(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022061862
(43)【公開日】2022-04-19
(54)【発明の名称】判定装置及び判定方法
(51)【国際特許分類】
H02G 1/06 20060101AFI20220412BHJP
【FI】
H02G1/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020170071
(22)【出願日】2020-10-07
(71)【出願人】
【識別番号】507214083
【氏名又は名称】メタウォーター株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100094525
【弁理士】
【氏名又は名称】土井 健二
(74)【代理人】
【識別番号】100094514
【弁理士】
【氏名又は名称】林 恒徳
(72)【発明者】
【氏名】中村 ▲靖▼
【テーマコード(参考)】
5G352
【Fターム(参考)】
5G352CH01
(57)【要約】
【課題】作業対象のワイヤの特定を容易に行うことを可能とする判定装置及び判定方法を提供する。
【解決手段】線状部材の外面に印刷された複数の識別子を線状部材に対応付けて記憶したメモリを参照するプロセッサと、端末装置と通信する通信装置とを備え、プロセッサは、通信装置を介して端末装置から受信した、線状部材の外面に印刷された第1識別子及び線状部材の外面に印刷された第2識別子と、メモリに記憶された複数の識別子とに基づき、第1識別子及び第2識別子が同一の線状部材に印刷されているか否かを判定する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
線状部材の外面に印刷された複数の識別子を前記線状部材に対応付けて記憶したメモリを参照するプロセッサと、
端末装置と通信する通信装置とを備え、
前記プロセッサは、前記通信装置を介して前記端末装置から受信した、線状部材の外面に印刷された第1識別子及び線状部材の外面に印刷された第2識別子と、前記メモリに記憶された前記複数の識別子とに基づき、前記第1識別子及び前記第2識別子が同一の線状部材に印刷されているか否かを判定する、判定装置。
【請求項2】
前記複数の識別子のそれぞれは、ランダムに決定された識別子である、請求項1に記載の判定装置。
【請求項3】
前記メモリは、前記線状部材の外面に印刷された前記複数の識別子を、前記線状部材の外面において印刷された順と同じ順に記憶し、
前記プロセッサは、前記第1識別子及び前記第2識別子が、1つの前記線状部材に対応して前記メモリに記憶されている場合、前記第1識別子及び前記第2識別子が同一の線状部材に印刷されていると判定する、請求項2に記載の判定装置。
【請求項4】
前記第1識別子は、前記線状部材の外面に連続して印刷された複数の第1識別子を含み、
前記第2識別子は、前記線状部材の外面に連続して印刷された複数の第2識別子を含み、
前記プロセッサは、前記複数の第1識別子のそれぞれが前記線状部材の外面に印刷された順と同じ順で前記メモリに記憶され、かつ、前記複数の第2識別子のそれぞれが前記線状部材の外面に印刷された順と同じ順で前記メモリに記憶されている場合、前記第1識別子及び前記第2識別子が同一の線状部材に印刷されていると判定する、請求項3に記載の判定装置。
【請求項5】
前記複数の識別子のそれぞれが印刷された位置には、同一の線状部材における各識別子と隣接する位置に印刷された他の識別子が併せて印刷されている、請求項4に記載の判定装置。
【請求項6】
前記複数の識別子のそれぞれが印刷された位置には、同一の線状部材における各識別子と隣接する位置に印刷された識別子と所定の関係を有する他の識別子が併せて印刷されている、請求項4に記載の判定装置。
【請求項7】
前記プロセッサは、前記通信装置を介して前記端末装置から受信した、前記第1識別子、前記第2識別子及び線状部材に印刷された第3識別子と、前記メモリに記憶された前記複数の識別子とに基づき、前記第1識別子、前記第2識別子、及び前記第3識別子が同一の線状部材に印刷されているか否かを判定する、請求項1に記載の判定装置。
【請求項8】
前記メモリは、前記線状部材の外面に印刷された前記複数の識別子を前記線状部材の外面において印刷された順と同じ順に記憶し、
前記プロセッサは、前記第1識別子、前記第3識別子及び前記第2識別子が、1つの線状部材に対応して、前記第1識別子、前記第3識別子及び前記第2識別子の順に前記メモリに記憶されている場合、前記第1識別子、前記第2識別子、及び前記第3識別子が同一の線状部材に印刷されていると判定する、請求項7に記載の判定装置。
【請求項9】
線状部材の外面に印刷された第1識別子及び線状部材の外面に印刷された第2識別子を端末装置から受信し、
線状部材の外面に印刷された複数の識別子を線状部材ごとに対応付けて記憶したメモリを参照し、前記第1識別子及び前記第2識別子と、前記メモリに記憶された前記複数の識別子とに基づき、前記第1識別子及び前記第2識別子が同一の線状部材に印刷されているか否かを判定する、処理をコンピュータに実行させる判定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、判定装置及び判定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、多くの電気設備が設置されている機場や工場等では、各電気設備の駆動や制御を行う必要性から、導電体を絶縁体によって被覆した配線や電線等(以下、これらを単にワイヤとも呼ぶ)が大量に使用されている。
【0003】
このような工場等において、例えば、各ワイヤの撤去等の作業を行う場合、作業者は、大量のワイヤの中から作業対象のワイヤを特定する必要がある。具体的に、作業者は、例えば、各ワイヤの一部(例えば、各ワイヤの端部)に印刷された識別情報を確認することによって、大量のワイヤの中から作業対象のワイヤの特定を行う(特許文献1及び2を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平9-301642号公報
【特許文献2】特開2018-064455号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、上記のような各ワイヤは、例えば、中間部分がピット内や構内等に設置されている場合がある。そのため、多数のワイヤが密集した状態で設置されている場合、作業者は、ピット等の入口側において視認可能な入口側のワイヤと、ピット等の出口側において視認可能な出口側のワイヤとが作業対象のワイヤか容易に確認することができない。特に、作業対象のワイヤが、長いワイヤ(例えば、数十メートルのワイヤ)の場合、入口側のワイヤと出口側のワイヤとが同じワイヤかを確認するのがより困難になる。また、各ワイヤがピット内等において他のワイヤを跨いでいる場合にも、この確認が困難になる。
【0006】
このように、作業者は、作業対象のワイヤの特定(作業対象のワイヤの全体像の特定)を容易に行うことができない場合がある。
【0007】
そこで、本発明は、作業対象のワイヤの特定を容易に行うことを可能とする判定装置及び判定方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するための本発明における判定装置は、複数の線状部材の外面に印刷された複数の識別子を前記線状部材に対応付けて記憶したメモリを参照するプロセッサと、端末装置と通信する通信装置とを備え、前記プロセッサは、前記通信装置を介して前記端末装置から受信した、線状部材の外面に印刷された第1識別子及び線状部材の外面に印刷された第2識別子と、前記メモリに記憶された前記複数の識別子とに基づき、前記第1識別子及び前記第2識別子が同一の線状部材に印刷されているか否かを判定する。
【発明の効果】
【0009】
本発明における判定装置及び判定方法によれば、作業対象のワイヤの特定を容易に行うことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、第1の実施の形態における情報処理システム10の概略構成図について説明する図である。
【
図2】
図2は、第1の実施の形態における情報処理システム10の概略構成図について説明する図である。
【
図3】
図3は、情報処理装置1のハードウエア構成を説明する図である。
【
図4】
図4は、情報処理装置1の機能のブロック図である。
【
図5】
図5は、第1の実施の形態におけるワイヤ特定処理を説明するフローチャート図である。
【
図6】
図6は、第1の実施の形態におけるワイヤ特定処理を説明する図である。
【
図7】
図7は、第1の実施の形態におけるワイヤ特定処理を説明する図である。
【
図8】
図8は、第1の実施の形態におけるワイヤ特定処理を説明する図である。
【
図9】
図9は、第1の実施の形態におけるワイヤ特定処理を説明する図である。
【
図10】
図10は、第1の実施の形態におけるワイヤ特定処理を説明する図である。
【
図11】
図11は、第1の実施の形態におけるワイヤ特定処理を説明するフローチャート図である。
【
図12】
図12は、第1の実施の形態におけるワイヤ特定処理を説明する図である。
【
図13】
図13は、第2の実施の形態における情報処理システム10の概略構成図について説明する図である。
【
図14】
図14は、第2の実施の形態におけるワイヤ特定処理を説明するフローチャート図である。
【
図15】
図15は、第2の実施の形態におけるワイヤ特定処理を説明する図である。
【
図16】
図16は、第3の実施の形態におけるワイヤ特定処理を説明するフローチャート図である。
【
図17】
図17は、第3の実施の形態におけるワイヤ特定処理を説明するフローチャート図である。
【
図18】
図18は、第3の実施の形態についての第1の変形例について説明する図である。
【
図19】
図19は、第3の実施の形態についての第2の変形例について説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。しかしながら、かかる実施の形態例が、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0012】
初めに、第1の実施の形態における情報処理システム10の概略構成例について説明を行う。
図1及び
図2は、第1の実施の形態における情報処理システム10の概略構成図について説明する図である。
【0013】
図1に示す例において、情報処理システム10は、判定装置1と、端末装置3と、印刷装置4とを有する。なお、判定装置1は、専用の装置でなくてもよく、他のプリケーションを実行可能な情報処理装置であっても良い。以下の説明では、判定装置1を情報処理装置1として説明する。情報処理装置1は、例えば、PC(Personal Coputer)やサーバである。
【0014】
印刷装置4は、作業者が各ワイヤ7(以下、線状部材7とも呼ぶ)の設置を行う際に用いる装置であって、例えば、各ワイヤ7の外面において各ワイヤ7を識別する識別情報(以下、識別子とも呼ぶ)を印刷する装置である。具体的に、印刷装置4は、例えば、各ワイヤ7の外面において識別情報を等間隔に印刷する。
【0015】
なお、印刷装置4は、例えば、各ワイヤ7がドラム(図示しない)から切り取られる前に、各ワイヤ7に対して識別情報の印刷を行うものであってもよい。また、印刷装置4は、例えば、各ワイヤ7に取り付けられたプレート等に対して識別情報の印刷を行うものであってもよい。
【0016】
端末装置3は、作業者が設置済の各ワイヤ7から作業対象のワイヤ7の特定を行う際に用いる装置であって、例えば、ワイヤ7の外面において印刷された識別情報の読み取りを行う装置である。具体的に、端末装置3は、
図1に示すように、例えば、配電盤5aと配電盤5bとを繋ぐ各ワイヤ7の外面において印刷された識別情報の読み取りを行う。そして、端末装置3は、例えば、読み取りを行った識別情報を情報処理装置1に送信する。なお、端末装置3は、例えば、スマートフォンやタブレット端末等であってよい。
【0017】
情報処理装置1は、端末装置3から送信された識別情報と、記憶装置2に記憶された管理情報201とに基づいて、端末装置3によって識別情報の読み取りが行われたワイヤ7についての関連情報を取得する。管理情報201は、例えば、各ワイヤ7の外面において印刷された識別情報と、各ワイヤ7についての関連情報(例えば、ワイヤ7の製造年月日や製造元等の情報)とを対応付けた情報である。そして、情報処理装置1は、例えば、特定した関連情報を端末装置3に送信する。
【0018】
これにより、作業者は、端末装置3が識別情報の読み取りを行ったワイヤ7についての関連情報を閲覧することが可能になり、各ワイヤ7の撤去等の作業を進めることが可能になる。
【0019】
なお、以下、管理情報201が情報処理装置1の外部に設けられた記憶装置2に記憶されているものとして説明を行うが、管理情報201は、情報処理装置1の内部に設けられた記憶領域(図示しない)に記憶されるものであってもよい。
【0020】
ここで、
図1に示す例では、各ワイヤ7の中間部分がピット6内に設置されている。そのため、例えば、多数のワイヤ7が密集した状態で設置されており、さらに、各ワイヤ7が整然と並べられていない場合、作業者は、各ワイヤ7がピット6内において他のワイヤ7を跨いでいるか否かについての判断を容易に行うことができない。
【0021】
具体的に、例えば、
図2(A)に示すように、中間部分において他のワイヤ7を跨いでいるワイヤ7が存在している場合であっても、
図2(B)に示すように、各ワイヤ7の中間部分がピット6内に設置されている場合、作業者は、各ワイヤ7がピット6内において他のワイヤ7を跨いでいるか否かの判断を目視によって行うことができない。
【0022】
そのため、作業者は、この場合、ピット6の入口側において視認可能なワイヤ7(配電盤5a側のワイヤ7)とピット6の出口側において視認可能なワイヤ7(配電盤5b側のワイヤ7)とが同じワイヤであるか判定することが困難である。ワイヤの判定方法を以下に例示する。
【0023】
第1の例:作業者は、ワイヤ7の外面に印刷されている会社名や製品番号等の識別情報を確認し、上記した同じワイヤであるか判定していた。しかしながら、複数のワイヤに同じ会社名や製品番号が印刷されている場合には、上記判定の精度が低下する。
【0024】
第2の例:作業者は、ワイヤの一端から第1のリングを通し(いわゆる輪通し)、さらに、ワイヤの他端から第2のリングを通し、中央に向けて第1、第2のリングを進ませる。そして、作業者は、第1、第2のリングが中央付近で近づき、同一ワイヤに第1、第2のリングが通っていることを確認できた場合に、同じワイヤであると判定していた。しかしながら、かかる方法は、ピット6がある場合にはピット6を外す必要があり作業時間が長くなり作業工数も増える。さらに、リングをワイヤに通し、中央に向けてリングを進ませる必要があり、同じく作業時間が長くなり作業工数も増える。
【0025】
第3の例:作業者は、例えば、各ワイヤ7の製造元が管理する台帳(図示しない)を参照することにより、ピット6の入口側において視認可能なワイヤ7とピット6の出口側において視認可能なワイヤ7とが同じワイヤであるか判定していた。この方法により、作業者は、各ワイヤ7の中間部分がピット6内に設置されている場合であっても、この判定が可能になる。
【0026】
しかしながら、各ワイヤ7の製造元が管理する台帳は、例えば、各ワイヤ7の製造元が定めた規則に従って決定された各ワイヤ7の識別情報を管理する情報である。そのため、作業者は、例えば、各ワイヤ7の製造元が異なっている場合、異なる複数の製造元が管理する台帳のそれぞれを参照しながらこの判定をする必要があり、作業対象のワイヤ7の特定を容易に行うことができない。
【0027】
そこで、本実施の形態において、作業者は、各ワイヤ7の外面において印刷された識別情報をワイヤ7ごとに管理する情報である管理情報201を予め生成して記憶装置2に記憶する。そして、端末装置3は、例えば、配電盤5a側において視認可能なワイヤ7(以下、第1ワイヤ7とも呼ぶ)に印刷された識別情報(以下、第1識別情報とも呼ぶ)と、配電盤5b側において視認可能なワイヤ7(以下、第2ワイヤ7とも呼ぶ)に印刷された識別情報(以下、第2識別情報とも呼ぶ)との読み取りを行う。その後、情報処理装置1は、端末装置3が読み取りを行った第1識別情報及び第2識別情報と、記憶装置2に記憶された管理情報201とを比較することによって、第1ワイヤ7と第2ワイヤ7とが同一のワイヤ7であるか否かについての判定を行う。
【0028】
すなわち、本実施の形態における情報処理装置1は、第1ワイヤ7の外面に印刷された第1識別情報及び第2ワイヤ7の外面に印刷された第2識別情報と、記憶装置2に記憶された管理情報201に含まれる複数の識別情報とに基づき、第1ワイヤ7及び第2ワイヤ7が同一のワイヤ7であるか否か(換言すれば、第1識別情報及び第2識別情報が同一のワイヤ7に印刷されているか否か)を判定する。
【0029】
これにより、本実施の形態における情報処理装置1は、例えば、各ワイヤ7の一部(例えば、中間部分)が外部から視認できない状態であっても、第1ワイヤ7と第2ワイヤ7とが同じワイヤか判定することが可能になり、作業対象のワイヤ7の特定を容易に行うことが可能になる。
【0030】
また、本実施の形態における情報処理装置1は、同一の規則に従って各ワイヤ7に印刷された識別情報を管理する管理情報201を参照することで、例えば、各ワイヤ7の製造元が異なっている場合であっても、各ワイヤ7の製造元が管理する台帳を参照することなく、第1ワイヤ7と第2ワイヤ7とが同じワイヤか判定することが可能になる。そのため、情報処理装置1は、第1ワイヤ7と第2ワイヤ7との対応付けを容易に行うことが可能になる。
【0031】
[判定装置のハードウエア構成]
次に、情報処理装置1のハードウエア構成について説明する。
図3は、情報処理装置1のハードウエア構成を説明する図である。
【0032】
情報処理装置1は、
図3に示すように、プロセッサであるCPU101と、メモリ102と、通信装置103と、記憶媒体104とを有する。各部は、バス105を介して互いに接続される。
【0033】
記憶媒体104は、例えば、作業対象のワイヤ7の特定を行う処理(以下、ワイヤ特定処理とも呼ぶ)を行うためのプログラム(図示しない)を記憶するプログラム格納領域(図示しない)を有する。なお、記憶媒体104は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)であってよい。
【0034】
CPU101は、記憶媒体104からメモリ102にロードされたプログラムを実行することによってワイヤ特定処理を行う。
【0035】
通信装置103は、例えば、管理情報201を記憶する記憶装置2とアクセスを行う。また、通信装置103は、例えば、インターネット等のネットワークNWを介して端末装置3とアクセスを行う。
【0036】
[判定装置の機能]
次に、情報処理装置1の機能について説明を行う。
図4は、情報処理装置1の機能のブロック図である。
【0037】
情報処理装置1は、
図4に示すように、例えば、CPU101やメモリ102等のハードウエアとプログラムとが有機的に協働することにより、情報受信部111と、情報管理部112と、情報判定部113と、情報出力部114とを含む各種機能を実現する。
【0038】
情報受信部111は、各ワイヤ7の外面において識別情報の印刷を行う印刷装置4から、各ワイヤ7の外面において印刷を行った識別情報を受信する。
【0039】
また、情報受信部111は、端末装置3が各ワイヤ7の外面から読み取りを行った第1識別情報及び第2識別情報を端末装置3から受信する。
【0040】
情報管理部112は、情報受信部111が印刷装置4から受信した各識別情報から管理情報201を生成する。そして、情報管理部112は、例えば、生成した管理情報201を記憶装置2に記憶する。管理情報201の具体例については後述する。
【0041】
情報判定部113は、情報受信部111が端末装置3から受信した第1識別情報及び第2識別情報と、記憶装置2に記憶された管理情報201に含まれる複数の識別情報とに基づいて、第1識別情報が印刷された第1ワイヤ7と、第2識別情報が印刷された第2ワイヤ7とが同一のワイヤ7であるか否かを判定する。そして、情報判定部113は、例えば、第1ワイヤ7と第2ワイヤ7とが同一のワイヤ7であるか否かの判定結果を示す情報(以下、結果情報とも呼ぶ)を生成する。
【0042】
情報出力部114は、例えば、情報判定部113が生成した結果情報を端末装置3に送信する。
【0043】
[第1の実施の形態]
次に、第1の実施の形態について説明する。
図5及び
図11は、第1の実施の形態におけるワイヤ特定処理を説明するフローチャート図である。また、
図6から
図10、
図12は、第1の実施の形態におけるワイヤ特定処理を説明する図である。
【0044】
[情報生成処理]
初めに、第1の実施の形態におけるワイヤ特定処理のうち、管理情報201の生成を行う処理(以下、情報生成処理とも呼ぶ)について説明を行う。
図5は、第1の実施の形態における情報生成処理を説明するフローチャート図である。
【0045】
情報処理装置1の情報受信部111は、
図5に示すように、各ワイヤ7の外面において識別情報の印刷を行う印刷装置4から、各ワイヤ7の外面において印刷を行った識別情報を受信するまで待機する(S11のNO)。
【0046】
具体的に、情報受信部111は、例えば、印刷装置4が識別情報の印刷を行うごとに、印刷が行われた識別情報を印刷装置4から受信する。
【0047】
そして、各ワイヤ7の外面において印刷を行った識別情報を受信した場合(S11のYES9)、情報処理装置1の情報管理部112は、例えば、所定単位のワイヤ7ごとに、各ワイヤ7の外面に印刷された複数の識別情報を各ワイヤ7の外面において印刷された順と同じ順で保持する管理情報201を生成する(S12)。
【0048】
具体的に、情報管理部112は、例えば、ワイヤ7ごとに、各ワイヤ7に対応する管理情報201の生成を行う。また、情報管理部112は、例えば、各ワイヤ7が巻き取られていたドラム8ごとに、各ワイヤ7に対応する管理情報201の生成を行う。なお、以下、同一のドラム8から切り出された複数のワイヤ7をワイヤ群とも呼ぶ。
【0049】
その後、情報管理部112は、S12の処理で生成した管理情報201を記憶装置2に記憶する(S13)。以下、情報生成処理の具体例について説明を行う。
【0050】
[情報生成処理の具体例]
図6から
図9は、情報生成処理の具体例について説明する図である。なお、以下、各識別情報が2桁の数字からなる場合について説明を行うが、各識別情報は、2桁以外に数字からなるものであってもよく、英字等の他の文字や記号からなるものであってもよい。
【0051】
例えば、
図6に示すように、ドラム8から取り出したワイヤ7の位置P1において、ランダムに決定された識別情報である「12」が印刷装置4によって印刷された場合、情報処理装置1は、ドラム8から取り出されたワイヤ7の外面において印刷された識別情報が「12」であることを示す管理情報201を記憶装置2に記憶する。
【0052】
次に、例えば、
図7に示すように、ドラム8から取り出したワイヤ7の位置P2(位置P1に隣接する位置)において、ランダムに決定された識別情報である「43」が印刷装置4によって印刷された場合、情報処理装置1は、ドラム8から取り出されたワイヤ7の外面において印刷された識別情報が「12」及び「43」であることを示す管理情報201を記憶装置2に記憶する。
【0053】
さらに、例えば、
図8に示すように、ドラム8から取り出したワイヤ7の位置P3(位置P2に隣接する位置)において、ランダムに決定された識別情報である「89」が印刷装置4によって印刷された場合、情報処理装置1は、ドラム8から取り出されたワイヤ7の外面において印刷された識別情報が「12」、「43」及び「89」であることを示す管理情報201を記憶装置2に記憶する。
【0054】
これにより、情報処理装置1は、各ワイヤ7の外面において印刷された各識別情報を、各ワイヤ7の外面における印刷順と同じ順で管理することが可能になる。
【0055】
その後、作業者は、必要に応じて、ドラム8から取り出したワイヤ7の切り取りを行う。具体的に、作業者は、例えば、
図9に示すように、「12」、「43」及び「89」を含む各識別情報が印刷されたワイヤ7aの切り取りを行う。
【0056】
[管理情報の具体例]
次に、管理情報201の具体例について説明を行う。
図10は、管理情報201の具体例について説明する図である。具体的に、
図10は、各識別情報の管理を各ワイヤ7が巻き取られていたドラム8ごとに行う管理情報201の具体例について説明する図である。
【0057】
図10に示す管理情報201は、各ドラム8の識別情報が設定される「ドラムID」と、各ドラム8から切り出された各ワイヤ7の識別情報が設定される「識別情報」とを項目として有する。また、
図10に示す管理情報201は、各ドラム8のワイヤ7の製造会社が設定される「製造元」と、各ドラム8のワイヤ7の製造年月日が設定される「製造年月日」とを項目として有する。
【0058】
具体的に、
図10に示す管理情報201において、1行目の情報には、「ドラムID」として「D01」が設定され、「識別情報」として「55,23,16,81,41,99,21,59,04,・・・,29,73」が設定され、「製造元」として「A社」が設定され、「製造年月日」として「2018/04/01」が設定されている。
【0059】
また、
図10に示す管理情報201において、2行目の情報には、「ドラムID」として「D02」が設定され、「識別情報」として「12,43,89,74,55,67,31,62,07,…,71,38」が設定され、「製造元」として「B社」が設定され、「製造年月日」として「2015/08/01」が設定されている。なお、「ドラムID」が「D02」であるドラムは、
図6から
図9において説明したドラム8に対応する。
図10に含まれる他の情報についての説明は省略する。なお、管理情報201に記憶されている識別番号の順序と印刷装置4によりワイヤ7の外面に印刷された識別番号の順序とが同じであれば良く、例えば、「38,71,…,07,62,31,67,55,74,89,43,12」であっても良い。
【0060】
[ワイヤ特定処理のメイン処理(1)]
次に、第1の実施の形態におけるワイヤ特定処理のメイン処理について説明を行う。
図11は、第1の実施の形態におけるワイヤ特定処理のメイン処理を説明するフローチャート図である。
【0061】
情報処理装置1の情報受信部111は、
図11に示すように、例えば、第1ワイヤ7及び第2ワイヤ7の外面に印刷された第1識別情報及び第2識別情報のそれぞれを端末装置3から受信するまで待機する(S21のNO、S22のNO)。すなわち、情報受信部111は、例えば、端末装置3が第1識別情報と第2識別情報との読み取りを行うまで待機する。
【0062】
そして、第1識別情報及び第2識別情報を端末装置3から受信した場合(S21のYES、S22のYES)、情報処理装置1の情報判定部113は、記憶装置2に記憶した管理情報201を参照し、S21の処理で受信した第1識別情報と、S22の処理で受信した第2識別情報とを含む管理情報201が存在しているか否かを判定する(S23)。
【0063】
その結果、第1識別情報と第2識別情報とを含む管理情報201が存在していると判定した場合(S24のYES)、情報処理装置1の情報出力部114は、第1識別情報が外面において印刷された第1ワイヤ7と、第2識別情報が外面において印刷された第2ワイヤ7とが同一のワイヤ7であることを示す結果情報を出力する(S25)。具体的に、情報出力部114は、この場合、例えば、第1ワイヤ7と第2ワイヤ7とが同一のワイヤ7であることを示す結果情報を端末装置3に送信する。
【0064】
一方、第1識別情報と第2識別情報とを含む管理情報201が存在しないと判定した場合(S24のNO)、情報出力部114は、S25の処理を行わない。なお、情報出力部114は、この場合、例えば、第1ワイヤ7と第2ワイヤ7とが同一のワイヤ7でないことを示す結果情報を端末装置3に送信するものであってもよい。
【0065】
これにより、作業者は、例えば、結果情報が表示された端末装置3を閲覧することで、識別情報の読み取りを行った第1ワイヤ7と第2ワイヤ7とが同一のワイヤ7であるか否かについての情報を取得することが可能になる。そのため、作業者は、端末装置3から取得した情報を用いることによって、各ワイヤ7の撤去等の作業を行うことが可能になる。以下、ワイヤ特定処理のメイン処理の具体例について説明を行う。
【0066】
[ワイヤ特定処理のメイン処理の具体例(1)]
図12は、第1の実施の形態におけるワイヤ特定処理のメイン処理の具体例について説明する図である。
【0067】
例えば、
図10で説明した管理情報201における2行目の情報(「ドラムID」が「D02」である情報)には、「識別情報」として「89」及び「07」が設定されている。そのため、例えば、
図12に示すように、第1ワイヤ7(配電盤5aに接続された複数のワイヤ7のうちの1つ)の外面において印刷された第1識別情報が「89」であり、かつ、第2ワイヤ7(配電盤5bに接続された複数のワイヤ7のうちの1つ)の外面において印刷された第2識別情報が「07」である場合、情報処理装置1は、第1ワイヤ7と第2ワイヤ7とが同一のワイヤ7(
図9で説明したワイヤ7a)であると判定する。
【0068】
このように、第1の実施の形態における情報処理装置1は、第1ワイヤ7の外面に印刷された第1識別情報及び第2ワイヤ7の外面に印刷された第2識別情報が、1つのワイヤ(例えば、「ドラムID」が「D02」の1つのワイヤ)に対応して記憶装置2に記憶されている場合、第1ワイヤ7及び第2ワイヤ7が同一のワイヤ7であると判定する。
【0069】
これにより、情報処理装置1は、各ワイヤ7の中間部分が外部から視認できない状態であっても、第1ワイヤ7と第2ワイヤ7とが同じワイヤか判定することが可能になる。そのため、情報処理装置1は、作業対象のワイヤ7の特定(作業対象のワイヤ7の全体像の特定)を容易に行うことが可能になる。
【0070】
特に、近年では、電気設備の老朽化等に伴い、設置済のワイヤ7の撤去が行われるケースが増加しており、さらに、設置済のワイヤ7の撤去が行われる際に、撤去対象のワイヤ7の切断が必要となるケースが発生している。そのため、情報処理装置1は、各ワイヤ7の中間部分が外部から視認できない状態であっても、撤去対象のワイヤ7の全体像の特定を容易に行うことを可能とすることで、撤去対象のワイヤ7以外のワイヤ7が誤って切断される等の事故の発生防止に大きく寄与することが可能になる。
【0071】
なお、
図12では、1つの端末装置3が、2つの識別情報を読み取り、情報処理装置1に送信したが、2つの端末装置でそれぞれ1つの識別情報を読み取り、情報処理装置1に送信してもよい。例えば、第1の端末装置で、識別情報として「89」を読み取り、情報処理装置1に送信し、第2の端末装置で、識別情報として「07」を読み取り、情報処理装置1に送信してもよい。
【0072】
[第2の実施の形態]
次に、第2の実施の形態について説明する。
図13は、第2の実施の形態における情報処理システム10の概略構成図について説明する図である。また、
図14は、第2の実施の形態におけるワイヤ特定処理を説明するフローチャート図である。さらに、
図15は、第2の実施の形態におけるワイヤ特定処理を説明する図である。
【0073】
第2の実施の形態におけるワイヤ特定処理では、例えば、第1ワイヤ7の外面に印刷された第1識別情報と、第2ワイヤ7の外面に印刷された第2識別情報と、第1ワイヤ7と第2ワイヤ7との間の領域において視認可能な他のワイヤ7(以下、中間ワイヤ7または第3ワイヤ7とも呼ぶ)の外面に印刷された識別情報(以下、中間識別情報または第3識別情報とも呼ぶ)とを用いることによって、第1ワイヤ7、中間ワイヤ7及び第2ワイヤ7のそれぞれが同一のワイヤ7であるか否か(換言すれば、第1識別情報、中間識別情報、及び第2識別情報が同一のワイヤ7に印刷されているか否か)を判定する。
【0074】
具体的に、第2実施の形態における情報処理装置1は、
図13に示すように、中間部分が2つのピット6(ピット6a及び6b)内に設置されている複数のワイヤ7から、作業対象のワイヤ7の特定を行う。なお、以下、第1の実施の形態における場合と同様に、配電盤5a側において端部が視認可能なワイヤ7が第1ワイヤ7であり、配電盤5b側において端部が視認可能なワイヤ7が第2ワイヤ7であるものとして説明を行う。また、以下、ピット6aとピット6bとの間において視認可能なワイヤ7が中間ワイヤ7であるものとして説明を行う。
【0075】
[ワイヤ特定処理のメイン処理(2)]
次に、第2の実施の形態におけるワイヤ特定処理のメイン処理について説明を行う。
図14は、第2の実施の形態におけるワイヤ特定処理のメイン処理を説明するフローチャート図である。なお、第2の実施の形態における情報生成処理については、第1の実施の形態と同じ内容であるため説明を省略する。
【0076】
情報受信部111は、
図14に示すように、例えば、第1ワイヤ7、中間ワイヤ7及び第2ワイヤ7の外面に印刷された第1識別情報、中間識別情報及び第2識別情報のそれぞれを端末装置3から受信するまで待機する(S31のNO、S32のNO、S33のNO)。なお、以下、第1識別情報、中間識別情報、及び第2識別情報は、この順で印刷されているものとする。また、端末装置3は、第1識別情報、中間識別情報、及び第2識別情報の印刷順を示す情報を、識別情報とともに送信しても良い。
【0077】
そして、第1識別情報、中間識別情報及び第2識別情報を端末装置3から受信した場合(S31のYES、S32のYES、S33のYES)、情報判定部113は、記憶装置2に記憶した管理情報201を参照し、S31の処理で受信した第1識別情報と、S32の処理で受信した中間識別情報と、S33の処理で受信した第2識別情報とをこの順で含む管理情報201が存在しているか否かを判定する(S34)。前記した印刷順を示す情報を受信した場合、情報判定部113は、この印刷順を示す情報に基づき、第1識別情報、中間識別情報、及び第2識別情報の印刷順序を識別して、S34の判定処理を実行する。
【0078】
その結果、第1識別情報と中間識別情報と第2識別情報とをこの順で含む管理情報201が存在していると判定した場合(S35のYES)、情報出力部114は、第1識別情報が外面において印刷された第1ワイヤ7と、中間識別情報が外面において印刷された中間ワイヤ7と、第2識別情報が外面において印刷された第2ワイヤ7とが同一のワイヤ7であることを示す結果情報を出力する(S36)。具体的に、情報出力部114は、この場合、例えば、第1ワイヤ7と中間ワイヤ7と第2ワイヤ7とが同一のワイヤ7であることを示す結果情報を端末装置3に送信する。
【0079】
一方、第1識別情報と中間識別情報と第2識別情報とをこの順で含む管理情報201が存在しないと判定した場合(S35のNO)、情報出力部114は、S36の処理を行わない。なお、情報出力部114は、この場合、例えば、第1ワイヤ7と中間ワイヤ7と第2ワイヤ7とのうちの少なくとも2つが同一のワイヤ7でないことを示す結果情報を端末装置3に送信するものであってもよい。
【0080】
すなわち、同一のワイヤ7の外面において印刷された識別情報である可能性がある3つの識別情報(第1識別情報、中間識別情報及び第2識別情報)の読み取りが行われた場合、情報処理装置1は、読み取りが行われた3つの識別情報を用いることによって、各識別情報が取り付けられたワイヤ7が同一のワイヤ7であるか否かについての判定を行う。
【0081】
ここで、管理情報201は、各ワイヤ7の外面において印刷された識別情報を、各ワイヤ7の外面における印刷順と同じ順で管理する情報である。そのため、第1ワイヤ7、中間ワイヤ7及び第2ワイヤ7が同一のワイヤ7である場合、管理情報201は、第1識別情報、中間識別情報及び第2識別情報をこの順で保持しているものと判断できる。
【0082】
そのため、第2の実施の形態における情報処理装置1は、S34の処理において、第1識別情報、中間識別情報及び第2識別情報を単に含むだけでなく、第1識別情報、中間識別情報及び第2識別情報をこの順で含む管理情報201が存在するか否かについての判定を行う。そして、情報処理装置1は、第1識別情報と中間識別情報と第2識別情報とをこの順で含む管理情報201が存在していると判定した場合に、第1識別情報が外面において印刷された第1ワイヤ7と、中間識別情報が外面において印刷された中間ワイヤ7と、第2識別情報が外面において印刷された第2ワイヤ7とが同一のワイヤ7であると判定する。
【0083】
これにより、情報処理装置1は、第1ワイヤ7、中間ワイヤ7及び第2ワイヤ7が同一のワイヤ7であるか否かの判定を容易に行うことが可能になる。以下、ワイヤ特定処理のメイン処理の具体例について説明を行う。
【0084】
[ワイヤ特定処理のメイン処理の具体例(2)]
図15は、第2の実施の形態におけるワイヤ特定処理のメイン処理の具体例について説明する図である。
【0085】
例えば、
図10で説明した管理情報201における2行目の情報(「ドラムID」が「D02」である情報)には、「識別情報」として「89」、「67」及び「07」がこの順に設定されている。そのため、例えば、
図15に示すように、配電盤5a側において視認可能な第1ワイヤ7の外面において印刷された第1識別情報が「89」であり、ピット6a及びピット6bとの間において視認可能な中間ワイヤ7の外面において印刷された中間識別情報が「67」であり、かつ、配電盤5b側において視認可能な第2ワイヤ7の外面において印刷された第2識別情報が「07」である場合、情報処理装置1は、第1ワイヤ7と中間ワイヤ7と第2ワイヤ7とが同一のワイヤ7(
図9で説明したワイヤ7a)であると判定する。
【0086】
このように、第2の実施の形態における情報処理装置1は、第1ワイヤ7の外面に印刷された第1識別情報及び第2ワイヤ7の外面に印刷された第2識別情報と、中間ワイヤ7の外面に印刷された中間識別情報と、記憶装置2に記憶された管理情報201に含まれる複数の識別情報とに基づき、第1ワイヤ7と中間ワイヤ7と第2ワイヤ7が同一のワイヤ7であるか否かを判定する。
【0087】
これにより、情報処理装置1は、各ワイヤ7の中間部分が外部から視認できない状態であっても、第1ワイヤ7と中間ワイヤ7と第2ワイヤ7とが同じワイヤか判定することが可能になり、作業対象のワイヤ7の特定を容易に行うことが可能になる。
【0088】
なお、
図15では、1つの端末装置3が、3つの識別情報を読み取り、情報処理装置1に送信したが、3つの端末装置でそれぞれ1つの識別情報を読み取り、情報処理装置1に送信してもよい。例えば、第1の端末装置で、識別情報として「89」を読み取り、情報処理装置1に送信し、第2の端末装置で、識別情報として「67」を読み取り、情報処理装置1に送信し、第3の端末装置で、識別情報として「07」を読み取り、情報処理装置1に送信してもよい。このときも前記したように第1~第3の端末装置は、それぞれ読み取った識別情報の印刷順序を示す順序情報を情報処理装置1に送信する。例えば、第1の端末装置は、識別情報「89」とともに印刷順序が1番目である順序情報を送信する。また、第2の端末装置は、識別情報「67」とともに印刷順序が2番目である順序情報を送信する。また、第3の端末装置は、識別情報「07」とともに印刷順序が3番目である順序情報を送信する。
【0089】
[第3の実施の形態]
次に、第3の実施の形態について説明する。
図16は、第3の実施の形態におけるワイヤ特定処理を説明するフローチャート図である。また、
図17は、第3の実施の形態におけるワイヤ特定処理を説明する図である。
【0090】
第3の実施の形態におけるワイヤ特定処理では、第1ワイヤ7から複数の第1識別情報(連続して印刷された複数の第1識別情報)の読み取りを行い、さらに、第2ワイヤ7から複数の第2識別情報(連続して印刷された複数の第2識別情報)の読み取りを行う。そして、第3の実施の形態におけるワイヤ特定処理では、複数の第1識別情報と複数の第2識別情報とを用いることによって、第1ワイヤ7及び第2ワイヤ7のそれぞれが同一のワイヤ7であるか否かについての判定を行う。
【0091】
[ワイヤ特定処理のメイン処理(3)]
次に、第3の実施の形態におけるワイヤ特定処理のメイン処理について説明を行う。
図16は、第3の実施の形態におけるワイヤ特定処理のメイン処理を説明するフローチャート図である。なお、第3の実施の形態における情報生成処理については、第1の実施の形態と同じ内容であるため説明を省略する。
【0092】
情報受信部111は、
図16に示すように、例えば、第1ワイヤ7の外面に印刷された複数の第1識別情報と、第2ワイヤ7の外面に印刷された複数の第2識別情報とのそれぞれを端末装置3から受信するまで待機する(S41のNO、S42のNO)。
【0093】
そして、複数の第1識別情報と複数の第2識別情報とを端末装置3から受信した場合(S41のYES、S42のYES)、情報判定部113は、記憶装置2に記憶した管理情報201を参照し、S41の処理で受信した複数の第1識別情報を第1ワイヤ7における印刷順と同じ順で含み、かつ、S42の処理で受信した複数の第2識別情報を第2ワイヤ7における印刷順と同じ順で含む管理情報201が存在しているか否かを判定する(S43)。
【0094】
その結果、複数の第1識別情報を第1ワイヤ7における印刷順と同じ順で含み、かつ、複数の第2識別情報を第2ワイヤ7における印刷順と同じ順で含む管理情報201が存在していると判定した場合(S44のYES)、情報出力部114は、複数の第1識別情報が外面において印刷された第1ワイヤ7と、複数の第2識別情報が外面において印刷された第2ワイヤ7とが同一のワイヤ7であることを示す結果情報を出力する(S45)。具体的に、情報出力部114は、この場合、例えば、第1ワイヤ7と第2ワイヤ7とが同一のワイヤ7であることを示す結果情報を端末装置3に送信する。
【0095】
一方、複数の第1識別情報を第1ワイヤ7における印刷順と同じ順で含み、かつ、複数の第2識別情報を第2ワイヤ7における印刷順と同じ順で含む管理情報201が存在しないと判定した場合(S44のNO)、情報出力部114は、S45の処理を行わない。なお、情報出力部114は、この場合、例えば、第1ワイヤ7と第2ワイヤ7とが同一のワイヤ7でないことを示す結果情報を端末装置3に送信するものであってもよい。
【0096】
以上のように、複数の第1識別情報及び複数の第2識別情報を参照する理由について説明する。例えば、配電盤5aと配電盤5bとを接続するワイヤ7が大量に存在し、あるワイヤには、識別情報「89」と識別情報「62」とが印刷され、他のワイヤにも同じ識別情報「89」と識別情報「62」とが印刷されている場合を想定する。この想定において、情報処理装置1が、あるワイヤの識別情報「89」及び他のワイヤの識別情報「62」を端末装置3から受信し、判定処理を行うと、両ワイヤには、識別情報「89」と識別情報「62」とが印刷されているので、あるワイヤと他のワイヤとが同じワイヤであると判定されてしまう。この場合、情報処理装置1は、作業対象のワイヤ7の特定を精度良く行うことができなくなる。
【0097】
そこで、第3の実施の形態では、判定の基準となる識別情報、換言すれば、読み取り対象の識別情報の情報量を多くすること、具体的には2桁よりも多い桁数の数字を識別情報として利用することにより、識別情報の一意性を高める。識別情報の情報量が多くなれば(例えば、数字の桁数が多くなれば)、異なるワイヤに同じ順で同じ識別情報が印刷され、管理情報として記憶される確率が低くなる。すなわち、判定の基準となる識別情報の情報量が多くなるほど、判定の精度が高まる。
【0098】
このように、情報処理装置1は、例えば、配電盤5aと配電盤5bとを接続するワイヤ7が大量に存在する場合であっても、第1ワイヤ7と第2ワイヤ7とが同一のワイヤ7であるか否かの判定を精度良く行うことが可能になる。以下、ワイヤ特定処理のメイン処理の具体例について説明を行う。
【0099】
[ワイヤ特定処理のメイン処理の具体例(3)]
図17は、第3の実施の形態におけるワイヤ特定処理のメイン処理の具体例について説明する図である。
【0100】
例えば、
図10で説明した管理情報201における2行目の情報(「ドラムID」が「D02」である情報)には、「識別情報」として「89」及び「74」が連続して設定されている。また、
図10で説明した管理情報201における2行目の情報には、「識別情報」として「62」及び「07」が連続して設定されている。そのため、例えば、
図17に示すように、配電盤5a側において視認可能な第1ワイヤ7の外面において連続して印刷された第1識別情報が「89」及び「74」であり、かつ、配電盤5b側において視認可能な第2ワイヤ7の外面において連続して印刷された第2識別情報が「62」及び「07」である場合、情報処理装置1は、第1ワイヤ7と第2ワイヤ7とが同一のワイヤ7(
図9で説明したワイヤ7a)であると判定する。
【0101】
このように、本実施の形態における情報処理装置1は、第1ワイヤ7の外面において連続して印刷された複数の第1識別情報及び第2ワイヤ7の外面において連続して印刷された複数の第2識別情報と、記憶装置2に記憶された管理情報201に含まれる複数の識別情報とに基づき、第1ワイヤ7と第2ワイヤ7が同一のワイヤ7であるか否かを判定する。
【0102】
これにより、情報処理装置1は、例えば、配電盤5aと配電盤5bとを接続するワイヤ7が大量に存在する場合であっても、第1ワイヤ7と第2ワイヤ7とが同一のワイヤ7であるか否かの判定を精度良く行うことが可能になる。
【0103】
[第3の実施の形態の変形例(1)]
次に、第3の実施の形態についての第1の変形例について説明する。
図18は、第3の実施の形態についての第1の変形例について説明する図である。
【0104】
印刷装置4は、例えば、ドラム8から取り出したワイヤ7における各位置に識別情報を印刷する場合、各位置に対応する識別情報とともに、各位置と隣接する位置に対応する識別情報の印刷を行うものであってもよい。
【0105】
具体的に、印刷装置4は、
図18に示すように、例えば、ドラム8から取り出したワイヤ7の位置P1において、位置P1に対応する識別情報である「12」に加え、位置P1に隣接する位置P2に対応する識別情報である「43」の印刷を行う。
【0106】
また、印刷装置4は、
図18に示すように、例えば、ドラム8から取り出したワイヤ7の位置P2において、位置P2に対応する識別情報である「43」に加え、位置P2に隣接する位置P1及び位置P3のそれぞれに対応する識別情報である「12」及び「89」の印刷を行う。
【0107】
これにより、端末装置3は、例えば、第1ワイヤ7の外面における1か所に印刷された識別情報の読み取りを行うことによって、第1ワイヤ7の外面において連続して印刷された複数の第1識別情報の読み取りを行うことが可能になる。同様に、端末装置3は、例えば、第2ワイヤ7の外面における1か所に印刷された識別情報の読み取りを行うことによって、第2ワイヤ7の外面において連続して印刷された複数の第2識別情報の読み取りを行うことが可能になる。そのため、作業者は、第1ワイヤ7及び第2ワイヤ7の外面において印刷されている識別情報の読み取りに要する作業負担を軽減させることが可能になる。
【0108】
[第3の実施の形態の変形例(2)]
次に、第3の実施の形態についての第2の変形例について説明する。
図19は、第3の実施の形態についての第2の変形例について説明する図である。
【0109】
印刷装置4は、例えば、ドラム8から取り出したワイヤ7における各位置に識別情報を印刷する場合、各位置に対応する識別情報とともに、各位置と隣接する位置に対応する識別情報と所定の関連を有する付加情報(例えば、識別情報の印刷順を示す通し番号)の印刷を行うものであってよい。
【0110】
具体的に、印刷装置4は、
図19に示すように、例えば、ドラム8から取り出したワイヤ7の位置P1において、位置P1に対応する識別情報である「12」に加え、ワイヤ7に対する「12」の印刷順が1番目であることを示す「01」の印刷を行う。
【0111】
また、印刷装置4は、
図19に示すように、例えば、ドラム8から取り出したワイヤ7の位置P2において、位置P2に対応する識別情報である「43」に加え、ワイヤ7に対する「43」の印刷順が2番目であることを示す「02」の印刷を行う。
【0112】
これにより、作業者は、各ワイヤ7に印刷された付加情報を参照することで、例えば、各ワイヤ7の長さを特定することが可能になる。
【0113】
具体的に、例えば、印刷装置4がドラム8から取り出したワイヤ7の外面において1(m)ごとに識別情報の印刷を行う場合であって、両端部に印刷された付加情報が「35」と「50」であるワイヤ7が存在する場合、作業者は、50(m)から35(m)を減算することによって算出される15(m)が、そのワイヤ7の長さであると特定することが可能になる。
【符号の説明】
【0114】
1:判定装置 2:記憶装置
3:端末装置 4:印刷装置
5a:配電盤 5b:配電盤
6:ピット 7:ワイヤ
8:ドラム 10:情報処理システム
201:管理情報