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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022061960
(43)【公開日】2022-04-19
(54)【発明の名称】水素電池
(51)【国際特許分類】
   F24V 30/00 20180101AFI20220412BHJP
【FI】
F24V30/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021163192
(22)【出願日】2021-10-04
(31)【優先権主張番号】102020000023602
(32)【優先日】2020-10-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(71)【出願人】
【識別番号】521468958
【氏名又は名称】イー.エイチワイ. エナジー ハイドロゲン ソリューション エス.ピー.エー.
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】ベルテッリ マルコ
(57)【要約】      (修正有)
【課題】比較的単純な構造で組み立てコストおよび保守コストの低い高効率な水素電池を提供する。
【解決手段】複数の貫通穴を備える第1のプレート(3)と、同じプレート(3、4)の間のチャンバを定めるように第1のプレート(3)に接近する第2のプレート(4)と、第1のプレート(3)のヒータと、穴を通って水素をチャンバに注入するよう構成された注入システム(7)と、チャンバ内の水素がプレート(3、4)の間の電気アークを定めるようプレート(3、4)の間に電位差を定める発電機(6)とを備える水素燃焼装置(1)が提供される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水素の燃焼装置であって、
-少なくとも1つのコンデンサであって、
○第1の面を定める第1のプレートであって、前記第1の面は、前記第1の面を通過し前記第1の面を横断する複数の穴を含む、第1のプレートと、
○第2の面を定める第2のプレートであって、前記第2の面は、前記第1の面に平行かつ対向し、前記第1の面と接触せず、前記第1の面と前記第2の面との間にチャンバを定める、第2のプレートと
を含む、少なくとも1つのコンデンサと、
-少なくとも前記第1のプレートのヒータであって、前記少なくとも第1のプレートの予熱温度を定める、ヒータと、
-注入システムであって、前記注入システムは前記複数の穴の少なくとも一部を通って供給ガスを導入するよう構成され、前記供給ガスは次に前記第2の面に向かって前記チャンバ内に入り、前記供給ガスは、水素および支燃性物質を含み、前記注入システムによって前記チャンバ内に導入される場合に少なくとも前記水素が前記第1のプレートによって加熱されている前記複数の穴の少なくとも一部を通過する、注入システムと、
-前記第1のプレートと前記第2のプレートとの間の電位差を定める少なくとも1つの発電機であって、前記電位差は、前記第1のプレートと前記第2のプレートとの間で、前記チャンバ内で水素と呼ばれるイオン化電気アークを定めるよう構成されている、発電機と
を備える燃焼装置。
【請求項2】
前記第1のプレートと前記第2のプレートとの間の前記電位差が実質的に少なくとも4000Vと等しい
請求項1に記載の燃焼装置。
【請求項3】
前記発電機は、実質的に0.05Aと0.01Aとの間の電流量の供給電流で前記電位差を定めるよう構成される
請求項1又は2に記載の燃焼装置。
【請求項4】
前記第1の面と前記第2の面との間の距離、従って前記チャンバの高さが、実質的に0.05cmと0.2cmとの間である
請求項1から3のいずれか一項に記載の燃焼装置。
【請求項5】
前記ヒータは、前記少なくとも第1のプレートに対して、実質的に100℃と250℃との間の予熱温度を定めるよう構成される
請求項1から4のいずれか一項に記載の燃焼装置。
【請求項6】
前記第1の面がノッチされ、前記第2の面が前記第1の面に対して負にノッチされている
請求項1から5のいずれか一項に記載の燃焼装置。
【請求項7】
前記第1のプレート及び前記第2のプレートはタングステンで製造される
請求項1から6のいずれか一項に記載の燃焼装置。
【請求項8】
前記第1のプレート及び前記第2のプレートに対して液体を投入するよう構成されたアダクション部材を備える
請求項1から7のいずれか一項に記載の燃焼装置。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか一項に記載の前記燃焼装置を少なくとも1つ備える水素電池。
【請求項10】
請求項1から8のいずれか一項に記載の燃焼装置を少なくとも1つ備え、水素を含む供給ガスを利用する方法であって、
-少なくとも前記第1のプレートが加熱される予熱段階と、
-前記第1のプレートと前記第2のプレートとの間に電気アークを定める前記コンデンサの前記第1のプレートと前記第2のプレートとの間に電位差が提供されるロード段階と、
-熱生成段階であって、前記供給ガスが前記複数の穴の少なくとも一部を通って前記チャンバに導入され、前記供給ガスの前記水素が加熱される前記第1のプレートを通過し、従って前記水素が前記電気アークによってイオン化される前記チャンバに入る、熱生成段階と
を備える方法。
【請求項11】
気化段階であって、前記第1のプレート及び前記第2のプレートに対して液体が投入され、前記第1のプレート及び前記第2のプレートは、前記電気アークによって加熱され、前記液体を気化する、気化段階を備える
請求項10に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃焼装置に関連し、詳細には、独立請求項のプリアンブル内に特定されたタイプの水素電池に関する。
【0002】
特に、発明は、燃料電池または燃料電池としても知られている水素燃料電池に関する。これは、水素を利用して、例えば加熱するおよび電気を得るために使用できる熱を生成することを可能にする。
【背景技術】
【0003】
認識されているように、水素電池は、熱サイクルを使用せずに水素の化学エネルギを電気および熱に変換する。
【0004】
このような電池は、水素が容易にイオン化できるガスであるという事実と、水素と反応して熱と水のような無害な生成物を生み出すことができる酸素支燃性物質としての使用に基づく。
【0005】
知られている電池は、空気中に存在する酸素で飽和され、酸素が還元されるアノードと、水素が酸化されるカソードを有し、これらの反応は、水を加熱するための熱エネルギを得ることを可能にする。
【0006】
電極は、水酸化カリウム(KOH)の濃縮溶液である電解質内に浸され、電極反応の速度を高めるために触媒でコーティングされている。
【0007】
知られている電池のいくつかの例は、
電解質として水酸化カリウムを使用するアルカリ電池、
電解質として高導電性高分子膜を使用する高分子電解質燃料電池(PEFC)、
使用される電解質が電池の動作温度で溶融されたアルカリ性炭酸塩の溶液である溶融炭酸塩電池(MCFC、溶融炭酸塩形燃料電池)、
メタノール電池である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
記載された知られている技術は、いくつかの重要な欠点を含む。
【0009】
特に、知られている電池は特に複雑であり、エネルギの生成におけるそれらの実用的な用途を非常に高価なものにする。
【0010】
この側面は、水素分子の単位体積あたりのエネルギ密度が他の多くの可燃物のエネルギ密度より低く、これまではその使用をエネルギ生成にはあまり便利でないものにしていたという事実によって強調されている。
【0011】
重要な欠点は、それらの電池には高い購入及び保守コストがあり、それらの使用をさらにより制限されたものにするという事実にある。この側面は、それらの構造上の複雑さと高い廃棄コストによって強調されている。
【0012】
副次的でない欠点は、それらの電池が化学反応の生成物の最適利用を可能にせず、従って高いエネルギ消費を有し、従って比較的低い効率を有することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
この状況において、本発明の基となる技術的課題は、前述の欠点の少なくとも一部を実質的に不要にすることができる水素電池を発明することである。
【0014】
上記技術的課題の範囲内で、発明の重要な目的は、比較的単純な構造の、従って低い組み立ておよび保守コストの水素電池を得ることである。
【0015】
発明の別の重要な目的は、化学反応の生成物の最適利用を有することができ、従って高効率にできる水素電池を提供することである。
【0016】
技術的課題および特定の目的は、添付の請求項1内に請求されている水素電池によって実現される。好ましい実施形態の例は、従属請求項内に記載されている。
【0017】
発明の特性および利点は、添付の図を参照して、発明の好ましい実施形態の詳細な説明によって下に明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】発明に係る燃焼装置を含む水素電池をスケールして示す。
図2】水素燃焼装置の組立体をスケールして示す。
図3図2の組立体の第2の図をスケールして示す。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本明細書では、測定、値、形状および幾何学的言及(例えば垂直性および平行性など)は、「約」のような単語または例えば「ほぼ」もしくは「実質的に」などの他の同様の用語に関連付けられている場合、測定誤差、または生産および/または製造誤差に起因する不正確さの例外とみなされ、とりわけ、関連付けられている値、測定、形状、または幾何学的言及からのわずかな相違の例外とみなされる。例えば、これらの用語は、値に関連付けられている場合、好ましくは、値の10%を超えない誤差を示している。
【0020】
さらに、例えば「第1」、「第2」、「高い」、「低い」、「主」および「副」などの用語は、使用される場合に、順序、関係の優先順位または相対的位置を必ずしも特定するのではなく、単に、それらの異なる構成要素の間を明確に区別するために使用され得る。
【0021】
この文章内で記されている測定値およびデータは、別段の表示がない限り、国際標準大気ICAO(ISO 2533)において行われているものとみなされる。
【0022】
別段の表示がない限り、以下の説明の結果として、例えば「処理」、「算出」、「決定」、「計算」または同種の用語などは、例えばコンピュータシステムのレジスタおよび/または内部のメモリの電子量などの物理的に表されるデータ、コンピュータシステム、レジスタまたは他のストレージ、送信もしくは情報表示装置内の物理量として同様に表される他のデータを操作および/または変換するコンピュータまたは同様の電子計算装置の動作および/または手順を指す。
【0023】
図1~3を参照すると、発明に係る水素燃焼装置は、全体的に数字1で示されている。
【0024】
それは少なくとも水素を含む供給ガスによって供給されるよう構成される。特に、それは熱エネルギ、好ましくは熱の生成のために可燃物として供給ガスを使用することができるバーナーを特定する。
【0025】
供給ガスは、可燃性ガス(好ましくは水素)などおよび酸化性ガス(好ましくは酸素)を含むガス混合物として特定可能である。それは水素と酸素の混合物であり得、好適には合成ガス(または統合ガス)であり得る。
【0026】
供給ガス内の水素含有量は、実質的に少なくとも50%と等しく詳細には70%までであり得る。それは70%と90%の間、詳細には80%と90%の間で実質的に含まれ得、正確には実質的に85%と等しい。
【0027】
供給ガス内の酸素含有量は、実質的に50%未満であり詳細には30%であり得る。それは実質的に5%と30%の間、詳細には10%と20%の間であり得、正確には実質的に15%と等しい。
【0028】
上記%は体積比で決定される。
【0029】
燃焼装置1は、電池の構成要素の少なくとも一部のための収容容積を定める箱状体2を備えることができる。
【0030】
箱状体2は、長手軸を定め得る。
【0031】
箱状体2は、少なくともベースと、上記少なくとも1つのベースによって閉鎖された中空体21とを備える。詳細には、それは第1のベース22、第2のベース23を備え、中空体21は、上記ベース22および23によって閉鎖されている。
【0032】
中空体21は、主に上記長手軸に沿って伸張し得る。
【0033】
中空体21は円筒形であり得る。
【0034】
燃焼装置1は、少なくとも一対のプレート、好ましくはプレートの単一のコピーを備え得る。
【0035】
各対のプレートは、第1の面31を定める第1のプレート3と、上記面31と41との間にチャンバ1aを定めるように第1の面31に平行および対向し/向いており第1の面31と接触しない第2の面41を定める第2のプレート4とを備える。
【0036】
プレート3および4は、収容容積内に配置され得、任意選択でベース(例えば第1のベース21)と一体化し得る。
【0037】
面31および41は、それらが、内部で水素のイオン化が起こり、その結果として上記水素の燃焼、従って一緒に熱の生成が起こるチャンバ1aを定めるという点で、活性であると定められ得る。面31および41は、チャンバ1aの2つの対向する面/ベースを定める。
【0038】
面31および41は、長手軸に実質的に平行であり得る。
【0039】
面31と41との間の距離、従ってチャンバ1aの高さは、実質的に5cm未満、詳細には1cmで、より詳細には0.5cm、なおより詳細には0.3cm、正確には実質的に0.05cmと0.2cmとの間であり得る。好ましくは、それはほぼ0.1cmと等しい。
【0040】
面31と41との間の上記距離は、事実上一定であり得る。
【0041】
場合によっては、面31と41との間の距離を一定に保つように、第1の面31を窪ませることができ、第2の面41を第1の面31に対して負に窪ませることができる(図3)。
【0042】
第1のプレート3は、少なくとも1つの貫通穴32を、詳細には、互いに実質的に平行な好適に好ましい延伸軸を有する複数の貫通穴32を、備えることができる。
【0043】
各穴32は、少なくとも水素および好ましくは供給ガス(もっと正確にいえば水素および好ましくは酸素として特定される支燃性物質)が第1のプレート3を通過し、それから第2のプレート4に対して入射する/向けられる流れでチャンバ1aに入ることを可能にするよう構成される。各穴32は、第1の面31に対して実質的に横切る、詳細には実質的に垂直な、好ましい延伸軸を有し得る。
【0044】
各穴32は、少なくとも実質的に0.05cmと等しい、詳細には0.1cm、正確には実質的に0.1cmと0.3cmとの間の直径を有し得る。好ましくは上記直径は実質的に0.15cmと等しい。
【0045】
穴32は一定の断面を有し得る。代替的に、それらは、例えば第1の面31で最大断面または第1の面31で最小断面となる状態で先細にし得る。
【0046】
第1のプレート3は、導電材料で製造され得、詳細には例えば鉄材料で構成されるなど金属製であり得る。それはタングステンであり得る。
【0047】
第2のプレート4は穴なしであり得る。
【0048】
第2のプレート4は、導電材料で製造され得、詳細には例えば鉄材料で構成されるなどのような金属製であり得る。それはタングステンであり得る。
【0049】
燃焼装置1は、少なくとも第1のプレート3の、任意選択でプレート3および4の両方の、ヒータ5を備え得る。
【0050】
ヒータ5は、第1のプレート3を加熱するよう構成された少なくとも1つの抵抗器51、従って好適には第2のプレート4を加熱するよう構成された追加の抵抗器52を備え得る。
【0051】
抵抗器51は、第1のプレート3に統合し得る。
【0052】
追加の抵抗器52は、第2のプレート4に統合し得る。
【0053】
ヒータ5は、少なくとも第1のプレート3について、実質的に少なくとも70℃と等しく、詳細には100℃に、予熱温度を定めるよう構成される。好ましくは、上記温度は、実質的に100℃と250℃との間であり、より精密には100℃と150℃との間である。
【0054】
抵抗器51および52は、収容容積内にあり得、好適には箱状体2の外部の電力供給システムに接続され得る。
【0055】
燃焼装置1は、プレート3と4との間に電位差を作動させるよう構成された少なくとも1つの発電機6を備え得る。
【0056】
それは、上記プレート3と4との間の上記電位差を定める。
【0057】
プレート3および4は従って、上記発電機6によって供給されるコンデンサのプレートを構成し得る。
【0058】
プレート3および4は従って、チャンバ1a内のガスが誘電体を特定するコンデンサのプレート/電極を特定する。電荷は従って、第1の面31上および第2の面41上に蓄積される。従って、プレート3および4の外側には、ゼロと等しい電場があり得、他方、面31と41との間、従ってチャンバ1a内では電場は最大である。
【0059】
上記電位差は、チャンバ1a内で、より正確にはプレート3と4との間で、電気アークを定める(詳細には実現する)よう構成される。このアークは、好適には第1のプレート3、次にヒータ5からヒータを横切ることによってそこに達したチャンバ1内の水素をイオン化する。こうしてイオン化された水素は、後段でより適切に説明するように、プレート3および/または4並びに好適には供給ガスをヒータ5の寄与を低減して加熱する熱を発生させる、発熱燃焼プロセスを(詳細には供給ガス内に存在する酸素を使用した酸化プロセスを)支燃性物質に引き起こす。
【0060】
プレート3と4との間の電位差は、実質的に少なくとも4000V、詳細には5000Vと等しくてよい。場合によっては、プレート3と4との間の電位差は、数万ボルトの値をとり得る。
【0061】
好ましくは、発電機6は、低い電流量で上記電位差を定めるよう構成される。簡便には、それは、実質的に1A未満、詳細には0.1A、詳細には0.05Aと0.01Aとの間に実質的に含まれる、好ましくは連続的な供給電流で電位差を定めるよう構成される。上記供給電流は、実質的に0.03Aと等しい電流量を有し得る。
【0062】
発電機6は、いわゆる供給電流で上記電位差を好適に定めるように、第1のプレート3および第2のプレート4にそれぞれ関連付けられる少なくとも第1の電極61および第2の電極62を備え得る。
【0063】
電極61および62は、プレート3および4に統合され得、箱状体2の外部の電源システムによって好適に電力供給され得る。第1の電極61は第1のプレート3と一体であり得、従って第1のプレート3が上記第1の電極を特定し、および/または、第2の電極61は第2のプレート4と一体であり得、従って第2のプレート4が上記第2の電極を特定する。
【0064】
第1の電極61、簡便には第1のプレート3は、カソードを特定し得、第2の電極61、簡便には第2のプレート4は、アノードを特定し得る。代替的に、第1の電極61、簡便には第1のプレート3は、アノードを特定し得、第2の電極61、簡便には第2のプレート4は、カソードを特定し得る。
【0065】
燃焼装置1は、水素、詳細には供給ガスが第1のプレート3を通過し、プレート3と4との間の電位差を利用してプレート3と4との間で水素を好適にイオン化する少なくとも1つの電気アークを定めるチャンバ1aに達するように、穴32の少なくとも一部、詳細には全てを通って供給ガスをチャンバ1aに導入するよう構成された注入システム7を備え得る。
【0066】
第1のプレート3を通過するチャンバ1a内の供給ガスが詳細には少なくとも上記予熱温度まで加熱されることが理解され得る。
【0067】
詳細には、プレート3と4との間の誘電体内、もっと正確にいえば供給ガス内で電気アークが生成されて上記水素をイオン化するように、チャンバ1a内には条件(もっと正確にいえばヒータ5に起因する、供給ガス、特に少なくとも水素の温度、発電機6に起因する(ガスの密度および/または濃度に対する)電場の必要な強度)がある。
【0068】
注入システム7は、第1の面の反対側において穴32と流体通路接続されて配置されている。
【0069】
注入システム7は、好ましくは実質的に少なくとも1barと等しい作動圧力で、詳細には1.5barで、供給ガスを導入するよう構成される。好ましくは、作動圧力は、実質的に2barと5barとの間であり、詳細には2barと3barとの間であり、好ましくは実質的に2.5barと等しい。
【0070】
注入システム7は、供給ガスを中断することなく注入するよう構成されている。
【0071】
注入システム7は、各穴32について、供給ガス(従って水素および好適には酸素)を穴32に注入するための少なくとも1つのインジェクタ71、好適には上記少なくとも1つのインジェクタ71と流体通路接続されたガスフィーダ72、および、より好適には供給ガス注入の調整および制御のために構成されたブロックを備え得る。
【0072】
インジェクタ71は、第1の面31とは反対側において穴32に拘束されている。
【0073】
電源72は、収容容積の外部にあり得る。
【0074】
フィーダ72は、上記作動圧力で供給ガスを注入するよう構成された圧縮部材を備え得る。
【0075】
フィーダ72は、供給ガス貯蔵シリンダーおよび/または水素生成システム、詳細には供給ガスを備え得る。
【0076】
燃焼装置1は、収容容積に、詳細には上記プレート2および3に対して液体を導入するよう構成されたアダクション部材8を備え得る。
【0077】
アダクション部材8は、収容容積内の高温に起因して気化する液体を導入するよう構成される。
【0078】
液体は好ましくは脱塩水であり得る。
【0079】
アダクション部材8は、好ましくは実質的に少なくとも1barと等しい、詳細には実質的に1barと120barとの間の、より精密には60barと90barとの間の入口圧力で液体を注入するよう構成される。好ましくは、入口圧力は実質的に80barと等しい。
【0080】
アダクション部材8は、液体を上記容積に導入するよう構成された少なくとも1つのノズル81、好適には上記入口圧力での好適な液体の供給ユニット82、および、より簡便には、液体の導入を調整および制御するための少なくとも1つの弁を備え得る。
【0081】
ノズル81は、箱状体2に統合され得る。
【0082】
それは、プレート2および3、詳細にはチャンバ1aに対して液体を好適に誘導することにより、液体を収容容積に導入できる。
【0083】
燃焼装置1は、少なくとも前述の気化された液体を逃がすことが可能なように適合された少なくとも1つのコネクタ9を備え得る。
【0084】
燃焼装置1は、電池自体の操作のための制御盤を備え得る。
【0085】
燃焼装置1は、加熱および/またはエネルギ生成のために装置1によって生成された気化された液体を使用するよう構成された水素電池10の一部であり得る。電池10はそれが装置1によって生成されたエネルギを利用するための装置であり得る。それは上記水素のための少なくとも1つの燃焼装置1を備え得る。
【0086】
水素電池10は、好ましくは知られているタイプのガス分離ユニットを備え得る。
【0087】
水素電池10は、上記電池1と流体通路接続され、上記気化された液体を利用することによって電気エネルギを生成するよう構成された発電機11を備え得る。
【0088】
発電機11は、コネクタ9を通じて電池1と流体通路接続されて利用可能である。
【0089】
水素電池10は、燃焼装置1および/または発電機11と流体通路接続される(例えば建物の)加熱システムを配置するよう構成された接続部12を備え得て、そこから気化された液体を受け取ってそれを上記加熱システムに導入するようにする。
【0090】
接続部12は、コネクタ9を通じて電池1と流体通路接続されて利用可能である。
【0091】
水素電池10は、燃焼装置1から、詳細には箱状体2からの蒸気の放出を制御するためのポンプ13を備え得る。
【0092】
構造的用語での前述した装置1、従って電池10の動作は以下であり、少なくとも水素を含む供給ガスを利用するための新しい方法を導入する。
【0093】
方法は、燃焼装置1によって、詳細には水素電池10によって実行されるよう構成される。
【0094】
利用方法は、少なくとも第1のプレート3、詳細にはプレート3および4の両方を上記予熱温度にする予熱段階を備えることができる。
【0095】
この段階では、ヒータ5は、抵抗器51および52を使用して、プレート3および4を予熱温度に加熱する。
【0096】
利用方法は、プレート3と4との間において、同じプレート3と4との間の電気アークを定める電位差が得られるロードステップを備え得る。
【0097】
電位差の値は上に示されている。
【0098】
ロード段階では、発電機6は、電極61および62を通って流れる供給電流を利用して、コンデンサのプレートを好適に特定するプレート3および4の両方に充電する。
【0099】
供給電流の値は上に示されている。
【0100】
プレート3と4との間の上記電位差が常に得られるように、ロード段階が利用方法全体にわたって継続的に実行されることは明らかである。
【0101】
プレート3と4との間に上記電位差があり、上記アークを有するための条件を実現し、詳細には少なくとも第1のプレート3が予熱温度にあると、利用方法は、水素が第1のプレート3を通過して加熱され、それから上記電気アークによってイオン化されるチャンバ1aに入るように、供給ガスが穴32の少なくとも一部を通ってチャンバ1aに導入される熱生成段階を備え得る。
【0102】
こうしてイオン化された水素は、支燃性物質とともに発熱燃焼プロセスを引き起こす。詳細には、イオン化された水素は酸素と反応して発熱酸化段階を引き起こす。発熱段階は、プレート3および/または4、好適には供給ガスを加熱する熱の生成につながり、ヒータ5の寄与を低減する。
【0103】
好ましくは、供給ガスは、全ての穴32の細部を通じて、チャンバ1aに導入される。
【0104】
簡便に、支燃性物質もまた穴32を通ってチャンバ1aに導入され、従ってヒータ5によって加熱される。
【0105】
生成段階では、第1のプレート3を通過するチャンバ1a内の供給ガスは、少なくとも予熱温度まで加熱され得る。
【0106】
生成段階では、供給ガス、詳細には水素がチャンバ1aに達し、チャンバ1aの少なくとも一部を満たした場合、プレート3と4との間の誘電体を特定する。その結果、プレート3と4との間の絶縁耐力が低下する。
【0107】
この時点で、プレート3と4との間の電圧(もっと正確にいえばプレート3と4との間の電位差)が(詳細には供給ガスの)水素の絶縁耐力限界を超える。その結果、プレート3と4との間で、プレート3と4との間に放電が発生し、従って、少なくとも、チャンバ1a内に存在する水素の少なくとも一部をイオン化する電気アークが発生する。
【0108】
生成段階では、プレート3と4との間でいくつかの電気アークが同時におよび/または連続して生じ得ることに留意されたい。
【0109】
少なくとも1つの電気アークの発生は、支燃性物質との燃焼の発熱段階、特に酸素との酸化の発熱段階を引き起こし得るイオン化水素の生成につながる。この発熱段階はこうして、少なくとも上記プレート3および4での加熱熱の生成につながる。
【0110】
この熱生成がプレート3及び4を予熱温度を超えて詳細には規定温度まで加熱することが理解され得る。その結果、供給ガスはさらに加熱され、生成段階での水素のイオン化をさらに促進する。
【0111】
供給ガスの温度上昇が、プレート3と4との間の(もっと正確にいえば上記ガスの)誘電体の特性の好ましい変化につながり得て、従って、プレート3と4との間での電気アークのより多くの生成につながり得て、更には水素のより適切なイオン化につながり得る方法が強調される。
【0112】
定常状態の温度は、実質的に少なくとも100℃と、詳細には250℃と、より詳細には1000℃と等しくてよい。
【0113】
利用方法は、液体が箱状体に、詳細にはプレート3および4に対して導入される気化段階を備え得る。
【0114】
この液体は、少なくとも1つの電気アークにより発生する熱に起因して、気化される。
【0115】
生成及び気化段階は連続的に実行され得る。
【0116】
生成及び気化段階は並行に行われ得る。
【0117】
利用方法は、気化段階で生成された蒸気を使用する段階を備え得る。
【0118】
使用段階では、好適にはポンプ13によって制御された蒸気が箱状体から取り出され、電気エネルギを生成するために発電機11におよび/または接続部12に導かれ、それから加熱システムに導かれる。
【0119】
発明に係る燃焼装置1、従って水素電池10は、重要な利点を実現する。
【0120】
実際、装置1、従って水素電池10は、サイズが小さく、とりわけ、極端な構造的単純さ、従って特に低い製造および保守コストを特徴とする。
【0121】
別の利点は、装置1および水素電池10の高い信頼性によって表される。
【0122】
重要な利点は、燃焼装置1が、第1のプレート3内の供給ガスの通過に起因し、特にチャンバ1aの物理的および電力の特定の条件によって、低減された水素の量で熱(従って電気および/または熱エネルギ)の高生成を保証することができるという事実によって表される。
【0123】
従って、基本的な利点は、燃焼装置1および水素電池10が、いかなるタイプの汚染物質も放出することなく、再生可能な供給源から電気を生成することを可能にすることである。従って、それらは、システムの小さいサイズが使用される技術のコストを低く抑え、形成された蒸気の再生利用が、加熱システムの即時再生利用と衛生水の生成によって最大化される家庭システム内での特権的な用途を見出す。
【0124】
チャンバ1aは、見出される特定の条件(例えば温度および/または、水素および/または支燃性物質の濃度など)に起因し、ほぼ自発的に、もっと正確にいえば触媒および/またはパイロットライトを使用せずに生じ得る水素燃焼段階に有利であることもまた強調される。
【0125】
発明は、特許請求の範囲によって定められる発明の概念の範囲内にあたる変形が可能である。
【0126】
例えば、第2のプレート4は、少なくとも1つの追加の貫通穴、詳細には互いに実質的に平行な好ましい延伸の軸を好適には有する複数の追加の貫通穴を備え得る。
【0127】
各追加の穴は、実質的に横切る、詳細には第2の面41に実質的に垂直である好ましい延伸軸を有し得る。
【0128】
各追加の穴は、実質的に少なくとも0.05cmと、詳細には0.1cmと等しく、正確には0.1cmと0.3cmとの間に実質的に含まれる直径を有し得る。好ましくは、上記直径は実質的に0.15cmと等しい。
【0129】
少なくとも1つの追加の穴が提供された第2のプレート4の場合、注入システム7は、上記少なくとも1つの穴32に加えて、少なくともいくつか、より精密には上記少なくとも1つの追加の穴の全体を通って、供給ガスをチャンバ1aに導入し得る。
【0130】
従って、注入システム7は、追加の穴ごとに、供給ガスを追加の穴に注入するための追加のインジェクタを備え得、好適にはフィーダ72が上記少なくとも1つの追加のインジェクタと流体通路接続される。
【0131】
追加のインジェクタは、第2の面41の反対側にある追加の穴に拘束されている。
【0132】
フィーダ72は、収容容積の外部にあり得る。
【0133】
これに関連して、詳細の全ては、均等な要素に置き換えられ得、材料、形状、および寸法は任意であり得る。
図1
図2
図3
【外国語明細書】