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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022062351
(43)【公開日】2022-04-20
(54)【発明の名称】金型検証サーバおよびシステム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/04 20120101AFI20220413BHJP
【FI】
G06Q50/04
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020170299
(22)【出願日】2020-10-08
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-08-18
(71)【出願人】
【識別番号】591214527
【氏名又は名称】株式会社ジーテクト
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(74)【代理人】
【識別番号】100064621
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 政樹
(72)【発明者】
【氏名】藤島 亮
(72)【発明者】
【氏名】吉澤 幸一
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 慶太
(72)【発明者】
【氏名】梶原 俊輔
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC03
(57)【要約】
【課題】多くの手間をかけることなく、確実に金型の検証ができるようにする。
【解決手段】記憶部101は、金型を検証するための検証情報、および金型で発生した不具合を示す不具合情報を含む金型情報を、金型を識別する識別情報とともに記憶する。要求受付部102は、金型検証端末120より送信された金型情報の参照要求を識別情報と共に受け付ける。検索部103は、要求受付部102が受け付けた識別情報に対応する金型情報を記憶部101より検索する。返信部104は、検索部103が検索した金型情報を、金型検証端末120に返信する。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
金型を検証するための検証情報、および前記金型で発生した不具合を示す不具合情報を含む金型情報を、前記金型を製造する工程毎に、前記金型を識別する識別情報とともに記憶する記憶部と、
金型検証端末から送信された前記金型情報の参照要求を、前記工程を識別する工程情報および識別情報と共に受け付ける要求受付部と、
前記要求受付部が受け付けた識別情報および工程情報に対応する前記金型情報を前記記憶部から検索する検索部と、
前記検索部が検索した前記金型情報を、前記金型検証端末に返信する返信部と
を備える金型検証サーバ。
【請求項2】
請求項1記載の金型検証サーバにおいて、
前記金型情報は、前記金型の製造および取り扱い上の技術情報を含むことを特徴とする金型検証サーバ。
【請求項3】
請求項1または2記載の金型検証サーバにおいて、
利用者を識別する利用者識別と権限とを対応づけて記憶する権限記憶部をさらに備え、
前記記憶部は、前記金型情報を権限に対応づけて記憶し、
前記要求受付部は、前記金型情報の参照要求を、前記利用者識別とともに受け付け、
前記検索部は、前記要求受付部が受け付けた前記利用者識別に対応する前記金型情報を前記記憶部から検索する
ことを特徴とする金型検証サーバ。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項に記載の金型検証サーバにおいて、
前記金型検証端末から送信された前記金型情報を更新する更新情報を受け付ける更新受付部と、
前記更新受付部が受け付けた更新情報で前記金型情報を更新する更新部と
をさらに備えることを特徴とする金型検証サーバ。
【請求項5】
金型を検証するための検証情報、および前記金型で発生した不具合を示す不具合情報を含む金型情報の参照要求を、前記金型を製造する工程を識別する工程情報および前記金型を識別する識別情報と共に金型検証サーバに送信する要求送信部と、
前記要求送信部が、識別情報および工程情報と共に送信した参照要求に対して前記金型検証サーバから返信された金型情報を受信する返信受信部と、
前記返信受信部が受信した金型情報に含まれる前記検証情報および前記不具合情報を表示部に表示する表示制御部と
を備える金型検証端末。
【請求項6】
請求項5記載の金型検証端末において、
前記金型情報は、前記金型の製造および取り扱い上の技術情報を含むことを特徴とする金型検証端末。
【請求項7】
請求項5または6記載の金型検証端末において、
前記表示制御部は、前記表示部に前記検証情報を表示するとともに、前記不具合情報の表示をするためのアイコンを表示し、前記表示部に表示された前記アイコンに対する操作を受け付けて、前記表示部に前記不具合情報を表示する
ことを特徴とする金型検証端末。
【請求項8】
請求項5~7のいずれか1項に記載の金型検証端末において、
前記要求送信部は、前記金型情報の参照要求を、前記利用者識別とともに金型検証サーバに送信することを特徴とする金型検証端末。
【請求項9】
請求項5~8のいずれか1項に記載の金型検証端末において、
前記金型情報を更新する更新情報を、識別情報と共に前記金型検証サーバに送信する更新送信部をさらに備えることを特徴とする金型検証端末。
【請求項10】
金型検証サーバおよび金型検証端末を備え、
前記金型検証サーバは、
金型を検証するための検証情報、および前記金型で発生した不具合を示す不具合情報を含む金型情報を、前記金型を製造する工程毎に、前記金型を識別する識別情報とともに記憶する記憶部と、
金型検証端末から送信された前記金型情報の参照要求を、前記工程を識別する工程情報および識別情報と共に受け付ける要求受付部と、
前記要求受付部が受け付けた識別情報および工程情報に対応する前記金型情報を前記記憶部から検索する検索部と、
前記検索部が検索した前記金型情報を、前記金型検証端末に返信する返信部と
を備え、
前記金型検証端末は、
前記金型情報の参照要求を、前記金型を製造する工程を識別する工程情報および前記金型を識別する識別情報と共に前記金型検証サーバに送信する要求送信部と、
前記要求送信部が、識別情報および工程情報と共に送信した参照要求に対して、前記金型検証サーバから返信された前記金型情報を受信する返信受信部と、
前記返信受信部が受信した前記金型情報に含まれる前記検証情報および前記不具合情報を表示部に表示する表示制御部と
を備えることを特徴とする金型検証システム。
【請求項11】
請求項10記載の金型検証システムにおいて、
前記金型情報は、前記金型の製造および取り扱い上の技術情報を含むことを特徴とする金型検証システム。
【請求項12】
請求項10または11記載の金型検証システムにおいて、
前記金型検証サーバは、
利用者を識別する利用者識別と権限とを対応づけて記憶する権限記憶部をさらに備え、
前記記憶部は、前記金型情報を権限に対応づけて記憶し、
前記要求受付部は、前記金型情報の参照要求を、前記利用者識別とともに受け付け、
前記検索部は、前記要求受付部が受け付けた前記利用者識別に対応する前記金型情報を前記記憶部から検索し、
前記金型検証端末の前記要求送信部は、前記金型情報の参照要求を、前記利用者識別とともに金型検証サーバに送信する
ことを特徴とする金型検証システム。
【請求項13】
請求項10~12のいずれか1項に記載の金型検証システムにおいて、
前記金型検証サーバは、
前記金型検証端末から送信された前記金型情報を更新する更新情報を受け付ける更新受付部と、
前記更新受付部が受け付けた更新情報で前記金型情報を更新する更新部と
をさらに備え、
前記金型検証端末は、
前記金型情報を更新する更新情報を、識別情報と共に前記金型検証サーバに送信する更新送信部をさらに備える
ことを特徴とする金型検証システム。
【請求項14】
請求項10~13のいずれか1項に記載の金型検証システムにおいて、
前記表示制御部は、前記表示部に前記検証情報を表示するとともに、前記不具合情報の表示をするためのアイコンを表示し、前記表示部に表示された前記アイコンに対する操作を受け付けて、前記表示部に前記不具合情報を表示する
ことを特徴とする金型検証システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金型を検証するための金型検証サーバ、端末、およびシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
車両を構成する部品(車体部品)は、高張力鋼やアルミニウム材料による板材を、金型を用いてプレス加工することで形成されている(特許文献1参照)。この種の金型は、例えば、車体部品を作製する製造会社が、金型を作製する会社に依頼して入手していることが多い。
【0003】
一方で、多くの部品から構成される車両の製造では、部品の点数に合わせた多種多少の金型が用いられることになる。このため、製造会社では、多数の金型を管理することになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第6748255号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述したように、金型を使用する製造会社では、多数の金型を管理しているが、この中で、金型が仕様の通りとなっているか否かの検証は特に重要である。しかしながら、この検証のための項目は、数多くあるため、多くの手間を要するという問題があった。
【0006】
本発明は、以上のような問題点を解消するためになされたものであり、多くの手間をかけることなく、確実に金型の検証ができるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る金型検証サーバシステムは、金型を検証するための検証情報、および金型で発生した不具合を示す不具合情報を含む金型情報を、金型を製造する工程毎に、金型を識別する識別情報とともに記憶する記憶部と、金型検証端末から送信された金型情報の参照要求を、工程を識別する工程情報および別情報と共に受け付ける要求受付部と、要求受付部が受け付けた識別情報および工程情報に対応する金型情報を記憶部から検索する検索部と、検索部が検索した金型情報を、金型検証端末に返信する返信部とを備える。
【0008】
上記金型検証サーバ一構成例において、金型情報は、金型の製造および取り扱い上の技術情報を含む。
【0009】
上記金型検証サーバ一構成例において、利用者を識別する利用者識別と権限とを対応づけて記憶する権限記憶部をさらに備え、記憶部は、金型情報を権限に対応づけて記憶し、要求受付部は、金型情報の参照要求を、利用者識別とともに受け付け、検索部は、要求受付部が受け付けた利用者識別に対応する金型情報を記憶部から検索する。
【0010】
上記金型検証サーバ一構成例において、金型検証端末から送信された金型情報を更新する更新情報を受け付ける更新受付部と、更新受付部が受け付けた更新情報で金型情報を更新する更新部とをさらに備える。
【0011】
本発明に係る金型検証端末は、金型を検証するための検証情報、および金型で発生した不具合を示す不具合情報を含む金型情報の参照要求を、金型を製造する工程を識別する工程情報および金型を識別する識別情報と共に金型検証サーバに送信する要求送信部と、要求送信部が、識別情報および工程情報と共に送信した参照要求に対して金型検証サーバから返信された金型情報を受信する返信受信部と、返信受信部が受信した金型情報に含まれる検証情報および不具合情報を表示部に表示する表示制御部とを備える。
【0012】
上記金型検証端末一構成例において、金型情報は、金型の製造および取り扱い上の技術情報を含む。
【0013】
上記金型検証端末一構成例において、表示制御部は、表示部に検証情報を表示するとともに、不具合情報の表示をするためのアイコンを表示し、表示部に表示されたアイコンに対する操作を受け付けて、表示部に不具合情報を表示する。
【0014】
上記金型検証端末一構成例において、要求送信部は、金型情報の参照要求を、利用者識別とともに金型検証サーバに送信する。
【0015】
上記金型検証端末一構成例において、金型情報を更新する更新情報を、識別情報と共に金型検証サーバに送信する更新送信部をさらに備える。
【0016】
また、本発明に係る金型検証システムは、金型検証サーバおよび金型検証端末を備え、金型検証サーバは、金型を検証するための検証情報、および金型で発生した不具合を示す不具合情報を含む金型情報を、金型を製造する工程毎に、金型を識別する識別情報とともに記憶する記憶部と、金型検証端末から送信された金型情報の参照要求を、工程を識別する工程情報および識別情報と共に受け付ける要求受付部と、要求受付部が受け付けた識別情報および工程情報に対応する金型情報を記憶部から検索する検索部と、検索部が検索した金型情報を、金型検証端末に返信する返信部とを備え、金型検証端末は、金型情報の参照要求を、金型を製造する工程を識別する工程情報および金型を識別する識別情報と共に金型検証サーバに送信する要求送信部と、要求送信部が、識別情報および工程情報と共に送信した参照要求に対して、金型検証サーバから返信された金型情報を受信する返信受信部と、返信受信部が受信した金型情報に含まれる検証情報および不具合情報を表示部に表示する表示制御部とを備える。
【0017】
上記金型検証システム一構成例において、金型情報は、金型の製造および取り扱い上の技術情報を含む。
【0018】
上記金型検証システム一構成例において、金型検証サーバは、利用者を識別する利用者識別と権限とを対応づけて記憶する権限記憶部をさらに備え、記憶部は、金型情報を権限に対応づけて記憶し、要求受付部は、金型情報の参照要求を、利用者識別とともに受け付け、検索部は、要求受付部が受け付けた利用者識別に対応する金型情報を記憶部から検索し、金型検証端末の要求送信部は、金型情報の参照要求を、利用者識別とともに金型検証サーバに送信する。
【0019】
上記金型検証システム一構成例において、金型検証サーバは、金型検証端末から送信された金型情報を更新する更新情報を受け付ける更新受付部と、更新受付部が受け付けた更新情報で金型情報を更新する更新部とをさらに備え、金型検証端末は、金型情報を更新する更新情報を、識別情報と共に金型検証サーバに送信する更新送信部をさらに備える。
【0020】
上記金型検証システム一構成例において、表示制御部は、表示部に検証情報を表示するとともに、不具合情報の表示をするためのアイコンを表示し、表示部に表示されたアイコンに対する操作を受け付けて、表示部に不具合情報を表示する。
【発明の効果】
【0021】
以上説明したように、本発明によれば、記憶部に、金型を検証するための検証情報、および金型で発生した不具合を示す不具合情報を含む金型情報を、金型を識別する識別情報とともに記憶するので、多くの手間をかけることなく、確実に金型の検証ができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1図1は、本発明の実施の形態に係る金型検証システムの構成を示す構成図である。
図2図2は、本発明の実施の形態に係る金型検証システムの動作例を説明するための説明図である。
図3A図3Aは、本発明の実施の形態に係る金型検証システムの表示部124に表示される表示例を示す構成図である。
図3B図3Bは、本発明の実施の形態に係る金型検証システムの表示部124に表示される表示例を示す構成図である。
図3C図3Cは、本発明の実施の形態に係る金型検証システムの表示部124に表示される表示例を示す構成図である。
図3D図3Dは、本発明の実施の形態に係る金型検証システムの表示部124に表示される表示例を示す構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施の形態に係る金型検証システムについて図1を参照して説明する。この検証システムは、金型検証サーバ100および金型検証端末120を備える。金型検証サーバ100は、記憶部101、要求受付部102、検索部103、返信部104を備える。金型検証端末120は、要求送信部121、返信受信部122、表示制御部123、表示部124を備える。
【0024】
記憶部101は、金型を検証するための検証情報、および金型で発生した不具合を示す不具合情報を含む金型情報を、金型を製造する工程毎に、金型を識別する識別情報とともに記憶する。また、記憶部101は、金型を構成する材料、金型の品質を示す品質情報、また、金型の製造や取り扱い上の技術情報などの金型に関する情報も、金型情報として記憶する。
【0025】
要求受付部102は、金型検証端末120から送信された金型情報の参照要求を、工程を識別する工程情報および識別情報と共に受け付ける。金型検証サーバ100は、ネットワーク接続部107によりネットワーク150に接続している。参照要求は、ネットワーク150を介して金型検証端末120から金型検証サーバ100に向けて(金型検証サーバ100のアドレスに宛てて)送信され、ネットワーク接続部107で受信され、要求受付部102に受け付けられる。ネットワーク150は、例えば、イーサネット(登録詳報)などにより確立されているローカルエリアネットワーク(LAN)である。また、ネットワーク150は、インターネットなどの広域網とすることができる。
【0026】
検索部103は、要求受付部102が受け付けた識別情報および工程情報に対応する金型情報を記憶部101から検索する。返信部104は、検索部103が検索した金型情報を、金型検証端末120に返信する。返信部104が返信した金型情報は、金型検証端末120に向けて(金型検証端末120のアドレスに宛てて)、ネットワーク接続部107によりネットワーク150に送出される。
【0027】
また、金型検証サーバ100は、更新受付部105および更新部106を備える。更新受付部105は、金型検証端末120から送信された金型情報を更新する更新情報を受け付ける。更新情報は、ネットワーク150を介して金型検証端末120から金型検証サーバ100に向けて送信され、ネットワーク接続部107で受信され、更新受付部105に受け付けられる。更新部106は、更新受付部105が受け付けた更新情報で、記憶部101に記憶されている金型情報を更新する。
【0028】
また、金型検証サーバ100は、利用者を識別する利用者識別と権限とを対応づけて記憶する権限記憶部108に備えることができる。この場合、記憶部101は、金型情報を権限に対応づけて記憶する。要求受付部102は、金型情報の参照要求を、利用者識別とともに受け付けることができる。また、検索部103は、要求受付部102が受け付けた利用者識別に対応する金型情報を記憶部101から検索することができる。
【0029】
なお、上述した実施の形態に係る金型検証サーバ100は、CPU(Central Processing Unit;中央演算処理装置)と主記憶装置と外部記憶装置となどを備えたコンピュータ機器であり、主記憶装置に展開されたプログラムによりCPUが動作する(プログラムを実行する)ことで、上述した各機能が実現される。また、各機能は、複数のコンピュータ機器に分散させることもできる。
【0030】
要求送信部121は、金型情報の参照要求を、金型を製造する工程を識別する工程情報および金型を識別する識別情報と共に金型検証サーバ100に送信する。金型検証端末120は、利用者による入力部127の操作入力で、金型情報(検証情報)の参照要求を受け付けると、要求送信部121が、参照要求を金型検証サーバ100に送信する。金型検証端末120は、ネットワーク接続部126によりネットワーク150に接続している。参照要求は、ネットワーク150を介して、金型検証端末120から金型検証サーバ100に向けて(金型検証サーバ100のアドレスに宛てて)送信される。
【0031】
返信受信部122は、要求送信部121が、識別情報および工程情報と共に送信した参照要求に対して、金型検証サーバ100から返信された金型情報を受信する。表示制御部123は、返信受信部122が受信した金型情報に含まれる検証情報および不具合情報を表示部124に表示する。表示制御部123は、例えば、表示部124に検証情報を表示するとともに、不具合情報の表示をするためのアイコンを表示し、表示部124に表示されたアイコンに対する操作を受け付けて、表示部124に不具合情報を表示する。
【0032】
このように、金型検証端末120において、入力部127を操作して、対象とする金型の識別番号とともに金型情報の参照要求を入力すると、表示部124に、検証情報が表示されるので、利用者は、多くの手間をかけることなく、確実に金型の検証ができるようになる。
【0033】
また、金型検証端末120は、金型情報を更新する更新情報を、識別情報と共に金型検証サーバ100に送信する更新送信部125を備える。更新情報は、利用者による入力部127の操作入力で入力された、例えば、最新の検証情報や、最新の不具合情報を含む、最新の金型情報である。更新情報は、ネットワーク接続部126により、ネットワーク150を介して金型検証端末120から金型検証サーバ100に向けて送信される。
【0034】
また、金型検証サーバ100が、利用者を識別する利用者識別と権限とを対応づけて記憶する権限記憶部108に備える場合、要求送信部121は、金型情報の参照要求を、利用者識別とともに金型検証サーバ100に送信することができる。
【0035】
なお、上述した実施の形態に係る金型検証端末120は、CPUと主記憶装置と外部記憶装置となどを備えたコンピュータ機器であり、主記憶装置に展開されたプログラムによりCPUが動作する(プログラムを実行する)ことで、上述した各機能が実現される。また、各機能は、複数のコンピュータ機器に分散させることもできる。また、上述では、1台の金型検証端末120がネットワーク150に接続(収容)されている例を示したが、複数台の金型検証端末120が、ネットワーク150に接続してシステムを構成することができる。
【0036】
次に、本発明の実施の形態に係る金型検証システムの動作について、図2を参照して説明する。
【0037】
まず、ステップS101で、金型検証端末120の要求送信部121が、金型情報の参照要求を、金型を識別する識別情報および金型を製造する工程を識別する工程情報と共に金型検証サーバ100に送信する。ここで、要求送信部121は、金型情報の参照要求を金型検証サーバ100に送信することができる。
【0038】
次に、ステップS102で、金型検証サーバ100の要求受付部102が、金型検証端末120から送信された金型情報の参照要求を、識別情報および工程情報と共に受け付ける。ここで、要求受付部102は、利用者識別を受け付けることができる。
【0039】
次に、ステップS103で、金型検証サーバ100の検索部103が、要求受付部102が受け付けた識別情報および工程情報に対応する金型情報を記憶部101から検索する。ここで、検索部103は、受け付けた利用者識別に対応する金型情報を記憶部101から検索することができる。次に、ステップS104で、金型検証サーバ100の返信部104が、検索部103が検索した金型情報を、金型検証端末120に返信する。
【0040】
次に、ステップS105で、金型検証端末120の返信受信部122が、金型検証サーバ100から返信された金型情報を受信する。次に、ステップS106で、金型検証端末120の表示制御部123は、返信受信部122が受信した金型情報に含まれる検証情報および不具合情報を表示部124に表示する。
【0041】
例えば、図3Aに示すように、検証種類、ランク、検証内容を含む金型検証リストが、表示部124に表示される。表示部124に表示された金型検証リストの中の、項目「最新」のアイコンが、利用者による入力部127の操作入力で選択されると、図3Bに示すように、最新の検証情報が表示部124に表示される。検証情報として、判断基準および検査方法が、各々写真とともに表示部124に示される。また、選択された項目が、作業者が初めて実施するものである場合、作業者の上司や先輩に、この旨の警告を通知することができる。
【0042】
検証情報として、例えば、金型本体に取り付けられるフックの位置、金型の重量に適合しているフックの種類、複数の金型を組み合わせて用いる場合の位置決め機構の取り付け位置および種類などがある。また、判断基準および検査方法が、動画や音声とともに表示部124に示される。また、検証情報の表示画面には、「関連検証項目確認」、「詳細」、「製造仕様標準」、「対策案」、「過去の履歴」、「作業メモ」、「現場撮影」のモード(画面)への遷移のためのアイコンが表示される。
【0043】
また、判断基準および検査方法などの各情報は、キーワード検索により検索可能であり、表示部124に表示される判断基準および検査方法の中で、検索時に用いたキーワードがハイライト表示される。また、検証対象の金型に取り付けられる部品の名称と画像情報とを関連づけられたデータベースを備え、「現場撮影」のモードにおいて、撮影された検証対象の金型の画像を元に、上記データベースを参照することで、検証対象の金型に、正しく部品が取り付けられているか否かを判定することができる。
【0044】
また、表示部124に表示された検証情報の表示の中の、「関連検証項目確認」のアイコンが、利用者による入力部127の操作入力で選択されると、図3Cに示すように、設計図の検証情報(例えば「D-117」)を選択するアイコンを用いた、検図等関連情報の選択画面が表示部124に表示される。
【0045】
また、図3Bに例示した検証情報の表示の中の、項目「対策案」のアイコンが、利用者による入力部127の操作入力で選択されると、図3Dに示すように、対策案が表示部124に表示される。また、図3Bに例示した検証情報の表示の中の、項目「過去の履歴」のアイコンが、利用者による入力部127の操作入力で選択されると、金型の技術情報として、過去のトラブル事例や、この事例で実施された改修事例の案が写真付きで表示部124に表示される。また、図3Bに例示した検証情報の表示の中の、項目「製造仕様標準」のアイコンが、利用者による入力部127の操作入力で選択されると、検証内容に関連した社内技術基準書が表示される。
【0046】
また、金型検証端末120は、利用者の識別情報を用いた利用開始作業(ログイン作業)を経ることで、使用が可能となるが、ログインした利用者の識別情報に関連づけられている過去の成績表をもとに、苦手な項目は注意喚起されるように警告を表示することができる。これにより、利用者は、より集中して作業に取り掛かることができる。
【0047】
次に、ステップS107で、金型検証端末120の更新送信部125が、金型情報を更新する更新情報を、識別情報と共に金型検証サーバ100に送信する。次に、ステップS108で、金型検証サーバ100の更新受付部105が、金型検証端末120から送信された金型情報を更新する更新情報を受け付ける。この後、ステップS109で、金型検証サーバ100の更新部106が、更新受付部105が受け付けた更新情報で、記憶部101に記憶されている金型情報を更新する。
【0048】
以上に説明したように、本発明によれば、記憶部に、金型を検証するための検証情報、および金型で発生した不具合を示す不具合情報を含む金型情報を、金型を識別する識別情報とともに記憶するので、多くの手間をかけることなく、確実に金型の検証ができるようになる。また、高度な技術的専門知識や熟練者の経験や、金型の製造や取り扱い上の技術情報(ノウハウ)を持たない作業者でも、検証結果を要求水準に保つことができる。
【0049】
なお、本発明は以上に説明した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想内で、当分野において通常の知識を有する者により、多くの変形および組み合わせが実施可能であることは明白である。
【符号の説明】
【0050】
100…金型検証サーバ、101…記憶部、102…要求受付部、103…検索部、104…返信部、105…更新受付部、106…更新部、107…ネットワーク接続部、120…金型検証端末、121…要求送信部、122…返信受信部、123…表示制御部、124…表示部、125…更新送信部、126…ネットワーク接続部、127…入力部、150…ネットワーク。
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
【手続補正書】
【提出日】2021-05-14
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
金型を検証するための検証情報、および前記金型で発生した不具合を示す不具合情報を含む金型情報を、前記金型を製造する工程毎に、前記金型を識別する識別情報とともに記憶する記憶部と、
金型検証端末から送信された前記金型情報の参照要求を、前記工程を識別する工程情報および識別情報と共に受け付ける要求受付部と、
前記要求受付部が受け付けた識別情報および工程情報に対応する前記金型情報を前記記憶部から検索する検索部と、
前記検索部が検索した前記金型情報を、前記金型検証端末に返信する返信部と
を備え
利用者を識別する利用者識別と権限とを対応づけて記憶する権限記憶部をさらに備え、
前記記憶部は、前記金型情報を権限に対応づけて記憶し、
前記要求受付部は、前記金型情報の参照要求を、前記利用者識別とともに受け付け、
前記検索部は、前記要求受付部が受け付けた前記利用者識別に対応する前記金型情報を前記記憶部から検索する
ことを特徴とする金型検証サーバ。
【請求項2】
請求項1記載の金型検証サーバにおいて、
前記金型情報は、前記金型の製造および取り扱い上の技術情報を含むことを特徴とする金型検証サーバ。
【請求項3】
請求項1または2記載の金型検証サーバにおいて、
前記金型検証端末から送信された前記金型情報を更新する更新情報を受け付ける更新受付部と、
前記更新受付部が受け付けた更新情報で前記金型情報を更新する更新部と
をさらに備えることを特徴とする金型検証サーバ。
【請求項4】
金型検証サーバおよび金型検証端末を備え、
前記金型検証サーバは、
金型を検証するための検証情報、および前記金型で発生した不具合を示す不具合情報を含む金型情報を、前記金型を製造する工程毎に、前記金型を識別する識別情報とともに記憶する記憶部と、
金型検証端末から送信された前記金型情報の参照要求を、前記工程を識別する工程情報および識別情報と共に受け付ける要求受付部と、
前記要求受付部が受け付けた識別情報および工程情報に対応する前記金型情報を前記記憶部から検索する検索部と、
前記検索部が検索した前記金型情報を、前記金型検証端末に返信する返信部と
を備え、
前記金型検証端末は、
前記金型情報の参照要求を、前記金型を製造する工程を識別する工程情報および前記金型を識別する識別情報と共に前記金型検証サーバに送信する要求送信部と、
前記要求送信部が、識別情報および工程情報と共に送信した参照要求に対して、前記金型検証サーバから返信された前記金型情報を受信する返信受信部と、
前記返信受信部が受信した前記金型情報に含まれる前記検証情報および前記不具合情報を表示部に表示する表示制御部と
を備え
前記金型検証サーバは、
利用者を識別する利用者識別と権限とを対応づけて記憶する権限記憶部をさらに備え、
前記記憶部は、前記金型情報を権限に対応づけて記憶し、
前記要求受付部は、前記金型情報の参照要求を、前記利用者識別とともに受け付け、
前記検索部は、前記要求受付部が受け付けた前記利用者識別に対応する前記金型情報を前記記憶部から検索し、
前記金型検証端末の前記要求送信部は、前記金型情報の参照要求を、前記利用者識別とともに金型検証サーバに送信することを特徴とする金型検証システム。
【請求項5】
請求項記載の金型検証システムにおいて、
前記金型情報は、前記金型の製造および取り扱い上の技術情報を含むことを特徴とする金型検証システム。
【請求項6】
請求項4または5記載の金型検証システムにおいて、
前記金型検証サーバは、
前記金型検証端末から送信された前記金型情報を更新する更新情報を受け付ける更新受付部と、
前記更新受付部が受け付けた更新情報で前記金型情報を更新する更新部と
をさらに備え、
前記金型検証端末は、
前記金型情報を更新する更新情報を、識別情報と共に前記金型検証サーバに送信する更新送信部をさらに備える
ことを特徴とする金型検証システム。
【請求項7】
請求項のいずれか1項に記載の金型検証システムにおいて、
前記表示制御部は、前記表示部に前記検証情報を表示するとともに、前記不具合情報の表示をするためのアイコンを表示し、前記表示部に表示された前記アイコンに対する操作を受け付けて、前記表示部に前記不具合情報を表示する
ことを特徴とする金型検証システム。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0001
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0001】
本発明は、金型を検証するための金型検証サーバおよびシステムに関する。