(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022062601
(43)【公開日】2022-04-20
(54)【発明の名称】ゴルフカートの遠隔制御システム
(51)【国際特許分類】
B60W 50/00 20060101AFI20220413BHJP
G05G 25/00 20060101ALI20220413BHJP
G05G 1/30 20080401ALI20220413BHJP
G05G 1/08 20060101ALI20220413BHJP
G05G 1/04 20060101ALI20220413BHJP
G05G 7/10 20060101ALI20220413BHJP
G05G 19/00 20060101ALI20220413BHJP
B60T 7/04 20060101ALI20220413BHJP
B60W 60/00 20200101ALI20220413BHJP
B60L 15/40 20060101ALI20220413BHJP
H04Q 9/00 20060101ALI20220413BHJP
H04Q 9/02 20060101ALI20220413BHJP
G05D 1/00 20060101ALI20220413BHJP
【FI】
B60W50/00
G05G25/00 C
G05G1/30 E
G05G1/08 A
G05G1/04 Z
G05G7/10 Z
G05G19/00
B60T7/04 B
B60W60/00
B60L15/40 J
H04Q9/00 311J
H04Q9/00 301B
H04Q9/00 351
H04Q9/02
G05D1/00 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020170728
(22)【出願日】2020-10-08
(71)【出願人】
【識別番号】302060926
【氏名又は名称】株式会社フジタ
(74)【代理人】
【識別番号】100089875
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 茂
(72)【発明者】
【氏名】石坂 仁
(72)【発明者】
【氏名】渋谷 光男
【テーマコード(参考)】
3D124
3D241
3J070
5H125
5H301
5K048
【Fターム(参考)】
3D124AA33
3D124BB01
3D124BB19
3D124DD29
3D124DD30
3D124DD69
3D241BA00
3D241CA08
3D241CC03
3D241CC08
3D241CC11
3D241CC17
3D241CE02
3J070AA03
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3J070AA32
3J070BA90
3J070CB01
3J070CB11
3J070CB37
3J070CC71
3J070DA01
3J070EA32
5H125AA01
5H125AB01
5H125AC12
5H125BE01
5H125CA08
5H125CA18
5H125CC04
5H125EE42
5H125EE44
5H125EE46
5H125EE55
5H125EE61
5H301AA03
5H301BB13
5H301CC03
5H301CC06
5H301CC10
5H301DD05
5H301DD15
5K048AA05
5K048BA42
5K048BA48
5K048EB15
5K048FB03
5K048HA01
5K048HA02
(57)【要約】
【課題】運転席に着座して操作して運転できるとともに、運転者が乗車せず遠隔操作により運転でき、利便性を向上させて運転者の労力を軽減するゴルフカートを提供する。
【解決手段】運転者によって操作されるゴルフカート10の運転を行なうための複数の操作部材20、22、24、26、28を操作する第1~第5アクチュエータ40、42、44、46、48を、運転席に着座した運転者による手動操作を妨げない箇所に設けられ、遠隔操作モードが選択された場合、操作部材制御部66Aが遠隔操作指令情報に基づいて第1~第5アクチュエータ40、42、44、46、48を制御して複数の操作部材20、22、24、26、28をそれぞれ操作することでゴルフカート10を遠隔制御し、手動操作モードが選択された場合、複数の操作部材20、22、24、26、28を運転者による手動操作が可能とした。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゴルフカートを遠隔制御するゴルフカートの遠隔制御システムであって、
運転者によって操作される前記ゴルフカートの運転を行なうための複数の操作部材をそれぞれ操作する複数のアクチュエータと、
遠隔操作指令情報を受信するカート側通信部と、
前記カート側通信部で受信された前記遠隔操作指令情報に基づいて前記複数のアクチュエータをそれぞれ制御する操作部材制御部とを備え、
前記複数のアクチュエータは、運転席に着座した前記運転者による前記操作部材の手動操作を妨げない箇所に設けられ、
前記操作部材制御部は、前記遠隔操作指令情報に基づいて前記複数のアクチュエータをそれぞれ制御して前記複数の操作部材をそれぞれ操作する遠隔操作モードと、前記複数の操作部材の前記運転者による手動操作をそれぞれ可能とする手動操作モードとに選択可能に構成されている、
ことを特徴とするゴルフカートの遠隔制御システム。
【請求項2】
前記複数のアクチュエータによる前記複数の操作部材の操作量をそれぞれ検出する複数の検出部と、
前記複数の検出部でそれぞれ検出された複数の前記操作量に基づいて前記複数のアクチュエータのサーボ制御をそれぞれ行なうサーボ制御部とをさらに備え、
前記操作部材制御部の前記遠隔操作モードは、前記サーボ制御部を介して前記複数のアクチュエータをそれぞれ操作することでなされ、
前記操作部材制御部の前記手動操作モードは、前記サーボ制御部の制御動作を無効として前記複数のアクチュエータをサーボフリーとすることでなされる、
ことを特徴とする請求項1記載のゴルフカートの遠隔制御システム。
【請求項3】
前記ゴルフカートに、前記ゴルフカートの周辺を撮像して画像情報を生成する画像情報生成部を設け、
前記遠隔操作指令情報を生成する指令情報生成部と、前記カート側通信部と通信可能に構成され前記遠隔操作指令情報を前記カート側通信部に送信する遠隔制御側通信部と、表示部とを備える遠隔操作装置を設け、
前記カート側通信部は、前記画像情報生成部で生成された前記画像情報を前記遠隔制御側通信部に送信し、
前記表示部は、前記遠隔制御側通信部で受信された前記画像情報を表示する、
ことを特徴とする請求項1または2記載の船舶の遠隔制御システム。
【請求項4】
前記ゴルフカートに、前記ゴルフカートの位置を測位して測位情報を生成する測位部を設け、
前記遠隔操作指令情報を生成する指令情報生成部と、前記カート側通信部と通信可能に構成され前記遠隔操作指令情報を前記カート側通信部に送信する遠隔制御側通信部と、表示部と、地図情報を記憶する地図データベースとを備える遠隔操作装置を設け、
前記カート側通信部は、前記測位部で生成された前記測位情報を前記遠隔制御側通信部に送信し、
前記表示部は、前記遠隔制御側通信部で受信された前記測位情報に基づいて前記地図データベースから読み出された前記地図情報上に前記ゴルフカートの位置を表示する、
ことを特徴とする請求項1または2記載の船舶の遠隔制御システム。
【請求項5】
前記複数の操作部材は、前記ゴルフカートの電源の投入、切断を行なうイグニッションスイッチと、前記ゴルフカートの進行方向を設定する前進後退レバーと、前記ゴルフカートの操舵を行なうハンドルと、前記ゴルフカートの駆動モータの回転速度の制御を行うアクセルペダルと、前記ゴルフカートの制動を行なうブレーキペダルとを含み、
前記アクチュエータは、それらイグニッションスイッチ、前進後退レバー、ハンドル、アクセルペダル、およびブレーキペダルに対応してそれぞれ設けられている、
ことを特徴とする請求項1~4の何れか1項記載のゴルフカートの遠隔制御システム。
【請求項6】
前記複数の操作部材は、前記ゴルフカートの電源の投入、切断を行うイグニッションスイッチを含んで構成され、
前記イグニッションスイッチは、キーシリンダに係脱可能に挿入されるイグニッションキーを含んで構成され、
前記アクチュエータは、前記イグニッションキーに係脱可能で一体回転可能に結合され回転操作可能な回転部材と、前記回転部材を回転させるモータとを含んで構成されている、
ことを特徴とする請求項1~4の何れか1項記載のゴルフカートの遠隔制御システム。
【請求項7】
前記複数の操作部材は、前記ゴルフカートの進行方向を設定する前進後退レバーを含んで構成され、
前記前進後退レバーは、ダッシュパネルから揺動可能に突出された揺動軸と、前記揺動軸の先端に設けられ手により把持される被把持部とを備え、
前記アクチュエータは、前記揺動軸に結合されたピストンロッドと、前記ピストンロッドを前記揺動軸を揺動させる方向に移動させるシリンダ本体とを備える直動式シリンダを含んで構成されている、
ことを特徴とする請求項1~4の何れか1項記載のゴルフカートの遠隔制御システム。
【請求項8】
前記複数の操作部材は、前記ゴルフカートの操舵を行なうハンドルを含んで構成され、
前記ハンドルは、ダッシュパネルから回転可能に突出されたハンドルシャフトと、前記ハンドルシャフトの先端に設けられた円環状のハンドル本体とを備え、
前記アクチュエータは、前記ハンドル本体の周方向の一部に係合し前記ハンドルの回転を可能とした駆動ローラと、前記駆動ローラを回転駆動するモータとを含んで構成されている、
ことを特徴とする請求項1~4の何れか1項記載のゴルフカートの遠隔制御システム。
【請求項9】
前記複数の操作部材は、前記ゴルフカートの駆動モータの回転速度の制御を行なうアクセルペダルを含んで構成され、
前記アクセルペダルは、前記ゴルフカートのダッシュパネルの下部に揺動可能に設けられたペダルアームと、前記ペダルアームの下端に設けられ運転者の足裏が当接するペダル踏面部とを備え、
前記アクチュエータは、前記ペダルアームに結合されたピストンロッドと、前記ピストンロッドを前記ペダルアームを揺動させる方向に移動させるシリンダ本体とを備える直動式シリンダを含んで構成されている、
ことを特徴とする請求項1~4の何れか1項記載のゴルフカートの遠隔制御システム。
【請求項10】
前記複数の操作部材は、前記ゴルフカートの制動を行なうブレーキペダルを含んで構成され、
前記ブレーキペダルは、前記ゴルフカートのダッシュパネルの下部に揺動可能に設けられたペダルアームと、前記ペダルアームの下端に設けられ運転者の足裏が当接するペダル踏面部とを備え、
前記アクチュエータは、前記ペダルアームに結合されたピストンロッドと、前記ピストンロッドを前記ペダルアームを揺動させる方向に移動させるシリンダ本体とを備える直動式シリンダを含んで構成されている、
ことを特徴とする請求項1~4の何れか1項記載のゴルフカートの遠隔制御システム。
【請求項11】
前記複数のアクチュエータは、運転席に着座した前記運転者による前記操作部材の手動操作を妨げない箇所に着脱可能に設けられている、
ことを特徴とする請求項1~10の何れか1項記載のゴルフカートの遠隔制御システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゴルフカートの遠隔制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
ゴルフカートは、その動力源として内燃機関式のエンジンを用いたものや電気モータを用いたものが提供され、多くの場合、キャディと4人のプレイヤーとの5人乗りで、ゴルフカートの後部には4人のゴルフバックなどの荷物が搭載される。
ゴルフ場には、ホール数にもよるが、50台から100台程度のゴルフカートが用意され、スタート時にはキャディマスター室の前に並べられ、各ゴルフカートにゴルフバックが積み込まれる。
そして、各コース毎に、スタート時間の順番に所定のゴルフカートスタート位置から複数台のゴルフカートが並べられる。
また、各コース毎に、スタート時間経過後、複数台のゴルフカートがスタートしたならば、先頭のゴルフカートがゴルフカートスタート位置に位置するように残ったゴルフカートを前進させ、次にスタートする複数台のゴルフカートを、残ったゴルフカートの後に並べる作業が行われる。
このような各ホール毎にスタート順に複数台のゴルフカートを並べる作業や、スタート時間経過後に残ったゴルフカートを前進させる作業、次にスタートする複数台のゴルフカートを残ったゴルフカートの後に並べる作業は、従業員がゴルフカートに乗り込みゴルフカートを運転することで行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、各ホール毎にスタート順に複数台のゴルフカートを並べる作業では、その都度、従業員(運転者)がゴルフカートまで歩いて乗り込み、運転して並べた後、ゴルフカートから降りて次のゴルフカートまで歩いて戻り、次のゴルフカートに乗り込み、運転するといった作業の連続で、手間暇がかかる作業となっている。
また、スタート時間経過後に、残ったゴルフカートを前進させ、次にスタートする複数台のゴルフカートを、残ったゴルフカートの後に並べる作業も同様で、手間暇がかかる作業となっている。
本発明は、上記事情に鑑み案出されたものであり、ゴルフカートの運転席に着座した運転者の操作によりゴルフカートを運転することができるとともに、運転者が乗車せず遠隔操作によりゴルフカートを運転することもでき、利便性を向上させて運転者の労力を軽減する上で有利なゴルフカートを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した目的を達成するため本発明は、ゴルフカートを遠隔制御するゴルフカートの遠隔制御システムであって、運転者によって操作される前記ゴルフカートの運転を行なうための複数の操作部材をそれぞれ操作する複数のアクチュエータと、遠隔操作指令情報を受信するカート側通信部と、前記カート側通信部で受信された前記遠隔操作指令情報に基づいて前記複数のアクチュエータをそれぞれ制御する操作部材制御部とを備え、前記複数のアクチュエータは、運転席に着座した前記運転者による前記操作部材の手動操作を妨げない箇所に設けられ、前記操作部材制御部は、前記遠隔操作指令情報に基づいて前記複数のアクチュエータをそれぞれ制御して前記複数の操作部材をそれぞれ操作する遠隔操作モードと、前記複数の操作部材の前記運転者による手動操作をそれぞれ可能とする手動操作モードとに選択可能に構成されていることを特徴とする。
また、本発明は、前記複数のアクチュエータによる前記複数の操作部材の操作量をそれぞれ検出する複数の検出部と、前記複数の検出部でそれぞれ検出された複数の前記操作量に基づいて前記複数のアクチュエータのサーボ制御をそれぞれ行なうサーボ制御部とをさらに備え、前記操作部材制御部の前記遠隔操作モードは、前記サーボ制御部を介して前記複数のアクチュエータをそれぞれ操作することでなされ、前記操作部材制御部の前記手動操作モードは、前記サーボ制御部の制御動作を無効として前記複数のアクチュエータをサーボフリーとすることでなされることを特徴とする。
また、本発明は、前記ゴルフカートに、前記ゴルフカートの周辺を撮像して画像情報を生成する画像情報生成部を設け、前記遠隔操作指令情報を生成する指令情報生成部と、前記カート側通信部と通信可能に構成され前記遠隔操作指令情報を前記カート側通信部に送信する遠隔制御側通信部と、表示部とを備える遠隔操作装置を設け、前記カート側通信部は、前記画像情報生成部で生成された前記画像情報を前記遠隔制御側通信部に送信し、前記表示部は、前記遠隔制御側通信部で受信された前記画像情報を表示することを特徴とする。
また、本発明は、前記ゴルフカートに、前記ゴルフカートの位置を測位して測位情報を生成する測位部を設け、前記遠隔操作指令情報を生成する指令情報生成部と、前記カート側通信部と通信可能に構成され前記遠隔操作指令情報を前記カート側通信部に送信する遠隔制御側通信部と、表示部と、地図情報を記憶する地図データベースとを備える遠隔操作装置を設け、前記カート側通信部は、前記測位部で生成された前記測位情報を前記遠隔制御側通信部に送信し、前記表示部は、前記遠隔制御側通信部で受信された前記測位情報に基づいて前記地図データベースから読み出された前記地図情報上に前記ゴルフカートの位置を表示することを特徴とする。
また、本発明は、前記複数の操作部材は、前記ゴルフカートの電源の投入、切断を行なうイグニッションスイッチと、前記ゴルフカートの進行方向を設定する前進後退レバーと、前記ゴルフカートの操舵を行なうハンドルと、前記ゴルフカートの駆動モータの回転速度の制御を行うアクセルペダルと、前記ゴルフカートの制動を行なうブレーキペダルとを含み、前記アクチュエータは、それらイグニッションスイッチ、前進後退レバー、ハンドル、アクセルペダル、およびブレーキペダルに対応してそれぞれ設けられていることを特徴とする。
また、本発明は、前記複数の操作部材は、前記ゴルフカートの電源の投入、切断を行うイグニッションスイッチを含んで構成され、前記イグニッションスイッチは、キーシリンダに係脱可能に挿入されるイグニッションキーを含んで構成され、前記アクチュエータは、前記イグニッションキーに係脱可能で一体回転可能に結合され回転操作可能な回転部材と、前記回転部材を回転させるモータとを含んで構成されていることを特徴とする。
また、本発明は、前記複数の操作部材は、前記ゴルフカートの進行方向を設定する前進後退レバーを含んで構成され、前記前進後退レバーは、ダッシュパネルから揺動可能に突出された揺動軸と、前記揺動軸の先端に設けられ手により把持される被把持部とを備え、前記アクチュエータは、前記揺動軸に結合されたピストンロッドと、前記ピストンロッドを前記揺動軸を揺動させる方向に移動させるシリンダ本体とを備える直動式シリンダを含んで構成されていることを特徴とする。
また、本発明は、前記複数の操作部材は、前記ゴルフカートの操舵を行なうハンドルを含んで構成され、前記ハンドルは、ダッシュパネルから回転可能に突出されたハンドルシャフトと、前記ハンドルシャフトの先端に設けられた円環状のハンドル本体とを備え、前記アクチュエータは、前記ハンドル本体の周方向の一部に係合し前記ハンドルの回転を可能とした駆動ローラと、前記駆動ローラを回転駆動するモータとを含んで構成されていることを特徴とする。
また、本発明は、前記複数の操作部材は、前記ゴルフカートの駆動モータの回転速度の制御を行なうアクセルペダルを含んで構成され、前記アクセルペダルは、前記ゴルフカートのダッシュパネルの下部に揺動可能に設けられたペダルアームと、前記ペダルアームの下端に設けられ運転者の足裏が当接するペダル踏面部とを備え、前記アクチュエータは、前記ペダルアームに結合されたピストンロッドと、前記ピストンロッドを前記ペダルアームを揺動させる方向に移動させるシリンダ本体とを備える直動式シリンダを含んで構成されていることを特徴とする。
また、本発明は、前記複数の操作部材は、前記ゴルフカートの制動を行なうブレーキペダルを含んで構成され、前記ブレーキペダルは、前記ゴルフカートのダッシュパネルの下部に揺動可能に設けられたペダルアームと、前記ペダルアームの下端に設けられ運転者の足裏が当接するペダル踏面部とを備え、前記アクチュエータは、前記ペダルアームに結合されたピストンロッドと、前記ピストンロッドを前記ペダルアームを揺動させる方向に移動させるシリンダ本体とを備える直動式シリンダを含んで構成されていることを特徴とする。
また、本発明は、前記複数のアクチュエータは、運転席に着座した前記運転者による前記操作部材の手動操作を妨げない箇所に着脱可能に設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、ゴルフカートの運転を行なうための複数の操作部材をそれぞれ操作する複数のアクチュエータを、運転席に着座した運転者による複数の操作部材の手動操作を妨げない箇所に設け、操作部材制御部の遠隔操作モードを選択することで、遠隔操作指令情報に基づいて複数のアクチュエータを制御して複数の操作部材を操作することによって、ゴルフカートを遠隔制御することができるようにし、操作部材制御部の手動操作モードを選択することで、複数の操作部材を手動操作できるようにした。
したがって、遠隔制御を行なうためにゴルフカートの改造を行ったり元の状態に戻す必要がなく、ゴルフカートの運転席に着座した運転者の操作によりゴルフカートを運転することができるとともに、運転者が乗車せず遠隔操作によりゴルフカートを運転することもでき、利便性を向上させて運転者の労力を軽減する上で有利となる。
また、操作部材制御部の遠隔操作モードは、サーボ制御部を介して複数のアクチュエータをそれぞれ操作することでなされ、手動操作モードは、サーボ制御部の制御動作を無効として複数のアクチュエータをサーボフリーとすることでなされるようにすると、簡単な構成で遠隔操作モードと手動操作モードとを切り替える上で有利となる。
また、ゴルフカートに、ゴルフカートの周辺を撮像して画像情報を生成する画像情報生成部を設けると共に、遠隔操作装置に表示部を設けると、表示部に表示された画像情報によってゴルフカートの周辺の状況を把握することができ、ゴルフカートから離れた箇所からゴルフカートを的確に遠隔操作する上で有利となる。
また、ゴルフカートに、ゴルフカートの位置を測位して測位情報を生成する測位部を設けると共に、遠隔操作装置に表示部と地図データベースとを設けると、表示部により、測位情報に基づいて地図データベースから読み出された地図情報上にゴルフカートの位置を表示することができ、ゴルフカートの現在位置を把握することができ、ゴルフカートから離れた箇所からゴルフカートを的確に遠隔操作する上で有利となる。
【0007】
また、複数の操作部材は、イグニッションスイッチと、前進後退レバーと、ハンドルと、アクセルペダルと、ブレーキペダルとを含み、アクチュエータは、それらイグニッションスイッチ、前進後退レバー、ハンドル、アクセルペダル、およびブレーキペダルに対応してそれぞれ設けられていると、ゴルフカートの遠隔制御を的確に行なう上で有利となる。
また、複数の操作部材は、ゴルフカートの電源の投入、切断を行うイグニッションスイッチを含んで構成され、アクチュエータは、イグニッションスイッチのイグニッションキーに係脱可能で一体回転可能に結合され回転操作可能な回転部材と、回転部材を回転させるモータとを含んで構成されていると、簡単な構成によりイグニッションスイッチの操作を的確に行なう上で有利となる。
また、複数の操作部材は、ゴルフカートの進行方向を設定するための前進後退レバーを含んで構成され、アクチュエータは、前進後退レバーの揺動軸に結合されたピストンロッドと、ピストンロッドを揺動軸を揺動させる方向に移動させるシリンダ本体とを備える直動式シリンダを含んで構成されていると、簡単な構成により前進後退レバーの操作を的確に行なう上で有利となる。
また、複数の操作部材は、ゴルフカートの操舵を行うハンドルを含んで構成され、アクチュエータは、ハンドル本体の周方向の一部に係合しハンドルの回動を可能とした駆動ローラと、駆動ローラを回転駆動するモータとを含んで構成されていると、簡単な構成によりハンドルの操作を的確に行なう上で有利となる。
また、複数の操作部材は、ゴルフカートの駆動モータの回転速度の制御を行うアクセルペダルを含んで構成され、アクチュエータは、アクセルペダルのペダルアームに結合されたピストンロッドと、ピストンロッドをペダルアームを揺動させる方向に移動させるシリンダ本体とを備える直動式シリンダを含んで構成されていると、簡単な構成によりアクセルペダルの操作を的確に行なう上で有利となる。
また、複数の操作部材は、ゴルフカートの制動を行なうブレーキペダルを含んで構成され、アクチュエータは、ブレーキペダルのペダルアームに結合されたピストンロッドと、ピストンロッドをペダルアームを揺動させる方向に移動させるシリンダ本体とを備える直動式シリンダを含んで構成されていると、簡単な構成によりブレーキペダルの操作を的確に行なう上で有利となる。
また、複数のアクチュエータは、運転席に着座した運転者による操作部材の手動操作を妨げない箇所に着脱可能に設けられていると、複数のアクチュエータの着脱を容易に行なえ、複数のアクチュエータのメンテンナンス作業を効率的に行なう上で有利となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】第1の実施の形態に係るゴルフカートの外観側面図である。
【
図2】第1の実施の形態に係るゴルフカートの内部構成を示すブロック図である。
【
図3】ゴルフカートのイグニッションスイッチの操作を行なう第1アクチュエータの説明図であり、(A)はイグニッションスイッチと第1アクチュエータとの係合が解除された状態を側面視した図、(B)は(A)のB-B線矢視図、(C)はイグニッションスイッチと第1アクチュエータとが係合された状態を側面視した図、(D)は(C)のD-D線矢視図である。
【
図4】ゴルフカートの前進後退レバーの操作を行なう第2アクチュエータの説明図であり、前進後退レバーをゴルフカートの車体幅方向から見た側面図である。
【
図5】ゴルフカートのハンドルの操作を行なう第3アクチュエータの説明図であり、(A)はハンドルを正面から見た正面図、(B)は(A)のX-X線矢視図である。
【
図6】(A)はゴルフカートのアクセルペダルの操作を行なう第4アクチュエータの説明図あり、アクセルペダルをゴルフカートの車体幅方向から見た側面図、(B)はゴルフカートのブレーキペダルの操作を行なう第5アクチュエータの説明図であり、ブレーキペダルをゴルフカートの車体幅方向から見た側面図である。
【
図7】第1の実施の形態に係るゴルフカートの遠隔制御システムが適用されるゴルフカートの制御系の構成を示すブロック図である。
【
図8】第1の実施の形態に係るゴルフカートの遠隔制御システムの遠隔操作装置の構成を示すブロック図である。
【
図9】第2の実施の形態に係るゴルフカートの遠隔制御システムが適用されるゴルフカートの制御系の構成を示すブロック図である。
【
図10】第2の実施の形態に係るゴルフカートの遠隔制御システムの遠隔操作装置の構成を示すブロック図である。
【
図11】(A)は表示部にゴルフカートの周辺を示す画像情報が表示された状態を示す図、(B)は表示部に地図情報に重ね合わされてゴルフカートの位置を示すアイコンが表示された状態を示す図である。
【
図12】第3の実施の形態に係るゴルフカートの遠隔制御システムにおける第3アクチュエータの説明図であり、(A)はハンドルを正面から見た正面図、(B)は(A)のB-B線矢視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(第1の実施の形態)
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
本実施の形態に係るゴルフカートは、複数のプレイヤーとそれぞれのプレイヤーのゴルフバッグなどの荷物を乗せてゴルフ場の走行路を走行するものであり、運転席に着座した運転者による手動操作により走行する手動操作運転、および遠隔制御により走行する遠隔操作運転が可能となっている。
【0010】
まず、ゴルフカート10の構成について説明する。
図1、2に示すように、ゴルフカート10は、車体12と、一対の前輪14と、一対の後輪16と、前部シート18Aと、後部シート18Bと、複数の操作部材を構成するイグニッションスイッチ20、前進後退レバー22、ハンドル24、アクセルペダル26、およびブレーキペダル28と、走行制御装置30と、バッテリ32と、トランスミッション34と、駆動モータ36と、複数のアクチュエータを構成する第1アクチュエータ40、第2アクチュエータ42、第3アクチュエータ44、第4アクチュエータ46、および第5アクチュエータ48と、カート制御装置50と、を含んで構成されている。
【0011】
車体12は、下部車体1202、支持枠1204、およびルーフ1206から構成されている。
支持枠1204は、下部車体1202の四隅から上方に延びるように設けられており、支持枠1204の上端部を接続するようにルーフ1206が取り付けられている。
車体12の前部側の支持枠1204には、車体12の前面を覆う透明なフロントガラス(不図示)がはめ込まれている。
下部車体1202の前端部にはダッシュパネル1208が設けられ、下部車体1202の後端部には、ゴルフバッグ等の荷物を搭載するためのキャリア1210が設けられている。
【0012】
一対の前輪14および一対の後輪16は、車体12を支持するように下部車体1202のそれぞれ前端部近傍および後端部近傍に回転可能に取り付けられている。
下部車体1202上の中央部付近には2人用の前部シート18Aが設けられており、下部車体1202上の後部には3人用の後部シート18Bが設けられている。
【0013】
複数の操作部材20、22、24、26、28は、ゴルフカート10の運転を行うために運転者によって操作される部材である。
本実施の形態では、前部シート18Aの前方のダッシュパネル1208の上部にイグニッションスイッチ20、前進後退レバー22、ハンドル24の3つの操作部材が設けられており、ダッシュパネル1208の下部にアクセルペダル26およびブレーキペダル28が設けられている。
【0014】
イグニッションスイッチ20は、ゴルフカート10の電源の投入、切断を行なうための操作部材である。
図3(A)~(D)に示すように、イグニッションスイッチ20は、キーシリンダ2002と、キーシリンダ2002に係脱可能に挿入されるイグニッションキー2004とを備えている。
イグニッションスイッチ20は、キーシリンダ2002に挿入されたイグニッションキー2004がオフ位置、オン位置のそれぞれに回動されることで、オフ信号、オン信号が走行制御装置30に供給される。
【0015】
前進後退レバー22は、ゴルフカート10の進行方向を設定するための操作部材である。
図4に示すように、前進後退レバー22は、ダッシュパネル1208から斜め上方向けて揺動可能に突出されて設けられた揺動軸2202と、揺動軸2202の先端に設けられ手により把持される被把持部2204とを備えている。
前進後退レバー22が操作されると、レバー位置センサ(不図示)によって検出された前進後退レバー22の傾倒角度を示す傾倒角度信号が走行制御装置30に供給される。
前進後退レバー22は、中立範囲と、中立範囲よりも上方の範囲の前進範囲と、中立範囲よりも下方の範囲の後退範囲とに傾倒可能に設けられている。
前進後退レバー22が中立範囲に位置した場合、ニュートラルとなり、ゴルフカート10は前進も後退もしない。この状態で、ゴルフカート10の電源を投入する。
前進後退レバー22が前進範囲に位置した場合、ゴルフカート10の進行方向が前進する方向に設定される。したがって、この状態でアクセルペダル26が踏み込まれるとゴルフカート10は前進する。
前進後退レバー22が後進範囲に位置した場合、ゴルフカート10の進行方向が後退する方向に設定される。したがって、この状態でアクセルペダル26が踏み込まれるとゴルフカート10は後退する。
【0016】
ハンドル24は、ゴルフカート10の操舵を行なうために回転される操作部材である。
図5(A)、(B)に示すように、ハンドル24は、断面が円形状で円環状に延在するハンドル本体2402と、ハンドル本体2402が先端に設けられたハンドルシャフト2404と、ハンドルシャフト2404とハンドル本体2402とを接続するスポーク2406とを備えている。
本実施の形態では、ハンドルシャフト2404は、ダッシュパネル1208から斜め上方向けて回転可能に突出されて設けられている。
ハンドル24が操作されると、操作角センサ(不図示)によって検出されたハンドル24の操作角を示す操作角信号が走行制御装置30に供給される。
【0017】
アクセルペダル26は、ゴルフカート10の駆動モータ36の回転速度の制御を行うための操作部材である。
図6(A)に示すように、アクセルペダル26は、ゴルフカート10のダッシュパネル1208の下部に取り付けられた不図示のブラケットに支軸2602を介して揺動可能に設けられたペダルアーム2604と、ペダルアーム2604の下端に設けられ運転者の足裏が当接するペダル踏面部2606とを備えている。
アクセルペダル26は走行制御装置30に接続されており、踏み込まれることで操作されると踏み込み量が走行制御装置30に供給される。
【0018】
ブレーキペダル28は、ゴルフカート10の制動を行うための操作部材である。
図6(B)に示すように、ブレーキペダル28は、アクセルペダル26と同様に、ゴルフカート10のダッシュパネル1208の下部に取り付けられた不図示のブラケットに支軸2802を介して揺動可能に設けられたペダルアーム2804と、ペダルアーム2804の下端に設けられ運転者の足裏が当接するペダル踏面部2806とを備えている。
ブレーキペダル28は、油圧式ディスクブレーキシステム(不図示)を介して、前輪14および後輪16にそれぞれ設けられたディスクブレーキ14A、16Aに連結されているとともに、制動モータ(不図示)を介して走行制御装置30に接続されており、踏み込まれることで操作されると踏み込み量が走行制御装置40に供給される。
【0019】
バッテリ32は、各種部品に供給される電力を蓄えるものであって、例えば直列に接続された複数の鉛蓄電池である。
トランスミッション34、および駆動モータ36は、ゴルフカート10の後部に設けられている。
一対の後輪16の車軸1602にトランスミッション34が接続され、トランスミッション34に駆動モータ36が取り付けられている。
駆動モータ36の回転力は、トランスミッション34を介して後輪16の車軸1602に伝達され、これにより後輪16が駆動される。
ゴルフカート10の停止動作時には、電磁ブレーキが作動して駆動モータ36の回転を制止する。
【0020】
走行制御装置30は、バッテリ32の充放電制御を行うとともに、運転者による複数の操作部材20、22、24、26、28の操作に応じてゴルフカート10に装備されている駆動モータ36などの各種部品を制御することでゴルフカート10を走行させる。
すなわち、走行制御装置30は、イグニッションスイッチ20からオフ信号、オン信号が供給されると、ゴルフカート10の電源の投入、切断を行い、前進後退レバー22から傾倒角度信号が供給されると、ゴルフカート10の進行方向(前進する方向、後退する方向)を設定する。
走行制御部30は、ハンドル24から操作角信号が供給されると、操作角に応じて一対の前輪14を転舵してゴルフカート10を操舵させる。
走行制御装置30は、運転者によりアクセルペダル26が踏み込まれると、アクセルペダル26の踏み込み量に応じて駆動モータ36を制御することにより、駆動モータ36が回転駆動して後輪16を回転させる。これによって、ゴルフカート10は加速しながら走行する。
走行制御装置30は、運転者によりブレーキペダル28を踏み込まれると、ブレーキペダル28の踏み込み量に応じて制動モータを制御することにより、油圧式ディスクブレーキシステムを介してディスクブレーキ14A、16Aを作動させて前輪14および後輪16の回転駆動を制動する。
【0021】
複数のアクチュエータ40、42、44、46、48は、複数の操作部材20、22、24、26、28に対応してそれぞれ設けられ、複数の操作部材20、22、24、26、28をそれぞれ操作するものである。
本実施の形態では、イグニッションスイッチ20を操作する第1アクチュエータ40と、前進後退レバー22を操作する第2アクチュエータ42と、ハンドル24を操作する第3アクチュエータ44と、アクセルペダル26を操作する第4アクチュエータ46と、ブレーキペダル28を操作する第5アクチュエータ48の5つのアクチュエータが複数のアクチュエータとして設けられている。
【0022】
図3(A)~(D)に示すように、第1アクチュエータ40は、モータ52と、回転部材54とを含んで構成されている。
モータ52と回転部材54は、運転席(前部シート18Aの前進方向に向かって右側)に着座した運転者によるイグニッションスイッチ20(イグニッションキー2004)の手動操作を妨げない箇所(ダッシュパネル1208)に設けられている。
モータ52は、ダッシュパネル1208に不図示のブラケットを介して着脱可能に設けられている。
回転部材54は、モータ52の駆動軸5202に連結されている。
回転部材54には、イグニッションスイッチ20のキーシリンダ2002に挿入されたイグニッションキー2004の頭部2004Aに係脱可能な係合凹部5402が設けられている。
すなわち、回転部材54は、イグニッションキー2004に係脱可能で一体回転可能に結合され回転操作可能となっている。
【0023】
図3(A)、(B)に示すように、イグニッションキー2004の頭部2004Aに回転部材54の係合凹部5402が対向するように位置決めしたのち、
図3(C)、(D)に示すように、回転部材54およびモータ52をイグニッションキー2004方向に移動させることで、頭部2004Aが係合凹部5402に挿入されて係合され、その状態で不図示のブラケットを介して第1アクチュエータ40がダッシュパネル1208に取り付けられる。
頭部2004Aに係合凹部5402が係合した状態で、後述するカート制御装置50から駆動信号がモータ52に供給されることによりモータ52を駆動し、イグニッションキー2004をオフ位置、オン位置のそれぞれに回動させることができる。
これにより走行制御装置30がゴルフカート10の電源の投入、切断を行い、また、ゴルフカート10の各種部品に対するバッテリ32からの電力の供給、供給停止が行なわれる。
また、頭部2004Aに係合凹部5402が係合した状態で、カート制御装置50によってモータ52に供給される駆動信号がオフとされることでモータ52はサーボフリーとなり、運転席に着座した運転者は、回転部材54を把持することで回転部材54を介してイグニッションキー2004を手動で操作することができる。
なお、キーシリンダ2002からのイグニッションキー2004を取り外す際には、モータ52をダッシュパネル1208から取り外し、頭部2004Aから係合凹部5402を離間させればよい。
【0024】
図4に示すように、第2アクチュエータ42は、直動式シリンダ(直動式電気シリンダ)42Aで構成され、シリンダ本体4202と、シリンダ本体4202に組み込まれたモータ(不図示)と、シリンダ本体4202に組み込まれたピストンロッド4204とを備えている。
直動式シリンダ42Aは、運転席に着座した運転者による前進後退レバー22の手動操作を妨げない箇所(ダッシュパネル1208)に不図示のブラケットを介して着脱可能に設けられている。
シリンダ本体4202は、ピストンロッド4204の出没方向を前進後退レバー22の揺動軸2202を揺動させる方向に合致させて配置されている。
ピストンロッド4204の先端は、前進後退レバー22の揺動軸2202の長手方向の中間部に連結部4206の不図示の球面軸受を介して連結されている。
したがって、カート制御装置50によってモータに駆動信号が供給されることで、シリンダ本体4202に対してピストンロッド4204が出没し、前進後退レバー22が前進範囲、中立範囲、後退範囲にわたって傾倒され、これにより走行制御装置30がゴルフカート10の進行方向を設定する。
また、カート制御装置50によってモータに供給される駆動信号がオフとされることでモータはサーボフリーとなり、運転席に着座した運転者は、前進後退レバー22の手動操作が可能となっている。
【0025】
図5(A)、(B)に示すように、第3アクチュエータ44は、モータ56と駆動ローラ58とを含んで構成されている。
モータ56と駆動ローラ58は、運転席に着座した運転者によるハンドル24の手動操作を妨げない箇所(ダッシュパネル1208)に不図示のブラケットを介して着脱可能に設けられている。
モータ56は、ダッシュパネル1208に取着された状態でその駆動軸5602をハンドル24のハンドルシャフト2404とほぼ直交させるように配置されている。
駆動ローラ58は、駆動軸5602の先端に取着されている。
駆動ローラ58は、ハンドル本体2402の周方向の一部の車体12の前方に配置され、ハンドル本体2402に係合し、駆動ローラ58が回転されることによりハンドル本体2402の回動を可能とする。
駆動ローラ58は、ハンドル本体2402のうち車体12の前方の面に係合する凹溝5802を備え、モータ56の回転駆動力が駆動ローラ58の凹溝5802を介してハンドル本体2402に効率よく伝達されるように図られている。
【0026】
モータ56は、カート制御装置50から駆動信号が供給されることにより駆動軸5602、駆動ローラ58を介してハンドル24を正逆回転させる。
したがって、モータ56が正逆回転することにより駆動ローラ58によりハンドル本体2402が正逆方向に回転され、操作角センサで生成された操作角信号が走行制御装置30に供給されることで、一対の前輪14が転舵されてゴルフカート10が操舵される。
また、カート制御装置50によってモータ56に供給される駆動信号がオフとされることでモータ56はサーボフリーとなり、運転席に着座した運転者は、ハンドル24の手動操作が可能となっている。
【0027】
図6(A)に示すように、第4アクチュエータ46は、直動式シリンダ(直動式電気シリンダ)46Aで構成され、シリンダ本体4602と、シリンダ本体4602に組み込まれたモータ(不図示)と、シリンダ本体4602に組み込まれたピストンロッド4604とを備えている。
直動式シリンダ46Aは、運転席に着座した運転者によるアクセルペダル26の手動操作(踏み込み操作)を妨げない箇所(ダッシュパネル1208)に不図示のブラケットを介して着脱可能に設けられている。
シリンダ本体4602は、ピストンロッド4604の出没方向を車体12前後方向に合致させて配置されている。
ピストンロッド4604の先端は、ペダルアーム2604の長手方向の中間部に連結部4606の不図示の球面軸受を介して連結されている。
したがって、カート制御装置50によってモータに駆動信号が供給されることで、シリンダ本体4602に対してピストンロッド4604が出没し、ペダルアーム2604が揺動され、走行制御装置30によりゴルフカート10の駆動モータ36の回転速度の制御がなされる。
また、カート制御装置50によってモータに供給される駆動信号がオフとされることでモータはサーボフリーとなり、運転席に着座した運転者は、アクセルペダル26の手動操作が可能となっている。
【0028】
図6(B)に示すように、第5アクチュエータ48は、直動式シリンダ(直動式電気シリンダ)48Aで構成され、シリンダ本体4802と、シリンダ本体4802に組み込まれたモータ(不図示)と、シリンダ本体4802に組み込まれたピストンロッド4804とを備えている。
直動式シリンダ48Aは、運転席に着座した運転者によるブレーキペダル28の手動操作(踏み込み操作)を妨げない箇所(ダッシュパネル1208)に不図示のブラケットを介して着脱可能に設けられている。
シリンダ本体4802は、ピストンロッド4804の出没方向を車体12前後方向に合致させて配置されている。
ピストンロッド4804の先端は、ペダルアーム2804の長手方向の中間部に連結部4806の不図示の球面軸受を介して連結されている。
したがって、カート制御装置50によってモータに駆動信号が供給されることで、シリンダ本体4802に対してピストンロッド4804が出没し、ペダルアーム2804が揺動され、走行制御装置30によりゴルフカート10の制動がなされる。
また、カート制御装置50によってモータに供給される駆動信号がオフとされることでモータはサーボフリーとなり、運転席に着座した運転者は、ブレーキペダル28の手動操作が可能となっている。
【0029】
カート制御装置50は、ゴルフカート10の車体12に搭載され、遠隔操作装置70から送信される遠隔操作指令情報に基づいて第1、第2、第3、第4、第5アクチュエータ40、42、44、46、68を制御するものである。カート制御装置50については後で詳述する。
遠隔操作装置70は、ゴルフカート10から離間した箇所に位置する操作者が操作するものであり、操作者の操作により生成した遠隔操作指令情報をカート制御装置50に無線回線を介して送信するものである。
【0030】
次に、
図8を参照して、遠隔操作装置70について詳細に説明する。
遠隔操作装置70は、第1~第5遠隔操作レバー72A、72B、72C、72D、72Eと、角度センサ74A、74B、74C、74D、74Eと、モード切替スイッチ76と、制御部78と、遠隔制御側通信部80とを含んで構成されている。
第1~第3遠隔操作レバー72A、72B、72C、72D、72Eは、イグニッションスイッチ20(イグニッションキー2004)、前進後退レバー22、ハンドル24、アクセルペダル26、ブレーキペダル28を遠隔制御するための揺動操作がなされる遠隔制御用の操作部材(ジョイスティックなど)で構成されている。
角度センサ74A、74B、74C、74D、74Eは、各遠隔操作レバー72A、72B、72C、72D、72Eに対応して設けられ、各遠隔操作レバー72A、72B、72C、72D、72Eの操作位置に対応する角度を示す検知信号を出力するものである。
【0031】
モード切替スイッチ76は、後述する遠隔制御モードと、手動操作モードとを切り替える際に切り替え操作されるものである。
【0032】
制御部78は、CPU、制御プログラムなどを格納・記憶するROM、制御プログラムの作動領域としてのRAM、各種データを書き換え可能に保持するEEPROM、各角度センサ74A、74B、74C、74D、74E、モード切替スイッチ76、周辺回路等とのインターフェースをとるインターフェース部などを含んで構成される。
制御部78は、上記制御プログラムを実行することにより指令情報生成部78Aとして機能する。
【0033】
指令情報生成部78Aは、各角度センサ74A、74B、74C、74D、74Eから供給される検知信号に基づいて遠隔操作指令情報を生成するものである。
また、指令情報生成部78Aは、モード切替スイッチ76から供給される操作信号に基づいてモード切替指令情報を生成するものである。
遠隔制御側通信部80は、カート側通信部60と無線回線を介して通信可能に構成され、指令情報生成部78Aで生成された遠隔操作指令情報、モード切替指令情報をカート側通信部60に無線回線を介して送信するものである。
【0034】
次に、
図7を参照して、カート制御装置50について詳細に説明する。
カート制御装置50は、カート側通信部60と、第1~第5検出部62A、62B、62C、62D、62Eと、サーボ制御部64と、制御部66とを含んで構成されている。
【0035】
カート側通信部60は、遠隔制御側通信部80から無線回線を介して送信される遠隔操作指令情報、モード切替指令情報を受信するものである。
第1~第5検出部62A、62B、62C、62D、62Eは、第1~第5アクチュエータ40、42、44、46、48によるイグニッションスイッチ20(イグニッションキー2004)、前進後退レバー22、ハンドル24、アクセルペダル26、ブレーキペダル28の操作量を検出するものである。
具体的に説明すると、第1検出部62Aは、第1アクチュエータ40を構成するモータ52の駆動軸5202の回転量(角度)を操作量として検出する。
第2検出部62Bは、第2アクチュエータ42(直動式シリンダ42A)のピストンロッド4204の移動量を操作量として検出する。
第3検出部62Cは、第3アクチュエータ44を構成するモータ56の駆動軸5602の回転量(角度)を操作量として検出する。
第4検出部62Dは、第4アクチュエータ46(直動式シリンダ46A)のピストンロッド4604の移動量を操作量として検出する。
第5検出部62Eは、第5アクチュエータ48(直動式シリンダ48A)のピストンロッド4804の移動量を操作量として検出する。
【0036】
サーボ制御部64は、操作部材制御部66Aの制御により第1~第5検出部62A、62B、62C、62D、62Eでそれぞれ検出された操作量に基づいて第1アクチュエータ40(モータ52)、第2アクチュエータ42(直動式シリンダ42A)、第3アクチュエータ44(モータ56)、第4アクチュエータ46(直動式シリンダ46A)、第5アクチュエータ48(直動式シリンダ48A)のサーボ制御をそれぞれ行なう。
【0037】
制御部66は、CPU、制御プログラムなどを格納・記憶するROM、制御プログラムの作動領域としてのRAM、各種データを書き換え可能に保持するEEPROM、第1~第5検出部62A、62B、62C、62D、62E、サーボ制御部64、周辺回路等とのインターフェースをとるインターフェース部などを含んで構成される。
制御部66は、上記制御プログラムを実行することにより操作部材制御部66Aとして機能する。
【0038】
操作部材制御部66Aは、遠隔制御側通信部80、カート側通信部60を介して受信した遠隔操作指令情報に基づいて、第1~第5検出部62A、62B、62C、62D、62Eの検出結果を監視しつつ、サーボ制御部64を制御することで第1~第5アクチュエータ40、42、44、46、48を駆動制御してイグニッションスイッチ20(イグニッションキー2004)、前進後退レバー22、ハンドル24、アクセルペダル26、ブレーキペダル28を動かすものである。
また、操作部材制御部66Aは、遠隔操作装置70のモード切替スイッチ76の操作によって、制御部78の指令情報生成部78Aで生成されたモード切替指令情報を、遠隔制御側通信部80、カート側通信部60を介して受信することで、遠隔制御モードと、手動操作モードとに選択可能に構成されている。
【0039】
操作部材制御部66Aは、モード切替指令情報に応じて遠隔制御モードに設定された場合は、遠隔操作装置70の操作に応じて遠隔制御を行う。
すなわち、操作部材制御部66Aは、遠隔操作指令情報に基づいて第1~第5アクチュエータ40、42、44、46、48を制御してイグニッションスイッチ20(イグニッションキー2004)、前進後退レバー22、ハンドル24、アクセルペダル26、ブレーキペダル28をそれぞれ操作する。
また、操作部材制御部66Aは、モード切替指令情報に応じて手動操作モードに設定された場合は、サーボ制御部64を制御して第1アクチュエータ40のモータ52、第2アクチュエータ42のモータ、第3アクチュエータ44のモータ56、第4アクチュエータ46のモータ、第5アクチュエータ48のモータへの駆動信号をオフとすることで、すなわち、サーボ制御部64のサーボ制御動作を無効とすることで、第1~第5アクチュエータ40、42、44、46、48をサーボフリーとしてイグニッションスイッチ20(イグニッションキー2004)、前進後退レバー22、ハンドル24、アクセルペダル26、ブレーキペダル28の運転者による手動操作を可能とする。
なお、モード切替スイッチ76をカート制御装置50に設け、モード切替スイッチ76の操作を受け付けた操作部材制御部66Aが遠隔制御モードと、手動操作モードとを選択するようにしてもよい。
【0040】
次に、本実施の形態の遠隔制御システムを用いてゴルフカート10を遠隔制御する場合について説明する。
予め、イグニッションキー2004の頭部2004Aに回転部材54の係合凹部5402が係合した状態とされ、カート制御装置50はモード切替スイッチ76により遠隔制御モードに設定されているものとする。
なお、操縦者によるゴルフカート10の遠隔操作は、操縦者がゴルフカート10を監視しながら行なうものとする。
操縦者が遠隔操作装置70の第1~第5遠隔操作レバー72A、72B、72C、72D、72Eを操作することにより、各角度センサ74A、74B、74C、74D、74Eで検出された検知信号に基づいて指令情報生成部78Aが遠隔操作指令情報を生成する。遠隔操作指令情報は、無線回線を介して遠隔制御側通信部80からカート側通信部60に無線回線を介して送信される。
【0041】
ゴルフカート10では、カート側通信部60を介して受信された遠隔操作指令情報が操作部材制御部66Aに供給され、操作部材制御部66Aは、遠隔操作指令情報に基づいて、第1~第5検出部62A、62B、62C、62D、62Eの検出結果を監視しつつ、サーボ制御部64を制御することで第1~第5アクチュエータ40、42、44、46、48を駆動制御してイグニッションスイッチ20(イグニッションキー2004)、前進後退レバー22、ハンドル24、アクセルペダル26、ブレーキペダル28を操作させる。
すなわち、第1アクチュエータ40によってイグニッションスイッチ20が操作されることにより、イグニッションスイッチ20がオフ位置、オン位置に切り替えられることにより、ゴルフカート10の電源の投入、切断がなされる。
また、第2アクチュエータ42によって前進後退レバー22が操作されることによって、ゴルフカート10の進行方向(前進または後退)が設定され、ゴルフカート10の前進、後退が切り替えられる。
また、第3アクチュエータ44によってハンドル24が操作されることによって、一対の前輪14が転舵されゴルフカート10が操舵される。
また、第4アクチュエータ46によってアクセルペダル26が操作されることにより、駆動モータ36の回転速度の制御が行なわれる。
また、第5アクチュエータ48によってブレーキペダル28が操作されることにより、ゴルフカート10の制動がなされる。
【0042】
次に、本実施の形態の遠隔制御システムを用いてゴルフカート10に乗った運転者がイグニッションスイッチ20(イグニッションキー2004)、前進後退レバー22、ハンドル24、アクセルペダル26、ブレーキペダル28を手動操作する場合について説明する。
予め、カート制御装置50はモード切替スイッチ76により手動操作モードに設定されているものとする。
運転席に着座した運転者の手動操作によって、イグニッションスイッチ20がオフ位置、オン位置に切り替えられることによって、ゴルフカート10の電源の投入、切断がなされる。
次に、運転者の手動操作によって、前進後退レバー22が操作されることによって、ゴルフカート10の進行方向が設定される。
進行方向が設定されると、運転者の手動操作によって、アクセルペダル26が操作されることによって、ゴルフカート10が発進し、ハンドル24が操作されることによって、一対の前輪14が転舵されてゴルフカート10が操舵される。
そして、運転者の手動操作によって、ブレーキペダル28が操作されることによって、ゴルフカート10の制動がなされる。
この際、第1~第5アクチュエータ40、42、44、46、48はサーボフリーとされているため、イグニッションスイッチ20(イグニッションキー2004)、前進後退レバー22、ハンドル24、アクセルペダル26、ブレーキペダル28の手動操作は妨げられない。
【0043】
このように、本実施の形態では、運転者によって操作されるゴルフカート10の運転を行なうための複数の操作部材20、22、24、26、28を操作する第1~第5アクチュエータ40、42、44、46、48を、運転席に着座した運転者による操作部材の手動操作を妨げない箇所に着脱可能に設けた。そして、操作部材制御部66Aの遠隔操作モードを選択することで、遠隔操作指令情報に基づいて第1~第5アクチュエータ40、42、44、46、48を制御してイグニッションスイッチ20(イグニッションキー2004)、前進後退レバー22、ハンドル24、アクセルペダル26、ブレーキペダル28を操作することによって、ゴルフカート10を遠隔制御することができるようにした。また、操作部材制御部66Aの手動操作モードを選択することで、第1~第5アクチュエータ40、42、44、46、48をサーボフリーとしてイグニッションスイッチ20(イグニッションキー2004)、前進後退レバー22、ハンドル24、アクセルペダル26、ブレーキペダル28を運転席に着座した運転者が手動操作できるようにした。
したがって、遠隔操作を行うためにゴルフカート10の改造を行ったり元の状態に戻す必要がなく、ゴルフカート10の運転席に着座した運転者の操作によりゴルフカート10を運転することができるとともに、運転者が乗車せずに遠隔制御によりゴルフカート10を運転することもでき、利便性を向上させて運転者の労力を軽減する上で有利となる。
本実施の形態のゴルフカートの遠隔制御システムを、ゴルフ場の複数のゴルフカート10に取り付けた場合、一人の従業員(操作者)が複数のゴルフカート10を遠隔制御してゴルフカート10を所望の場所に並べることができるため、複数のゴルフカート10に乗ったり降りたりする必要がなく、人的コストを抑制しつつ効率的にゴルフカート10を所望の位置に移動する上で有利となり、また、ゴルフカート10を元の状態に戻すことなくプレイヤーなどの運転者が運転席に着座してゴルフカート10を操作することも可能となる。
また、第1~第5アクチュエータ40、42、44、46、48を、運転席に着座した運転者による操作部材の手動操作を妨げない箇所に着脱不能に設けてもよいが、本実施の形態のように着脱可能に設けると、第1~第5アクチュエータ40、42、44、46、48を容易に取り外せるので、第1~第5アクチュエータ40、42、44、46、48のメンテンナンス作業を効率的に行なう上で有利となる。
【0044】
また、本実施の形態では、サーボ制御部64は、第1~第5検出部62A、62B、62C、62D、62Eでそれぞれ検出された操作量に基づいて第1アクチュエータ40(モータ52)、第2アクチュエータ42(直動式シリンダ42A)、第3アクチュエータ44(モータ56)、第4アクチュエータ46(直動式シリンダ46A)、第5アクチュエータ48(直動式シリンダ48A)のサーボ制御をそれぞれ行ない、操作部材制御部66Aの遠隔操作モードは、サーボ制御部64を介して第1アクチュエータ40、第2アクチュエータ42、第3アクチュエータ44、第4アクチュエータ46、第5アクチュエータ48をそれぞれ操作することでなされ、手動操作モードは、サーボ制御部64の制御動作を無効としそれらアクチュエータ40、42、44、46、48をサーボフリーとすることでなされるようにした。
したがって、簡単な構成により遠隔操作モードと手動操作モードとを切り替える上で有利となる。
なお、第1アクチュエータ40の回転部材54をイグニッションキー2004に対して移動させることで係脱可能に構成し、第2アクチュエータ42の連結部4206の揺動軸2202に対する連結とその解除を可能に構成し、第3アクチュエータ44の駆動ローラ58をハンドル24に対して移動させることで接離可能に構成し、第4アクチュエータ46の連結部4606のペダルアーム2604に対する連結とその解除を可能に構成し、第5アクチュエータ48の連結部4806のペダルアーム2804に対する連結とその解除を可能に構成し、遠隔操作モードと手動操作モードとを切り替えるようにしてもよい。
しかしながら、その場合は、複数のアクチュエータや複雑な機構が必要となりコストがかさむ不利がある。
これに対して本実施の形態のようにアクチュエータ40、42、44、46、48のサーボ制御とサーボフリーとを切り替えるようにすれば足りるため、そのようなコストを抑制する上で有利となる。
【0045】
また、本実施の形態では、複数の操作部材として、イグニッションスイッチ20と、前進後退レバー22と、ハンドル24と、アクセルペダル26と、ブレーキペダル28とが設けられ、第1~第5のアクチュエータ40、42、44、46、48は、それらイグニッションスイッチ20、前進後退レバー22、ハンドル24、アクセルペダル26、およびブレーキペダル28に対応してそれぞれ設けられていると、ゴルフカート10の遠隔制御を的確に行なう上で有利となる。
また、本実施の形態では、第1アクチュエータ40は、イグニッションスイッチ20のイグニッションキー2004に係脱可能で一体回転可能に結合される回転部材54と、回転部材54を回転させるモータ52とを含んで構成されているため、第1アクチュエータ40の構成の簡素化を図り、イグニッションスイッチ20の操作を的確に行なう上で有利となる。
また、本実施の形態では、第2アクチュエータ42は、前進後退レバー22の揺動軸2202に結合されたピストンロッド4204と、ピストンロッド4204を揺動軸2202を揺動させる方向に移動させるシリンダ本体4202とを備える直動式シリンダ42Aを含んで構成されているため、第2アクチュエータ42の構成の簡素化を図り、前進後退レバーの22の操作を的確に行なう上で有利となる。
また、本実施の形態では、第3アクチュエータ44は、ハンドル本体2402の周方向の一部に係合しハンドル24の回動を可能とした駆動ローラ58と、駆動ローラ58を回転駆動するモータ56とを含んで構成されているため、第3アクチュエータ44の構成の簡素化を図り、ハンドル24の操作を的確に行なう上で有利となる。
また、本実施の形態では、第4アクチュエータ46は、アクセルペダル26のペダルアーム2604に結合されたピストンロッド4604と、ピストンロッド4604をペダルアーム2604を揺動させる方向に移動させるシリンダ本体4602とを備える直動式シリンダを含んで構成されているため、第4アクチュエータ46の構成の簡素化を図り、アクセルペダル26の操作を的確に行なう上で有利となる。
また、本実施の形態では、第5アクチュエータ48は、ブレーキペダル28のペダルアーム2804に結合されたピストンロッド4804と、ピストンロッド4804をペダルアーム2804を揺動させる方向に移動させるシリンダ本体4802とを備える直動式シリンダを含んで構成されているため、第5アクチュエータ48の構成の簡素化を図り、りブレーキペダル28の操作を的確に行なう上で有利となる。
【0046】
なお、第1の実施の形態では、第3アクチュエータ44が、ハンドル24におけるハンドル本体2402の周方向の一部に係合しハンドル24の回動を可能とした駆動ローラ58と、駆動ローラ58を回転駆動するモータ56とを含んで構成されている場合について説明したが、ハンドル24を回転駆動するアクチュエータとして以下に例示するように従来公知の様々な構成が使用可能である。
(1)ハンドルシャフト2404にモータの駆動軸を結合し、モータの回転駆動力によってハンドルシャフト2404(ハンドル24)を回動させ操舵を行なう。
(2)
図5に示した駆動ローラ58、モータ56をハンドル本体2402の周方向に間隔をおいて複数設け、各駆動ローラ58を各モータ56で回転駆動させ、ハンドル24を回動させ操舵を行なう。
(3)ハンドルシャフト2404の回転軸を中心として円環状に延在するリングをハンドルシャフト2404と一体回転可能に設け、リングの周方向の一部に係合しリングの回動を可能とした駆動ローラと、駆動ローラを回転駆動するモータとを設け、モータの回転駆動力によってリングを介してハンドル24を回動させ操舵を行なう。
(4)ハンドルシャフト2404に従動スプロケットを設け、モータの駆動軸に駆動スプロケットを設け、従動スプロケットと駆動スプロケットとにチェーンをかけ回し、モータの回転駆動力により駆動スプロケット、チェーン、従動スプロケットを介してハンドルシャフト2404(ハンドル24)を回動させ操舵を行なう。
(5)ハンドルシャフト2404に従動ピニオンを設け、モータの駆動軸に駆動ピニオンを設け、それら従動ピニオンと駆動ピニオンに噛合するラックを設け、モータの回転駆動力により駆動ピニオン、ラック、従動ピニオンを介してハンドルシャフト2404(ハンドル24)を回動させ操舵を行なう。
【0047】
また、本実施の形態のゴルフカートの制御システムを用いた場合に、一台の遠隔操作装置70により、複数台のゴルフカート10の遠隔操作が可能に構成してもよい。
その場合、例えば、遠隔操作装置70において、各ゴルフカート10に固有のID(識別情報)を記憶しておく。そして、遠隔操作装置70は、遠隔操作指令情報とともに遠隔操作の対象となるゴルフカート10のIDを送信する。これにより、ゴルフカート10では、自己のIDと遠隔操作装置70から送信されたIDとが一致した場合、同時に送信された遠隔操作指令情報に基づいて各種アクチュエータを操作してゴルフカート10を運転する構成とすればよい。
【0048】
(第2の実施の形態)
次に、第2の実施の形態について
図9、
図10を参照して説明する。
なお、以下の実施の形態では、第1の実施の形態と同様の部分、部材については第1の実施の形態と同一の符号を付してその説明を省略する。
第1の実施の形態では、遠隔操作を行なう操縦者がゴルフカート10を監視しつつ遠隔操作を行なう場合について説明したが、第2の実施の形態では、遠隔操作を行なう操縦者からゴルフカート10が視認できない範囲で遠隔操作を行なうことを可能としたものである。
第2の実施の形態では、ゴルフカート10の周辺の画像情報とゴルフカート10の測位情報を取得し、それら画像情報と測位情報とに基づいて遠隔操作装置70A側で画像情報を表示させると共に、ゴルフカート10の地図上での測位情報を表示させるようにした。
【0049】
図9に示すように、ゴルフカート10には、画像情報生成部を構成する前方カメラ82A、後方カメラ82B、左方カメラ82C、右方カメラ82Dの4つのカメラと、測位部84とが設けられている。
前方カメラ82Aは、車体12の前方を撮像して画像情報を生成するものである。
後方カメラ82Bは、車体12の後方を撮像して画像情報を生成するものである。
左方カメラ82Cは、車体12の左方を撮像して画像情報を生成するものである。
右方カメラ82Dは、車体12の右方を撮像して画像情報を生成するものである。
それら4つの画像情報は、カート側通信部60から遠隔操作装置70Aの遠隔制御側通信部80に無線回線を介して送信される。
なお、画像情報は、動画であっても一定の時間間隔で生成された静止画であってもよい。
【0050】
測位部84は、測位衛星から受信した測位信号に基づいてゴルフカート10の位置を測位し測位情報を生成するものである。
このような測位衛星は、GPS、GLONASS、Galileo、準天頂衛星(QZSS)等のGNSS(Global Navigation Satellite System:全球測位衛星システム)で用いられるものであり、それら測位システムで使用される測位衛星の1つを用いてもよく、あるいは、2つ以上の測位衛星を組み合わせて用いてもよい。
測位部84で生成された測位情報は、カート側通信部60から遠隔操作装置70Aの遠隔制御側通信部80に無線回線を介して送信される。
【0051】
図10に示すように、遠隔操作装置70Aには、操作部86、地図データベース88、表示部90が設けられている。
操作部86は、操縦者の操作に応じて、後述する報知部78Bに対して表示部90で表示する情報の切り替えなどを指示するものである。操作部86は、例えば、表示部90の表示面に設けられたタッチパネルや表示部90とは独立して設けられたキースイッチで構成されている。
地図データベース88は、ゴルフカート10が走行する場所を含む地図情報を格納しており、地図情報は地球上の測位情報(位置情報)と関連付けられている。
表示部90は、後述する報知部78Bの制御に基づいて、ゴルフカート10の周辺の画像情報を表示し、また、ゴルフカート10の現在位置を地図情報上に表示するものである。
【0052】
遠隔操作装置70Aの制御部78は、制御プログラムを実行することにより指令情報生成部78Aおよび報知部78Bとして機能する。
報知部78Bは、カート側通信部60から無線回線を介して送信された画像情報を表示部90に表示させ、また、カート側通信部60から無線回線を介して送信された測位情報に基づいて地図データベース88から地図情報を読み出し、測位情報に基づいてその地図情報上にゴルフカート10の現在位置を示すアイコンを重ね合わせて表示部90に表示させる。
また、報知部78Bは、操作部86の操作に応じて画像情報と地図情報とを切り替えて表示部90に表示させる。あるいは、車体12の前方、後方、左方、右方の画像情報を選択的に表示部90に表示させる。
例えば、
図11(A)は、表示部90の表示画面9002に、前方カメラ82Aで撮像された車体12の前方の画像情報が表示された状態を示しており、この例では、ゴルフカート10の走行路2、走行路2の両側に芝生や樹木が植えてあるフェアウェイ3、走行路2の右側にグリーン4が表示されている。
また、
図11(B)は、表示部90の表示画面9002に、走行路2、フェアウェイ3、グリーン4、およびバンカー5を示す地図情報上にゴルフカート10の現在位置を示すアイコン6が重ね合わされて表示された状態を示している。
【0053】
このような第2の実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様の効果を奏する。
また、本実施の形態では、表示部90に表示された画像情報によってゴルフカート10の周辺の状況、具体的には、他のゴルフカートの有無やそれらゴルフカートとゴルフカート10との位置関係や、ゴルフカート10とゴルフ場との位置関係などを把握することができ、ゴルフカート10から離れた箇所からゴルフカート10を的確に遠隔操作する上で有利となる。
また、表示部90に表示された地図情報に基づいて、ゴルフカート10の現在位置を把握することができ、ゴルフカート10から離れた箇所からゴルフカート10を的確に遠隔操作する上で有利となる。
なお、第2の実施の形態では、複数のカメラ82A~82Dと、測位部84との双方を設けた場合について説明したが、いずれか一方のみを設けてもよい。しかしながら、第2の実施の形態のようにすると、ゴルフカート10の周辺の状態とゴルフカート10の現在位置との双方を把握できるため、ゴルフカート10を的確に遠隔操作する上でより有利となる。
また、第2の実施の形態では、前方カメラ82A、後方カメラ82B、左方カメラ82C、右方カメラ82Dの4台のカメラを設けた場合について説明したが、カメラの数や配置は任意である。また、複数のカメラを設ける代わりに、撮像範囲が広範囲である全天球カメラや半天球カメラを用いるなど任意である。
【0054】
第2の実施の形態のゴルフカートの制御システムを装備したゴルフカート10を2、3台用意しておくと、予定外の場合や緊急時などに用いることができる。
具体的には、例えば、4人でプレイをスタートする予定のところ、1人が渋滞に巻き込まれて遅れてくるような場合、先に到着している3人でプレイをスタートし、遅れてきた人が途中から合流するような場合に用いる。
従来は、遅れてきた人をゴルフカートに乗せ、すでにプレイしている3人がいるところまで従業員が運転して遅れてきた人を降ろし、その後キャディマスター室まで運転して帰っていていた。
これに対し、本実施の形態のゴルフカートの制御システムを用いれば、遅れてきた人をゴルフカートに乗せ、キャディマスター室にいる従業員が遠隔操作して、遅れてきた人をプレイ中の3人がいるところまで送り、キャディマスター室まで戻すことができる。
この場合、プレイ中の3人がいるところまでは、遅れてきた人が自身でゴルフカートを運転し、遅れてきた人が降りた後のゴルフカートを従業員が遠隔操作してキャディマスター室まで戻してもよい。
また、例えば、4人でプレイしているところ、1人の体調が悪くなった場合、体調が悪くなった人をキャディマスター室まで運ぶ場合に用いる。
従来は、キャディマスター室に連絡すると、従業員が4人のところまでゴルフカートを運転していき、体調が悪くなった人を載せ、キャディマスター室まで帰ってきていた。
これに対し、本実施の形態のゴルフカートの制御システムを用いれば、キャディマスター室にいる従業員が遠隔操作して、体調が悪くなった人のところへゴルフカートを運転し、体調が悪くなった人を乗せてキャディマスター室まで運んでくることができる。
【0055】
また、本実施の形態のゴルフカートの制御システムを構成する遠隔操作装置70Aをキャディマスター室に設置する構成としてもよい。
例えば、キャディマスター室の壁面に設けた表示画面9002(モニター)に表示された画像情報や地図情報を見ながら、操作台に設けた第1~第5遠隔操作レバー72A、72B、72C、72D、72Eを操作する構成としてもよい。
これにより、遠隔操作装置70Aが携帯可能な端末である場合より、画像情報や地図情報が見易く操作部材の操作も行いやすくなる。
また、表示画面を2つ設け、画像情報と地図情報を別個に表示する構成とすれば、一方の表示画面でゴルフカート10の前方画像を見ながら、別の表示画面でゴルフ場のどこにいるのかを確認できるため、ゴルフカート10を的確に操作する上でより有利となる。
【0056】
(第3の実施の形態)
次に第3の実施の形態について
図12(A)、(B)を参照して説明する。
第3の実施の形態は、第1の実施の形態の変形例であり、ハンドル24を操作する第3アクチュエータ92の構成が第1の実施の形態と異なっている。
【0057】
図11(A)、(B)に示すように、第3アクチュエータ92は、2つの直動式シリンダ(直動式電気シリンダ)92A、92Bを含んで構成されている。
各直動式シリンダ92A、92Bは、シリンダ本体9202と、シリンダ本体9202に組み込まれたモータ(不図示)と、シリンダ本体9202に組み込まれたピストンロッド9204とを備えている。
図11(A)に示すように、ハンドル24の中立位置に位置した状態(前輪14が前後方向に走行可能な状態)で、ハンドル本体2402の上部に連結部94が取り付けられている。
連結部94には、ハンドルシャフト2404の中心軸と平行に延在するハンドル側支軸9402が車体12後方に向けて突設されている。
また、ハンドル24を車体12の後方から見た状態で、車体幅方向でハンドル24を挟むダッシュパネル1208の2箇所にハンドルシャフト2404の中心軸と平行に延在する車体側支軸1212A、1212Bがそれぞれ車体12後方に向けて突設されており、それら2つの車体側支軸1212A、1212Bは、ハンドルシャフト2404の中心軸を対称点として点対称な位置に不図示のブラケットを介して設けられている。
【0058】
2つの直動式シリンダ92A、92Bのうち一方の直動式シリンダ92Aは、そのシリンダ本体9202の基端が一方の車体側支軸1212Aを介して揺動可能に支持され、ピストンロッド9204の先端がハンドル側支軸9402に揺動可能に支持されている。
2つの直動式シリンダ92A、92Bのうち他方の直動式シリンダ92Bは、そのシリンダ本体9202の基端が他方の車体側支軸1212Bを介して揺動可能に支持され、ピストンロッド9204の先端がハンドル側支軸9402に揺動可能に支持されている。
したがって、各直動式シリンダ92A、92Bは、運転席に着座した運転者よるハンドル24の手動操作を妨げない箇所(ダッシュパネル1208)に着脱可能に設けられている。
【0059】
第3の実施の形態の制御系について
図7を流用して説明すると、第3検出部62Cは、第3アクチュエータ92を構成する2つの直動式シリンダ92A、92Bのピストンロッド9204の移動量を操作量としてそれぞれ検出する。
サーボ制御部64は、操作部材制御部66Aの制御により第3検出部62Cでそれぞれ検出された操作量に基づいて第3アクチュエータ92(直動式シリンダ92A、92B)のサーボ制御をそれぞれ行なう。
具体的には、一方のピストンロッド9204が突出し、他方のピストンロッド9204が収縮することによって各直動式シリンダ92A、92Bは車体側支軸1212A、1212Bを支点としてそれぞれ揺動しつつ、各ピストンロッド9204からハンドル側支軸9402、連結部94を介してハンドル24に対して回転方向への力が作用し、これによりハンドル24が回転される。
遠隔操作モード時、カート制御装置50によって各直動式シリンダ92A、92Bのモータに駆動信号が供給されることで、シリンダ本体9202に対してピストンロッド9204が出没し、ハンドル24が正逆回転され、操作角センサで生成された操作角信号が走行制御装置30に供給されることで一対の前輪14が転舵されてゴルフカート10が操舵される。
手動操作モード時、カート制御装置50によって各直動式シリンダ92A、92Bのモータに供給される駆動信号がオフとされることで各直動式シリンダ92A、92Bはサーボフリーとなり、運転席に着座した運転者は、ハンドル24の手動操作が可能となっている。
このような第3の実施の形態によっても第1の実施の形態と同様の効果が奏される。
【0060】
上述した本実施の形態のゴルフカートの制御システムを、他のスポーツ施設やホテルの敷地内を走行して移動するカートに用いてもよい。
【符号の説明】
【0061】
10 ゴルフカート
12 車体
1208 ダッシュパネル
14 前輪(一対の前輪)
16 後輪(一対の後輪)
20 イグニッションスイッチ(操作部材)
2002 キーシリンダ
2004 イグニッションキー
2004A 頭部
22 前進後退レバー(操作部材)
2202 揺動軸
2204 被把持部
24 ハンドル(操作部材)
2402 ハンドル本体
2404 ハンドルシャフト
2406 スポーク
26 アクセルペダル(操作部材)
2602 支軸
2604 ペダルアーム
2606 ペダル踏面部
28 ブレーキペダル(操作部材)
2802 支軸
2804 ペダルアーム
2806 ペダル踏面部
30 走行制御装置
32 バッテリ
34 トランスミッション
36 駆動モータ
40 第1アクチュエータ
42 第2アクチュエータ
4202 シリンダ本体
4204 ピストンロッド
4206 連結部
44 第3アクチュエータ
46 第4アクチュエータ
4602 シリンダ本体
4604 ピストンロッド
4606 連結部
48 第5アクチュエータ
4802 シリンダ本体
4804 ピストンロッド
4806 連結部
50 カート制御装置
52 モータ
5202 駆動軸
54 回転部材
5402 係合凹部
56 モータ
5602 駆動軸
58 駆動ローラ
5802 凹溝
60 カート側通信部
64 サーボ制御部
66 制御部
66A 操作部材制御部
70、70A 遠隔操作装置
72A 第1遠隔操作レバー
72B 第2遠隔操作レバー
72C 第3遠隔操作レバー
72D 第4遠隔操作レバー
72E 第5遠隔操作レバー
74A、74B、74C、74D、74E 角度センサ
76 モード切替スイッチ
78 制御部
78A 指令情報生成部
78B 報知部
80 遠隔制御側通信部
82A 前方カメラ
82B 後方カメラ
82C 左方カメラ
82D 右方カメラ
84 測位部
86 操作部
88 地図データベース
90 表示部
92 第3アクチュエータ
9202 シリンダ本体
9204 ピストンロッド
94 連結部
9402 ハンドル側支軸