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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022062192
(43)【公開日】2022-04-19
(54)【発明の名称】抗菌洗浄組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/49 20060101AFI20220412BHJP
   A61K 8/34 20060101ALI20220412BHJP
   A61K 8/46 20060101ALI20220412BHJP
   A61Q 5/02 20060101ALI20220412BHJP
【FI】
A61K8/49
A61K8/34
A61K8/46
A61Q5/02
【審査請求】有
【請求項の数】14
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022016372
(22)【出願日】2022-02-04
(62)【分割の表示】P 2018553238の分割
【原出願日】2017-05-15
(31)【優先権主張番号】PCT/CN2016/083751
(32)【優先日】2016-05-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】16177939.2
(32)【優先日】2016-07-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
2.TRITON
3.TWEEN
(71)【出願人】
【識別番号】590003065
【氏名又は名称】ユニリーバー・ナームローゼ・ベンノートシヤープ
(74)【代理人】
【識別番号】100114188
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100119253
【弁理士】
【氏名又は名称】金山 賢教
(74)【代理人】
【識別番号】100124855
【弁理士】
【氏名又は名称】坪倉 道明
(74)【代理人】
【識別番号】100129713
【弁理士】
【氏名又は名称】重森 一輝
(74)【代理人】
【識別番号】100137213
【弁理士】
【氏名又は名称】安藤 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100143823
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 英彦
(74)【代理人】
【識別番号】100183519
【弁理士】
【氏名又は名称】櫻田 芳恵
(74)【代理人】
【識別番号】100196483
【弁理士】
【氏名又は名称】川嵜 洋祐
(74)【代理人】
【識別番号】100160749
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100160255
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 祐輔
(74)【代理人】
【識別番号】100202267
【弁理士】
【氏名又は名称】森山 正浩
(74)【代理人】
【識別番号】100146318
【弁理士】
【氏名又は名称】岩瀬 吉和
(74)【代理人】
【識別番号】100127812
【弁理士】
【氏名又は名称】城山 康文
(72)【発明者】
【氏名】ホプトロフ,マイケル・ジョン
(72)【発明者】
【氏名】タン,シンウ
(57)【要約】      (修正有)
【課題】抗菌洗浄組成物、特に相乗的なふけ防止効力を提供する組成物に関する。
【解決手段】合成アニオン性界面活性剤を含む組成物中のふけ防止剤亜鉛ピリチオンおよびチモールの賢明な組み合わせによって達成される。具体的には、(i)0.1~30重量%の合成アニオン性界面活性剤;(ii)0.1~3.0重量%の亜鉛ピリチオン;および(iii)0.01~2.0重量%のチモール、を含む抗菌洗浄組成物である。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(i)0.1~30重量%の合成アニオン性界面活性剤;
(ii)0.1~3.0重量%の亜鉛ピリチオン;および
(iii)0.01~2.0重量%のチモール、
を含む抗菌洗浄組成物。
【請求項2】
前記亜鉛ピリチオンと前記合成アニオン性界面活性剤との重量比が1:1~1:100
である、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記組成物が20重量%未満の脂肪酸塩を含む、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項4】
前記組成物がシャンプーである、請求項1から3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
前記合成アニオン性界面活性剤が、アルキル硫酸塩および/またはエトキシル化アルキ
ル硫酸塩界面活性剤から選択される、請求項4に記載の組成物。
【請求項6】
前記界面活性剤がラウリルエーテル硫酸ナトリウムである、請求項5に記載の組成物。
【請求項7】
0.01~1.0%のチモールを含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の組成物
【請求項8】
両性界面活性剤をさらに含む、請求項1から7のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項9】
0.01~2.0%のカチオン性ポリマーをさらに含む、請求項1から8のいずれか一
項に記載の組成物。
【請求項10】
前記カチオン性ポリマーがグアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリドである、請
求項9に記載の組成物。
【請求項11】
0.1~10重量%のシリコーン化合物をさらに含む、請求項1から10のいずれか一
項に記載の組成物。
【請求項12】
ビタミンB3化合物をさらに含む、請求項1から11のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項13】
70~95%の水をさらに含む、請求項1から12のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項14】
請求項1から13のいずれか一項に記載の組成物を所望の皮膚表面に適用し、その後前
記表面を水ですすぐ工程を含む、皮膚に抗菌効力を提供する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、抗菌洗浄組成物に関する。本発明は、より具体的には、ふけ防止効能を提供
するパーソナルケア組成物に関する。より詳細には、この利益をもたらすために合成アニ
オン性界面活性剤の存在下で相互作用する抗菌活性物質を含むクレンジング組成物に関す
る。
【背景技術】
【0002】
本発明は、抗菌洗浄組成物、特にヘアケア組成物に関する。ヘアケア組成物は、一般に
、洗浄利益もしくはコンディショニング利益またはその2つの組み合わせを提供する。こ
のような組成物は、典型的には、望ましくない汚れ、粒子、および脂肪物質を含まない毛
髪および/または頭皮の洗浄に一般的に役立つ1または複数の洗浄界面活性剤を含む。
【0003】
さらに、ふけ防止利益は、ヘアケア組成物を介して提供されている。ふけは、世界中の
多くの人々に影響を与える問題である。この状態は、頭皮から死んだ皮膚細胞の塊が脱落
することによって現れる。これらは白色で、審美的に不快な外観を提供する。フケに寄与
する因子は、マラセチア属酵母(Malassezia yeast)の特定のメンバー
である。これらに対抗するために、ふけ防止製品は、毛髪洗浄シャンプーの形態で開発さ
れてきた。公知の抗ふけ防止シャンプーの例は、ふけ防止剤と組み合わせてラウリルエー
テル硫酸ナトリウム(エトキシル化アニオン性界面活性剤)を含む。ヘアケアに使用され
る典型的なふけ防止剤は、金属ピリチオン、例えば亜鉛ピリチオン(ZPTO)、オクト
ピロックス(ピロクトンオラミン)、アゾール抗菌剤(例えばクリンバゾール)、硫化セ
レンおよびその組み合わせである。
【0004】
このようなシャンプーでの上記活性物質の使用によりふけの問題が大幅に緩和されるが
、関連する真菌剤が洗浄プロセス中に最小化されるだけでなく、洗浄後の真菌の再増殖が
その後長時間阻害され、それによって、ふけのない頭皮および毛髪を消費者に持続的に確
実に提供するように効力を増強する必要がある。
【0005】
本発明者らは、伝統的な抗真菌剤の亜鉛ピリチオンと、天然の植物抽出物中に見出され
るフェノール化合物、すなわちチモールとが合成アニオン性界面活性剤を含むシャンプー
組成物中に配合されたとき、それらの相乗作用により上記要件が満たされることを見出し
た。
【0006】
国際公開第2004/006876号(Unilever)は、トゥルシー油および金
属ピリチオンを含む毛髪および/または頭皮トリートメント組成物を開示しており、この
組成物においてトゥルシー油および金属ピリチオンが相乗的な抗菌活性を示すことができ
る。
【0007】
国際公開第2010/046238号(Unilever)は、選択された成分、すな
わち比較的速い抗菌作用を有するチモールおよびテルピネオールを含む組成物を開示して
いる。
【0008】
上記刊行物は、本発明の相乗作用物質を開示しておらず、また、シャンプー組成物で毛
髪/頭皮を洗浄した後の長期間にわたる抗菌活性の阻害を開示していない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】国際公開第2004/006876号
【特許文献2】国際公開第2010/046238号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
したがって、本発明の目的は、抗真菌効力を増強するだけでなく、洗浄プロセスが完了
した後も長い間、微生物の増殖の阻害を確実にするパーソナル洗浄組成物を提供すること
である。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の第1の態様は、
(i)0.1~30重量%の合成アニオン性界面活性剤;
(ii)0.1~3.0重量%の亜鉛ピリチオン;および
(iii)0.01~2.0重量%のチモール、
を含む抗菌洗浄組成物である。
【0012】
本発明の第2の態様は、第1の態様の組成物を所望の皮膚表面に適用し、その後水で表
面をすすぐ工程を含む、皮膚に抗菌効力を的供する方法に関する。
【発明を実施するための形態】
【0013】
これらおよび他の態様、特徴および利点は、以下の詳細な説明および添付の特許請求の
範囲を読むことにより、当業者には明らかになると思われる。疑念を避けるために、本発
明の一態様の任意の特徴は、本発明の任意の他の態様において利用することができる。「
含む(comprising)」という用語は、「含む(including)」を意味
することを意図しているが、必ずしも「からなる(consisting of)」また
は「から構成される(composed of)」という意味を意図してはいない。言い
換えれば、列挙された工程または選択肢は必ずしも網羅的ではない。以下の説明に示され
る実施例は、本発明を明確にすることを意図しており、本発明をそれらの実施例自体に限
定する意図のものではないことに留意されたい。同様に、全てのパーセンテージは、他に
指示がない限り重量/重量%である。操作および比較実施例を除いて、または他に明示さ
れている場合を除いて、材料の量または反応の条件、材料および/または使用の物理的特
性を示す、説明および特許請求の範囲における全ての数字は、「約」という用語によって
修飾されると理解されるべきである。「xからy」の形式で表される数値範囲は、xおよ
びyを含むと理解される。特定の特徴について複数の好ましい範囲が「xからy」の形式
で記載されている場合、異なる端点を組み合わせる全ての範囲も企図されることが理解さ
れよう。言い換えれば、値の任意の範囲を指定する際に、任意の特定の上位値を任意の特
定の下位値と関連付けることができる。
【0014】
本明細書に見られるような本発明の開示は、請求項が複数の従属性または冗長性なしに
見出され得るという事実とは無関係に、相互に複数従属する請求項に見出される全ての実
施形態をカバーすると考えられるべきである。
【0015】
特徴が本発明の特定の態様(例えば本発明の組成物)に関して開示されている場合、こ
のような開示はまた、必要な変更を加えて本発明の任意の他の態様(例えば、本発明の方
法)に適用されると考えられるべきである。
【0016】
本明細書で使用される「抗菌洗浄組成物」は、哺乳動物、特にヒトの皮膚、毛髪および
/または頭皮への局所適用のための組成物を含むことを意味する。このような組成物は、
一般に、身体の所望の局所表面に適用され、その後好ましくは数分後にすすぎ落とされる
。このような組成物には、外観、洗浄、臭気管理、または一般的な美観を向上させるため
に人体に適用される製品も含まれる。本発明の組成物は、液体、ローション、クリーム、
泡、スクラブ、ゲル、またはバーの形態であり得る。このような組成物の非限定的な例と
しては、洗い流すシャンプー、コンディショナー、シャワーゲル、手洗い用の液体または
ゲルまたはバーが挙げられる。本発明の組成物は、シャンプーが最も好ましい。
【0017】
本発明は、抗菌洗浄組成物に関する。好ましい態様は、ふけ防止ヘアケア組成物である
。これは、アニオン性界面活性剤の存在下で亜鉛ピリチオンとチモールとの相乗的抗真菌
作用を含む。
【0018】
この組成物は、ふけ防止剤の亜鉛ピリチオンを含む。亜鉛ピリチオン(ZPTO)は、
亜鉛1-ヒドロキシ-2-ピリジンチオンの略語である。
【0019】
金属ピリチオンは、一般に次の一般式で表される:
【化1】
【0020】
亜鉛ピリチオンの場合、Mは金属カチオン亜鉛である。
【0021】
亜鉛ピリチオンは、好ましくは組成物の重量に基づいて0.1~2.0%、より好まし
くは0.1~1.5%で存在する。ZPTOは粒子状物質である。粒子サイズは、本発明
の利益を達成するために重要ではないが、ZPTOの粒子サイズは、好ましくは0.25
~8マイクロメートル、より好ましくは0.5~8.0マイクロメートル、さらにより好
ましくは1.0~7.5マイクロメートルである。ZPTOは、Kolon Life
Science Inc.、Sino Lion(USA)Ltd、Lonzaおよび他
の供給業者から市販されている。
【0022】
ヘアケア組成物は、組成物の0.01~2重量%、好ましくは0.01~1.5重量%
、より好ましくは0.05~1重量%、最も好ましくは0.1~1.0重量%のチモール
を含む。本発明の有用な組成物の大部分は、0.2重量%超~1.0重量%未満のチモー
ルを有する。チモールは、精製された形態で抗菌組成物に添加することができる。
【0023】
あるいは、チモールが本発明の組成物中に確実に所望の濃度で存在する限り、抗菌組成
物にチモールを含むタイム油またはタイム抽出物を添加してもよい。タイム油またはタイ
ム抽出物は、タイム植物から得られる。タイム植物はティムス属に属する植物を指し、以
下の種を含むが、これらに限定されない:ティムス・ブルガリス(Thymus vul
garis)、ティムス・ジギス(Thymus zygis)、ティムス・サツレオイ
デス(Thymus satureoides)、ティムス・マストキナ(Thymus
mastichina)、ティムス・ブルソネッティ(Thymus brousso
netti、ティムス・マロカヌス(Thymus maroccanus)、ティムス
・パリダスThymus pallidus、ティムス・アルゲリエンシス(Thymu
s algeriensis)、ティムス・セルピルム(Thymus serpyll
um)、ティムス・プレゴイデ(Thymus pulegoide)、およびティムス
・シトリオドラス(Thymus citriodorus)。
【0024】
チモールおよびその異性体カルバクロールの構造を以下に示す:
【化2】
【0025】
本発明の特に好ましい態様として、組成物はシャンプーである。本発明の組成物、特に
シャンプーは、アニオン性界面活性剤、例えば、アルキル硫酸塩および/またはエトキシ
ル化アルキル硫酸塩界面活性剤が配合される。これらのアニオン性界面活性剤は、好まし
くは、組成物の1~20重量%、好ましくは2~16重量%、さらに好ましくは3~16
重量%のレベルで存在する。好ましいアルキル硫酸塩は、C8-18アルキル硫酸塩、よ
り好ましくはC12-18アルキル硫酸塩であり、好ましくはナトリウム、カリウム、ア
ンモニウムまたは置換アンモニウムのような可溶化カチオンを有する塩の形態である。
【0026】
好ましいアルキルエーテル硫酸塩は、式:RO(CHCHO)SO-3
(式中、Rは8~18(好ましくは12~18)の炭素原子を有するアルキルまたはア
ルケニルであり、nは、少なくとも0.5、好ましくは1~3、より好ましくは2~3よ
り大きい平均値を有する数であり;Mはナトリウム、カリウム、アンモニウムまたは置換
アンモニウムなどの可溶化カチオンである)、を有するものである。一例はラウリルエー
テル硫酸ナトリウム(SLES)である。
【0027】
好ましいエトキシル化アルキル硫酸アニオン性界面活性剤は、ラウリルエーテル硫酸ナ
トリウム(SLES)である。平均エトキシル化度が0.5~3、好ましくは1~3であ
るSLESが特に好ましい。
【0028】
本発明によるシャンプー組成物は、化粧品として許容され、毛髪への局所適用に適した
1または複数のさらなるアニオン性洗浄界面活性剤を含んでもよい。
【0029】
適切なアニオン性洗浄界面活性剤の例は、アルカリールスルホン酸塩、アルキルコハク
酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、アルキルエーテルスルホコハク酸塩、N-アルキルサ
ルコシネート、アルキルリン酸塩、アルキルエーテルリン酸塩、ならびにアルキルエーテ
ルカルボン酸およびこれらの塩であり、特に、それらのナトリウム、マグネシウム、アン
モニウムおよびモノ-、ジ-およびトリエタノールアミン塩である。アルキルおよびアシ
ル基は、一般に8~18個、好ましくは10~16個の炭素原子を含み、不飽和であって
もよい。アルキルエーテルスルホコハク酸塩、アルキルエーテルリン酸塩、ならびにアル
キルエーテルカルボン酸およびこれらの塩は、1分子当たり1~20個のエチレンオキシ
ドまたはプロピレンオキシド単位を含有することができる。
【0030】
本発明の組成物への使用のための典型的なアニオン性洗浄界面活性剤としては、コハク
酸オレイルナトリウム、ラウリルスルホコハク酸アンモニウム、ラウリルエーテルスルホ
コハク酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホ
ン酸トリエタノールアミン、ラウリルエーテルカルボン酸およびN-ラウリルサルコシネ
ートナトリウムが挙げられる。
【0031】
適切な好ましい追加のアニオン性洗浄界面活性剤は、ラウリルエーテルスルホコハク酸
ナトリウム(n)EO(nは1~3)、ラウリルエーテルカルボン酸(n)EO(nは1
0~20)である。
【0032】
前述のアニオン性洗浄界面活性剤の任意の混合物も適切であり得る。
【0033】
本発明の好ましい態様において、亜鉛ピリチオンと合成アニオン性界面活性剤との重量
比は、1:1~1:100、好ましくは1:2~1:50、より好ましくは1:5~1:
30である。
【0034】
組成物は、脂肪酸の塩(石鹸としても知られている)の天然源由来のアニオン性界面活
性剤を含まないことが好ましい。含まれる場合、脂肪酸塩(石鹸)は、組成物の20重量
%未満、好ましくは10重量%未満、より好ましくは1重量%未満で存在する。
【0035】
本発明の組成物は、好ましくは、両性界面活性剤、好ましくはベタイン界面活性剤、好
ましくはアルキルアミドプロピルベタイン界面活性剤、例えばコカミドプロピルベタイン
をさらに含む。好ましい実施形態では、組成物は、0.1~10重量%、好ましくは0.
5~8重量%、より好ましくは1~5重量%のベタイン界面活性剤を含む。
【0036】
本発明の組成物、特にシャンプーからの活性物質の付着を高めるために、カチオン性ポ
リマーが一般にそこに含まれる。本発明においても、組成物は、0.01~2.0%のカ
チオン性ポリマーをさらに含むことが好ましい。カチオン性ポリマーは、好ましくは、グ
アーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリドである。グアーポリマーは、主にガラクト
マンナンポリマー鎖を含む。このポリマーは、グアーが加水分解され、カチオン化された
量に応じて、種々の分子量およびカチオン置換度で入手可能である。カチオン性ポリマー
は、好ましくは組成物の0.04~0.5重量%、より好ましくは0.08~0.25重
量%で存在する。
【0037】
コンディショニング利益が本発明の組成物を介して送達される場合、組成物はコンディ
ショニング剤を含む。典型的には、ヘアケア組成物に使用される最も一般的なコンディシ
ョニング剤は、水不溶性油性物質、例えば鉱油、天然油、例えばトリグリセリドおよびシ
リコーンポリマーである。コンディショニング利益は、濡れた毛髪をより梳きやくし、乾
燥した毛髪をより扱いやすくするフィルムの形成をもたらす油性物質を毛髪上に付着させ
ることによって達成される。特に有用なコンディショニング剤は、シリコーン化合物、好
ましくは不揮発性シリコーン化合物である。有利には、本明細書の組成物は、1または複
数種のシリコーンを含むことができる。シリコーンは、分散または懸濁された微粒子形態
で見られるコンディショニング剤である。シリコーンは毛髪に沈着し、水で毛髪をすすい
だ後に残っていることが意図される。好ましい好適なシリコーン油としては、ポリアルキ
ルシロキサン、ポリアリールシロキサン、ポリアルキルアリールシロキサン、ポリエーテ
ルシロキサンコポリマー、およびそれらの混合物を挙げることができる。アミノシリコー
ンは、しばしばシャンプー組成物に配合される。アミノシリコーンは、少なくとも1つの
第1級アミン、第2級アミン、第3級アミンまたは第4級アンモニウム基を含有するシリ
コーンである。高分子量シリコーンゴムも利用することができる。別の有用なタイプは、
ジメチコン/ビニル/ジメチコンクロスポリマー(例えば、Dow Corning 9
040および9041)などの架橋シリコーンエラストマーである。
【0038】
存在する組成物中のシリコーンの量は、ヘアケア組成物の約0.1~約10重量%、好
ましくは約0.1~約8重量%、より好ましくは約0.3~約5重量%の範囲であり得る
【0039】
組成物のpHは、好ましくは4.0以上、より好ましくは5.0~7.0の範囲である
【0040】
特にふけ防止シャンプー用の本発明の組成物は、好ましくはさらに亜鉛化合物を含む。
組成物中に追加の亜鉛化合物が存在することにより、亜鉛ベースのふけ防止剤のふけ防止
効力が改善されると考えられる。適切な亜鉛化合物は、酸化亜鉛、クエン酸亜鉛、マロン
酸亜鉛、炭酸亜鉛またはそれらの組み合わせである。亜鉛化合物は、好ましくは組成物の
0.1~3重量%、より好ましくは0.1~1.5重量%で存在する。
【0041】
本発明によるシャンプー組成物は、好ましくは、コナゾール殺菌剤をさらに含む。好ま
しくは、コナゾール殺菌剤は、ケトコナゾール、クリンバゾールまたはそれらの混合物か
ら選択される。アゾール系殺菌剤は、好ましくは組成物の0.01~2重量%、より好ま
しくは0.025~0.75重量%で含まれる。コナゾール殺菌剤の存在は、亜鉛ピリチ
オンの沈着を改善すると考えられている。
【0042】
この組成物は、好ましくは、ビタミンB3化合物をさらに含む。好ましいビタミンB3
化合物はナイアシンアミドである。
【0043】
ナイアシンアミドは、以下に示す構造を有する
【化3】
【0044】
ナイアシンアミドが、ケラチノサイトからのAMPの分泌のためであることは公知であ
る。このようにして分泌されたAMPは、身体の外面、例えば頭皮の免疫性を改善する。
したがって、本発明の組成物にナイアシンアミドを使用することにより、本発明の組成物
の抗真菌活性によってだけでなく、頭皮固有の細菌に対する保護シールドのナイアシンア
ミドの使用を介した強化を提供することにより、ふけ防止効力が増強されることが期待さ
れる。この組み合わせは、例えば最大24時間の、病原菌に対する長期持続保護をさらに
提供できることが期待される。
【0045】
ナイアシンアミドは、好ましくは組成物の0.1~5重量%、より好ましくは0.5~
5重量%、さらにより好ましくは0.5~3重量%、最適には1.0~3.0重量%で存
在する。
【0046】
懸濁化剤
好ましくは、本発明のヘアケア組成物は、懸濁化剤をさらに含む。適切な懸濁化剤は、
ポリアクリル酸、アクリル酸の架橋ポリマー、アクリル酸と疎水性モノマーとのコポリマ
ー、カルボン酸含有モノマーとアクリル酸エステルとのコポリマー、アクリル酸とアクリ
ル酸エステルとの架橋コポリマー、ヘテロ多糖ガムおよび結晶長鎖アシル誘導体から選択
される。長鎖アシル誘導体は、ステアリン酸エチレングリコール、16から22個の炭素
原子を有する脂肪酸のアルカノールアミドおよびこれらの混合物から選択されることが望
ましい。ジステアリン酸エチレングリコールおよびジステアリン酸ポリエチレングリコー
ル3は、組成物に真珠光沢を付与するので、好ましい長鎖アシル誘導体である。ポリアク
リル酸は、Carbopol 420、Carbopol 488またはCarbopo
l 493として市販されている。多官能化剤により架橋させたアクリル酸のポリマーも
また使用可能であり、これらはCarbopol 910、Carbopol 934、
Carbopol 941およびCarbopol 980として市販されている。カル
ボン酸含有モノマーとアクリル酸エステルとの適切なコポリマーの例は、Carbopo
l1342である。全てのCarbopol(商標)物質は、Goodrichから入手
可能である。
【0047】
アクリル酸とアクリル酸エステルとの適切な架橋ポリマーはPemulen TR1ま
たはPemulen TR2である。適切なヘテロ多糖ガムは、例えばKelzan m
uとして入手可能なキサンタンガムである。
【0048】
上記懸濁化剤のいずれかの混合物を使用することができる。アクリル酸と結晶性長鎖ア
シル誘導体との架橋ポリマーの混合物が好ましい。
【0049】
懸濁化剤が含まれる場合、一般に、組成物の総重量に基づき、0.1~10重量%、好
ましくは0.5~6重量%、より好ましくは0.5~4重量%のレベルで懸濁化剤総重量
が本発明のシャンプー組成物中に存在する。
【0050】
本発明の組成物は、性能および/または消費者の許容性を高めるための他の成分を含有
してもよい。そのような成分としては、香料、染料および顔料、pH調整剤、真珠光沢剤
または乳白剤、粘度調整剤、防腐剤、および植物、果実抽出物、糖誘導体およびアミノ酸
などの天然毛髪栄養素が挙げられる。
【0051】
本発明の組成物は、好ましくは水性ベースである。それは、好ましくは、組成物の好ま
しくは70~95重量%の多量の水を含む。
【0052】
本発明はまた、本発明の組成物を所望の皮膚表面に適用した後、水で表面をすすぐ工程
を含む、皮膚に抗菌効力を提供する方法に関する。すすぎの工程は、一般に、組成物を皮
膚または毛髪/頭皮に適用してから1~5分以内に行われる。一態様によれば、本発明は
、非治療利益を提供する。
【0053】
本発明を、ここで以下の非限定的な実施例を参照して説明する。
【0054】
[実施例]
以下のシャンプー配合物基剤を調製した(BASE1)
【表1】
【0055】
以下の表-1に示すさまざまな組成物を調製した。実施例1はシャンプー組成物ではな
く、単に水で洗浄することを含む。実施例2~6では、基剤組成物BASE1に対して、
種々の量のZPTOおよび/またはチモールを添加した。
【表2】
【0056】
上記の表1に示す種々の組成物を、以下に示す手順を用いて抗真菌試験に供した。
【0057】
インビトロ洗い流しアッセイ法
Pityrosporum Broth中でマラセチア・フルフール(Malasse
zia furfur)7019を2日間増殖させ、2~6×10細胞/mlの最終濃
度に調整した。上記マラセチア0.2mlをビトロスキン(約10.34cm)上にピ
ペットで取り出し、30分間放置した。ビトロスキンの処理は、0.2gの組成物をビト
ロスキンに加えル工程、続いて1.8mlの水を加える工程からなる。これをテフロン棒
を用いて30秒間擦り、次いで溶液を除去した。次いで、4mlの滅菌水をビトロスキン
に添加して表面をすすぎ、テフロン棒を用いて30秒間擦り、次いで溶液を除去した。す
すぎ工程をもう一度繰り返した。
【0058】
「使用直後」(0時間)測定および「洗浄後」(24時間)測定のために、複製サンプ
ルを調製した。
【0059】
(0時間)測定のために、すすぎ直後に、10mlのPBS緩衝液(pH7.2)、0
.1%Triton X-100および0.5%Tween-80を含むバイアルにビト
ロスキンを入れた。ビトロスキンを含むバイアルを1分間ボルテックスした。20μlの
10~10-3希釈液をModified Dixon Agar Plateに播種
し、32℃で3~4日間インキュベートした。次いで、各プレート上のコロニーの数を数
え、最終数を適切な希釈倍数を掛けることによって決定した。
【0060】
(24時間)測定のために、処理したビトロスキンを最初にModified Dix
on寒天プレート上に置き、32℃で24時間インキュベートした。インキュベーション
後、ビトロスキンの各断片を切断し、10mlのPBS緩衝液(pH7.2)、0.1%
Triton X-100および0.5%Tween-80を含むバイアルに入れた。ビ
トロスキンを含むバイアルを1分間ボルテックスした。20μlの10~10-3希釈
液をModified Dixon Agar Plateに播種し、32℃で3~4日
間インキュベートした。次いで、各プレート上のコロニーの数を数え、最終数を適切な希
釈倍数を掛けることによって決定した。
【0061】
全ての試料は二重に行った。
【0062】
種々の試料について、0時間および24時間処理後の対数マラセチア(Malasse
zia)CFU数に関するデータを以下の表-2に示す:
【表3】
【0063】
上記表2のデータは、合成アニオン性界面活性剤含有組成物中のZPTOとチモールと
の組み合わせが、ZPTO単独またはチモール単独を含む組成物と比較して長期間(洗浄
後24時間まで)抗真菌効力を提供することを示している。1種の活性物質のみを含む組
成物(実施例2~4)では、洗浄後24時間で真菌の再増殖が起こるが、両方の活性物質
を含む組成物では増殖が阻害される(実施例5および6)。
【外国語明細書】