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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022062231
(43)【公開日】2022-04-19
(54)【発明の名称】内視鏡装置及び内視鏡検査の方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 1/00 20060101AFI20220412BHJP
【FI】
A61B1/00 522
【審査請求】有
【請求項の数】25
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022019942
(22)【出願日】2022-02-10
(62)【分割の表示】P 2019500630の分割
【原出願日】2017-07-10
(31)【優先権主張番号】102016113000.1
(32)【優先日】2016-07-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(71)【出願人】
【識別番号】502154016
【氏名又は名称】アエスキュラップ アーゲー
【住所又は居所原語表記】Am Aesculap-Platz, 78532 Tuttlingen Germany
(74)【代理人】
【識別番号】110001069
【氏名又は名称】特許業務法人京都国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ハンス‐ゲルト マース
(72)【発明者】
【氏名】ニクラス ポール コーネン
(72)【発明者】
【氏名】トーマス ルーマン
(57)【要約】      (修正有)
【課題】被検体をより包括的に検査することを目的に付加的な情報をそれにより得ることのできる内視鏡装置及び内視鏡検査の方法を提供する。
【解決手段】被検体内に導入可能であるシャフトを備えた内視鏡と、データ処理ユニットとを含む、特に医学的応用のための本発明による内視鏡装置であって、3つ以上の光学的撮像ユニットがそれぞれ、前記シャフト上の遠位に配置された撮像素子と、該撮像素子に関連付けられた、前記データ処理ユニットに画像データセットを提供するための画像センサとを有する、内視鏡装置において、前記データ処理ユニットが、前記画像データセットを使用してこれらの画像データセットにおける対応する画像点を決定すると共に、前記被検体内で前記撮像ユニットにより撮像された被写体の3D表面データセットを生成するように構成及びプログラムされる。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検体(12)内に導入可能であるシャフト(30;102)を備えた内視鏡(26;100)と、データ処理ユニット(36)とを含む、特に医学的応用のための内視鏡装置であって、
3つ以上の光学的撮像ユニット(50、52、54)がそれぞれ、前記シャフト(30;102)上の遠位に配置された撮像素子(56、58、60)と、該撮像素子に関連付けられた、前記データ処理ユニット(36)に画像データセット(78、80、82)を提供するための画像センサ(70、72、74)とを有する、内視鏡装置において、
前記データ処理ユニット(36)が、前記画像データセット(78、80、82)を使用して該画像データセットにおける対応する画像点を決定し、前記被検体(12)内で前記撮像ユニット(50、52、54)により撮像された被写体(14)の3D表面データセットを生成するように構成及びプログラムされる、内視鏡装置。
【請求項2】
請求項1に記載の装置であって、前記データ処理ユニット(36)が、前記3Dデータセットをリアルタイムで生成するために、前記対応する画像点を決定すること、を特徴とする装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の装置であって、前記被写体(14)の位置及び/又は形状の変化が、前記装置(10)により時間に応じて決定可能であること、を特徴とする装置。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項に記載の装置であって、
前記データ処理ユニット(36)が、2つの画像データセット(78、80)を使用して立体画像データセットを生成し、該立体画像データセットが、少なくとも1つの更なる画像データセット(82)における対応する画像点について調べられ、
特に、前記データ処理ユニット(36)が、前記2つの画像データセットの各々から立体画像データセットを生成し、該立体画像データセットがそれぞれ、更なる画像データセットにおける対応する画像点について調べられること、
を特徴とする装置。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1項に記載の装置であって、
前記装置(10)が、前記データ処理ユニット(36)に連結された表示ユニット(46)を含むこと、及び
前記データ処理ユニット(36)が、2つの画像データセット(78、80)を使用して前記被写体(14)の立体画像(104)を生成し、該立体画像を前記表示ユニット(46)上で表現すること、及び/又は
前記データ処理ユニット(36)が、前記3Dデータセットの画像(106)を前記表示ユニット(46)上で表現すること、
を特徴とする装置。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか1項に記載の装置であって、前記撮像素子(56、58、60)が、前記シャフト(102)上で同一線上に配置されること、を特徴とする装置。
【請求項7】
請求項1~5のいずれか1項に記載の装置であって、前記撮像素子(56、58、60)のうちの1つが、前記シャフト(30)上で、2つの更なる撮像素子(56、58、60)により形成される基部に関して対称に配置されること、を特徴とする装置。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか1項に記載の装置であって、前記撮像素子(56、58、60)が、前記シャフト(30)上で規則的な配置に、例えば二等辺三角形、特に正三角形に配置されること、を特徴とする装置。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか1項に記載の装置であって、
少なくとも2つの撮像素子(56、58、60)が、互いに平面に配置されること、及び/又は
少なくとも2つの画像センサ(70、72、74)が、互いに平面に配置されること、
を特徴とする装置。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか1項に記載の装置であって、前記画像センサが、前記シャフト内に配置されると共に、信号線を経由して前記データ処理ユニットに連結され、該データ処理ユニットが、前記被検体の外部に位置決めされること、を特徴とする装置。
【請求項11】
請求項1~9のいずれか1項に記載の装置であって、前記撮像素子(56、58、60)が、前記シャフト(30;102)内を案内される導光素子を経由して前記画像センサ(70、72、74)に連結され、該画像センサ(70、72、74)が、前記被検体(12)の外部でハウジング(34)内に配置されることを特徴とする装置。
【請求項12】
請求項1~11のいずれか1項に記載の装置であって、前記装置(10)が、前記被検体(12)内に導入可能である少なくとも1つの照明素子(94、96、98)を有する照明ユニット(86)を含むこと、を特徴とする装置。
【請求項13】
請求項12に記載の装置であって、複数の照明素子(94、96、98)が設けられ、好ましくは、照明素子(94、96、98)が各撮像ユニット(50、52、54)に関連付けられること、を特徴とする装置。
【請求項14】
請求項12又は13に記載の装置であって、前記照明素子(94、96、98)が、前記シャフト(30;102)内を案内される少なくとも1つの導光体を含む又は形成すること、を特徴とする装置。
【請求項15】
請求項14に記載の装置であって、前記導光体が、前記シャフト(30;102)内で、特に前記シャフト(30;102)上の遠位に、互いに対して対称に及び/又は前記撮像素子(56、58、60)に関して対称に配置されること、を特徴とする装置。
【請求項16】
請求項15に記載の装置であって、前記導光体が、前記シャフト(30;102)の軸(68)に関して、前記撮像素子(56、58、60)の径方向外側に配置されること、を特徴とする装置。
【請求項17】
請求項1~16のいずれか1項に記載の装置であって、前記シャフト(30;102)が、剛性又は可撓性であること、を特徴とする装置。
【請求項18】
請求項1~17のいずれか1項に記載の装置であって、前記3つ以上の画像センサ(70、72、74)のうちの少なくとも2つが、分光感度及び/又は分解能について互いに相違すること、を特徴とする装置。
【請求項19】
請求項1~18のいずれか1項に記載の装置であって、少なくとも1つの画像センサ(70、72、74)の分光感度が、赤外線の範囲内、可視スペクトルの範囲内、又は紫外線の範囲内にあること、を特徴とする装置。
【請求項20】
請求項1~19のいずれか1項に記載の装置であって、前記3つ以上の画像センサ(70、72、74)のうちの少なくとも2つが、特にモノクロセンサ又はカラーセンサとして、分解能及び/又は分光感度について同一の構成を有すること、を特徴とする装置。
【請求項21】
請求項1~20のいずれか1項に記載の装置であって、2つの画像センサ(70、72、74)がモノクロセンサであり、第3の画像センサ(70、72、74)がカラー画像センサであること、を特徴とする装置。
【請求項22】
請求項1~21のいずれか1項に記載の装置であって、
少なくとも1つの画像センサが、距離画像データセットを提供する飛行時間型センサである又は該飛行時間型センサを含むこと、及び
前記データ処理ユニットが、前記距離画像データセットを使用して、他の画像データセットから得られる立体画像データセットとの比較を目的に距離情報の項目を決定すること、
を特徴とする装置。
【請求項23】
請求項1~22のいずれか1項に記載の装置であって、前記データ処理ユニット(36)を使用して、前記撮像ユニット(50、52、54)の撮像特性の監視が遂行可能であり、設定値条件と不一致である場合、好ましくはこの事実の表示が出力可能であること、を特徴とする装置。
【請求項24】
請求項1~23のいずれか1項に記載の装置であって、前記装置(10)が、前記被検体(12)内での取扱いを目的に少なくとも1つの器具(108)を有し、前記器具(108)がコーディング(112)を含み、該コーディング(112)が、前記器具(108)の識別を目的に、前記データ処理ユニット(36)により前記画像データセット(78、80、82)において検知可能であること、を特徴とする装置。
【請求項25】
内視鏡のシャフトが被検体内に導入され、前記被検体内の被写体が撮像される、特に医学的応用のための、被検体の内視鏡検査の方法であって、
前記シャフト上の遠位に配置される撮像素子と、該撮像素子に関連付けられた画像センサとをそれぞれ有する3つ以上の光学的撮像ユニットが、前記データ処理ユニットに画像データセットを提供することを目的に設けられ、
前記データ処理ユニットが、前記画像データセットを使用して該画像データセットにおける対応する画像点を決定し、前記撮像ユニットにより撮像された前記被写体の3D表面データセットを生成する、
方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に医学的応用のための撮像内視鏡装置であって、被検体内に導入可能であるシャフトを備えた内視鏡と、データ処理ユニットと、前記データ処理ユニットに画像データセットを提供するための光学的撮像ユニットとを含む装置に関する。
【0002】
更に本発明は、内視鏡のシャフトが被検体内に導入され、被検体内の被写体が撮像される、特に医学的応用のための被検体の内視鏡検査の方法であって、データ処理ユニットに画像データセットが提供される、方法に関する。
【背景技術】
【0003】
以下で特に医学的応用を参照して本発明を記載するが、本発明はこの応用分野に制限されるものではない。内視鏡検査は、例えば工業用品の製造又は保守との関連でも実行することができる。これに関する応用例として、WO 2013/045108 A1に記載されているようなガスタービンの内視鏡検査がある。
【0004】
医学的応用においては、外科手術を支援しつつ腔内の内臓等の被写体を撮像するために、内視鏡のシャフトが、被検体としての(人間又は動物の)身体内に導入される。手術中に外科医により使用される外科用器具を撮像することも可能である。この関連で、被写体の空間表現を外科医に提供するための立体内視鏡の使用が知られている。
【0005】
WO 2006/005061 A2は、3つの光学的撮像ユニットが使用される装置を記載する。2つの撮像ユニットを使用して、表示ユニットにて外科医に立体画像を表示することができる。外科医に付加的な情報を提供するために、第3の撮像ユニットを使用して付加的な画像を生成し、この付加的な画像を例えば立体画像への挿入物として表現することが更に可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】WO 2013/045108 A1
【特許文献2】WO 2006/005061 A2
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
前記被検体をより包括的に検査することを目的に付加的な情報をそれにより得ることのできる内視鏡装置及び内視鏡検査の方法を提供することが本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的は、被検体内に導入可能であるシャフトを備えた内視鏡と、データ処理ユニットとを含む、特に医学的応用のための本発明による内視鏡装置であって、3つ以上の光学的撮像ユニットがそれぞれ、前記シャフト上の遠位に配置された撮像素子と、該撮像素子に関連付けられた、前記データ処理ユニットに画像データセットを提供するための画像センサとを有する、内視鏡装置において、前記データ処理ユニットが、前記画像データセットを使用してこれらの画像データセットにおける対応する画像点を決定すると共に、前記被検体内で前記撮像ユニットにより撮像された被写体の3D表面データセットを生成するように構成及びプログラムされる、内視鏡装置により達成される。
【0009】
本発明による前記装置において、少なくとも3つの撮像ユニットが使用されることが実現されるが、有利な実施形態では4つ以上の撮像ユニットを提供することも可能である。前記シャフト上の遠位に配置されるのは撮像素子であり、その視野内には撮像用の被写体が位置する。前記撮像素子により、集束された光を前記画像センサに送信することができる。前記画像センサは、前記シャフト内に又は前記被検体の外部に位置決めされたハウジング内に配置することができる。前記データ処理ユニットは、前記画像データセットを対応する(いわゆる一致する)画像点について検査するのであり、その際3つ以上の画像センサの好ましくは全ての前記画像センサの前記画像データセットが考慮に入れられる。本発明によれば、先行技術から知られている装置とは対照的に、観測された光景の3D復元が可能であるという可能性がある。3つ以上の画像データセットを提供することにより、周知のように立体画像データセットの評価中に生じ得るどんな曖昧さ及び不正確さを大いに排除することができる。故に、前記装置を使用して、撮像された被写体のより高い精度を特徴とする3D表面データセットを生成することが可能である。前記3D表面データセットは更なる内視鏡検査のための基礎として使用することができるのであり、3D表面データセットは、例えば1つ以上の被写体の位置及び/又は形状の変化を時間に応じて検知するために考慮に入れられる。以下に、より詳細に検討される点がある。
【0010】
本発明による前記装置は、医療内視鏡検査にとって特に適切である。特に身体内の空間条件が制限されていることを考慮に入れると、これらの検査は、前記患者に対し極力低い侵襲性を保つために(例えば任意の付加的な切開が回避されるべきである)内視鏡装置をコンパクトにせねばならないという難題に直面する。内生構造体を検知し、復元し、識別すると、これらの内生構造体は、大部分がテクスチャを欠いており、従って画像処理技術を使用して分析することが簡単である構造特性を僅かしか持たないということが特に厄介であると分かる。厄介さの別の原因には、著しい肌理がこれらの内生構造体に不足しており水又は血液等の体液が内生構造体に付着する結果としての反射作用が内生構造体からあり、前記画像データセットにおいてこれらの反射作用は苦労してようやく分析できるものであるということがある。ここで、本質的に望ましくない反射作用の識別の原因として前記身体の内部の照明があるが、照明はそれでも必要なものである。更に空間的な制約のため、実務では開口の大きい撮像素子が使用され、これらの開口により前記画像データセットに歪曲収差が引き起こされ、小さい被写界深度しか可能でないという問題がある。被写界深度が小さいことも、前記シャフト上の遠位にある前記撮像素子間の基部の距離が小さいことにより生じる。少なくとも3つの画像データセットを活用することにより、曖昧さを相当程度排除し、故に前記撮像された被写体の全体としてより信頼できる情報を得ることが本発明により可能になる。
【0011】
前記3D表面データセットは、有限個の点から作成されるいわゆる「雲点」から生成することができ、又は識別された前記対応する画像点から決定された、この種類の有限個の点を含む。
【0012】
前記3つ以上の画像データセットにおける対応する画像点を識別し決定することを目的に、当業者ならば、当業者にとって既知であるアルゴリズムを利用して、例えば芯線交差法によりマルチ画像マッチングを行うことができる。
【0013】
前記データ処理ユニットが、前記3Dデータセットをリアルタイムで、例えば数秒間隔で、好ましくはミリ秒の範囲内で生成するために、前記対応する画像点を決定すると好適である。従って、前記3D表面データセットが表示ユニット上に表示されれば、被写体を或る程度リアルタイムで表現することができる。
【0014】
有利なことに、前記被写体の位置及び/又は形状の変化が、前記装置により時間に応じて決定可能である。このことは、特に前記被写体を少なくとも部分的に追跡できることを意味すると理解すべきである。場所、及び/又は配向の変化を伴う前記被写体の移動、及び/又は1つ以上の被写体の形状の変化を、連続する3Dデータセットが互いに相違するという点で前記データ処理ユニットにより決定できるのであり、1つ以上の前記被写体は、いずれの場合も前記3Dデータセットにおいて(好ましくは同時に)識別することができ、故に時間に応じて追跡することができる。このことは、使用者にとって大きな利益を生み出す。医療内視鏡との関連でいえば、この医療内視鏡により例えば脈動器官が識別され追跡されることが可能になる。
【0015】
前記データ処理ユニットが、2つの画像データセットを使用して立体画像データセットを生成し、この立体画像データセットが、少なくとも1つの更なる画像データセットにおける対応する画像点について調べられることを実現することができる。
【0016】
更に、それぞれの2つの画像データセットが互いに立体的に組み合わされて更なる画像データセットと比較されることを実現することができる。それ故に好適な実施形態において、前記データ処理ユニットが、前記2つの画像データセットの各々から立体画像データセットを生成し、この立体画像データセットがそれぞれ、更なる画像データセットにおける対応する画像点について調べられると有利である。
【0017】
前記装置が、前記データ処理ユニットに連結された表示ユニットを含むことを実現することができる。
【0018】
前記データ処理ユニットが、2つの画像データセットを使用して前記被写体の立体画像を生成し、この立体画像を前記表示ユニット上で表現すると好ましい。前記被検体内で前記内視鏡を案内することを目的に、使用者に‐例えば前記外科医に‐直観的に理解可能な立体画像を表示することが可能である。
【0019】
別法として又は追加として、前記データ処理ユニットが、前記3Dデータセットの画像を特に時間に応じて前記表示ユニット上で表現すると好ましい。前記データ処理ユニットにより前記被写体を画像情報から復元させて生成される前記3D(表面)データセットは、内視鏡手術中に、価値のある付加的な情報を使用者に与えることができる。前記被写体の関心のある特性を際立たせるために、人工的な色彩での表示が可能である。有利なことに、使用者が表現された前記3Dデータセット内を見て回ることが可能であり、このことを目的に前記内視鏡を案内する必要無しに前記被写体を異なる側面から閲覧することができる。
【0020】
有利な実施形態において、前記撮像素子は前記シャフト上で同一線上に配置することができる。前記シャフトの遠位端の平面図において、前記撮像素子は互いに隣接して、例えば等距離のところに横たわらせて位置決めすることができる。この場合、前記撮像素子により規定されるそれぞれの軸は、前記撮像素子を通過する直線に沿って配置される及び/又は対で互いに平行に配向される。
【0021】
異なる種類の有利な実施形態において、前記撮像素子のうちの1つが、前記シャフト上で、2つの更なる他の撮像素子により形成される基部に関して対称に配置されると好ましい。例えば、2つの撮像素子が立体系の基部を形成し、第3の撮像素子が前記基部に関して対称に位置決めされる。
【0022】
好ましくは、特に最後に挙げた有利な実施形態において、前記撮像素子が、前記シャフト上でいずれの場合も、前記シャフトの平面図に関して近位方向において規則的に、例えば二等辺三角形、特に正三角形に配置される。前記撮像素子、例えば3つの撮像素子の規則的配置を正三角形にすれば、極力コンパクトな前記内視鏡の組立てを達成することが可能である。
【0023】
少なくとも2つの撮像素子が互いに平面に配置されると好ましいことが分かる。本文献において当業者であれば、これにより特に前記撮像素子の光軸が互いに平行に配向されることを理解することができる。好ましくは、前記撮像素子の光学面、特にレンズ面は合致する。
【0024】
別法として又は追加として、少なくとも2つの画像センサが互いに平面に配置されることを実現することができる。本文献においてこのことは、特に前記画像センサにより形成される平面が合致し得る又は互いに平行に配置され得ることを意味すると理解することができる。
【0025】
有利な実施形態において、全ての前記撮像素子及び/又は全ての前記画像センサがそれぞれ、互いに平面に配置されることが実現される。
【0026】
前記撮像素子の光学的撮像特性(開口、焦点距離等)は、好ましくは同一である。前記撮像ユニットの撮像特性は、総じて同一とすることができる。
【0027】
有利な実施形態において、前記画像センサが、前記シャフト内に配置されると共に、信号線を経由して前記データ処理ユニットに連結され、このデータ処理ユニットが前記被検体の外部に位置決めされると好ましい。特に、いわゆる「チップオンティップ」内視鏡を提供することができる。
【0028】
異なる種類の有利な実施形態において、前記撮像素子が、前記シャフト内を案内される導光素子を経由して前記画像センサに連結され、これらの画像センサが前記被検体の外部でハウジング内に配置されることが実現される。被写体は、前記撮像素子を経由して前記導光素子内へと撮像され、これらの導光素子を経由して、前記被検体の外部に配置された前記画像センサに送られる。
【0029】
前記装置が、前記被検体内に導入可能である少なくとも1つの照明素子を有する照明ユニットを含むと好ましいことが分かる。このことは、光景を照明して被写体の上質な画像を生成する可能性を提供する。
【0030】
有利なことに複数の照明素子が設けられる。この装置を操作する者にとって前記装置が極力多用性を備えた状態で使用可能であるように、前記照明素子は、好ましくは互いに関して自由に位置決め可能とすることができ、及び/又は、好ましくは、互いと無関係に作動可能又は作動停止可能とすることができる。
【0031】
好ましくは、照明素子が各撮像ユニットに関連付けられ、照明素子の数は撮像ユニットの数と同じにすることができる。
【0032】
前記照明素子が、前記シャフト内を案内される少なくとも1つの導光体を含む又は形成すると好ましい。前記導光体が前記シャフト内に組み入れられることにより、前記シャフトに加えて前記被検体内に導入可能である照明素子を無しで済ますことが可能になる。このことにより、内視鏡を動かすと前記導光体が同時に移動するという点で、この装置を操作する者に対する前記装置の取扱いが簡素化される。結果として、前記導光体が前記撮像素子の前記視野を有利に照明するようになっている場合、高品質な光学的撮像を達成することができる。前記導光体は、例えば前記シャフト内を案内される光ファイバの束である又はこの束を含む。
【0033】
複数の導光体がある場合、好ましくは前記導光体が、前記シャフト内で特に平面図で見て前記シャフト上の遠位に、互いに対して対称に及び/又は前記撮像素子に関して対称に配置されることが実現される。ここで、前記撮像素子の視野の照明は極力均一であることが望ましい。
【0034】
反射作用を最小にすることを目的に、前記導光体は有利なことに、前記シャフトの軸に関して前記撮像素子の径方向外側に配置することができる。本文献において、このことは、特に前記導光体が前記撮像素子の軸よりも、径方向で前記シャフト軸から遠くへと離間することを意味すると理解することができる。
【0035】
前記シャフトは、剛性又は可撓性とすることができる。可撓性のシャフトである場合、前記シャフトの可撓性の性質を硬くすることを実現することができる。
【0036】
以下で、前記画像センサの異なる実施形態に存在し得る異なる構成を検討する。原則として、画像センサは交換することが考えられ、その場合、上で説明したように、前記被検体の外部に配置されたハウジング内にこれらの画像センサを配置することが有利なことがある。
【0037】
前記3つ以上の画像センサのうちの少なくとも2つが、それらの分光感度及び/又は分解能について互いに相違することを実現することができる。
【0038】
例えば、少なくとも1つの画像センサの分光感度が、赤外線の範囲内、可視スペクトルの範囲内、又は紫外線の範囲内にあり得る。IR又はUV互換画像センサを使用する結果として、立体内視鏡を包含する、可視スペクトルの範囲内の感度を有する従来の内視鏡では利用可能でない情報を、前記装置を操作する者に提供することができる。
【0039】
前記装置の有利な実施において、前記3つ以上の画像センサのうちの少なくとも2つが、それらの分光感度及び/又は分解能について同一の構成を有することができる。
【0040】
例えば2つの画像センサが、グレースケール用又は色値(モノクロカラー)用モノクロセンサである。例えば2つのモノクロ画像センサを、カラー画像センサ(例えばRGB)と組み合わせることができる。前記モノクロセンサの前記画像データセットは、高分解能での立体視用に使用することができる。高分解能の3次元カラー表現では、前記モノクロ画像データセットは前記カラー画像データセットの助けを借りて彩色することができる。ここで、例えばパンシャープン法を採用することができる。別法として又は追加として、前記カラー画像データセットを、制御画像として及び/又は前記モノクロ画像データセット内の異常値を識別するために、活用することができる。
【0041】
異なる種類の有利な実施形態において、例えば2つのカラー画像センサ(例えばRGB)及び分光感度が赤外線又は紫外線等、別の波長範囲内にある第3の画像センサが設けられる。場合によって、別のスペクトル範囲内における前記画像データセットの分解能が低ければ、カラー画像データセットを用いて、例えばパンシャープンを使用して補償することができる。
【0042】
言及したように、2つの画像センサはモノクロセンサとすることができ、第3の画像センサはカラー画像センサとすることができる。
【0043】
異なる種類の有利な実施形態において、少なくとも1つの画像センサが、距離画像データセットを提供する飛行時間型センサであり又はこのセンサを含み、前記データ処理ユニットが、前記距離画像データセットを使用して、他の画像データセットから得られる立体画像データセットとの比較を目的に距離情報の項目を決定することを実現することができる。このことにより、ステレオマッチング用に、被写体からの表面の近接値が決定されることが可能になる。
【0044】
前記データ処理ユニットを使用して、前記撮像ユニットの撮像特性を監視が遂行可能であり、設定値条件と不一致である場合、好ましくはこの事実の表示が出力可能であると好ましい。前記データ処理ユニットは、例えば対応する画像点を時間に応じて監視することができ、故に前記画像データセットの連続的監視を或る程度遂行することができる。このことは、外因又は例えば前記内視鏡の昇温により前記撮像ユニットの配向が変化し、従って撮像特性が変化する場合に有利である。表示がある場合、前記装置を操作する者にこの状況を通知することができる。別法として又は追加として、前記データ処理ユニットが変化した撮像特性の自動補償を遂行できると好ましい。
【0045】
前記装置は、前記被検体内での取扱いを目的に少なくとも1つの器具を有することができる。前記器具、例えば外科用器具は、好ましくはコーディングを含み、コーディングが前記器具の識別を目的に、前記データ処理ユニットにより前記画像データセットにおいて検知可能である。結果として、前記器具は場所及び/又は配向について、特にその位置に関する時間に応じて追跡することができる。手術中に前記装置を操作する者を支援することを目的に、このようにして追跡される前記器具が、表示された被写体の3Dデータセットにおいて表現されることが有利である。
【0046】
導入部で言及した目的は、内視鏡のシャフトが被検体内に導入され、前記被検体内の被写体が撮像される、特に医学的応用のための被検体の内視鏡検査用の本発明による方法であって、前記シャフト上の遠位に配置される撮像素子と、これらの撮像素子に関連付けられた画像センサとをそれぞれ有する3つ以上の光学的撮像ユニットが設けられ、前記データ処理ユニットが、前記画像データセットを使用してこれらの画像データセットにおける対応する画像点を決定し、前記撮像ユニットにより撮像された前記被写体の3D表面データセットを生成する、方法により達成される。
【0047】
本発明による前記装置の説明と合わせて既に言及した利点を、前記方法を使用して同じように達成することができる。これに関して、読者は上の記述を参照することができる。
【0048】
前記方法の有利な例示的実施形態は、前記装置の有利な実施形態から生じるものであるため、これに関しても読者は上の説明を参照することができる。
【0049】
本発明の好適な実施形態の以下の記載は、図面と合わせると、本発明をより詳細に説明するように働く。本発明による前記方法は、本発明による前記装置を使用して遂行することができる。
【図面の簡単な説明】
【0050】
図1】外科医による患者への医学的応用のための本発明による内視鏡装置。
図2】概略的な形態で示す図1の装置。
図3図2の矢印「A」の方向における装置の内視鏡のシャフトの遠位端の図。
図4】内視鏡の、異なる種類の構成における図3による図。
図5】検査を受ける患者の身体における外科用器具及び被写体(器官又は同等のもの)の立体画像。
【発明を実施するための形態】
【0051】
図1及び図2は、本発明による撮像内視鏡装置の参照符号10を担持する有利な実施形態を、概略的な形態において示す。装置10が被検体12の内視鏡検査に使用され、被検体内で被写体が検査される。それらの被写体のうち、図5は例として被写体14を示す。撮像されるべき被写体は複数提供することができ、本事例ではこれらの被写体を同時に検査することができる。
【0052】
外科手術を例として装置10の使用を示すが、本発明は医学的応用に制限されるものではない。例えば、工業用装置を製造中及び保守中に監視するために内視鏡装置を使用することもできる。
【0053】
以下で説明するように、装置10は3つの撮像ユニットを含む。既に言及したように、他の種類の実施形態が4つ以上の撮像ユニットを含むことができる。
【0054】
それ故に、本例示的応用において被検体12は患者18の身体16であり、被写体14は、例えば腹腔22内の検査器官20である。装置10を操作する者は外科医24である。
【0055】
装置10は、外科医24により手動で案内されると共に、持ち手部28及びシャフト30を有する内視鏡26を含み、シャフト30は、持ち手部上で保持されて身体16内に少なくとも部分的に導入可能である。シャフト30は遠位端32を有し、遠位端32は内視鏡26が使用中のとき、外科医24から遠く離れた端部に配置される。持ち手部28は、ハウジング34を含む又はハウジング34を形成する。
【0056】
本事例において、シャフト30は剛性であるように構成されるが可撓性とすることもできよう。別法として又は追加として、シャフト30はその位置が可変であるように持ち手部28上で保持されることを実現することができる。
【0057】
更に装置10はデータ処理ユニット36を含み、データ処理ユニット36は、本事例において、信号を送出できるよう互いに連結されると共に、ハウジング38、40内に配置される2つの構成部品を含む。ハウジング38内にはデータ処理ユニット36の評価ユニット42が収容され、ハウジング40内にはプロセッサユニット44が収容される。言うまでもないことであるが、評価ユニット42と、この評価ユニットに連結されたプロセッサユニット44の両方を収容する共通のハウジングをデータ処理ユニット36が有することも考えられる。
【0058】
データ処理ユニット36は、特に画像ディスプレイ48を含む表示ユニット46に連結される。
【0059】
本文献において、装置10は3つの光学的撮像ユニット50、52、及び54を含む。各撮像ユニット50、52、54は、シャフト30内で遠位端32に装着される撮像素子56、58、及び60をそれぞれ含む。撮像素子56、58、60は、好ましくは、同一の構成を有することができ、例えばレンズの形態である。
【0060】
撮像素子56、58、60は、シャフト30の遠位端32にて互いに関して平面配置に配置され、これによって規定される軸62、64、及び66がそれぞれ、互いに平行に、かつシャフト30により規定される軸68に対して平行に走る。撮像素子56、58、及び60のレンズ面は合致する。
【0061】
撮像素子56、58、及び60は、シャフト30上で互いに関して対称に、正三角形に位置決めされる(図3、シャフト30の遠位端32を近位方向において軸方向に見ている)。
【0062】
各撮像素子56、58、及び60は、腹腔22の領域、特に器官20を中に配置することのできる視野(図面には示さず)を規定する。撮像素子56、58、60のそれぞれの視野内の被写体が、撮像ユニット50、52、及び54それぞれの画像センサ70、72、及び74上にそれぞれ撮像される。それぞれの画像センサ70、72、及び74は、各撮像素子56、58、60に関連付けられる(つまり、56が70と組になり、58が72と組になり、60が74と組になる)。
【0063】
撮像素子56、58、60により集められた光が、シャフト30内を案内される導光素子(図面には示さず)により、持ち手部28のハウジング34まで案内され、ハウジング34内に画像センサ70、72、74が配置される。画像センサ70、72、74のそれぞれの上に光を結像するために、更なる撮像素子(図示せず)を設けることができる。
【0064】
別の種類の有利な実施形態において、シャフト30内に直接、例えば撮像素子56、58、60に対して近位に直接、画像センサが位置決めされ、その結果として導光素子を無しで済ますことができることを実現することができる。
【0065】
画像センサ70、72、74は、信号線76を経由して評価ユニット42に連結される。1つの画像センサ70、72、74により各々提供されたそれぞれの画像データセット78、80、及び82を、評価ユニット42の評価部材84(図2に概略的に示す)により前処理することができる。画像データセット78、80、及び82、及び/又は前処理された情報を、プロセッサユニット44の処理部材85に供給することができる。
【0066】
総じてデータ処理ユニット36の構成及びプログラミングの理由で、画像センサ70、72、及び74それぞれの画像データセット78、80、及び82を分析することが可能である。
【0067】
装置10の撮像特性を改良するために、装置10は身体の内部における光景を照明するための照明ユニット86を含む。照明ユニット86は光源88を含み、光源88は、本事例において内視鏡26の外部にあるハウジング90内で収容される。ハウジング90から内視鏡26のハウジング34まで、光ガイド92が案内される。光ガイド92に連結されるのは3つの照明素子94、96、及び98であり、3つの照明素子94、96、及び98は、本事例において、光ファイバ束の形態の導光素子の形態をとる。
【0068】
照明素子94、96、98は、ハウジング34からシャフト30を通って案内され、遠位端32のところまで延びる。
【0069】
少なくとも遠位端32の領域において、照明素子94、96、98は、互いに関して正三角形に対称に配置される(遠位端32を近位方向で見ることに関して)。更に、照明素子94、96、98の配置には、撮像素子56、58、及び60に関して対称性がある。各照明素子94、96、98は、シャフト30の軸68に関して、撮像素子56、58、及び60それぞれのうちの1つと正反対に配置される。
【0070】
このようにして、身体の内部における光景の極力一様な照明が可能になる。表示されるべき被写体での反射作用を回避することを目的に、照明素子94、96、98を、遠位で及び径方向で撮像素子56、58、及び60の外側へ配置することが有利であると分かる。
【0071】
本発明による装置の別の種類の有利な実施形態において、内視鏡26とは異なる形態をとる内視鏡100を設けることができ、そのシャフト102を図4に、図3に対応するやり方で示す。
【0072】
内視鏡100の場合、撮像素子56、58、60は同一線上に位置決めされ、その軸62、64、及び66はそれぞれ互いに平行に走る。中央の撮像素子の軸はシャフト102の軸68と合致する。
【0073】
別様に形成されたこの装置において、照明ユニット86は2つの照明素子94、96を含み、2つの照明素子94、96は、撮像素子56、58、及び60の三重配置に側方で隣接させて位置決めされる。
【0074】
既に説明したように画像センサ70、72、及び74は、異なる形態をとることができる。例えば、画像センサ70及び72は、モノクロセンサとして、特にグレースケールセンサとして、同一に構成される。それ故に画像センサ70、72は、比較的高い分解能を達成することができる。
【0075】
装置10の場合、画像センサ74は、その分解能及び/又は分光感度について、画像センサ70、72と相違させることができる。本事例において、画像センサ74は、例えば、カラー画像表現用、例えばRGBフォーマットのカラー画像センサである。
【0076】
データ処理ユニット36は、画像センサ70及び72それぞれの画像データセット78、80から立体画像104を生成するように構成されプログラムされる。立体画像104は表示ユニット46上に表現することができるのであり、この立体画像が外科医24に腹腔22内の光景を示し、外科医に対する内視鏡26の案内が促進される。
【0077】
更にデータ処理ユニット36は、画像データセット78、80、及び82を、対応する(いわゆる一致する)画像点について分析すると共に、画像データセット78、80、及び82における対応する画像点を識別するように構成されプログラムされる。このようにして第3の画像データセットを考慮に入れることにより、データ処理ユニット36が、2つの画像データセットしかない場合に発生し得る任意の曖昧さを、高レベルの精度でもって排除することが可能である。
【0078】
データ処理ユニット36は、画像データセット78、80、及び82を使用して、撮像された被写体、例えば器官20の3D表面データセットを生成することができる。3Dデータセットの3D画像106を表示ユニット46上に表現することができる。3D画像106に立体画像104を重ねることも可能である。
【0079】
画像データセット78、80、及び82の分析は、特にリアルタイムで、1秒未満の間隔をおいて実施することができる。画像データセット78、80、82を連続的に分析することにより、データ処理ユニット36が、器官20内の位置及び/又は形状の変化を時間に応じて決定することが可能である。それ故、データ処理ユニット36により器官20を追跡することができるのであり、いずれの場合も画像データセット78、80、82を連続的に分析する結果として、器官20の表面はほぼリアルタイムで復元される。このことは、外科医24にとっての装置10の有用性及び使いやすさを抜本的に増強する。特に外科医24は、従来の内視鏡装置の場合には利用可能でない、利用可能な付加的な情報を有する。
【0080】
3つの撮像ユニット50、52、及び54が考慮に入れられる際、立体表示を包含する表示用の従来の技術が医療環境において使用される際に発生する厄介さを克服することが可能である。既に言及したように、曖昧さを大いに排除することができる。このことにより、均一である又はテクスチャに欠ける器官20の領域の表面を復元することが可能になる。付加的な画像情報が、画像データセット78、80、及び82における対応する画像点の検索を促進することから、被検査器官20での反射作用はさほど邪魔にならない。
【0081】
更に全ての撮像素子56、58、及び60、そして付加的に照明素子94、96、及び98を同じシャフト30内に組み入れる結果として、全体として非常にコンパクトな形態が生み出される。患者18を低レベルの侵襲性でもって検査することが可能である。
【0082】
更に装置10は、少なくとも1つの器具108を有することができるのであり、少なくとも1つの器具108は、本事例において外科用器具110の形態をとる。器具110上にコーディング112を設けることができる。本事例においてコーディング112は、器具110のシャフト116上で互いから軸方向間隙をおいて配置される複数の同軸リング114を含む。
【0083】
データ処理ユニット36は、コーディング112から器具110を識別し、器官20と同様に、閲覧される被写体としてこの器具を追跡することができる。
【符号の説明】
【0084】
10 装置
12 被検体
14 被写体
16 身体
18 患者
20 器官
22 腹腔
24 外科医
26 内視鏡
28 持ち手部
30 シャフト
32 遠位端
34 ハウジング
36 データ処理ユニット
38 ハウジング
40 ハウジング
42 評価ユニット
44 プロセッサユニット
46 表示ユニット
48 画像ディスプレイ
50、52、54 撮像ユニット
56、58、60 撮像素子
62、64、66 軸
68 軸
70、72、74 画像センサ
76 信号線
78、80、82 画像データセット
84 評価部材
85 処理部材
86 照明ユニット
88 光源
90 ハウジング
92 光ガイド
94、96、98 照明素子
100 内視鏡
102 シャフト
104 立体画像
106 3D画像
108 器具
110 器具
112 コーディング
114 リング
116 シャフト
図1
図2
図3
図4
図5