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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022061796
(43)【公開日】2022-04-19
(54)【発明の名称】電力変換装置
(51)【国際特許分類】
   H02J 9/06 20060101AFI20220412BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20220412BHJP
   H02J 7/34 20060101ALI20220412BHJP
【FI】
H02J9/06 110
H02J7/00 302C
H02J7/34 G
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020169953
(22)【出願日】2020-10-07
(71)【出願人】
【識別番号】000003218
【氏名又は名称】株式会社豊田自動織機
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】大北 祐司
【テーマコード(参考)】
5G015
5G503
【Fターム(参考)】
5G015GB03
5G015JA56
5G015KA12
5G503AA01
5G503BA03
5G503BB01
5G503DA04
5G503DA05
5G503DA18
5G503FA06
5G503GD04
(57)【要約】
【課題】系統電源が停止しても動作を継続することができる電力変換装置を提供することである。
【解決手段】電力変換装置10は、電源用蓄電装置120及び当該電源用蓄電装置120を制御する蓄電制御部110を有する蓄電ユニット100が接続されるものであって、系統電源SP及び電源用蓄電装置120の少なくとも一方を用いて負荷への電力供給を行う電力変換装置10であって、蓄電制御部110と通信を行う通信ユニット50と、系統電源SPから出力される系統電力を、第1直流電力に変換するメインAC/DC変換回路と、系統電源SPから出力される系統電力を、第1直流電力よりも低圧の第2直流電力に変換し、変換された第2直流電力を通信ユニット50に出力するサブAC/DC変換回路と、サブAC/DC変換回路から通信ユニット50への第2直流電力の供給がない場合に通信ユニット50に電力供給を行う補助電源60とを備えるものである。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源用蓄電装置及び当該電源用蓄電装置を制御する蓄電制御部を有する蓄電ユニットが接続されるものであって、系統電源及び前記電源用蓄電装置の少なくとも一方を用いて負荷への電力供給を行う電力変換装置であって、
前記蓄電制御部と通信を行う通信ユニットと、
前記系統電源から出力される系統電力を、第1直流電力に変換するメインAC/DC変換回路と、
前記系統電源から出力される系統電力を、前記第1直流電力よりも低圧の第2直流電力に変換し、変換された前記第2直流電力を前記通信ユニットに出力するサブAC/DC変換回路と、
前記サブAC/DC変換回路から前記通信ユニットへの前記第2直流電力の供給がない場合に前記通信ユニットに電力供給を行う補助電源と、
を備える電力変換装置。
【請求項2】
前記メインAC/DC変換回路と前記電源用蓄電装置とを接続する配線と、
前記配線に接続され、当該配線に供給される直流電力を前記第2直流電力に変換し、その変換された前記第2直流電力を前記通信ユニットに出力するDC/DC変換回路と、
前記通信ユニットと前記蓄電制御部との通信が確立されたことに基づいて、前記電源用蓄電装置から前記DC/DC変換回路への電力供給を禁止するOFF状態から、前記電源用蓄電装置から前記DC/DC変換回路への電力供給を許容するON状態に移行する切替スイッチと、
を備える請求項1に記載の電力変換装置。
【請求項3】
前記補助電源は、前記サブAC/DC変換回路の出力端に接続され、前記第2直流電力により充電される、
請求項1又は2に記載の電力変換装置。
【請求項4】
前記補助電源は、前記DC/DC変換回路の出力端に接続され、前記第2直流電力により充電される、
請求項2に記載の電力変換装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力変換装置に関する。
【背景技術】
【0002】
系統電源から出力される系統電力を直流電力に変換して負荷に電力を供給する電力変換装置が知られている(例えば、特許文献1)。特許文献1に記載の電力変換装置は、例えば系統電源だけでなく、電源蓄電装置を用いて負荷に電力を供給する場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2015/015570号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の技術では、系統電源が停止してしまうと、電力変換装置は、動作を継続することが困難であった。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、系統電源が停止しても動作を継続することができる電力変換装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成する電力変換装置は、電源用蓄電装置及び当該電源用蓄電装置を制御する蓄電制御部を有する蓄電ユニットが接続されるものであって、系統電源及び前記電源用蓄電装置の少なくとも一方を用いて負荷への電力供給を行う電力変換装置であって、前記蓄電制御部と通信を行う通信ユニットと、前記系統電源から出力される系統電力を、第1直流電力に変換するメインAC/DC変換回路と、前記系統電源から出力される系統電力を、前記第1直流電力よりも低圧の第2直流電力に変換し、変換された前記第2直流電力を前記通信ユニットに出力するサブAC/DC変換回路と、前記サブAC/DC変換回路から前記通信ユニットへの前記第2直流電力の供給がない場合に前記通信ユニットに電力供給を行う補助電源とを備えるものである。
【0006】
かかる構成によれば、通信ユニットには、系統電源が動作している場合、サブAC/DC変換回路から第2直流電力が供給され、系統電源が停止している場合、補助電源から電力供給される。これにより、通信ユニットは、系統電源が停止していても、蓄電ユニットと通信することができる。その結果、通信ユニットは、通信によって蓄電ユニットに電源用蓄電装置から電力変換装置に電力供給を行うことを指示することができる。したがって、電力変換装置は、系統電源が停止しても動作を継続することができる。
【0007】
上記電力変換装置について、前記メインAC/DC変換回路と前記電源用蓄電装置とを接続する配線と、前記配線に接続され、当該配線に供給される直流電力を前記第2直流電力に変換し、その変換された前記第2直流電力を前記通信ユニットに出力するDC/DC変換回路と、前記通信ユニットと前記蓄電制御部との通信が確立されたことに基づいて、前記電源用蓄電装置から前記DC/DC変換回路への電力供給を禁止するOFF状態から、前記電源用蓄電装置から前記DC/DC変換回路への電力供給を許容するON状態に移行する切替スイッチと、を備えるものであってもよい。
【0008】
かかる構成によれば、通信ユニットには、系統電源が停止している場合に、切替スイッチにより電源用蓄電装置からDC/DC変換回路への電力供給が許容されると、DC/DC変換回路から第2直流電力が供給される。これにより、通信ユニットは、系統電源が停止していても、電源用蓄電装置の電力を用いて、蓄電ユニットと通信することができる。この場合、補助電源は、系統電源が停止してから、通信ユニットと蓄電ユニットとの通信が確立するまでの間、通信ユニットに電力を供給すればよく、電力変換装置は、大容量の補助電源を備える必要がない。したがって、電力変換装置は、補助電源を備えることに伴う、設備の大型化を抑制することができる。
【0009】
上記電力変換装置について、前記補助電源は、前記サブAC/DC変換回路の出力端に接続され、前記第2直流電力により充電されるものであってもよい。
かかる構成によれば、補助電源には、系統電源が動作している場合に、サブAC/DC変換回路から第2直流電力が供給され、充電される。つまり、補助電源は、別途、充電処理を実行しなくとも、系統電源が動作していれば充電される。したがって、電力変換装置は、系統電源が停止した場合、補助電源の充電不足により通信ユニットと蓄電ユニットとが通信できないことが無いようにすることができる。
【0010】
上記電力変換装置について、前記補助電源は、前記DC/DC変換回路の出力端に接続され、前記第2直流電力により充電されるものであってもよい。
かかる構成によれば、補助電源には、系統電源が停止している場合に、DC/DC変換回路から第2直流電力が供給され、充電される。つまり、補助電源は、系統電源が停止している場合であっても、補助電源から供給される電力により充電される。したがって、電力変換装置は、系統電源の動作が復帰した後、補助電源を充電可能な十分な時間が経過するよりも前に系統電源が再度停止した場合であっても、補助電源の充電不足により通信ユニットと蓄電ユニットとが通信できないことが無いようにすることができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明の一態様によれば、系統電源が停止しても動作を継続することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】電力変換装置10の構成の一例を示す図。
図2】第1電力変換部20、及び第2電力変換部30の構成の一例を示す図。
図3】停止状態における電力変換装置10の動作の一例を示す図(その1)。
図4】停止状態における電力変換装置10の動作の一例を示す図(その2)。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明を具体化した一実施形態を説明する。電力変換装置10は、系統電源SPから供給された交流電力を直流電力に変換し、蓄電ユニット100や電動車両200に供給する装置である。なお、電動車両200とは、充電可能な二次電池を電力源として走行する車両である。電動車両200としては、電気自動車やプラグインハイブリッド自動車等の乗用車、フォークリフトなどの産業車両等どのような種類のものであってもよい。
【0014】
蓄電ユニット100は、例えば、蓄電制御部110と、電源用蓄電装置120とを備える。蓄電制御部110は、電源用蓄電装置120の動作を制御する。蓄電制御部110は、例えば、電源用蓄電装置120の充電状態に応じて、又は後述する通信ユニット50の指示に基づいて、電源用蓄電装置120を充放電させる。詳しくは、蓄電制御部110は、電力変換装置10から供給される直流電力により、電源用蓄電装置120を充電させたり、電源用蓄電装置120に電力変換装置10に対して電力供給を行わせたりする。電源用蓄電装置120は、例えば、リチウムイオン二次電池、鉛蓄電池である。
【0015】
電動車両200は、例えば、蓄電制御部210と、車両用蓄電装置220とを備える。蓄電制御部210は、車両用蓄電装置220の動作を制御する。蓄電制御部210は、例えば、車両用蓄電装置220の充電状態に応じて、又は後述する通信ユニット50の指示に基づいて、車両用蓄電装置220を充放電させる。車両用蓄電装置220は、例えば、リチウムイオン二次電池、鉛蓄電池である。なお、車両用蓄電装置220は、走行モータを駆動するための二次電池でも走行モータ以外の機器を駆動するための二次電池であってもよい。
【0016】
電力変換装置10は、例えば、第1電力変換部20と、第2電力変換部30と、AC/DC変換回路40と、通信ユニット50と、補助電源60と、DC/DC変換回路70と、切替スイッチ80と、接続線L11~L13と、接続線L21~L24と、接続線L3a,L3bと、接続線L4a,L4bと、接続線L5a,L5bとを備える。
【0017】
第1電力変換部20は、各相に対応する三つの入力端ct11~ct13を有する。第1電力変換部20は、電源用蓄電装置120に出力する二つの出力端ct14~ct15と、車両用蓄電装置220に出力する二つの出力端ct16~ct17を有する。第2電力変換部30は、各相に対応する三つの入力端ct21~ct23を有する。第2電力変換部30は、電源用蓄電装置120に出力する二つの出力端ct24~ct25と、車両用蓄電装置220に出力する二つの出力端ct26~ct27を有する。
【0018】
接続線L11~L13は、系統電源SPと電力変換装置10とを接続する。詳しくは、接続線L11は、系統電源SPの第1相と入力端ct11と入力端ct21とを接続する。接続線L12は、系統電源SPの第2相と入力端ct12と入力端ct22を接続する。接続線L13は、系統電源SPの第3相と入力端ct13と入力端ct23とを接続する。
【0019】
接続線L21~接続線L22は、電力変換装置10と蓄電ユニット100とを接続する。詳しくは、接続線L21は、出力端ct14と、出力端ct24と、電源用蓄電装置120の正極とを接続し、接続線L22は、出力端ct15と、出力端ct25と、車両用蓄電装置220の負極とを接続する。接続線L21~L22は、「メインAC/DC変換回路と電源用蓄電装置とを接続する配線」の一例である。
【0020】
接続線L23~L24は、電力変換装置10と電動車両200とを接続する。詳しくは、接続線L23は、出力端ct16と、出力端ct26と、車両用蓄電装置220の正極とを接続し、接続線L24は、出力端ct17と、出力端ct27と、車両用蓄電装置220の負極とを接続する。
【0021】
第1電力変換部20及び第2電力変換部30は、例えば、複数のスイッチング素子を用いて構成され、スイッチング素子を周期的にオンオフすることにより系統電力を第1直流電力に変換する。
【0022】
図2に示すように、第1電力変換部20、及び第2電力変換部30は、それぞれ、AC/DC変換回路21と、中間コンデンサ27と、第1変換回路28と、第2変換回路29と、正極配線LN1と、負極配線LN2とを備える。正極配線LN1及び負極配線LN2は、2次側フルブリッジ回路26と、第1変換回路28と、第2変換回路29とを互いに接続している。
【0023】
AC/DC変換回路21は、系統電源SPから出力される系統電力を直流電力に変換するものである。AC/DC変換回路21は、トランス22と、1次側マトリックスコンバータ25と、2次側フルブリッジ回路26とを有する。トランス22は、1次側巻線23と、2次側巻線24とを有する。1次側マトリックスコンバータ25は、トランス22に対して1次側に設けられる。2次側フルブリッジ回路26は、トランス22に対して2次側に設けられる。
【0024】
第1電力変換部20の1次側マトリックスコンバータ25は、第1電力変換部20の1次側巻線23に接続されているとともに、入力端ct11~ct13に接続される。第2電力変換部30の1次側マトリックスコンバータ25は、第2電力変換部30の1次側巻線23に接続されているとともに、入力端ct21~ct23に接続されている。これにより、1次側マトリックスコンバータ25は、接続線L11~L13によって系統電源SPに接続される。
【0025】
1次側マトリックスコンバータ25は、交流電力の双方向変換を可能に構成されている。1次側マトリックスコンバータ25は、1次側スイッチング素子251~256を備えている。1次側マトリックスコンバータ25は、1次側スイッチング素子251~256が周期的にON/OFFすることにより交流の電力変換を行う。例えば、1次側マトリックスコンバータ25は、系統電源SPが出力する交流電力を所定電圧の交流電力に変換してトランス22の1次側巻線23に向けて出力したり、トランス22から入力された交流電力を、系統電源SPの交流電力に変換して系統電源SPに出力したりする。
【0026】
1次側スイッチング素子251~256は、順方向及び逆方向の双方の電圧をON/OFFすることができる双方向スイッチング素子である。1次側スイッチング素子251~256の具体的な構成は任意であるが、例えば互いに並列に接続された複数のIGBT又はMOSFET及びダイオードを有するとよい。
【0027】
1次側スイッチング素子251~256は、1次側上アームスイッチング素子251~253と、1次側上アームスイッチング素子251~253に1次側接続線257~259によって直列に接続された1次側下アームスイッチング素子254~256とによって構成されている。1次側上アームスイッチング素子251~253と1次側下アームスイッチング素子254~256との直列接続体は、互いに並列に接続された状態で1次側巻線23に接続されている。入力端ct11(ct21)は、1次側接続線257に接続され、入力端ct12(ct22)は、1次側接続線258に接続され、入力端ct13(ct23)は、1次側接続線259に接続される。
【0028】
トランス22は、1次側マトリックスコンバータ25と2次側フルブリッジ回路26との間に設けられており、交流電力の電圧変換を行う。なお、変圧比は、1次側巻線23と2次側巻線24との巻数比に対応する。
【0029】
2次側フルブリッジ回路26は、2次側巻線24及び中間コンデンサ27に接続されている。2次側フルブリッジ回路26は、AC/DCの双方向変換を行うことができるように構成されている。2次側フルブリッジ回路26は、2次側上アームスイッチング素子261~262と、2次側接続線265~266を介して2次側上アームスイッチング素子261~262に直列接続された2次側下アームスイッチング素子263~264と、を有している。2次側スイッチング素子261~264は例えばn型のMOSFETである。ただし、これに限られず、2次側スイッチング素子261~264の具体的な構成は任意である。
【0030】
2次側巻線24は、2次側接続線265~266に接続されている。これにより、トランス22(詳細には2次側巻線24)から出力される交流電力は2次側フルブリッジ回路26に入力される。
【0031】
2次側フルブリッジ回路26は、2次側スイッチング素子261~264が周期的にON/OFFすることにより電力変換を行う。例えば、2次側フルブリッジ回路26は、トランス22から入力される交流電力を直流電力に変換したり、中間コンデンサ27側から入力される直流電力を交流電力に変換したりする。
【0032】
すなわち、AC/DC変換回路21は、1次側スイッチング素子251~256及び2次側スイッチング素子261~264が周期的にON/OFFすることにより、交流電力及び直流電力間の双方向変換を行う。
【0033】
第1変換回路28は、例えば、直流電力の双方向変換が可能な双方向コンバータである。第1変換回路28は、複数のスイッチング素子を備え、複数のスイッチング素子が周期的にON/OFFすることにより直流電力の双方向変換を行う。第1変換回路28は、例えば電源用蓄電装置120に蓄電された直流電力を昇圧してAC/DC変換回路21又は第2変換回路29に出力したり、AC/DC変換回路21又は第2変換回路29から入力される直流電力を降圧して電源用蓄電装置120に出力したりする。第1変換回路28の正極出力端は、出力端ct14(ct24)に接続され、第1変換回路28の負極出力端は、出力端ct15(ct25)に接続される。
【0034】
第2変換回路29は、例えば、直流電力の電圧変換を行うDC/DCコンバータ回路である。第2変換回路29は、複数のスイッチング素子を備え、複数のスイッチング素子が周期的にON/OFFすることにより直流電力の双方向変換を行う。第2変換回路29は、例えばAC/DC変換回路21から入力される直流電力及び第1変換回路28から入力される直流電力の少なくとも一方を降圧して車両用蓄電装置220に向けて出力する。また、第2変換回路29は、車両用蓄電装置220に蓄電された直流電力を昇圧してAC/DC変換回路21又は第1変換回路28に向けて出力する。第2変換回路29の正極出力端は、出力端ct16(ct26)に接続され、第2変換回路29の負極出力端は、出力端ct17(ct27)に接続される。
【0035】
中間コンデンサ27は、AC/DC変換回路21と第2変換回路29との間に設けられている。詳細には、中間コンデンサ27は、正極配線LN1及び負極配線LN2に接続されている。
【0036】
ここで、既に説明したとおり、第1変換回路28は正極配線LN1及び負極配線LN2に接続されている。このため、中間コンデンサ27と第1変換回路28とは、正極配線LN1及び負極配線LN2を介して接続されている。
【0037】
なお、本実施形態では、図1に示すように、中間コンデンサ27は、正極配線LN1及び負極配線LN2における第1変換回路28との接続点よりも第2変換回路29側に設けられているが、これに限られず、上記接続点よりもAC/DC変換回路21側に設けられていてもよい。
【0038】
電力変換装置10は、例えば、車両用蓄電装置220の充電状態などの条件に基づいて、系統電力を変換した直流電力のみを車両用蓄電装置220に出力するか、電源用蓄電装置120から供給された直流電力のみを車両用蓄電装置220に出力するか、系統電力を変換した直流電力と電源用蓄電装置120から供給された直流電力とを合わせて車両用蓄電装置220に出力するかを決定する。電力変換装置10は、決定した動作となるように、第1電力変換部20と、第2電力変換部30とを制御する。
【0039】
系統電源SPから出力される系統電力のみを車両用蓄電装置220に供給する場合、第1電力変換部20及び第2電力変換部30は、系統電力を第1直流電力に変換する。詳細には、第1電力変換部20及び第2電力変換部30は、AC/DC変換回路21にてAC/DC変換が行われかつ第2変換回路29にてDC/DC変換が行われるように制御する一方、第1変換回路28を動作させない。
【0040】
電源用蓄電装置120から出力される直流電力のみを車両用蓄電装置220に供給する場合、第1電力変換部20及び第2電力変換部30は、電源用蓄電装置120から出力される直流電力を第1直流電力に変換させる。詳細には、第1電力変換部20及び第2電力変換部30は、電源用蓄電装置120から出力される直流電力が第1変換回路28によってDC/DC変換され、かつ第1変換回路28によって変換された直流電力が第2変換回路29によって第1直流電力に変換されるように制御する。この場合、第1電力変換部20及び第2電力変換部30は、AC/DC変換回路21を動作させない。
【0041】
系統電力を変換した直流電力と電源用蓄電装置120から供給された直流電力とを合わせて車両用蓄電装置220に供給する場合、第1電力変換部20及び第2電力変換部30は、系統電力及び電源用蓄電装置120の直流電力の双方を第1直流電力に変換する。詳細には、第1電力変換部20及び第2電力変換部30は、AC/DC変換回路21によってAC/DC変換が行われ、第1変換回路28によって電源用蓄電装置120の直流電力のDC/DC変換が行われるように制御する。そして、第1電力変換部20及び第2電力変換部30は、AC/DC変換回路21及び第1変換回路28によって変換された直流電力が第1直流電力に変換されるように第2変換回路29を制御する。
【0042】
つまり、本実施形態の電力変換装置10は、系統電源SP及び電源用蓄電装置120の少なくとも一方を用いて車両用蓄電装置220の充電を行う。第1電力変換部20、又は/及び第2電力変換部30は、「メインAC/DC変換回路」の一例である。ちなみに、本実施形態では、第1直流電力は、第1変換回路28と、第2変換回路29との少なくとも一方から出力されるものである。
【0043】
なお、第2電力変換部30は、第1電力変換部20と並行して動作してもよい。例えば、第1電力変換部20と、第2電力変換部30とは、系統電源SPから出力される系統電力を同一電圧の直流電力に変換して、電源用蓄電装置120、又は車両用蓄電装置220のいずれか一方に出力してもよい。また、第2電力変換部30は、第1電力変換部20が停止した際に、動作を開始するものであってもよい。
【0044】
AC/DC変換回路40は、入力端41a,41bと、出力端42a,42bとを有する。接続線L3aは、接続線L11と、入力端41aとを接続し、接続線L3bは、接続線L12と、入力端41bとを接続する。接続線L4aは、出力端42aと、通信ユニット50正極端子と、補助電源60の正極端子と、後述するDC/DC変換回路70の出力端72aとを接続し、接続線L4bは、出力端42bと、通信ユニット50の負極端子と、補助電源60の負極端子と、後述するDC/DC変換回路70の出力端72bとを接続する。
【0045】
AC/DC変換回路40は、系統電源SPから出力される系統電力を、所定電圧の直流電力に変換する。AC/DC変換回路40が変換する直流電力は、第1直流電力よりも低圧の直流電力である。図1に示すように、AC/DC変換回路40は、系統電源SPが供給する三相交流電力のうち、いずれかの相間に生じる相間電力を、所定電圧の直流電力に変換する。以降の説明において、AC/DC変換回路40が出力する直流電力を「第2直流電力」と記載する。
【0046】
AC/DC変換回路40は、例えば、スイッチング素子を用いて構成され、スイッチング素子を周期的にオンオフすることにより系統電源SPから出力される系統電力を、第2直流電力に変換する。AC/DC変換回路40は、スイッチング素子の制御部を備えており、入力端41に系統電源SPから出力される系統電力が入力されることに応じて、変換動作を開始する回路であってもよい。AC/DC変換回路40は、変換した第2直流電力を出力端42から出力する。AC/DC変換回路40は、「サブAC/DC変換回路」の一例である。
【0047】
通信ユニット50は、接続線L4に接続される。通信ユニット50は、第2直流電力が供給されることによって動作する。系統電源SPが動作している状態において、通信ユニット50には、AC/DC変換回路40から接続線L4を介して第2直流電力が供給される。以降の説明において、系統電源SPが動作している状態を「通常状態」と記載し、系統電源SPが停止している状態を「停止状態」と記載する。
【0048】
通信ユニット50と、蓄電ユニット100の蓄電制御部110と、電動車両200の蓄電制御部210とは、CAN(Controller Area Network)通信線等の多重通信線やシリアル通信線、無線通信網等によって互いに接続される。通信ユニット50は、蓄電制御部110と通信し、電源用蓄電装置120の充電状態に係る情報を受信したり、電源用蓄電装置120の充電、又は放電に係る制御の指示を示す情報を送信したりする。また、通信ユニット50は、蓄電制御部210と通信し、車両用蓄電装置220の充電状態に係る情報を受信したり、車両用蓄電装置220の充電、又は放電に係る制御の指示を示す情報を送信したりする。
【0049】
補助電源60は、例えば、AC/DC変換回路40から通信ユニット50への第2直流電力の供給がない場合に通信ユニット50に電力供給を行う。AC/DC変換回路40から通信ユニット50への第2直流電力の供給がない場合とは、例えば、「停止状態」である。補助電源60は、上述したように、接続線L4を介してAC/DC変換回路40の出力端42に接続される。このため、補助電源60は、通常状態において、接続線L4を介してAC/DC変換回路40から供給される第2直流電力によって充電される。補助電源60は、例えば、リチウムイオン二次電池、鉛蓄電池である。
【0050】
ここで、補助電源60の充電容量は、系統電源SPが停止してから、通信ユニットと蓄電ユニットとの通信が確立するまでの間、通信ユニットに電力を供給できる程度の容量であればよい。したがって、補助電源60の充電容量は、電源用蓄電装置120や車両用蓄電装置220に比して小さい容量であって、補助電源60は、電源用蓄電装置120や車両用蓄電装置220に比して小型の蓄電池により実現される。
【0051】
補助電源60は、停止状態において接続線L4を介して第2直流電力が供給されなくなると、接続線L4を介して通信ユニット50に蓄電していた電力を出力し、通信ユニット50に第2直流電力を供給する。補助電源60は、例えば、停止状態において、接続線L4の電位が補助電源60の出力端の電位よりも低くなることに伴い、第2直流電力を出力する。また、補助電源60は、後述するDC/DC変換回路70の出力端72から接続線L4に第2直流電力が出力されたことに伴い、第2直流電力の出力を停止する。
【0052】
なお、補助電源60は、系統電源SPの動作状態を検出する検出部等により、停止状態となったことが検出されたことに伴い、第2直流電力を出力するものであってもよい。
DC/DC変換回路70は、入力端71a,71bと、出力端72a,72bとを有する。入力端71aには、接続線L5aが接続され、入力端71bには、接続線L5bが接続される。これにより、接続線L5a,L5bは、DC/DC変換回路70と、電源用蓄電装置120とを接続する。上述したように、出力端72aには、接続線L4aが接続され、出力端72bには、接続線L4bが接続される。これにより、接続線L4a、L4bは、AC/DC変換回路40の出力端42a,42bと、通信ユニット50と、補助電源60とを接続する。
【0053】
DC/DC変換回路70は、電源用蓄電装置120から出力され、接続線L5a、L5bに供給される直流電力を第2直流電力に変換する。DC/DC変換回路70は、例えば、スイッチング素子を用いて構成され、スイッチング素子を周期的にオンオフすることにより電源用蓄電装置120から出力される直流電力を、第2直流電力に変換する。DC/DC変換回路70は、スイッチング素子の制御部を備えており、入力端71に電源用蓄電装置120から出力される直流電力が入力されることに応じて、変換動作を開始する回路であってもよい。
【0054】
また、補助電源60は、上述したように、DC/DC変換回路70の出力端72に接続線L4を介して接続される。このため、補助電源60は、停止状態において、DC/DC変換回路70から接続線L4を介して供給される第2直流電力によって充電される。
【0055】
切替スイッチ80は、接続線L5aに設けられる。切替スイッチ80は、ON状態において、電源用蓄電装置120からDC/DC変換回路70への電力供給を許容する。また、切替スイッチ80は、OFF状態において、電源用蓄電装置120からDC/DC変換回路70への電力供給を禁止する。
【0056】
以下、図面を参照して、電力変換装置10の各場面の動作の詳細について説明する。
図1に示すように、系統電源SPが動作している状態(つまり、通常状態)において、系統電源SPは、接続線L11~L13を介して系統電力を第1電力変換部20及び第2電力変換部30に供給する。第1電力変換部20及び第2電力変換部30は、供給された系統電力を第1直流電力に変換して車両用蓄電装置220を充電する。
【0057】
また、上述したように、通常状態において、AC/DC変換回路40は、接続線L11から接続線L3a,L3bを介して供給された系統電力を第2直流電力に変換する。AC/DC変換回路40は、変換した第2直流電力を、接続線L4a,L4bを介して、通信ユニット50と補助電源60とに供給する。したがって、通信ユニット50、及び補助電源60には、通常状態において、接続線L11、接続線L3a,L3b、及びAC/DC変換回路40を介した経路Ru1により、第2直流電力が供給される。その結果、通信ユニット50は、通常状態において、蓄電ユニット100や電動車両200と各種通信を行うことができる。
【0058】
また、通常状態において、切替スイッチ80は、OFF状態にされ、電源用蓄電装置120からDC/DC変換回路70への電力供給を禁止する。これにより、第1電力変換部20は、通常状態において、切替スイッチ80がOFF状態になることに伴い、出力端ct14や出力端ct15に、DC/DC変換回路70が接続されない。その結果、第1電力変換部20は、DC/DC変換回路70の動作によって、変換効率を低下させることなく、系統電力を第1直流電力に変換することができる。
【0059】
図3に示すように、何らかの要因によって系統電源SPが通常状態から停止状態に切り替わると、通信ユニット50には、経路Ru1を介して系統電源SPから電力が供給されなくなる。したがって、電力変換装置10は、停止状態において、動作を停止し、通信ユニット50は、蓄電ユニット100と、電動車両200との通信が切断される。
【0060】
この場合、上述したように、補助電源60は、AC/DC変換回路40から通信ユニット50への第2直流電力の供給がない場合に通信ユニット50に電力供給を行う。本実施形態では、補助電源60は、接続線L4a,L4bを介した経路Ru2によって通信ユニット50に電力供給を行う。通信ユニット50は、停止状態において蓄電ユニット100と電動車両200との通信が切断された後、補助電源60から電力供給を受けて、蓄電ユニット100と電動車両200との通信を再接続する。
【0061】
通信ユニット50は、蓄電制御部110との通信が確立されたことに基づいて、電源用蓄電装置120に電力を出力させる指示を示す情報を蓄電制御部110に送信する。蓄電制御部110は、当該情報を受信したことに応じて、電源用蓄電装置120に電力を出力させる。また、通信ユニット50は、蓄電制御部110との通信が確立されたことに基づいて、切替スイッチ80をOFF状態からON状態に移行させる。
【0062】
図4に示すように、蓄電制御部110は、通信ユニット50の指示に応じて電源用蓄電装置120に電力を出力させる。DC/DC変換回路70は、電源用蓄電装置120により出力された電力を第2直流電力に変換し、通信ユニット50と、補助電源60とに供給する。つまり、通信ユニット50には、電源用蓄電装置120、接続線L5a,L5b、DC/DC変換回路70、及び接続線L4a,L4bを介した経路Ru3によって電力が供給される。これにより、通信ユニット50は、停止状態であっても、経路Ru3によって電力の供給を受けることにより、蓄電ユニット100や電動車両200と各種通信を行うことができる。
【0063】
また、補助電源60には、接続線L5a,L5b、DC/DC変換回路70、及び接続線L4a,L4bを介した経路Ru3によって第2直流電力が供給される。これにより、補助電源60は、停止状態であっても、経路Ru3によって直流電力の供給を受けることにより、充電される。
【0064】
電力変換装置10は、図4に示す停止状態において、系統電源SPが動作を開始した場合には、図1に示す通常状態に移行する。通信ユニット50は、例えば、系統電源SPが動作を開始したことが検出された場合、切替スイッチ80をOFF状態に制御する。系統電源SPが動作を開始したことは、例えば、通信ユニット50に経路Ru1によって第1直流電力が供給されることによって検出されてもよく、系統電源SPに設けられた電圧検出部や電流検出部の検出結果に基づいて検出されてもよい。
【0065】
上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)電力変換装置10は、電源用蓄電装置120及び当該電源用蓄電装置120を制御する蓄電制御部110を有する蓄電ユニット100が接続されるものである。また、電力変換装置10は、系統電源SP及び電源用蓄電装置120の少なくとも一方を用いて負荷(この一例では、車両用蓄電装置220)への電力供給を行うものである。また、電力変換装置10は、通信ユニット50と、メインAC/DC変換回路(この一例では、第1電力変換部20、及び第2電力変換部30)と、サブAC/DC変換回路(この一例では、AC/DC変換回路40)と、補助電源60とを備える。通信ユニット50は、蓄電制御部110と通信を行う。第1電力変換部20、及び第2電力変換部30は、系統電源SPから出力される系統電力を、第1直流電力に変換する。AC/DC変換回路40は、系統電源SPから出力される系統電力を、第1直流電力よりも低圧の第2直流電力に変換し、変換された第2直流電力を通信ユニット50に出力する。補助電源60は、AC/DC変換回路40から通信ユニット50への第2直流電力の供給がない場合に通信ユニット50に電力供給を行う。
【0066】
かかる構成によれば、通信ユニット50には、系統電源SPが動作している場合、AC/DC変換回路40から第2直流電力が供給され、系統電源SPが停止している場合、補助電源60から電力供給される。これにより、通信ユニット50は、系統電源SPが停止していても、蓄電ユニット100と通信することができる。その結果、通信ユニット50は、通信によって蓄電ユニット100に電源用蓄電装置120から電力変換装置10に電力供給を行うことを指示することができる。したがって、電力変換装置10は、系統電源SPが停止しても動作を継続することができる。
【0067】
詳述すると、仮に電力変換装置10に蓄電ユニット100が接続されていない場合、系統電源SPが停止中において、車両用蓄電装置220に電力を供給することができず、系統電源SPが復帰するまでの間、車両用蓄電装置220を充電することができなかった。一方、仮に電力変換装置10に蓄電ユニット100が接続されている場合、系統電源SPが停止している状況下でも蓄電ユニット100を用いて車両用蓄電装置220を充電することが考えられる。
【0068】
しかしながら、系統電源SPが停止していることに起因して、通信ユニット50が通信を行うための電力を確保できないと、通信ユニット50と蓄電制御部110とが通信を確立することができない。となると、仮に、電力変換装置10が蓄電ユニット100を用いて車両用蓄電装置220を充電するためには通信ユニット50と蓄電制御部110とが通信を確立する必要がある場合には、蓄電ユニット100を用いた車両用蓄電装置220の充電ができないこととなる。
【0069】
これに対して、本実施形態の電力変換装置10において、通信ユニット50は、系統電源SPが停止することによって、蓄電ユニット100と電動車両200との通信が切断されても、補助電源60から第2直流電力が供給される。これにより、通信ユニット50は、系統電源SPが停止しても、蓄電ユニット100と電動車両200との通信を確立することができる。そして、通信ユニット50は、蓄電ユニット100に対して電源用蓄電装置120から電力変換装置10に電力供給を行うことを指示することができる。その結果、電力変換装置10は、系統電源SPが停止している間であっても、電源用蓄電装置120から供給された電力を、車両用蓄電装置220に出力することができる。したがって、電力変換装置10は、系統電源SPが停止していても、動作を継続することができる。
【0070】
(2)電力変換装置10は、DC/DC変換回路70と、切替スイッチ80とを更に備える。DC/DC変換回路70は、第1電力変換部20、及び第2電力変換部30と電源用蓄電装置120とを接続する配線(この一例では、接続線L21~L24)と、接続線L21~L24に接続され、当該接続線L21~L24に供給される直流電力を第2直流電力に変換し、その変換された第2直流電力を通信ユニット50に出力する。切替スイッチ80は、通信ユニット50と蓄電制御部110との通信が確立されたことに基づいて、電源用蓄電装置120からDC/DC変換回路70への電力供給を禁止するOFF状態から、電源用蓄電装置120からDC/DC変換回路70への電力供給を許容するON状態に移行する。
【0071】
かかる構成によれば、通信ユニット50には、系統電源SPが停止している場合に、切替スイッチ80により電源用蓄電装置120からDC/DC変換回路70への電力供給が許容されると、DC/DC変換回路70から第2直流電力が供給される。これにより、通信ユニット50は、系統電源SPが停止していても、電源用蓄電装置120の電力を用いて、蓄電ユニット100と通信することができる。この場合、補助電源60は、系統電源SPが停止してから、通信ユニット50と蓄電ユニット100との通信が確立するまでの間、通信ユニット50に電力を供給すればよく、電力変換装置10は、大容量の補助電源60を備える必要がない。したがって、電力変換装置10は、補助電源60を備えることに伴う、設備の大型化を抑制することができる。
【0072】
(3)補助電源60は、AC/DC変換回路40の出力端42に接続され、第2直流電力により充電される。かかる構成によれば、補助電源60には、系統電源SPが動作している場合に、AC/DC変換回路40から第2直流電力が供給され、充電される。つまり、補助電源60は、別途、充電処理を実行しなくとも、系統電源SPが動作していれば充電される。したがって、電力変換装置10は、系統電源SPが停止した場合、補助電源60の充電不足により通信ユニット50と蓄電ユニット100とが通信できないことが無いようにすることができる。
【0073】
(4)補助電源60は、DC/DC変換回路70の出力端72に接続され、第2直流電力により充電される。かかる構成によれば、補助電源60には、系統電源SPが停止している場合に、DC/DC変換回路70から第2直流電力が供給され、充電される。つまり、補助電源60は、系統電源SPが停止している場合であっても、補助電源60から供給される電力により充電される。したがって、電力変換装置10は、系統電源SPの動作が復帰した後、補助電源60を充電可能な十分な時間が経過するよりも前に系統電源SPが再度停止した場合であっても、補助電源60の充電不足により通信ユニット50と蓄電ユニット100とが通信できないといった不都合を抑制できる。
【0074】
上記実施形態は以下のように変更してもよい。なお、上記実施形態及び以下の各別例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせてもよい。
○二次電池の種類は、リチウムイオン二次電池や鉛蓄電池以外であってもよい。例えば、ニッケル水素蓄電池であってもよい。
【0075】
〇電力変換装置10は、第1電力変換部20と、第2電力変換部30とのうち、少なくとも一つを備えるものであってもよい。
〇電力変換装置10は、切替スイッチ80を備えていなくてもよい。この場合、DC/DC変換回路70には、接続線L21~L22を介して第1直流電力が供給される。そして、DC/DC変換回路70は、通常状態においても、第1直流電力を第2直流電力に変換し、出力する。
【0076】
〇補助電源60は、AC/DC変換回路40の出力端42と、DC/DC変換回路70の出力端72とのうち、少なくとも一方に接続されるものであってもよい。補助電源60は、AC/DC変換回路40の出力端42にのみ接続される場合、通常状態においてAC/DC変換回路40から出力される第2直流電力によって充電される。また、補助電源60は、DC/DC変換回路70の出力端72にのみ接続される場合、停止状態においてDC/DC変換回路70から出力される第2直流電力によって充電される。
【0077】
〇電力変換装置10は、蓄電制御部210から第2直流電力を出力可能な場合、DC/DC変換回路70を備えていなくてもよい。この場合、接続線L4a,L4bは、接続線L21~L22、又は電源用蓄電装置120に接続される。
【0078】
〇切替スイッチ80は、接続線L5aに代えて、接続線L5bに設けられていてもよい。
〇上述では、第1電力変換部20、及び第2電力変換部30が、トランス22と、1次側マトリックスコンバータ25と、2次側フルブリッジ回路26とを有する場合について説明したが、これに限られない。第1電力変換部20、及び第2電力変換部30は、系統電力を直流電力に変換するAC/DC変換回路と、AC/DC変換回路が変換した直流電力を、第1直流電力に変換するDC/DC変換回路とを有するものであってもよい。
【符号の説明】
【0079】
10…電力変換装置、20…第1電力変換部、30…第2電力変換部、40…AC/DC変換回路、50…通信ユニット、60…補助電源、70…DC/DC変換回路、80…切替スイッチ、100…蓄電ユニット、110…蓄電制御部、120…電源用蓄電装置、200…電動車両、210…蓄電制御部、220…車両用蓄電装置、SP…系統電源。
図1
図2
図3
図4