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特開2022-61920撮影装置、画像形成方法、画像形成プログラム、及び撮影システム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022061920
(43)【公開日】2022-04-19
(54)【発明の名称】撮影装置、画像形成方法、画像形成プログラム、及び撮影システム
(51)【国際特許分類】
   H04N 5/232 20060101AFI20220412BHJP
   H04N 5/235 20060101ALI20220412BHJP
   G03B 17/53 20210101ALI20220412BHJP
   G03B 15/05 20210101ALI20220412BHJP
   G07F 17/26 20060101ALI20220412BHJP
【FI】
H04N5/232 290
H04N5/232 930
H04N5/235 400
G03B17/53
G03B15/05
G07F17/26
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020170189
(22)【出願日】2020-10-07
(71)【出願人】
【識別番号】597047392
【氏名又は名称】辰巳電子工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100124039
【弁理士】
【氏名又は名称】立花 顕治
(74)【代理人】
【識別番号】100170542
【弁理士】
【氏名又は名称】桝田 剛
(72)【発明者】
【氏名】中西 竜介
(72)【発明者】
【氏名】梶本 泰生
(72)【発明者】
【氏名】野間 忠
【テーマコード(参考)】
2H053
2H104
5C122
【Fターム(参考)】
2H053AD11
2H104AA19
2H104BC48
5C122DA03
5C122DA04
5C122DA34
5C122EA59
5C122EA60
5C122EA61
5C122FK23
5C122FK24
5C122GG03
5C122GG27
5C122HA13
5C122HA35
5C122HB01
5C122HB02
5C122HB05
(57)【要約】      (修正有)
【課題】質の高い動画を提供することができる撮影装置及び撮影システムを提供する。
【解決手段】撮影装置は、第1画像データ及び第2画像データの少なくとも一方を含む動画像用データを取得する動画像撮影部と、静止画像用データを取得する静止画像撮影部と、編集動画像を生成する画像処理部と、を備える。動画像撮影部は、動画像用データに第1画像データが含まれる場合、静止画像用データの取得前に第1画像データを取得し、動画像用データに第2画像データが含まれる場合、静止画像用データの取得後に第2画像データを取得する。画像処理部は、静止画像用データ、第1画像データまたは第2画像データの少なくとも1つに基づいて生成される、特別画像データを取得し、第1画像データ、特別画像データ及び第2画像データの順、第1画像データ及び特別画像データの順又は特別画像データ及び第2画像データの順で再生される編集動画像を表示させる。
【選択図】図12
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1画像データ及び第2画像データの少なくとも一方を含む動画像用データを取得する動画像撮影部と、
静止画像用データを取得する静止画像撮影部と、
編集動画像を生成する画像処理部と、
を備え、
前記動画像撮影部は、
前記動画像用データに第1画像データが含まれる場合、前記静止画像用データの取得前に前記第1画像データを取得し、前記動画像用データに第2画像データが含まれる場合、前記静止画像用データの取得後に前記第2画像データを取得し、
前記画像処理部は、
前記静止画像用データ、前記第1画像データ、または前記第2画像データの少なくとも1つに基づいて生成される、特別画像データを取得し、
前記第1画像データ、前記特別画像データ、及び前記第2画像データの順、前記第1画像データ、及び前記特別画像データの順、又は前記特別画像データ、及び前記第2画像データの順で再生される前記編集動画像の少なくとも一部を表示させる、
撮影装置。
【請求項2】
前記特別画像データは、
前記第1画像データのうち、前記静止画像用データの取得前の所定時間内に取得された後部画像データ、
前記第2画像データのうち、前記静止画像用データの取得後の所定時間内に取得された前部画像データ、及び
前記静止画像用データ、
の少なくとも1つに画像処理を施すことで、生成される、
請求項1に記載の撮影装置。
【請求項3】
前記動画像撮影部は、取得開始指示を受けた後、取得終了指示を受けるまでの間に、前記第1画像データ及び前記第2画像データを含む前記動画像用データを取得する、
請求項1または2に記載の撮影装置。
【請求項4】
被写体に光を照射する照明部をさらに備え、
前記画像処理部は、少なくとも、前記動画像用データの取得中には、所定の明るさ以上の光を継続して出力するように、前記照明部を制御する、
請求項1から3のいずれかに記載の撮影装置。
【請求項5】
表示部をさらに備え、
前記画像処理部は、
少なくとも前記動画像用データに基づく表示用動画を、被写体を写すライブ動画として前記表示部に表示し、
前記静止画像用データが取得されるタイミングで、前記表示用動画に代わって、所定の演出が施された演出静止画または演出動画を前記表示部に表示する、
請求項1から4のいずれかに記載の撮影装置。
【請求項6】
動画像用の第1画像データ及び第2画像データの少なくとも1つと、静止画像用データとを取得するステップであって、
前記第1画像データが取得される場合には、前記第1画像データの取得後に、前記静止画像用データを取得し、前記第2画像データが取得される場合には、前記静止画像用データの取得後に、前記第2画像データを取得するステップと、
前記静止画像用データ、前記第1画像データ、または前記第2画像データの少なくとも1つに基づいて生成される、特別画像データを取得するステップと、
前記第1画像データ、前記特別画像データ、及び前記第2画像データの順、前記第1画像データ、及び前記特別画像データの順、又は前記特別画像データ、及び前記第2画像データの順で再生される前記動画像を生成するステップと、
を備えている、画像生成方法。
【請求項7】
コンピュータに、
動画像用の第1画像データ及び第2画像データの少なくとも1つと、静止画像用データと、を取得するステップであって、
前記第1画像データが取得される場合には、前記第1画像データの取得後に、前記静止画像用データを取得し、前記第2画像データが取得される場合には、前記静止画像用データの取得後に、前記第2画像データを取得するステップと、
前記静止画像用データ、前記第1画像データ、または前記第2画像データの少なくとも1つに基づいて生成される、特別画像データを取得するステップと、
前記第1画像データ、前記特別画像データ、及び前記第2画像データの順、前記第1画像データ、及び前記特別画像データの順、又は前記特別画像データ、及び前記第2画像データの順で再生される前記動画像を取得するステップと、
を実行させる、画像生成プログラム。
【請求項8】
撮影装置と、
編集動画像を生成する画像処理部と、
を備え、
前記撮影装置は、
第1画像データ及び第2画像データの少なくとも一方を含む動画像用データを取得する動画像撮影部と、
静止画像用データを取得する静止画像撮影部と、
を備え、
前記動画像撮影部は、
前記動画像用データに第1画像データが含まれる場合、前記静止画像用データの取得前に前記第1画像データを取得し、前記動画像用データに第2画像データが含まれる場合、前記静止画像用データの取得後に前記第2画像データを取得し、
前記画像処理部は、
前記静止画像用データ、前記第1画像データ、または前記第2画像データの少なくとも1つに基づいて、特別画像データを生成し、
前記第1画像データ、前記特別画像データ、及び前記第2画像データの順、前記第1画像データ、及び前記特別画像データの順、又は前記特別画像データ、及び前記第2画像データの順で再生する編集動画像を生成する
撮影システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮影装置、画像形成方法、画像形成プログラム、及び撮影システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ユーザをカメラで撮影することで得られた撮影画像を写真印刷シートとして出力したり、電子データとして、撮影画像をネットワークを介して外部の装置に送信したりすることができる遊戯用撮影装置が知られている。ところで、例えば、特許文献1に記載の近年の遊戯用撮影装置は、遊戯性を高めるため、電子データとして、静止画のみならず、動画を提供するように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-038344号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の遊戯層撮影装置で提供される動画には改良の余地があり、さらに質の高い動画の提供が要望されていた。本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、さらに質の高い動画を提供することができる撮影装置、画像形成方法、画像形成プログラム、及び撮影システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る撮影装置は、第1画像データ及び第2画像データの少なくとも一方を含む動画像用データを取得する動画像撮影部と、静止画像用データを取得する静止画像撮影部と、編集動画像を生成する画像処理部と、を備え、前記動画像撮影部は、前記動画像用データに第1画像データが含まれる場合、前記静止画像用データの取得前に前記第1画像データを取得し、前記動画像用データに第2画像データが含まれる場合、前記静止画像用データの取得後に前記第2画像データを取得し、前記画像処理部は、前記静止画像用データ、前記第1画像データ、または前記第2画像データの少なくとも1つに基づいて生成される、特別画像データを取得し、前記第1画像データ、前記特別画像データ、及び前記第2画像データの順、前記第1画像データ、及び前記特別画像データの順、又は前記特別画像データ、及び前記第2画像データの順で再生される前記編集動画像の少なくとも一部を表示させる。
【0006】
本発明に係る画像生成方法は、動画像用の第1画像データ及び第2画像データの少なくとも1つと、静止画像用データとを取得するステップであって、前記第1画像データが取得される場合には、前記第1画像データの取得後に、前記静止画像用データを取得し、前記第2画像データが取得される場合には、前記静止画像用データの取得後に、前記第2画像データを取得するステップと、前記静止画像用データ、前記第1画像データ、または前記第2画像データの少なくとも1つに基づいて生成される、特別画像データを取得するステップと、前記第1画像データ、前記特別画像データ、及び前記第2画像データの順、前記第1画像データ、及び前記特別画像データの順、又は前記特別画像データ、及び前記第2画像データの順で再生される前記動画像を生成するステップと、を備えている。
【0007】
本発明に係る画像生成プログラムは、コンピュータに、動画像用の第1画像データ及び第2画像データの少なくとも1つと、静止画像用データと、を取得するステップであって、前記第1画像データが取得される場合には、前記第1画像データの取得後に、前記静止画像用データを取得し、前記第2画像データが取得される場合には、前記静止画像用データの取得後に、前記第2画像データを取得するステップと、前記静止画像用データ、前記第1画像データ、または前記第2画像データの少なくとも1つに基づいて生成される、特別画像データを取得するステップと、前記第1画像データ、前記特別画像データ、及び前記第2画像データの順、前記第1画像データ、及び前記特別画像データの順、又は前記特別画像データ、及び前記第2画像データの順で再生される前記動画像を取得するステップと、を実行させる。
【0008】
本発明に係る撮影システムは、撮影装置と、編集動画像を生成する画像処理部と、を備え、前記撮影装置は、第1画像データ及び第2画像データの少なくとも一方を含む動画像用データを取得する動画像撮影部と、静止画像用データを取得する静止画像撮影部と、を備え、前記動画像撮影部は、前記動画像用データに第1画像データが含まれる場合、前記静止画像用データの取得前に前記第1画像データを取得し、前記動画像用データに第2画像データが含まれる場合、前記静止画像用データの取得後に前記第2画像データを取得し、前記画像処理部は、前記静止画像用データ、前記第1画像データ、または前記第2画像データの少なくとも1つに基づいて、特別画像データを生成し、前記第1画像データ、前記特別画像データ、及び前記第2画像データの順、前記第1画像データ、及び前記特別画像データの順、又は前記特別画像データ、及び前記第2画像データの順で再生する編集動画像を生成する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、さらに質の高い動画を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1A】本発明の一実施形態に係る撮影装置(カーテンなし)の外観を示す斜視図である。
図1B図1Aの撮影装置(カーテンあり)の外観を示す斜視図である。
図2図1の撮影装置の撮影ユニットの一例を例示する。
図3図1の撮影装置のハードウェア構成の一例を例示する。
図4】カメラによる動画像と静止画像の撮影のフローを示す図である。
図5図1の撮影装置のソフトウェア構成の一例を例示する。
図6】背景選択のための画面である。
図7】背景選択のための画面である。
図8】背景選択のための画面である。
図9】撮影スタイルの選択のための画面である。
図10】撮影のための画面である。
図11】撮影のための画面である。
図12】遊戯用動画像データの作成の例を示す図である。
図13】遊戯用動画像データの作成の例を示す図である。
図14】遊戯用動画像データの作成の例を示す図である。
図15】編集プレイにおける落書き編集の人数を設定する画面である。
図16】編集プレイにおける編集処理を示す画面である。
図17】シートレイアウトを選択するための画面である。
図18】プレイの手順を示すフローチャートである。
図19】遊戯用動画像の再生の例を示す図である。
図20】コラージュ動画としての遊戯用動画像の再生の例を示す図である。
図21】本発明に係る撮影システムの一例を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
<1.撮影装置の概要>
以下、本実施形態に係る撮影装置について説明する。図1Aは、本実施形態に係る撮影装置100からカーテン13を取り除いた状態を示す斜視図、図1Bは、図1Aにおいてカーテン13を取り付けた状態を示す斜視図である。
【0012】
図1A及び図1Bに示されるとおり、撮影装置100は、直方体状の筐体1を備えており、この筐体1の両側面には、内部の撮影空間10に通じる出入口11が形成されている。この出入口11の上縁にはカーテンレール12が取り付けられており、このカーテンレール12には、カーテン13が取り付けられている。これにより、ユーザが撮影を行う際には、カーテン13を閉じることで、撮影空間10を外部から見えないようにすると共に、外部から余計な光が撮影空間10に入らないようにすることができる。筐体1の内装において、後述するカメラ32が配置される面とは反対側の面(背面)等の撮影範囲には、クロマキー合成処理のための単一の色(例えば、青色、緑色等)が付される。単一の色が付される範囲は、撮影範囲の一部であってもよいし、全体であってもよい。
【0013】
筐体1の内部(撮影空間10)において、撮影時にユーザが存在すべき位置の前方には、撮影ユニット3が設けられている。撮影ユニット3は、撮影空間10内のユーザを撮影し、得られた画像の編集を受け付け、編集された画像をプリントするように構成される。撮影ユニット3の構成の詳細は後述する。なお、当該画像の編集する構成に関して、ユーザの操作に関係なく自動的に行う構成や、編集自体がない構成とすることも可能である。
【0014】
<2.撮影装置のハードウェア構成>
次に、図2及び図3を更に用いて、本実施形態に係る撮影装置100のハードウェア構成について説明する。図2は、本実施形態に係る撮影装置100の撮影ユニット3を例示する。図3は、撮影装置100のハードウェア構成の一例を模式的に例示する。
【0015】
図3に示すように、本実施形態に係る撮影装置100は、制御部5、記憶部6、通信インタフェース7、ドライブ8、タッチパネルディスプレイ31、カメラ32、照明ユニット(照明部)33、スピーカ34、プリンタ35、及び決済処理部36が電気的に接続されたコンピュータを備えており、これらは、上述した撮影ユニット3に収容されている。なお、図3では、通信インタフェースを「通信I/F」と記載している。また、タッチパネルディスプレイ31は、本発明の「表示部」の一例であり、カメラ32は、本発明の「静止画像撮影部」及び「動画像撮影部」の一例である。
【0016】
制御部5は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等を含み、情報処理に応じて各構成要素の制御を行う。記憶部6は、例えば、ハードディスクドライブ、ソリッドステートドライブ等の補助記憶装置であり、制御部5で実行されるプログラム61等の各種データを記憶する。
【0017】
プログラム61は、写真撮影の依頼の受け付け、受け付けた依頼に応じた写真撮影、撮影画像の編集、印刷を行うための処理を撮影装置100に実行させるためのプログラムであり、本発明に係る画像形成プログラムが含まれている。この他、記憶部6には、各処理過程で利用される画面データ等が記憶される。詳細は後述する。
【0018】
通信インタフェース7は、例えば、有線LAN(Local Area Network)モジュール、無線LANモジュール等であり、ネットワークを介した有線又は無線通信を行うためのインタフェースである。通信インタフェース7の種類は、撮影装置100の設置場所等に応じて適宜選択されてよい。撮影装置100は、通信インタフェース7を介して、外部サーバ等とデータ通信を行うことができる。
【0019】
ドライブ8は、例えば、CD(Compact Disk)ドライブ、DVD(Digital Versatile Disk)ドライブ等であり、記憶媒体(不図示)に記憶されたプログラムを読み込みための装置である。ドライブ8の種類は、記憶媒体の種類に応じて適宜選択されてよい。プログラム61は、記憶媒体に記憶されていてもよい。
【0020】
記憶媒体は、コンピュータその他装置、機械等が記録されたプログラム等の情報を読み取り可能なように、このプログラム等の情報を、電気的、磁気的、光学的、機械的又は化学的作用によって蓄積する媒体である。この記憶媒体の一例として、例えば、CD、DVD、フラッシュメモリ等を挙げることができる。
【0021】
タッチパネルディスプレイ31は、撮影ユニット3本体の前面パネルの中央に配置されており、タッチパネルディスプレイ31の上方には、写真撮影に利用されるカメラ32が配置されている。制御部5は、カメラ32による撮影を制御する。また、制御部5は、タッチパネルディスプレイ31の表示及びタッチパネルディスプレイ31に対する入力を制御する。タッチパネルディスプレイ31及びカメラ32の種類は、実施形態に応じて適宜選択されてよい。
【0022】
具体的には、カメラ32は、制御部5による制御にしたがって撮影を行う公知の一眼レフカメラによって構成されており、撮影によって得られた画像をRAM又は記憶部6に記憶する。本実施形態では、撮影時にユーザの位置が概ね決まっているため、撮影時のユーザとカメラ32との距離が概ね決まっている。そのため、本実施形態に係るカメラ32の焦点距離は一定である。但し、カメラ32が、ズームレンズを備えていてもよく、必要に応じて制御部5によって焦点距離を調整することができる。
【0023】
このカメラ32は、動画像と静止画像を撮影できるようになっている。すなわち、動画像を撮影する際には、レンズを通過した光が撮影素子によって動画像用データ(動画像用信号)に変換される。動画像用データは、後述するように前半部分の第1画像データと後半部分の第2画像データにより構成されている。そして、動画像用データは、制御部5のRAM及び記憶部6に記憶されるとともに、第1画像データに対して、後述する画像処理部51(図5参照)により表示用の画像処理が行われた上で、タッチパネルディスプレイ31に送信される。動画像用データは、例えば、サンプリングレートが20フレーム/秒の複数のフレーム画像により構成されており、画像処理部では、第1画像データを構成する各フレーム画像に、逐次左右反転処理を行った上で、クロマキー処理により被写体を抽出し、これを背景画像と合成する。こうしてライブ合成画像(表示用動画)が生成され、タッチパネルディスプレイ31において表示される。すなわち、タッチパネルディスプレイ31に表示されるライブ合成画像は、左右が反転した画像であり、ユーザは鏡に映った自身の姿を見るような感覚で、タッチパネルディスプレイ31に表示されたライブ合成画像を確認することができる。こうして生成されたライブ合成画像は記憶部6に記憶される。なお、記憶された動画像用データは、後述するように遊戯用動画像の生成に用いられる。したがって、本実施形態において、動画像用データは、ライブ合成画像と遊戯用動画像の生成に用いられる。
【0024】
一方、静止画像を撮影する際には、一旦シャッターが閉じた後、これが開閉する際に、レンズを通過した光が撮影素子によって静止画像用データ(静止画像用信号)に変換される。静止画像用データは、制御部5のRAM及び記憶部6に記憶されるとともに、タッチパネルディスプレイ31に送信される。この際にも、ライブ合成画像と同様に、タッチパネルディスプレイ31に表示される静止画像は、画像処理部51によって、静止画像用データに左右反転処理とクロマキー処理が施された上で、背景画像と合成され、合成静止画像として記憶される。なお、この合成静止画像に対して後述するトリミングが行われた後の画像も、説明の便宜のため、合成静止画像と称することとする。この他、静止画像用データは、上述した編集動画像、及びユーザに提供される印刷用のデータ、後述するサーバに送信されるデータとして利用される。但し、ユーザに提供される合成静止画像は、上述した左右反転処理を施していないものとすることができる。
【0025】
なお、動画像を撮影している際に、静止画像を撮影することもできるが、この場合には、カメラ32のメカニカルシャッター(不図示)が開閉するため、少なくとも開閉を含む所定期間の間は動画像用データの生成が一旦中断される。この点について、図4を参照しつつ説明する。図4に示すように、動画像の撮影開始の指令が制御部5からカメラ32に送信されると、動画像の撮影が開始され、動画像用データが生成される。そして、静止画像用のフォーカスの調整が開始され、調整が完了するとメカニカルシャッターが開閉され、静止画像用データが取得される。この間、動画像用データの生成が中断する。そして、静止画像の撮影が完了すると、動画像用データの生成が再び開始され、動画像の撮影終了の指令が制御部5からカメラ32に送信されると、動画像用データの生成が終了する。このとき、動画像の撮影は、撮影開始の指令から撮影終了の指令まで続けられ、連続した動画像用データが生成される。但し、この動画像用データは、静止画像が撮影されている間、つまりフォーカスの調整開始から、静止画像の撮影終了付近までの時間は、データが欠落している。この点について、詳しく説明する。
【0026】
動画像用データは、撮影開始指令から撮影終了指令までに生成されたフレーム画像により構成され、生成されたフレーム画像には、例えば、時系列順にファイル名(A#a, A#a+1, A#a+2, A#a+n, A#a+n+1,・・・)が付けられ記憶される。ファイル名の前半部の「A」が複数回行われる撮影のうちの何回目の撮影であるかを示しており、後半部の「a」、「a+1」・・・が何番目に生成されたフレーム画像であるかを示している。また、どの時点のデータが欠落しているかを判別するために、フォーカスの調整指令がカメラ32に入ったタイミングを基準に、その直前に生成されたフレーム画像(基準フレーム画像という)のファイル名(あるいは、フレーム画像の番号)が記憶される。そして、動画像用データのうち、撮影開始指令から基準フレーム画像までのフレーム画像が第1画像データを構成し、基準フレーム画像の次のフレーム画像から撮影終了指令までの間に生成されたフレーム画像が第2画像データを構成する。なお、メカニカルシャッターを有するカメラの種類によっては、フォーカス調整の指令にかかわらず、メカニカルシャッターが開閉している間のみ、データが欠落するような動画像用データが生成されることがある。なお、この場合は、どの時点のデータが欠落しているかを判別するために、フォーカスの調整指令のタイミングではなく、メカニカルシャッターが切られたタイミングを基準に基準フレーム画像を設定する。上記基準フレーム画像が、本発明の後部画像データに相当する。
【0027】
なお、本明細書では、説明の便宜のため、これら第1画像データ及び第2画像データに、それぞれ、背景画像が合成されたり、画像処理が施されているものも、第1画像データ及び第2画像データと称することとする。
【0028】
タッチパネルディスプレイ31には、上述した静止画像及びライブ合成画像を表示するほか、上記プログラム61に基づいて、撮影の案内を示す案内画面等が表示される。各画面では、選択操作等の操作入力が受け付けられる。制御部5は、各画面に対する操作入力(タッチ入力)を検知し、検知された操作入力に応じた処理を行う。
【0029】
照明ユニット33は、上部照明部331及び下部照明部332を備えている。図2に示すように、上部照明部331は、ユーザ側に向く円形状のカバーを有しており、その内部には、複数の直管型LEDが配置されている。カバーは、乳白色のアクリル板などの透光性を有する材料で形成されており、直管型LEDから照射された光は、カバーを介して、正面上方から、ユーザの顔付近に照射されるようになっている。一方、下部照明部332は、タッチパネルディスプレイ31の下側、写真プリントの取出口37の周囲に配置されている。下部照明部332は、矩形状のカバーと、その内部に配置された複数の直管型LEDとを備えており、カバーは、上部照明部331のカバーと同様の材料で形成されている。そして、下部照明部332は、被写体に対して正面下方から光を照射するようになっている。各照明部331、332の直管型LEDは、制御部5により制御されており、発光量を調節することで、ユーザの撮影処理の段階に応じて撮影空間10内の明るさを調節する。
【0030】
スピーカ34及びプリンタ35は、撮影ユニット3本体に内蔵されている。スピーカ34は、制御部5による制御に従って、写真撮影の案内等の音声出力を行う。また、プリンタ35は、制御部5による制御に従って、撮影された画像又は編集済みの画像をプリントし、プリントした画像を取出口37に排出する。
【0031】
決済処理部36は、タッチパネルディスプレイ31の右側に配置されている。詳細な図示は省略するが、この決済処理部36は、コイン投入口、紙幣投入口、カードリーダ、釣銭排出口を備えている。この決済処理部には、各種のセンサが設けられており、コイン、紙幣の投入を検知し、当該検知を表わす起動信号を制御部5に出力する。また、撮影のキャンセル及び撮影に要する金額分より多い金額分の現金が投入された際に、該当金額分の現金を紙幣投入口、または釣銭排出口に排出する。
【0032】
カードリーダは、ICカード、クレジットカード等のカードの情報を読取可能に構成される。このカードリーダには、各種カードの情報を読取可能な公知のリーダが用いられてよい。カードリーダは、電子マネー、クレジットカード等による料金の支払いを受け付け、当該料金の支払いを受け付けた際には、そのことを表わす起動信号を制御部5に出力する。
【0033】
(その他)
なお、撮影装置100の具体的なハードウェア構成に関して、実施形態に応じて、適宜、構成要素の省略、置換及び追加が可能である。例えば、制御部5は、複数のプロセッサを含んでもよい。また、撮影装置100は、提供されるサービス専用に設計された情報処理装置の他、汎用のPC(Personal Computer)等であってもよい。
【0034】
<3.撮影装置のソフトウェア構成>
次に、図5を用いて、本実施形態に係る撮影装置100のソフトウェア構成の一例を説明する。図5は、本実施形態に係る撮影装置100のソフトウェア構成の一例を模式的に例示する。
【0035】
撮影装置100の制御部5は、記憶部6に記憶されたプログラム61をRAMに展開する。そして、制御部5は、RAMに展開されたプログラム61をCPUにより解釈及び実行して、各構成要素を制御する。これによって、図5に示すように、本実施形態に係る撮影装置100の制御部5等は、ソフトウェアモジュールとして、背景画像の選択、撮影プレイの処理、照明の制御、及び後述する遊戯用動画像の生成を行う画像処理部51、編集プレイを提供する編集処理部52、及びシートの印刷、動画像の表示などの処理を行う出力処理部53として機能する。撮影プレイは、後述するようにユーザの撮影を行うための一連のプレイであり、編集プレイは、後述する編集用画像に落書きなどの編集を行うための一連のプレイである。
【0036】
<3-1.画像処理部>
画像処理部51は、以下の処理を行う。なお、特に断りのない限り、以下で説明する処理は、画像処理部51によって行われることとする。背景画像を選択させるため、まず、図6に示す背景画像選択画面6をタッチパネルディスプレイ31に表示する。本実施形態では、2枚のアップ画像と2枚の全身画像の撮影が行われるが、各画像用の背景画像がそれぞれ選択される。図6に示す画面の上段には、2枚のアップ画像用の背景画像スペースと、2枚の全身画像用の背景画像スペースが設けられている。以下、説明の便宜上、これらのスペースを左から右に向かって第1~第4スペース61~64と称することがある。そして、これら背景画像スペース61~64の下には「おまかせ」ボタン65が配置され、その下方に10枚の背景画像の候補が表示されたサンプルスペース66が設けられている。このサンプルスペース66には、10枚の背景画像が示されているが、右スクロールボタン661または左スクロールボタン662をタッチすると、他の10枚の背景画像の候補が表示されるようになっている。
【0037】
ユーザが、サンプルスペース66の中のいずれかの背景画像を選択すると(タッチすると)、図7に示すように、第1~第4スペース61~64に、選択した背景画像が順に表示されるようになっている。このとき、背景画像が表示された背景画像スペース61~64をタッチすると、背景画像の選択がキャンセルされ、その背景画像スペース61~64から背景画像が消去される。これにより、背景画像の再選択が可能となる。
【0038】
また、「おまかせ」ボタン65により背景画像を選択することも可能である。すべての背景画像スペース61~64に背景画像が表示されていない状態で、「おまかせ」ボタン65をタッチすると、背景画像スペース61~64のそれぞれに、サンプルスペース66からランダムに選択された背景画像が表示される。このとき、各背景画像スペース61~64に表示される背景画像は重複しないように選択される。この状態で、背景画像が表示された背景画像スペース61~64、または背景画像スペース61~64内の「X」ボタンをタッチすると、上記と同様に、背景画像の選択がキャンセルされ、その背景画像スペース61~64から背景画像が消去される。ここで、例えば、図8に示すように、第2及び第4スペース62,64の背景画像がキャンセルされた状態で、「おまかせ」ボタン65をタッチすると、2枚の背景画像がランダムに選択され、キャンセルされた第2及び第4スペース62,64にそれぞれ表示される。このとき、新たな2枚の背景画像は、第1及び第3スペース61,63において既に選択されている2枚の背景画像とは重複しないように選択される。このように、「おまかせ」ボタン65をタッチすると、背景画像が表示されていない背景画像スペース61~64の数だけ、重複しないように、新たな背景画像が選択され、その背景画像スペース61~64に表示される。なお、4枚の背景画像が全て選択されている状態で、「おまかせ」ボタン65をタッチすると、背景画像スペース61~64に表示されている4枚の背景画像が、これら4枚の背景画像を除く複数の背景画像の中からランダムに選択された別の4枚の背景画像に入れ替わるようになっている。
【0039】
そして、背景画像の選択が完了し、OKボタン67をタッチすると、次の撮影処理に移行する。すなわち、OKボタン67がタッチされるまでは、背景画像の選択を何度でも行うことができる。なお、OKボタン67をタッチする前であっても、所定時間が経過した場合には、背景画像の選択処理を強制的に終了してもよい。このとき、4枚の背景画像の選択が完了していなければ、背景画像選択部51が任意に背景画像を選択する。なお、一部の背景画像がすでに選ばれている場合は、選ばれている一部の背景画像以外を任意に選択する。
【0040】
次に、撮影プレイの処理について説明する。背景画像選択画面6において、OKボタン67からの選択が行われると、撮影に関する処理が開始される。まず、アップ画像の撮影から行われる。このとき、図9に示す、アップ画像のスタイルを選択するためのスタイル選択画面701がタッチパネルディスプレイ32に表示される。図9に示すように、このスタイル選択画面701には、3種類のアップ画像の撮影のためのスタイルが表示されている。すなわち、左側から右側に向かって、高めスタイル71、低めスタイル72、及び多人数スタイル73が表示されている。高めスタイル71は、大人などの背の高い被写体の上半身が含まれる静止画像を生成するためのスタイルであり、撮影された画像の上部付近がトリミングされ、これに基づいて、上述した合成静止画像が生成される。低めスタイル72は、子供などの背の低い被写体の上半身が含まれる静止画像を生成するためのスタイルであり、撮影された画像の中間部付近がトリミングされ、これに基づいて、上述した合成静止画像が生成される。多人数スタイル73は、例えば、3人以上の被写体が横方向に並んでいる静止画像を生成するためのスタイルであり、撮影された画像の中間部から上部付近が左右方向に長めにトリミングされ、これに基づいて、上述した合成静止画像が生成される。トリミングの縦横比は、どのスタイルとも同じである。
【0041】
ユーザがいずれかのスタイル71~73を選択し、OKボタン74をタッチすると、スタイルの選択が完了し、アップ画像の撮影に移行する。なお、OKボタン74がタッチされるまでは、スタイルの選択を何度でも行うことができる。
【0042】
これまで説明したОKボタン67やOKボタン74や、以下の説明で登場する各種の選択確定ボタンは、各画面に対してユーザが1回目の選択操作するまで非表示としたり、画面が表示されてから数秒の期間非表示としたりすることも可能である。これにより、ユーザが誤って選択確定ボタンをタッチし、ユーザの意に沿わない選択を確定させてしまう確率を低減することができる。
【0043】
図10はアップ画像の撮影準備画面である。図10に示すように、この撮影準備画面702にはアップ画像の撮影が開始される旨が表示され、その下方に、選択されたスタイルのサンプルポーズ75が表示されている。例えば、低めスタイルを選択した場合には、モデルに子供を含むファミリー(2人)用のサンプルポーズが示され、大人に対しては撮影に当たって少しかがむことが音声等により促される。また、高めスタイルを選択したときには、大人用(カップル等)のサンプルポーズが示され、多人数スタイを選択したときには、子供を含む3人以上のサンプルポーズが示される。また、サンプルポーズの下方には4つの撮影画像スペース76が表示されており、このスペース76に撮影された合成静止画像(アップ画像2枚と全身画像2枚)が配置される。
【0044】
図10の画面は所定時間表示されるが、この間にユーザにサンプルポーズ75を確認させる。そして、所定時間が経過すると、図11のアップ画像の撮影画面703に遷移し、カメラ32による動画像撮影、すなわち動画像用データの取得が開始される。図11の画面には、取得された動画像用データの前半部である第1画像データに対して画像処理が施されたライブ合成画像(表示用動画)77が生成・表示され、その両側にサンプルポーズ78が表示されている。なお、サンプルポーズ78は、図10のサンプルポーズ75と同じ画像である。また、ライブ合成画像77の下方には、上述した撮影画像スペース76が表示されている。上述したとおり、ライブ合成画像77は、カメラ32で撮影された第1画像データに対して、少なくとも下記の4つの処理が1~4の順でなされたものである。
1.図9のスタイル選択の結果に応じたトリミング処理(トリミング処理)
2.クロマキー処理による被写体抽出(被写体抽出処理)
3.選択された背景画像との合成処理(合成処理)
4.左右反転処理による鏡像化(鏡像化処理)
【0045】
なお、背景画像のデザインを左右反転させたくない場合は、4の「左右反転処理」を、3の「背景画像との合成処理」よりも前に行えばよい。これにより、ユーザは、ライブ合成画像77を見ながら、ポーズを取ったり、被写体が撮影画像に含まれるように位置の調整を行うことができる。
【0046】
そして、カウントダウンがなされた後、カメラ32が駆動されて撮影が行われ、静止画像用データが取得される。カメラ32の駆動時に、カメラ32のフォーカスが開始されると動画像用データの取得が中断され、第1画像データの取得が完了する。これにより、ライブ合成画像77のタッチディスプレイ31への表示も停止される。そして、取得された静止画像用データに対してスタイル選択の結果に応じたトリミングを行い、さらにクロマキー処理により、被写体部分を抽出した静止画像を生成する。この静止画像と、選択された背景画像とを合成して合成静止画像を生成し、記憶部6に記憶する。そして、この合成静止画像は、撮影の結果として、タッチディスプレイ31のライブ画像77が表示されていた領域に表示される。撮影結果として表示される合成静止画像は、ライブ合成画像77と同様の左右反転処理が施されたものであってもよい。
【0047】
静止画像用データが取得された後、動画像用データの取得が再開され、第2画像データの取得を開始する。そして、所定期間後の次の撮影が始まる前に、動画像撮影、すなわち動画像用データの取得が終了し、第2画像データの取得が完了する。第1画像データ及び第2画像データは、動画像用データとして記憶部6に記憶される。
【0048】
なお、静止画像を撮影するに当たっては、シャッターが切られる直前(数ミリ秒前)からシャッターが切られた直後までの間に、タッチパネルディスプレイ31は、図11の画面ではなく、全体が白の画面(演出静止画)が表示される。これにより、より明るい撮影画像を得ることができる。暗い撮影画像としたい場合は、白の画面に変えて黒の画面を表示することもできる。また、ユーザにカメラ32を向かせるために、タッチパネルディスプレイ31には、カメラ32のレンズの方向に向けた矢印等の表示を示すことができる。
【0049】
以上説明したアップ撮影が2回行われた後、アップ撮影と同様の手順で全身画像の撮影が2回行われる。そして、それぞれの撮影に対応する合成静止画像、静止画像用データ及び動画像用データが生成される。なお、アップ画像と同様に、タッチパネルディスプレイ31には、図10と同様の撮影準備画面が所定時間表示された後、図11と同様の撮影画面が表示され、全身画像の撮影が行われる。なお、このときの撮影準備画面及び撮影画面には、所定の全身画像用のサンプルポーズが示される。こうして、2回の全身画像の撮影が完了すると、出力処理に移行する。なお、全身画像の撮影に関して、これにより生成される合成静止画像は、アップ撮影の合成生成画像とは異り、被写体の下半身も含まれるようなトリミング範囲で切り出された画像となっている。
【0050】
なお、画像処理部51による照明の制御により、プレイが始まってから終了するまで、照明ユニット33から発せられる光の強度が制御されているが、静止画像が撮影される所定時間前から静止画の撮影が完了後の所定時間経過後までの間、上部照明部331及び下部照明部332の光の強度が高くされ、静止画像を適切に撮影できるようにする。各照明部331,332の光の強度を強くする時間は、適宜変更できるが、例えば、動画像用データの取得開始指令が出てから、取得終了指令が出るまでの時間にすることができる。
【0051】
次に、画像処理部51による遊戯用動画像を生成する処理について説明する。画像処理部51は、記憶部6に記憶された動画像用データ及び静止画像用データを利用して、動画像を生成する機能を有する。この動画像を上述したライブ合成動画77と区別するため、遊戯用動画像(編集動画像)と称することとし、この遊戯用動画像のためのデータを遊戯用動画像データと称する。この遊戯用動画の提供は、ユーザに対するサプライズのサービスであり、遊戯用動画像を生成していることをユーザには通知せずに、生成を行う。
【0052】
遊戯用動画像の生成は、上述した4回の撮影の少なくとも1つを利用して行う。例えば、1回目のアップ撮影を行っている際に、遊戯用動画像の生成を併せて行う。上述したように、画像処理部51は、ライブ合成画像77を説明する際に示した通り、静止画像の撮影の所定時間前に動画像用データの取得開始指令をカメラ32に対して行い、静止画像の撮影から所定時間経過後に取得終了指令をカメラ32に対して行う(図4参照)。これにより、上述したような第1画像データ及び第2画像データを含む動画像用データが生成され、記憶部6に記憶される。そして、この動画像用データを構成する各フレーム画像には、上述したスタイル選択画面701で選択されたスタイルに基づいて、画像処理部51により、トリミングが施される。このとき、動画像用データに施されるトリミングは、合成静止画像に施されたトリミングと、トリミング適合するように行われ、これによって、後述するように、動画像用データと静止画像用データとを合成するときに不自然さが生じないようにする。また、各フレーム画像には、クロマキー処理が行われて被写体のみを抽出し、これに背景画像を合成する。このとき合成される背景画像は、上述した背景画像選択部51による処理で選択された背景画像とは異なるものであり、画像処理部51が、任意に選択した背景画像である。なお、説明の便宜のため、フレーム画像にトリミング処理、クロマキー処理、及び背景画像の合成が行われた後の動画像用データ、第1画像データ、及び第2画像データも、それぞれ動画像用データ、第1画像データ、及び第2画像データと称することとする。
【0053】
次に、画像処理部51は、第1画像データと第2画像データとの間、つまり第1画像データの最後の基準フレーム画像の後に特別画像データを挿入し、第1画像データ、特別画像データ、及び第2画像データがこの順で再生される遊戯用動画像データを生成する。すなわち、特別画像データは、上述したように、画像が欠落している時間帯を補完するように生成された動画用の画像データである。特別画像データの生成方法は、種々の方法があるが、以下では例として3つの方法を示す。
【0054】
第1の方法では、図12に示すように、特別画像データとして、第1画像データと第2画像データの間で生成された被写体の静止画像用データを用いる。より詳細に説明すると、まず、上述したスタイル選択画面701で選択されたスタイルに基づいて、画像処理部51により、静止画像用データに対してトリミングが施される。そして、クロマキー処理により、トリミングされた静止画像用データから被写体を抽出し、これに動画像用データと同様に、ユーザが選択したものとは異なる背景画像が合成された合成画像データを生成する。そして、1つの合成画像データを1フレームとし、これを複数繋いで数フレームの動画像となる特別画像データを生成する。ここで生成するフレーム数は特には限定されないが、例えば、画像が欠落した時間に合わせてフレーム数を決めることもできるし、その時間よりも長くしたり短くしたりすることもできる。こうして生成された特別画像データを第1画像データと第2画像データとの間に組み込むと、遊戯用動画像データが生成され、記憶部6に記憶される。
【0055】
第2の方法としては、第2画像データの最初のフレーム画像、つまり基準フレーム画像の次のフレーム画像(前部画像データ)を用いる。より詳細には、図13に示すように、このフレーム画像を1フレームとし、これを複数繋いで数フレームの動画像となる特別画像データを生成する。フレーム数の決定は第1の方法と同様である。こうして生成された特別画像データを第1画像データと第2画像データとの間に組み込むと、遊戯用動画像データが生成される。なお、第2画像データの最初のフレーム画像の代わりに、第1画像データの最後の基準フレーム画像(後部画像データ)を用いて特別画像データを生成することもできる。但し、上述したようなフォーカスの調整指令後にデータの欠損が生じるようなカメラでは、第1画像データの生成中は、静止画像の撮影前であるため、ポーズを取るなど、被写体が動くことが多いため、撮影においてポーズが決まった直後の第2画像データを用いることが好ましい。一方、シャッターが開閉している間のデータが欠損するタイプのカメラでは、第1画像データ及び第2画像データのいずれを用いても大差はない。また、第1画像データの最後のフレーム画像(基準フレーム画像)のみ、または第2画像データの最初のフレーム画像のみだけではなく、例えば、第1画像データの最後の数フレームの画像(後部画像データに相当)、または第2画像データの最初の数フレームの画像(前部画像データに相当)を用いて特別画像データを生成することもできる。また、顔検出を用いて、第1画像データ及び第2画像データのフレーム画像のうち、被写体が、より前を向いているフレーム画像を選択することもできる。
【0056】
第3の方法としては、図14に示すように、第1画像データの最後のフレーム画像と、第2画像データの最初のフレーム画像とを用い、ニューラルネットワーク等を用いた機械学習により、特別画像データを生成することができる。例えば、上記2つのフレーム画像を入力データ、特別画像データを出力データとする教師データにより、誤差逆伝播法により学習された学習器を生成する。第1画像データと第2画像データの間には、所定時間が形成しており、第1画像データの最後のフレーム画像に写る被写体と、第2画像データの最初のフレーム画像に写る被写体とは異なる可能性がある。したがって、教師データに含まれる出力データは、2つのフレーム画像の間での被写体の動きが含まれる複数のフレーム画像とすることができる。こうして、学習器から出力された特別画像データを、第1画像データと第2画像データとの間に組み込むと、遊戯用動画像データが生成される。
【0057】
なお、特別画像データにさらに画像処理を施すこともできる。例えば、特別画像データの最初や途中に白色のフレーム画像を挿入すると、遊戯用動画像の途中でストロボが発光したような演出を施すことができる。その他、特別画像データには、種々の演出用の画像処理を施すことができるが、例えば、遊戯用動画像において特別画像データに対応する部分の最初、途中及び/又は最後の数フレームに対して色を変更したり、スライドイン、フェードイン、ターン等の演出がなされるように、特別画像データに画像処理を行うことができる。また、第1画像データや第2画像データに対しても、同様の画像処理を施すこともできる。
【0058】
こうして生成された遊戯用動画像データは、後述する出力処理において用いられる。なお、上述したライブ合成画像を用いて、遊戯用動画像データを生成することもできる。この場合、ライブ合成画像が、第1画像データに相当する。ライブ合成画像は、上述したとおり、トリミング処理、被写体抽出処理、合成処理及び鏡像化処理が施されているので、特別画像データ及び第2画像データもこれら4つの処理が施されたものを使用する。これにより、左右反転した遊戯用動画像を生成することができる。左右反転処理された遊戯用動画像は、鏡に映った自分であるので、普段から見慣れた自身の姿を動画像として提供することができる。
【0059】
<3-2.編集処理部>
次に、編集処理部52について説明する。編集処理部54は、図15に示すように、編集を行う人数を選択するための画面を、タッチパネルディスプレイ31に表示する。この画面において、ユーザは、編集を行う人数が1人または2人のいずれかを選択する。そして、編集を行う人数が2人であれば、図16の編集用の画面がタッチパネルディスプレイ31に表示され、1人であれば、図示を省略するが、編集用の画面が1つだけ示された画面が表示される。
【0060】
図16に示す画面は、画像処理部51により生成された合成静止画像に対して、編集を行う画面であり、中央に編集用の複数のスタンプが表示されたスタンプリスト804が配置されている。そして、その両側には、合成静止画像805が表示されている。これらは同じものである。ここで表示される合成静止画像は、作成された4枚の合成静止画像のうちの1つであるが、選択できるようにしてもよい。また、スタンプリストの下方には編集終了までの時間を示すカウントダウン表示が示されている。さらに、各合成静止画像805の下方には、編集用の複数の色のカラーペン806が示されている。
【0061】
合成静止画像805の編集は、例えば、次のように行われる。ユーザが、いずれかのスタンプをタッチしてスタンプの選択を行った後、合成静止画像805のいずれかの位置をタッチすると、選択されたスタンプが、タッチされた位置に表示される。そして、他のスタンプが選択されるか、あるいは後述するカラーペン806が選択されるまでは、合成静止画像805をタッチする度に、その時点で選択されているスタンプが合成静止画像805に表示される。
【0062】
また、いずれかの色のカラーペン806をタッチして選択すると、ペンの色が設定され、その状態で、合成静止画像805上で指によって線や文字を描くと、選択された色の線や文字が合成静止画像805に表示される。そして、スタンプが選択されるか、あるいは他の色のカラーペン806が選択されるまでは、合成静止画像805に指で線を描く度に、その時点で選択されている色の線が合成静止画像805に表示される。
【0063】
以上のような編集処理部54の処理により、カウントダウン表示が0になるまで、ユーザは、編集処理を行うことができる。そして、カウントダウン表示が0になると、編集処理部54は、編集処理を終了し、合成静止画像に編集が施された後の編集画像を編集画像データとして記憶部6に記憶する。次に説明する出力処理部55による出力処理が行われる。
【0064】
<3-3.出力処理部>
出力処理部55は、出力用画像が印刷されるシートのサンプルを表示する。上記のように、2人で編集を行った場合には、図17に示すように、複数のシートデザイン809が示され、ユーザがいずれかをタッチして選択できるようになっている。なお、OKボタンがタッチされるまで、また所定時間が経過するまでは、何回でもシートデザインを選択し直すことができる。各シートデザインには、生成された編集画像または合成静止画像のうちの複数が配置されており、シートのデザイン、画像のレイアウト、画像の輪郭、位置などが相違している。
【0065】
こうして、シートが決定すると、出力処理部55は、プリンタにより、シートを印刷する。シートの印刷の準備が始まってから、シートが取出口37から排出されるまでの間、出力処理部55は、遊戯用動画像をタッチディスプレイ31にて表示する。
【0066】
また、出力処理部55は、生成された静止画像用データ、編集画像データ、画像が配置されたシートの画像データ、及び遊戯用動画像データの少なくとも1つを出力することもできる。この場合、これらのデータを、ユーザの携帯端末に直接送信したり、あるいは外部サーバに送信後、当該外部サーバからユーザがインターネットを介して取得することもできる。
【0067】
なお、本実施形態では、撮影装置100の各ソフトウェアモジュールがいずれも汎用のCPUにより実現される例について説明している。しかしながら、以上のソフトウェアモジュールの一部又は全部が、1又は複数の専用のハードウェアプロセッサにより実現されてもよい。また、撮影装置100のソフトウェア構成に関して、実施形態に応じて、適宜、機能の省略、置換及び追加が行われてもよい。
【0068】
<4.撮影装置の動作例>
次に、図18を用いて、本実施形態に係る撮影装置100の動作例を説明する。図18は、プレイの手順を示すフローチャートである。
【0069】
決済処理の終了後、図6に示す画面をタッチパネルディスプレイ31に表示し、背景画像を選択させる(ステップS11)。背景画像が選択されると、図9に示す画面が表示され、撮影スタイルの選択が行われる(ステップS12)。次に、図10及び図11に示す画面が順に表示され、アップ画像及び全身画像の撮影が行われる(ステップS13)。この撮影が行われている間に、遊戯用動画像の生成も並行して行われる。
【0070】
こうして、撮影が完了すると、図15に示す画面において編集を行う人数の選択が行われた後、図16に示す編集用の画面がタッチパネルディスプレイに表示され、ユーザに編集用画像の編集を行わせる(ステップS14)。編集が終了すると、図17に示す画面がタッチパネルディスプレイに表示され、シートのレイアウトの選択が行われる(ステップS15)。こうして、シートのレイアウトが決定すると、出力処理部55はシートの印刷を開始する(ステップS16)。印刷が行われている間、タッチパネルディスプレイ31には、画像処理部51が生成した遊戯用動画像の少なくとも一部(遊戯用動画像のサムネイル、遊戯用動画像の存在をユーザに通知するための画像や文字等を含む)を、例えば、図19に示すように再生する(ステップS17)。このとき、スピーカ34による音声で、遊戯用動画像の存在をユーザに通知することもできる。そして、印刷が完了すると、取出口37からシートを排出するとともに、タッチパネルディスプレイ31に、印刷が完了した旨の記載を表示する(ステップS18)。
【0071】
<5.特徴>
以上のように、本実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)この撮影装置100では、撮影処理を行っている間に遊戯用動画像の生成を行い、シートの印刷を行っている際に、この遊戯用動画像をタッチパネルディスプレイ31で再生するようにしている。遊戯用動画像を撮影していることは、ユーザには通知していないため、このことを、ユーザにとって、サプライズのサービスとすることができる。特に、遊戯用動画像で用いられる背景画像は、合成静止画像で用いられる背景画像とは異なるものであるため、作成される動画像の背景画像もユーザが見たことがないものである。したがって、この遊戯用動画像が、サプライズ用のサービスであることをより強調することができる。但し、遊戯用動画像の背景画像を、ユーザが選択した背景画像にすることもできる。
【0072】
(2)本実施形態で用いられるカメラ32は、一眼レフカメラであるため、動画像用データの生成中に、静止画像用データを生成しようとすると、上述したように、動画像用データの欠落が生じる。すなわち、第1画像データと第2画像データの間に、所定時間の欠落が生じる。これに対して、本実施形態では、静止画像の撮影処理を行う前の第1画像データと、静止画像の撮影が完了した後の第2画像データとの間に、静止画像用データ、第1画像データ、及び第2画像データの少なくとも1つに基づいて生成される特別画像データが組み込まれ、第1画像データ、特別画像データ、及び第2画像データの順に再生される遊戯用動画像を生成する。したがって、第1画像データと第2画像データとの間の時間に入るべき動画像を、特別画像データによって補完するため、スムーズな動画像を提供することができる。
【0073】
(3)静止画像の撮影時には、ストロボではなく、LEDの照明を用いているため、ストロボの映り込みがない第1画像データ及び第2画像データを生成することができる。
【0074】
<6.変形例>
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて、種々の変更が可能である。なお、以下で示す変形例は、適宜組み合わせ可能である。
【0075】
<6.1>
上記実施形態で示したタッチパネルディスプレイ31に表示される画面は一例であり、画面のレイアウト、表示する内容は、適宜変更することができる。また、編集においては、スタンプ、カラーペンを設けているが、その他の編集ツールを適宜設けることもできる。
【0076】
<6.2>
背景画像の数、編集スタンプやカラーペンの数のほか、編集時間、撮影される写真の枚数、選択できるシートのレイアウトなど、種々の制限を設けることができる。また、編集プレイは必ずしも必要ではなく、撮影処理後に出力処理を行うこともできる。
【0077】
<6.3>
上記実施形態では、遊戯用動画像は、出力処理の際に再生、通知されているが、これに限定されず、撮影処理中、編集処理中に再生、通知することもできる。
【0078】
<6.4>
上記実施形態のように、一種類の遊戯用動画像を再生するだけではなく、1つの画面において複数の遊戯用動画像が再生されるようにしてもよい。上記実施形態では、4回の撮影があるので、4種類の遊戯用動画像が生成される。これら4種類の動画像を並べて表示・再生することができる。
【0079】
また、動画コラージュをタッチディスプレイ31に表示することができる。例えば、図20に示すように、複数の遊戯用動画像の再生用のウインドウを有する画面を生成することができる。この場合、(1)複数のウインドウの形状、(2)各ウインドウで再生される動画像を、適宜変更することができる。例えば、各ウインドウで再生される動画像は同じであるが、複数のウインドウの形状の少なくとも1つが相違するように画面を構成することができる。あるいは、各ウインドウの形状は同じであるが、少なくとも1つが異なる動画像が再生されるような画面を構成することができる。具体的には上記実施形態では、4枚の静止画を撮影したため、4種類の異なる遊戯用動画像を生成可能である。これら4種類の異なる遊戯用動画像を、所定の動画テンプレートに合成して1つの新たな遊戯用動画像を生成することもできるし、4種類のうちの1種類の遊戯用動画像を複数用いて、所定の動画テンプレートに合成して1つの新たな遊戯用動画像を生成することもできる。
【0080】
<6.5>
上記実施形態では、静止画像用データと動画像用データを1つのカメラ32で生成しているが、これらを異なるカメラで生成することもできる。すなわち、2つのカメラを設けることもできる。また、一眼レフ以外のカメラを用いることもでき、ミラーレスの一眼レフカメラ、webカメラを用いることもできる。
【0081】
なお、webカメラやミラーレスカメラを用いたり、2つのカメラを用いると、静止画像の撮影中にも動画像を撮影できるため、第1画像データと第2画像データとの間にデータの欠落が生じないようにすることができる。すなわち、第1画像データと2画像データとを特段区別しない一連の動画像用データが生成される。しかしながら、このような場合でも特別画像データを生成し、これを第1画像データと第2画像データとの間に組み込んで動画像用データを生成することができる。一般的に、静止画像用データは、動画像用データに比べて画素数が多いため、画像の質が高い。例えば、トリミングを行ったとしても、画質を維持できる。したがって、静止画像用データに対しては、動画像用データと比べ種々の画像処理を施すことができる。よって、このような質が高く、また種々の画像処理を施すことが可能な静止画像に基づく特別画像データを用いると、遊戯用動画像の質を高めることができる。
【0082】
<6.6>
上記実施形態では、LEDを内蔵する照明ユニット33を用いているが、ストロボが内蔵された照明ユニットを用いることもできる。この場合、静止画の撮影時にストロボの光が動画像に対して映り込むおそれがあるが、ストロボの光が映り込むおそれのある発光時間帯の前後に、第1画像データ及び第2画像データを生成し、この発光時間帯に対応する特別画像データを上記のように生成すれば、ストロボの光が映り込まない動画像用データを生成することができる。なお、ストロボが発光する時間帯は静止画撮影のシャッターが切られるタイミングであるので、シャッターを有するカメラを用いればこのときの動画像用データは欠損する。
【0083】
したがって、本発明においては、照明の種類によらず、強い光の映り込みを抑制できる動画像用データを生成することができる。なお、照明ユニット33における光源は、撮影用及びその他の通常の照明用に、上述したLED及びストロボのほか、白熱灯、HID、水銀灯等の少なくとも1つを用いることができる。
【0084】
<6.7>
上記実施形態に係る撮影装置100は、概ね閉じた撮影空間10を有しているが、タッチパネルディスプレイ31、カメラ32、照明ユニット33、スピーカ34、プリンタ35、及び決済処理部36が設けられた撮影ユニット3のみで撮影装置100を構成し、撮影ユニット3が外部に開放されるよう構成することができる。この場合、クロマキー処理のためのカーテンがないため、ユーザの背後には撮影装置100が配置される屋内または屋外の景色が広がる。
【0085】
そして、このような撮影装置100においても、背景画像と合成した合成静止画像、遊戯用動画像、またはライブ合成動画を生成するために、撮影画像から被写体のみを抽出する必要があるが、クロマキー処理用のカーテンがないため、例えば、撮影装置100が屋外に設置された場合には、屋内または屋外の景色のほか、被写体以外の通行人が撮影画像において被写体の背後に写り込む場合があるため、これらを除くような公知の画像処理を撮影画像に施して被写体を抽出する必要がある。この場合、被写体と通行人とは、カメラ32に対する顔の向き、顔の大きさ、カメラ32からの距離が相違するため、このような相違をもとに被写体と通行人とを区別し、被写体のみを撮影画像から抽出することができる。このとき、カメラ32からの距離は、被写界深度を算出したり、あるいは距離画像センサ、赤外線センサといったデバイスを設けることで、算出することができる。また、撮影装置100が設置されている地面に枠を描くことで、撮影ユニット3に対するユーザの立ち位置の範囲を制限することができ、このようにすると被写体と通行人とをより正確に区別することができる。さらに、撮影画像からの被写体の抽出を機械学習により行うこともできる。
【0086】
このように撮影空間10を外部に開放し、密な空間での撮影が行われないような撮影装置100であっても、被写体と背景画像とを合成した静止画像用データや動画像用データを生成することができる。
【0087】
<6.8>
上記実施形態では、指によるタッチ操作で、タッチパネルディスプレイ31に入力を行っているが、例えば、電子ペンにより入力を行うこともできる。あるいは物理的なボタン等の入力部を設けて入力を行うこともできる。
【0088】
<6.9>
上記実施形態では、撮影された画像と背景画像とを合成しているが、背景画像のほか、前景画像であってもよく、撮影された画像を装飾するような画像であればよい。また、編集プレイにおいては、合成された編集用画像を編集しているが、これに限定されず、合成を行っていない撮影された画像、またはそれをトリミング等のわずかな加工を施した画像に、編集を行ってもよい。
【0089】
<6.10>
上記実施形態では、撮影装置100によって上述した全ての処理を行っているが、これに限定されない。例えば、図21には、上記実施形態で示した撮影装置100を含む撮影システムを示しているが、撮影装置100を、インターネットなどのネットワーク400を介して、画像提供サーバ200及びユーザの携帯端末300と接続することができる。例えば、主としてカメラ32による被写体の撮影及びタッチパネルディスプレイ31への表示に係る処理(少なくとも本発明の動画像撮影部及び静止画像撮影部による処理)を撮影装置で行い、その他の処理(例えば、遊戯用動画像の生成等、上述した画像処理部51の一部)を画像提供サーバ及びユーザの携帯端末300の少なくとも一方で行うことができる。ユーザの携帯端末300を用いる場合には、例えば、専用のアプリケーションを予めインストールしておき、このアプリケーションにより、上述したその他の処理を行うことができる。以上の後世の場合、本発明に係る撮影システムの画像処理部は、画像提供サーバ200及び携帯端末300の少なくとも一方が有することになる。
【0090】
例えば、第1画像データ、第2画像データ、静止画像用データ、背景画像、及びコラージュのベースとなるデータ、つまり遊戯用動画像を生成するためのすべてのデータを撮影装置100から受信し、画像提供サーバ200や携帯端末300において、遊戯用動画像データを作成する。この場合、第1画像データ、第2画像データ、静止画像用データにクロマキー処理が施されていない場合には、さらにクロマキー情報(マスク画像)及びトリミング範囲を示す情報を受信する必要がある。そして、画像提供サーバ200や携帯端末300では、クロマキー処理、背景画像の合成、トリミング等の画像処理を合わせて行い、遊戯用動画像を生成する。
【0091】
あるいは、背景画像及びコラージュのベースとなるデータは、予め画像提供サーバ200や携帯端末300に保存しておき、第1画像データ、第2画像データ、及び静止画像用データを、撮影装置100から受信する。そして、受信したデータに基づき、サーバ200や携帯端末300において遊戯用動画像の生成を行う。
【0092】
<6.11>
遊戯用動画像を生成するに当たっては、再生時間を短縮するため、第1画像データ及び第2画像データの全てを用いず、一部を用いることもできる。この場合、第1画像データ及び第2画像データと、特別画像データと、のつなぎ目で遊戯用動画像の被写体が不自然な動きとならないようにするためには、第1画像データの前半部及び/または第2画像データの後半部を用いずに遊戯用動画を生成することが好ましい。また、第1画像データ及び第2画像データの一部をある一定間隔で間引いたものを使用することも可能である。そうすることで、フレームレートを下げた動画などを作成することができ、被写体がカクカク動く面白い動画を作成することができる。このような一部が間引かれた第1画像データ及び第2画像データも、それぞれ第1画像データ及び第2画像データと称する。
【0093】
<6.12>
以上の説明では、遊戯用動画像データの生成に、第1画像データ、特別画像データ、及び第2画像データを用いているが、これら3つのデータをすべて使用せず、例えば、第1画像データ及び特別画像データをこの順で再生するように遊戯用動画像データを生成したり、あるいは特別画像データ及び第2画像データをこの順で再生するような遊戯用動画像データを生成することもできる。したがって、この観点からすると、本発明に係る動画像用データは、第1画像データ及び第2画像データの少なくとも一方が含まれていればよい。したがって、カメラ32(本発明の動画像取得部の少なくとも一部)は、例えば、第1画像データのみ、または第2画像データのみを取得することもできる。
【0094】
<6.13>
上記の実施形態では合成静止画像、ライブ合成動画及び遊戯用動画像のトリミングの範囲をユーザに選ばせているが、自動で決定することも可能である。例えば、第1画像データの取得よりも前に動画撮影を開始し、その動画を用いて、ユーザの人数や構成(身長、年齢、性別)を分析し、その結果に応じたトリミング範囲を、各撮影ごとに設定することもできる。
【0095】
<6.14>
合成静止画像、ライブ合成動画像及び遊戯用動画像に対し、顔に関する画像処理(目の拡大、小顔等)や、肌をきれいに見せる画像処理、足を長く見せる画像処理などを追加で施すこともできる。これらの画像処理は、ユーザに選ばせるようにしてもよいし、予め決められたものを適用するようにしてもよい。
【0096】
<6.15>
動画像用データ及び/または静止画像用データ(元データ)を用いてディープフェイク動画を作成し、それを遊戯用動画像として提供することもできる。具体的には、元データを用いて、元データに含まれる各ユーザの特徴(喜怒哀楽の表情、年齢、性別、国籍等)を検出し、予め用意してある動画テンプレートのモデルの顔の表情に合致するように、当該モデルの顔に変えてユーザの顔を合成することで、ディープフェイク動画を生成する。ユーザが複数いる場合は、ユーザの年齢や性別国籍等に応じて、各ユーザの顔を動画テンプレートのどのモデルに合成するかを決定する。遊園地などの施設の場合は、キャラクターとキャスト(パフォーマー等)のパレードの動画を動画テンプレートとして用意しておき、キャストの顔をユーザの顔と入れ替えた遊戯用動画像を作成することもできる。なお、ディープフェイク動画の精度を向上させるため、それ専用の撮影を行ってもよい。
【符号の説明】
【0097】
31…タッチパネルディスプレイ(表示部)
32…カメラ(静止画像撮影部、動画像撮影部)
51…画像処理部
図1A
図1B
図2
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図21