(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022062647
(43)【公開日】2022-04-20
(54)【発明の名称】座席予約装置、客室予約装置、及びアプリケーションプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/02 20120101AFI20220413BHJP
G06Q 30/06 20120101ALI20220413BHJP
G06F 13/00 20060101ALI20220413BHJP
G06F 3/0482 20130101ALI20220413BHJP
【FI】
G06Q10/02
G06Q30/06 340
G06F13/00 540E
G06F3/0482
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020170824
(22)【出願日】2020-10-08
(71)【出願人】
【識別番号】320013263
【氏名又は名称】伊吹 欽也
(74)【代理人】
【識別番号】100153246
【弁理士】
【氏名又は名称】伊吹 欽也
(72)【発明者】
【氏名】伊吹 欽也
【テーマコード(参考)】
5B084
5E555
5L049
【Fターム(参考)】
5B084AA02
5B084AA12
5B084AA27
5B084AB06
5B084AB32
5B084BA01
5B084BB02
5B084DC02
5B084DC03
5E555AA26
5E555BA02
5E555BA04
5E555BB02
5E555BB04
5E555BC08
5E555BD01
5E555DB04
5E555FA00
5L049AA03
5L049BB66
(57)【要約】
【課題】利用者の予約利便性を向上させる。
【解決手段】本発明に係る座席予約装置は、予約端末に、施設の座席配置を示した座席マップを表示させる座席マップ表示制御手段と、座席マップに配置された各々の座席毎に、該座席から観覧対象を見たビュー画像を対応付けて記憶した記憶手段と、予約端末から、各々の座席のうち、予約端末の利用者により選択された候補座席の情報を取得する候補座席取得手段と、予約端末に、候補座席に対応するビュー画像を表示させるビュー画像表示制御手段と、を有し、候補座席取得手段が複数の候補座席の情報を取得した場合、ビュー画像表示制御手段は、予約端末に、複数の候補座席それぞれ毎に対応するビュー画像同士を並べて表示させる。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
予約端末に、施設の座席配置を示した座席マップを表示させる座席マップ表示制御手段と、
前記座席マップに配置された各々の座席毎に、該座席から観覧対象を見たビュー画像を対応付けて記憶した記憶手段と、
前記予約端末から、前記各々の座席のうち、前記予約端末の利用者により選択された候補座席の情報を取得する候補座席取得手段と、
前記予約端末に、前記候補座席に対応するビュー画像を表示させるビュー画像表示制御手段と、
を有し、
前記候補座席取得手段が複数の候補座席の情報を取得した場合、前記ビュー画像表示制御手段は、前記予約端末に、該複数の候補座席それぞれ毎に対応するビュー画像同士を並べて表示させること、
を特徴とする座席予約装置。
【請求項2】
予約端末に、施設の座席配置を示した座席マップを表示させる座席マップ表示制御手段と、
前記座席マップに配置された各々の座席毎に、該座席から観覧対象を見たビュー画像を対応付けて記憶した記憶手段と、
前記予約端末から、前記各々の座席のうち、前記予約端末の利用者により選択された候補座席の情報を取得する候補座席取得手段と、
前記予約端末に、前記候補座席に対応するビュー画像を表示させるビュー画像表示制御手段と、
前記候補座席取得手段が一の候補座席の情報を取得した場合に、該一の候補座席の座席属性に応じた他の候補座席を選択する他候補座席選択手段と、
を有し、
前記ビュー画像表示制御手段は、前記予約端末に、前記一の候補座席と前記他の候補座席とを含む複数の候補座席それぞれ毎に対応するビュー画像同士を並べて表示させること、
を特徴とする座席予約装置。
【請求項3】
前記他候補座席選択手段は、前記一の候補座席の座席属性と座席属性が同一である他の候補座席を選択すること、
を特徴とする請求項2に記載の座席予約装置。
【請求項4】
前記他候補座席選択手段は、前記一の候補座席の座席属性と座席属性が異なる他の候補座席を選択すること、
を特徴とする請求項2に記載の座席予約装置。
【請求項5】
コンピュータに、
施設の座席配置を示した座席マップを表示する座席マップ表示手段と、
前記座席マップに配置された各々の座席のうち、利用者に候補座席を選択させる候補座席選択手段と、
前記候補座席に対応するビュー画像を表示するビュー画像表示手段として機能させ、
前記利用者により複数の候補座席が選択された場合、前記ビュー画像表示手段は、該複数の候補座席それぞれ毎に対応するビュー画像同士を並べて表示する、アプリケーションプログラム。
【請求項6】
コンピュータに、
施設の座席配置を示した座席マップを表示する座席マップ表示手段と、
前記座席マップに配置された各々の座席のうち、利用者に候補座席を選択させる候補座席選択手段と、
前記候補座席に対応するビュー画像を表示するビュー画像表示手段として機能させ、
前記ビュー画像表示手段は、前記利用者により一の候補座席が選択された場合に、該一の候補座席と、該一の候補座席の座席属性に応じた他の候補座席とを含む複数の候補座席それぞれ毎に対応するビュー画像同士を並べて表示する、アプリケーションプログラム。
【請求項7】
予約端末に、施設の客室配置を示した客室マップを表示させる客室マップ表示制御手段と、
前記客室マップに配置された各々の客室毎に、該客室から窓外を見たビュー画像を対応付けて記憶した記憶手段と、
前記予約端末から、前記各々の客室のうち、前記予約端末の利用者により選択された候補客室の情報を取得する候補客室取得手段と、
前記予約端末に、前記候補客室に対応するビュー画像を表示させるビュー画像表示制御手段と、
を有し、
前記候補客室取得手段が複数の候補客室の情報を取得した場合、前記ビュー画像表示制御手段は、前記予約端末に、該複数の候補客室それぞれ毎に対応するビュー画像同士を並べて表示させること、
を特徴とする客室予約装置。
【請求項8】
予約端末に、施設の客室配置を示した客室マップを表示させる客室マップ表示制御手段と、
前記客室マップに配置された各々の客室毎に、該客室から窓外を見たビュー画像を対応付けて記憶した記憶手段と、
前記予約端末から、前記各々の客室のうち、前記予約端末の利用者により選択された候補客室の情報を取得する候補客室取得手段と、
前記予約端末に、前記候補客室に対応するビュー画像を表示させるビュー画像表示制御手段と、
前記候補客室取得手段が一の候補客室の情報を取得した場合に、該一の候補客室の客室属性に応じた他の候補客室を選択する他候補客室選択手段と、
を有し、
前記ビュー画像表示制御手段は、前記予約端末に、前記一の候補客室と前記他の候補客室とを含む複数の候補客室それぞれ毎に対応するビュー画像同士を並べて表示させること、
を特徴とする客室予約装置。
【請求項9】
前記他候補客室選択手段は、前記一の候補客室の客室属性と客室属性が同一である他の候補客室を選択すること、
を特徴とする請求項8に記載の客室予約装置。
【請求項10】
前記他候補客室選択手段は、前記一の候補客室の客室属性と客室属性が異なる他の候補客室を選択すること、
を特徴とする請求項8に記載の客室予約装置。
【請求項11】
コンピュータに、
施設の客室配置を示した客室マップを表示する客室マップ表示手段と、
前記客室マップに配置された各々の客室のうち、利用者に候補客室を選択させる候補客室選択手段と、
前記候補客室に対応するビュー画像を表示するビュー画像表示手段として機能させ、
前記利用者により複数の候補客室が選択された場合、前記ビュー画像表示手段は、該複数の候補客室それぞれ毎に対応するビュー画像同士を並べて表示する、アプリケーションプログラム。
【請求項12】
コンピュータに、
施設の客室配置を示した客室マップを表示する客室マップ表示手段と、
前記客室マップに配置された各々の客室のうち、利用者に候補客室を選択させる候補客室選択手段と、
前記候補客室に対応するビュー画像を表示するビュー画像表示手段として機能させ、
前記ビュー画像表示手段は、前記利用者により一の候補客室が選択された場合に、該一の候補客室と、該一の候補客室の客室属性に応じた他の候補客室とを含む複数の候補客室それぞれ毎に対応するビュー画像同士を並べて表示する、アプリケーションプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、座席予約装置、客室予約装置、及びアプリケーションプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、インターネットなどを利用した座席予約システムが知られている。例えば、映画館や劇場ホールなどの座席予約システムの場合、利用者は事前にWebサイトからその座席マップ(座席表)にアクセスし、座席マップ上でビジュアル的に表示される座席を指定することにより、座席予約を行なうことが可能である。
【0003】
また例えば、特許文献1-3には、座席予約システムにおいて、利用者が座席予約するに際し、座席の位置からスクリーンやステージがどのように見えるかを把握可能にするため、座席から見たスクリーンやステージのビュー画像や視界画像を利用者に表示する発明が記載されている。利用者は座席によって異なるその見え方を座席毎に事前に表示確認できるようになるので、座席選択時の有用な判断材料とすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002-109336号公報
【特許文献2】特開2003-296620号公報
【特許文献3】特開2008-027301号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1-3に記載される発明の場合、利用者が座席マップ上の選択座席から各々のビュー画像を確認できる機能・サービスが提供されるため、利用者心理としては複数の座席のビュー画像をじっくりと比較検討し、その中から最も気に入って納得した座席を最終的に選択し予約を行う可能性が高い。つまり、このような機能が提供されている以上、利用者は、座席マップ上でビジュアル的に表示される任意の座席を一つ選択し、選択座席からのビュー画像を確認し、一つ目の選択座席のビュー画像が気に入った気に入らないに関わらず、他の座席についても選択及びビュー画像の確認を繰り返し、比較検討の上、その中から利用者自身が最も気に入った座席を最終的に選択し予約を行うのが必然である。
【0006】
従って、利用者は自身が最も気に入った座席を最終的に選択し予約を行うことが可能となる一方、利用者が予約を完了する迄に少なからず操作手間や時間を要してしまうことがあった。
【0007】
本発明は、上記の点に鑑み提案されたものであり、一つの側面では、利用者の予約利便性を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するため、本発明に係る座席予約装置は、予約端末に、施設の座席配置を示した座席マップを表示させる座席マップ表示制御手段と、前記座席マップに配置された各々の座席毎に、該座席から観覧対象を見たビュー画像を対応付けて記憶した記憶手段と、前記予約端末から、前記各々の座席のうち、前記予約端末の利用者により選択された候補座席の情報を取得する候補座席取得手段と、前記予約端末に、前記候補座席に対応するビュー画像を表示させるビュー画像表示制御手段と、を有し、前記候補座席取得手段が複数の候補座席の情報を取得した場合、前記ビュー画像表示制御手段は、前記予約端末に、該複数の候補座席それぞれ毎に対応するビュー画像同士を並べて表示させる。
【0009】
また、本発明に係るアプリケーションプログラムは、コンピュータに、施設の座席配置を示した座席マップを表示する座席マップ表示手段と、前記座席マップに配置された各々の座席のうち、利用者に候補座席を選択させる候補座席選択手段と、前記候補座席に対応するビュー画像を表示するビュー画像表示手段として機能させ、前記ビュー画像表示手段は、前記利用者により一の候補座席が選択された場合に、該一の候補座席と、該一の候補座席の座席属性に応じた他の候補座席とを含む複数の候補座席それぞれ毎に対応するビュー画像同士を並べて表示する。
【0010】
また、本発明に係る客室予約装置は、予約端末に、施設の客室配置を示した客室マップを表示させる客室マップ表示制御手段と、前記客室マップに配置された各々の客室毎に、該客室から窓外を見たビュー画像を対応付けて記憶した記憶手段と、前記予約端末から、前記各々の客室のうち、前記予約端末の利用者により選択された候補客室の情報を取得する候補客室取得手段と、前記予約端末に、前記候補客室に対応するビュー画像を表示させるビュー画像表示制御手段と、を有し、前記候補客室取得手段が複数の候補客室の情報を取得した場合、前記ビュー画像表示制御手段は、前記予約端末に、該複数の候補客室それぞれ毎に対応するビュー画像同士を並べて表示させる。
【0011】
また、本発明に係るアプリケーションプログラムは、コンピュータに、施設の客室配置を示した客室マップを表示する客室マップ表示手段と、前記客室マップに配置された各々の客室のうち、利用者に候補客室を選択させる候補客室選択手段と、前記候補客室に対応するビュー画像を表示するビュー画像表示手段として機能させ、前記利用者により複数の候補客室が選択された場合、前記ビュー画像表示手段は、該複数の候補客室それぞれ毎に対応するビュー画像同士を並べて表示する。
【発明の効果】
【0012】
本発明の実施の形態によれば、利用者の予約利便性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本実施形態に係る座席予約システムの構成例を示す図である。
【
図2】本実施形態に係る座席予約サーバのハードウェア構成例を示す図である。
【
図3】本実施形態に係る座席予約サーバ及び予約端末のソフトウェア構成例を示す図である。
【
図4】本実施形態に係る座席マップの一例を示す図である。
【
図5】本実施形態に係る座席予約管理DBのデータ例を示す図である。
【
図6】本実施形態に係る座席予約システムの予約画面例1を示す図である。
【
図7】本実施形態に係る座席予約システムの予約画面例2-1を示す図である。
【
図8】本実施形態に係る座席予約システムの予約画面例2-2を示す図である。
【
図9】本実施形態に係る座席予約サーバのビュー画像取得処理を示すフローチャート図である。
【
図10】本実施形態に係る座席予約システムの予約画面例3-1を示す図である。
【
図11】本実施形態に係る座席予約システムの予約画面例3-2を示す図である。
【
図12】本実施形態に係る客室予約サーバ及び予約端末のソフトウェア構成例を示す図である。
【
図13】本実施形態に係る客室マップの一例を示す図である。
【
図14】本実施形態に係る客室予約管理DBのデータ例を示す図である。
【
図15】本実施形態に係る客室予約システムの予約画面例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の実施形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。
[実施形態1]
<システム構成>
(ネットワーク構成)
図1は、本実施形態に係る座席予約システムの構成例を示す図である。
図1の座席予約システム100は、座席予約サーバ10と、予約端末30とを含み、ネットワーク50を介して接続されている。
【0015】
予約端末30は、利用者(ユーザ)が座席予約サーバ10にアクセスして、座席予約を行う際に用いるコンピュータ端末であり、例えば利用者が予約操作を行うための操作部や予約情報を表示するための表示部を有するPCやスマートフォン、タブレット端末が用いられる。ネットワーク50は、有線、無線を含む通信ネットワークである。ネットワーク50は、例えば、インターネット、公衆回線網、LAN(Local Area Network)、WiFi(登録商標)などを含む。
【0016】
(ハードウェア構成)
図2は、本実施形態に係る座席予約サーバのハードウェア構成例を示す図である。座席予約サーバ10は、CPU(Central Processing Unit)11、ROM(Read Only Memory)12、RAM(Random Access Memory)13、HDD(Hard Disk Drive)14、及び通信装置15を有する。
【0017】
CPU11は、各種プログラムの実行や演算処理を行う。ROM12は、起動時に必要なプログラムなどが記憶されている。RAM13は、CPU11での処理を一時的に記憶したり、データを記憶したりする作業エリアである。HDD14は、各種データ及びプログラムを格納する。通信装置15は、ネットワーク50を介して他装置との通信を行う。
【0018】
なお、予約端末30は一般的なPCやスマートフォン、タブレット端末が用いられればよいため、予約端末30のハードウェア構成例については説明を省略する。
【0019】
(ソフトウェア構成)
図3は、本実施形態に係る座席予約サーバ及び予約端末のソフトウェア構成例を示す図である。座席予約サーバ10は、主な機能部として、座席マップ表示制御部101、候補座席取得部102、他候補座席選択部103、ビュー画像表示制御部104、及び記憶部105を有する。
【0020】
座席マップ表示制御部101は、予約端末30に、施設の座席配置を示した座席マップを送信し表示させる機能を有している。
【0021】
候補座席取得部102は、予約端末30から、座席マップ中の各々の座席のうち、予約端末30の利用者により選択された候補座席の情報を取得する機能を有している。
【0022】
他候補座席選択部103は、候補座席取得部102が一の候補座席の情報を取得した場合に、当該一の候補座席の有する座席属性に応じた他の候補座席を選択する機能を有している。
【0023】
ビュー画像表示制御部104は、座席予約管理DBを参照することで、利用者により選択された候補座席及び他の候補座席に対応するビュー画像を特定し、予約端末30に、それらビュー画像を送信し表示させる機能を有している。また特に候補座席が複数である場合、ビュー画像表示制御部104は、複数の候補座席それぞれ毎に対応するビュー画像同士を並べて表示する。
【0024】
記憶部105は、座席マップ、座席予約管理DB(Data Base)、及びビュー画像を、HDD14等の記憶装置に記憶する機能を有している。
【0025】
なお、座席予約サーバ10の上記各機能部は、座席予約サーバ10を構成するコンピュータのCPU、ROM、RAM等のハードウェア資源上で実行されるコンピュータプログラムによって実現されるものである。これらの機能部は、「手段」、「モジュール」、「ユニット」、又は「回路」に読替えてもよい。また、上記各機能部は、一台の座席予約サーバ10のみで実現される必要はなく、例えば記憶部105をはじめとしてネットワーク50上のサーバに分散されて実現されてもよい。
【0026】
予約端末30は、主な機能部として、座席マップ表示部301、候補座席選部302、及びビュー画像表示部303を有する。
【0027】
座席マップ表示部301は、座席予約サーバ10から受信した施設の座席配置を示した座席マップを表示する機能を有している。
【0028】
候補座席選部302は、座席マップ内の各々の座席のうち、利用者に候補座席を選択させる機能を有している。また候補座席選部302は、選択された候補座席の情報を座席予約サーバ10に送信する。
【0029】
ビュー画像表示部303は、座席予約サーバ10から受信した候補座席に対応するビュー画像を表示する機能を有している。また特に候補座席が複数である場合、ビュー画像表示部303は、複数の候補座席それぞれ毎に対応するビュー画像同士を並べて表示する。
【0030】
なお、予約端末30の上記各機能部は、予約端末30を構成するコンピュータのCPU、ROM、RAM等のハードウェア資源上で実行されるコンピュータプログラム(例えばアプリケーションプログラム)によって実現されるものである。
【0031】
(座席マップ)
図4は、本実施形態に係る座席マップの一例を示す図である。本実施形態でいう「座席マップ」とは、映画館や劇場ホールなどの施設におけるシートマップ、座席レイアウト図、もしくは座席配置図である。座席表ともいう。また会場がレストランの場合、「座席マップ」は、予約対象となるテーブルレイアウト図、テーブル配置図を含む。
【0032】
座席マップ内においては、施設における実際の各座席の配置位置と、利用者が各座席との位置や距離関係を把握可能にするためにスクリーン等の観覧対象の配置位置とが描画されるとともに、座席ごとに座席番号が付されている。さらに座席ごとにその座席クラスや料金を示す表示が付されていてもよい。
【0033】
また、各座席には、利用者が座席を予約可能席かどうかを把握可能にするための表示が付されている。例えば、「×」が付いている座席は既に予約済み状態(予約不可席)を示し、「×」が付いていない座席は空席状態(予約可能席)を示している。利用者は「×」が付いていない座席の中から予約したい座席を選択することができる。
【0034】
(座席予約管理DB)
図5は、本実施形態に係る座席予約管理DBのデータ例を示す図である。座席予約管理DBは、例えば、「施設ID」、「施設名」、「座席マップID」、「座席番号」、「座席クラス」、「ビュー画像」、「予約フラグ」などのデータ項目を有する。
【0035】
「施設ID」は、施設毎に付番される固有の識別子を示す。「施設名」は、施設の名称を示す。「座席マップID」は、その施設における座席マップの識別子を示す。「座席番号」は、座席マップ内に配置された各座席の識別子番号を示す。「座席クラス」は、座席の属性(種類、分類ともいえる)の一つを示す情報であって、具体的にはS席、A席、B席などの座席のランクを示す。「座席クラス」のランクが高いほどステージが見やすいなどの利用者利便性が高い座席となるため、座席料金も高額に設定されうる。
【0036】
「ビュー画像」は、利用者が当該座席に着席し、スクリーン、ステージ又は演者などの観覧対象に視線を向けたときの視界、いわばビューの画像データファイルを示す。よって施設の運営者側で各座席ごとに少なくとも一枚以上のビュー画像を撮影し、座席予約管理DBに座席ごとにビュー画像(ビューの画像データファイル)を対応付けて予め記憶させておく。
【0037】
なお、実際に観覧中における最前列でない座席のビュー画像は、前方座席の着席者の頭部で利用者の視界を遮る場合があることから、座席配置位置に応じて、前方座席の着席者の頭部に相当する画像をビュー画像の上に重畳させた画像であってもよい。
【0038】
「予約フラグ」は、座席が予約済みか又は空席かを示す。例えば「0」が空席状態(予約可能状態)を示し、「1」が予約済み状態(予約不可能状態)を示すものとする。
【0039】
<予約操作例>
図6は、本実施形態に係る座席予約システムの予約画面例1を示す図である。はじめに、座席予約をしたい利用者は予約端末30を用いて、座席予約システム100(座席予約サーバ10)の予約画面にアクセスする。利用者が希望する施設及び座席マップを選択・指定すると、予約端末30の画面上、選択・指定された施設における座席マップが表示される。
【0040】
予約画面例1に「空席座席の中から、予約したい座席を選択して下さい。座席からのビュー画像が表示されます。気になる座席を複数同時に選択すると、料金とともにビュー画像の比較ができます。」と表示されているように、利用者は空席座席の中から一の座席ないし同時に複数の座席を選択する。
【0041】
図7は、本実施形態に係る座席予約システムの予約画面例2-1を示す図である。利用者が空席座席の中から同時に例えば4つの座席を選択した場合、予約端末30の画面上、選択した4つの座席のビュー画像が比較可能に一目に同時に並べられて一覧表示される。併せて座席のビュー画像に対応する座席番号、座席クラス及び座席料金等も比較可能に表示されてよい。なお、表示態様は予約画面例2-1の態様のみに限られず、利用者が同時に選択した複数の座席が画面上で同時に比較可能であればよい。
【0042】
具体的に、利用者は現時点における座席マップ上の座席空き状況を踏まえ、空席座席の中からステージや演者が見やすいだろうと考える座席を予約候補の座席(以下、候補座席という)としていくつか選択していく。例えば、座席番号A6は最前列の座席であってスクリーンやステージから距離が最も近いため、利用者にとって候補座席の有力な一つになりうる。座席番号E5は中間通路に近いうえ中央に位置するため、スクリーンやステージの全体をよく見渡すのにむしろ適した座席である可能性がある。座席番号F5はE5とほぼ変わりない位置にありつつ、座席クラスAのため座席クラスSより座席料金が安いため、利用者によっては画像ビューがさして違いはなければ座席番号E5よりもE5を選択した方がよいと考える場合もある。座席番号J10は右側通路に近いがスクリーンやステージからは距離があるが、座席位置によってどのくらい画像ビューに違いができるのを見たいと考える場合もある。
【0043】
利用者は例えば以上のような考えのもと、利用者は候補座席をいくつか選択することにより、予約端末30の画面上、選択した座席のビュー画像、座席番号、座席クラス、座席料金等が比較可能に同時に並べられて一覧表示される。座席ごとに、クリーンやステージに対する距離及び角度が異なるので、実際の見え方は座席ごとに異なるところ、本実施形態によれば、利用者は候補座席同士の画像ビュー(実際の見え方)を同列に比較し、実際の見え方の差異・違いを対比的に確認することができるため、最終的に自身が最も気に入った座席を「予約」することが可能である。また、利用者は空席座席の中から座席を一つ一つ選択し、選択したビュー画像を一つ一つ確認する必要はなく、同時に複数の座席を選択のうえビュー画像を比較できるため、利用者が予約を完了する迄に手間や時間を要することも少ない。
【0044】
図8は、本実施形態に係る座席予約システムの予約画面例2-2を示す図である。予約画面例2-1がPCの画面例であるのに対し、予約画面例2-2はスマートフォン及びタブレット端末の画面例である。スマートフォン等の場合、一画面内に全ビュー画像が比較表示しきれないこともあるため、そのような場合、利用者はスワイプ操作で画面を下方に移動させることで全ビュー画像を比較できる。
【0045】
また、上述したように実際に観覧中における最前列でない座席のビュー画像は、前方座席の着席者の頭部で利用者の視界を遮る場合があることから、座席配置位置に応じて、前方座席の着席者の頭部に相当する画像をビュー画像に重畳させた画像を表示させることも可能である。これにより実際により近い座席のビュー画像を比較することができる。
【0046】
<情報処理>
図9は、本実施形態に係る座席予約サーバのビュー画像取得処理を示すフローチャート図である。CPU11が本フローチャートを実現可能なプログラムを読み込んで実行させることで、各ステップ(以下、「S」と表記する)を実現することができる。なお、本フローチャートの前提として、利用者の操作する予約端末30の画面上には、利用者が所望する施設の座席マップが既に表示されているものとする(例えば、
図6参照)。
【0047】
S1:候補座席取得部102は、予約端末30から、座席マップ中の各々の座席のうち、予約端末30の利用者により選択された候補座席の情報を受信したか否かを判定する。候補座席の情報には、例えば「座席番号」を含む。候補座席の情報を受信した場合、S2へ進む。
【0048】
S2:ビュー画像表示制御部104は、S1で受信した予約端末30の利用者により選択された候補座席が複数を含んでいるか否かを判定する。候補座席が複数である場合、つまり例えば候補座席の情報に複数の「座席番号」が複数含まれていた場合には、S3へ進む。候補座席が複数でない場合(候補座席が一つの場合)、つまり例えば候補座席の情報に一つだけ「座席番号」が含まれていた場合には、S5へ進む。
【0049】
S3:ビュー画像表示制御部104は、座席予約管理DBを参照することで、利用者により選択された候補座席それぞれ毎に対応するビュー画像を特定し取得する。具体的には、座席予約管理DB上、「座席番号」に対応する「ビュー画像」の画像データファイルが取得される。
【0050】
S4:ビュー画像表示制御部104は、予約端末30に、ビュー画像同士を並べて表示させるべく、S3の各々のビュー画像を送信する。これにより、利用者の操作する予約端末30の画面上には、複数の候補座席それぞれ毎に対応するビュー画像同士が並べて表示される(例えば、
図7、8参照)。
【0051】
S5:他候補座席選択部103は、S2で候補座席が複数でない、つまり利用者が選択した候補座席が一つだけと判定された場合に、利用者に提案すべき他の候補座席として、当該一の候補座席の有する座席属性に応じた他の候補座席を選択する他候補座席選択処理を実行する。これにより、利用者が選択した候補座席が一つだけであっても、ビュー画像表示制御部104は、利用者により選択された候補座席、及びS5で選択された他の候補座席に対応するビュー画像を特定し(S3)、予約端末30に送信することで(S4)、利用者の操作する予約端末30の画面上、複数の候補座席それぞれ毎に対応するビュー画像同士が並べて表示される。
【0052】
(他候補座席選択処理)
S5の他候補座席選択部103が実行する他候補座席選択処理について詳しく説明する。他候補座席選択部103は、利用者に提案すべき他の候補座席を選択するにあたり、まず利用者が選択した一の候補座席の座席属性(属性値)を取得する。本実施形態に係る座席属性の情報として「座席クラス」がある(例えば、
図5参照)。「座席クラス」は、座席のグレードを示すもので、S席、A席、B席などの属性値がある。
【0053】
図10は、本実施形態に係る座席予約システムの予約画面例3-1を示す図である。利用者が選択した一の候補座席の座席番号が例えばA6である場合、その座席属性(属性値)がS席と取得されるため、本実施形態の場合、他候補座席選択部103は、一の候補座席の座席属性と同一の他の候補座席として、同じS席であるA1-10、B1-10、C1-10、D1-10、E1-10(便宜上、A~E/1-10と示す)を選択することができる。また本ケースにおいて他の候補座席の数がこの時点でまだ50席と多いため、さらに座席属性の情報として「座席番号」を取得し、利用者が選択した一の候補座席の座席番号がA6と、座席の行位置を示すアルファベット(例えば、A)が同一であって且つ番号が端席である座席(A1、A10)を選択する。また、利用者が選択した一の候補座席の座席番号がA6と、座席の列位置を示す数字(例えば、6)が同一であって且つアルファベットが最も端席である座席(E6)を選択する。
【0054】
このように、利用者に提案すべき他の候補座席として、利用者が選択した一の候補座席の座席番号がA6と同一の座席クラスS席であって、さらにこの中から、座席番号A6を基準として同一行の中でも最も左の端席(A1)、最も右の端席(A10)、並びに、同一列の中でもステージ等から距離がある端席(E6)が選択される。なお、選択対象席は言うまでもなく空席であることが前提であり、例えば座席番号A6を基準として同一行の中でも最も左の端席(A1)が空席でない場合には、次点として最も左の席から次の端席(A2)が選択されうる。
【0055】
この結果、利用者の操作する予約端末30の画面上、座席番号A6、A1、A10、E6のそれぞれ毎に対応するビュー画像同士が並べて表示されるので、利用者自身が選択した座席番号A6のビュー画像を、同じ座席クラス内でも座席位置ごとの実際の見え方の差異・違いを、他候補座席選択部103により比較対象として適切に選択されたA1、A10、E6のビュー画像と対比的に確認しつつ(この場合、同一の座席クラス内でも配置によってどのくらい実際の見え方の差異・違いがあるのかが確認できる)、最終的に自身が最も気に入った座席を「予約」することが可能である。
【0056】
一方、他候補座席選択部103は、利用者に提案すべき他の候補座席として、利用者が選択した一の候補座席の座席属性と同一の他の候補座席のみに限られず、利用者が選択した一の候補座席の座席属性と異なる他の候補座席を選択することも可能である。
【0057】
図11は、本実施形態に係る座席予約システムの予約画面例3-2を示す図である。利用者が選択した一の候補座席の座席番号がA6である場合、その座席属性(属性値)がS席と取得されるため、他候補座席選択部103は、一の候補座席の座席属性と異なる他の候補座席として、A席であるF~J/1-10、B席であるK~O/1-10を選択することができる。またさらに座席属性の情報として「座席番号」を取得し、利用者が選択した一の候補座席の座席番号がA6と、座席の列位置を示す数字(例えば、6)が同一であって且つ座席クラス内で最も良席(ステージ等から距離が近い端席)の座席番号を有する他の候補座席として、例えば、G6(F6は満席のため)、K6を選択する。
【0058】
これにより、利用者に提案すべき他の候補座席として、利用者が選択した一の候補座席の座席番号がA6と異なる座席クラスA及びB席であって、さらにこの中から座席番号A6を基準として、座席クラスA及びB席のそれぞれの中から、同一列の中でもステージ等から距離が近い端席(G6、K6)が選択される。
【0059】
この結果、利用者の操作する予約端末30の画面上、座席番号A6、G6、K6のそれぞれ毎に対応するビュー画像同士が並べて表示されるので、利用者自身が選択した座席番号A6のビュー画像を、座席クラスごとの実際の見え方の差異・違いを他候補座席選択部103により比較対象として適切に選択されたG6、K6のビュー画像と対比的に確認しつつ(この場合、座席クラスが異なるとどのくらい実際の見え方の差異・違いがあるのかが確認できる)、最終的に自身が最も気に入った座席を「予約」することが可能である。
【0060】
なお、他候補座席選択処理において、利用者に提案すべき他の候補座席として、利用者が選択した一の候補座席の座席属性と同一の他の候補座席か、異なる他の候補座席かを選択するかは、どのような観点に重きをおいて利用者に座席のビュー画像を比較させたいか次第である。即ち、他候補座席選択処理は、利用者が選択した一の候補座席と、実際の見え方の差異・違いを適切に比較させるために他の候補座席を選択するものであり、利用者に提案すべき他の候補座席は、その利用者が選択した一の候補座席の有する座席属性(その利用者が好む座席の意向表れを示す)に応じた他の候補座席を選択しさえすればよい。座席属性に応じた他の候補座席は、座席属性に関連する他の候補座席といってもよい。
【0061】
また、上述の座席属性は、「座席クラス」「座席番号」の他、例えば、席シートの豪華さ・広さ・快適さを示す属性、ペアシートを示す属性、シルバーシートを示す属性、優先席を示す属性、前列に座席がない足フリー席を示す属性、非常口に近い席を示す属性、充電口がある席を示す属性などがあってもよい。利用者が選択した一の候補座席が例えば優先席の属性を有する場合、その座席属性(属性値)として優先席が取得されるため、他候補座席選択部103は、一の候補座席の座席属性と同一の他の候補座席として、他の優先席を選択することができる。
【0062】
[実施形態2]
次に、本実施形態に係る客室予約システムについて説明する。上述の実施形態に係る座席予約システムの仕組みは、ホテルや旅館などの宿泊施設についての客室予約システムとしても利用されうる。例えば、利用者はWebサイトから館内客室マップにアクセスし、館内客室マップ上でビジュアル的に表示される客室を指定することにより、客室予約やチェックイン時の客室選択を行なうことが可能である。
【0063】
本実施形態に係る客室予約システムにおいては、利用者が客室予約やチェックインに際し、客室の位置から外の景観(景色や風景といってもよい)がどのように見えるかを把握可能にするため、客室から見た窓外のビュー画像や視界画像を利用者に表示することができる。利用者が客室を選択するに特に重要視するのは客室窓からの景観であり、利用者は客室によって異なる窓外の景観を客室毎に事前に表示確認できるようになるので、客室選択時の有用な判断材料とすることができる。なお、上述の実施形態と同様な構成や説明は省略する場合がある。以下、詳しく説明する。
【0064】
<システム構成>
(ソフトウェア構成)
図12は、本実施形態に係る客室予約サーバ及び予約端末のソフトウェア構成例を示す図である。客室予約サーバ20は、主な機能部として、客室マップ表示制御部201、候補客室取得部202、他候補客室選択部203、ビュー画像表示制御部204、及び記憶部205を有する。
【0065】
客室マップ表示制御部201は、予約端末40に、施設の客室配置を示した客室マップを送信し表示させる機能を有している。
【0066】
候補客室取得部202は、予約端末40から、客室マップ中の各々の客室のうち、予約端末40の利用者により選択された候補客室の情報を取得する機能を有している。
【0067】
他候補客室選択部203は、候補客室取得部202が一の候補客室の情報を取得した場合に、当該一の候補客室の有する客室属性に応じた他の候補客室を選択する機能を有している。
【0068】
ビュー画像表示制御部204は、客室予約管理DBを参照することで、利用者により選択された候補客室及び他の候補客室に対応するビュー画像を特定し、予約端末40に、それらビュー画像を送信し表示させる機能を有している。
【0069】
記憶部205は、客室マップ、客室予約管理DB、及びビュー画像を、HDD14等の記憶装置に記憶する機能を有している。
【0070】
なお、客室予約サーバ20の上記各機能部は、客室予約サーバ20を構成するコンピュータのCPU、ROM、RAM等のハードウェア資源上で実行されるコンピュータプログラムによって実現されるものである。これらの機能部は、「手段」、「モジュール」、「ユニット」、又は「回路」に読替えてもよい。また、上記各機能部は、一台の客室予約サーバ20のみで実現される必要はなく、例えば記憶部205をはじめとしてネットワーク上のサーバに分散されて実現されてもよい。
【0071】
予約端末40は、主な機能部として、客室マップ表示部401、候補客室選択部402、及びビュー画像表示部403を有する。
【0072】
客室マップ表示部401は、客室予約サーバ20から受信した施設の客室配置を示した客室マップを表示する機能を有している。
【0073】
候補客室選択部402は、客室マップ内の各々の客室のうち、利用者に候補客室を選択させる機能を有している。また候補客室選択部402は、選択された候補客室の情報を客室予約サーバ20に送信する。
【0074】
ビュー画像表示部403は、客室予約サーバ20から受信した候補客室に対応するビュー画像を表示する機能を有している。また特に候補客室が複数である場合、ビュー画像表示部403は、複数の候補客室それぞれ毎に対応するビュー画像同士を並べて表示する。
【0075】
なお、予約端末40の上記各機能部は、予約端末40を構成するコンピュータのCPU、ROM、RAM等のハードウェア資源上で実行されるコンピュータプログラム(例えばアプリケーションプログラム)によって実現されるものである。
【0076】
(客室マップ)
図13は、本実施形態に係る客室マップの一例を示す図である。本実施形態でいう「客室マップ」とは、ホテルや旅館などの宿泊施設における客室レイアウト図、客室配置図である。客室表ともいう。
【0077】
客室マップ内においては、各階のフロアマップ上、宿泊施設における実際の各客室の配置位置と、利用者が各客室の位置、距離、方角関係を把握可能にするために各設備(例えば、EV)とが描画されるとともに、客室ごとに客室番号が付されている。
【0078】
また、各客室は、利用者が客室を予約可能かを把握可能にするための表示が付されている。例えば、「×」が付いている客室は既に予約済み状態(予約不可)を示し、「×」が付いていない客室は空室(予約可能)を示している。利用者は「×」が付いていない客室の中から予約したい客室を選択することになる。
【0079】
(客室予約管理DB)
図14は、本実施形態に係る客室予約管理DBのデータ例を示す図である。客室予約管理DBは、例えば、「施設ID」、「施設名」、「客室マップID」、「客室番号」、「高低」、「客室クラス」、「方角」、「ビュー画像」、「予約フラグ」などのデータ項目を有する。
【0080】
「施設ID」は、施設毎に付番される固有の識別子を示す。「施設名」は、施設の名称を示す。「客室マップID」は、その宿泊施設における客室マップの識別子を示す。「客室番号」は、客室マップ内に配置された各客室の識別子番号を示す。
【0081】
「高低」は、客室の属性の一つを示す情報であって、具体的には高層階、低層階など客室の階層ランクを示す。高層階ほど景観が良いなどの利用者利便性が高い客室となり、施設によっては客室料金も高額に設定されうる。
【0082】
「客室クラス」は、客室の属性の一つを示す情報であって、具体的には特別室、普通、もしくはファミリー、ダブル、ツイン、シングル等々の客室のランクを示す。「客室クラス」に応じて、客室料金も変わって設定されうる。
【0083】
「方角」は、客室の属性の一つを示す情報であって、具体的には海側、山側など客室の向く方向を示す。一般に海沿いの宿泊施設の場合、海側の景観が見える客室は利用者利便性が高い客室となり、施設によっては客室料金も高額に設定されうる。
【0084】
「ビュー画像」は、利用者が当該客室内の窓から外を見たときの景観、いわばビューの画像データファイルを示す。よって宿泊施設の運営者側で各客室ごとに少なくとも一枚以上のビュー画像を撮影し、客室予約管理DBに客室ごとにビュー画像を対応付けて予め記憶させておく。
【0085】
「予約フラグ」は、客室が予約済みか又は空室かを示す。例えば「0」が空室状態(予約可能状態)を示し、「1」が予約済み状態(予約不可能状態)を示すものとする。
【0086】
なお、客室予約管理DBはあくまで一例であり、このほかに料金(日にちにより変動可)など、予約に必要な情報は言うまでもなくDBに有している。
【0087】
<予約操作例>
図15は、本実施形態に係る客室予約システムの予約画面例を示す図である。客室予約をしたい利用者は予約端末40を用いて、客室予約システム(客室予約サーバ20)の予約画面にアクセスする。利用者が希望する宿泊施設や宿泊日等を選択・指定すると、予約端末40の画面上、選択・指定された宿泊施設における客室マップが表示される。
【0088】
予約画面例に「空室の中から、予約したい客室を選択して下さい。お部屋の窓からの景観が表示されます。気になる客室を複数同時に選択すると、料金とともに景観の比較ができます。」と表示されているように、利用者は空室の中から一の客室ないし同時に複数の客室を選択することができる。
【0089】
利用者が空室の中から同時に例えば4つの客室を選択した場合、予約端末40の画面上、選択した4つの客室のビュー画像が比較可能に一目に同時に並べられて一覧表示される。併せて客室のビュー画像に対応する客室番号、高低、客室クラス、方角及び客室料金等も比較可能に表示されてよい。
【0090】
具体的に、利用者は現時点における客室マップ上の客室空き状況を踏まえ、空室の中から例えば海が見える候補客室をいくつか選択していく。例えば、客室番号903は海側の客室であるため、候補客室の有力な一つになりうる。客室番号901はさらに客室グレードをアップした特別室である。客室番号919は山側、客室番号303は海側であるものの低層階ゆえ客室料金が安いため、利用者によっては画像ビューに納得すればお得な料金の方がよいと考える場合もある。
【0091】
一方、利用者が空室の中から1つのみ客室を選択した場合には、予約端末40の画面上、利用者が選択した客室からのビュー画像が、他候補客室選択部203により選択された客室からのビュー画像とともに比較可能に一目に同時に並べられて一覧表示される。他候補客室選択部203は、利用者に提案すべき他の候補客室を選択するにあたり、まず利用者が選択した一の候補客室(例えば、客室番号903)の客室属性(属性値)を取得する。他候補客室選択部203は、本実施形態に係る客室属性の情報として、例えば客室番号903の客室属性である「高低」高層階、「客室クラス」普通、「方角」海側を取得し、当該一の候補客室の客室属性に応じた他の候補客室、即ち客室属性と同一又は異なる他の候補客室を選択することができる。
【0092】
以上のように、宿泊施設の客室は、客室ごとに窓外の景観物等に対する配置位置及び角度が異なるので、実際の窓からの景観の見え方は客室ごとに異なるところ、本実施形態によれば、利用者は候補客室同士の画像ビュー(実際の見え方)を同列に比較し、実際の見え方の差異・違いを対比的に確認することができるため、最終的に自身が最も気に入った客室を「予約」することが可能である。また、利用者は空室の中から客室を一つ一つ選択し、選択したビュー画像を一つ一つ確認する必要はなく、同時に複数の客室を選択のうえビュー画像を比較できるため、利用者が予約を完了する迄に手間や時間を要することも少ない。
【0093】
なお、上述の客室属性は、例えば、バリアフリーを示す属性、非常口に近い客室を示す属性などがあってもよく、更に施設側で設定した宿泊プランを示す属性があってもよい。
【0094】
<総括>
本実施形態に係る座席予約システムによれば、座席マップ上、利用者は予約候補となる座席を一以上選択することにより、予約端末の画面上で、利用者及びシステムが選択した座席のビュー画像、座席クラス、座席料金等が比較可能に同時に並べられて一覧表示される。座席ごとに観覧対象に対する距離及び角度が異なるので、実際の見え方は座席ごとに異なるところ、本実施形態によれば、利用者は候補座席同士の画像ビュー(実際の見え方)を同列に比較し、実際の見え方の差異・違いを対比的に確認することができ、最終的に自身が最も気に入った座席を予約することが可能である。また、利用者は空席座席の中から座席を一つ一つ選択し、選択したビュー画像を一つ一つ確認する必要はなく、同時に複数の座席を選択のうえビュー画像を比較できるため、利用者が予約を完了する迄に要する手間や時間を節約することができる。
【0095】
また本実施形態に係る客室予約システムによれば、客室マップ上、利用者は予約候補となる客室を一以上選択することにより、予約端末の画面上で、利用者及びシステムが選択した客室の窓から見えるビュー画像、客室クラス、客室料金等が比較可能に同時に並べられて一覧表示される。宿泊施設の客室は、客室ごとに窓外の景観物等に対する配置位置及び角度が異なるので、実際の窓からの景観の見え方は客室ごとに異なるところ、本実施形態によれば、利用者は候補客室同士の画像ビュー(実際の見え方)を同列に比較し、実際の見え方の差異・違いを対比的に確認することができ、最終的に自身が最も気に入った客室を予約することが可能である。また、利用者は空室の中から客室を一つ一つ選択し、選択したビュー画像を一つ一つ確認する必要はなく、同時に複数の客室を選択のうえビュー画像を比較できるため、利用者が予約を完了する迄に要する手間や時間を節約することができる。
【0096】
なお、本発明の好適な実施の形態により、特定の具体例を示して本発明を説明したが、特許請求の範囲に定義された本発明の広範な趣旨および範囲から逸脱することなく、これら具体例に様々な修正および変更を加えることができることは明らかである。すなわち、具体例の詳細および添付の図面により本発明が限定されるものと解釈してはならない。
【0097】
本実施形態に係る座席予約システムは、映画館や劇場ホールの他、例えば、野球場、サッカー場、競技場、イベントショー会場、コンサート会場などの施設における指定席の予約システムにも適用することが可能である。また本実施形態に係る客室予約システムは、宿泊施設の他、マンション販売や賃貸マンションなどの不動産物件において利用者が室内窓からの景観をもとに内覧希望物件の選択する内覧予約システムにも適用することが可能である。
【符号の説明】
【0098】
10 座席予約サーバ
30 予約端末
100 座席予約システム
101 座席マップ表示制御部
102 候補座席取得部
103 他候補座席選択部
104 ビュー画像表示制御部
105 記憶部
201 客室マップ表示制御部
202 候補客室取得部
203 他候補客室選択部
204 ビュー画像表示制御部
205 記憶部
301 座席マップ表示部
302 候補座席選部
303 ビュー画像表示部
401 客室マップ表示部
402 候補客室選択部
403 ビュー画像表示部