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特開2022-62658潤滑油供給装置およびこれを有するユニバーサルジョイント
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022062658
(43)【公開日】2022-04-20
(54)【発明の名称】潤滑油供給装置およびこれを有するユニバーサルジョイント
(51)【国際特許分類】
   F16N 7/14 20060101AFI20220413BHJP
   F16D 3/41 20060101ALI20220413BHJP
   F16D 1/033 20060101ALI20220413BHJP
   F16N 7/38 20060101ALI20220413BHJP
   F16N 13/22 20060101ALI20220413BHJP
   F16N 21/04 20060101ALI20220413BHJP
   F16N 31/00 20060101ALI20220413BHJP
【FI】
F16N7/14
F16D3/41 A
F16D1/033 200
F16N7/38 C
F16N13/22
F16N21/04
F16N31/00 A
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020187201
(22)【出願日】2020-11-10
(31)【優先権主張番号】10-2020-0130072
(32)【優先日】2020-10-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2020-0130073
(32)【優先日】2020-10-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】520440250
【氏名又は名称】トン-ユイ ユニバーシティー インダストリー アカデミック コーオペレーション ファウンデーション
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】ソン インス
(72)【発明者】
【氏名】イ サンピル
(72)【発明者】
【氏名】キム ヒョソク
(57)【要約】      (修正有)
【課題】ユニバーサルジョイントの回転軸に容易に装着してクロスキットの内部に潤滑油を自動供給できる潤滑油供給装置およびこれを有するユニバーサルジョイントを提供する。
【解決手段】潤滑油供給装置100は、回転軸10と、回転軸の終端部に「U」字状に分岐されるように形成されたフランジヨーク20と、フランジヨークに貫通するように形成された複数の結合孔に相対回転が可能に結合されるクロスキットと、回転軸の外面を取り囲みながら結合されるモジュールマウント部110と、モジュールマウント部に円周方向に沿って配置されて時間が経過するにつれて貯蔵されていた潤滑油を所定の量だけ自動で排出する潤滑油供給モジュール120、潤滑油供給モジュールとクロスキットを連結して潤滑油供給モジュールから排出される潤滑油をクロスキットに案内する潤滑油供給ラインを含む潤滑油供給装置を含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユニバーサルジョイントの回転軸の外面を取り囲みながら結合されるモジュールマウント部と、
前記モジュールマウント部に円周方向に沿って配置されて時間が経過するにつれて貯蔵されていた潤滑油を所定の量だけ自動で排出する潤滑油供給モジュール、および
前記潤滑油供給モジュールとクロスキットを連結して潤滑油供給モジュールから排出される潤滑油をクロスキットに案内する潤滑油供給ラインを含む潤滑油供給装置を含む、外装型潤滑油供給装置。
【請求項2】
前記モジュールマウント部は、
半円形のリング状に形成されて回転軸の外面を取り囲むように設置され、回転軸の軸方向に沿って離隔するように配置されて前記潤滑油供給モジュールを支持する複数のサポートフレームと、前記複数のサポートフレームの両側の終端部に結合されながら複数のサポートフレームを連結する2個のジョイントフレームを含んで、回転軸の外面の一部を取り囲む第1マウント部材と、
前記第1マウント部材と対称となる構成で形成されて回転軸の外面の残りの一部を取り囲む第2マウント部材、および
前記第1マウント部材と第2マウント部材を互いに結束する締結部材を含む、請求項1に記載の外装型潤滑油供給装置。
【請求項3】
前記第1マウント部材と第2マウント部材は複数のサポートフレームの間間を連結する複数の補強シャフトをさらに含む、請求項2に記載の外装型潤滑油供給装置。
【請求項4】
前記締結部材は前記第1マウント部材のジョイントフレームと第2マウント部材のジョイントフレームを貫通して締結されるボルトである、請求項2に記載の外装型潤滑油供給装置。
【請求項5】
前記潤滑油供給モジュールは、前記複数のサポートフレームのうち2個のサポートフレームの間に固定され、内部に潤滑油が収容される筒状の貯蔵容器と、一端が前記貯蔵容器の一端部に形成された排出口と連通するように設置され、他の一端が前記潤滑油供給ラインと連結されて潤滑油を排出するガイドパイプと、前記貯蔵容器の内部にスライディング可能に設置されて潤滑油を排出口側に加圧する加圧部材を含む、請求項2に記載の外装型潤滑油供給装置。
【請求項6】
前記ガイドパイプは一端部がいずれか一つのサポートフレームに結合され、他の一端部が他の一つのサポートフレームに結合されて支持される、請求項5に記載の外装型潤滑油供給装置。
【請求項7】
前記ガイドパイプの後端部には雌ねじ山が形成され、前記貯蔵容器の排出口の外面に前記雌ねじ山に螺旋結合される雄ねじ山が形成され、
前記複数のサポートフレームのうちの一端部に配置されたサポートフレームに前記貯蔵容器が通過するホールが貫通するように形成された、請求項6に記載の外装型潤滑油供給装置。
【請求項8】
前記第1マウント部材の外側部を取り囲みながら第1マウント部材を隠蔽する第1カバープレートと、前記第2マウント部材の外側部を取り囲みながら第2マウント部材を隠蔽する第2カバープレートと、前記第1カバープレートと第2カバープレートを互いに結束するクランプ部材をさらに含む、請求項2に記載の外装型潤滑油供給装置。
【請求項9】
回転軸と、
前記回転軸の終端部に「U」字状に分岐されるように形成されたフランジヨークと、
前記フランジヨークに貫通するように形成された複数の結合孔に相対回転が可能に結合されるクロスキット(cross kit)、および
前記回転軸の外面を取り囲みながら分離可能に結合される請求項1~請求項8のいずれか一項に記載された外装型潤滑油供給装置を含む、ユニバーサルジョイント。
【請求項10】
前記回転軸の終端部と前記フランジヨークの終端部には鋸歯の形態に形成されて互いに噛み合う第1セレーション(serration)と第2セレーションが形成された、請求項9に記載のユニバーサルジョイント。
【請求項11】
前記第1セレーションと第2セレーションの縁には回転軸およびフランジヨークの半径方向の外側に突出したカップリングフランジが形成され、前記カップリングフランジには複数の締結孔が形成されて前記締結孔を通じてボルトが締結されることによって回転軸とフランジヨークが結合される、請求項10に記載のユニバーサルジョイント。
【請求項12】
一端部がユニバーサルジョイントの回転軸に同軸上に結合され、他の一端部がユニバーサルジョイントのフランジヨークに同軸上に結合されるマウント部材と、
前記マウント部材に円周方向に沿って配置されて時間が経過するにつれて貯蔵されていた潤滑油を所定の量だけ自動で排出する複数の潤滑油供給モジュール、および
前記潤滑油供給モジュールから排出される潤滑油をクロスキットに案内する潤滑油供給ラインを含む、内蔵型潤滑油供給装置。
【請求項13】
前記マウント部材は、回転軸およびフランジヨークに同軸上に配置される筒状の胴体部と、前記胴体部の一端部に半径方向に突出するように形成されて回転軸の一端部に結合される軸結合フランジと、前記胴体部の他の一端部に半径方向に突出するように形成されてフランジヨークの一端部に結合されるヨーク結合フランジと、前記胴体部の側面から半径方向の中心側に延びた後に前記潤滑油供給ラインと連結される潤滑油流路と、前記胴体部の側面に結合されて前記潤滑油供給モジュールを支持するモジュールサポートフレームを含む、請求項12に記載の内蔵型潤滑油供給装置。
【請求項14】
前記モジュールサポートフレームはリング状に形成され、複数が胴体部に軸方向に一定間隔離隔するように設置された、請求項13に記載の内蔵型潤滑油供給装置。
【請求項15】
前記複数のモジュールサポートフレームは一端が軸結合フランジに結合され、他の一端がヨーク結合フランジに結合される複数の補強シャフトに結合されて支持される、請求項14に記載の内蔵型潤滑油供給装置。
【請求項16】
前記軸結合フランジに前記潤滑油供給モジュールの貯蔵容器が通過できるホールが貫通するように形成された、請求項13に記載の内蔵型潤滑油供給装置。
【請求項17】
前記潤滑油供給モジュールは、
前記胴体部の側面に配置され、内部に潤滑油が収容され、一端部に潤滑油が排出される排出口が設けられている筒状の貯蔵容器と、前記モジュールサポートフレームに結合されて固定され、前記貯蔵容器の排出口を通じて排出された潤滑油が移送される中空部が形成されているガイドパイプと、一端が前記ガイドパイプに連結され、他の一端が前記潤滑油流路と連結される潤滑油制御配管および前記貯蔵容器の内部にスライディング可能に設置されて潤滑油を排出口側に加圧する加圧部材を含み、
前記貯蔵容器の排出口は前記ガイドパイプの一端部と結合されることによって貯蔵容器が胴体部の側面に固定された状態を維持するように形成された、請求項13に記載の内蔵型潤滑油供給装置。
【請求項18】
前記ガイドパイプの一端部には雌ねじ山が形成され、前記貯蔵容器の排出口の外面に前記雌ねじ山に螺旋結合される雄ねじ山が形成された、請求項17に記載の内蔵型潤滑油供給装置。
【請求項19】
前記マウント部材は、前記胴体部の外側部を取り囲みながら前記軸結合フランジおよびヨーク結合フランジに結合されるカバー部材をさらに含む、請求項13に記載の内蔵型潤滑油供給装置。
【請求項20】
回転軸と、
前記回転軸の終端部と一定距離離れた位置に設置され、「U」字状に分岐されるように形成されたフランジヨークと、
前記フランジヨークに貫通するように形成された複数の結合孔に相対回転が可能に結合されるクロスキット(cross kit)、および
前記回転軸とフランジヨークの間で両端部が前記回転軸とフランジヨークに結合される請求項12~請求項19のいずれか一項に記載された内蔵型潤滑油供給装置を含む、ユニバーサルジョイント。
【請求項21】
前記フランジヨークの終端部と前記内蔵型潤滑油供給装置のマウント部材の一端部に鋸歯の形態に形成されて互いに噛み合うセレーション(serration)が形成され、
前記回転軸の終端部と前記内蔵型潤滑油供給装置のマウント部材の他の一端部に鋸歯の形態に形成されて互いに噛み合うセレーション(serration)が形成された、請求項20に記載のユニバーサルジョイント。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はユニバーサルジョイントに関し、さらに詳細にはユニバーサルジョイントのクロスキット(cross kit)(別名「十字軸」または「journal cross assembly」ともいう)部品の内側に自動で潤滑油を供給できる潤滑油供給装置およびこれを有するユニバーサルジョイントに関する。
【背景技術】
【0002】
ユニバーサルジョイントとは、二つの軸が比較的離れた位置にあったりこの二つの軸の角度が流動的である場合に、この二つの軸を連結するために使われる動力伝達装置である。現在市中で生産販売されているユニバーサルジョイントは産業現場で動力伝達が必要な大部分の機械システムに主に使用され、特に製鉄所で厚板、熱延などの移送のためのコンベアに広く使われている。このような作業場は一般的に作業空間が狭く、安全事故の危険性が大きいところが多い。
【0003】
通常のユニバーサルジョイントは、「+」形態のクロスキット(cross kit)部品がスナップリングによってフランジヨーク(flange yoke)に固定されている構造からなる。前記スナップリングの役割は、クロスキットが一定の姿勢を維持しつつ動力を伝達できるように、離脱を防止するようにするものである。特に、クロスキットの十字状になっている終端部は回転可能なニードルベアリングが含まれたキャップで結合されている。
【0004】
このようなユニバーサルジョイントは、ニードルベアリングやその他の回転部位に摩耗が発生したりその摩耗によって騒音が発生することを防止するためにグリースなどの潤滑油の充填が必須であり、一定の周期または随時に補充をしなければならない。製鉄所などでユニバーサルジョイントに潤滑油を取り換えるためには、全体システム(作業)を停止させた後に潤滑油注入口を通じて潤滑油を注入する。
【0005】
しかし、前述したように、ユニバーサルジョイントが製鉄所の厚板、熱延鋼板などの移送に使われる場合、作業空間が狭いため作業が不便であり、時間が多く必要とされ、作業の中断による経済的損失が発生することになる。
【0006】
このような問題を解決するためのものとして、韓国登録実用新案第20-0419323号などには、ユニバーサルジョイントのクロスキット部品に潤滑油を自動で供給できる潤滑油供給装置(給油装置)が開示されている。従来のユニバーサルジョイント潤滑油供給装置はその殆どがユニバーサルジョイントの連結軸の内側または外側に潤滑油を貯蔵したり、ホースを通じて外部から潤滑油の供給を受けることができる容器を設置し、前記容器の潤滑油をヨークを通過する供給管を通じてクロスキットの内部に自動で供給できるように構成されたものが殆どである。
【0007】
しかし、従来に開発されたユニバーサルジョイントの潤滑油供給装置は構造が複雑であるため実際に適用することが難しく、一度使用後には再活用ができないため、貯蔵された潤滑油の使用が終了すると再び潤滑油供給装置を分離して取り換えなければならない問題がある。
【0008】
また韓国公開実用新案第20-1999-0029741号などには、クロスキットに潤滑油を供給するためのチューブを軸と連結し、軸内部に潤滑油が貯蔵される空間を形成し、前記空間の内側に潤滑油をチューブ側に弾力的に加圧して自動供給する加圧板およびスプリングを構成して潤滑油を自動供給できる潤滑油供給装置が開示されている。
【0009】
しかし、このような従来の潤滑油供給装置は加圧板がチューブに近接するにつれてスプリングの弾性力が小さくなり、これに伴い、時間が経過するにつれて潤滑油を加圧する力が小さくなって潤滑油の供給に問題が発生することになる。すなわち、加圧板を押すスプリングが圧縮された初期状態では大きい弾性力で潤滑油を加圧して潤滑油の供給が円滑に行われるが、時間が経過してスプリングが次第に引っ張られるにつれてスプリングが伸びるだけ弾性力も弱まって潤滑油を加圧する力が小さくなるのである。
【0010】
また、従来の潤滑油供給装置は現場に設置されて使われているユニバーサルジョイントにすぐに適用して使い難い構造を有するため、実用性が低い問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
韓国登録実用新案第20-0419323号(2006年06月13日登録)
韓国公開実用新案第20-1999-0029741号(1999年07月26日公開)
韓国登録特許第10-0428192号(2004年04月09日登録)
韓国登録特許第10-2061808号(2019年12月26日登録)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は前記のような従来の問題を解決するためのもので、本発明の目的は、ユニバーサルジョイントの回転軸に容易に装着してクロスキットの内部に潤滑油を自動供給できる潤滑油供給装置を提供することである。
【0013】
本発明の他の目的は、回転軸とヨークの分離を容易にし、動力伝達を円滑に行うことができるユニバーサルジョイントを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
前記目的を達成するための本発明の第1の形態に係る潤滑油供給装置は、ユニバーサルジョイントの回転軸の外面を取り囲みながら結合されるモジュールマウント部;前記モジュールマウント部に円周方向に沿って配置されて時間が経過するにつれて貯蔵されていた潤滑油を所定の量だけ自動で排出する潤滑油供給モジュール、および前記潤滑油供給モジュールとクロスキットを連結して潤滑油供給モジュールから排出される潤滑油をクロスキットに案内する潤滑油供給ラインを含む潤滑油供給装置を含む。
【0015】
前記モジュールマウント部は、半円形のリング状に形成されて回転軸の外面を取り囲むように設置され、回転軸の軸方向に沿って離隔するように配置されて前記潤滑油供給モジュールを支持する複数のサポートフレームと、前記複数のサポートフレームの両側の終端部に結合されながら複数のサポートフレームを連結する2個のジョイントフレームを含んで、回転軸の外面の一部を取り囲む第1マウント部材;前記第1マウント部材と対称となる構成で形成されて回転軸の外面の残りの一部を取り囲む第2マウント部材、および前記第1マウント部材と第2マウント部材を互いに結束する締結部材を含む。
【0016】
前記第1マウント部材と第2マウント部材は複数のサポートフレームの間間を連結する複数の補強シャフトをさらに含むことができる。
【0017】
前記締結部材は前記第1マウント部材のジョイントフレームと第2マウント部材のジョイントフレームを貫通して締結されるボルトであり得る。
【0018】
前記潤滑油供給モジュールは、前記複数のサポートフレームのうち2個のサポートフレームの間に固定され、内部に潤滑油が収容される筒状の貯蔵容器と、一端が前記貯蔵容器一端部に形成された排出口と連通するように設置され、他の一端が前記潤滑油供給ラインと連結されて潤滑油を排出するガイドパイプと、前記貯蔵容器の内部にスライディング可能に設置されて潤滑油を排出口側に加圧する加圧部材を含むことができる。
【0019】
前記ガイドパイプは一端部がいずれか一つのサポートフレームに結合され、他の一端部が他の一つのサポートフレームに結合されて支持され得る。
【0020】
そして、前記ガイドパイプの後端部には雌ねじ山が形成され、前記貯蔵容器の排出口の外面に前記雌ねじ山に螺旋結合される雄ねじ山が形成され、前記複数のサポートフレームのうち一端部に配置されたサポートフレームに前記貯蔵容器が通過するホールが貫通するように形成され得る。
【0021】
前記モジュールマウント部は前記第1マウント部材の外側部を取り囲みながら第1マウント部材を隠蔽する第1カバープレートと、前記第2マウント部材の外側部を取り囲みながら第2マウント部材を隠蔽する第2カバープレートと、前記第1カバープレートと第2カバープレートを互いに結束するクランプ部材をさらに含むことができる。
【0022】
本発明の第1の形態に係る潤滑油供給装置が適用されるユニバーサルジョイントは、回転軸と、前記回転軸の終端部に「U」字状に分岐されるように形成されたフランジヨークと、前記フランジヨークに貫通するように形成された複数の結合孔に相対回転が可能に結合されるクロスキット(cross kit)および前記回転軸の外面を取り囲みながら分離可能に結合される第1の形態に係る潤滑油供給装置を含む。
【0023】
前記回転軸の終端部と前記フランジヨークの終端部には、鋸歯の形態に形成されて互いに噛み合う第1セレーション(serration)と第2セレーションが形成され得る。
【0024】
前記第1セレーションと第2セレーションの縁には回転軸およびフランジヨークの半径方向の外側に突出したカップリングフランジが形成され、前記カップリングフランジには複数の締結孔が形成されて前記締結孔を通じてボルトが締結されることによって回転軸とフランジヨークが結合される。
【0025】
本発明の第2の形態に係る潤滑油供給装置は、一端部がユニバーサルジョイントの回転軸に同軸上に結合され、他の一端部がユニバーサルジョイントのフランジヨークに同軸上に結合されるマウント部材と、前記マウント部材に円周方向に沿って配置されて時間が経過するにつれて貯蔵されていた潤滑油を所定の量だけ自動で排出する複数の潤滑油供給モジュールおよび前記潤滑油供給モジュールから排出される潤滑油をクロスキットに案内する潤滑油供給ラインを含む。
【0026】
前記マウント部材は、回転軸およびフランジヨークに同軸上に配置される筒状の胴体部と、前記胴体部の一端部に半径方向に突出するように形成されて回転軸の一端部に結合される軸結合フランジと、前記胴体部の他の一端部に半径方向に突出するように形成されてフランジヨークの一端部に結合されるヨーク結合フランジと、前記胴体部の側面から半径方向の中心側に延びた後に前記潤滑油供給ラインと連結される潤滑油流路と、前記胴体部の側面に結合されて前記潤滑油供給モジュールを支持するモジュールサポートフレームを含むことができる。
【0027】
前記モジュールサポートフレームはリング状に形成され、複数が胴体部に軸方向に一定間隔離隔するように設置される。
【0028】
前記複数のモジュールサポートフレームは一端が軸結合フランジに結合され、他の一端がヨーク結合フランジに結合される複数の補強シャフトに結合されて支持され得る。
【0029】
前記軸結合フランジに前記潤滑油供給モジュールの貯蔵容器が通過できるホールが貫通するように形成され得る。
【0030】
前記潤滑油供給モジュールは、前記胴体部の側面に配置され、内部に潤滑油が収容され、一端部に潤滑油が排出される排出口が設けられている筒状の貯蔵容器と、前記モジュールサポートフレームに結合されて固定され、前記貯蔵容器の排出口を通じて排出された潤滑油が移送される中空部が形成されているガイドパイプと、一端が前記ガイドパイプに連結され、他の一端が前記潤滑油流路と連結される潤滑油制御配管および前記貯蔵容器の内部にスライディング可能に設置されて潤滑油を排出口側に加圧する加圧部材を含み、前記貯蔵容器の排出口は前記ガイドパイプの一端部と結合されることによって貯蔵容器が胴体部の側面に固定された状態を維持する。
【0031】
前記ガイドパイプの一端部には雌ねじ山が形成され、前記貯蔵容器の排出口の外面に前記雌ねじ山に螺旋結合される雄ねじ山が形成され得る。
【0032】
前記マウント部材は、前記胴体部の外側部を取り囲みながら前記軸結合フランジおよびヨーク結合フランジに結合されるカバー部材をさらに含むことができる。
【0033】
本発明の第2の形態に係る潤滑油供給装置が適用されるユニバーサルジョイントは、回転軸と、前記回転軸の終端部と一定距離離れた位置に設置され、「U」字状に分岐されるように形成されたフランジヨークと、前記フランジヨークに貫通するように形成された複数の結合孔に相対回転が可能に結合されるクロスキット(cross kit)および前記回転軸とフランジヨークの間で両端部が前記回転軸とフランジヨークに結合される内蔵型潤滑油供給装置を含むことができる。
【0034】
前記フランジヨークの終端部と前記内蔵型潤滑油供給装置のマウント部材の一端部に鋸歯の形態に形成されて互いに噛み合うセレーション(serration)が形成され、前記回転軸の終端部と前記内蔵型潤滑油供給装置のマウント部材の他の一端部に鋸歯の形態に形成されて互いに噛み合うセレーション(serration)が形成され得る。
【発明の効果】
【0035】
本発明によると、ユニバーサルジョイントが動力を伝達する過程で潤滑油供給モジュールの貯蔵容器に収容された潤滑油を持続的にクロスキットのニードルベアリングに自動で供給することができる。
【0036】
また、潤滑油を自動供給するための潤滑油供給装置を回転軸の外面または回転軸とヨークの間に容易に着脱させて潤滑油を自動供給することができる。
【0037】
また、潤滑油供給装置が回転軸の外面に着脱される外装型の場合、モジュールマウント部を回転軸から分離せず、潤滑油供給モジュールの貯蔵容器をサポートフレームのホールを通じて回して分離したり結合できるため、貯蔵容器の結合および分離が非常に容易な利点もある。
【0038】
そして、回転軸の終端部とフランジヨークも分離と組立が可能であり、回転軸の終端部とフランジヨークの終端部に第1セレーションと第2セレーションが形成されて互いに噛み合いながら結合されるため、確実な動力伝達効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
図1】本発明の一実施例に係るユニバーサルジョイントの正面図および断面図である。
図2図1に図示したユニバーサルジョイントの主な部分を示した分解斜視図である。
図3図1に図示したユニバーサルジョイントの潤滑油供給装置を示した斜視図である。
図4図3に図示した潤滑油供給装置の縦断面図である。
図5図3に図示した潤滑油供給装置の平面図である。
図6図3に図示した潤滑油供給装置の一部分を分解して示した分解斜視図である。
図7図3に図示した潤滑油供給装置を構成する潤滑油供給モジュールの一実施例を示した縦断面図である。
図8】本発明の他の実施例に係るユニバーサルジョイントの分解斜視図である。
図9図8に図示したユニバーサルジョイントの潤滑油供給装置の断面図および正面図を共に示した図面である。
図10図9に図示した潤滑油供給装置を示した斜視図である。
図11図9に図示した潤滑油供給装置の潤滑油供給モジュールを示した断面図である。
図12】本発明のさらに他の実施例に係る潤滑油供給装置の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
本明細書に記載された実施例と図面に図示された構成は開示された発明の好ましい一例に過ぎず、本出願の出願時点において本明細書の実施例と図面を代替できる多様な変形例が存在し得る。
【0041】
以下では、添付された図面を参照して潤滑油供給装置およびこれを有するユニバーサルジョイントを後述された実施例により具体的に説明する。図面で同じ符号は同一の構成要素を示す。
【0042】
図1図7は、第1実施例に係る潤滑油供給装置として外装型潤滑油供給装置が適用されたユニバーサルジョイントの実施例を示したものである。
【0043】
図1および図2を参照すると、本発明の一実施例に係るユニバーサルジョイント1は回転軸10と、回転軸10の終端部に「U」字状に分岐されるように形成されたフランジヨーク20と、フランジヨーク20に貫通するように形成された複数の結合孔21に相対回転が可能に結合されるクロスキット(cross kit)30と、前記フランジヨーク20と隣接した回転軸の終端部の外面に設置される潤滑油供給装置100を含む。
【0044】
回転軸10は中空の金属パイプで形成され得、モータや他の回転体から回転力が伝達されて回転する。回転軸10の終端部にはフランジヨーク20が分離可能に結合される。
【0045】
フランジヨーク20は一端部が回転軸10の一端部に結合され、回転軸10と共に回転する。フランジヨーク20は「U」字状に分岐された形態を有し、分岐された部分それぞれに結合孔21が貫通するように形成される。フランジヨーク20は回転軸10側から高温の影響を受けて破損および潤滑油漏れ現象が多く発生することになるため、取り換えが必要な場合がある。したがって、回転軸10の終端部とフランジヨーク20の終端部をボルト15のような締結手段で分離可能に結合して使うことが好ましい。この時、回転軸10とフランジヨーク20の間に動力の伝達が円滑に行われ得るようにするために、回転軸10の終端部とフランジヨーク20の終端部に鋸歯の形態に形成されて互いに噛み合う第1セレーション(serration)12と第2セレーション22がそれぞれ形成される。そして、第1セレーション12と第2セレーション22の縁には回転軸10およびフランジヨーク20の半径方向の外側に突出したカップリングフランジ13、23が形成され、前記カップリングフランジ13、23には複数の締結孔14、24が形成されて前記締結孔14、24を通じてボルト15が締結されることによって回転軸10とフランジヨーク20が分離可能に結合される。
【0046】
前記クロスキット30はフランジヨーク20の結合孔21に挿入されるように四方に伸びた円筒形の連結部33を有する十字状のクロスキット本体31(「スパイダー」ともいう)と、前記クロスキット本体31の連結部33の外側に対して回転可能なようにニードルベアリング36を媒介として結合されて回転するキャップ35を含む構成を有している。
【0047】
クロスキット本体31の内部には潤滑油が貯蔵および移動される潤滑油通路32が前記連結部33の内側に延びるように形成される。そして、キャップ35には潤滑油供給装置100の潤滑油供給ライン130と連結されるニップル(nipple)37が設置されてニップル37を通じて前記潤滑油通路32に潤滑油が供給される。
【0048】
前記回転軸10の外面にはクロスキット30の潤滑油通路32に潤滑油を自動で供給するための潤滑油供給装置100が分離可能に設置される。
【0049】
図2図7を参照すると、潤滑油供給装置100は、回転軸10の外面を取り囲みながら結合されるモジュールマウント部110と、前記モジュールマウント部110に円周方向に沿って一定間隔に配置されて時間が経過するにつれて貯蔵されていた潤滑油を所定の量だけ自動で排出する複数の潤滑油供給モジュール120、それぞれの潤滑油供給モジュール120とクロスキット30を連結して潤滑油供給モジュール120から排出される潤滑油をクロスキット30に案内する潤滑油供給ライン130を含む。
【0050】
前記モジュールマウント部110は略半円筒形のフレーム構造をなすようになって回転軸10の外面の半分を取り囲むように設置される第1マウント部材110aと、前記第1マウント部材110aと対称となる構成で形成されて回転軸10の外面の残りの半分を取り囲むように設置される第2マウント部材110bと、第1マウント部材110aと第2マウント部材110bを分離可能に結合させる締結部材117を含む。
【0051】
第1マウント部材110aは、半円形のリング状に形成されて回転軸10の外面の半分を取り囲むように設置され、回転軸10の軸方向に沿って一定間隔で離隔するように配置される複数(この実施例では3個)のサポートフレーム111と、前記3個のサポートフレーム111の両側の終端部に結合されて3個のサポートフレーム111を一体に連結する2個のジョイントフレーム112と、3個のサポートフレーム111の間間を連結する複数の補強シャフト114を含む。
【0052】
第2マウント部材110bは第1マウント部材110aと対称となるように第1マウント部材110aと同一の構成で形成される。
【0053】
サポートフレーム111は半円形のリング状を有するように形成されて前記ジョイントフレーム112および補強シャフト114により所定の間隔を維持する。前記サポートフレーム111のうち後端に位置するサポートフレーム111には潤滑油供給モジュール120の貯蔵容器121の一端部が挿入され得るホール111aが貫通するように形成されている。
【0054】
ジョイントフレーム112は一字状の平板の形態に形成されてサポートフレーム111の両終端部を連結し、第1マウント部材110aと第2マウント部材110bを互いに連結するための締結部材117のボルトが貫通する複数のボルト締結孔112aが形成されている。したがって、第1マウント部材110aと第2マウント部材110bで回転軸10の外面を取り囲むように配置した後、ジョイントフレーム112のボルト締結孔112aを通じて締結部材117、すなわちボルトを締結することによって、第1マウント部材110aと第2マウント部材110bを回転軸10の外面に分離可能に設置することができる。
【0055】
この実施例では、複数のジョイントフレーム112を締結部材117を利用して結合することによって第1マウント部材110aと第2マウント部材110bを互いに分離可能に結束したが、これとは異なって、帯の形態やプレートの形態の平板またはストリップを締結部材として適用して第1マウント部材110aと第2マウント部材110bを互いに結束してもよい。
【0056】
この時、第1マウント部材110aと第2マウント部材110bの内部に設置される潤滑油供給モジュール120を外部から隠蔽できるようにするために、前記第1マウント部材110aの外側部に第1マウント部材110aを隠蔽する第1カバープレート115aを設置し、第2マウント部材110bの外側部に第2マウント部材110bを隠蔽する第2カバープレート115bを設置することができる。第1カバープレート115aと第2カバープレート115bが互いに会う両終端部はクランプ部材116により結束され得る。前記クランプ部材116は公知のクランプ機構を適用して構成することができる。
【0057】
図7を参照すると、潤滑油供給モジュール120は前記第1マウント部材110aと第2マウント部材110bのサポートフレーム111に結合されて時間が経過につれて自動でクロスキット30に潤滑油を一定量ずつ供給するように構成される。この実施例で潤滑油供給モジュール120は、前記3個のサポートフレーム111のうち2個のサポートフレーム111の間に固定され、内部に潤滑油が収容される筒状の貯蔵容器121と、一端が前記貯蔵容器121の一端部に形成された排出口124と連通するように設置され、他の一端が前記潤滑油供給ラインと連結されて潤滑油を排出するガイドパイプ122と、前記貯蔵容器121の内部に設置されて潤滑油を排出口側に加圧する加圧部材123を含む。
【0058】
前記貯蔵容器121の前端部の中央には潤滑油が吐出される排出口124が形成されている。前記貯蔵容器121は円筒形の容器で形成されてサポートフレーム111に形成されているホール111aを通じて挿入された後、排出口124がガイドパイプ122の後端部に螺旋結合されて固定される。この時、貯蔵容器121の前方部は中間に配置されたサポートフレーム111に形成されている段差溝111bの内側に挿入されて支持される。
【0059】
前記ガイドパイプ122は中央に潤滑油が流動する流路が形成されている金属管からなり、一端部が3個のサポートフレーム111のうち中間のサポートフレーム111に結合され、他の一端部が前方に配置されたサポートフレーム111にねじなどの締結手段で結合される。前記ガイドパイプ122はサポートフレーム111の間に配置されて貯蔵容器121の排出口124と潤滑油供給ライン130を連結することによって、モジュールマウント部110の強度を補強しつつ潤滑油の供給が円滑に行われるようにする作用をする。また、貯蔵容器121の前端部を支持する作用をするとともに、貯蔵容器121をモジュールマウント部110から分離する時に貯蔵容器121を回してガイドパイプ122から容易に分離されるようにすることができる。
【0060】
ガイドパイプ122の中空部の後端部には雌ねじ山が形成され、貯蔵容器121の排出口124の外面に前記雌ねじ山に螺旋結合される雄ねじ山が形成され、前述したようにガイドパイプ122がサポートフレーム111に固定された状態で貯蔵容器121を回してガイドパイプ122に結合および分離させることができるようにすることができる。
【0061】
前記加圧部材123は貯蔵容器121の内部に設置されて潤滑油を所定の圧力で排出口124側に押し出すように形成されたものであって、貯蔵容器121の内部に前後方向にスライディング可能に設置されて潤滑油を押し出す加圧板123aと、加圧板123aを排出口124側に押し出す力を加える圧力生成手段を含む。前記圧力生成手段としては圧縮コイルばね123bが適用され得るが、その他にもぜんまいばね、または気体の圧力、または回転によって発生する遠心力でもよく、このような圧力生成手段は公知の潤滑油供給装置に適用されたものを同一または同様に適用することができる。
【0062】
前記潤滑油供給ライン130は一端が前方に配置されたサポートフレーム111の前方でガイドパイプ122に連結され、他の一端がクロスキット30のキャップ35に設置されたニップル37に連結されて潤滑油をクロスキット30に案内する。潤滑油供給ライン130はそれぞれのガイドパイプ122とクロスキット30のニップル37を一対一に連結してもよいが、これとは異なって、2個のガイドパイプ122を1個のニップル37と連結してもよいであろう。
【0063】
このような構成からなるユニバーサルジョイントは、回転軸10の外面に潤滑油供給モジュール120が装着された第1マウント部材110aと第2マウント部材110bを整列し、第1マウント部材110aのジョイントフレーム112と第2マウント部材110bのジョイントフレーム112を互いに結合させて回転軸10の外面に潤滑油供給装置を容易に装着することができる。
【0064】
また、潤滑油供給モジュール120の貯蔵容器121を分離して取り換えなければならない場合、モジュールマウント部110を回転軸10から分離せず、貯蔵容器121のみをサポートフレーム111のホール111aを通じて回して分離したり結合することができる。したがって、貯蔵容器121の結合および分離が非常に容易な利点がある。
【0065】
もちろん、潤滑油供給装置100全体を回転軸10から分離しようとする場合には、第1マウント部材110aのジョイントフレーム112と第2マウント部材110bのジョイントフレーム112間の結合を解除して第1マウント部材110aと第2マウント部材110bを回転軸10から簡単に分離することができる。
【0066】
また、前述したように、モジュールマウント部110が半円筒形フレーム構造の第1マウント部材110aと第2マウント部材110bの結合からなり、第1マウント部材110aと第2マウント部材110bが複数のサポートフレーム111とジョイントフレーム112、補強シャフト114の結合からなり、潤滑油供給モジュール120を構成するガイドパイプ122も第1マウント部材110aと第2マウント部材110bの支持構造物の機能も兼ねているので、大型のユニバーサルジョイントに適用する場合にも十分な機械的強度を確保することができる。
【0067】
また、潤滑油供給モジュール120の装着および分離が容易であるため、必要に応じてモジュールマウント部110を回転軸10から分離した後に再び組み立てることができる。
【0068】
そして、回転軸10の終端部とフランジヨーク20も分離と組立が可能であり、回転軸10の終端部とフランジヨーク20の終端部に第1セレーション12と第2セレーション22が形成されて互いに噛み合いながら結合されるため、確実な動力伝達効果を得ることができる。
【0069】
図8図12は、第2実施例に係る潤滑油供給装置として内蔵型潤滑油供給装置が適用されたユニバーサルジョイントの実施例を示したものである。
【0070】
図8図11を参照すると、この一実施例のユニバーサルジョイント1は回転軸10の終端部とフランジヨーク20の終端部間に潤滑油供給装置200が同軸上に設置される構造を有する。
【0071】
前記潤滑油供給装置200は一端部が前記回転軸10に同軸上に結合され、他の一端部がフランジヨーク20に同軸上に結合されるマウント部材210、マウント部材210に円周方向に沿って配置されて時間が経過するにつれて貯蔵されていた潤滑油を所定の量だけ自動で排出する複数の潤滑油供給モジュール220、および前記潤滑油供給モジュール220から排出される潤滑油をクロスキット30に案内する潤滑油供給ライン230を含む。
【0072】
図9図11を参照すると、前記マウント部材210は、回転軸10およびフランジヨーク20に同軸上に配置される筒状の胴体部211と、胴体部211の一端部に半径方向に突出するように形成されて回転軸10の一端部に結合される軸結合フランジ212と、胴体部211の他の一端部に半径方向に延びるように形成されてフランジヨーク20の一端部に結合されるヨーク結合フランジ213と、前記胴体部211の側面から半径方向の中心側に延びた後に前記潤滑油供給ライン230と連結される潤滑油流路216と、前記胴体部211の側面に結合されて前記潤滑油供給モジュール220を支持するように胴体部に軸方向に一定間隔離隔した2個のモジュールサポートフレーム214および前記胴体部211の外側部を取り囲みながら前記軸結合フランジ212およびヨーク結合フランジ213に結合されるカバー部材240を含む。
【0073】
前記胴体部211は略円筒形に形成され、一端部の内側に潤滑油を供給するための潤滑油流路216が形成されている。前記潤滑油流路216は側面から半径方向の中心側に延びた後、ヨーク結合フランジ213の中心側に連通して前記潤滑油供給ライン230の一端部と連結される。
【0074】
軸結合フランジ212は円形のリング状に形成されて胴体部211の一端部に一体に形成され、回転軸10の一端部に形成されているカップリングフランジ13とのボルト15締結のための複数の第1締結孔212bが円周方向に沿って一定間隔で配列されている。また、軸結合フランジ212には潤滑油供給モジュール220の貯蔵容器221が通過できるホール212aが貫通するように形成される。
【0075】
ヨーク結合フランジ213も円形のリング状に形成されて胴体部211の他の一端部に一体に形成され、フランジヨーク20の一端部に形成されているカップリングフランジ23とのボルト25締結のための複数の第2締結孔213bが円周方向に沿って一定間隔で配列されている。
【0076】
前記モジュールサポートフレーム214は円形のリング状に形成され、胴体部211の軸方向の略中間部分に設置される。モジュールサポートフレーム214は一端が軸結合フランジ212に結合され、他の一端がヨーク結合フランジ213に結合される複数の補強シャフト215に結合されて胴体部211に支持される。モジュールサポートフレーム214は潤滑油供給モジュール220のガイドパイプ222を堅固に支持することによって、マウント部材210で潤滑油供給モジュール220を支持する作用をする。
【0077】
潤滑油供給モジュール220はマウント部材210の胴体部211の側面に配置され、内部に潤滑油が収容され、一端部に潤滑油が排出される排出口224が設けられている筒状の貯蔵容器221と、前記モジュールサポートフレーム214に結合されて固定され、前記貯蔵容器221の排出口224を通じて排出された潤滑油が移送される中空部222aが形成されているガイドパイプ222と、一端が前記ガイドパイプ222の中空部222aの一端部に連結され、他の一端が前記潤滑油流路216と連結される潤滑油制御配管225および前記貯蔵容器221の内部にスライディング可能に設置されて潤滑油を排出口側に加圧する加圧部材223を含む。
【0078】
前記貯蔵容器221の一端部の中央には潤滑油が吐出される排出口224が形成されている。貯蔵容器221は円筒形の容器で形成されて軸結合フランジ212に形成されているホール212aを通じて挿入された後、ガイドパイプ222の中空部222aの後端部に螺旋結合されて固定される。この時、貯蔵容器221の一端部はモジュールサポートフレーム214に密着して支持される。
【0079】
前記ガイドパイプ222は中央に潤滑油が流動する中空部222aが形成されている金属管からなり、2個のモジュールサポートフレーム214の間に配置されて両端部がモジュールサポートフレーム214にねじ222bのような締結手段で結合されて固定される。ガイドパイプ222は2個のモジュールサポートフレーム214の間に配置されて貯蔵容器221の排出口224と潤滑油制御配管225を連結することによって、マウント部材210の全体の強度を増大させるとともに、貯蔵容器221の排出口224と結合されて貯蔵容器221をマウント部材210に固定する固定手段としても機能する。
【0080】
ガイドパイプ222の中空部222aの一端部には雌ねじ山が形成され、貯蔵容器221の排出口224の外面に前記雌ねじ山に螺旋結合される雄ねじ山が形成されて、ガイドパイプ222がモジュールサポートフレーム214に固定された状態で貯蔵容器221を回してガイドパイプ222に結合および分離させることができる。
【0081】
潤滑油制御配管225は一端がガイドパイプ222の中空部222aの他の一端部に連結され、他の一端が胴体部211の側面に連通している潤滑油流路216の一端部と連結されてガイドパイプ222を通じての潤滑油の流動を制御できるように形成されたものであって、潤滑油制御配管225には潤滑油の供給を遮断または許容する開閉バルブ226が設置され得る。
【0082】
前記加圧部材223は貯蔵容器221の内部に設置されて潤滑油を所定の圧力で排出口224側に押し出すように形成されたものであって、貯蔵容器221の内部に前後方向にスライディング可能に設置されて潤滑油を押し出す加圧板223aと、加圧板223aを排出口224側に押し出す力を加える圧力生成手段を含む。前記圧力生成手段としては圧縮コイルばね223bが適用され得るが、その他にもぜんまいばね、または気体の圧力、または回転によって発生する遠心力でもよく、このような圧力生成手段は公知の潤滑油供給装置に適用されたものを同一または同様に適用することができる。
【0083】
このような構成からなる潤滑油供給装置200は次のように作動する。
【0084】
貯蔵容器221の内部で圧縮コイルばね223bのような圧力生成手段によって加圧板223aが排出口224側に圧力を受けると、貯蔵容器221に貯蔵された潤滑油が排出口224を通じてガイドパイプ222の中空部222aに排出された後、ガイドパイプ222の中空部222aを通じて移送される。
【0085】
ガイドパイプ222を通じて移送される潤滑油は、潤滑油制御配管225を通じてマウント部材210の潤滑油流路216に流入した後、潤滑油流路216の出口部分と連結された潤滑油供給ライン230を通じてクロスキット30の中心部の流入ポート34内に流入する。
【0086】
したがって、ユニバーサルジョイントが動力を伝達する過程で持続的にクロスキット30のニードルベアリング36に潤滑油を自動で供給することができる。
【0087】
また、本発明の内蔵型潤滑油供給装置は、回転軸10の終端部に同軸上に結合されたマウント部材210の軸結合フランジ212に貫通するように形成されているホール212aを通じて潤滑油供給モジュール220の貯蔵容器221を回してガイドパイプ222に結合させたり分離させることができる。したがって、潤滑油供給装置200を回転軸10とフランジヨーク20から分離させずに貯蔵容器221のみを簡単に結合または分離して取り換えられる利点もある。
【0088】
このような内蔵型潤滑油供給装置200は回転軸10とフランジヨーク20の間に同軸上に連結されるため、複数のユニバーサルジョイントが狭い間隔で配列されたりユニバーサルジョイントの側方に他の構造物が隣接して配置されている場合にさらに有利に適用され得る。
【0089】
また、マウント部材210の軸結合フランジ212とヨーク結合フランジ213をそれぞれ回転軸10およびフランジヨーク20の終端部に形成されているカップリングフランジ23にボルト25で締結できるため、既存に設置されているユニバーサルジョイントの構造を変更することなく潤滑油供給装置200をユニバーサルジョイントに容易に設置することができる。
【0090】
そして、フランジヨーク20は回転軸10側から高温の影響を受けて破損および潤滑油漏れ現象が多く発生することになるため、取り換えが必要な場合がある。したがって、フランジヨーク20を取り換えようとする場合には、潤滑油供給装置200とフランジヨーク20を締結しているボルト15を緩めて潤滑油供給装置200とフランジヨーク20を簡単に分離することができる。
【0091】
一方、前述のように潤滑油供給装置200とフランジヨーク20はボルト25によって結合されている状態であるので、長時間の間使用すると結合面でスリップ現象が発生する可能性がある。したがって、図12に図示したように、回転軸10の回転力が潤滑油供給装置200を通じてフランジヨーク20に確実に伝達されるようにするために、ヨーク結合フランジ213の外側面とフランジヨーク20の外側面に鋸歯の形態に形成されて互いに噛み合うセレーション(serration)218、27を形成することができる。
【0092】
そして、回転軸10の終端部の外側面と潤滑油供給装置200の軸結合フランジ212の終端部の外側面にも互いに噛み合うセレーション17、217を形成して確実な動力伝達効果を得ることができる。
【0093】
以上では、本発明に対する技術思想を添付図面と共に記述したが、これは本発明の好ましい実施例を例示的に説明したものに過ぎず、本発明を限定するものではない。また、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者であれば誰でも本発明の技術的思想の範疇を逸脱しない範囲内で多様な変形および模倣が可能であることは明白な事実である。
【符号の説明】
【0094】
10:回転軸
12:第1セレーション
13:カップリングフランジ
14:締結孔
20:フランジヨーク
21:結合孔
22:第2セレーション
23:カップリングフランジ
24:締結孔
30:クロスキット
32:潤滑油通路
35:キャップ
36:ニードルベアリング
37:ニップル(nipple)
100:潤滑油供給装置
110:モジュールマウント部
110a:第1マウント部材
110b:第2マウント部材
111:サポートフレーム
112:ジョイントフレーム
114:補強シャフト
115a:第1カバープレート
115b:第2カバープレート
116:クランプ部材
120:潤滑油供給モジュール
121:貯蔵容器
122:ガイドパイプ
123:加圧部材
123a:加圧板
123b:圧縮コイルばね
124:排出口
130:潤滑油供給ライン
200:潤滑油供給装置
210:マウント部
211:胴体部
212:軸結合フランジ
212a:ホール
213:ヨーク結合フランジ
214:モジュールサポートフレーム
215:補強シャフト
216:潤滑油流路
217、218:セレーション
220:潤滑油供給モジュール
221:貯蔵容器
222:ガイドパイプ
223:加圧部材
223a:加圧板
223b:圧縮コイルばね
224:排出口
225:潤滑油制御配管
226:開閉バルブ
230:潤滑油供給ライン
240:カバー部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
【手続補正書】
【提出日】2022-03-10
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一端部がユニバーサルジョイントの回転軸に同軸上に結合され、他の一端部がユニバーサルジョイントのフランジヨークに同軸上に結合されるマウント部材と、
前記マウント部材に円周方向に沿って配置されて時間が経過するにつれて貯蔵されていた潤滑油を所定の量だけ自動で排出する複数の潤滑油供給モジュール、および
前記潤滑油供給モジュールから排出される潤滑油をクロスキットに案内する潤滑油供給ラインを含む、内蔵型潤滑油供給装置。
【請求項2】
前記マウント部材は、回転軸およびフランジヨークに同軸上に配置される筒状の胴体部と、前記胴体部の一端部に半径方向に突出するように形成されて回転軸の一端部に結合される軸結合フランジと、前記胴体部の他の一端部に半径方向に突出するように形成されてフランジヨークの一端部に結合されるヨーク結合フランジと、前記胴体部の側面から半径方向の中心側に延びた後に前記潤滑油供給ラインと連結される潤滑油流路と、前記胴体部の側面に結合されて前記潤滑油供給モジュールを支持するモジュールサポートフレームを含む、請求項1に記載の内蔵型潤滑油供給装置。
【請求項3】
前記モジュールサポートフレームはリング状に形成され、複数が胴体部に軸方向に一定間隔離隔するように設置された、請求項2に記載の内蔵型潤滑油供給装置。
【請求項4】
前記複数のモジュールサポートフレームは一端が軸結合フランジに結合され、他の一端がヨーク結合フランジに結合される複数の補強シャフトに結合されて支持される、請求項3に記載の内蔵型潤滑油供給装置。
【請求項5】
前記軸結合フランジに前記潤滑油供給モジュールの貯蔵容器が通過できるホールが貫通するように形成された、請求項2に記載の内蔵型潤滑油供給装置。
【請求項6】
前記潤滑油供給モジュールは、
前記胴体部の側面に配置され、内部に潤滑油が収容され、一端部に潤滑油が排出される排出口が設けられている筒状の貯蔵容器と、前記モジュールサポートフレームに結合されて固定され、前記貯蔵容器の排出口を通じて排出された潤滑油が移送される中空部が形成されているガイドパイプと、一端が前記ガイドパイプに連結され、他の一端が前記潤滑油流路と連結される潤滑油制御配管および前記貯蔵容器の内部にスライディング可能に設置されて潤滑油を排出口側に加圧する加圧部材を含み、
前記貯蔵容器の排出口は前記ガイドパイプの一端部と結合されることによって貯蔵容器が胴体部の側面に固定された状態を維持するように形成された、請求項2に記載の内蔵型潤滑油供給装置。
【請求項7】
前記ガイドパイプの一端部には雌ねじ山が形成され、前記貯蔵容器の排出口の外面に前記雌ねじ山に螺旋結合される雄ねじ山が形成された、請求項6に記載の内蔵型潤滑油供給装置。
【請求項8】
前記マウント部材は、前記胴体部の外側部を取り囲みながら前記軸結合フランジおよびヨーク結合フランジに結合されるカバー部材をさらに含む、請求項2に記載の内蔵型潤滑油供給装置。
【請求項9】
回転軸と、
前記回転軸の終端部と一定距離離れた位置に設置され、「U」字状に分岐されるように形成されたフランジヨークと、
前記フランジヨークに貫通するように形成された複数の結合孔に相対回転が可能に結合されるクロスキット(cross kit)、および
前記回転軸とフランジヨークの間で両端部が前記回転軸とフランジヨークに結合される請求項1~請求項8のいずれか一項に記載された内蔵型潤滑油供給装置を含む、ユニバーサルジョイント。
【請求項10】
前記フランジヨークの終端部と前記内蔵型潤滑油供給装置のマウント部材の一端部に鋸歯の形態に形成されて互いに噛み合うセレーション(serration)が形成され、
前記回転軸の終端部と前記内蔵型潤滑油供給装置のマウント部材の他の一端部に鋸歯の形態に形成されて互いに噛み合うセレーション(serration)が形成された、請求項9に記載のユニバーサルジョイント。