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  • 特開-PETの加工システム及び方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022062162
(43)【公開日】2022-04-19
(54)【発明の名称】PETの加工システム及び方法
(51)【国際特許分類】
   B29C 45/76 20060101AFI20220412BHJP
   B29C 45/47 20060101ALI20220412BHJP
【FI】
B29C45/76
B29C45/47
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022014749
(22)【出願日】2022-02-02
(62)【分割の表示】P 2020550932の分割
【原出願日】2018-02-07
(31)【優先権主張番号】LT2017540
(32)【優先日】2017-12-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】LT
(71)【出願人】
【識別番号】520197491
【氏名又は名称】クレイグ,ダグラス
(71)【出願人】
【識別番号】520197505
【氏名又は名称】マキューン,デーブ
(74)【代理人】
【識別番号】110000394
【氏名又は名称】特許業務法人岡田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】クレイグ,ダグラス
(72)【発明者】
【氏名】マキューン,デーブ
(57)【要約】      (修正有)
【課題】バージンPET原料における品質のばらつきに対処する、PETの加工システム及び方法を提供する。
【解決手段】本発明は、リアルタイムの加工管理と、機械学習ステップと、リアクティブ添加とを採用することにより、PETの原材料加工プロセスを調整し、上記課題に対処する。リアクティブ添加では、材料機能を修正する工程において、液体添加物をキャリヤとして用いて、鎖延長剤を含浸するための均質化組成物と相溶化剤とを熱可塑性樹脂に添加する。PETブレンドの性質は、一旦、乾式混合と溶融が完了してしまえば、もはや固定されなくなる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
PET原材料またはリサイクルされたPET材料を加工するシステムであって、溶融された熱可塑性樹脂用の可塑化シリンダーを備える従来型のプラスチック加工機と、添加物の管理システムとを備え、そのシステムはリアクティブかつ適応的であり、プログラム可能な論理制御装置(PLC)と、複数のセンサーのシステムとを備える動的PIDシステムを備えることを特徴とし、複数のセンサーのシステムが、プラスチック加工機の材料ホッパー、スクリューおよび分配スロートにセンサーを備えるシステム。
【請求項2】
請求項1に記載のシステムであって、添加物の管理システムは、液体プラスチック添加物のオンライン管理のシステムであり、カルーセルから様々な組成の液体添加物を混合する手段と、それらをメーター方式で、ポリマー溶融加工装置のバレルに運搬する手段と、液体添加物を高温で加圧することのできる液体ポンプと、液体添加物を溶融加工装置に導入する前に混合する手段と、溶融加工装置からの圧力および温度の信号を、液体添加物の添加速度に変換する手段とを備えることを特徴とするシステム。
【請求項3】
PET原材料またはリサイクルされたPET材料を加工する方法であって、溶融熱可塑性樹脂用の可塑化シリンダーを備える従来型のプラスチック加工機において、プラスチックを乾燥および加工するステップと、添加物の管理とを備え、液状PET鎖延長剤の混合物を使用して、PETの分岐および鎖長が、液状PET内で制御されることを特徴とする方法。
【請求項4】
請求項3に記載の方法であって、液体プラスチック添加物が、プラスチック加工機の材料ホッパー、スクリューおよび分配スロートのセンサーと、周囲条件センサーとのリアルタイムの測定値に基づいてリアルタイムに添加され、液状PETに注入され、液体プラスチック添加物がPET均質化添加物であり、ホッパーのセンサーが、加工機に入る実際のppm水分を測定し、スクリューのセンサーが、液状PETの粘度とモーター負荷とを測定し、分配スロートのセンサーが、圧力を測定することを特徴とする方法。
【請求項5】
請求項4に記載の方法であって、センサーが、実際の水分ppmと予想されるppmとを比較し、かつ、液状PETの予想される粘度を特定する監視制御ユニットに、情報を伝えることを特徴とする方法。
【請求項6】
請求項4または5に記載の方法であって、周囲条件が、プラスチック加工機の周囲の温度と湿度であることを特徴とする方法。
【請求項7】
請求項3~6のいずれかに記載の方法であって、液状PETが秒単位で管理されることを特徴とする方法。
【請求項8】
請求項7に記載の方法であって、液状PETの管理に、分子量および粘度を増加させたり減少させたりすること、修復または鎖切断、流動促進を高めることが含まれることを特徴とする方法。
【請求項9】
請求項3~8のいずれかに記載の方法であって、可塑化シリンダー内の溶融樹脂の充填量が測定され、溶融樹脂の充填量の測定が完了する時点におけるスクリューの位置からスクリューを回転させずに、所定の距離だけスクリューを戻すとともに、溶融樹脂への液体添加物が可塑化シリンダー内に導入され、溶融樹脂の圧力が検出され、スクリューの射出開始位置と、液体添加物の添加速度とがその圧力に基づいて決定されることを特徴とする方法。
【請求項10】
請求項9に記載の方法であって、スクリューの射出開始位置を決定するステップには、スクリューを前進させることにより溶融樹脂を加圧する手順が含まれ、スクリューの射出開始位置を決定するステップにはさらに、溶融樹脂を加圧した後に溶融樹脂を圧抜きする手順が含まれ、スクリューの射出開始位置が、測定の完了時のスクリューの位置と異なり、液体添加物が可塑化シリンダー内の溶融樹脂のフローフロント部分に導入されることを特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱可塑性樹脂を加工するための方法およびシステムに関し、特に、機械学習を用いて熱可塑性樹脂を加工するための方法およびシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
PET(ポリエチレンテレフタレート)は現在、包装された大量の消費財のための選択肢の工業材料である。PETの加工業者は、バージン原料のサプライヤーのバッチ間で性質のばらつきを経験している。バージンPET原料における品質のばらつきに対処する術は存在しない。バージン原料の生産の流れにPETのリサイクレート(ポスト消費者/R‐PET)の添加を促進する液体組成物の配合は存在しない。
【0003】
PET包装がほとんどガラス瓶に取って代わったのと同様に、従来の機械を使って従来の方法により生産される紡糸されたPET繊維の多くは、絶縁体および織物産業用途(服、内装材、カーペット、おむつ)における綿に取って代わった。
【0004】
従来の機械を使用するPET押出の従来方法は、食品包装(トレー、容器)のすべての形態で採用された一般的な方法である。
【0005】
従来型の機械を使用する、PETの射出成形の従来方法は、主に中空のミニ容器(予備成形物)を作るために用いられ、これはのちに熱や圧力によってブロー成型されて(液体を飲むための)ボトルとなる。
【0006】
原料のばらつきによって、PET加工業者は4~6%の不良品(スクラップ)を経験している。業界で認められている実質費用の算出は、概してこの没になった加工材料の5倍のコストである。乾燥添加物(Dry additive)の製造業者は、概して大きなバッチ数量のバージンポリマー(最低25トンロット)のみ供給する配合業者に供給する。
【0007】
今に至るまで、PETの原料加工過程において、加工材料の色や鮮やかさなどの特性に影響を与える特性調整のための添加物(「Repi(登録商標)」、「Color Matrix(登録商標)」)のみが用いられてきた。しかし、既知の添加物には、PET原料の加工において原料のばらつきを小さくしたり無くしたりするための適切な添加物は存在しない。
【0008】
液体添加剤は、材料の特定の性質を変化させるにとどまり、着色剤、UV安定剤、帯電防止添加剤、蛍光染料、(後の過程での損傷を防ぐための)耐熱添加剤、例えば脱酸素剤などのガス調整剤(gas controllers)、CO2バリア、脱アセトアルデヒド剤などとして(最終製品の貯蔵寿命を長くしたり、包装された製品の味や外観を維持したりするために)使用される。これらの添加物は、ほとんど美的外観を保持するものであるが、R-PETの価格維持(valorization)、スクラップ減少、リアクティブ/閉ループには適さない。
【0009】
一旦、成形機、スピニング機または押出成形器を通過させた後は、非リアクティブ加工システムには、不均一に混合された乾燥ポリマーブレンドの不良を救助する手段はない。
【0010】
プラスチックのわずか2%だけが、閉ループリサイクルに使用されて、複数回、バリューチェーンへと再導入される。これは欧州における年間の需要量7800万トンのうち、わずか160万トンに過ぎない。これに比較して、4つのプラスチック需要の約72%が完全に回収不能となる。
【0011】
欧州全体の業界の規約(codes)および懸案事項は、PETでできた包装製品に焦点が当てられている。これは、PET加工施設においてリサイクルしたり、カーボンフットプリントを減らしたりする、より積極的な取り組みを活発にしている。
【0012】
本発明は、この短所を克服することにより上記課題に対処するとともに、さらなる利点を示す。
【発明の概要】
【0013】
本発明は、リアルタイムの加工管理と機械学習ステップとリアクティブ添加(reactive addition)とを採用することにより、PETの原材料加工プロセスを調整し、上記課題に対処する。リアクティブ添加では、材料機能を修正する工程において、液体添加物をキャリヤとして用いて、鎖延長剤を含侵するための均質化組成物と相溶化剤とを熱可塑性樹脂に添加する。PET混合物の性質は、一旦、乾式混合と溶融が完了してしまえば、もはや固定されなくなる。
【0014】
特に、本発明(繊維紡糸、押出および射出ブロー成形に関して)により、スクラップ損失率の低減、再加工、生産歩留まりの改善、サイクル時間の低減、汚染の低減、カーボンフットプリントの低減、エネルギー消費の低減、加工の安定化、ダウンタイムの低減、加工におけるR-PETのふるまいを改善し、全体的なR-PETユーティリティを増やすことができる。
【0015】
本発明により、部品のスクラップレベルを少なくとも75%低減することができる。すなわち4%のスクラップを1%に減少させ、PET押出、PET射出成形およびPET繊維の紡糸線(spinning lines)の生産性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
本発明の特徴と利点について、図面を参照して詳細に説明される。
図1図1は、本発明の加工システムによる詳細な方法ステップの流れを示す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の実施例の完全かつ包括的な説明を提供するため、多数の具体的な詳細が示されていることは理解されたい。しかしながら、当業者であれば理解できることであるが、実施例は、これらの具体的な指示なしに実施され得る発明の適用を限定するものではない。実施例について誤解を招かないように、よく知られた方法、手順、構成要素については詳細に説明しなかった。さらに、この明細書は本発明を所与の実施例に拘束するものではなく、むしろ本発明の一つの可能な実施に過ぎないものとして考慮されるべきである。
【0018】
本発明の一側面によると、PET原材料またはリサイクルされたPET材料を加工するためのシステムが開示されている。このシステムは、例えばプラスチック紡績や成形、またはPETの紡績、成形または押出のための押出機などの、任意の従来型のプラスチック加工機を備える。このシステムはさらに、液体プラスチック添加物のオンライン管理のための機械的油圧システムを備える。この添加物は、インプロセス(in-process)のPET、特にリサイクルされたPET(R‐PET)のふるまい(behavior)を改善する。このシステムは、自動的かつインテリジェントに、プラスチックのバッチにおける添加物混合比を調節する。注入システムは、混合物を溶融、成形、または押出しする間に、さまざまな改質添加剤または特性変換添加剤を混合物に添加するための、カルーセル注入システムを備えている。このシステムは、プログラム可能な論理制御装置(PLC)と複数のセンサーのシステムとを備える、動的PIDシステムを備える。このセンサーは、任意のプラスチック加工機における3つのキーポジション、すなわち材料ホッパー、スクリューおよび分配スロート(dispensing throat)から入力を収集する。そのプログラムに基づいて化学添加物の出力を計算するPLCによって誘導された後、適切な液体添加物がカルーセルから選択されて、ポンプとマニホールドを通して分配され、添加物を液体PETに注入する。タンジブルシステム(Tangible systems)は、クラウド接続とともに紐づけられている。データへのアクセスはインターネット接続を通して可能である。システムの遠隔監視、緊急応答、および、さらなる総合的な理解が可能となる。
【0019】
PLCは、システムにとって非常に重要なハードウェア用のセンサーと制御スイッチとを統合するだけでなく、中央処理とプロセス安全ハードウェアとを統合する。このシステムは統合されたヒューマンマシンインターフェースハードウェアを備える。
【0020】
本発明の第2側面によれば、上記システムにおいて使用する液体組成物と、その製造方法が開示されている。特に、液体ポリマー添加物と、「乾燥」ポリマー添加化合物を「液体」形態に変質させる方法とが開示されている。この添加化学薬品は、液体担体内で分散されるオリゴマー多機能材料に基づく。
【0021】
本発明の第3側面によると、未加工のPET材料またはリサイクルされたPET材料を加工する方法が開示されている。この方法は以下のステップを備える。
●特定の形態のポリマー樹脂、(本発明による)液体添加物、その他のフィラーや漂白剤 などの添加物等を含む、加工用の材料を得るステップ
●次のデータをメインの監視ユニットと制御ユニットのシステムのデータベースに加える 。
〇 入ってくる材料のロット番号、サプライヤーの参照記号、材料の受け取りのデータ (トレーサビリティ用)
●顧客およびサプライヤーのガイドラインと検証されたプロセスとに基づいて、材料に有 効期限の日付を割り当てる。これにより、承認された時間枠(window)外で材料を使用 する生産ラインを自動的に停止する。
●使用した樹脂について行った試験結果を追加する。
●その樹脂を水分試験の対象とし(2)、樹脂バッチの水分を百万分率(PPM)で算出 する。このデータはデータベースに加えられる。加えられたデータによると、その後、 監視ユニットと制御ユニットの処理ユニットが、材料を乾燥途中にしたり、または、乾 燥させ過ぎたりしないようにするため、樹脂にとって適切な乾燥条件を算出する。この 両方の状態は、加工に入る樹脂が規格に合わなくなる原因となるであろう。
●ポリマー樹脂を乾燥機に加え(3)、前のステップから処理ユニットの算出により特定 された正しい温度と時間で乾燥させる。乾燥器と供給システムが十分にモダンな設計で あれば、監視ユニットと制御ユニットとが乾燥機を制御して、温度と時間をあらかじめ 調整し、オペレーターのエラーを減らすことができる。
●材料をプラスチック加工機のホッパーに搬送する(4)。オンラインセンサーが、加工 機に入る実際の水分ppmを測定する。この情報は、監視ユニットと制御ユニットに伝 えられ、2つの即時フィードバックを生じさせる。すなわち、
〇 監視ユニットと制御ユニットが、実際の水分ppmと予想されるppmとを比較し 、著しい逸脱がある場合に(これは例えば乾燥機の故障によるものであるため)オペレ ーターに警告する。
〇 システムの検証中に加えられたデータに基づいて、水分の割合(%)を利用し、樹 脂の予想される粘度を特定するのに役立てる。
●トレーサビリティ用のラインを管理するオペレーターのIDを記録する。
●加工中の環境変化を考慮に入れるため、ローカルセンサーにより領域内の温度や湿度な どの周囲条件を記録する。
●次のステップによってポリマーを加工(5)する。
〇 ポリマー樹脂がスクリューによって運ばれることにより、加工機のバレルを通って 移動するとき、ポリマー樹脂は溶け始める。ポリマー樹脂は、ダイに力(圧力)を加え 、加工機を通過するためにモーターに負荷をかける。これらの測定値の両方は、材料の 粘度の関数である。これらの測定値の読み取りは、監視ユニットと制御ユニットによっ て毎秒行われる。両方の測定値は、材料の性能(すなわち分子量)を表している。
〇 クライアント固有の添加物(これらは例えば着色添加剤、安定剤等)が計量されて 押出器内に加えられる。これらは液状またはペレット状で、一定の割合でバレルに加え られる。それらの添加速度および実際のそれらのフィーダーの性能はデータベースに加 えられる。フィーダー性能の変動は、エラーを生み出すアルゴリズム計算の原因となり 得るので、付随物Iのリアルタイム性能が考慮に入れられる。
〇 本発明による添加物の添加速度は、リアルタイム情報、具体的には、水分(ホッパ ーのセンサーに由来)、モーターの負荷、ダイ圧(メイン加工機に由来)、環境条件、 乾燥時間(ローカルセンサーと乾燥機に由来)およびフィーダー性能/材料タイプ(任 意の追加的な付随物に由来)を利用するプロプライエタリ・ソフトウェアを使用して算 出される。これによりソフトウェアが秒単位で、加工樹脂が管理される必要があるかど うかを「選択」でき、管理が必要な場合、樹脂の分子量/粘度/分子鎖切断修復を増や すか、または、分子量/粘度/流動促進を減らすかを「選択」できる。その後、このソ フトウェアは運搬装置を制御し、適切な加工添加物の正確な量を計量して、リアルタイ ムに直接的にバレルに入れる。本発明による一種類の液体添加剤は、PET鎖延長剤と 、従来、マスターバッチの形で添加される市販の材料との特有のブレンドである。それ らをリアルタイムで添加し、監視ユニットと制御ユニットとが添加速度を絶え間なく制 御できるようにすることで、プロセスによって必要なときに、PETの分岐とPETの 鎖長とを増やすことができる。本発明による別の種類の液体添加物は、PETの流動促 進剤と、従来、マスターバッチの形で添加される市販の材料との特有の混合物である。 それらをリアルタイムで添加し、監視ユニットと制御ユニットとが添加速度を絶え間な く制御できるようにすることで、プロセスによって必要なときにのみ、PETの流動性 を増大させることが可能となる。この添加物は、リアルタイムでPETと反応し、加工 機を出る。監視ユニットと制御ユニットはプロセスを監視し続け、必要に応じてリアル タイムでパラメータと供給速度を変化させ、加工の安定性を保持しかつ改善する。
●製造された材料のロット番号を、トレーサビリティのためにデータベースに加える(6 )。監視ユニットと制御ユニットの計算およびデータベースは、管理チームによるリモ ート視聴のために絶えずクラウドにアップロードされる。予想される基準から逸脱する ことが観察された任意の相互作用は、アルゴリズムに組み込まれて逸脱が再発しないよ うにする(リアルタイムの機械学習)。
【0022】
加工されるポリマーの調整は、乾燥原材料ホッパー、押出/成形スクリューおよび分配スロートといった、プラスチック加工システムにおけるキーステージでの既知の入力と測定される出力とに基づく。このシステムは、リアクティブかつ適応的であり、製造ラインの加工機から収集される生のデータに応じる。これにより、原材料または乾燥ブレンドに由来する異常なふるまいに対応することができる。継続的な監視には、自動センサー読み取り、自動工程能力および工程能力指数の監視が含まれる。
【0023】
ソフトウェアは、センサーからの入力を監視し、かつ、処理して、カルーセルシステムおよび射出システムの出力を管理する。それは必要な添加物の量にダイナミックに応答し(比例制御)、性質が理想的なふるまいに近づいたときに射出速度および射出量を調整し(差動制御)、これらの入力に基づいてふるまいを予測し、より多くの添加物を過剰に補ったり(overcompensating)、必要としたりすることを回避する(統合制御)。
【0024】
液体添加物は、関連するセンサーからのデータに基づいて、PETまたはR-PETのショット(shot)をダイナミックに投与するために使用される。その後、投与ユニットは、ソフトウェアによって計算されるように、センサー入力に基づいて、特定少量のこれらの加工調整剤(process modifiers)を供給する。その後、化学薬品により、溶融加工ステップ中の、ポリマー材料の熱活性化架橋または鎖延長を通してプラスチックのふるまいを制御する。
【0025】
分散型サービス妨害攻撃(DDoS)からの適切な保護が存在する。
【0026】
プロセス監視システムは、混合比、温度、射出スクリュー力、材料の粘度およびその他の重要な入力についての鍵となるデータを収集する。入力がこれらの既知の数値に対して有効である場合、収集されたデータに基づいて、制御システムは望ましい結果に基づく必要な添加物量を計算する。そこから、それはPID(比例積分微分型)プロセス制御の基本的な制御システムの原理に依拠する。これにより、予測可能なシステムと出力材料のふるまいとを保証する、所望の結果に近づけるようにしている。
【0027】
混合物の熱抵抗を改良することにより、不必要に高い粘度によって材料の同じ部分が非常に長い時間、加熱コイルと接触し続け、液体のショットが思いがけずに分解温度に達するのを防ぐことができる。
【0028】
本発明による液剤導入システムは、連続および非連続システム、特に、ブロー成型、射出成形および融解紡糸システムなどのポリマー加工システムと併せて使用されてもよいことは理解されたい。
【0029】
本願の発明の詳細な説明において構造的な詳細や特徴とともに多くの特徴及び利益を記載してきたが、詳細な説明は本発明の一実施例として提供される。本発明の原理から逸脱することなく、請求の範囲で用いた概念および定義の最も広く理解される意味にしたがって、詳細、特に形状、サイズ、レイアウトにおいて変更があってもよい。
図1
【手続補正書】
【提出日】2022-02-04
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
PET原材料またはリサイクルされたPET材料を加工する方法であって、溶融熱可塑性樹脂用の可塑化シリンダーを備える従来型のプラスチック加工機において、プラスチックを乾燥および加工するステップと、添加物の管理とを備え、プラスチック加工機の材料ホッパー、スクリューおよび分配スロートのセンサーと、周囲条件センサーとのリアルタイムの測定値に基づいてリアルタイムに添加される液体プラスチック添加物を用いて、PETの分岐および鎖長が、液状PET内で制御されることを特徴とする方法。
【請求項2】
請求項に記載の方法であって、液体プラスチック添加物がPET均質化添加物であり、ホッパーのセンサーが、加工機に入る実際のppm水分を測定し、スクリューのセンサーが、液状PETの粘度とモーター負荷とを測定し、分配スロートのセンサーが、圧力を測定することを特徴とする方法。
【請求項3】
請求項に記載の方法であって、センサーが、実際の水分ppmと予想されるppmとを比較し、かつ、液状PETの予想される粘度を特定する監視制御ユニットに、情報を伝えることを特徴とする方法。
【請求項4】
請求項またはに記載の方法であって、周囲条件が、プラスチック加工機の周囲の温度と湿度であることを特徴とする方法。
【請求項5】
請求項のいずれかに記載の方法であって、液状PETが秒単位で管理されることを特徴とする方法。
【請求項6】
請求項に記載の方法であって、液状PETの管理に、分子量および粘度を増加させたり減少させたりすること、修復または鎖切断、流動促進を高めることが含まれることを特徴とする方法。
【請求項7】
請求項のいずれかに記載の方法であって、可塑化シリンダー内の溶融樹脂の充填量が測定され、溶融樹脂の充填量の測定が完了する時点におけるスクリューの位置からスクリューを回転させずに、所定の距離だけスクリューを戻すとともに、溶融樹脂への液体添加物が可塑化シリンダー内に導入され、溶融樹脂の圧力が検出され、スクリューの射出開始位置と、液体添加物の添加速度とがその圧力に基づいて決定されることを特徴とする方法。
【請求項8】
請求項に記載の方法であって、スクリューの射出開始位置を決定するステップには、スクリューを前進させることにより溶融樹脂を加圧する手順が含まれ、スクリューの射出開始位置を決定するステップにはさらに、溶融樹脂を加圧した後に溶融樹脂を圧抜きする手順が含まれ、スクリューの射出開始位置が、測定の完了時のスクリューの位置と異なり、液体添加物が可塑化シリンダー内の溶融樹脂のフローフロント部分に導入されることを特徴とする方法。
【外国語明細書】