IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 昭和電工パッケージング株式会社の特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022062408
(43)【公開日】2022-04-20
(54)【発明の名称】熱交換器の製造方法および製造装置
(51)【国際特許分類】
   F28F 3/04 20060101AFI20220413BHJP
   H01L 23/473 20060101ALI20220413BHJP
   H05K 7/20 20060101ALI20220413BHJP
   F25D 9/00 20060101ALN20220413BHJP
【FI】
F28F3/04 B
H01L23/46 Z
H05K7/20 N
F25D9/00 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020170398
(22)【出願日】2020-10-08
(71)【出願人】
【識別番号】501428187
【氏名又は名称】昭和電工パッケージング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109911
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 義仁
(74)【代理人】
【識別番号】100071168
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 久義
(74)【代理人】
【識別番号】100099885
【弁理士】
【氏名又は名称】高田 健市
(72)【発明者】
【氏名】南谷 広治
(72)【発明者】
【氏名】田中 克美
【テーマコード(参考)】
3L044
5E322
5F136
【Fターム(参考)】
3L044AA03
3L044BA06
3L044CA04
3L044CA13
3L044DB01
3L044FA04
3L044KA04
5E322AA01
5E322AA05
5E322AB11
5E322DA01
5E322FA01
5F136CB07
5F136FA02
5F136FA03
(57)【要約】
【課題】外包体およびフィン間を確実に熱融着できる熱交換器の製造方法を提供する。
【解決手段】本発明は、伝熱層51に熱融着層52が設けられた外包ラミネート材L1によって構成された外包体1と、外包体内に設けられ、かつ伝熱層61に熱融着層62が設けられた内芯ラミネート材L2によって構成されたインナーフィン2とを備えた熱交換器の製造方法を対象とする。外包ラミネート材L1同士を熱融着して外包体1の外周縁部を封止する外包体融着工程と、外包体融着工程を行った後、インナーフィン2に設けられた凹凸部25,26を外包体1に熱融着するフィン融着工程とを含む。フィン融着工程は、外包体1の内部を外部に対し減圧した状態で行う。
【選択図】図6B
【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属製の伝熱層の内面側に樹脂製の熱融着層が設けられた外包ラミネート材によって構成された外包体と、前記外包体内に設けられ、かつ金属製の伝熱層の両面側に樹脂製の熱融着層が設けられた内芯ラミネート材によって構成されたインナーフィンとを備えた熱交換器を製造するための熱交換器の製造方法であって、
前記外包ラミネート材同士を熱融着して前記外包体の外周縁部を封止する外包体融着工程と、
前記外包体融着工程を行った後、前記インナーフィンに設けられた凹凸部を前記外包体に熱融着するフィン融着工程とを含み、
前記フィン融着工程は、前記外包体の内部を外部に対し減圧した状態で行うようにしたことを特徴とする熱交換器の製造方法。
【請求項2】
前記外包体に、その内部に対し熱交換媒体の出し入れを行うための出入口が設けられ、
前記フィン融着工程においては、前記出入口を利用して前記外包体の内部を減圧するようにした請求項1に記載の熱交換器の製造方法。
【請求項3】
前記外包体内に前記出入口に対応して熱融着樹脂製のヘッダーが設けられ、
前記外包体融着工程を行った後、前記ヘッダーの外面を前記外包体に熱融着するヘッダー融着工程を含み、
前記ヘッダー融着工程は、前記外包体の内部を外部に対し減圧した状態で行うようにした請求項1または2に記載の熱交換器の製造方法。
【請求項4】
前記フィン融着工程および前記ヘッダー融着工程を同時に行うようにした請求項3に記載の熱交換器の製造方法。
【請求項5】
前記ヘッダーに前記出入口を貫通して外部に引き出されるパイプ部が設けられ、
前記フィン融着工程においては、前記パイプ部を利用して前記外包体の内部を減圧するようにした請求項3または4に記載の熱交換器の製造方法。
【請求項6】
前記フィン融着工程においては、前記外包体の内圧を外圧に対して1/15~1/2に設定するようにした請求項1~5のいずれか1項に記載の熱交換器の製造方法。
【請求項7】
金属製の伝熱層の内面側に樹脂製の熱融着層が設けられた外包ラミネート材によって構成された外包体と、前記外包体内に設けられ、かつ金属製の伝熱層の両面側に樹脂製の熱融着層が設けられた内芯ラミネート材によって構成されたインナーフィンとを備えた熱交換器を製造するための熱交換器の製造装置であって、
前記外包ラミネート材同士を挟み込んだ状態で加熱することにより熱融着して、前記外包体の外周縁部を封止するための外包体融着金型と、
前記外包体を前記インナーフィン側に押圧した状態で加熱することにより、前記インナーフィンに設けられた凹凸部を前記外包体に熱融着するためのフィン融着金型とを備え、
前記フィン融着金型は、前記外包体を前記インナーフィン側に押圧した状態で前記外包体の内部を外部に対し減圧するための減圧手段が設けられていることを特徴とする熱交換器の製造装置。
【請求項8】
前記外包体に、その内部に対し熱交換媒体の出し入れを行うための出入口が設けられ、
前記吸引手段は、吸引ポンプと、一端が吸引ポンプに連結され、かつ前記フィン融着金型を貫通して他端が前記出入口を覆うように配置された吸引部とを備え、
前記吸引ポンプの駆動によって、前記吸引管を介して前記外包体の内部が減圧されるように構成されている請求項7に記載の熱交換器の製造装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、金属製の伝熱層に樹脂製の熱融着層が積層されたラミネート材を用いて製作される熱交換器の製造方法および製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
スマートフォンやパーソナルコンピュータ等の電子機器における小型高性能化に伴い、電子機器のCPU回りの発熱対策も重要となり、機種によっては水冷式冷却器やヒートパイプを組み込んで、CPU等の電子部品に対する熱負荷を軽減するとともに、筐体内に熱をこもらせないようにして、熱による悪影響を回避する技術が従来より提案されている。
【0003】
また電気自動車やハイブリッド車に搭載される電池モジュールは、充電と放電とを繰り返し行うために電池パックの発熱が大きくなる。このため電池モジュールにおいても上記の電子機器と同様に、水冷式冷却器やヒートパイプを組み込んで、熱による悪影響を回避する技術が提案されている。
【0004】
さらにシリコンカーバイト(SiC)製等のパワーモジュールも発熱対策として冷却板やヒートシンクを組み付ける等の対策が提案されている。
【0005】
従来、小型の電子機器に組み込まれるヒートパイプ等の薄型の冷却器は、複数の金属製の構成部品をろう付け等で接合する金属製のものが主流であった(特許文献1~3)。
【0006】
このような金属製の冷却器は、各構成部品が、鋳造や鍛造等の塑性加工や、切削等の除去加工等の面倒な金属加工(機械加工)によって製作されるため、現行以上の薄型化は困難である。
【0007】
そこで、ケーシングとしての外包体やインナーフィン(内芯材)をラミネート材によって構成した冷却器が提案されている。ラミネート材は、金属箔層に樹脂製の熱融着層が積層されて構成されている。そして例えば、外包体用のラミネート材(外包ラミネート材)が、内芯材用のラミネート材(インナーフィン)を介して上下に重ね合わされて、外包ラミネート材の外周縁部同士が熱融着されて外包体が形成されるとともに、上下の外包ラミネート材の中間領域が、インナーフィンの凹凸部に熱融着されて、外包体内にインナーフィンが固定されている。
【0008】
このようなラミネート材製の冷却器は、面倒な金属加工が不要で、製作の容易化、コストの削減、薄型化等を図ることができるため近年、注目を集めている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2015-59693号公報
【特許文献2】特開2015-141002号公報
【特許文献3】特開2016-189415号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上記ラミネート材製の冷却器を製造する場合、既述したように外包体(外包ラミネート材)とインナーフィンとの間を熱融着して接着するようにしている。しかしながら、外包体およびインナーフィン間が十分に接着されていないと、外包体内を流通する冷媒と、外包体の外面に接する電池等の冷却対象部材との間の熱伝達率が低下して、熱交換性能が低下するという課題があった。
【0011】
この発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、外包体とインナーフィンとの間を確実に熱融着できて、熱交換性能に優れた熱交換器を製造することができる熱交換器の製造方法および製造装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するため、本発明は、以下の手段を備えるものである。
【0013】
[1]金属製の伝熱層の内面側に樹脂製の熱融着層が設けられた外包ラミネート材によって構成された外包体と、前記外包体内に設けられ、かつ金属製の伝熱層の両面側に樹脂製の熱融着層が設けられた内芯ラミネート材によって構成されたインナーフィンとを備えた熱交換器を製造するための熱交換器の製造方法であって、
前記外包ラミネート材同士を熱融着して前記外包体の外周縁部を封止する外包体融着工程と、
前記外包体融着工程を行った後、前記インナーフィンに設けられた凹凸部を前記外包体に熱融着するフィン融着工程とを含み、
前記フィン融着工程は、前記外包体の内部を外部に対し減圧した状態で行うようにしたことを特徴とする熱交換器の製造方法。
【0014】
[2]前記外包体に、その内部に対し熱交換媒体の出し入れを行うための出入口が設けられ、
前記フィン融着工程においては、前記出入口を利用して前記外包体の内部を減圧するようにした前項1に記載の熱交換器の製造方法。
【0015】
[3]前記外包体内に前記出入口に対応して熱融着樹脂製のヘッダーが設けられ、
前記外包体融着工程を行った後、前記ヘッダーの外面を前記外包体に熱融着するヘッダー融着工程を含み、
前記ヘッダー融着工程は、前記外包体の内部を外部に対し減圧した状態で行うようにした前項1または2に記載の熱交換器の製造方法。
【0016】
[4]前記フィン融着工程および前記ヘッダー融着工程を同時に行うようにした前項3に記載の熱交換器の製造方法。
【0017】
[5]前記ヘッダーに前記出入口を貫通して外部に引き出されるパイプ部が設けられ、
前記フィン融着工程においては、前記パイプ部を利用して前記外包体の内部を減圧するようにした前項3または4に記載の熱交換器の製造方法。
【0018】
[6]前記フィン融着工程においては、前記外包体の内圧を外圧に対して1/15~1/2に設定するようにした前項1~5のいずれか1項に記載の熱交換器の製造方法。
【0019】
[7]金属製の伝熱層の内面側に樹脂製の熱融着層が設けられた外包ラミネート材によって構成された外包体と、前記外包体内に設けられ、かつ金属製の伝熱層の両面側に樹脂製の熱融着層が設けられた内芯ラミネート材によって構成されたインナーフィンとを備えた熱交換器を製造するための熱交換器の製造装置であって、
前記外包ラミネート材同士を挟み込んだ状態で加熱することにより熱融着して、前記外包体の外周縁部を封止するための外包体融着金型と、
前記外包体を前記インナーフィン側に押圧した状態で加熱することにより、前記インナーフィンに設けられた凹凸部を前記外包体に熱融着するためのフィン融着金型とを備え、
前記フィン融着金型は、前記外包体を前記インナーフィン側に押圧した状態で前記外包体の内部を外部に対し減圧するための減圧手段が設けられていることを特徴とする熱交換器の製造装置。
【0020】
[8]前記外包体に、その内部に対し熱交換媒体の出し入れを行うための出入口が設けられ、
前記吸引手段は、吸引ポンプと、一端が吸引ポンプに連結され、かつ前記フィン融着金型を貫通して他端が前記出入口を覆うように配置された吸引部とを備え、
前記吸引ポンプの駆動によって、前記吸引管を介して前記外包体の内部が減圧されるように構成されている前項7に記載の熱交換器の製造装置。
【発明の効果】
【0021】
発明[1]の熱交換器の製造方法によれば、外包体の内部を減圧してインナーフィンを外包体に融着しているため、減圧による外包体の収縮作用により、外包体がインナーフィンの凹凸部に追従して密着し、その密着部を融着部として融着することができる。このため外包体およびインナーフィン間における所定の融着部全域を隙間なく融着できて、接着不良や接着不足の発生を確実に防止することができる。その結果、熱融着時の接着信頼性を格段に向上させることができ、熱交換性能を向上させることができる。
【0022】
発明[2]の熱交換器の製造方法によれば、外包体の出入口を利用してフィン融着工程で減圧するようにしているため、格別な構成を採用することなく、簡単に外包体の内圧を低下させることができる。
【0023】
発明[3]の熱交換器の製造方法によれば、外包体の内部を減圧してヘッダーを外包体に融着しているため、上記と同様、外包体がヘッダーに密着した状態で融着することができ、接着不良や接着不足の発生を確実に防止できて、熱交換性能を向上させることができる。
【0024】
発明[4]の熱交換器の製造方法によれば、フィン融着工程およびヘッダー融着工程を同時に行うものであるため、生産効率を向上させることができる。
【0025】
発明[5]の熱交換器の製造方法によれば、外側に突出するパイプ部を利用して融着工程で減圧するようにしているため、格別な構成を採用することなく、簡単に外包体の内圧を低下させることができる。
【0026】
発明[6]の熱交換器の製造方法によれば、上記の効果をより一層確実に得ることができる。
【0027】
発明[7][8]の熱交換器の製造装置によれば、上記の方法発明を実施可能な装置を特定するものであるため、上記と同様の効果を確実に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1図1はこの発明の実施形態である製造方法によって製造された熱交換器を示す斜視図である。
図2図2は実施形態の熱交換器を示す図であって、図(a)は平面図、図(b)は図(a)のB-B線断面に相当する側面断面図、図(c)は図(a)のC-C線断面に相当する正面断面図である。
図3図3は実施形態の熱交換器を分解して示す斜視図である。
図4図4は実施形態の熱交換器に適用された外包体およびインナーフィンを説明するための正面断面図である。
図5A図5Aは実施形態のインナーフィンを説明するための正面断面図である。
図5B図5Bは変形例のインナーフィンを説明するための正面断面図である。
図6A図6Aは実施形態の外包体融着工程を実施可能な外包体融着金型を説明するだめの概略断面図である。
図6B図6Bは実施形態のフィン/ヘッダー融着工程を実施可能なフィン/ヘッダー融着金型を説明するだめの概略断面図である。
図7A図7Aは実施形態の外包体融着工程によって融着された領域を説明するための熱交換器の平面図である。
図7B図7Bはフィン/ヘッダー融着工程によって融着された領域を説明するための熱交換器の平面図である。
図8図8は実施形態のフィン/ヘッダー融着金型における減圧手段のカプラーを示す図であって、図(a)は側面図、図(b)は底面図である。
図9A図9Aは実施形態の製造方法に関連した実施例の熱交換器に採用されたトレイ部材を示す平面図である。
図9B図9Bは実施例のトレイ部材における端部断面図である。
図10A図10Aは比較例1の熱交換器を製造するに際して用いられた一括融着金型を説明するだめの概略断面図である。
図10B図10Bは比較例2の熱交換器を製造するに際して用いられた一括融着金型を説明するだめの概略断面図である。
図10C図10Cは比較例3の熱交換器を製造するに際して用いられたフィン/ヘッダー融着金型を説明するだめの概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
図1図3はこの発明の実施形態である熱交換器を示す図である。以下の説明においては発明の理解を容易にするため、図2(a)の左右方向を「前後方向」として説明し、さらに図2(b)の上下方向を「上下方向(厚さ方向)」として説明する。
【0030】
図1図3に示すように、本実施形態の熱交換器は、伝熱パネルや伝熱チューブ等として用いられるものであり、ケーシング(容器)としての外包体1と、外包体1の内部に収容されるインナーフィン(内芯材)2と、外包体1の両端部内に収容される一対(両側)のヘッダー(ジョイント部材)3,3とを備えている。
【0031】
外包体1は、平面視矩形状のトレイ部材10と、平面視矩形状のカバー部材15とによって構成されている。
【0032】
トレイ部材10は、外包ラミネート材L1の成形品によって構成されており、深絞り成形や、押出成型等の冷間成形の手法を用いて、外周縁部を除く中間領域全域が下方に凹陥形成されて、平面視矩形状の凹陥部11が形成されるとともに、凹陥部11の開口縁部外周に外方突出状のフランジ部12が一体に形成されている。
【0033】
またカバー部材15は、トレイ部材10における凹陥部11の前後両端部に対応して一対の出入口16,16が形成されている。言うまでもなく本実施形態においては、一対の出入口16のうち、一方の出入口16が入口として構成され、他方の出入口16が出口として構成されている。
【0034】
トレイ部材10およびカバー部材15は、柔軟性および可撓性を有するラミネートシートないしフィルムである外包ラミネート材L1によって構成されている。
【0035】
図4に示すように外包ラミネート材L1は、金属(金属箔)製の伝熱層51と、その伝熱層51の一面(内面)に接着剤を介して積層された熱融着性の樹脂フィルムないし熱融着性の樹脂シート製の熱融着層52と、伝熱層51の他面(外面)に接着剤を介して積層された耐熱性の樹脂フィルムないし耐熱性の樹脂シート製の保護層53とを備えている。なお本実施形態において、「箔」という用語は、フィルム、薄板、シートも含む意味で用いられている。
【0036】
外包ラミネート材L1における伝熱層51としては、銅箔、アルミニウム箔、ステンレス箔、ニッケル箔、ニッケルメッキ加工した銅箔、ニッケルと銅箔からなるクラッドメタル等を好適に用いることができ、中でも特にJISアルミ合金番号がA8021Hのアルミニウム箔を好適に用いることができる。なお本実施形態において、「銅」「アルミニウム」「ニッケル」「チタン」という用語は、それらの合金も含む意味で用いられている。
【0037】
伝熱層51は、集熱層とも称されるものであり、厚みが30μm~200μmのものを用いるのが良く、より好ましくは40μm~180μmのものを用いるのが良い。すなわち伝熱層51の厚みが薄過ぎる場合には、外圧に対して変形し易くなり、強度が低下するおそれがあり、好ましくない。逆に伝熱層51の厚みが厚過ぎる場合には、柔軟性が低下し、成形加工性が低下するおそれがあり、好ましくない。
【0038】
また伝熱層51は、化成処理等の表面処理を施しておくことにより、伝熱層51の腐食防止や、樹脂との接着性の向上など、より一層耐久性を向上させることができる。
【0039】
熱融着層52としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂またはそれらの変性樹脂、フッ素系樹脂、ポリエステル系樹脂、塩化ビニル樹脂等によって構成されるフィルムないしシートを好適に用いることができる。
【0040】
さらに熱融着層52としては、耐熱性があり、安価であるポリプロピレンを用いるのが好ましく、その中でも無延伸ポリプロピレン(CPP)を用いるのが良い。さらに好ましくは、融点の異なるポリプロピレンの多層フィルムを用いるのが良い。
【0041】
熱融着層52としては、厚みが20μm~500μmのものを用いるのが良い。より好ましくは厚さ30μm~80μmのものを用いるのが良い。
【0042】
例えば、熱融着層52として、3層(ランダムPP/ブロックPP/ランダムPP)の共押しフィルムは、低融点のランダムPPを表層に配置し、ランダムPPよりも融点が高く、MFRが小さい、低流動性のブロックPPを中間層に配置しており、ランダムPPによる良好なヒートシール性と、ブロックPPによるヒートシール時の極端な肉厚減少を抑制できる性能を有しているため、シール後の接着性や耐食性に優れている。なお3層共押しフィルムとしては、各層の層比がランダムPP/ブロックPP/ランダムPP=1~2/6~8/1~2の範囲のものを好適に用いることができる。
【0043】
保護層53としては、熱融着層52に対し融点が10℃以上、より好ましくは20℃以上高い耐熱性樹脂である延伸ポリエステル樹脂(PET、PBT等)、延伸ポリアミド樹脂(ONY)等のフィルムないしシートを好適に用いることができる。この保護層53としては、厚みが6μm~100μmのものを用いるのが良い。
【0044】
また外包ラミネート材L1を構成する伝熱層51、熱融着層52および保護層53の各間を接着するための接着剤としては、厚みが1μm~5μmのウレタン系接着剤、エポキシ系接着剤、オレフィン系接着剤等を好適に用いることができる。
【0045】
なお本実施形態においては、外包体1を構成するラミネート材L1として、3層構造のシートを用いるようにしているが、それだけに限られず、本発明においては、伝熱層と熱融着層との2層構造のシートを用いても良いし、4層以上の構造のシートを用いるようにしても良い。4層以上の構造のシートを用いる場合には例えば、保護層と伝熱層との間に他の層を介在させたり、伝熱層と熱融着層との間に他の層を介在したりして、4層以上に構成するようにしても良い。
【0046】
以上の構成の外包ラミネート材L1によって、外包体1のトレイ部材10およびカバー部材15が構成されている。そして後述する外包体融着工程(外包体融着処理)によって、カバー部材15がトレイ部材10にその凹陥部11の開口を閉塞するように取り付けられて、外包体1が形成されるものである。
【0047】
なお本実施形態においては、トレイ部材10における凹陥部11の底壁(下壁)111と、トレイ部材10に取り付けられたカバー部材15における凹陥部11に対応する部分の天壁(上壁)151とによって、一対の対向壁111,151が構成されるものである。
【0048】
図1図4に示すように外包体1の中空部(凹陥部)11内に収容されるインナーフィン2は、柔軟性ないし可撓性を有するラミネートシートないしフィルムである内芯ラミネート材L2によって構成されている。
【0049】
図4に示すように内芯ラミネート材L2は、金属箔製の伝熱層61と、伝熱層61の両面に接着剤を介して積層された樹脂フィルムないし樹脂シート製の熱融着層62,62とを備えている。
【0050】
内芯ラミネート材L2における伝熱層61としては、外包ラミネート材L1の伝熱層51と同様のものを好適に用いることができる。
【0051】
熱融着層62としては、上記外包ラミネート材L1の熱融着層52と同様のものを好適に用いることができる。
【0052】
なお本実施形態においては、インナーフィン2を構成するラミネート材L2として、3層構造のシートを用いるようにしているが、それだけに限られず、本発明においては、4層以上の構造のシートを用いるようにしても良い。例えば熱融着層と伝熱層との間に他の層を介在させることによって、4層以上の構造のシートを採用するようにしても良い。
【0053】
またインナーフィン2の加工方法は、特に限定されるものではないが、例えば内芯ラミネート材L2を一対のエンボスロールまたは一対のコルゲートロールによって挟み込みつつ、その一対のロール間に通過させることにより、凹凸を成形する方法を例示することができる。さらにはプレス機や、プレス金型を用いて、内芯ラミネート材L2に凹凸部を成形する方法を例示することができる。
【0054】
図2図5Aに示すようにインナーフィン2は、凹部25および凸部26が交互に連続して形成された角波形状(矩形波形状)、いわゆるデジタル信号波形に形成されている。すなわち本実施形態のインナーフィン2における凹部底面(底壁)および凸部頂面(頂壁)は、平坦に形成され、かつ熱交換器組付状態において、トレイ部材10の底壁(下壁)111およびカバー部材15の天壁(上壁)151に対し平行に配置されている。さらにインナーフィン2は、隣り合う凹部底壁および凸部頂壁間を連結する立ち上がり壁が、凹部底壁および凸部頂壁に対し、または熱交換器組付状態における外包体1の上下壁111,151に対し垂直に配置されている。
【0055】
なお本実施形態においては図5Aに示すように、角波形状のインナーフィン2を用いているが、それだけに限られず、本発明においては図5Bに示すように、断面円弧状凹部および凸部が交互に連続して形成された一般的な波形状(正弦波形状)、いわゆるアナログ信号波形に形成されたものを用いても良い。もっとも本発明においては、インナーフィンは、外包体の内周面に接合される凹部および凸部が設けられていれば、どのような形状のものでも使用することができる。
【0056】
このインナーフィン2が、トレイ部材10の凹陥部11内に収容される。この場合、インナーフィン2は、トレイ部材10の凹陥部11における前後両端部を除いた中間部に収容される。さらにインナーフィン2は、その山筋方向および谷筋方向がトレイ部材10の前後方向(図1の左右方向)に一致するように配置される。これにより、インナーフィン2の山筋部および谷筋部によって形成されるトンネル部および溝部が、熱交換流路として構成されている。この熱交換流路は、トレイ部材10の前後方向(長さ方向)に沿うように配置され、かつ幅方向(左右方向)に並列に複数配置されており、熱交換媒体(熱媒体)が各熱交換流路を通って均等に分散しながら外包体1の前後方向一端側から他端側に向けてスムーズに流通できるように構成されている。
【0057】
一方図2および図3に示すように、外包体1の両端部に配置される一対のヘッダー3,3は、熱融着性樹脂の成形品によって構成されている。
【0058】
またヘッダー3を構成する樹脂としては、上記外包体1およびインナーフィン2の熱融着層52,62を構成する樹脂と同種の樹脂を用いるのが好ましい。具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂またはそれらの変性樹脂、フッ素系樹脂、ポリエステル系樹脂、塩化ビニル樹脂等を好適に用いることができる。
【0059】
ヘッダー3は、一側面に開口部32を有する箱状の取付箱部31と、取付箱部31の上壁に設けられたパイプ部33とを備えている。パイプ部33は取付箱部31内に連通しており、パイプ部33の内部と取付箱部31の内部との間で熱交換媒体が往来できるように構成されている。
【0060】
ヘッダー3の成形方法は特に限定されるものではないが、例えば射出成型を用いて成形する方法を好適に採用することができる。
【0061】
このヘッダー3の取付箱部31がトレイ部材10の凹陥部11におけるインナーフィン2の両側に配置される。さらにヘッダー3のパイプ部33が上向きに配置されるとともに、取付箱部31の開口部32が内側に向けて、つまりインナーフィン2に対向して配置される。
【0062】
こうしてヘッダー3,3をトレイ部材10内に収容して、カバー部材15をトレイ部材10にその開口部を閉塞するように配置する。この場合、カバー部材15の出入口16内に、ヘッダー3,3の上向きのパイプ部33,33を挿通配置する。
【0063】
この仮組された熱交換器仮組品を加熱することによって、接触し合う部材同士の所要部分を熱融着して接合一体化する。この熱融着(ヒートシール)は、トレイ部材10のフランジ部12と、カバー部材15の外周縁部との間を、対応する熱融着層52を介して熱融着する外包体融着工程(外包体シール工程)と、一対の対向壁111,151と、インナーフィン2の凹凸部25,26との間を、対応する熱融着層52,62を介して熱融着するフィン融着工程(フィンシール工程)と、一対の対向壁111,151の熱融着層52と、ヘッダー3との間を熱融着するヘッダー融着工程(ヘッダーシール工程)との3つの熱融着工程を含むものである。
【0064】
本実施形態において、外包体融着工程を行った後、フィン/ヘッダー融着工程(内装品融着工程)によってフィン融着工程およびヘッダー融着工程を同時に行うものである。さらに本実施形態において外包体融着工程は、後述する外包体融着金型を用いて行うものであり、フィン/ヘッダー融着工程は、後述するフィン/ヘッダー融着金型(内装品融着金型)を用いて行うものである。
【0065】
本実施形態においては、外包体融着工程を行った後、フィン/ヘッダー融着工程を行う場合を2段シール(2段シール方式)と称し、1回目に行われる融着工程(外包体融着工程)を1回目(1段目)のシールと称し、2回目に行われる融着工程(フィン/ヘッダー融着工程)を2回目(2段目)のシールと称している。
【0066】
なお本発明においては、フィン融着工程およびヘッダー融着工程を必ずしも同時に行う必要はなく、別々の金型等を用いて別々に行うようにしても良い。
【0067】
また参考までに本発明においては、後述の比較例で例示するように外包体融着工程、フィン融着工程およびヘッダー融着工程を一つの金型(一括融着金型)で同時に行う場合を1段シール(1段シール方式)と称している。
【0068】
図6Aは外包体融着工程を実施する外包体融着金型D1を説明するための概略断面図である。同図に示すようにこの金型D1の下金型には、型内に設置された熱交換器仮組品のトレイ部材10のフランジ部12を下側から支持する熱板部Hが設けられるとともに、上金型には、カバー部材15の外周縁部を上側から押圧する熱板部Hが設けられている。そして型閉じを行って、トレイ部材10のフランジ部12と、カバー部材15の外周縁部との重ね合わせ部分を、上下の熱板部Hで挟み込んで加圧し、その状態で熱板部Hからの熱によって、図7Aの斜めハッチングで示すようにトレイ部材10のフランジ部12と、カバー部材15の外周縁部とを熱融着して封止できるようになっている。
【0069】
図6Bはフィン/ヘッダー融着工程を実施するフィン/ヘッダー融着金型D2を説明するための概略断面図である。同図に示すようにこの金型D2の下金型には、型内に設置された熱交換器仮組品のトレイ部材10の底壁(対向壁)111の部分を下側から支持するシール板Sが設けられるとともに、上金型には、カバー部材15の対向壁151の部分を上側から押圧するシール板Sが設けられている。そして型閉じを行った後、上側のシール板Sを降下させて上下のシール板Sをトレイ部材10の底面およびカバー15の上面中央に押し当てて加圧し、その状態でシール板Sからの熱によって、図7Bの斜めハッチングで示すように一対の対向壁111,151と、インナーフィン2の凹凸部25,26およびヘッダー3の上下面とを熱融着して固定できるようになっている。
【0070】
なお本実施形態においてシール板Sは、その最表面、つまり外包体1の一対の対向壁111,151との接触面に、シリコーンゴム、フッ素ゴム、ガラスクロス等のクッション材を設置することにより、シール板Sを外包体1の所要領域全域に対し均等な押圧力で押し付けることができ、外包体1とインナーフィン2およびヘッダー3との接合を良好に行うことができる。
【0071】
また本実施形態のフィン/ヘッダー融着金型D2は、フィン/ヘッダー融着工程を行っている間に、外包体1の内部を減圧するための減圧手段8を備えている。
【0072】
減圧手段8は、吸引ポンプ81と、吸引ポンプ81に一端が接続される本管82と、本管82に一端がそれぞれ接続され、かつフィン/ヘッダー融着金型の上金型をそれぞれ貫通して他端が、外包体1における一対の出入口16に対向して配置される一対の支管83と、一対の支管83の各他端に連結され、かつ外包体1における一対の出入口16にそれぞれ連結されるカプラー9とを備えている。
【0073】
なお本実施形態においては、本管82および支管83によって吸引管が構成され、吸引管およびカプラー9によって吸引部が構成されている。さらに本管82の一端によって吸引部の一端が構成されるとともに、カプラー9によって吸引部の他端が構成されている。
【0074】
図8に示すようにカプラー9は、ラッパ状ないし円錐管状の形状を有し、小径側の端部が支管83の他端に気密状態に連通接続される。さらに大径側の端部(接続口)における周壁端面には、Oリング91が取り付けられている。そしてフィン/ヘッダー融着金型を閉じた際には、Oリング91を介してカプラー9の大径側端面が、外包体1の出入口16の外周部に気密状態に密着して、そのカプラー9の内部にパイプ部33が収容されるようになっている。この状態において、吸引ポンプ81を駆動すると、本管82および支管83を介して外包体1の内部が吸引されて減圧状態(負圧状態)に設定されるように構成されている。
【0075】
またカプラー9の材質は、ステンレス、アルミニウム等の金属製であっても、ABS樹脂等の樹脂製であっても良い。
【0076】
またOリング91はJIS B 2401で規定されている形状から選択するのが好ましい。さらに真空フランジ用Oリングから選択するのが好ましい。
【0077】
またOリング91としては、材質がフッ素ゴム、シリコーンゴム、ニトリルゴム等のものを好適に用いることができる。
【0078】
また減圧手段8の吸引ポンプ81としては、ロータリーポンプ、ディフュージョンポンプ等を用いることができる。
【0079】
本実施形態においては、上記の熱交換器仮組品に対し、外包体融着金型(図6A参照)を用いて外包体融着工程を行って外包体1の外周縁部を封止した後、フィン/ヘッダー融着金型(図6B参照)を用いて、以下(1)~(5)の手順でフィン/ヘッダー融着工程を行う。
【0080】
(1)外包体1が封止された熱交換器仮組品をフィン/ヘッダー融着金型の下金型にセットする。
【0081】
(2)上金型を下降させて型閉じを行うとともに、上金型に設けられた減圧手段8のカプラー9の下端(大径側端部)を外包体1における出入口16の外周に密着する。
【0082】
(3)真空ポンプ81を作動させて、外包体1の内部を所定の圧力まで減圧した後、上側のシール板Sを下降させて、上下のシール板Sを外包体1の対向壁111,151に圧接し、既述した通り、外包体1と、インナーフィン2およびヘッダー3とを熱融着する。
【0083】
(4)熱融着した後、吸引ポンプ81を停止して、外包体内部の減圧状態(負圧状態)を解除し、上側のシール板Sを上昇させて型開きを行う。
【0084】
(5)その後、熱融着された熱交換器を金型D2から取り出して、フィン/ヘッダー融着工程を完了する。
【0085】
なお本実施形態においては、外包体1の内部を減圧するに際して、一対の出入口16の両側から吸引するようにしているが、それだけに限られず、本発明においては、一対の出入口16の少なくともいずれか一方から吸引できるように構成すれば良い。
【0086】
本実施形態の製法によって得られた熱交換器は例えば、電池等を冷却対象部材(熱交換対象部材)として冷却するための冷却器(冷却装置)として用いられる。すなわち熱交換器の一方のパイプ部33に、熱交換媒体(冷媒)としての冷却液(冷却水、不凍液等)を流入するための流入管が連結されるとともに、他方のパイプ部33に、冷却液を流出するための流出管が連結される。さらに熱交換器の外包体1における下壁111および/または上壁151に冷却対象部材としての電池を接触させた状態に配置する。そしてその状態で一方のパイプ部33から冷却液を一方のヘッダー3を介して外包体1の内部に流入し、その冷却液をインナーフィン2の部分を流通させて、他方のヘッダー3を介して他方のパイプ部33から流出させる。こうして冷却液を外包体1に循環させることにより、その冷却液と電池との間でインナーフィン2および外包体1の上下壁を介して熱交換されて、電池が冷却されるものである。
【0087】
本実施形態の熱交換器は、その使用形態は特に限定されるものではなく、1つだけで使用することもできるし、2つ以上で使用することもできる。1つでの使用は、既述した通り、熱交換器の上下面に熱交換対象部材を接触させて使用するものである。2つで使用する場合には、例えば2つの熱交換器によって熱交換対象部材を挟み込むように配置して使用することができる。さらに2つ以上で使用する場合、熱交換器と熱交換対象部材とを交互に重ね合わせるように配置して使用することもできる。
【0088】
以上のように本実施形態の熱交換器の製造方法においては、外包体1の内部を減圧してインナーフィン2を外包体1に融着しているため、減圧による外包体1の収縮作用により、外包体1がインナーフィン2の凹部底面や凸部上面に追従して十分に密着し、その密着部を融着部として融着することができる。このため外包体1およびインナーフィン2間の所定の融着部全域を隙間なく融着できて、接着不良や接着不足の発生を確実に防止することができる。その結果、ヒートシール(熱融着)時の接着信頼性を格段に向上させることができ、伝熱性の向上、ひいては熱交換性能の向上を図ることができるとともに、漏れや膨れ等の不具合を防止できて、外観上問題のないラミネートタイプの熱交換器を提供することができる。
【0089】
同様に、減圧により外包体1を収縮させつつ、ヘッダー3を外包体1に融着しているため、外包体1がヘッダー3の外表面の所要領域に追従して十分に密着し、その密着部を融着部として融着することができる。このため例えばヘッダー3に外表面にヒケ等の凹部があったとしても、ヒケの部分にも確実に外包体1を密着できて、外包体1およびヘッダー3間の所定の融着領域全域を隙間なく融着することができる。従ってこの点においても、接着不良や接着不足の発生を確実に防止でき、漏れや膨れ等の不具合を防止でき、高品質のラミネートタイプの熱交換器を提供することができる。
【0090】
また本実施形態において、フィン/ヘッダー融着金型D2の減圧手段8は、外包体1の出入口16、換言すればヘッダー3のパイプ部33を利用して、外包体1内を減圧するようにしているため、新たな部材を使用せずに、かつ格別な構成を採用せずに、外包体1内を簡単かつ確実に減圧することができる。
【0091】
ここで本実施形態において、フィン/ヘッダー融着工程における融着条件としての減圧条件は、外包体1の内圧を大気圧(外包体1の外圧)に対し1/15~1/2、換言すると5cmHg~38cmHgに設定するのが良い。すなわち外包体1の内圧が小さ過ぎる場合には、外包体1やインナーフィン2が、吸引部である出入口16側に強く吸引されて変形し、外包体1に型付やしわが発生するおそれがあり、好ましくない。逆に外包体1の内圧が大き過ぎる場合には、外包体1をインナーフィン2やヘッダー3に十分に密着させることができず、減圧による上記の効果を確実に得ることができなくなるおそれがあり、好ましくない。
【0092】
またシール温度(熱融着温度)は、160℃~250℃に設定するのが良く、より好ましくは170℃~210℃に設定するのが良い。
【0093】
また本実施形態においては、フィン融着工程およびヘッダー融着工程を同時に行うようにしているため、別々に行う場合と比較して、融着工程を効率良く行うことができ、ひいては熱交換器の生産効率を向上させることができる。
【0094】
また本実施形態においては、角波形状のインナーフィン2を用いているため、凹部底壁および凸部頂壁が平坦となり、外包体1の一対の対向壁111,151との接触面積を増大させることができる。このためインナーフィン2と外包体1との間の伝熱性を一層向上できて、熱交換性能を一層向上させることができる。さらにインナーフィン2と外包体1との接触面積を大きく確保できるため、インナーフィン2の外包体1に対する取付強度を向上でき、接触不良の発生等をより確実に防止することができる。
【0095】
また本実施形態においては、インナーフィン2を角波形状に形成しているため、凹部底壁と凸部頂壁との間を連結する立ち上がり壁が、外包体1の対向する上下壁111,151に対し直交した状態で多数配置される。このためインナーフィン2が外圧による圧縮方向の応力に対しては突っ張るように作用し、内圧による膨張方向の応力に対しては引っ張るように作用するため、内圧および外圧のいずれの圧力に対しても高い強度を確保でき、変形を防止できて安定した形状を確実に維持でき、動作信頼性をより一層向上させることができる。特に熱交換器を複数重ね合わせて使用するような場合には、十分な耐圧性を確保でき、安定した形態(形状)を確実に維持でき、高い熱交換性能を確実に得ることができる。
【0096】
その上さらに本実施形態においては、一対の対向壁111,151の間隔を保持するようなスペーサ等の補強部材を外包体1の内部に設置すること好ましく、その結果、減圧シール時やフィン配置時にインナーフィン2が収納される空間の変形防止を確実に実施することができる。なお、図示等は省略するが、補強部材は外包体1の内部を構成する樹脂と同種の樹脂で構成することにより、外包体1に接着されるため好ましく、形状は直方体が好ましい。また、補強部材は外包体1の中心部を通り熱交換媒体の流れと平行となるような向きで配置されることが好ましい。そのため、インナーフィン2は複数に分けて空間に配置されることが好ましい。
【0097】
なお上記実施形態においては、外包体1のカバー部材15として、成形されていないシート状のものを使用しているが、それだけに限られず、本発明においては、カバー部材15に成形加工を施すようにしても良い。例えばカバー部材を、中央部が上方に凹陥形成された断面ハット状の成形品によって構成し、そのハット状のカバー部材を、上記のようなトレイ状のトレイ部材10にその上方から覆うように外周縁部を接合一体化して、外包体を形成するようにしても良い。さらに本発明においては、成形されていない2枚のシート状の外包ラミネート材L1を重ね合わせて、その外周縁部を熱融着することによって、外包体を形成するようにしても良い。
【0098】
また上記実施形態においては、外包体1を2枚の外包ラミネート材L1を貼り合わせて形成する場合を例に挙げて説明したが、それだけに限られず、本発明においては、外包体を形成する外包ラミネート材の枚数は限定されず、例えば1枚の外包ラミネート材を2つ折りにして外包体を形成したり、3枚以上の外包ラミネート材を貼り合わせて外包体を形成するようにしても良い。
【実施例0099】
<熱交換器構成部品の準備>
(1)外包ラミネート材L1の準備
表1に示すように、実施例1の外包ラミネート材(外包材)L1の伝熱層51用の金属箔として、A8021H-O材である厚さ120μmのアルミニウム箔を準備した。このアルミニウム箔を伝熱層51として、その一面(内面)にウレタン系接着剤を介して、厚さ40μmの3層(ランダムPP/ブロックPP/ランダムPP:各層の層比1/8/1)の無延伸の共押しフィルムを貼り合わせるとともに、伝熱層(アルミニウム箔)の他面(外面)にウレタン系接着剤を介して、厚さ12μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを貼り合わせて、外包ラミネート材L1を作製した。
【0100】
(2)内芯ラミネート材L2の準備
表1に示すように、実施例1の内芯ラミネート材(内芯材)L2の伝熱層61用の金属箔として、上記と同様のアルミニウム箔を準備した。このアルミニウム箔を伝熱層61として、その両面にウレタン系接着剤を介して、厚さ40μmの3層(ランダムPP/ブロックPP/ランダムPP:各層の層比1/8/1)の無延伸の共押しフィルムを貼り合わせて、内芯ラミネート材L2を作製した。
【0101】
(3)トレイ部材10およびカバー部材15の作製
図1図3に示す実施形態に準拠して、上記外包ラミネート材L1をカットして得られたシート材を、プレス金型を用いた深絞り成形により、図9Aおよび図9Bに示すように幅(Wr)90mm×長さ(Lr)140mm×深さ(Dr)4mmの凹陥部11と、凹陥部11の開口縁部の全周に形成された幅(Wf)10mmのフランジ部12とを有するトレイ部材11を作製した。
【0102】
なお本実施例では、高い寸法精度を得るために、シャープな形状に加工したトレイ部材10を作製した。具体的には、凹陥部11における四隅コーナー半径(R1)が2.0mm、ダイス肩半径(R2)が1.0mm、パンチ肩半径(R3)が1.0mm、ダイスおよびパンチ間のクリアランスは0.25mmである。
【0103】
また上記外包ラミネート材L1をカットして、トレイ部材11の上面に対応する大きさ(110mm×160mm)のシート状のカバー部材15であって、トレイ部材11の凹陥部11の両側に対応して出入口16(図1図3参照)が形成されたものを作製した。
【0104】
(4)インナーフィン2の作製
上記内芯ラミネート材L2をコルゲート加工によって、図5Aおよび図5Bに示す角波形状と正弦波形状の2種類のインナーフィンを作製した。
【0105】
角波形状のインナーフィン2は、図5Aに示すように内芯ラミネート材L2をフィン高さ(Hf)が4.1mm、フィンピッチ(Pf)が4mm、フィン厚み(Tf)が0.2mmの角波形状に形成し、その角波シートを、長さ100mm×幅90mmにカットすることにより作製した。なおインナーフィン2の山筋方向および谷筋方向は、長さ方向(縦方向)に沿うように配置されている。さらにインナーフィン2においても、トレイ部材11と同様、シャープな形状とするために、外側コーナー半径(R4)を0.5mmに設定した。
【0106】
正弦波形状のインナーフィン2は、図5Bに示すように内芯ラミネート材L2をフィン高さ(Hf)が4.1mm、フィンピッチ(Pf)が4mm、フィン厚みが0.2mmの正弦波形状に形成し、その正弦波シートを、長さ100mm×幅90mmにカットすることにより作製した。
【0107】
(5)ヘッダー3の作製
図2および図3に示すように、PP製の樹脂材を射出成型することによって、高さ4mm×長さ90mm×幅20mmの取付箱部31に、内径φ10mm、外径φ12mm、長さ3mmのパイプ部33が一体に形成されたヘッダー3を作製した。
【0108】
<実施例1>
【0109】
【表1】
【0110】
表1に示すように上記のトレイ部材10、カバー部材15、正弦波形状のインナーフィン2、ヘッダー3を用いて実施例1の熱交換器を作製した。すなわちトレイ部材10の凹陥部11における両端部にヘッダー3,3を、各パイプ部33が上方に向くようにして収容した。さらに凹陥部11内におけるヘッダー3,3間に正弦波形状のインナーフィン2を収容した。
【0111】
次にトレイ部材10にその凹陥部11を上から閉塞するようにカバー部材15を配置した。この際、カバー部材15の出入口16,16にヘッダー3,3のパイプ部33,33を挿通してカバー部材15の上方に突出させた。
【0112】
これにより熱交換器仮組品を作製した。この仮組品に対し、以下の2段シール方式で熱融着処理を行った。
【0113】
1段目のシールは図6Aに示す外包体融着金型D1を用いて、190℃(シール温度)×0.3MPa(シール圧力)×7秒(シール時間)のシール条件で、外包体融着工程を行い、トレイ部材10のフランジ部12およびカバー部材15の外周縁部を熱融着して封止した。
【0114】
2段目のシールは図6Bに示すフィン/ヘッダー融着金型D2を用いて、190℃(シール温度)×0.3MPa(シール圧力)×7秒(シール時間)のシール条件で、さらに外圧(外包体1の外圧)が76cmHgの下、外包体1の内圧を21cmHg(-55cmHg)に減圧した状態で、フィン/ヘッダー融着工程を行い、インナーフィン2およびヘッダー3を外包体1における一対の対向壁111,151に熱融着して接着固定した。これにより実施例1の熱交換器を作製した。
【0115】
<実施例2>
表1に示すように上記のトレイ部材10、カバー部材15、角波形状のインナーフィン2、ヘッダー3を用いて上記実施例1と同様に熱交換器仮組品を作製した。
【0116】
この仮組品に対し、上記実施例1と同様に1段目のシールを行って、外包体融着工程を行った。
【0117】
続いて外包体1の内圧を10cmHg(-66cmHg)に減圧した以外は上記実施例1と同様に2段目のシールを行って、フィン/ヘッダー融着工程を行い、実施例2の熱交換器を作製した。
【0118】
<実施例3>
表1に示すように上記のトレイ部材10、カバー部材15、角波形状のインナーフィン2、ヘッダー3を用いて上記実施例1と同様に熱交換器仮組品を作製した。
【0119】
この仮組品に対し、上記実施例1と同様に1段目のシールを行った後、外包体1の内圧を3cmHg(-73cmHg)に減圧した以外は上記実施例1と同様に2段目のシールを行って、実施例3の熱交換器を作製した。
【0120】
<実施例4>
表1に示すように上記のトレイ部材10、カバー部材15、角波形状のインナーフィン2、ヘッダー3を用いて上記実施例1と同様に熱交換器仮組品を作製した。
【0121】
この仮組品に対し、上記実施例1と同様に1段目のシールを行った後、外包体1の内圧を50cmHg(-26cmHg)に減圧した以外は上記実施例1と同様に2段目のシールを行って、実施例4の熱交換器を作製した。
【0122】
<比較例1>
表1に示すように上記のトレイ部材10、カバー部材15、角波形状のインナーフィン2、ヘッダー3を用いて上記実施例1と同様に熱交換器仮組品を作製した。
【0123】
一方、比較例1における熱融着処理を行うために、図10Aに示す一括融着金型D11を準備した。この一括融着金型D11において、下金型には、型内に設置された熱交換器仮組品のトレイ部材10の底壁11およびフランジ部12を下側から支持する熱板部Hが設けられるとともに、上金型には、カバー部材15の全域を上側から押圧する熱板部Hが設けられている。そして型閉じを行って、上下の熱板部Hをトレイ部材10の底面およびカバー部材15の上面全域に押し当てて、その状態で熱板部Hからの熱によって、外包体融着工程、フィン融着工程およびヘッダー融着工程を同時に行えるようになっている。
【0124】
この一括融着金型D11を用いて、上記の仮組品に対し1段シール方式で外包体融着工程、フィン融着工程およびフィン融着工程を一括して行い、比較例1の熱交換器を作製した。この融着時のシール条件は、190℃(シール温度)×0.3MPa(シール圧力)×7秒(シール時間)とした。
【0125】
<比較例2>
表1に示すように上記のトレイ部材10、カバー部材15、角波形状のインナーフィン2、ヘッダー3を用いて上記実施例1と同様に熱交換器仮組品を作製した。
【0126】
一方、比較例2における熱融着処理を行うために、図10Bに示す一括融着金型D12を準備した。この一括融着金型D12において、下金型には、型内に設置された熱交換器仮組品のトレイ部材10の底壁11およびフランジ部12を下側から支持するシール板Sが設けられるとともに、上金型には、カバー部材15の全域を上側から押圧するシール板Sが設けられている。さらに上金型には、型内を減圧するための減圧手段80が設けられている。そして型閉じを行って、上下のシール板Sをトレイ部材10の底面およびカバー部材15の上面全域に押し当てるとともに、減圧手段80によって型内における外包体1の内外両側を減圧し、その状態で熱板部Hからの熱によって、外包体融着工程、フィン融着工程およびヘッダー融着工程を同時に行えるようになっている。
【0127】
この一括融着金型D12を用いて、上記の仮組品に対し1段シール方式で外包体融着工程、フィン融着工程およびフィン融着工程を一括して行い、比較例1の熱交換器を作製した。この融着時のシール条件は、190℃(シール温度)×0.3MPa(シール圧力)×7秒(シール時間)、21cmHg(型内の圧力)とした。
【0128】
<比較例3>
表1に示すように上記のトレイ部材10、カバー部材15、角波形状のインナーフィン2、ヘッダー3を用いて上記実施例1と同様に熱交換器仮組品を作製した。
【0129】
一方、比較例3における熱融着処理を行うために、図10Cに示すフィン/ヘッダー融着金型D13を準備した。この融着金型D13は、減圧手段8を有しない点を除いて、上記図6Bに示す融着金型D2と実質的に同じ構成である。すなわちこの金型D13の下金型には、型内に設置された熱交換器仮組品のトレイ部材10の底壁111の部分を下側から支持する熱板部Hが設けられるとともに、上金型には、カバー部材15の対向壁151の部分を上側から押圧する熱板部Hが設けられている。そして型閉じを行って上下の熱板部Hをトレイ部材10の底面およびカバー15の上面中央に押し当てて、その状態で熱板部Hからの熱によって、フィン融着工程およびヘッダー融着工程を同時に行えるようになっている。
【0130】
比較例3では上記の熱交換器仮組品に対し、以下の2段シール方式で熱融着処理を行った。
【0131】
1段目のシールは上記実施例1と同様に図6Aに示す外包体融着金型D1を用いて、同様のシール条件で外包体融着工程を行った。
【0132】
2段目のシールは上記図10Cに示すフィン/ヘッダー融着金型D13を用い、190℃(シール温度)×0.3MPa(シール圧力)×7秒(シール時間)のシール条件で、フィン/ヘッダー融着工程を行って、比較例3の熱交換器を作製した。
【0133】
<外観評価試験>
実施例1~4および比較例1~3の各熱交換器の外観(特に表裏)に対し目視にて、熱しわ(収縮しわ)の発生の有無を観察し、しわが発生している場合は、しわの深さを輪郭形状測定器(株式会社ミツトヨ社製のコントレーサー「CV-2100」)を用いて測定した。
【0134】
評価基準は、熱交換器の表裏のいずれかに、しわの発生がないもの、または深さが15μm未満のしわが発生したものを「○(良好)」、表裏いずれかに深さが15μm以上、50μm未満のしわが発生したものを「△(通常)」、表裏いずれかに深さが50μm以上のしわが発生したものを「×(不良)」と評価した。その結果を表1に併せて示す。
【0135】
<耐圧試験>
実施例1~4および比較例1~3の熱交換器を3個ずつ(N=3)準備し、各熱交換器に対しそれぞれ耐圧性の評価試験を行った。すなわち、各熱交換器に冷却水を流通し、内圧1MPaで5分間保持した後、各熱交換器において、外包体1とインナーフィン2およびヘッダー3との剥がれ、膨れ等の接着破壊箇所の有無を観察した。さらに参考として、内圧が1.5MPaまで過剰に上昇した場合も接着破壊箇所の有無を観察した。
【0136】
評価基準は、内圧1.5MPaで、剥がれ、膨れ等の発生がないものを「◎(優秀)」、内圧1.0MPa未満では剥がれ、膨れ等の発生はないが、内圧が1.0MPa以上で1.5MPa未満では剥がれ、膨れ等の発生があるものを「○(良好)」、内圧が1.0MPa未満で、剥がれ、膨れ等の発生があったものを「×(不良)」と評価した。その結果を表1に併せて示す。
【0137】
<繰り返し耐圧試験>
実施例1~4および比較例1~3の熱交換器を5個ずつ(N=5)準備し、各熱交換器に対し、常温(23℃)の水道水を通水し、流水圧0MPaの負荷と、0.2MPaの負荷とを交互に繰り返し加えて、1.5万回後、および2万回後において各熱交換器の外観を観察し、いずれかの部位に、剥がれ、膨れが発生した否かを確認した。
【0138】
評価基準は、5個すべての熱交換器において、2万回までの負荷によって剥がれ、膨れがないものを「◎(優秀)」、5個中4個の熱交換器において、2万回までの負荷によって剥がれ、膨れがなく、かつ1個の熱交換器において、1.5万回までの負荷によって剥がれ、膨れがないものを「○(良好)」、5個中4個が、2万回までの負荷によって剥がれ、膨れがなく、かつ1個の熱交換器において、1.5万回までの負荷によって剥がれ、膨れが発生したものを「△(通常)」、5個中2個以上の熱交換器において、2万回または1.5万回までの負荷によって剥がれ、膨れが発生したものを「×(不良)」と評価した。その結果を表1に併せて示す。
【0139】
表1から明らかなように、実施例1~4の熱交換器は、比較例1~3の熱交換器と比べて、外観、耐圧性(繰り返し耐圧性)および耐腐食性に優れていた。
【産業上の利用可能性】
【0140】
この発明の熱交換器の製造方法は、スマートフォンやパーソナルコンピュータ等のCPU回りや電池回りの発熱対策、液晶TV、有機ELTV、プラズマTV等のディスプレイ回りの発熱対策、自動車のパワーモジュール回りや電池回りの発熱対策、スーパーコンピュータ等の定置発熱機の発熱対策に用いられる冷却器の他、床暖房や融雪等の吸熱対策に用いられる加熱器等の熱交換器を製作する際に利用することができる。
【符号の説明】
【0141】
1:外包体
16:出入口
2:インナーフィン
3:ヘッダー
25:凹部
26:凸部
51:伝熱層
52:熱融着層
61:伝熱層
62:熱融着層
8:減圧手段
81:吸引ポンプ
82:本管(吸引管)
83:支管(吸引管)
D1:外包体融着金型
D2:フィン/ヘッダー融着金型
L1:外包ラミネート材
L2:内芯ラミネート材
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6A
図6B
図7A
図7B
図8
図9A
図9B
図10A
図10B
図10C