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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022062505
(43)【公開日】2022-04-20
(54)【発明の名称】走行玩具
(51)【国際特許分類】
   A63H 19/28 20060101AFI20220413BHJP
   A63H 19/30 20060101ALI20220413BHJP
   A63H 30/02 20060101ALI20220413BHJP
   G09B 19/00 20060101ALI20220413BHJP
   G06K 7/10 20060101ALI20220413BHJP
【FI】
A63H19/28 A
A63H19/30 A
A63H30/02 A
G09B19/00 Z
G06K7/10 248
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020170565
(22)【出願日】2020-10-08
(71)【出願人】
【識別番号】000003584
【氏名又は名称】株式会社タカラトミー
(71)【出願人】
【識別番号】511304154
【氏名又は名称】株式会社モノコト
(74)【代理人】
【識別番号】100191189
【弁理士】
【氏名又は名称】浅野 哲平
(74)【代理人】
【識別番号】100199761
【弁理士】
【氏名又は名称】福屋 好泰
(72)【発明者】
【氏名】佐野 高一
(72)【発明者】
【氏名】岡山 満
【テーマコード(参考)】
2C150
【Fターム(参考)】
2C150AA05
2C150BA17
2C150BA23
2C150CA08
2C150DA16
2C150DF14
2C150DG01
2C150DK02
2C150EB01
2C150ED43
2C150EH09
(57)【要約】      (修正有)
【課題】プログラミングにおける論理的思考を身につけることができる走行玩具を提供する。
【解決手段】互いに接続可能な複数のレールパーツ21と、複数のレールパーツが接続されて形成された走行路20を走行する車両玩具10と、を備える走行玩具1であって、レールパーツは、固有情報が付与された固有レールパーツと、固有パーツにおいて実行される命令情報が付与された命令レールパーツ38と、を含み、車両玩具は、固有情報および命令情報を読み取るRFIDリーダライタと、固有情報を読み取ったときに、読み取った命令情報に従って走行を制御するCPUと、を含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに接続可能な複数の走行路パーツと、
前記複数の走行路パーツが接続されて形成された走行路を走行する車両玩具と、
を備え、
前記走行路パーツは、
固有情報が付与された固有パーツと、
前記固有パーツにおいて実行させる命令情報を前記車両玩具に与える命令パーツと、
を含み、
前記車両玩具は、
前記固有情報および前記命令情報を読み取る読取部と、
前記固有情報を読み取ったときに、前記読み取った命令情報に従って動作を制御する制御部と、
を含む、走行玩具。
【請求項2】
ユーザによって前記車両玩具の動作が設定される設定部を備え、
前記命令パーツは前記設定部の設定に基づいて前記命令情報を生成することを特徴とする、請求項1に記載の走行玩具。
【請求項3】
前記命令パーツはパッシブ型のRFタグを有し、
前記設定部は前記RFタグに接続され、前記動作を設定するスイッチを有する、請求項2に記載の走行玩具。
【請求項4】
互いに接続可能な複数の走行路パーツと、
前記複数の走行路パーツが接続されて形成された走行路を走行する車両玩具と、
を備え、
前記走行路パーツは、
固有情報が付与された固有パーツを含み、
前記車両玩具は、
前記固有パーツにおいて実行する命令情報が入力される入力部と、
前記固有情報を読み取る読取部と、
前記固有情報を読み取ったときに、前記入力された命令情報に従って動作を制御する制御部と、
を含む、走行玩具。
【請求項5】
前記入力部は、前記動作を設定する複数のスイッチを含む請求項4に記載の走行玩具。
【請求項6】
前記入力部は、携帯情報端末と通信可能であり、当該携帯情報端末を通じてユーザにより設定された命令情報が入力されることを特徴とする請求項4に記載の走行玩具。
【請求項7】
前記固有パーツは、前記車両玩具の走行方向を他方向へと分岐させる分岐パーツを含み、
前記命令情報は、前記分岐パーツにおいて前記車両玩具を他方向へと走行させる分岐命令を含む、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の走行玩具。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、走行玩具に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には走行玩具に関する技術が記載されている。当該走行玩具は、車両玩具と、当該車両玩具を走行させるコースと、ゲーム装置と、を備えている。コースは、複数のコースパーツが接続されて構成されている。各コースパーツの接続箇所には白色のマーカーが付されており、当該マーカーによってコースが複数の区間に区分けされている。
【0003】
車両玩具は、上記マーカーを検出するセンサと、上記区間の各々に対応して設定されたパラメータ(動作制御データ)を記憶するメモリと、マーカーを検出する度にメモリに記憶されたパラメータを参照してモータを制御する制御部と、を備えている。車両玩具は、さらに、ゲーム装置と通信を行う外部インターフェース部を備えており、当該外部インターフェース部を通じて、ゲーム装置から上記パラメータを受信し、メモリに記憶させている。
【0004】
ゲーム装置は、各種情報を表示するとともにユーザからの入力を受け付けるタッチパネルスクリーンを備える携帯型のコンピュータであり、メモリに記憶されたプログラムをCPUが実行することで、上記パラメータを設定する設定部、及び設定されたパラメータを車両玩具に送信する送信部として機能している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009-247574号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記特許文献1では、上記ゲーム装置をユーザが操作することで、各区間に対応するパラメータが設定され、設定されたパラメータに従って車両玩具が走行するものであるが、当該パラメータの設定は、主に、ユーザによって選択されたキャラクターに応じて一意的に設定されるものであるため、車両玩具の動作を任意に設定することができず、当該走行玩具を通じてユーザがプログラミングにおける論理的思考を身につけるのは困難である。
【0007】
本発明は、プログラミングにおける論理的思考を身につけることができる走行玩具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明は、互いに接続可能な複数の走行路パーツと、前記複数の走行路パーツが接続されて形成された走行路を走行する車両玩具と、を備え、前記走行路パーツは、固有情報が付与された固有パーツと、前記固有パーツにおいて実行させる命令情報を前記車両玩具に与える命令パーツと、を含み、前記車両玩具は、前記固有情報および前記命令情報を読み取る読取部と、前記固有情報を読み取ったときに、前記読み取った命令情報に従って動作を制御する制御部と、を含む、ことを特徴とする。
【0009】
また、上記目的を達成するため、本発明は、互いに接続可能な複数の走行路パーツと、前記複数の走行路パーツが接続されて形成された走行路を走行する車両玩具と、を備え、前記走行路パーツは、固有情報が付与された固有パーツを含み、前記車両玩具は、前記固有パーツにおいて実行する命令情報が入力される入力部と、前記固有情報を読み取る読取部と、前記固有情報を読み取ったときに、前記入力された命令情報に従って動作を制御する制御部と、を含む、特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明の走行玩具によれば、プログラミングにおける論理的思考を身につけることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の第1実施形態に係る鉄道玩具の概略図
図2】(a)上記鉄道玩具の一の直線レールパーツの平面図、(b)カーブレールパーツの平面図、(c)他の直線レールパーツの平面図
図3】上記鉄道玩具が有する車両玩具のブロック図概略図
図4】(a)上記鉄道玩具の支線の構成図、(b)支線を構成する命令レールパーツの裏面図
図5】本発明の第2実施形態に係る鉄道玩具の概略図
図6】上記鉄道玩具が有する命令入力ユニットのハードウエア概略図
図7】本発明の第3実施形態に係る鉄道玩具の概略図
図8】上記鉄道玩具が有する車両玩具の平面図
図9】上記車両玩具のブロック図
図10】本発明の第4実施形態に係る鉄道玩具の概略図
図11】上記鉄道玩具が有する車両玩具および携帯情報端末のブロック図
図12】上記携帯情報端末の表示画面を表した図
図13】変形例に係る鉄道玩具の概略図
図14】(a)上記変形例に係る合流レールパーツの平面図、(b)分岐レールパーツの概略図
図15】(a)変形例に係る車両玩具の側面図、(b)当該車両玩具の底面図
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、鉄道玩具を例にして、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0013】
[第1実施形態]
【0014】
図1に示すように、第1実施形態に係る鉄道玩具1は、鉄道車両の玩具(以下、車両玩具10)を走行させる玩具であって、走行路20と、当該走行路20を走行する車両玩具10と、を備えている。
【0015】
幹線2の走行路20は、走行路パーツである複数のレールパーツ21がユーザによって接続されることによって、ロ字状に走行経路が形成されている。具体的には、図2に示すように、複数の直線レールパーツ22と複数のカーブレールパーツ23が互いに接続されることにより、周回軌道の走行路20が構成されている。直線レールパーツ22は、車両玩具10を直線的に走行させるレールパーツであって、一対のレール24が真っ直ぐに延出しており、その一端には他のレールパーツ21と接続される凸状の接続部25が形成され、他端には更に他のレールパーツ21と接続される凹状の接続部26が形成されている。カーブレールパーツ23は、一対のレール27が弧状に湾曲したレールパーツであって、直線レールパーツ22と同様に凸状の接続部28および凹状の接続部29が各端部に形成されている。各レールパーツ21に設けられた凸状の接続部25,28が他のレールパーツ21の凹状の接続部26,29に嵌め込まれることで、レールパーツ21は互いに接続される。
【0016】
図1に戻り、上記の走行経路には、第一の駅パーツ30、第二の駅パーツ31、及び踏切パーツ32が設けられている。2つの駅パーツ30,31は、それぞれ異なる駅の外観を模したパーツである。踏切パーツ32は、踏切の外観を模したパーツであり、直線レールパーツ22を含んでいる。
【0017】
ここで、複数のレールパーツ21は複数の固有レールパーツを備えている。本実施形態の固有レールパーツは、第一直線レールパーツ33乃至第三直線レールパーツ35であり、図2(c)に示すように、その表面には固有情報36が表記されている。固有情報36は、他のレールパーツ21と区別し得るよう、各固有レールパーツに対して一意に付与された固有の情報であって、例えば第一直線レールパーツ33の表面には“直線1”のように固有情報が表記されている。同様に、第二直線レールパーツ34や第三直線レールパーツ35の表面には“直線2”や“直線3”の固有情報が表記されている。これら第一直線レールパーツ33乃至第三直線レールパーツ35は、その裏側に固有情報が記憶されたパッシブ型のRFタグ37が設けられている。当該RFタグ37に記憶された固有情報は、レール表面に表記された固有情報に関連する情報であり、例えば、第一直線レールパーツ33のRFタグ37には“S1”が記憶されている。当該固有情報“S1”における“S”は直線レールパーツであることを意味し、他の種類のレールパーツ21と区別するための記号である。また、“1”は他の固有レールパーツと区別するためのシリアル番号である。同様に、第二直線レールパーツ34や第三直線レールパーツ35のRFタグ37には、“S2”や“S3”が記憶されている。なお、第一直線レールパーツ33に沿って第一の駅パーツ30が配置され、第二直線レールパーツ34に沿って第二の駅パーツ31が配置され、第三直線レールパーツ35は踏切パーツ32に組み込まれている。
【0018】
上記した複数のレールパーツ21によって幹線2が形成されており、本実施形態の鉄道玩具1は幹線2を走行する車両玩具10を備えている。
【0019】
車両玩具10は、鉄道車両の外観を模した外装部と、左右の車輪が設けられたシャシと、を含む。左右の車輪はレールパーツ21の一対のレール24,27上を走行可能に設けられており、図3に示すように、CPU11と、CPU11によって制御される駆動回路12と、駆動回路12によって一定速度で駆動されるモータ13と、が先頭車両のシャシに搭載されている。
【0020】
ここで、図1及び図4に示すように、本実施形態の鉄道玩具1は、幹線2に合流接続される支線3を有しており、当該支線3を走行する車両玩具10に対して、命令情報を入力することとしている。具体的には、支線3は、ユーザによって接続された複数の命令レールパーツ38(命令パーツ)によって構成されている。複数の命令レールパーツ38は、固有レールパーツ(第一直線レールパーツ33乃至第三直線レールパーツ35)において実行される命令情報を入力するレールパーツであって、上記の直線レールパーツ22よりも短い真っ直ぐな一対のレール41を有し、その表面に命令が表示されている。また、命令レールパーツ38は、その裏面にパッシブ型のRFタグ44を有しており、当該RFタグ44に命令情報が記憶されている。
【0021】
命令レールパーツ38に表示されている命令は、例えば、“通過”、“停車”、“警笛”、“点灯”などであり、これらの命令に対応する命令情報として直進情報である“PASS”、停止情報である“STOP”、警笛を鳴らす旨の情報である“HORN”、ヘッドライトを点灯させる旨の情報である“LIGHT”がRFタグ44に記憶されている。
【0022】
本実施形態では、“停車”が表示された命令レールパーツ38、“通過”が表示された命令レールパーツ38、“警笛”が表示された命令レールパーツ38が、この順に接続されて支線3を構成している。
【0023】
上記幹線2および支線3を走行する車両玩具10は、図3に示すように、CPU11に接続されたLED14と、スピーカ15と、RFタグ37との間で交信する電波を出力するアンテナ16と、当該アンテナ16に電気的に接続された制御モジュール17と、を備えている。当該アンテナ16は、レールパーツ21に取り付けられたRFタグ37に向かって電波を送信かつ、RFタグ37から電波を受信するように、シャシの先頭部に設けられている。このようなアンテナ16に対して制御モジュール17が電気的に接続されており、これらがRFIDリーダライタ19として機能している。
【0024】
制御モジュール17は、アンテナ16を制御して情報を送受信するモジュールであり、アンテナ16に接続された送信回路および受信回路と、当該送信回路に接続された変調回路と、当該受信回路に接続された復調回路と、変調回路に接続されたD/A変換回路と、復調回路に接続されたA/D変換回路と、を備えている。このような制御モジュール17はCPU11と接続されており、アンテナ16から受信した信号は、受信回路を経て変調されA/D変換されてCPU11に入力される。上記アンテナ16と制御モジュール17によりRFIDリーダライタが構成されている。
【0025】
当該車両玩具10が図4(a)に示す支線3を走行する際には、CPU11は制御モジュール17に対してRFタグ44との交信を開始させ、支線3を通過する過程で各命令レールパーツ38のRFタグ44から命令情報を取得し、取得した命令情報を順にメモリ18に記憶する。
【0026】
そして、支線3から幹線2に入った車両玩具10は、図1に示す上記幹線2を反時計回りに一定速度で周回走行する。ここで、車両玩具10のCPU11は、RFIDリーダライタ19を介して、所定周期でRFタグ37の検出を行い、RFタグ37から情報を取得する度に、メモリ18に記憶されている命令情報を順に抽出し、抽出した命令情報に沿って動作する。
【0027】
例えば、車両玩具10が第一直線レールパーツ33に差し掛かった場合には、CPU11は、第一直線レールパーツ33のRFタグ37を検出し、当該RFタグ37から固有情報“S1”を読み取る。CPU11は、固有情報“S1”を読み取るとメモリ18に最初に記憶された命令情報“STOP”を抽出し、当該命令情報に沿ってモータ13を停止させる。これにより、車両玩具10は第一の駅パーツ30に沿って車両玩具10が停車することとなる。
【0028】
また、車両玩具10が第二直線レールパーツ34に差し掛かった場合には、CPU11は、第二直線レールパーツ34のRFタグ37を検出し、当該RFタグ37から固有情報“S2”を読み取る。CPU11は、固有情報“S2”を読み取るとメモリ18に2番目に記憶された命令情報“PASS”を抽出し、当該命令情報に沿ってモータ13を駆動し続ける。これにより、車両玩具10は第2の駅パーツ31を通過することとなる。
【0029】
また、車両玩具10が第三直線レールパーツ35に差し掛かった場合には、CPU11は、第三直線レールパーツ35のRFタグ37を検出し、当該RFタグ37から固有情報“S3”を読み取る。CPU11は、固有情報“S3”を読み取るとメモリ18に3番目に記憶された命令情報“HORN”を抽出し、当該命令情報に沿ってスピーカ15から警笛音を出力する。これにより、車両玩具10は警笛を鳴らしながら踏切パーツ32を通過することとなる。
【0030】
このように、車両玩具10のRFIDリーダライタ19は、第一直線レールパーツ33乃至第三直線レールパーツ35から固有情報を読み取るとともに、命令レールパーツ38から命令情報を読み取る読取部として機能している。また、車両玩具10のメモリ18は、読み取った命令情報を順に記憶する記憶部として機能している。また、車両玩具10のCPU11は、固有情報を読み取った時に、メモリ18に記憶されている順に命令情報を抽出し、抽出した命令情報に従って車両玩具10の動作を制御する制御部として機能している。
【0031】
上記のように本実施形態の鉄道玩具1によると、命令が表示された複数の命令レールパーツ38を互いに接続することで、車両玩具10に実行させるべき命令が組み立てられる。そして、車両玩具10は、当該複数の命令レールパーツ38によって形成された支線3を走行することで、ユーザによって組み立てられた命令を取得する。そして、車両玩具10は、固有レールパーツが有するRFタグ37から固有情報を読み取る度に、取得した順序で命令情報に従って動作する。したがって、ユーザは、実際に幹線2や支線3の走行路20を組み立てながら車両玩具10に対する一連の命令を試行錯誤することができる。よって、直感的にプログラミングにおける論理的思考を身につけることができる。
【0032】
[第2実施形態]
【0033】
第2実施形態の鉄道玩具100は、図5に示すように、互いに接続可能な複数のレールパーツ121によって走行路120が構成されており、レールパーツ121は固有情報が付与された複数の固有レールパーツ(第一直進レールパーツ133乃至第三直進レールパーツ135)を有する点で第1実施形態と共通しているが、命令レールパーツ38で構成された支線3を有していない点で第1実施形態とは異なっている。本実施形態の鉄道玩具100は命令入力ユニット150を幹線102に備えている。
【0034】
命令入力ユニット150は、車両玩具10に対して命令情報を入力するユニットであって、命令パーツとして機能する直線レールパーツ152と、当該直線レールパーツ152に沿って設けられた本体部153と、を備えている。本体部153は複数のスイッチ154a,154b,154cを備えており、当該複数のスイッチ154a,154b,154cは、ユーザによって車両玩具10の動作が設定され、設定された設定情報を直線レールパーツ152に入力する設定部として機能する。スイッチ154aは、第一の駅パーツ130に停車するか通過するかを設定するスイッチである。スイッチ154bは、第二の駅パーツ131に停車するか否かを設定するスイッチである。スイッチ154cは、踏切パーツ132で警笛を鳴らすか否かを設定するスイッチである。図6に示すように、各スイッチ154a,154b,154cの出力は直線レールパーツ152に設けられたパッシブ型のRFタグ151の入力端子に接続されている。
【0035】
当該RFタグ151は、車両玩具10が直線レールパーツ152上に停止し、車両玩具10のRFIDリーダライタ19からの交信が開始された時に、スイッチ154a,154b,154cからの入力を検出し、検出した入力の各々をビットに割り当てた3ビットのビットフィールドを有する命令情報を生成する。具体的にはスイッチ154aの入力がビットフィールドのLSB(bit0)に割り当てられ、スイッチ154bの入力がビットフィールドのbit1に割り当てられ、スイッチ154cの入力がビットフィールドのMSB(bit2)に割り当てられる。車両玩具10のCPU11は、RFIDリーダライタ19を介して上記命令情報を取得し、取得した命令情報をメモリ18に記憶させる。
【0036】
各固有レールパーツ(第一直線レールパーツ133乃至第三直線レールパーツ135)のRFタグ137には固有情報が記憶されている。当該固有情報は、固有レールパーツの各々をビットに割り当てた3ビットのビットフィールドを含む。具体的には、第一直線レールパーツ133のRFタグ137に記憶された固有情報は、ビットフィールドのLSB(bit0)にフラグがセットされている。第二直線レールパーツ134のRFタグ137に記憶された固有情報は、ビットフィールドのbit1にフラグがセットされている。第三直線レールパーツ135のRFタグ137に記憶された固有情報は、ビットフィールドのMSB(bit2)にフラグがセットされている。
【0037】
車両玩具10は、走行路120を走行する過程において固有レールパーツから固有情報を読み取る度に、読み取った固有情報とメモリ18に記憶した命令情報の論理積を算出することで、当該固有レールパーツに対応する命令を判定し、判定した命令に対応する動作を行う。例えば、第一直線レールパーツ133から固有情報を読み取った場合には、当該固有情報と命令情報の論理積を求めることで命令情報のLSBを抽出する。当該LSBは、上述の通り、スイッチ154aの入力に対応する情報であり、当該情報が停車を示す場合には、CPU11はモータ13の回転を停止させて、車両玩具10の走行を停止させる。また、第二直線レールパーツ134から固有情報を読み取った場合も同様に、固有情報と命令情報の論理積を求めることで命令情報のbit1を抽出する。当該bit1は、スイッチ154bの入力に対応する情報であり、当該情報が通過を示す場合には、CPU11はモータ13の回転を継続させる。さらに、第三直線レールパーツ135から固有情報を読み取った場合も同様に、固有情報と命令情報の論理積を求めることで命令情報のMSBを抽出する。当該MSBは、上述の通りスイッチ154cの入力に対応する情報であり、当該情報が警笛を鳴らすことを示す場合には、CPU11はスピーカ15から警笛音を出力させる。
【0038】
[第3実施形態]
【0039】
第3実施形態の鉄道玩具300は、図7に示すように、互いに接続可能な複数のレールパーツ321によって走行路320が構成されており、レールパーツ321は固有情報が付与された複数の固有レールパーツ(第一直進レールパーツ333乃至第三直進レールパーツ335)を有する点で第1実施形態や第2実施形態と共通している。しかしながら、支線3や命令入力ユニット150を有していない点で第1実施形態および第2実施形態とは異なっている。本実施形態の鉄道玩具300は、図8に示すように、車両玩具310が入力部として機能する複数のスイッチ350を有している。
【0040】
車両玩具310は、開閉可能な屋根部351を備えており、当該屋根部351の内方に複数のスイッチ350が配置されている。複数のスイッチ350は、各固有レールパーツ(第一直進レールパーツ333乃至第三直進レールパーツ335)において実行される命令が入力されるスイッチであり、命令を入力する命令入力スイッチ352a,352b,352c,352d、入力された命令をクリアするクリアスイッチ353、及び車両玩具310を発進させる発進スイッチ354である。命令入力スイッチ352a,352b,352cは、通過命令を入力する通過スイッチ352a、停止命令を入力する停止スイッチ352b、警笛を鳴らす命令を入力する警笛スイッチ352c、及びヘッドライトを点灯させる命令を入力するライトスイッチ352dを含んでいる。
【0041】
上記の複数のスイッチ350は、図9に示すように、車両玩具310が有するCPU311に接続されている。当該CPU311は、複数のスイッチ350の入力を定期的に確認する。ユーザによって命令入力スイッチ352a,352b,352c,352dが押されると、CPU311は、押された命令入力スイッチ352a,352b,352c,352dを検出し、当該命令入力スイッチ352a,352b,352c,352dに応じた命令情報を、入力された順にメモリ318に記憶する。例えば、ユーザによって、停止スイッチ352b、通過スイッチ352a、警笛スイッチ352cがこの順におされた場合には、CPU311は、停止情報、通過情報、警笛を鳴らす旨の情報を順にメモリ318に記憶する。また、CPU311は、命令入力スイッチ352a,352b,352c,352dが押される度に、命令数をカウントアップし、カウントアップした数を7セグメントLED355に表示させる。なお、本実施形態では、命令数の初期値は1に設定されている。このように、7セグメントLED355は、入力している命令数を表示する表示部として機能している。
【0042】
CPU311が、クリアスイッチ353の入力を検出した場合には、メモリ318に記憶させた命令情報をクリアするとともに、命令数を初期値に設定し、7セグメントLED355に初期値を表示させる。
【0043】
CPU311が、発進スイッチ354の入力を検出した場合には、駆動回路312を制御してモータ313を回転させる。これにより車両玩具310が走行路320を周回走行することとなる。当該周回走行する過程において、車両玩具310は、第一直線レールパーツ333、第二直線レールパーツ334、及び第三直線レールパーツ335の各々が有するRFタグ337から固有情報を取得し、当該固有情報を取得する度に予めメモリ318に記憶した命令情報に従って動作する。
【0044】
例えば、第一直線レールパーツ333のRFタグ337から固有情報を取得したCPU311は、メモリ318に記憶された第一命令である停止情報を参照し、モータ313を停止させる。これにより第一の駅パーツ330において、鉄道車両310が停止することとなる。また、第二直線レールパーツ334のRFタグ337から固有情報を取得したCPU311は、メモリ318に記憶された第二命令である通過情報を参照し、モータ313を停止させることなく駆動回路312によってモータ313を回転し続ける。これにより、車両玩具310は第二の駅パーツ331で停止することなく通過することとなる。また、第三直線レールパーツ335のRFタグ337から固有情報を取得したCPU311は、メモリ318に記憶された第三命令である警笛を鳴らす旨の情報を参照し、スピーカ315から警笛音を出力させる。
【0045】
本実施形態の鉄道玩具300によると、ユーザは走行路320を走行する鉄道車両310に直接的に命令を入力することができるので直感的にプログラミングの考え方や論理的思考を身につけることができる。
【0046】
[第4実施形態]
【0047】
図10に示すように、第4実施形態の車両玩具400は、第3実施形態と同様に、複数のレールパーツ421によって構成される走行路420の走行経路上に固有情報が記憶された機械可読媒体が設けられている点で共通しているが、本実施形態では、走行路420に設けられた機械可読媒体と車両玩具410がNFC(Near Field Communication)通信を行う点で相違している。すなわち、本実施形態の第一直線レールパーツ433乃至第三直線レールパーツ435は、固有情報が予め記憶されたNFCタグ437を備えている。また、本実施形態の車両玩具410はNFCリーダライタ419(図11)として機能するアンテナ416および制御モジュール417を備えている。
【0048】
ここで、本実施形態の車両玩具410は携帯情報端末450とNFC通信可能であり、当該携帯情報端末450において設定された命令情報がNFC通信により車両玩具410に入力される。
【0049】
図11に示すように、携帯情報端末450は、端末内に設けられたCPU451およびメモリ452と、端末の正面側に配置されたディスプレイ453と、当該ディスプイレイ453に重畳配置されたタッチパネル454と、端末内に設けられたNFCリーダライタ455と、を備えており、当該CPU451は、ディスプレイ453、タッチパネル454、及びNFCリーダライタ455に対して制御可能に接続されている。メモリ452には、ユーザが車両玩具410に対する命令を設定するための命令設定プログラムがインストールされており、当該プログラムをCPU451が実行することで、ディスプイレイ453は命令を入力するために必要な情報を表示する表示部として機能し、タッチパネル454は命令が入力される入力部として機能し、NFCリーダライタ455はユーザによって入力された命令を車両玩具410との間で通信する通信部として機能する。
【0050】
具体的には、携帯情報端末450のCPU451が命令設定プログラムを実行すると、図12に示すように、CPU451は、走行路420の画像460とともに、命令を設定するためのGUIをディスプイレイ453に表示させる。当該GUIは、命令選択部461、命令組立部462、及び送信開始部463を備えている。命令選択部461は、ユーザに命令を選択させる部分であって、車両玩具410を直進させる直進情報と関連付けられた直進アイコン464、車両玩具410を停止させる停止情報と関連付けられた停止アイコン465、警笛を鳴らす命令と関連付けられた警笛アイコン466を含む。これら直進アイコン464、停止アイコン465、及び警笛アイコン466はユーザによって選択された後に命令組立部462へと移動させられる。命令組立部462は、選択された命令を実行順に並べさせる部分であって、上記各種アイコンの形状に象られた複数の配置部467を備えている。送信開始部463は、車両玩具410に対する命令情報の送信を開始するためのボタンである。当該送信開始部463が操作されることで、CPU411は、命令組立部462に並べられたアイコンに関連付けられた命令情報を、その並び順で、NFCリーダライタ455を介して車両玩具410に送信する。車両玩具410は、NFCリーダライタ419を介して携帯情報端末450から命令情報を受信し、受信した命令情報をメモリ418に記憶させる。
【0051】
車両玩具410は、走行路420を走行する過程において、第一直線レールパーツ433乃至第三直線レールパーツ435の各々が有するNFCタグ437から固有情報を取得し、当該固有情報を取得する度にメモリ418に記憶した命令情報に従って動作する。
【0052】
以上、第1実施形態乃至第4実施形態に基づいて本発明の走行玩具を説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、例えば、以下に示す態様であっても構わない。
【0053】
<変形例1>
例えば、図13に示すように、幹線202は、内回り205と外回り204の走行経路を有し、合流レールパーツ250及び分岐レールパーツ251を更に備える走行路220であっても構わない。なお、本変形例は、第1実施形態と同様のレールパーツ21が用いられている。
【0054】
図14に示すように、合流レールパーツ250は、内回り205と外回り204が合流するレールパーツであって、外回り204から合流先に向かって真っ直ぐに延出する一対の直進レール252と、内回り205から合流先に向かって円弧状に湾曲する一対のカーブレール253とが一体的に形成されている。
【0055】
分岐レールパーツ251は、内回り205または外回り204へと分岐するレールパーツであって、分岐元から外周に向かって真っ直ぐに延出する一対の直進レール254と、分岐元から内周に向かって円弧状に湾曲する一対のカーブレール255とが一体的に形成されている。当該分岐レールパーツ251は、表面に固有情報236である“分岐1”が表記されており、裏面に固有情報“B1”を記憶するパッシブ型のRFタグ237が設けられている。当該RFタグ237は分岐レールパーツ251の分岐元に配されており、車両玩具10は当該分岐レールパーツ251を通過する過程でRFタグ237から固有情報を読み取り、読み取った固有情報に応じた命令情報を実行する。
【0056】
ここで、本変形例では、図15に示すように、車両玩具10は命令情報に応じてシャシ264から下方に出没する係合部260をアンテナ16よりも後方に有しており、分岐レールパーツ251は車両玩具10の係合部260と係合して車両玩具10を分岐させる分岐構造265と、を有している。
【0057】
例えば、車両玩具10の係合部260は、底面視においてコ字状に形成されており、上下に伸びる一対の側壁261と、当該一対の側壁261の間に形成された後壁262とによって形成されている。一対の側壁261の下端には切り欠き263が形成されている。当該係合部260は、通常走行時には車体内方に収納されており、分岐レールパーツ251を通過する過程において分岐命令を実行する場合にシャシ264から下方に突出するようCPU11によって制御される。
【0058】
分岐レールパーツ251の分岐構造265は、図14に示すガイドレール266を備えている。ガイドレール266は、車両玩具10の走行方向を直進方向または分岐方向へと切り替えるものであり、車両玩具10の係合部260に係合した被係合部267の動きに連動して向きが変更される。被係合部267は、分岐レールパーツ251の分岐元に配置されており、一対のレール254の間に設けられた十字状の切欠穴268から上方に向かって突出する突出片267aと、当該突出片267aの前端部に形成された爪部267bと、を含む。突出片267aは、係合部260の一対の側壁261の間に位置し、後壁261と当接する。爪部267bは、係合部260の切り欠き263内に嵌まり込む。このように被係合部267が係合部260と係合した状態で、車両玩具10が走行すると、突出片267aは切欠穴268の縦溝268aに沿って押し込まれ、爪部267bは切欠穴268の下側に潜り込むこととなり、このような被係合部267の動きに連動してガイドレール266が分岐方向へと切り替えられることとなる。
【0059】
分岐レールパーツ251は、さらに、車両玩具10の係合部260と係合する他の被係合部270を備えている。他の被係合部270は一対のカーブレール255の間に設けられた十字状の切欠穴271から上方に向かって突出する突出片270aと、当該突出片270aの前端部に形成された爪部270bと、を含む。当該他の被係合部270は、上記の係合部260と同様に係合部260と係合し、当該他の被係合部270の動きに連動してガイドレール266が直進方向へと切り替えられることとなる。
【0060】
また、図13に示すように、本変形例の支線203は2つの命令レールパーツ238を有している。一つ目の命令レールパーツ238には、“分岐”の命令が表記され、命令情報である分岐情報“BRANCH”がRFタグ244に記憶されている。二つ目の命令レールパーツ238には、“直進”の命令が表記され、命令情報である直進情報“STRAIGHT”がRFタグ244に記憶されている。
【0061】
このような支線203を車両玩具10が走行することで、車両玩具10のCPU11は、命令レールパーツ238の各々から、命令情報“BRANCH”および命令情報“STRAIGHT”を取得し、メモリ18に記憶させる。
【0062】
幹線202を走行する車両玩具10が1周目に分岐レールパーツ251に差し掛かると、CPU11は、RFIDリーダライタ19を介して、当該分岐レールパーツ251のRFタグ237から固有情報を取得し、当該固有情報を取得するとメモリ18から抽出した命令情報“BRANCH”に基づいて、係合部260を下方に突出させる。当該係合部260が被係合部267と係合することで、ガイドレール266が分岐方向へと切り替えられ、車両玩具10は内回り205の走行路220を走行することとなる。なお、車両玩具10が一対のカーブレール255を通過する際には、係合部260と他の係合部270が係合することとなり、ガイドレール266が直進方向へと切り替えられる。その後、車両玩具10が2周目に分岐レールパーツ251に差し掛かると、CPU11は、RFIDリーダライタ19を介して当該分岐レールパーツ251のRFタグ237から固有情報を再度取得し、メモリ18から抽出した運転情報“STRAIGHT”に基づいて、係合部260を車体内に収容する。その結果、車両玩具10はガイドレール266に沿って直進し、外回り204の走行路220を走行することとなる。
【0063】
<変形例2>
上記実施形態や変形例では、直線レールパーツ22や分岐レールパーツ251に固有情報36,236を表記し、当該固有情報をRFタグ37,237に記憶させているが、他の種類のレールパーツにも同様に固有情報を表記し、当該固有情報をRFタグに記憶させても構わない。また、走行路を構成する全てのレールパーツに固有情報およびRFタグを設けても構わない。
【0064】
<変形例3>
また、レールパーツ21に限定されず、駅パーツ130,131やトンネルパーツなど走行路の走行経路上に配置されるパーツに固有情報を表記したり、固有情報を記憶するRFタグを設けても構わない。
【0065】
<変形例4>
上記実施形態や変形例では、RFタグに固有情報を記憶させておくことで、レールパーツに固有情報を付与することとしていたが、RFタグに限定されずバーコードに代表される一次元コードや、QRコード(登録商標)に代表される二次元コードを用い、車両玩具には、これらのコードを撮影するためのカメラモジュールを備えても構わない。また、レール表面に表記された固有情報を画像認識する態様であっても構わない。すなわち、RFタグや一次元コード、二次元コードといった機械可読媒体を用いて各種情報を記憶させることができる。
【0066】
<変形例5>
上記実施形態1では、支線3を設け、車両玩具10に実行させたい命令順に複数の命令レールパーツ38を接続しているが当該構成に限定されない。例えば、支線3を設けずに、幹線2に設けられた固有レールパーツの直前に命令レールパーツ38を設ける態様であっても構わない。例えば、第一直線レールパーツ33の直前に“停車”が表記された命令レールパーツ38を接続し、第二直線レールパーツ34の直線に“通過”が表記された命令レールパーツ38を接続し、第三直線レールパーツ35の直前に“警笛”が表記された命令レールパーツ38を接続する態様であっても構わない。当該態様によると、車両玩具10は“通過”が表記された命令レールパーツ38のRFタグ44から命令情報“RUN”を読み取り、次いで第一直線レールパーツ33から固有情報を読み取ると、直前に読み取った命令情報“RUN”に従って、モータ13を停止させることなく第一直線レールパーツ33を通過する。また、車両玩具10は、“停車”が表記された命令レールパーツ38から命令情報“STOP”を読み取り、次いで第二直線レールパーツ34から固有情報を読み取ると、車両玩具10のCPU11は、直前に読み取った命令情報“STOP”に従って、モータ13を停止させる。また、車両玩具10は“警笛”が表記された命令レールパーツ38のRFタグ44から命令情報“HORN”を読み取り、次いで第三直線レールパーツ35から固有情報を読み取ると、車両玩具10のCPU11は、直前に読み取った命令情報“HORN”に従ってスピーカ15から警笛音を出力する。
【0067】
<変形例6>
第2実施形態において、本体部153に設けられたスイッチ154aは、“通過”、“停車”、“しばらく停車”、及び“折り返し”のいずれか1つを選択するスイッチであっても構わない。当該スイッチ154aは、例えば、1回路4接点を有するスライドスイッチであって、一の共通端子には電源が接続され、4つの接点には上記“通過”、“停車”、“しばらく停車”、及び“折り返し”が対応付けられ、RFタグ151の入力端子に別々に接続される。スイッチ154bも同様に、1回路4接点を有するスライドスイッチであって、一の共通端子には電源が接続され、4つの接点には“通過”、“停車”、“しばらく停車”、及び“折り返し”が対応付けられ、RFタグ151の他の入力端子に別々に接続される。スイッチ154cも同様に、1回路4接点を有するスライドスイッチであって、一の共通端子には電源が接続され、4つの接点には“通過”、“停止”、“減速”及び“警笛”が対応づけられ、RFタグ151のさらに他の入力端子に別々に接続される。
【0068】
RFタグ151は、車両玩具10との交信が開始されると、上記スイッチ154a~154cが接続されている入力端子を確認する。ここで、上記の各スイッチ154a~154cが有する4つの接点は、それぞれ異なる入力端子に接続されているため、各スイッチからの入力に対して2ビット(4通り)の命令情報、合計で6ビットのビットフィールドを有する命令情報が生成されることとなる。スイッチ154aを例にすると、ユーザによって“通過”が選択された場合、当該“通過”に対応する接点が接続されたRFタグ151の入力端子にはハイレベルの信号が入力されることとなり、この場合には“00”の命令情報が生成される。同様にユーザによって“停車”が選択された場合には“01”の命令情報が生成される。また、ユーザによって“しばらく停車”が選択された場合には“10”の命令情報が生成される。また、ユーザによって“折り返し”が選択された場合には“11”の命令情報が生成される。他のスイッチ154b,154cについても同様に2ビットの命令情報が生成される。そして、6ビットのビットフィールドのうちLSBから順にスイッチ154a~154cの命令情報が割り当てられる。
【0069】
また、本変形例における固有レールパーツは、6ビットのビットフィールドを有する固有情報がRFタグ137に記憶されている。具体的には、第一直線レールパーツ133の固有情報はLSBとbit1にフラグがセットされた情報である。また、第二直線レールパーツ134の固有情報はbit2とbit3にフラグがセットされた情報である。第三直線レールパーツ135の固有情報はbit4とbit5にフラグがセットされた情報である。
【0070】
上記の命令情報が入力された車両玩具10は、走行路120を走行する過程において固有レールパーツから固有情報を読み取る度に、固有情報とメモリ18に記憶した命令情報の論理積を算出することで、当該固有レールパーツに対応する命令情報を抽出し、抽出した命令情報に従って動作する。
【0071】
<変形例7>
上記実施形態2において、命令情報は、上記のビットフィールドが複写されることにより、複数のビットフィールドを備えても構わない。当該態様では、車両玩具10のCPU11は、RFIDリーダライタ19を介して命令情報を取得したとき、取得した命令情報が備える複数のビットフィールドを比較してデータが一致したときに命令情報をメモリ18に記憶させる。一方、データが不一致の場合には、CPU11は取得した情報を破棄する。これにより、RFタグとの通信の信頼性を向上することができる。さらに、命令情報が3つ以上のビットフィールドを備える場合には、CPU11は取得した命令情報の各ビットフィールドを比較した結果、最も多く共通しているビットフィールドをメモリ18に記憶させても構わない。また、固有情報も同様に、上記のビットフィールドが複写されることにより複数のビットフィールドを備えても構わない。
【0072】
本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で当業者の知識に基づいて種々なる改良、修正、又は変形を加えた態様でも実施できる。また、同一の作用又は効果が生じる範囲内で、何れかの発明特定事項を他の技術に置換した形態で実施しても良い。
【0073】
例えば、本発明は鉄道玩具に限定されず、走行路と、当該走行路を走行する車両玩具と、を備える走行玩具全般に用いることができる。当該走行玩具は、例えば、自動車玩具と、当該自動車玩具を走行させるコースパーツと、を備える自動車玩具に用いることができる。
【符号の説明】
【0074】
1,100,200,300,400 走行玩具
10,310,410 車両玩具
20,120,220、320,420 走行路
21,121,221,321,421 レールパーツ(走行路パーツ)
37,44,137,151 RFタグ(機械可読媒体)
38 命令レーンパーツ(命令パーツ)
154a,154b,154c スイッチ(切替部)

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15