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特開2022-61765コイル基板とモータ用コイル基板、モータ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022061765
(43)【公開日】2022-04-19
(54)【発明の名称】コイル基板とモータ用コイル基板、モータ
(51)【国際特許分類】
   H02K 3/04 20060101AFI20220412BHJP
   H02K 15/04 20060101ALI20220412BHJP
   H02K 3/47 20060101ALI20220412BHJP
【FI】
H02K3/04 E
H02K3/04 J
H02K15/04 D
H02K3/47
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020169904
(22)【出願日】2020-10-07
(71)【出願人】
【識別番号】000000158
【氏名又は名称】イビデン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095795
【弁理士】
【氏名又は名称】田下 明人
(72)【発明者】
【氏名】森田 治彦
(72)【発明者】
【氏名】三輪 等
(72)【発明者】
【氏名】加藤 忍
(72)【発明者】
【氏名】横幕 俊彦
(72)【発明者】
【氏名】加藤 久始
(72)【発明者】
【氏名】平澤 貴久
(72)【発明者】
【氏名】村木 哲也
(72)【発明者】
【氏名】古野 貴之
【テーマコード(参考)】
5H603
5H604
5H615
【Fターム(参考)】
5H603AA09
5H603BB01
5H603BB12
5H603CA01
5H603CA05
5H603CB01
5H603CB11
5H603CC01
5H603CC19
5H603CD25
5H603CD26
5H604AA08
5H604BB01
5H604BB14
5H604CC01
5H604CC04
5H604CC12
5H604CC17
5H615AA01
5H615BB01
5H615BB14
5H615PP01
5H615PP17
5H615QQ22
5H615SS11
(57)【要約】      (修正有)
【課題】大量生産に適するコイル基板の提供。
【解決手段】コイル基板120は、第1フレキシブル基板31と、第1フレキシブル基板31上に形成されているコイルCと、第1フレキシブル基板31から延びている第2フレキシブル基板32と、第2フレキシブル基板32上に形成されていてコイルCと電気的に繋がっている配線34、とを有する。第2フレキシブル基板32は第1フレキシブル基板31から延びている第1部分32aと第1部分32aから延びている第2部分32bで形成されていて、第2部分32bは第1フレキシブル基板31に沿って形成されていて、第2部分32bと第1フレキシブル基板31との間にギャップGが形成されている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1フレキシブル基板と、
前記第1フレキシブル基板上に形成されているコイルと、
前記第1フレキシブル基板から延びている第2フレキシブル基板と、
前記第2フレキシブル基板上に形成されていて前記コイルと電気的に繋がっている配線、とを有するコイル基板であって、
前記第2フレキシブル基板は前記第1フレキシブル基板から延びている第1部分と前記第1部分から延びている第2部分で形成されていて、前記第2部分は前記第1フレキシブル基板に沿って形成されていて、前記第2部分と前記第1フレキシブル基板との間にギャップが形成されている。
【請求項2】
請求項1のコイル基板であって、前記第1フレキシブル基板の形状は長辺(第1長辺)と短辺(第1短辺)を有する略矩形であって、前記第2部分は前記第1長辺に沿って形成されている。
【請求項3】
請求項2のコイル基板であって、前記第2部分の形状は長辺(第2長辺)と短辺(第2短辺)を有する略矩形であって、前記第1長辺と前記第2長辺が向かい合っている。
【請求項4】
請求項1のコイル基板であって、前記ギャップの幅はほぼ同一である。
【請求項5】
請求項1のコイル基板であって、前記第1フレキシブル基板と前記第1部分と前記第2部分は1つのフレキシブル基板から製造されていて、前記第2フレキシブル基板は前記第1部分と前記第2部分との間で曲がっている。
【請求項6】
請求項1のコイル基板であって、前記配線を介して、前記コイルに電流が供給される。
【請求項7】
請求項1のコイル基板を巻くことと折ることで製造されるモータ用コイル基板であって、
前記巻くことは前記第1フレキシブル基板を巻くことを含み、前記折ることは前記第2フレキシブル基板を折ることを含む。
【請求項8】
請求項7のモータ用コイル基板であって、前記折ることは2回である。
【請求項9】
請求項7のモータ用コイル基板であって、前記第1フレキシブル基板の形状は長辺(第1長辺)と短辺(第1短辺)を有する略矩形であって、前記第2部分は前記第1長辺に沿って形成されていて、前記折ることにより、前記第2フレキシブル基板は前記第1長辺に対しほぼ垂直に延びる。
【請求項10】
請求項7のモータ用コイル基板と
前記モータ用コイル基板内に配置される磁石、とからなるモータであって、
前記第2フレキシブル基板は前記モータの回転方向に対しほぼ垂直に延びている。
【請求項11】
請求項10のモータであって、前記垂直に延びることは、前記折ることで行われる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コイル基板とモータ用コイル基板、モータに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、コアレスコイルを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平6-105493号公報
【発明の概要】
【0004】
[特許文献の課題]
プリント配線板の業界では、一つの基板から複数の製品を製造することが普通である。特許文献1の図3によれば、リード部18はFPC12から垂直に延びている。このため、特許文献1の技術によれば、一つの基板から製造される製品の数を多くすることが難しいと考えられる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係るコイル基板は、第1フレキシブル基板と、前記第1フレキシブル基板上に形成されているコイルと、前記第1フレキシブル基板から延びている第2フレキシブル基板と、前記第2フレキシブル基板上に形成されていて前記コイルと電気的に繋がっている配線、とを有する。そして、前記第2フレキシブル基板は前記第1フレキシブル基板から延びている第1部分と前記第1部分から延びている第2部分で形成されていて、前記第2部分は前記第1フレキシブル基板に沿って形成されていて、前記第2部分と前記第1フレキシブル基板との間にギャップが形成されている。
【0006】
[実施形態の効果]
本発明の実施形態によれば、第2フレキシブル基板は第1フレキシブル基板から延びている第1部分と第1部分から延びている第2部分で形成されている。そして、第2部分は第1フレキシブル基板に沿って形成されている。このため、第1フレキシブル基板と第2フレキシブル基板で形成されるコイル基板の平面形状はほぼ矩形である。従って、実施形態によれば、1つの基板内に複数のコイル基板を効率的に配置するこができる。一つの基板から製造される製品の数を多くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1(A)は実施形態のモータの模式図であり、図1(B)は実施形態のモータ用コイル基板の模式図であり、図1(C)はコイルの平面図であり、図1(D)は第2フレキシブル基板の一部を示す。
図2図2(A)は実施形態のモータ用コイル基板の模式図であり、図2(B)と図2(C)は第2フレキシブル基板の折り方を示す模式図である。
図3】実施形態のコイル基板を製造するためのプリント配線板の平面図
図4】参考例のコイル基板を製造するためのプリント配線板の平面図
【発明を実施するための形態】
【0008】
図2(A)に示されるコイル基板120が準備される。コイル基板120は第1面Fと第1面Fと反対側の第2面Sとを有するフレキシブル基板30とフレキシブル基板30の第1面F上に形成されているコイルC(C11、C12、C13、C21、C22、C23)と配線34で形成されている。第1面F上のコイルは第1面上コイルと称される。コイル基板120は第2面S上にコイルCを有することができる。第2面S上のコイルは第2面上コイルと称される。
【0009】
コイルCを形成する配線wの例が図1(C)に描かれている。図1(C)に示されるように、配線wは渦巻き状に形成されている。図2図3図4では、コイルCは模式的に描かれている。これらの図では、配線wは纏められている。
【0010】
コイル基板120を巻くことで、図1(B)に示されるモータ用コイル基板20が得られる。例えば、コイル基板120は筒状に巻かれる。モータ用コイル基板20は空洞AHの周りに巻かれる。例えば、モータ用コイル基板20の形状は円筒である。巻く回数Nは、2以上、5以下である。図1(B)は模式図である。
【0011】
図1(A)に示されるように、モータ用コイル基板20内に磁石48を配置することで、モータ10が得られる。図1(A)は模式図である。モータ用コイル基板20は、空洞AHを介し磁石48の周りに配置されている。モータ10の例は、ブラシレスモータである。実施形態では、磁石48が回転するが、モータ用コイル基板20が回転してもよい。モータ10の回転方向MRは図1(B)に示されている。
【0012】
図2(A)に示されるように、フレキシブル基板30は、第1フレキシブル基板31と第2フレキシブル基板32で形成されている。第1フレキシブル基板31と第2フレキシブル基板32は一つのフレキシブル基板30で形成されている。フレキシブル基板30と第1フレキシブル基板31と第2フレキシブル基板32の平面形状は略矩形である。第1フレキシブル基板31上にコイルCが形成されている。第2フレキシブル基板32上にコイルCに繋がっている配線34が形成されている。配線34を介しコイルCに電流が供給される。
第1フレキシブル基板31は、短辺(第1短辺)20Sと長辺(第1長辺)20Lとを有する。第2フレキシブル基板32に近い第1長辺20Lは第5辺20LUである。第1フレキシブル基板31は一端22Lと一端22Lと反対側の他端22Rを有する。短辺20Sは一端22Lを兼ねる。コイルC(C11、C12、C13、C21、C22、C23)は、第1フレキシブル基板31の長辺20Lに沿って並んでいる。第1フレキシブル基板31の一端22Lから他端22Rに向かって、コイルCは一列に並んでいる。コイルCはU相コイルUとV相コイルVとW相コイルWを含む。U相コイルUとV相コイルVとW相コイルWは、U相コイルU、V相コイルV、W相コイルWの順で配置されていて、一端22Lに最も近いコイルCはU相コイルUである。コイルCの数は3の倍数M(数M)である。図2(A)の例では、コイルの数は6である。
【0013】
第2フレキシブル基板32は第1フレキシブル基板31から延びている。第2フレキシブル基板32は、第1フレキシブル基板31から延びている第1部分32aと第1部分32aから延びている第2部分32bで形成されている。第2部分32bは第1フレキシブル基板31の第1長辺20Lに沿って形成されている。第2部分32bは第5辺20LUに沿って形成されている。第2部分32bの形状は長辺(第2長辺)32Lと短辺(第2短辺)32Sを有する略矩形である。第1長辺20Lと第2長辺32Lが向かい合っている。第5辺20LUと第2長辺32Lが向かい合っている。第1フレキシブル基板31と第1部分32aと第2部分32bは一つのフレキシブル基板30で形成されている。
【0014】
図1(D)に、第2フレキシブル基板32の一部が示されている。第1部分32aと第2部分32bとの間の境界Rは点線32abで描かれている。第2部分32bは第1フレキシブと向かいあっている辺(第1辺)32b1と第1辺32b1と反対側の第2辺32b2を有する。第1部分32aは第1辺32b1に繋がっている第3辺32a3と第3辺32a3と反対側の第4辺32a4を有する。第4辺32a4は第2辺32b2に繋がっている。
【0015】
第2フレキシブル基板32は、第1部分32aと第2部分32Bとの間でほぼ直角に曲がっている。第1長辺20Lと第1部分32aとの間の角度Θ1は、ほぼ90度である。第1長辺20Lと第3辺32a3との間の角度Θ1は、ほぼ90度である。第2部分32bと第1部分32aとの間の角度Θ2は、ほぼ90度である。第1辺32b1と第3辺32a3との間の角度Θ2は、ほぼ90度である。角度Θ1と角度Θ2は図1(D)に示されている。
【0016】
第2部分32bと第1フレキシブル基板31との間にギャップGが形成されている。ギャップGの幅GDはほぼ同一である。幅GDは第5辺20LUと第1辺32b1との間の距離である。ギャップGと幅GDは図1(D)と図2(A)に示されている。
【0017】
第2フレキシブル基板32上に形成されている配線34を介しコイルCに電流が供給される。配線34は、U相コイルUに給電するためのU相配線34UとV相コイルVに給電するためのV相配線34VとW相コイルWに給電するためのW相配線34Wを有する。
【0018】
図2(B)と図2(C)に示されるように、第2フレキシブル基板32は折られる。折ることで、第2フレキシブル基板32の向きが変わる。配線34の向きが変わる。図2(C)に示されるように、第1長辺20Lと第2長辺32Lとの間の角度Θ3がほぼ90度であるように、第2フレキシブル基板32は折られる。配線34と第1長辺20Lとの間の角度Θ4がほぼ90度であるように、第2フレキシブル基板32は折られる。角度Θ3と角度Θ4は図2(C)に示される。例えば、第2フレキシブル基板32を折る数は2である。
【0019】
先ず、図2(B)に示されるように、第3辺32a3と第1辺32b1がほぼ平行になるように、第2フレキシブル基板32は折られる。例えば、図1(D)中の線1に沿って、第2フレキシブル基板32は折られる。第1面Fと第1面Fが向かい合う。線1は第3辺32a3と第1辺32b1との交点を含む。第1辺32b1が第3辺32a3の延長線上に位置することが好ましい。次いで、図2(C)に示されるように、境界Rに沿って、第2フレキシブル基板32は折られる。これにより、第3辺32a3と第1辺32b1がほぼ平行である。また、第2辺32b2と第4辺32a4との間の距離が小さくなる。第1辺32b1が第3辺32a3の延長線上に位置することが好ましい。第2辺32b2が第4辺32a4の延長線上に位置することが好ましい。第5辺20LUと第1辺32b1との間の角度Θ3は、ほぼ90度である。第5辺20LUと配線34との間の角度Θ4は、ほぼ90度である。これにより、第2フレキシブル基板32は、第1フレキシブル基板31の第1長辺20Lに対してほぼ垂直に延びる。
第2フレキシブル基板32が折られる。折られている部分は内側と外側2Oを含む。外側2Oは図2(B)に示されている。配線34が外側2O上に配置されるように、第2フレキシブル基板32が折られると、配線34は引っ張られる。その場合、配線34が切れるかもしれない。実施形態では、配線34が内側上に配置されるように、第2フレキシブル基板32が折られる。そのため、配線34の断線を防止することができる。
【0020】
コイル基板120を巻くことで図1(B)に示されるモータ用コイル基板20が形成される。第2フレキシブル基板32は、モータ10の回転方向MRに対してほぼ垂直に延びる。第2フレキシブル基板32は第1長辺20Lに対してほぼ垂直に延びる。第2フレキシブル基板32は第5辺20LUに対してほぼ垂直に延びる。
【0021】
コイル基板120を製造するための一つのプリント配線板200が図3図4に示される。図3は実施形態のプリント配線板200を示す。図4は参考例のプリント配線板200を示す。
図3内のコイル基板は実施形態のコイル基板120であり、図4内のコイル基板は参考例のコイル基板121である。参考例のコイル基板121を形成するフレキシブル基板35も第1フレキシブル基板36と第2フレキシブル基板37で形成されている。参考例の第1フレキシブル基板36も第1長辺30Lを有する。参考例も第1フレキシブル基板36上にコイルCを有し、第2フレキシブル基板37上に配線38を有する。そして、参考例では、第2フレキシブル基板37は第1長辺30Lに対し垂直に延びている。
図3図4に示されるように、実施形態と参考例は、一つのプリント配線板200から複数のコイル基板120、121を製造する。図3図4に示されているプリント配線板200のサイズは同じである。実施形態の第1フレキシブル基板31のサイズと参考例の第1フレキシブル基板36のサイズは同じである。実施形態の第2フレキシブル基板32のサイズと参考例の第2フレキシブル基板37のサイズは同じである。実施形態の第2フレキシブル基板32の幅と参考例の第2フレキシブル基板37の幅は同じである。実施形態の第2フレキシブル基板32の長さと参考例の第2フレキシブル基板37の長さは同じである。実施形態と参考例では、コイル基板120、121の平面形状が異なる。そのため、実施形態では、一つのプリント配線板200から得られるコイル基板120の数は3である。それに対し、参考例では、一つのプリント配線板200から得られるコイル基板121の数は2である。実施形態では、第2フレキシブル基板32の大部分(第2部分32b)が第1フレキシブル基板31に沿って形成されている。そのため、一つのプリント配線板200から得られるコイル基板120の数を大きくすることができる。
【0022】
コイル基板120を巻くことで、図1(B)に示される実施形態のモータ用コイル基板20が得られる。図1(B)に示されるように、第2フレキシブル基板32はモータの回転方向MRに対しほぼ垂直に延びている。配線34はモータの回転方向MRに対しほぼ垂直に延びている。モータ用コイル基板20内のコイルCに配線34を介して電流を供給することができる。モータ用コイル基板20内のコイルCと電源を容易に接続することができる。
【符号の説明】
【0023】
20 モータ用コイル基板
30 フレキシブル基板
31 第1フレキシブル基板
32 第2フレキシブル基板
120 コイル基板
C コイル
w 配線
図1
図2
図3
図4