(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022062300
(43)【公開日】2022-04-20
(54)【発明の名称】テーピング装置
(51)【国際特許分類】
B65B 15/04 20060101AFI20220413BHJP
【FI】
B65B15/04 L
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020170201
(22)【出願日】2020-10-08
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-06-16
(71)【出願人】
【識別番号】597168228
【氏名又は名称】日本ファインテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100163267
【弁理士】
【氏名又は名称】今中 崇之
(72)【発明者】
【氏名】堀口 桂
(57)【要約】
【課題】キャリアテープに挿入された電子部品が飛び出すことを抑制できるテーピング装置を提供する。
【解決手段】テーピング装置10は、電子部品EPをキャリアテープCTに挿入する電子部品挿入部50と、電子部品挿入部50の下方に配置され、キャリアテープCTを案内する第1の案内部60と、第1の案内部60よりも下流側に設けられ、キャリアテープCTを送るための単一の回転体と、を備える。第1の案内部60は、電子部品挿入部50によって電子部品EPが挿入される挿入位置P1を基準としてキャリアテープCTの搬送経路の上流側から下流側まで延びている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子部品をキャリアテープに挿入する電子部品挿入部と、
前記電子部品挿入部の下方に配置され、前記キャリアテープを案内する第1の案内部と、
前記第1の案内部よりも下流側に設けられ、前記キャリアテープを送るための単一の回転体と、を備えたテーピング装置。
【請求項2】
電子部品をキャリアテープに挿入する電子部品挿入部と、
前記電子部品挿入部の下方に配置され、前記キャリアテープを案内する第1の案内部と、
前記第1の案内部よりも下流側のみに設けられ、前記キャリアテープを送るための回転体と、を備えたテーピング装置。
【請求項3】
請求項1又は2記載のテーピング装置において、
前記第1の案内部が、前記電子部品挿入部によって電子部品が挿入される挿入位置を基準として前記キャリアテープの搬送経路の上流側から下流側まで延びているテーピング装置。
【請求項4】
請求項3記載のテーピング装置において、
前記キャリアテープにカバーテープを貼り付けるカバーテープ貼付部を更に備え、
前記回転体が、前記カバーテープ貼付部よりも、前記搬送経路の下流側に配置されているテーピング装置。
【請求項5】
請求項4記載のテーピング装置において、
キャリアテープを曲線状の搬送経路に沿うように案内する第2の案内部を更に備えるテーピング装置。
【請求項6】
請求項5記載のテーピング装置において、
前記第2の案内部が、前記第1の案内部よりも前記搬送経路の上流側に配置されているテーピング装置。
【請求項7】
請求項6記載のテーピング装置において、
前記第1の案内部に、前記搬送経路に沿って前記キャリアテープのポケットが通る溝が形成され、該溝の位置に該キャリアテープを吸着する吸着孔が設けられているテーピング装置。
【請求項8】
請求項7記載のテーピング装置において、
前記吸着孔が、前記挿入位置に対応する位置に設けられているテーピング装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テーピング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、電子部品を収納するためのポケットが長手方向に並設されたキャリアテープを、長手方向に走行させるキャリアテープ走行装置が記載されている。
このキャリアテープ走行装置は、キャリアテープを挟む両側に設けられることにより、長手方向の走行経路を形成し、キャリアテープの側縁に接近及び離反する方向に移動する一対のサイドガイドと、走行経路がキャリアテープの複数種の幅に対応する幅となる位置に、一対のサイドガイドを段階的に固定する固定装置と、を有することを特徴としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、一般に、キャリアテープに電子部品を挿入した後にこのキャリアテープを封止するテーピング装置において、キャリアテープを送るための回転体は、電子部品をキャリアテープに挿入する挿入位置の近傍に設けられている。そのため、回転体の動作に起因してキャリアテープに振動が生じ、一度挿入された電子部品が飛び出してしまう場合があった。
本発明は、キャリアテープに挿入された電子部品が飛び出すことを抑制できるテーピング装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明は、電子部品をキャリアテープに挿入する電子部品挿入部と、前記電子部品挿入部の下方に配置され、前記キャリアテープを案内する第1の案内部と、前記第1の案内部よりも下流側に設けられ、前記キャリアテープを送るための単一の回転体と、を備えたテーピング装置である。
【0006】
請求項2に記載の発明は、電子部品をキャリアテープに挿入する電子部品挿入部と、前記電子部品挿入部の下方に配置され、前記キャリアテープを案内する第1の案内部と、前記第1の案内部よりも下流側のみに設けられ、前記キャリアテープを送るための回転体と、を備えたテーピング装置である。
【0007】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2記載のテーピング装置において、前記第1の案内部が、前記電子部品挿入部によって電子部品が挿入される挿入位置を基準として前記キャリアテープの搬送経路の上流側から下流側まで延びている。
【0008】
請求項4に記載の発明は、請求項3記載のテーピング装置において、前記キャリアテープにカバーテープを貼り付けるカバーテープ貼付部を更に備え、前記回転体が、前記カバーテープ貼付部よりも、前記搬送経路の下流側に配置されている。
【0009】
請求項5に記載の発明は、請求項4記載のテーピング装置において、キャリアテープを曲線状の搬送経路に沿うように案内する第2の案内部を更に備える。
【0010】
請求項6に記載の発明は、請求項5記載のテーピング装置において、前記第2の案内部が、前記第1の案内部よりも前記搬送経路の上流側に配置されている。
【0011】
請求項7に記載の発明は、請求項6記載のテーピング装置において、前記第1の案内部に、前記搬送経路に沿って前記キャリアテープのポケットが通る溝が形成され、該溝の位置に該キャリアテープを吸着する吸着孔が設けられている。
【0012】
請求項8に記載の発明は、請求項7記載のテーピング装置において、前記吸着孔が、前記挿入位置に対応する位置に設けられている。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、キャリアテープに挿入された電子部品が飛び出すことを抑制できるテーピング装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の一実施の形態に係るテーピング装置の構成を模式的に示す説明図である。
【
図2】(A)、(B)はそれぞれ、同テーピング装置が備える案内部によって案内されるキャリアテープの表面側を示す説明図及び搬送方向と直交する平面で切断した断面を示す説明図である。
【
図3】同テーピング装置が備える案内部の周辺を拡大した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。なお、図において、説明に関連しない部分は図示を省略する場合がある。
【0016】
本発明の一実施の形態に係るテーピング装置10は、
図1に示すように、電子部品EPをキャリアテープCTに挿入し、キャリアテープCTにカバーテープ12を貼付してテーピングすることができる。なお、同
図1において、キャリアテープCTは一部が省略して描かれている。
キャリアテープCTに挿入される電子部品EPは、例えば、0201サイズ及び0402サイズその他の微小な抵抗やコンデンサ等のチップ部品である。また、電子部品EPは、例えば、厚みが100μm以下の薄型の部品であってもよい。
【0017】
テーピング装置は、キャリアテープ供給部20、カバーテープ供給部30、案内部40、電子部品挿入部50、案内部60、外観検査部70、カバーテープ貼付部80、単一の回転体90、巻取部100及び制御部110を備えている。
【0018】
キャリアテープ供給部20は、モータ(不図示)を有し、キャリアテープCTを供給できる。供給されるキャリアテープCTは、このモータによって回転軸AX1回りに回転するリール22に巻き取られている。
キャリアテープCTには、
図2(A)に示すように、電子部品EPが収められる凹状のポケットPCT及び長手方向に沿って間隔を空けて形成された送り孔Hctが設けられている。
【0019】
カバーテープ供給部30は、
図1に示すように、回転軸AX2回りに回転するリール32に巻き取られたカバーテープ12を供給できる。
【0020】
案内部(第2の案内部の一例)40は、
図3に示すように、その表面が湾曲しており、キャリアテープCTがこの表面に沿って移動することによって、キャリアテープ供給部20から供給されたキャリアテープCTを円弧状(曲線状)の搬送経路に沿うように案内できる。
案内部40には、
図3に示すように、搬送経路に沿ってポケットPCTが通る溝402が形成され、この溝402の底部には、間隔を空けて負圧を生じる複数の吸着孔404が設けられている。各吸着孔404の間隔は、搬送経路の上流側よりも下流側の方、すなわち、電子部品挿入部50に近い方が狭くなるように設定されている。
また、各吸着孔404は、
図2(B)に示すように、その直径が、溝402の幅よりも小さくなるように形成されている。
従って、キャリアテープCTは、ポケットPCTの裏面及びその周囲を除く部分が案内部40の表面に接触するとともに、溝402にポケットPCTの裏面及びその周囲が吸着され、案内部40に沿って移動する。
【0021】
電子部品挿入部50は、搬送コレット502を有している。搬送コレット502は、図示しない上下方向に延びる回転軸回りに回転する回転テーブル(不図示)の外周部に沿って、間隔をあけて複数配置されている。搬送コレット502は、先端部に吸着孔が形成され、電子部品EPの上面をエア吸着して保持できる。搬送コレット502は、図示しないモータやエアシリンダによって駆動され、上下方向(
図1の矢印で示すZ方向)に移動できる。
【0022】
従って、電子部品EPは、搬送コレット502によって吸着され、回転テーブルの回転に伴って、キャリアテープCTのポケットPCTがある挿入位置P1の上方まで搬送される。その後、電子部品EPは、搬送コレット502が下降することによって、ポケットPCTの内部に挿入される。
なお、搬送コレット502がポケットPCTに電子部品EPを挿入する際には、キャリアテープCTは静止する。
【0023】
案内部(第1の案内部の一例)60は、
図3に示すように、案内部40に続いて搬送経路の下流側に配置され、電子部品挿入部50によって電子部品EPが挿入される挿入位置P1を基準として(挿入位置P1から見て)搬送経路の上流側から下流側まで延びている。すなわち、案内部60は、電子部品挿入部50の上流側から外観検査部70の下方を通ってカバーテープ貼付部80まで直線状に延びており、案内部40に案内されたキャリアテープCTを案内できる。
案内部60は、搬送経路に沿ってポケットPCTが通る溝602が形成され、この溝602の位置には、間隔を空けて負圧を生じる複数の吸着孔604a、604b、604c、604d、604e、604fが順に設けられている。これら吸着孔604a、604b、604c、604d、604e、604fのうち、吸着孔604aは、挿入位置P1に対応する位置(挿入位置P1の下方の位置)に配置され、吸着孔604aは、検査位置P2に対応する位置(検査位置P2の下方の位置)に配置されている。各吸着孔604a、604b、604c、604d、604e、604fの直径は、溝602の幅よりも大きくなっている。
従って、キャリアテープCTは、ポケットPCTの裏面及びその周囲を除く部分が案内部60の表面に接触するとともに、溝602にポケットPCTの裏面及びその周囲が吸着され、案内部60に沿って移動する。
なお、案内部60と案内部40とつなぎ目には、空隙が設けられている。
【0024】
外観検査部70は、カメラであり、キャリアテープCTに挿入された電子部品EPの外観に異常がないことを検査できる。
外観検査部70は、電子部品挿入部50よりもキャリアテープCTの搬送経路の下流側に配置され、検査位置P2にある電子部品EPを撮像し、検査する。
【0025】
カバーテープ貼付部80は、電子部品EPが挿入されたキャリアテープCTにカバーテープ12を貼付できる。
カバーテープ貼付部80は、外観検査部70よりもキャリアテープCTの搬送経路の下流側に配置され、
図1に示すように、カバーテープ12を加熱して圧着するコテ802及びこのコテ802を受けるコテ受け804を有している。
カバーテープ12は、これらコテ802及びコテ受け804によって加熱及び圧着されることにより、キャリアテープCTに貼付される。
【0026】
回転体90は、キャリアテープCTを送ることができる。回転体90は、円板状の回転部材901を有し、この回転部材901の外周面には、キャリアテープCTの長手方向に沿って形成された送り孔Hct(
図2(A)参照)に嵌まる突起902が複数形成されている。回転体90は、突起902が送り孔Hctに嵌まり、キャリアテープCTの表面側(上側)から見てキャリアテープCTの搬送方向(
図1の矢印で示すA方向)と交差して延びる回転軸AX3回りに回転することによって、キャリアテープCTをA方向へ送ることができる。
回転体90は、カバーテープ貼付部80よりもキャリアテープCTの搬送経路の下流側のみに配置され、モータ(不図示)により駆動される。なお、
図1に示す回転体90は、
図3に示すカバー906の内部に収納されている。
回転体90は、キャリアテープCTを搬送する搬送系において、ただ1つのみ設けられていることが好ましい。
【0027】
巻取部100は、
図1に示すように、キャリアテープCTを収納するリール102が取り付けられ、このリール102が回転軸AX4回りに回転することで、カバーテープ12にて封止されたキャリアテープCTを巻き取ることができる。
巻取部100は、リール102を回転体90の動作に応じて回転するモータ(不図示)を有している。
巻取部100は、回転体90よりもキャリアテープCTの搬送経路の下流側に配置される。
【0028】
制御部110(
図1参照)は、回転体90を駆動するモータ(不図示)を制御するためのコントローラ及びモータドライバを有している。
また、制御部110は、キャリアテープ供給部20、電子部品挿入部50、外観検査部70及び巻取部100の動作も制御できる。
【0029】
次に、テーピング装置10の動作、特にキャリアテープCTの動きについて説明する。
まず、回転体90が回転すると、キャリアテープCTがキャリアテープ供給部20のリール22から引き出される。
【0030】
次に、リール22から引き出されたキャリアテープCTは、案内部40に案内されながら湾曲した搬送経路に沿って搬送される。その際、キャリアテープCTは吸着孔404(
図3参照)によって搬送が阻害されない程度の吸着力で吸着された状態で、搬送方向に移動する。
【0031】
続いて、キャリアテープCTは、案内部60に案内されながら直線状の搬送経路に沿って搬送される。その際も、キャリアテープCTは吸着孔604a~604fによって搬送が阻害されない程度の吸着力で吸着された状態で、間欠的に静止するとともに電子部品挿入部50(
図1参照)により電子部品EPが挿入され、搬送方向に移動する。
電子部品EPが挿入されたキャリアテープCTは、検査位置P2へと移動し、外観検査部70によって電子部品EPの外観の良否が検査される。
【0032】
外観検査部70を通過した後、キャリアテープCTには、カバーテープ貼付部80によってカバーテープ12が貼付される。
最後に、カバーテープ12によって封止されたキャリアテープCTは、更に搬送経路の下流側へと搬送され、巻取部100に取り付けられたリール102に巻き取られる。
【0033】
以上説明したように、本実施の形態に係るテーピング装置10によれば、従来のように、電子部品挿入部50の近傍に回転体が設けられていないため、この回転体の動作に起因してキャリアテープCTに生じる振動が低減され、挿入された電子部品EPがポケットPCTから飛び出すことが抑制される。
また、電子部品挿入部50の近傍において、キャリアテープCTが案内部40及び案内部60に吸着され、キャリアテープCTに生じる上下方向の振動が低減されることから、挿入された電子部品EPがポケットPCTから飛び出すことが更に抑制される。
【0034】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明は、上記した形態に限定されるものでなく、要旨を逸脱しない条件の変更等は全て本発明の適用範囲である。
【符号の説明】
【0035】
10 テーピング装置
12 カバーテープ
20 キャリアテープ供給部
22 リール
30 カバーテープ供給部
32 リール
40 案内部
50 電子部品挿入部
60 案内部
70 外観検査部
80 カバーテープ貼付部
90 回転体
100 巻取部
102 リール
110 制御部
402 溝
404 吸着孔
502 搬送コレット
602 溝
604a、604b、604c、604d、604e、604f 吸着孔
802 コテ
804 コテ受け
901 回転部材
902 突起
906 カバー
AX1、AX2、AX3、 回転軸
CT キャリアテープ
EP 電子部品
Hct 孔
PCT ポケット
【手続補正書】
【提出日】2021-03-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
長手方向に沿って複数の送り孔が形成されたキャリアテープに電子部品を挿入する電子部品挿入部と、
前記電子部品挿入部の下方に配置され、前記キャリアテープを直線状の搬送経路に沿うように案内する第1の案内部と、
前記第1の案内部よりも下流側のみに設けられ、前記送り孔に嵌る突起が複数形成された単一の回転体と、を備えたテーピング装置であって、
前記キャリアテープを吸着する複数の吸着孔がそれぞれ形成され、該キャリアテープを曲線状の搬送経路に沿うように案内する第2の案内部を備え、
前記複数の吸着孔が、前記電子部品挿入部に近い方の間隔が狭くなるように設けられているテーピング装置。
【請求項2】
長手方向に沿って複数の送り孔が形成されたキャリアテープに電子部品を挿入する電子部品挿入部と、
前記電子部品挿入部の下方に配置され、前記キャリアテープを吸着する第1の吸着孔及び第2の吸着孔がそれぞれ形成され、該キャリアテープを直線状の搬送経路に沿うように案内する第1の案内部と、
前記キャリアテープを吸着する複数の第3の吸着孔がそれぞれ形成され、該キャリアテープを曲線状の搬送経路に沿うように案内する第2の案内部と、
前記第1の案内部よりも下流側のみに設けられ、前記送り孔に嵌る突起が複数形成された単一の回転体と、
前記キャリアテープに挿入された前記電子部品を撮像するカメラと、を備えたテーピング装置であって、
前記第1の吸着孔が、前記電子部品挿入部によって前記電子部品が挿入される挿入位置に対応する位置に設けられ、
前記第2の吸着孔が、前記カメラによって前記電子部品が撮像される検査位置に対応する位置に設けられ、
前記複数の第3の吸着孔が、それぞれ、前記電子部品挿入部に近い方の間隔が狭くなるように設けられているテーピング装置。
【請求項3】
請求項1又は2記載のテーピング装置において、
前記第1の案内部が、前記電子部品挿入部によって電子部品が挿入される挿入位置を基準として前記キャリアテープの搬送経路の上流側から下流側まで延びているテーピング装置。
【請求項4】
請求項3記載のテーピング装置において、
前記キャリアテープにカバーテープを貼り付けるカバーテープ貼付部を更に備え、
前記回転体が、前記カバーテープ貼付部よりも、前記搬送経路の下流側に配置されているテーピング装置。
【請求項5】
請求項4記載のテーピング装置において、
前記第2の案内部が、前記第1の案内部よりも前記搬送経路の上流側に配置されているテーピング装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テーピング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、電子部品を収納するためのポケットが長手方向に並設されたキャリアテープを、長手方向に走行させるキャリアテープ走行装置が記載されている。
このキャリアテープ走行装置は、キャリアテープを挟む両側に設けられることにより、長手方向の走行経路を形成し、キャリアテープの側縁に接近及び離反する方向に移動する一対のサイドガイドと、走行経路がキャリアテープの複数種の幅に対応する幅となる位置に、一対のサイドガイドを段階的に固定する固定装置と、を有することを特徴としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、一般に、キャリアテープに電子部品を挿入した後にこのキャリアテープを封止するテーピング装置において、キャリアテープを送るための回転体は、電子部品をキャリアテープに挿入する挿入位置の近傍に設けられている。そのため、回転体の動作に起因してキャリアテープに振動が生じ、一度挿入された電子部品が飛び出してしまう場合があった。
本発明は、キャリアテープに挿入された電子部品が飛び出すことを抑制できるテーピング装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明は、長手方向に沿って複数の送り孔が形成されたキャリアテープに電子部品を挿入する電子部品挿入部と、前記電子部品挿入部の下方に配置され、前記キャリアテープを直線状の搬送経路に沿うように案内する第1の案内部と、前記第1の案内部よりも下流側のみに設けられ、前記送り孔に嵌る突起が複数形成された単一の回転体と、を備えたテーピング装置であって、前記キャリアテープを吸着する複数の吸着孔がそれぞれ形成され、該キャリアテープを曲線状の搬送経路に沿うように案内する第2の案内部を備え、前記複数の吸着孔の間隔が、前記電子部品挿入部に近い方が狭くなるように設定されているテーピング装置である。
【0006】
請求項2に記載の発明は、長手方向に沿って複数の送り孔が形成されたキャリアテープに電子部品を挿入する電子部品挿入部と、前記電子部品挿入部の下方に配置され、前記キャリアテープを吸着する第1の吸着孔及び第2の吸着孔がそれぞれ形成され、該記キャリアテープを直線状の搬送経路に沿うように案内する第1の案内部と、前記キャリアテープを吸着する複数の第3の吸着孔がそれぞれ形成され、該キャリアテープを曲線状の搬送経路に沿うように案内する第2の案内部と、前記第1の案内部よりも下流側のみに設けられ、前記送り孔に嵌る突起が複数形成された単一の回転体と、前記キャリアテープに挿入された前記電子部品を撮像するカメラと、を備えたテーピング装置であって、前記第1の吸着孔が、前記電子部品挿入部によって前記電子部品が挿入される挿入位置に対応する位置に配置され、前記第2の吸着孔が、前記カメラによって前記電子部品が撮像される検査位置に対応する位置に配置され、前記複数の第3の吸着孔の間隔が、前記電子部品挿入部に近い方が狭くなるように設定されているテーピング装置である。
【0007】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2記載のテーピング装置において、前記第1の案内部が、前記電子部品挿入部によって電子部品が挿入される挿入位置を基準として前記キャリアテープの搬送経路の上流側から下流側まで延びている。
【0008】
請求項4に記載の発明は、請求項3記載のテーピング装置において、前記キャリアテープにカバーテープを貼り付けるカバーテープ貼付部を更に備え、前記回転体が、前記カバーテープ貼付部よりも、前記搬送経路の下流側に配置されている。
【0009】
【0010】
請求項5に記載の発明は、請求項4記載のテーピング装置において、前記第2の案内部が、前記第1の案内部よりも前記搬送経路の上流側に配置されている。
【0011】
【0012】
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、キャリアテープに挿入された電子部品が飛び出すことを抑制できるテーピング装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の一実施の形態に係るテーピング装置の構成を模式的に示す説明図である。
【
図2】(A)、(B)はそれぞれ、同テーピング装置が備える案内部によって案内されるキャリアテープの表面側を示す説明図及び搬送方向と直交する平面で切断した断面を示す説明図である。
【
図3】同テーピング装置が備える案内部の周辺を拡大した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。なお、図において、説明に関連しない部分は図示を省略する場合がある。
【0016】
本発明の一実施の形態に係るテーピング装置10は、
図1に示すように、電子部品EPをキャリアテープCTに挿入し、キャリアテープCTにカバーテープ12を貼付してテーピングすることができる。なお、同
図1において、キャリアテープCTは一部が省略して描かれている。
キャリアテープCTに挿入される電子部品EPは、例えば、0201サイズ及び0402サイズその他の微小な抵抗やコンデンサ等のチップ部品である。また、電子部品EPは、例えば、厚みが100μm以下の薄型の部品であってもよい。
【0017】
テーピング装置は、キャリアテープ供給部20、カバーテープ供給部30、案内部40、電子部品挿入部50、案内部60、外観検査部70、カバーテープ貼付部80、単一の回転体90、巻取部100及び制御部110を備えている。
【0018】
キャリアテープ供給部20は、モータ(不図示)を有し、キャリアテープCTを供給できる。供給されるキャリアテープCTは、このモータによって回転軸AX1回りに回転するリール22に巻き取られている。
キャリアテープCTには、
図2(A)に示すように、電子部品EPが収められる凹状のポケットPCT及び長手方向に沿って間隔を空けて形成された送り孔Hctが設けられている。
【0019】
カバーテープ供給部30は、
図1に示すように、回転軸AX2回りに回転するリール32に巻き取られたカバーテープ12を供給できる。
【0020】
案内部(第2の案内部の一例)40は、
図3に示すように、その表面が湾曲しており、キャリアテープCTがこの表面に沿って移動することによって、キャリアテープ供給部20から供給されたキャリアテープCTを円弧状(曲線状)の搬送経路に沿うように案内できる。
案内部40には、
図3に示すように、搬送経路に沿ってポケットPCTが通る溝402が形成され、この溝402の底部には、間隔を空けて負圧を生じる複数の吸着孔404が設けられている。各吸着孔404の間隔は、搬送経路の上流側よりも下流側の方、すなわち、電子部品挿入部50に近い方が狭くなるように設定されている。
また、各吸着孔404は、
図2(B)に示すように、その直径が、溝402の幅よりも小さくなるように形成されている。
従って、キャリアテープCTは、ポケットPCTの裏面及びその周囲を除く部分が案内部40の表面に接触するとともに、溝402にポケットPCTの裏面及びその周囲が吸着され、案内部40に沿って移動する。
【0021】
電子部品挿入部50は、搬送コレット502を有している。搬送コレット502は、図示しない上下方向に延びる回転軸回りに回転する回転テーブル(不図示)の外周部に沿って、間隔をあけて複数配置されている。搬送コレット502は、先端部に吸着孔が形成され、電子部品EPの上面をエア吸着して保持できる。搬送コレット502は、図示しないモータやエアシリンダによって駆動され、上下方向(
図1の矢印で示すZ方向)に移動できる。
【0022】
従って、電子部品EPは、搬送コレット502によって吸着され、回転テーブルの回転に伴って、キャリアテープCTのポケットPCTがある挿入位置P1の上方まで搬送される。その後、電子部品EPは、搬送コレット502が下降することによって、ポケットPCTの内部に挿入される。
なお、搬送コレット502がポケットPCTに電子部品EPを挿入する際には、キャリアテープCTは静止する。
【0023】
案内部(第1の案内部の一例)60は、
図3に示すように、案内部40に続いて搬送経路の下流側に配置され、電子部品挿入部50によって電子部品EPが挿入される挿入位置P1を基準として(挿入位置P1から見て)搬送経路の上流側から下流側まで延びている。すなわち、案内部60は、電子部品挿入部50の上流側から外観検査部70の下方を通ってカバーテープ貼付部80まで直線状に延びており、案内部40に案内されたキャリアテープCTを案内できる。
案内部60は、搬送経路に沿ってポケットPCTが通る溝602が形成され、この溝602の位置には、間隔を空けて負圧を生じる複数の吸着孔604a、604b、604c、604d、604e、604fが順に設けられている。これら吸着孔604a、604b、604c、604d、604e、604fのうち、吸着孔604aは、挿入位置P1に対応する位置(挿入位置P1の下方の位置)に配置され、吸着孔604
bは、検査位置P2に対応する位置(検査位置P2の下方の位置)に配置されている。各吸着孔604a、604b、604c、604d、604e、604fの直径は、溝602の幅よりも大きくなっている。
従って、キャリアテープCTは、ポケットPCTの裏面及びその周囲を除く部分が案内部60の表面に接触するとともに、溝602にポケットPCTの裏面及びその周囲が吸着され、案内部60に沿って移動する。
なお、案内部60と案内部40とつなぎ目には、空隙が設けられている。
【0024】
外観検査部70は、カメラであり、キャリアテープCTに挿入された電子部品EPの外観に異常がないことを検査できる。
外観検査部70は、電子部品挿入部50よりもキャリアテープCTの搬送経路の下流側に配置され、検査位置P2にある電子部品EPを撮像し、検査する。
【0025】
カバーテープ貼付部80は、電子部品EPが挿入されたキャリアテープCTにカバーテープ12を貼付できる。
カバーテープ貼付部80は、外観検査部70よりもキャリアテープCTの搬送経路の下流側に配置され、
図1に示すように、カバーテープ12を加熱して圧着するコテ802及びこのコテ802を受けるコテ受け804を有している。
カバーテープ12は、これらコテ802及びコテ受け804によって加熱及び圧着されることにより、キャリアテープCTに貼付される。
【0026】
回転体90は、キャリアテープCTを送ることができる。回転体90は、円板状の回転部材901を有し、この回転部材901の外周面には、キャリアテープCTの長手方向に沿って形成された送り孔Hct(
図2(A)参照)に嵌まる突起902が複数形成されている。回転体90は、突起902が送り孔Hctに嵌まり、キャリアテープCTの表面側(上側)から見てキャリアテープCTの搬送方向(
図1の矢印で示すA方向)と交差して延びる回転軸AX3回りに回転することによって、キャリアテープCTをA方向へ送ることができる。
回転体90は、カバーテープ貼付部80よりもキャリアテープCTの搬送経路の下流側のみに配置され、モータ(不図示)により駆動される。なお、
図1に示す回転体90は、
図3に示すカバー906の内部に収納されている。
回転体90は、キャリアテープCTを搬送する搬送系において、ただ1つのみ設けられていることが好ましい。
【0027】
巻取部100は、
図1に示すように、キャリアテープCTを収納するリール102が取り付けられ、このリール102が回転軸AX4回りに回転することで、カバーテープ12にて封止されたキャリアテープCTを巻き取ることができる。
巻取部100は、リール102を回転体90の動作に応じて回転するモータ(不図示)を有している。
巻取部100は、回転体90よりもキャリアテープCTの搬送経路の下流側に配置される。
【0028】
制御部110(
図1参照)は、回転体90を駆動するモータ(不図示)を制御するためのコントローラ及びモータドライバを有している。
また、制御部110は、キャリアテープ供給部20、電子部品挿入部50、外観検査部70及び巻取部100の動作も制御できる。
【0029】
次に、テーピング装置10の動作、特にキャリアテープCTの動きについて説明する。
まず、回転体90が回転すると、キャリアテープCTがキャリアテープ供給部20のリール22から引き出される。
【0030】
次に、リール22から引き出されたキャリアテープCTは、案内部40に案内されながら湾曲した搬送経路に沿って搬送される。その際、キャリアテープCTは吸着孔404(
図3参照)によって搬送が阻害されない程度の吸着力で吸着された状態で、搬送方向に移動する。
【0031】
続いて、キャリアテープCTは、案内部60に案内されながら直線状の搬送経路に沿って搬送される。その際も、キャリアテープCTは吸着孔604a~604fによって搬送が阻害されない程度の吸着力で吸着された状態で、間欠的に静止するとともに電子部品挿入部50(
図1参照)により電子部品EPが挿入され、搬送方向に移動する。
電子部品EPが挿入されたキャリアテープCTは、検査位置P2へと移動し、外観検査部70によって電子部品EPの外観の良否が検査される。
【0032】
外観検査部70を通過した後、キャリアテープCTには、カバーテープ貼付部80によってカバーテープ12が貼付される。
最後に、カバーテープ12によって封止されたキャリアテープCTは、更に搬送経路の下流側へと搬送され、巻取部100に取り付けられたリール102に巻き取られる。
【0033】
以上説明したように、本実施の形態に係るテーピング装置10によれば、従来のように、電子部品挿入部50の近傍に回転体が設けられていないため、この回転体の動作に起因してキャリアテープCTに生じる振動が低減され、挿入された電子部品EPがポケットPCTから飛び出すことが抑制される。
また、電子部品挿入部50の近傍において、キャリアテープCTが案内部40及び案内部60に吸着され、キャリアテープCTに生じる上下方向の振動が低減されることから、挿入された電子部品EPがポケットPCTから飛び出すことが更に抑制される。
【0034】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明は、上記した形態に限定されるものでなく、要旨を逸脱しない条件の変更等は全て本発明の適用範囲である。
【符号の説明】
【0035】
10 テーピング装置
12 カバーテープ
20 キャリアテープ供給部
22 リール
30 カバーテープ供給部
32 リール
40 案内部
50 電子部品挿入部
60 案内部
70 外観検査部
80 カバーテープ貼付部
90 回転体
100 巻取部
102 リール
110 制御部
402 溝
404 吸着孔
502 搬送コレット
602 溝
604a、604b、604c、604d、604e、604f 吸着孔
802 コテ
804 コテ受け
901 回転部材
902 突起
906 カバー
AX1、AX2、AX3、 回転軸
CT キャリアテープ
EP 電子部品
Hct 孔
PCT ポケット