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▶ 小池 雄一郎の特許一覧

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  • 特開-S字クランク連動シャフト 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022062653
(43)【公開日】2022-04-20
(54)【発明の名称】S字クランク連動シャフト
(51)【国際特許分類】
   B62M 3/08 20060101AFI20220413BHJP
   B62M 3/00 20060101ALI20220413BHJP
【FI】
B62M3/08 C
B62M3/08 Z
B62M3/00 C
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2020178456
(22)【出願日】2020-10-08
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-12-08
(71)【出願人】
【識別番号】502212671
【氏名又は名称】小池 雄一郎
(72)【発明者】
【氏名】小池 雄一郎
(57)【要約】      (修正有)
【課題】足首の角度を変えるペダリングを回避するS字クランク連動シャフトを提供する。
【解決手段】6S字クランクに固定される7ペダルシャフトと7ペダルシャフトに回転自由に設置される10角度固定板と、10角度固定板に固定される板固定スプロケットと、4シャーシ固定スプロケットと、板固定スプロケットの間を連結し同時に6S字クランクを内側に交差するように設置されるローラーチェーンと、10角度固定板に固定される11内歯歯車と、7ペダルシャフトに任意の方向への回転を固定するように設置されるワンウェイクラッチと、ワンウェイクラッチに固定される13太陽歯車と、7ペダルシャフトに回転自由に設置される15ペダルと、15ペダルに回転自由に固定され同時に11内歯歯車と、13太陽歯車と連動するように設置される遊星歯車とによって構成されるS字クランク連動シャフト。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シャーシに固定されるシャーシ固定器具と
該シャーシ固定器具にスライド可能に設置される角度固定器具と
該角度固定器具に回転自由に固定されるスプロケット固定板と
該スプロケット固定板に固定されるシャーシ固定スプロケットと
前記シャーシに回転自由に固定されるクランクシャフトと
該クランクシャフトに固定されるS字クランクと
該S字クランクに固定されるペダルシャフトと
該ペダルシャフトに回転自由に設置される角度固定板と
該角度固定板に固定される板固定スプロケットと
前記シャーシ固定スプロケットと前記板固定スプロケットを連結し同時にS字クランクを内側に交差するように設置されるローラーチェーンと
前記角度固定板に固定される内歯歯車と
前記ペダルシャフトに任意の方向への回転を固定するように設置されるワンウェイクラッチと
該ワンウェイクラッチに固定される太陽歯車と
前記ペダルシャフトに回転自由に設置されるペダルと
該ペダルに回転自由に固定され同時に前記内歯歯車と前記太陽歯車と連動するように設置される遊星歯車と
を備えるS字クランク連動シャフト。
【請求項2】
請求項1に記載のS字クランク連動シャフトにおいて、
前記シャーシを挟み固定するように前記シャーシ固定器具に揺動可能に設置されるシャーシ固定器具ヒンジと
前記シャーシ固定器具に設置されるシャーシ固定器具開口部と
を備えるS字クランク連動シャフト。
【請求項3】
請求項1から2のいずれか一つに記載のS字クランク連動シャフトにおいて、
前記シャーシ固定スプロケットの代替として前記スプロケット固定板に固定されるシャーシ固定楕円形スプロケットと
を備えるS字クランク連動シャフト。
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は主に人の足を動力とする回転式のペダル機構を持つ自転車等の推進機器やトレーニングマシンにおいて、上死点や下死点と呼ばれるペダル位置が回転周期の上方や下方にあり足からの力の伝達の困難な領域において、効率的なペダル回転運動を実現させる半固定式靴固定シャフトに関するものである。
【背景技術】
【0002】
自転車はレクレーション、移動手段、競技スポーツとして人気が高く、全世界に普及されている。そのため自転車産業において、種々の自転車部品は高度に共通化され常に改良が続けられている。その中で大きく設計が見直されている自転車部品の一つに自転車用ペダル装置が挙げられる。
【0003】
ペダル回転による自転車を代表とする推進機器は最高水準の効率性を示しており、本発明による更なる効率性の向上は自転車利用の可能性を広げ、運動の促進による健康の改善や車やバイクなどの移動手段によるエネルギーの消費を抑制することによる環境問題改善の一助となる。
【0004】
ペダリング技術研究における成果として、脹脛の力はペダルを回転させるための動力として非効率的であり、アンクリングと呼ばれる足首の角度を変えるペダリングは回避されるべきとされている。
【0005】
アンクリングを積極的に行うことで高い成果を上げている一部のアスリートもいるが、現状のペダル装置における効率性の観点からはアンクリングは回避されるべきものと考えられ、いかに脹脛の力を必要最小限に抑えるかはペダリングの効率性において重要な問題となっている。
【0006】
世界基準で高度に共通化や標準化の進んでいる自転車の規格の中では、既存の規格に影響を及ぼさない容易かつ必要最小限の装置による発明の実施が求められている。
【0007】
特開2014-121885ではペダル本体の回転を固定することにより、ペダル本体に加えられた脹脛の力をクランクの回転に変換する発明がなされている。ただ、特開2014-121885の発明を利用時において、クランクの回転速度が速い場合にペダル本体の回転の力をクランクに伝えるためには、一定の速度以上で大きく足首を動かす必要があるが、足首を早く動かすことは困難でありかつ足首の稼動域は狭いため、十分に発明の効果が発揮できないという状況があった。
この状況を解決するために特願2012-108878によって足首の角度の変化の基準をとなる歯車固定板と角度固定板を設置し、そこへ複数の歯車等を利用した回転速度加速装置を設置することで、ペダル本体の角度の変化を増幅、場合によっては減少させ、クランクへ効果的に力を伝達させることが可能になった。
【0008】
特願2018-248958ではシャーシに固定した歯車を利用することでクランク機構の省スペース化を実現すると同時に、角度固定板を回転させることにより小さな歯車機構での実装を可能とした。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2014-121885
【特許文献2】特願2012-108878
【特許文献3】特願2016-154043
【特許文献4】特願2018-248958
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
特願2018-248958ではクランクに多くの歯車を設置する必要があるため、歯車の摩擦による回転エネルギーの喪失、メンテナンシビリティの低下、製造コストの増加、強度や耐久性の低下の課題が発生していた。
【0011】
特願2018-248958では歯車固定器をシャーシに取り付ける際に、フロントスプロケットに変速機が装着されていた場合位置が干渉し設置が困難であった。
【0012】
特願2018-248958では歯車固定器はシャーシの形状が少しでも想定と異なるとクランクシャフトに対して適切な位置へ設置できなくなる課題が発生していた。
【0013】
特願2018-248958ではクランクの360度どの位置でも同じ効果となっていたが、クランクの位置によって効果を増減させたい搭乗者のニーズに対応できなかった。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明ではS字形状のクランクとそれを間に挟み込むように駆動用のローラーチェーンを設置し、特願2018-248958に示されるシャーシ固定歯車と板固定歯車を直接連動させることによって歯車数の削減を実現する。これによって、回転エネルギーの喪失、メンテナンシビリティの低下、製造コストの増加、強度や耐久性の低下の課題を大幅に改善させる。
【0015】
歯車を固定するための機器をフロントスプロケットの下側に設置可能とすることによってフロントスプロケット変速機と変速機用ワイヤーとの干渉を無くす。
【0016】
歯車を固定するための機器をシャーシにスライド可能に設置し、どのようなシャーシであってもクランクシャフトに対して任意の角度で固定できるようにする。
【0017】
シャーシ固定スプロケットの形状を楕円形とする事で搭乗者の望むクランク角度での効果増減を実現する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】当発明の実施形態の一例を示す側面図である。
図2】当発明を実施形態の一例を示す一部機構を省略した斜視図である。
図3】当発明を実施形態の一例を示す斜視図である。
図4】当発明を実施形態の一例を示す一部機構を省略した斜視図である。
図5】当発明の実施形態の一例を示す分解図である。
図6】当発明の実施形態の一例を示す一部機構を省略した斜視図である。
図7】当発明の実施形態の一例を示す一部機構を省略した斜視図である。
図8】当発明の実施形態の一例を示す一部機構を省略した斜視図である。
図9】当発明の実施形態の一例を示す一部機構を省略した斜視図である。
図10】当発明の実施形態の一例を示す一部機構を省略した斜視図である。
図11】当発明を実施形態の一例を示す斜視図である。
【0019】
図1、2、3、4、5、6、7、11はS字クランクを利用することで歯車の数を削減すると同時に、主な機構をフロントスプロケットの下側に設置させる実装形態の一例について示している。
16シャーシに固定される1シャーシ固定器具と1シャーシ固定器具にスライド可能に設置される2角度固定器具と2角度固定器具に回転自由に固定される3スプロケット固定板と3スプロケット固定板に固定される4シャーシ固定スプロケットと16シャーシに回転自由に固定される5クランクシャフトと5クランクシャフトに固定される6S字クランクと6S字クランクに固定される7ペダルシャフトと7ペダルシャフトに回転自由に設置される10角度固定板と10角度固定板に固定される8板固定スプロケットと4シャーシ固定スプロケットと8板固定スプロケットの間を連結し同時に6S字クランクを内側に交差するように設置される9ローラーチェーンと10角度固定板に固定される11内歯歯車と7ペダルシャフトに任意の方向への回転を固定するように設置される12ワンウェイクラッチと12ワンウェイクラッチに固定される13太陽歯車と7ペダルシャフトに回転自由に設置される15ペダルと15ペダルに回転自由に固定され同時に11内歯歯車と13太陽歯車と連動するように設置される14遊星歯車とによってS字クランク連動シャフトは構成される。
【0020】
ここで、4シャーシ固定スプロケットと8板固定スプロケットを直接連動させることができればどのような実装方法であっても良い。例えば、かさば歯車を用いてシャフトで連動させるような実装方法でもよい。
【0021】
ここで、11内歯歯車、13太陽歯車、14遊星歯車で実装される遊星歯車機構は足首の動きを加速させるのであれば、どのような実装方法でもよい。例えば特願2018-248958に記載されているような角度固定板と加速歯車を利用する実装方法でもよい。
【0022】
図8、9は当発明をシャーシに対して任意の位置へ固定可能とする事によって、シャーシの形状やサイズに合わせクランクシャフトに対して任意の角度で当発明を固定し、開口部を設けることによって変速機用ワイヤーとの干渉しない実装形態の一例について示している。16シャーシに固定される1シャーシ固定器具と16シャーシを挟み固定するように1シャーシ固定器具に揺動可能に設置される18シャーシ固定器具ヒンジと1シャーシ固定器具に設置される19シャーシ固定器具開口部によって構成される。
【0023】
ここでシャーシの形状やサイズに合わせて3スプロケット固定板の角度を任意の位置に固定できれば1シャーシ固定器具はどのような実装方法で合っても良い。例えば磁石や接着剤で固定する実装方法や、あらかじめシャーシと一体に形成する実装方法であっても良い。
【0024】
ここでシャーシの形状やサイズに合わせて3スプロケット固定板の角度を任意の位置に固定できれば2角度固定器具の形状はどのようなものであっても良い。例えばT字の形状を縦棒と横棒に分ける実装方法や、Y字状の流線形の形状や、2角度固定器具と一体化した実装方法でもよい。
【0025】
ここでシャーシの形状やサイズに合わせて3スプロケット固定板をフロントスプロケットの下側に設置することができれば、1シャーシ固定器具と2角度固定器具の形状や実装方法はどのようなものであっても良い。例えば2角度固定器具に1シャーシ固定器具との接続位置や角度を変更可能に複数のねじ穴を設置する実装方法や、2角度固定器具を伸縮可能な入子状とする実装方法や、16シャーシにあらかじめ1シャーシ固定器具と2角度固定器具を直接実装する方法などが考えられる。また、フロントスプロケットに変速機がない場合には2角度固定器具をフロントスプロケットの上側に設置できるような実装方法でもよい。
【0026】
ここで19シャーシ固定器具開口部はフロントスプロケット変速機用のワイヤーと干渉しないような実装が可能であればその形状や実装方法はどのようなものであっても良い。例えば中心部に穴をあけるのではなく両側にワイヤーを通す凹みを設ける実装方法で合っても良い。
【0027】
図10は当発明の4シャーシ固定スプロケットを楕円形の20シャーシ固定楕円形スプロケットに代替することによって、任意のクランク位置によって効果を増減させる実装形態の一例について示している。また図10では4シャーシ固定スプロケットの楕円の半径の長い部分を上下に向けて設置することによって、上死点下死点と呼ばれるクランクの角度が地面に垂直となる位置において効果が増加する実装方法について示している。
4シャーシ固定スプロケットの代替として20シャーシ固定楕円形スプロケットによって構成される。
【0028】
ここで、搭乗者の望むクランク角度での効果増減を実現できれば20シャーシ固定楕円形スプロケットの実装方法はどのような実装方法でもよい。例えば、円形のスプロケットの中心の位置を任意の方向にずらすような実装方法であっても良い。
【符号の説明】
【0029】
1 シャーシ固定器具
2 角度固定器具
3 スプロケット固定板
4 シャーシ固定スプロケット
5 クランクシャフト
6 S字クランク
7 ペダルシャフト
8 板固定スプロケット
9 ローラーチェーン
10 角度固定板
11 内歯歯車
12 ワンウェイクラッチ
13 太陽歯車
14 遊星歯車
15 ペダル
16 シャーシ
17 フロントスプロケット
18 シャーシ固定器具ヒンジ
19 シャーシ固定器具開口部
20 シャーシ固定楕円形スプロケット
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
【手続補正書】
【提出日】2021-06-16
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項1
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項1】
シャーシに固定されるシャーシ固定器具と
該シャーシ固定器具にスライド可能に設置される角度固定器具と
該角度固定器具に回転自由に固定されるスプロケット固定板と
該スプロケット固定板に固定されるシャーシ固定スプロケットと
前記シャーシに回転自由に固定されるクランクシャフトと
該クランクシャフトに固定されるS字クランクと
該S字クランクに固定されるペダルシャフトと
該ペダルシャフトに回転自由に設置される角度固定板と
該角度固定板に固定される板固定スプロケットと
前記シャーシ固定スプロケットと前記板固定スプロケットを連結し同時にS字クランクを内側に交差するように設置されるローラーチェーンと
前記角度固定板に固定される内歯歯車と
前記ペダルシャフトに前記S字クランクが推進力を発生させる回転方向と同じ回転方向への回転を固定するように設置されるワンウェイクラッチと
該ワンウェイクラッチに固定される太陽歯車と
前記ペダルシャフトに回転自由に設置されるペダルと
該ペダルに回転自由に固定され同時に前記内歯歯車と前記太陽歯車と連動するように設置される遊星歯車と
を備えるS字クランク連動シャフト。