量%、Tiの含有量がTiO2換算で12.0~30.0質量%であり、
前記無機酸化物担体の、紫外線分光分析により測定されるTi由来の吸収ピークの吸収端波長が350nm以下であり、
一酸化窒素吸着により測定される一酸化窒素の吸着量が7.5cc/ml以上である、炭化水素油の水素化処理触媒。
【請求項2】
前記無機酸化物担体のX線回折分析において、アナターゼ型チタニア(101)面及びルチル型チタニア(110)面の結晶構造を示す回折ピークが実質的に検出されない、請求項1に記載の水素化処理触媒。
【請求項3】
比表面積(SA)が150m2/g以上であり、細孔容積(PV)が0.30ml/g以上である、請求項1又は2に記載の水素化処理触媒。
【請求項4】
前記金属成分が、モリブデン、タングステン、コバルト及びニッケルからなる群より選ばれる少なくとも1種を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の水素化処理触媒。
【請求項5】
前記金属成分の含有量が、酸化物換算で1~35質量%である、請求項1~4のいずれか一項に記載の水素化処理触媒。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか一項に記載の水素化処理触媒の製造方法であって、
鉱酸と、チタニウム鉱酸塩と、酸性塩と、を含み、前記チタニウム鉱酸塩の含有割合が前記鉱酸に対してモル比で0.15~0.70であり、前記鉱酸と前記チタニウム鉱酸塩における鉱酸とが同種の酸である第1の水溶液と、塩基性アルミニウム塩を含む第2の水溶液とを混合して、pH6.5~9.5の混合液とし、前記混合液中に析出した担体前駆体を得る工程、
前記担体前駆体を洗浄、成形、乾燥及び焼成して担体を得る工程、及び、
前記担体に、周期律表第6族元素、第8族元素、第9族元素及び第10族元素からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属成分を担持して前記水素化処理触媒を得る工程、
を備える、方法。
【請求項7】
前記第1の水溶液が60℃以下で調製される、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記第1の水溶液及び/又は前記第2の水溶液がケイ酸イオンを含む、請求項6又は7に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、炭化水素油の水素化処理触媒及び水素化処理触媒の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、炭化水素油の水素化処理を目的として広く使用されてきたのは、アルミナ、アルミナ-シリカ、チタニア、アルミナ-チタニアなどの多孔性無機酸化物からなる担体に、周期表第VIA属元素及び第VIII族元素から選ばれた金属成分を担持した触媒である。
【0003】
現在、環境保護の観点から燃料油の硫黄分の品質規制が強化されている。特に、軽油中の硫黄分は10質量ppm以下という厳しい規制となっている。このため、この規制に対応できるよう軽油超深度脱硫触媒の開発が進んでいる。
【0004】
例えば下記特許文献1には、アルミナ-シリカ-チタニア担体に周期表第VIA族元素及び第VIII族元素から選ばれた金属成分を担持した触媒が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
チタニアはアルミナよりも、モリブデン等の金属成分との相互作用が高いため、複合酸化物担体中のチタニアを高分散すれば、そのチタニアが基点となり金属成分が高分散状態で担持され、活性点の数が増加することによって高い脱硫性能が期待できる。
【0007】
本発明は、新規な炭化水素油の水素化処理触媒、及び、当該水素化処理触媒の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一側面は、Si、Ti及びAlを含む無機酸化物担体と、周期律表第6族元素、第8族元素、第9族元素及び第10族元素からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属成分と、を含有する炭化水素油の水素化処理触媒であって、上記無機酸化物担体におけるAlの含有量がAl2O3換算で60質量%以上、Siの含有量がSiO2換算で1.0~10.0質量%、Tiの含有量がTiO2換算で12.0~30.0質量%であり、上記無機酸化物担体の、紫外線分光分析により測定されるTi由来の吸収ピークの吸収端波長が350nm以下であり、一酸化窒素吸着により測定される一酸化窒素の吸着量が7.5cc/ml以上である、炭化水素油の水素化処理触媒に関する。
【0009】
一態様において、上記無機酸化物担体は、X線回折分析において、アナターゼ型チタニア(101)面及びルチル型チタニア(110)面の結晶構造を示す回折ピークが実質的に検出されないものであってよい。
【0010】
一態様に係る水素化処理触媒は、比表面積(SA)が150m2/g以上であってよく、細孔容積(PV)が0.30ml/g以上であってよい。
【0011】
一態様において、上記金属成分は、モリブデン、タングステン、コバルト及びニッケルからなる群より選ばれる少なくとも1種を含んでいてよい。
【0012】
一態様において、上記金属成分の含有量は、酸化物換算で1~35質量%であってよい。
【0013】
本発明の他の一側面は、上記水素化処理触媒の製造方法であって、鉱酸と、チタニウム鉱酸塩と、酸性塩と、を含み、上記チタニウム鉱酸塩の含有割合が上記鉱酸に対してモル比で0.15~0.70であり、上記鉱酸と上記チタニウム鉱酸塩における鉱酸とが同種の酸である第1の水溶液と、塩基性アルミニウム塩を含む第2の水溶液とを混合して、pH6.5~9.5の混合液とし、上記混合液中に析出した担体前駆体を得る工程、上記担体前駆体を洗浄、成形、乾燥及び焼成して担体を得る工程、及び、上記担体に、周期律表第6族元素、第8族元素、第9族元素及び第10族元素からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属成分を担持して前記水素化処理触媒を得る工程、を備える、製造方法に関する。
【0014】
一態様において、上記第1の水溶液は60℃以下で調製されてよい。
【0015】
一態様において、上記第1の水溶液及び/又は前記第2の水溶液はケイ酸イオンを含むものであってよい。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、新規な炭化水素油の水素化処理触媒、及び、当該水素化処理触媒の製造方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】実施例1及び比較例4における無機酸化物担体のX線回折スペクトルを示す図である。
【
図2】実施例1及び比較例4における無機酸化物担体の紫外線可視光拡散反射すベクトルを示す図である。
【
図3】実施例1及び比較例4における水素化処理触媒の一酸化窒素吸着量を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
【0019】
<水素化処理触媒>
本実施形態に係る水素化処理触媒は、Si、Ti及びAlを含む無機酸化物担体と、周期律表第6族元素、第8族元素、第9族元素及び第10族元素からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属成分と、を含有する。本実施形態において、無機酸化物担体におけるAlの含有量はAl2O3換算で60質量%以上、Siの含有量はSiO2換算で1.0~10.0質量%、Tiの含有量はTiO2換算で12.0~30.0質量%である。また、本実施形態において、無機酸化物担体の、紫外線分光分析により測定されるTi由来の吸収ピークの吸収端波長は350nm以下である。また、一酸化窒素吸着により測定される一酸化窒素の吸着量が7.5cc/ml以上である。
【0020】
チタニアはアルミナよりも、モリブデン等の金属成分との相互作用が高いため、複合酸化物担体中のチタニアを高分散すれば、そのチタニアが基点となり金属成分が高分散状態で担持され、活性点の数が増加することによって高い脱硫性能が期待できる。本実施形態に係る水素化処理触媒は、Tiを高い分散状態で有しており、一酸化窒素の吸着量が多いため、高い脱硫性能が期待できる。
【0021】
なお、一酸化窒素分子は、触媒中の金属成分サイトに選択的に吸着することが知られており(例えば、表面科学vol.30、No.2、92~97)、この金属成分サイト(例えば、硫化処理した触媒中の硫化モリブデンのエッジサイト)は脱硫反応の反応場であることが知られている。よって、一酸化窒素の吸着量の多い触媒は、エッジサイトの数が多く、脱硫活性が高いと考えられる。
【0022】
(無機酸化物担体)
無機酸化物担体は、Si、Ti及びAlを含む。無機酸化物担体におけるAl2O3換算でのAlの含有量は、無機酸化物担体の全量基準で60質量%以上である。また、無機酸化物担体におけるSiO2換算でのSiの含有量は、無機酸化物担体の全量基準で1.0~10.0質量%である。また、無機酸化物担体におけるTiO2換算でのTiの含有量は、無機酸化物担体の全量基準で12.0~30.0質量%である。
【0023】
上記Alの含有量は、60質量%以上であれば特に制限はないが、水素化処理触媒の表面積や強度をより高める観点から、65質量%以上であることが好ましく、70質量%以上であることがより好ましい。また、上記Alの含有量は、例えば85質量%以下であってよい。ここで、アルミナの含有量が60質量%以上であれば、単体の成形性、触媒の表面積や強度が低下するおそれが少ない。また、アルミナの含有量が85質量%未満であれば、相対的にTiの含有量が低くならず、Tiの効果が十分に発揮されやすくなる。
【0024】
上記Siの含有量は、1.0~10.0質量%であれば特に制限はないが、水素化処理触媒の表面積やTiの分散性をより高める観点から、1.5質量%以上であることが好ましく、2.0質量%以上であることがより好ましい。また、無機酸化物担体における細孔径を均一化する観点から、上記Siの含有量は、7.0質量%以下であることが好ましく、5.0質量%以下であることがより好ましい。
【0025】
上記Tiの含有量は、12.0~30.0質量%であれば特に制限はないが、Tiの効果を十分に発揮させる観点から、15.0質量%以上であることが好ましく、18.0質量%以上であることがより好ましい。また、TiO2の凝集を効果的に抑制する観点から、上記Tiの含有量は、25.0質量%以下であることが好ましく、23.0質量%以下であることがより好ましい。
【0026】
無機酸化物担体は、Si、Ti及びAlに加えて、更に他の元素を含んでいてもよい。他の元素としては、例えば、P、B、Zr等が挙げられる。無機酸化物担体が他の元素を含む場合、これらの含有量は、無機酸化物担体全量を基準とし、各元素の酸化物換算で、例えば1質量%以上であってよく、20質量%以下であってよい。
【0027】
本実施形態に係る無機酸化物担体は、X線回折分析により測定されるアナターゼ型チタニア(101)面及びルチル型チタニア(110)面の結晶構造を示す回折ピーク(以下、「チタニア回折ピーク」ともいう。)が実質的に検出されないことが好ましい。ここで、チタニア回折ピークが検出される場合は、チタニアの結晶化が進み反応に有効な比表面積が減少する。そのためチタニア量を増やしすぎてもその経済性に見合う分の脱硫性能が発揮されず、本発明の目的の一つである担体中に含まれるTiをより高い分散状態で維持することができる触媒とならない。
【0028】
なお、X線回折分析の測定は、X線回折装置(理学電機(株)製:RINT2100)を用い、測定試料は測定用無反射板に圧粉したものを観察試料として測定される。アナターゼ型チタニア(101)面の結晶構造を示す回折ピークは2θ=25.5°で測定したものであり、ルチル型チタニア(110)面の結晶構造を示す回折ピークは、2θ=27.5°で測定したものである。本明細書においてチタニア回折ピークが実質的に検出されないとは、2θ=25.5°で測定した回折ピーク及び2θ=27.5°で測定した回折ピークがいずれも検出されないことをいい、例えば、これらの回折ピークのピーク強度が、2θ=45.9°で測定したγ-アルミナ(400)面に帰属されるアルミニウム結晶構造を示す回折ピークのピーク強度を1として、0.01以下であることをいう。
【0029】
無機酸化物担体において、紫外分光分析により測定されるTi由来の吸収ピークの吸収端波長は、350nm以下である。吸収端波長が350nm以下であれば、担体中のTiの分散性を良好に保つことができる。一方、吸収端波長の下限は特に制限されないが、担体中のTiの含有量を充分に確保する観点から、例えば325nm以上であってよい。
【0030】
なお、本明細書において、紫外分光分析により測定される吸収ピークの吸収端波長とは、紫外可視分光光度計により測定される紫外可視光拡散反射スペクトルの吸収端を示す波長のことをいい、より具体的には、吸収強度をクベルカームンク関数(K-M関数)を用いてK-M変換を行った際の、スペクトル強度の値が0.3以上となる最大の波長を意味する。
【0031】
無機酸化物担体において、BET法で測定される比表面積(SA)は、例えば280m2/g以上であってよく、好ましくは290m2/g以上である。上記比表面積(SA)が280m2/g以上であれば、後述する金属成分を高分散に担持することができ、脱硫性能の低下をより効果的に抑制できる。また、上記比表面積(SA)は、例えば450m2/g以下であってよく、好ましくは430m2/g以下である。上記比表面積(SA)が450m2/g以下であれば、触媒強度の低下をより効果的に抑制することができる。
【0032】
無機酸化物担体において、水のポアフィリング法により測定される細孔容積(PV)は、例えば0.45ml/g以上であってよく、好ましくは0.50ml/g以上である。また、上記細孔容積(PV)は、例えば0.80ml/g以下であってよく、好ましくは0.70ml/g以下である。上記細孔容積(PV)が0.80ml/g以下であれば、触媒強度の低下をより効果的に抑制することができる。
【0033】
(金属成分)
本実施形態において、上記無機酸化物担体に担持される金属成分は、周期律表の第6族元素、第8族元素、第9族元素及び第10族元素からなる群より選ばれる少なくとも1種である。ここで、「第6族元素」、「第8族元素」、「第9族元素」及び「第10族元素」とは、IUPAC形式の長周期表(新周期表)に基づく名称である。なお、短周期表(旧周期表)に基づき、「第6族元素」は「第VIA族元素」と称されることもあり、「第8族元素」、「第9族元素」及び「第10族元素」は「第VIII族元素」と総称されることもある。第6族元素の金属成分としては、モリブデン(Mo)、タングステン(W)等が挙げられ、第8族元素、第9族元素及び第10族元素の金属成分としては、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)等が挙げられる。これらの金属成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0034】
金属成分の含有量は、水素化処理触媒全量基準で、酸化物換算で1~35質量%であってよく、好ましくは15~30質量%である。特に、第6族元素の金属成分の含有量は、水素化処理触媒全量基準で、酸化物換算で10~30質量%であることが好ましく、13~24質量%であることがより好ましい。また、第8族元素、第9族元素及び第10族元素の含有量の合計は、酸化物換算で1~10質量%であることが好ましく、2~6質量%であることがより好ましい。
【0035】
本実施形態に係る水素化処理触媒の金属成分は、酸を用いて該金属成分を溶解させることが好ましい。ここで酸としては、リン酸及び/又は有機酸を使用することが好ましい。
【0036】
リン酸を用いる場合、リンの含有量は、水素化処理触媒全量基準で、酸化物(P2O5)換算で1~10質量%であることが好ましく、2~6質量%であることがより好ましい。含有量が10質量%以下であれば、触媒性能が低下するおそれもなく、1質量%以上であれば、金属成分溶液の充分な安定性を確保することができる。
【0037】
有機酸を用いる場合、有機酸は、第8族元素、第9族元素及び第10族元素の金属成分に対し35~75質量%であることが好ましく、55~65質量%であることがより好ましい。75質量%以下であれば、該金属成分を含有した溶液(以下、「担持金属含有溶液」ともいう)の粘度の上昇を抑えることができ、35質量%以上であれば、担持金属含有溶液の充分な安定性を確保することができるうえ、触媒性能が低下するおそれもない。ここで、有機酸としては、カルボン酸化合物が好ましく、具体的にはクエン酸、リンゴ酸、酒石酸、グルコン酸等が挙げられる。
【0038】
なお、上記担体に、上記金属成分、或いは更にリン及び/又は有機酸を担持・含有させる方法は特に制限されず、上記金属成分を含む化合物、或いは更にリンを含む化合物及び/又は有機酸を用いた含浸法(平衡吸着法、ポアフィリング法、初期湿潤法等)、イオン交換法等の公知の方法を用いることができる。ここで、含浸法とは、担体に金属成分を含む溶液を含浸させた後、乾燥、焼成する方法のことである。
【0039】
含浸法では、第8族元素、第9族元素及び第10族元素の金属成分と第6族元素の金属成分とを同時に担持することが好ましい。別々に金属を担持すると、脱硫活性が不充分になることがある。
【0040】
(水素化処理触媒)
水素化処理触媒において、BET法で測定される比表面積(SA)は、例えば150m2/g以上であってよく、好ましくは170m2/g以上である。比表面積(SA)が150m2/g以上であれば、脱硫反応の活性点を維持することができ、脱硫性能の低下をより効果的に抑制できる。また、上記比表面積(SA)は、例えば270m2/g以下であってよく、好ましくは250m2/g以下である。比表面積(SA)が270m2/g以下であれば、触媒強度の低下をより効果的に抑制することができる。
【0041】
水素化処理触媒において、水のポアフィリング法により測定される細孔容積(PV)は、例えば0.30ml/g以上であってよく、好ましくは0.35ml/g以上である。また、上記細孔容積(PV)は、例えば0.60ml/g以下であってよく、好ましくは0.50ml/g以下である。細孔容積(PV)が0.60ml/g以下であれば、触媒強度の低下をより効果的に抑制することができる。
【0042】
水素化処理触媒において、一酸化窒素吸着により測定される一酸化窒素吸着量は7.5cc/ml以上である。上述のとおり、本実施形態では水素化処理触媒の一酸化窒素吸着量が多いため、高い脱硫活性が期待できる。
【0043】
なお、水素化処理触媒において、一酸化窒素吸着量は、以下の方法で測定される。全自動触媒ガス吸着量測定装置(大倉理研製)を用い、硫化処理した水素化処理触媒に、ヘリウムガスと一酸化窒素ガスの混合ガス(一酸化窒素濃度10容量%)をパルスで導入し、水素化処理触媒1gあたりの一酸化窒素分子吸着量を測定する。続いて、吸着量を触媒の最密充填密度(CBD:Compacted Bulk Density)あたりに換算する。より具体的には、60メッシュ以下に粉砕した触媒を約0.02g秤取り、これを石英製のセルに充填し、当該触媒を360℃に加熱して、硫化水素5容量%/水素95容量%のガスを0.2L/分の流量で通流させて1時間硫化処理を行い、その後H2ガスに切り替えて340℃で1時間保持し、物理吸着している硫化水素を系外に排出する。その後にヘリウムガスと一酸化窒素ガスの混合ガスにて一酸化窒素分子を50℃にて吸着させ、一酸化窒素分子吸着量を測定する。
【0044】
本実施形態に係る水素化処理触媒は、炭化水素油、特に軽油留分の水素化処理(水素化脱硫処理)に好適に使用される。すなわち、本発明に係る水素化処理触媒を使用した水素化脱硫処理は、例えば、固定床反応装置に触媒を充填して、水素雰囲気下、高温高圧条件で行われる。
【0045】
軽油留分としては、原油の常圧蒸留装置から得られる直留軽油、常圧蒸留装置から得られる直留重質油や残渣油を減圧蒸留装置で処理して得られる減圧軽油、減圧重質軽油或いは脱硫重油を接触分解して得られる接触分解軽油、減圧重質軽油或いは脱硫重油を水素化分解して得られる水素化分解軽油等が挙げられる。
【0046】
<水素化処理触媒の製造方法>
上述した本実施形態に係る水素化処理触媒の製造方法について説明する。本実施形態に係る水素化処理触媒の製造方法は、鉱酸と、チタニウム鉱酸塩と、酸性塩と、を含み、チタニウム鉱酸塩の含有割合が鉱酸に対してモル比で0.15~0.70であり、鉱酸とチタニウム鉱酸塩における鉱酸とが同種の酸である第1の水溶液と、塩基性アルミニウム塩を含む第2の水溶液とを混合して、pH6.5~9.5の混合液とし、混合液中に析出した担体前駆体を得る工程(以下、「第1工程」ともいう)、担体前駆体を洗浄、成形、乾燥及び焼成して担体を得る工程(以下、「第2工程」ともいう)、及び、担体に、第6族元素、第8族元素、第9族元素及び第10族元素からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属成分を担持して水素化処理触媒を得る工程(以下、「第3工程」ともいう)を備える。以下、それぞれの工程について説明する。
【0047】
(第1工程)
第1工程は、チタニウム鉱酸塩及び鉱酸を含む第1の水溶液と、塩基性アルミニウム塩を含む第2の水溶液とを混合して、pH6.5~9.5の混合液とし、混合液中に析出した担体前駆体を得る工程である。ここで、第1の水溶液は、通常、酸性の水溶液であり、チタニウム鉱酸塩が鉱酸に対してモル比で0.15~0.70であり、第2の水溶液は、通常、塩基性の水溶液である。
【0048】
第1の水溶液に含まれるチタニウム鉱酸塩としては、例えば、四塩化チタン、三塩化チタン、硫酸チタニル、硫酸チタン、硝酸チタン等が挙げられ、特に硫酸チタニルは安価であるため好適に使用される。鉱酸としては、塩酸、硫酸、硝酸等が挙げられ、特に硫酸は経済的であるため好適に使用される。無機酸化物担体のX線回折分析により測定されるチタニアの回折ピーク、紫外線分光分析により測定されるTi由来の吸収ピークの吸収端波長をより効果的に調整する観点から、チタニウム鉱酸塩が鉱酸に対してモル比で0.15~0.70あれば特に制限はないが、担体前駆体を安価に得る観点から、0.20~0.65であることが好ましい。通常、酸性溶液に酸性アルミニウム塩を含む溶液を用いることで、アルミナ前駆体を析出させる方法が公知であるが、酸性アルミニウム塩を含むことでチタニア前駆体の凝集が起こりやすくなり好ましくない。また、第2の水溶液に含まれる塩基性アルミニウム塩としては、例えば、アルミン酸ナトリウム、アルミン酸カリウム等が挙げられる。
【0049】
また、第1工程においては、第1の水溶液及び/又は第2の水溶液がケイ酸イオンを含むが、第1の水溶液及び/又は第2の水溶液にケイ酸イオン(ケイ酸化合物)を添加するタイミングは特に限定されない。例えば、チタニウム鉱酸塩、鉱酸及びケイ酸イオンを実質的に同時に添加・混合して第1の水溶液を調製してもよいし、チタニウム鉱酸塩及び鉱酸を含む水溶液を用意しておき、第2の水溶液と混合する直前に、ケイ酸イオンを添加・混合して第1の水溶液としてもよい。同様に、塩基性アルミニウム塩及びケイ酸イオンを実質的に同時に添加・混合して第2の水溶液を調製してもよいし、塩基性アルミニウム塩を含む水溶液を用意しておき、第1の水溶液と混合する直前に、ケイ酸イオンを添加・混合して第2の水溶液としてもよい。
【0050】
第1の水溶液に含まれるチタニウム鉱酸塩及び鉱酸、第2の水溶液に含まれる塩基性アルミニウム塩、並びに、第1の水溶液及び/又は第2の水溶液に含まれるケイ酸イオンの含有量は、特に限定されず、後述する第2工程で得られる無機酸化物担体のAlの含有量がAl2O3換算で60質量%以上、Siの含有量がSiO2換算で1.0~10.0質量%、Tiの含有量がTiO2換算で12.0~30.0質量%となるように適宜調製することができる。
【0051】
第1の水溶液がケイ酸イオンを含む場合、用いるケイ酸化合物としては、例えば、酸性又は中性のケイ酸化合物を用いてもよい。酸性のケイ酸化合物としては、例えば、ケイ酸等が挙げられ、SiO2濃度は5.0質量%以下であることが好ましい。一方、第2の水溶液がケイ酸イオンを含む場合、用いるケイ酸化合物としては、例えば、塩基性又は中性のケイ酸化合物を用いてもよい。塩基性のケイ酸化合物としては、例えば、ケイ酸ナトリウム等が挙げられ、SiO2濃度は5.0質量%以下であることが好ましい。
【0052】
第1の水溶液を調製する際の条件は、特に限定されないが、第1の水溶液中でのチタニウム鉱酸塩の安定性を確保する観点から、例えば、調製時の温度を60℃以下とすることが好ましい。また、第1の水溶液を調製する際の温度は、チタニウム鉱酸塩を溶解させやすくする観点から、例えば室温以上であってよく、30℃以上であることが好ましい。
【0053】
第1工程において、第1の水溶液と第2の水溶液とを混合して得られる混合液のpHは、6.5~9.5である。混合液のpHを上記数値範囲内とすることで、混合液において担体前駆体を安定的に析出させることができる。混合液のpHは、6.5~8.5であることが好ましく、6.5~7.5であることがより好ましい。これにより、担体前駆体からの不純物の除去が容易になる。
【0054】
第1の水溶液と第2の水溶液とを混合する方法は、第2の水溶液に第1の水溶液を添加して混合する方法が好ましい。添加の方法としては、第1の水溶液を第2の水溶液に連続的に添加することが好ましい。添加開始から添加完了までの時間は特に制限されず、例えば5~20分であってよく、7~15分であってもよい。特に、第2の水溶液に第1の水溶液を添加して混合する場合、擬ベーマイトの他にバイヤライトやギブサイト等の結晶物の生成を充分に抑制し、得られる水素化処理触媒の比表面積をより効果的に確保する観点から、13分以下であることが好ましい。
【0055】
第1の水溶液と第2の水溶液とを混合する際のその他の条件は、特に制限されない。例えば、第2の水溶液を撹拌機付き容器に入れ、通常40~80℃、好ましくは55~70℃に加温して保持し、第2の水溶液の温度±5℃、好ましくは±2℃、より好ましくは±1℃に加温した第1の水溶液を添加することによって、第1の水溶液と第2の水溶液とを混合してよい。
【0056】
(第2工程)
第2工程は、上記第1工程で得られた担体前駆体を洗浄、成形、乾燥、焼成して担体(無機酸化物担体)を得る工程である。
【0057】
担体前駆体を焼成する条件は特に制限されないが、例えば焼成温度は、400~700℃であってよく、450~600℃であってもよく、500~570℃であってもよい。また、焼成時間は、例えば0.5~10時間であってよく、2~5時間であってもよい。
【0058】
焼成に供する担体前駆体は、所望により加熱捏和して、成形可能な捏和物とした後、押出成形等により所望の形状に成形し、例えば70~150℃、好ましくは90~130℃で乾燥したものを用いてもよい。
【0059】
また、担体前駆体を焼成するに際し、所望により副生塩を除くために担体前駆体を洗浄してもよいし、担体前駆体を熟成してもよい。担体前駆体を洗浄するための洗浄液としては、例えば、アンモニア水溶液等が挙げられる。また、熟成方法としては、例えば、還流機付きの熟成タンクを用いて80~100℃で5~20時間撹拌しながら熟成する方法等が挙げられる。
【0060】
(第3工程)
第3工程は、上記第2工程で得られた担体(無機酸化物担体)に、第6族元素、第8族元素、第9族元素及び第10族元素からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属成分を担持して水素化処理触媒を得る工程である。
【0061】
担体に金属成分を担持する方法は特に制限されず、例えば、含浸法、浸漬法等の手段を用いることができる。担体に金属成分を担持させるための原料金属化合物としては、例えば、硝酸鉄、硫酸鉄、硝酸ニッケル、炭酸ニッケル、硝酸コバルト、炭酸コバルト、三酸化モリブデン、モリブデン酸アンモン、パラタングステン酸アンモニウム、メタタングステン酸アンモニウム等が挙げられる。
【0062】
担体に担持する金属成分に第6族元素の金属成分が含まれる場合、酸を用いて金属成分を溶解させることが好ましい。この場合、酸としては、リン酸、有機酸等が挙げられる。リン酸を用いる場合、触媒性能を維持しつつ安定した溶解性を担保する観点から、リン酸の含有量は、第6族元素の金属成分100質量部に対して酸化物換算で3~25質量部であってよく、10~15質量部であってよい。
【0063】
第3工程においては、上述した方法により担体に金属成分を担持した後、所望により焼成することで、水素化処理触媒を調製してもよい。焼成条件は特に制限されず、例えば焼成温度は、400~700℃であってよく、450~600℃であってもよく、500~570℃であってもよい。また、焼成時間は、例えば0.5~5時間であってよく、1~3時間であってもよい。
【0064】
以上、本発明に係る水素化処理触媒及びその製造方法について説明したが、本発明は、上記実施形態に何ら限定されることはない。
【0065】
例えば、水素化処理触媒の製造において、上記第3工程で得られた水素化処理触媒を、反応装置中で予備硫化処理することにより、予備硫化済みの水素化処理触媒を製造することができる。より具体的には、水素化処理触媒と硫黄化合物を含む石油蒸留物(炭化水素油)及び硫化剤(ジメチルサルファイド、ジメチルジスルフィド、二硫化炭素等)を混合した混合油とを、200~400℃(好ましくは240~340℃)、常圧又はそれ以上の水素分圧(例えば2~15MPa)の水素雰囲気下で接触させて予備硫化処理を行い、予備硫化済み水素化処理触媒を得てもよいし、単に水素化処理触媒と硫化水素とを、上記と同様の条件で接触させて予備硫化済み水素化処理触媒を得てもよい。
【0066】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
【実施例0067】
以下、実施例によって本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0068】
(実施例1)
<担体前駆体の調製>
容量が100Lのスチームジャケット付きのタンクに、Al2O3換算で22質量%のアルミン酸ナトリウム水溶液(日揮触媒化成株式会社製)10.5kgを入れ、イオン交換水51kgで希釈後、SiO2換算で5質量%のケイ酸ナトリウム溶液(AGCエスアイテック株式会社製;SiO2濃度24質量%)1.80kgを撹拌しながら添加し、60℃に加温して、塩基性アルミニウム塩を含む第2の水溶液を調製した。
【0069】
TiO2換算で33質量%の硫酸チタニル(テイカ株式会社製)1.82kgを10kgのイオン交換水に溶解した溶液Aを調製し、25質量%の硫酸(溶液B)7.62kgと混合し、50℃に加温して、チタニウム鉱酸塩及び硫酸を含む第1の水溶液を調製した。
【0070】
チタニウム鉱酸塩の鉱酸に対するモル比は、0.39であった。続いて、第2の水溶液が入ったタンクに、ローラーポンプを用いて第1の水溶液をpHが7.2となるまで一定速度で10分間かけて添加し、担体前駆体(水和物)aが析出した混合液(スラリー)を得た。なお、溶液Aと溶液Bとを混合してから、第1の水溶液の第2の水溶液への添加が完了するまでの時間(添加完了時間)は30分であった。
【0071】
<無機酸化物担体の調製>
得られた混合液を60℃で1時間撹拌した後、平板フィルターを用いて脱水し、さらに、0.3質量%アンモニア水溶液150Lで洗浄した。洗浄後のケーキ状態の担体前駆体aをAl2O3換算で10質量%となるようにイオン交換水で希釈した後、15質量%アンモニア水でpHを10.5に調整した。得られた希釈液を還流機付き熟成タンクに移し、撹拌しながら熟成温度95℃で10時間熟成した。熟成終了後の混合液を脱水し、スチームジャケットを備えた双腕式ニーダーにて練りながら所定の水分量まで濃縮捏和した。得られた捏和物を押出成形機にて直径が1.6mmの円柱形状に成形し、110℃で乾燥した。乾燥した成形品を、電気炉で550℃の温度で3時間焼成し、Si、Ti及びAlを含む無機酸化物担体aを得た。
【0072】
無機酸化物担体aにおいては、いずれも担体全量基準で、AlがAl2O3換算で77質量%、SiがSiO2換算で3質量%、TiがTiO2換算で20質量%含有されていた。また、無機酸化物担体aの性状(細孔容積(PV)及び比表面積(SA))を下記に示す方法にしたがって測定した。
【0073】
また、前記に示す方法にしたがって無機酸化物担体aのX線回折分析をした。分析結果を
図1に示す。分析結果から無機酸化物担体aの2θ=25.5°に示されるアナターゼ型チタニア(101)面に帰属されるピークと2θ=27.5°に示されるルチル型チタニア(110)面に帰属されるピークは検出されなかった。
【0074】
さらに、下記に示す方法にしたがって無機酸化物担体aの紫外線可視光拡散反射スペクトルを分析した。分析結果を
図2に示す。分析結果から無機酸化物担体aの吸収端波長を算出したところ、337nmであった。
【0075】
<水素化処理触媒の調製>
次に、三酸化モリブデン(Climax社製;MoO3濃度99質量%)267gと炭酸コバルト(株式会社田中化学研究所製;CoO濃度61質量%)54gとを、イオン交換水500mlに懸濁させ、懸濁液を95℃で5時間、液容量が減少しないように適当な還流装置を施して加熱した後、リン酸(関東化学株式会社製;P2O5濃度62質量%)54gを加えて溶解させ、含浸液を調製した。得られた含浸液を、上記無機酸化物担体a1000gに噴霧含浸させた後、250℃で乾燥し、電気炉にて焼成温度550℃で1時間焼成して水素化処理触媒A1を得た。
【0076】
水素化処理触媒A1における金属成分は、いずれも該触媒全量基準で、MoO3が20質量%、CoOが2.5質量%、P2O5が2.5質量%含有されていた。
【0077】
前記に示す方法にしたがって水素化処理触媒A1の一酸化窒素吸着量測定をした。結果を
図3に示す。水素化処理触媒Aの一酸化窒素吸着量は8.2cc/mlであった。
【0078】
また、下記に示す方法にしたがって水素化処理触媒A1の性状(細孔容積(PV)及び比表面積(SA))を測定した。表1に各性状をまとめて示す。
【0079】
(実施例2)
Al2O3換算で22質量%のアルミン酸ナトリウム水溶液11.2kgを入れ、イオン交換水52kgで希釈後、SiO2換算で5質量%のケイ酸ナトリウム溶液1.80kgを撹拌しながら添加し、60℃に加温して、塩基性アルミニウム塩を含む第2の水溶液を調製した。TiO2換算で33質量%の硫酸チタニル1.36kgを8kgのイオン交換水に溶解し、25質量%の硫酸9.28kgと混合し、50℃に加温して、チタニウム鉱酸塩及び硫酸を含む第1の水溶液を調製した。チタニウム鉱酸塩の鉱酸に対するモル比は、0.24であった。続いて、第2の水溶液が入ったタンクに、ローラーポンプを用いて第1の水溶液をpHが7.2となるまで一定速度で10分間かけて添加し、担体前駆体(水和物)bが析出した混合液(スラリー)を得た。
【0080】
実施例1と同様にして、担体前駆体bから担体bを得た。担体bは、いずれも担体全量基準で、AlがAl2O3換算で82質量%、SiがSiO2換算で3質量%、TiがTiO2換算で15質量%含有されていた。
【0081】
実施例1と同様にX線回折分析を行った結果(図示せず)、アナターゼ型チタニア及びルチル型チタニアの結晶構造を示す回折ピークは検出されなかった。
【0082】
また、無機酸化物担体bの吸収端波長を実施例1と同様の方法で算出したところ、329nmであった。
【0083】
実施例1と同様にして担体bから触媒Bを調製した。触媒Bは、MoO3が20質量%、CoOが2.5質量%、P2O5が2.5質量%含有されていた。
【0084】
実施例1と同様に一酸化窒素吸着量測定をした。水素化処理触媒Bの一酸化窒素吸着量は8.0cc/mlであった。
【0085】
(実施例3)
Al2O3換算で22質量%のアルミン酸ナトリウム水溶液9.84kgを入れ、イオン交換水51kgで希釈後、SiO2換算で5質量%のケイ酸ナトリウム溶液1.80kgを撹拌しながら添加し、60℃に加温して、塩基性アルミニウム塩を含む第2の水溶液を調製した。TiO2換算で33質量%の硫酸チタニル2.27kgを13kgのイオン交換水に溶解し、25質量%の硫酸6.00kgと混合し、50℃に加温して、チタニウム鉱酸塩及び硫酸を含む第1の水溶液を調製した。チタニウム鉱酸塩の鉱酸に対するモル比は、0.61であった。続いて、第2の水溶液が入ったタンクに、ローラーポンプを用いて第1の水溶液をpHが7.2となるまで一定速度で10分間かけて添加し、担体前駆体(水和物)cが析出した混合液(スラリー)を得た。
【0086】
実施例1と同様にして、担体前駆体cから担体cを得た。担体cは、いずれも担体全量基準で、AlがAl2O3換算で72質量%、SiがSiO2換算で3質量%、TiがTiO2換算で25質量%含有されていた。
【0087】
実施例1と同様にX線回折分析を行った結果(図示せず)、アナターゼ型チタニア及びルチル型チタニアの結晶構造を示す回折ピークは検出されなかった。
【0088】
また、無機酸化物担体cの吸収端波長を実施例1と同様の方法で算出したところ、346nmであった。
【0089】
実施例1と同様にして担体cから触媒Cを調製した。触媒Cは、MoO3が20質量%、CoOが2.5質量%、P2O5が2.5質量%含有されていた。
【0090】
実施例1と同様に一酸化窒素吸着量測定をした。水素化処理触媒Cの一酸化窒素吸着量は8.3cc/mlであった。
【0091】
(実施例4)
Al2O3換算で22質量%のアルミン酸ナトリウム水溶液9.95kgを入れ、イオン交換水50kgで希釈後、SiO2換算で5質量%のケイ酸ナトリウム溶液4.20kgを撹拌しながら添加し、60℃に加温して、塩基性アルミニウム塩を含む第2の水溶液を調製した。TiO2換算で33質量%の硫酸チタニル1.82kgを10kgのイオン交換水に溶解し、25質量%の硫酸7.04kgと混合し、50℃に加温して、チタニウム鉱酸塩及び硫酸を含む第1の水溶液を調製した。チタニウム鉱酸塩の鉱酸に対するモル比は、0.42であった。続いて、第2の水溶液が入ったタンクに、ローラーポンプを用いて第1の水溶液をpHが7.2となるまで一定速度で10分間かけて添加し、担体前駆体(水和物)dが析出した混合液(スラリー)を得た。
【0092】
実施例1と同様にして、担体前駆体dから担体dを得た。担体dは、いずれも担体全量基準で、AlがAl2O3換算で73質量%、SiがSiO2換算で7質量%、TiがTiO2換算で20質量%含有されていた。
【0093】
実施例1と同様にX線回折分析を行った結果(図示せず)、アナターゼ型チタニア及びルチル型チタニアの結晶構造を示す回折ピークは検出されなかった。
【0094】
また、無機酸化物担体dの吸収端波長を実施例1と同様の方法で算出したところ、340nmであった。
【0095】
実施例1と同様にして担体dから触媒Dを調製した。触媒Dは、MoO3が20質量%、CoOが2.5質量%、P2O5が2.5質量%含有されていた。
【0096】
実施例1と同様に一酸化窒素吸着量測定をした。水素化処理触媒Dの一酸化窒素吸着量は7.9cc/mlであった。
【0097】
(実施例5)
担体aを用いて、三酸化モリブデン272gと炭酸コバルト55gと炭酸ニッケル(正同化学工業株式会社製;NiO濃度55質量%)37g、リン酸55gを用いたこと以外は触媒A1と同様の調製を行い、触媒A2を得た。
【0098】
触媒A2は、MoO3が20質量%、CoOが2.5質量%、NiOが1.5質量%、P2O5が2.5質量%含有されていた。
【0099】
実施例1と同様に一酸化窒素吸着量測定をした。水素化処理触媒A2の一酸化窒素吸着量は8.5cc/mlであった。
【0100】
(比較例1)
Al2O3換算で22質量%のアルミン酸ナトリウム水溶液8.16kgを入れ、イオン交換水41kgで希釈後、SiO2換算で5質量%のケイ酸ナトリウム溶液1.80kgを撹拌しながら添加し、60℃に加温して、塩基性アルミニウム塩を含む第2の水溶液を調製した。Al2O3換算で7質量%の硫酸アルミニウム水溶液(日揮触媒化成株式会社製)7.38kgを13kgのイオン交換水で希釈した溶液と、TiO2換算で33質量%の硫酸チタニル1.82kgを10kgのイオン交換水に溶解した溶液とを混合し、50℃に加温して、チタニウム鉱酸塩及び酸性アルミニウム塩を含む第1の水溶液を調製した。続いて、第2の水溶液が入ったタンクに、ローラーポンプを用いて第1の水溶液をpHが7.2となるまで一定速度で10分間かけて添加し、担体前駆体(水和物)eが析出した混合液(スラリー)を得た。
【0101】
実施例1と同様にして、担体前駆体eから担体eを得た。担体eは、いずれも担体全量基準で、AlがAl2O3換算で77質量%、SiがSiO2換算で3質量%、TiがTiO2換算で20質量%含有されていた。
【0102】
実施例1と同様にX線回折分析を行った結果(図示せず)、アナターゼ型チタニア及びルチル型チタニアの結晶構造を示す回折ピークは検出されなかった。
【0103】
また、無機酸化物担体eの吸収端波長を実施例1と同様の方法で算出したところ、348nmであった。
【0104】
実施例1と同様にして担体eから触媒Eを調製した。触媒Eは、MoO3が20質量%、CoOが2.5質量%、P2O5が2.5質量%含有されていた。
【0105】
実施例1と同様に一酸化窒素吸着量測定をした。水素化処理触媒Eの一酸化窒素吸着量は7.1cc/mlであった。
【0106】
(比較例2)
Al2O3換算で22質量%のアルミン酸ナトリウム水溶液8.44kgを入れ、イオン交換水49kgで希釈後、SiO2換算で5質量%のケイ酸ナトリウム溶液1.80kgを撹拌しながら添加し、60℃に加温して、塩基性アルミニウム塩を含む第2の水溶液を調製した。TiO2換算で33質量%の硫酸チタニル3.18kgを18kgのイオン交換水に溶解し、25質量%の硫酸2.69kgと混合し、50℃に加温して、チタニウム鉱酸塩及び硫酸を含む第1の水溶液を調製した。チタニウム鉱酸塩の鉱酸に対するモル比は、1.92であった。続いて、第2の水溶液が入ったタンクに、ローラーポンプを用いて第1の水溶液をpHが7.2となるまで一定速度で10分間かけて添加し、担体前駆体(水和物)fが析出した混合液(スラリー)を得た。
【0107】
実施例1と同様にして、担体前駆体fから担体fを得た。担体fは、いずれも担体全量基準で、AlがAl2O3換算で62質量%、SiがSiO2換算で3質量%、TiがTiO2換算で35質量%含有されていた。
【0108】
実施例1と同様にX線回折分析を行った結果(図示せず)、アナターゼ型チタニア及びルチル型チタニアの結晶構造を示す回折ピークが検出された。
【0109】
また、無機酸化物担体fの吸収端波長を実施例1と同様の方法で算出したところ、367nmであった。
【0110】
実施例1と同様にして担体fから触媒Fを調製した。触媒Fは、MoO3が20質量%、CoOが2.5質量%、P2O5が2.5質量%含有されていた。
【0111】
実施例1と同様に一酸化窒素吸着量測定をした。水素化処理触媒Fの一酸化窒素吸着量は7.2cc/mlであった。
【0112】
(比較例3)
Al2O3換算で22質量%のアルミン酸ナトリウム水溶液12.5kgを入れ、イオン交換水53kgで希釈後、SiO2換算で5質量%のケイ酸ナトリウム溶液1.80kgを撹拌しながら添加し、60℃に加温して、塩基性アルミニウム塩を含む第2の水溶液を調製した。TiO2換算で33質量%の硫酸チタニル0.45kgを2.5kgのイオン交換水に溶解し、25質量%の硫酸12.6kgと混合し、50℃に加温して、チタニウム鉱酸塩及び硫酸を含む第1の水溶液を調製した。チタニウム鉱酸塩の鉱酸に対するモル比は、0.06であった。続いて、第2の水溶液が入ったタンクに、ローラーポンプを用いて第1の水溶液をpHが7.2となるまで一定速度で10分間かけて添加し、担体前駆体(水和物)gが析出した混合液(スラリー)を得た。
【0113】
実施例1と同様にして、担体前駆体gから担体gを得た。担体gは、いずれも担体全量基準で、AlがAl2O3換算で92質量%、SiがSiO2換算で3質量%、TiがTiO2換算で5質量%含有されていた。
【0114】
実施例1と同様にX線回折分析を行った結果(図示せず)、アナターゼ型チタニア及びルチル型チタニアの結晶構造を示す回折ピークは検出されなかった。
【0115】
また、無機酸化物担体gの吸収端波長を実施例1と同様の方法で算出したところ、320nmであった。
【0116】
実施例1と同様にして担体gから触媒Gを調製した。触媒Gは、MoO3が20質量%、CoOが2.5質量%、P2O5が2.5質量%含有されていた。
【0117】
実施例1と同様に一酸化窒素吸着量測定をした。水素化処理触媒Gの一酸化窒素吸着量は6.8cc/mlであった。
【0118】
(比較例4)
Al2O3換算で22質量%のアルミン酸ナトリウム水溶液7.00kgを入れ、イオン交換水16.5kgで希釈後、SiO2換算で5質量%のケイ酸ナトリウム溶液1.80kgを撹拌しながら添加し、60℃に加温して、塩基性アルミニウム塩を含む第2の水溶液を調製した。
【0119】
TiO2換算で33質量%の硫酸チタニル1.82kgを10kgのイオン交換水に溶解した溶液を50℃に加温し、48質量%の水酸化ナトリウム溶液1.55kgを13kgのイオン交換水で希釈した溶液をpHが7.2となるまで一定速度で90分間かけて添加し、チタニア前駆体(ゲル)を調製した。
【0120】
Al2O3換算で7質量%の硫酸アルミニウム水溶液11.0kgを19kgのイオン交換水で希釈した溶液を、前記第2の水溶液にローラーポンプを用いてpHが7.2となるまで一定速度で10分間かけて添加してアルミナ前駆体を調製し、続いて前記チタニア前駆体27kgを混合し、担体前駆体hを得た。
【0121】
実施例1と同様にして、担体前駆体hから担体hを得た。担体hは、いずれも担体全量基準で、AlがAl2O3換算で77質量%、SiがSiO2換算で3質量%、TiがTiO2換算で20質量%含有されていた。
【0122】
実施例1と同様にX線回折分析を行った結果(
図1)、アナターゼ型チタニア及びルチル型チタニアの結晶構造を示す回折ピークが検出された。
【0123】
また、無機酸化物担体hの吸収端波長を実施例1と同様の方法で算出したところ、370nmであった。
【0124】
実施例1と同様にして担体hから触媒Hを調製した。触媒Iは、MoO3が20質量%、CoOが2.5質量%、P2O5が2.5質量%含有されていた。
【0125】
実施例1と同様に一酸化窒素吸着量測定をした。結果を
図3に示す。水素化処理触媒Hの一酸化窒素吸着量は6.5cc/mlであった。
【0126】
(比較例5)
Al2O3換算で22質量%のアルミン酸ナトリウム水溶液8.85kgを入れ、イオン交換水47kgで希釈後、SiO2換算で5質量%のケイ酸ナトリウム溶液9.00kgを撹拌しながら添加し、60℃に加温して、塩基性アルミニウム塩を含む第2の水溶液を調製した。TiO2換算で33質量%の硫酸チタニル1.82kgを10kgのイオン交換水に溶解し、25質量%の硫酸5.86kgと混合し、50℃に加温して、チタニウム鉱酸塩及び硫酸を含む第1の水溶液を調製した。チタニウム鉱酸塩の鉱酸に対するモル比は、0.50であった。続いて、第2の水溶液が入ったタンクに、ローラーポンプを用いて第1の水溶液をpHが7.2となるまで一定速度で10分間かけて添加し、担体前駆体(水和物)iが析出した混合液(スラリー)を得た。
【0127】
実施例1と同様にして、担体前駆体iから担体iを得た。担体iは、いずれも担体全量基準で、AlがAl2O3換算で65質量%、SiがSiO2換算で15質量%、TiがTiO2換算で20質量%含有されていた。
【0128】
実施例1と同様にX線回折分析を行った結果(図示せず)、アナターゼ型チタニア及びルチル型チタニアの結晶構造を示す回折ピークは検出されなかった。
【0129】
また、無機酸化物担体iの吸収端波長を実施例1と同様の方法で算出したところ、355nmであった。
【0130】
実施例1と同様にして担体iから触媒Iを調製した。触媒Iは、MoO3が20質量%、CoOが2.5質量%、P2O5が2.5質量%含有されていた。
【0131】
実施例1と同様に一酸化窒素吸着量測定をした。水素化処理触媒Iの一酸化窒素吸着量は6.6cc/mlであった。
【0132】
[無機酸化物担体の性状評価]
<無機酸化物担体の紫外線可視光拡散反射スペクトルの測定及び吸収端の算出>
紫外線可視光分光光度計(日本分光株式会社製;V-660)を用いて、拡散反射測定用の積分球ユニットISV-772を装着し、以下のようにして紫外線可視光拡散反射スペクトルを測定した。
【0133】
無機酸化物担体試料200mgを拡散反射試料用セルホルダに充填した後、室温にて吸光度を測定した。具体的には、測光モードにて、バンド幅5.0nm、測定範囲500-200nm、データ取込間隔0.1nm、走査速度100nm/min、光源切替波長340nmとし、波数範囲500-200nmの範囲でバックグラウンド補正した。なお、バックグラウンド測定は上記条件下で、基準白板を用いることで行った。
【0134】
上記で得られた拡散反射スペクトルから吸収端を算出する方法は、クベルカームンク関数(K-M関数)を用いてK-M変換を行い、スペクトル強度の値が0.3以上となる最大の波長を吸収端波長として算出した。
【0135】
<無機酸化物担体の細孔容積(PV)の測定>
細孔容積(PV)は、水のポアフィリング法により測定・算出した。
【0136】
<無機酸化物担体の比表面積(SA)の測定>
比表面積(SA)は、BERSORP-mini(マイクロトラック・ベル株式会社製)を用い、窒素吸着によるBET法により測定・算出した。
【0137】
<水素化処理触媒の細孔容積(PV)の測定>
細孔容積(PV)は、水のポアフィリング法により測定・算出した。
【0138】
<水素化処理触媒の比表面積(SA)の測定>
比表面積(SA)は、BERSORP-mini(マイクロトラック・ベル株式会社製)を用い、窒素吸着によるBET法により測定・算出した。
【0139】
(触媒の性状および試験の評価結果)
表1は担体中のチタニア量、シリカ量、アナターゼ/ルチル型チタニア結晶の有無、担体前駆体調製時の酸溶液の影響を確認した結果である。比較例1のように担体前駆体の酸溶液中に硫酸アルミニウムが含まれると、塩基性の第2の水溶液との混合時に析出したアルミナ-シリカ-チタニア前駆体表面に硫酸アルミニウム由来のアルミナが更に析出し、含有量分のチタニアの効果が有効に発揮されないため、チタニアの分散性が不十分となり一酸化窒素吸着量が低い。比較例2、4のように担体中のチタニアの結晶が確認され、UV吸収端波長が350nmを大きく超えると、比表面積(SA)が低下するため一酸化窒素吸着量が低い。比較例3のように担体中のチタニア量が12質量%未満であると活性成分であるチタニアの効果が発揮されず、一酸化窒素吸着量が低い。比較例5のように担体中のシリカ量が10質量%を超えると、ケイ酸ナトリウム溶液の反応性が高いために担体前駆体(水和物)の過度な凝集が起こるため、チタニアの分散性が不十分となり一酸化窒素吸着量が低い。
【0140】
チタニア結晶が見られず、担体成分、UV吸収端波長、が要求範囲を満たす実施例はいずれも高い一酸化窒素吸着量を示した。
【0141】
以上の結果により、本発明の触媒は脱硫性能の担体活性成分であるTiをより高い分散状態で維持することができ、金属成分を担体上にさらに分散担持することができることが分かった。
【0142】