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特開2022-6229術中迅速凍結標本作製方法、及び、固定液
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  • 特開-術中迅速凍結標本作製方法、及び、固定液 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022006229
(43)【公開日】2022-01-13
(54)【発明の名称】術中迅速凍結標本作製方法、及び、固定液
(51)【国際特許分類】
   G01N 1/30 20060101AFI20220105BHJP
   G01N 33/53 20060101ALI20220105BHJP
   G01N 33/48 20060101ALI20220105BHJP
   G01N 1/28 20060101ALI20220105BHJP
【FI】
G01N1/30
G01N33/53 Y
G01N33/48 P
G01N1/28 J
G01N1/28 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020108336
(22)【出願日】2020-06-24
【新規性喪失の例外の表示】新規性喪失の例外適用申請有り
(71)【出願人】
【識別番号】502153592
【氏名又は名称】サクラファインテックジャパン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】230100022
【弁護士】
【氏名又は名称】山田 勝重
(74)【代理人】
【識別番号】100084319
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 智重
(74)【代理人】
【識別番号】100120204
【弁理士】
【氏名又は名称】平山 巌
(72)【発明者】
【氏名】池田 聡
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 麻奈
【テーマコード(参考)】
2G045
2G052
【Fターム(参考)】
2G045AA24
2G045BA13
2G045BB23
2G045BB24
2G045BB46
2G045CB01
2G045FA18
2G045FA19
2G045FB03
2G045GC12
2G045JA01
2G052AA35
2G052FA09
2G052JA09
(57)【要約】
【課題】染色性が高く、免疫染色における抗体試薬の効力発揮に資する固定液、及び、この固定液を用いた固定化工程を備えた術中迅速凍結標本作製方法を提供する。
【解決手段】切り出された組織を凍結させて組織標本を作製する凍結工程と、凍結工程で凍結された組織標本から薄切切片を作製する切片化工程と、固定液に浸漬することによって薄切切片を固定する固定化工程と、固定化工程において得られた薄切切片に対して免疫染色を行う免疫染色工程とを有する術中迅速凍結標本作製方法であって、固定液は、溶媒に対して、ホルマリンと酢酸とを所定の比率で混合した溶液である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
切り出された組織を凍結させて組織標本を作製する凍結工程と、
前記凍結工程で凍結された前記組織標本から薄切切片を作製する切片化工程と、
前記固定液に浸漬することによって前記薄切切片を固定する固定化工程と、
前記固定化工程において得られた前記薄切切片に対して免疫染色を行う免疫染色工程とを有する
術中迅速凍結標本作製方法であって、
前記固定液は、溶媒に対して、ホルマリンと酢酸とを所定の比率で混合した溶液であることを特徴とする術中迅速凍結標本作製方法。
【請求項2】
前記溶媒は、エタノール又はメタノールである請求項1に記載の術中迅速凍結標本作製方法。
【請求項3】
前記溶媒がエタノールである場合、前記固定液における、ホルマリンとエタノールとの比率は、エタノールが30%以上70%以下の範囲である請求項2に記載の迅速凍結標本作製方法。
【請求項4】
前記溶媒がエタノールである場合、前記固定液における、ホルマリンとエタノールとの比率は、エタノールが35%以上65%以下の範囲である請求項2に記載の迅速凍結標本作製方法。
【請求項5】
前記固定液における、酢酸の添加量は、ホルマリンとエタノールとの混合溶液に対して3%以上9%以下の範囲である請求項3又は請求項4に記載の術中迅速凍結標本作製方法。
【請求項6】
前記標本は、動物及びヒトの脳、肝臓、又は、胃を含む請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の術中迅速凍結標本作製方法。
【請求項7】
術中迅速凍結標本の作製において標本を固定化するための固定液であって、
前記術中迅速凍結標本は、
切り出された組織を凍結させて組織標本を作製する凍結工程と、
前記凍結工程で凍結された前記組織標本から薄切切片を作製する切片化工程と、
固定液に浸漬することによって前記薄切切片を固定する固定化工程と、
前記固定化工程において得られた前記薄切切片に対して免疫染色を行う免疫染色工程を経て作製され、
前記固定液は、ホルマリンとエタノールとを混合した溶液に、所定量の酢酸を添加した溶液であることを特徴とする固定液。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、免疫染色を含む術中迅速凍結標本作製方法、及び、この標本作製に用いる固定液に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、標本の固定時間を短縮できるとともに、毒性が低く、標本を損傷させることがなく、かつ、良好な検査結果を得ることが可能な固定液として、エタノール、水、1,2-プロパンジオール、ポリビニルアルコール、及び、有効量の少なくとも1種類の単畳体ポリヒドロキシ化合物を含む固定液組成物を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004-271497号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、病理検査室においては、患者の負担軽減等の点から、術中迅速組織診断の件数が増加の一途をたどっており、検査の業務を圧迫する傾向にある。術中迅速組織診断では、短時間で凍結組織標本を作製することが求められるが、通常の組織診断のための組織標本のパラフィン切片のように綺麗な薄切切片を作るのが難しいことが少なくない。このように作製された標本に基づいて診断する病理医は、限られた時間内に正確な判定を迫られるため、大変なストレスのたまる業務となっている。
【0005】
このような状況に鑑みて、術中診断の標本作製において、従来のヘマトキシリン・エオジン染色によるものに加え、免疫染色によるものを併用する施設が多くなっている。免疫染色は組織診の客観的裏付けができるため、臨床家に迅速診断結果を連絡する場合にも確信をもって報告することができ、ストレスの低減に資するものとなっている。通常の組織診断のためのパラフィン切片を用いた免疫染色は、近年その結果の信頼性は確固たるものとなっており、組織診断に必要不可欠な技法として確立されつつある。
【0006】
しかしながら、年々増加しつつある術中迅速組織診断については、その凍結組織標本作製に関しては固定液をはじめ標準化が十分行われていないのが現状である。このため免疫染色を行っても抗体試薬がその効力を発揮できず、短い時間での正確な判定への寄与が十分に得られないケースが生じる恐れがあった。
【0007】
そこで本発明は、染色性が高く、免疫染色における抗体試薬の効力発揮に資する固定液、及び、この固定液を用いた固定化工程を備えた術中迅速凍結標本作製方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明の術中迅速凍結標本は、切り出された組織を凍結させて組織標本を作製する凍結工程と、凍結工程で凍結された組織標本から薄切切片を作製する切片化工程と、固定液に浸漬することによって薄切切片を固定する固定化工程と、固定化工程において得られた薄切切片に対して免疫染色を行う免疫染色工程とを経て作製され、固定液は溶媒に対して、ホルマリンと酢酸とを所定の比率で混合した溶液であることを特徴としている。
【0009】
ここでいうホルマリンとはホルムアルデヒドの水溶液である。以下で特に指定しない場合には、日本薬局方で定められた局方ホルマリンとして市販されているものを指し、35~38%ホルムアルデヒド水溶液に、10%程度のメタノールを加えた溶液である。
【0010】
本発明の術中迅速凍結標本作製方法において、溶媒は、エタノール又はメタノールであることが好ましい。
【0011】
本発明の術中迅速凍結標本作製方法において、溶媒がエタノールである場合、固定液における、ホルマリンとエタノールとの比率は、エタノールが30%以上70%以下の範囲であることが好ましい。
【0012】
本発明の術中迅速凍結標本作製方法において、溶媒がエタノールである場合、固定液における、ホルマリンとエタノールとの比率は、エタノールが35%以上65%以下の範囲であることがさらに好ましい。
【0013】
本発明の術中迅速凍結標本作製方法において、固定液における、酢酸の添加量は、ホルマリンとエタノールとの混合溶液に対して3%以上9%以下の範囲であることが好ましい。
【0014】
本発明の術中迅速凍結標本作製方法において、標本は、動物及びヒトの脳、肝臓、又は、胃など様々な組織を用いることができる。
【0015】
本発明の固定液は、術中迅速凍結標本の作製において標本を固定化するための固定液であって、術中迅速凍結標本は、切り出された組織を凍結させて組織標本を作製する凍結工程と、凍結工程で凍結された組織標本から薄切切片を作製する切片化工程と、固定液に浸漬することによって薄切切片を固定する固定化工程と、固定化工程において得られた薄切切片に対して免疫染色を行う免疫染色工程とを経て作製され、固定液は、溶媒に対して、ホルマリンと酢酸とを所定の比率で混合した溶液であることを特徴としている。
【発明の効果】
【0016】
本発明によると、染色性が高く、免疫染色における抗体試薬の効力発揮に資する固定液、及び、この固定液を用いた固定化工程を備えた術中迅速凍結標本作製方法を提供することができる。
【0017】
より具体的には、多種の固定液を用いて免疫染色を術中迅速凍結組織診断に応用する場合に有効な固定液について検討を行った結果、溶媒としてのエタノール又はメタノールと、ホルマリンとの混合液で染色性が良いことが分かった。さらに、エタノールとホルマリンの混合比などの検討、酢酸添加の影響について調べた結果、所定の比率の範囲で、それ以外の範囲と比べて、染色性が特に高くなることが分かった。これに加えて、エタノールとホルマリンの混合液に対して、酢酸を所定の比率の範囲で添加すると、それ以外の範囲と比べて、染色性がさらに高くなることが分かった。これにより、エタノールやメタノールなどの溶媒に、所定の比率で、ホルマリンと酢酸を添加した固定液を用いると、染色性が高く、凍結切片の免疫染色に効果的であることがわかった。この固定液を用いて免疫染色を行うと他の固定液のものに比べ有意に染色の感度特異度が高く、この固定液を選択することで他の固定液では染色されなかった抗原に対しても反応が得られる。加えて、診断に必須であるHE染色(ヘマトキシリン・エオジン染色)についてもこの固定液を用いると他よりも非常にきれいな像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】(a)、(b)はそれぞれ、実施例1のNo.6とNo.4の条件における、肝臓の染色結果を示す画像、(c)、(d)はそれぞれ、実施例2のNo.5とNo.1の条件における、肝臓の染色結果を示す画像である。
図2】(a)、(b)はそれぞれ、実施例3のNo.11とNo.2の条件における、肝臓の染色結果を示す画像、(c)、(d)はそれぞれ、実施例4のNo.5とNo.1の条件における、肝臓の染色結果を示す画像である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態に係る固定液、及び、この固定液を用いた迅速凍結標本作製方法について詳しく説明する。
本実施形態の固定液は、以下の工程を有する術中迅速凍結標本作成方法のうちの固定化工程で用いられる。すなわち、本実施形態の術中迅速凍結標本作成方法は、(1)切り出された組織を凍結させて組織標本を作製する凍結工程と、(2)凍結工程で凍結された組織標本から薄切切片を作製する切片化工程と、(3)固定液に浸漬することによって薄切切片を固定する固定化工程と、(4)固定化工程において得られた薄切切片に対して免疫染色を行う免疫染色工程とを有する。
【0020】
固定液は、溶媒に対して、ホルマリン(商標)と酢酸とを所定の比率で混合した溶液であり、その詳細について以下に説明する。
【0021】
溶媒は、エタノール又はメタノールであることが好ましい。溶媒がエタノールである場合、固定液における、ホルマリンとエタノールとの比率は、エタノールが30%以上70%以下の範囲であることが好ましい。この範囲に設定することにより、免疫染色工程において染色性が極めて良い標本を得ることができ、抗体試薬が十分に効力を発揮でき、短時間で正確な判定を行うことができるようになり、信頼性の高い組織診断を行うことが可能となる。
【0022】
溶媒がエタノールである場合、さらに好ましくは、固定液における、ホルマリンとエタノールとの比率は、エタノールが35%以上65%以下の範囲であるとよい。この範囲に設定することにより、染色性がさらに高まり、より信頼性の高い組織診断を迅速に行うことができる。
【0023】
固定液における、酢酸の添加量については、ホルマリンとエタノールとの混合溶液に対して3%以上9%以下の範囲であることが好ましい。この範囲に設定することにより、染色性がさらに高まり、より信頼性の高い組織診断を迅速に行うことができる。
【0024】
固定液における、ホルマリンとエタノールとの比率は、ホルマリンが50%でエタノールが50%であることが最も好ましく、酢酸の添加量は、ホルマリンとエタノールとの混合溶液に対して5%であることが好ましい。
【0025】
(実施例1)
表1は、固定液として、6種類の溶媒に対してホルマリンと酢酸を混合した溶液を用いて、対象となる標本を固定化し、固定化された標本を凍結させた後に作製した切片に、抗体試薬を添加した場合の染色結果を示す表である。凍結組織切片の作製にあたってはOCTコンパウンド(Optimal Cutting Temperature Compound、サクラファインテックジャパン株式会社製)で包埋し、ヒストテックピノ(商標、凍結ブロック作製装置、サクラファインテックジャパン株式会社製)を用いて凍結し、薄切はポーラー(商標、凍結組織切片作製装置、サクラファインテックジャパン株式会社製)を用いて行った。染色に当たってはR-IHC(商標、電界撹拌染色装置、サクラファインテックジャパン株式会社製)を用いて一次抗体反応時間5分にて行った。標本としては、豚の大脳、肝臓、胃を用い、抗体試薬としては、豚組織に反応することが確認されているものとして、脳の場合はGFAP抗体、肝臓と胃の場合はCK(サイトケラチン)を用いた。染色結果は、各No.において、豚の大脳、肝臓、及び胃について撮影した写真を観察し、染色状態を目視で評価したものである。結果欄において、◎(二重丸)はいずれの標本についても極めて良好な場合であり、○(一重の丸)は、いずれの標本についても良好である場合や、極めて良好な場合と良好な場合が混在する場合であって、◎と○のいずれの場合も免疫染色に適している。一方、△(三角)は染色できたが状態が好ましくないもの、×(バツ)は染色できなかった、又は、染色できたが極めて状態がよくないものであり、免疫染色に適さない。なお、◎、○などの評価はそれぞれの実施例での相対的な評価であり、全体を通しての絶対的評価ではない。
【0026】
【表1】
【0027】
表1に示すように、溶媒としては、メタノールとエタノールが好ましいことが分かった。例えば、評価が◎であるNo.6は、図1(a)に示すように高い染色性を示しているが、評価が△であるNo.4は、図1(b)に示すように染色性が低くなっている。実施例1においては、いずれの溶媒の場合においても、溶媒とホルマリンとの混合溶液に対して酢酸を5%添加しており、メタノール又はエタノールを溶媒とした場合、酢酸5%の添加量において好ましい染色性が得られることが分かった。
【0028】
(実施例2)
表2は、エタノールを溶媒として、ホルマリンと酢酸を混合した固定液を用いて、実施例1と同様に、対象となる標本を凍結させて組織標本を作製し、この組織標本を薄切した切片を固定液にて固定し、その切片に抗体試薬を添加した場合の染色結果を示す表である。実施例2においては、ホルマリンと、溶媒としてのエタノールとの比率を9対1から1対9の間で9種類設定している。ホルマリンとエタノールとの混合溶液に対する酢酸の添加の比率は5%で一定である。使用した標本と抗体試薬は実施例1と同様であり、染色結果についても実施例1と同様に評価した。
【0029】
【表2】
【0030】
表2に示すように、ホルマリンとエタノールとの比率としては、7対3から3対7までの範囲が好ましいことが分かる。すなわち、エタノールが30%以上70%以下の範囲が好ましい。例えば、評価が◎であるNo.5は、図1(c)に示すように高い染色性が得られているが、評価が×のNo.1は、図1(d)に示すように染色性が著しく低くなっている。また、エタノールを溶媒とした場合、酢酸5%の添加量において好ましい染色性が得られることが分かった。
【0031】
(実施例3)
表3は、実施例2と同様にエタノールを溶媒として、ホルマリンと酢酸を混合した固定液を用いており、実施例1と同様に、対象となる標本を凍結させて組織標本し、この組織標本を薄切した切片を固定液にて固定し、その切片に抗体試薬を添加した場合の染色結果を示す表である。実施例3においては、実施例2に対して、ホルマリンとエタノールとの混合比率をより細かく設定している。また、ホルマリンとエタノールとの混合溶液に対する酢酸の添加の比率は5%で一定である。使用した標本と抗体試薬は実施例1、2と同様であり、染色結果についても実施例1、2と同様に評価した。
【0032】
【表3】
【0033】
表3に示すように、ホルマリンとエタノールとの比率としては、6.5対3.5から3.5対6.5までの範囲が好ましいことが分かる。すなわち、エタノールが35%以上65%以下の範囲が好ましい。この範囲は、実施例2で好ましいと判断された、30%以上70%以下の範囲と重なっており、極めて好ましい範囲であると考えられる。例えば、評価が◎のNo.11は、図2(a)に示すように高い染色性を示しているが、評価が×のNo.2は、図2(b)に示すように染色性が著しく低くなっている。なお、フォルダ番号8については、染色ムラなどの、固定液以外の因子により△の結果となっている。
【0034】
(実施例4)
表4は、エタノールを溶媒として、ホルマリンと酢酸を混合した固定液を用いて、実施例1と同様に、対象となる標本を凍結させて組織標本を作製し、この組織標本を薄切した切片を固定液にて固定し、その切片に抗体試薬を添加した場合の染色結果を示す表である。実施例4においては、エタノールの量を25mlで一定として、ホルマリンを20から24.5mlまでの10種類、酢酸0.5から5mlの10種類用意した。これにより、ホルマリンとエタノールとの混合溶液に対する酢酸の比率を1から10%の10種類設定した。使用した標本と抗体試薬は実施例1~3と同様であり、染色結果についても実施例1~3と同様に評価した。
【0035】
【表4】
【0036】
表4に示すように、酢酸の比率としては、3%から9%までの範囲が好ましく、特に、5%から8%の範囲がより好ましいことが分かった。例えば、評価が◎のNo.5は、図2(c)に示すように高い染色性が得られているが、評価が×のNo.1は、図2(d)に示すように染色性が著しく低くなっている。実施例1から3の結果を合わせて考えると、酢酸の比率としては、5%から8%の範囲が特に好ましいと考えられる。
本発明について上記実施形態を参照しつつ説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、改良の目的または本発明の思想の範囲内において改良または変更が可能である。
図1
図2