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  • 特開-二槽式便所 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022062664
(43)【公開日】2022-04-20
(54)【発明の名称】二槽式便所
(51)【国際特許分類】
   A47K 11/00 20060101AFI20220413BHJP
【FI】
A47K11/00 112
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2021044138
(22)【出願日】2021-01-20
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-01-24
(31)【優先権主張番号】P 2020179241
(32)【優先日】2020-10-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】515193675
【氏名又は名称】高山 峯登
(72)【発明者】
【氏名】高山 峯登
【テーマコード(参考)】
2D036
【Fターム(参考)】
2D036BA32
2D036CA05
2D036CB05
(57)【要約】      (修正有)
【課題】文献1、文献2の何れも便槽と他に二槽の溶液貯留槽構造では仮に、発酵分解作用を利用し排泄物が、液化した溶液になったと仮定しても便槽と第二槽との相通部が大き過ぎるため第二槽には、未分解物が沢山貯留され、汲みとり槽の第三槽には、溶液は溜まらないし汲み取ることができない。文献3「無臭便槽装置」に於いては、隔壁6の底部が解放されているため、未分解排泄物が、液化室2へ流入するという問題がある。排泄物を簡単な構造で液化させ該液化した濃厚な溶液のみを汲み取ることのできる改良便所を提供する。
【解決手段】底部に嫌気性細菌の貯留部10を備えた便槽5と、該便槽と壁を隔てて溶液貯留槽6が設けられている二槽式便所であり、該便所の該便槽と該溶液貯留槽は、該各槽底部より所定距離上方において挿通管7で連通されており該挿通管は、前記溶液貯留槽の内部に向けて所定距離突出した突出部11が形成されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
底部に嫌気性細菌の貯留部を備えた便槽と、該便槽と壁を隔てて溶液貯留槽が設けられている二槽式便所であって、該便槽と該溶液貯留槽は、該各槽底部より所定距離上方において挿通管で連通されており該挿通管は、前記溶液貯留槽の内部に向けて所定距離突出した突出部が形成されていることを特徴とする二槽式便所。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、古来より使用されてきた便所の構造に関する。
【背景技術】
【0002】
世界農業の実情は、小規模農業者が耕地の70~80%以上を耕作し食料の80%以上を供給しているが、大規模農業の近年は、自然を収奪破壊し多くの農家の存在を脅かす存在だと評価されている(農業新聞記事の一部抜粋)。
前記のような実情に鑑み耕地の破壊を阻止し、農業経営を持続的に継続させるため、化学肥料の依存度を抑制し耕地の地力を回復させるため、古来より重要な肥料として使用されてきた排泄物を最大限利用し有機肥料重視の循環型農業を推進する必要がある。
【先行技術文献】
【参考文献】
【0003】
【文献1】
内務省式改良便所1
【文献2】
厚生省式改良便所
【文献3】
実願昭46-43218
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
文献1、文献2では、何れも便槽と他に二槽の溶液貯留槽構造が開示されています。この構造では仮に、該便槽に嫌気性細菌を投入し、発酵分解作用を利用し排泄物が、液化した溶液になったと仮定しても該便槽と第二槽との相通部が大きすぎるため第二槽には、未分解物が沢山貯留され該便槽より離れた汲み取り槽の第三槽には、溶液は溜まらないし汲み取ることが出来ないないと思われます。文献3「無臭便槽装置」に於いては、分解室1と液化室2とが設けられた二槽構造であるが、この分解室1と液化室2とを隔てる隔壁6は、前記文献と同様にその底部が解放されているため、未分解排泄物が、液化室へ流入するという問題があります。故に、排泄物を簡単な構造で液化させ該液化した濃厚な溶液のみを汲み取ることのできる改良便所を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を解決するため、底部に嫌気性菌の貯留部を備えた便槽と、該便槽と壁を隔てて溶液貯留槽が設けられている二槽式便所を提供する。該便所の該便槽と該溶液貯留槽は、該各槽底部より所定距離上方に於いて挿通管で連通されており該挿通管は、前記溶液貯留槽の内部に向けて所定距離突出した、突出部が形成されていることを特徴とする二槽式便所。
【発明の効果】
【0006】
本発明の二槽式便所は、従来の便槽と異なり便槽と溶液貯留槽の二槽式であるが、該溶液貯留槽を設けることで該便槽の排泄物は、該便槽底部に事前に貯留された嫌気性細菌の発酵分解作用で液化し該液化した濃厚な溶液のみが、各槽底部より所定距離上方の挿通管を通じ該溶液貯留槽層へ貯留される極めて簡素な構造である。
【0007】
前記の溶液貯留槽の内部に向けて所定距離突出した突出部は、排泄物が発酵分解の過程で浮沈を繰り返すが、便槽底部には、僅かに微小な未分解物が、あると思われる為、該挿通管の径、及び該突出部により完全に液化された溶液のみが貯留される。
【0008】
前記貯留槽へ貯留される溶液は、極めて濃厚で有効な「有機液肥」であるため、耕作地へ散布還元する際は、数十倍に希釈し、使用する必要がある。
【0009】
前記溶液を耕作地へ散布した際の効果として地中に無数にいる細菌が活性化し作物は、その恵みを享受し病害虫にも強く且つ、健全に育つ為、化学肥料の依存度が下がり有機肥料重視の循環型農業を持続的に継続するための重要な役割を果たす。
【0010】
前記溶液は、耕作地へ散布するのが目的であるが、散布時、作物の葉部等に、飛散しても嫌気性細菌の発酵分解作用によってなされた溶液の為、何ら問題はない。
【0011】
前記排泄物には、嫌気性細菌が微量にいると思われ、他の有機性廃棄物より発酵分解が早いという効果もある。
【0012】
該二槽式便所を長年使用しているが、耕作者として該便所の発酵分解溶液の恩恵を充分享受している。更に、運用後の構造物に対する管理は、殆ど皆無である。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】 便器及び便槽、溶液貯留槽の断面図
【発明を実施するための形態】
【0014】
発明を実施するための形態について私の図面に基づいて以下説明する。
先ず、該二槽式便所は、便槽5と溶液貯留槽6の二槽構造である。該便槽5と、溶液貯留槽6の規模は、使用人数により適宜調整すると良い。
【0015】
前記の便槽5と溶液貯留槽6は、壁で隔てられているため、該各槽底部を、挿通管7でつなぐが、該挿通管の径は、約100ミリメートル、つなぐ場所は各槽の中央部で、該挿通位置は、各槽底部より約100ミリメートル位上方とし更に、該溶液貯留槽6に於いては、壁際より約200ミリメートル位水平に該貯留槽中央へ延伸し突出した状態で設置する。
【0016】
運用上の注意事項として便槽5と溶液貯留槽6で排泄物発酵分解する際、微弱ガスが発生するため該ガスを排出する必要がある。該溶液貯留槽6のガスの排気は、排気用相通孔8で行うが、該相通孔8は、該便槽5と該溶液貯留槽6を隔てる壁の最上部付近へ設けるが、該相通孔の径は、約100ミリメートル位で良い。次に喚起を兼ねる臭突3を該便槽5上部へ設けるが、該臭突3は、風力式または電力式の換気機能付きのものが好ましい。 該溶液貯留槽6の微弱ガスは、前記の排気用相通孔8より該便槽上部へ自然に排出され該便槽5の微弱ガスと共に、臭突3の換気機能により排出される。
【0017】
前記溶液貯留槽6の溶液汲み取り口9の形状は、雨水の侵入を防ぐため凸型の形状とし蓋は、全体を覆う形状とする。
【0018】
次に、嫌気性細菌であるメタン菌の採取であるがメタン菌は、湖沼や池の堆積物や汚泥、田んぼに生息しているので、前記の堆積物や汚泥などを適宜採取し便槽5底部の嫌気性細菌貯留部10へ投入し更に、採取した汚泥などの投入量の約10倍位の水を投入し拡販する。これにより該二槽式便所は、運用可能になる。
【0019】
尚、前記の便槽5及び、溶液貯留槽6の構造は、「図面」図1で示すように、該各槽が隔壁で仕切られた一体構造であるが、該各槽を個別に成型し、該各槽の底部を挿通管でつないでも良いものであって該各槽は、何れも排泄物や液化溶液が貯留できればよく素材は、腐食に耐えるものであればよく且つ、形状も矩形、円形、楕円でもよいが、各槽底部を、挿通管でつなぐ際のつなぐ位置は、各槽底部より所定距離上方で更に、該溶液貯留槽に於いては、該貯留槽中央部へ所定距離水平に延伸し突出した状態で設置すればよい。
【符号の説明】
【0020】
1、小便器
2、大便器
3、臭突
4、小便導通感
5、便槽
6、溶液貯留槽
7、挿通管
8、排気用相通孔
9、溶液汲み取り口
10、嫌気性細菌貯留部
11、突出部
図1
【手続補正書】
【提出日】2021-01-25
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0004
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0004】
文献1、文献2では、何れも便槽と他に二槽の溶液貯留槽構造が開示されています。この構造では仮に、該便槽に嫌気性細菌を投入し、発酵分解作用を利用し排泄物が、液化した溶液になったと仮定しても該便槽と第二槽との相通部が大きすぎるため第二槽には、未分解物が沢山貯留され該便槽より離れた汲み取り槽の第三槽には、溶液は溜まらないし汲み取ることが出来ないないと思われます。文献3「無臭便槽装置」に於いては、分解室1と液化室2とが設けられた二槽構造であるが、この分解室1と液化室2とを隔てる隔壁6は、前記文献と同様にその底部が解放されているため、未分解排泄物が、液化室へ流入するという問題があります。故に、排泄物を簡単な構造で液化させ該液化した濃厚な溶液のみを汲み取ることのできる改良便所を提供することを課題とする。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0016】
運用上の注意事項として便槽5と溶液貯留槽6で排泄物発酵分解する際、微弱ガスが発生するため該ガスを排出する必要がある。 該溶液貯留槽6のガスの排気は、排気用相通孔8で行うが、該相通孔8は、該便槽5と該溶液貯留槽6を隔てる壁の最上部付近へ設けるが、該相通孔の径は、約100ミリメートル位で良い。次に喚起を兼ねる臭突3を該便槽5上部へ設けるが、該臭突3は、風力式または電力式の換気機能付きのものが好ましい。 該溶液貯留槽6の微弱ガスは、前記の排気用相通孔8より該便槽上部へ自然に排出され該便槽5の微弱ガスと共に、臭突3の換気機能により排出される。
【手続補正書】
【提出日】2021-02-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0018】
次に、嫌気性細菌であるメタン菌の採取であるがメタン菌は、湖沼や池の堆積物や汚泥、田んぼに生息しているので、前記の堆積物や汚泥などを適宜採取し便槽5底部の嫌気性細菌貯留部10へ投入し更に、採取した汚泥などの投入量の約10倍位の水を投入し攪拌する。これにより該二槽式便所は、運用可能になる。
【手続補正書】
【提出日】2021-06-28
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項1
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項1】
底部に嫌気性菌の貯留部を備えた便槽と、該便槽と壁を隔てて溶液貯留槽が設けられている二槽式便所であって、該便槽と該溶液貯留槽は、各槽底部より所定距離上方において挿通管で連通されており該挿通管は、前記溶液貯留槽の内部に向けて所定距離水平に突出した、突出部が形成されていることを特徴とする二槽式便所。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0005】
前記課題を解決するため、底部に嫌気性菌の貯留部を備えた便槽と、該便槽と壁を隔てて溶液貯留槽が設けられている二槽式便所を提供する。該便所の該便槽と該溶液貯留槽は、各槽底部より所定距離上方に於いて挿通管で連通されており該挿通管は、前記溶液貯留槽の内部に向けて所定距離水平に突出した、突出部が形成されていることを特徴とする二槽式便所。
【手続補正書】
【提出日】2021-10-08
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項1
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項1】
底部に嫌気性菌の貯留部を備えた便槽と、該便槽と壁を隔てて溶液貯留槽が設けられている二槽式便所であって、前記便槽と前記溶液貯留槽は、それぞれの底部が同じ高さとされるとともに、前記便槽と前記溶液貯留槽は、それぞれの底部より所定距離上方に於いて挿通管で連通されており該挿通管は、前記溶液貯留槽の内部に向けて前記便槽から直線状で且つ、所定距離水平に突出した、突出部が形成されていることを特徴とする二槽式便所。