(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022062684
(43)【公開日】2022-04-20
(54)【発明の名称】データ記憶装置用磁気軸受
(51)【国際特許分類】
G11B 33/12 20060101AFI20220413BHJP
F16C 32/04 20060101ALI20220413BHJP
G11B 33/14 20060101ALI20220413BHJP
G11B 17/02 20060101ALI20220413BHJP
H02K 7/09 20060101ALI20220413BHJP
【FI】
G11B33/12 313C
F16C32/04 Z
G11B33/14 501J
G11B17/02
H02K7/09
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021163570
(22)【出願日】2021-10-04
(31)【優先権主張番号】17/065,991
(32)【優先日】2020-10-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】500373758
【氏名又は名称】シーゲイト テクノロジー エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】Seagate Technology LLC
【住所又は居所原語表記】47488 Kato Road, Fremont, CA 94538, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】アラビンド・ピティ
(72)【発明者】
【氏名】リウ・チョン
【テーマコード(参考)】
3J102
5D138
5H607
【Fターム(参考)】
3J102AA01
3J102BA02
3J102BA19
3J102CA06
3J102CA10
3J102CA18
3J102CA28
3J102DA02
3J102DA03
3J102DA09
3J102DA11
3J102DA26
3J102FA16
3J102GA03
5D138RA01
5D138SA22
5D138UA20
5D138UA24
5H607AA12
5H607BB01
5H607BB14
5H607DD03
5H607GG19
(57)【要約】 (修正有)
【課題】必ずしも油系潤滑剤を必要としない、磁気軸受けを有するモータによるハードディスクの提供。
【解決手段】カバーに連結されたベースデッキ102、ベースデッキに連結されたモータアセンブリ108及びモータアセンブリに連結された磁気記録媒体106を含むハードディスクドライブ100であって、水平磁気軸受部品は、第1の磁極132及び第2の磁極134によって形成される。垂直磁気軸受部品は、第3の磁極138及び第4の磁極140によって形成される。モータアセンブリは、水平磁気軸受部品及び垂直磁気軸受部品を有する磁気軸受を有する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハードディスクドライブであって、
カバーに連結されたベースデッキと、
前記ベースデッキに連結されたモータアセンブリと、
前記モータアセンブリに連結された磁気記録媒体とを備え、
前記モータアセンブリは、水平磁気軸受部品および垂直磁気軸受部品を有する磁気軸受を含む、ハードディスクドライブ。
【請求項2】
前記水平磁気軸受部品が、第1の対の反発する磁極を含み、前記垂直磁気軸受部品が、第2の対の反発する磁極を含む、請求項1に記載のハードディスクドライブ。
【請求項3】
前記モータアセンブリが、固定部品および回転部品を含む、請求項1に記載のハードディスクドライブ。
【請求項4】
前記固定部品がシャフトであり、前記回転部品がロータである、請求項3に記載のハードディスクドライブ。
【請求項5】
前記ロータがハブに連結され、前記磁気記録媒体が前記ハブに連結される、請求項4に記載のハードディスクドライブ。
【請求項6】
前記シャフトが第1の磁気極性を有する第1の磁極を含み、前記ロータが前記第1の磁気極性と同じ第2の磁気極性を有する第2の磁極を含み、前記第1の磁極および前記第2の磁極が前記水平磁気軸受部品を形成する、請求項4に記載のハードディスクドライブ。
【請求項7】
前記シャフトが第3の磁極を含み、前記第1の磁極および前記第3の磁極が前記垂直磁気軸受部品を形成する、請求項6に記載のハードディスクドライブ。
【請求項8】
前記固定部品がスリーブであり、前記回転部品がシャフトである、請求項3に記載のハードディスクドライブ。
【請求項9】
前記シャフトがハブに連結され、前記磁気記録媒体が前記ハブに連結される、請求項4に記載のハードディスクドライブ。
【請求項10】
前記シャフトが、第1の磁気極性を有する第1の磁極を含み、前記ロータが、前記第1の磁気極性に反発する第2の磁気極性を有する第2の磁極を含む、請求項9に記載のハードディスクドライブ。
【請求項11】
前記固定部品および前記回転部品が、互いに間隔を置いて配置されている、請求項3に記載のハードディスクドライブ。
【請求項12】
前記モータアセンブリが潤滑剤を含まない、請求項1に記載のハードディスクドライブ。
【請求項13】
モータアセンブリであって、
第1の磁気極性を有する第1の磁極に連結されるか、またはそれを含む固定部品と、
前記第1の磁気極性に反発する第2の磁気極性を有する第2の磁極に連結されるか、またはそれを含む回転部品とを備え、前記第1の磁極および前記第2の磁極は、水平磁気軸受部品を形成するように第1の対の反発する磁極を形成するように互いに対して配置されており、前記モータアセンブリはさらに、
垂直磁気軸受部品を形成するための第2の対の反発する磁極とを備える、モータアセンブリ。
【請求項14】
前記水平磁気軸受部品が、少なくとも部分的に、前記固定部品と前記回転部品との間の水平間隔を維持するように配置される、請求項13に記載のモータアセンブリ。
【請求項15】
前記垂直磁気軸受部品が、少なくとも部分的に、前記固定部品と前記回転部品との間の垂直間隔を維持するように配置される、請求項14に記載のモータアセンブリ。
【請求項16】
前記モータアセンブリが潤滑剤を含まない、請求項13に記載のモータアセンブリ。
【請求項17】
ハードディスクドライブ用のベースデッキであって、
床部分および側壁部分と、
前記床部分に連結され、固定部品および回転部品を含むモータアセンブリとを備え、前記モータアセンブリは、水平磁気軸受部品および垂直磁気軸受部品を有する磁気軸受を含み、前記磁気軸受は、前記回転部品が浮揚し、前記固定部品に接触しないように配置される、ベースデッキ。
【請求項18】
前記モータアセンブリが潤滑剤を含まない、請求項17に記載のベースデッキ。
【請求項19】
前記垂直磁気軸受部品が、上部の対の反発する磁極および下部の対の反発する磁極を含む、請求項17に記載のベースデッキ。
【請求項20】
前記固定部品がシャフトであり、前記回転部品が、前記シャフトを少なくとも部分的に取り囲むように配置されたロータである、請求項19に記載のベースデッキ。
【発明の詳細な説明】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0001】
特定の実施形態では、ハードディスクドライブは、カバーに連結されたベースデッキ、ベースデッキに連結されたモータアセンブリ、およびモータアセンブリに連結された磁気記録媒体を含む。モータアセンブリは、水平磁気軸受部品および垂直磁気軸受部品を有する磁気軸受を含む。
【0002】
特定の実施形態では、モータアセンブリは、第1の磁極性を有する第1の磁極に連結された、または第1の磁極を含む固定部品を含む。モータアセンブリは、第1の磁極性を反発する第2の磁極性を有する第2の磁極に連結されるか、またはこれを含む回転部品を含む。第1の磁極および第2の磁極は互いに対して配置されて、水平な磁気軸受部品を形成するため、反発し合う第1の対の磁極を形成する。モータアセンブリは、垂直な磁気軸受部品を形成するため、反発し合う第2の対の磁極を含む。
【0003】
特定の実施形態では、ハードディスクドライブ用のベースデッキは、床部分および側壁部分を含む。モータアセンブリは床部分に連結され、固定部品および回転部品を含む。モータアセンブリは、水平磁気軸受部品および垂直磁気軸受部品を有する磁気軸受を含む。磁気軸受は、回転部品が浮揚し、固定部品に接触しないように配置される。
【0004】
複数の実施形態が開示されているが、本発明の他の実施形態が、さらに本発明の事例的実施を示し説明する、以下の詳細な説明から当業者に明らかになるであろう。したがって、図面および詳細な説明は、本質的に事例的であり、制限的ではないとみなされるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【
図1】
図1は、本開示の特定の実施形態による、ハードディスクドライブの分解斜視図を示す。
【
図2】
図2は、本開示の特定の実施形態による、
図1のハードディスクドライブの上面図を示す。
【
図3】
図3は、本開示の特定の実施形態による、モータの概略側断面図を示す。
【
図4】
図4は、本開示の特定の実施形態による、
図3のモータの一部の概略上面図を示す。
【
図5】
図5は、本開示の特定の実施形態による、モータの概略側断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0006】
本開示は、様々な修正および代替形態に好適であるが、特定の実施形態を図面に例示して示し、以下に詳細に記載する。しかし、意図は記載される特定の実施形態に本開示を限定するものではなく、その代わりに、添付の特許請求の範囲に含まれるすべての修正、同等物、および代替物を網羅することを目的とする。
【0007】
詳細な説明
ハードディスクドライブなどのデータ記憶装置は、回転可能なモータを使用して磁気メディアを回転させる。これらのモータは一般に、流体軸受または玉軸受を含む。しかし、どちらのタイプの軸受も、モータから漏れ出し、データ記憶装置の性能を低下させる可能性のある油を含む潤滑油を使用している。したがって、本開示の特定の実施形態は必ずしも油系潤滑剤を必要としないモータを対象とする。より具体的には、特定の実施形態は磁気軸受を有するモータを特徴とする。
【0008】
図1は、ベースデッキ102およびハードディスクドライブ100の様々な部品を収容するエンクロージャを形成するトップカバー104を有する、ハードディスクドライブ100の分解斜視図を示す。
図2は、ハードディスクドライブ100の上面図を示す。
図1に示されるすべての部品が
図2に示されるわけではなく、逆の場合も同様である。
【0009】
ハードディスクドライブ100は、ディスククランプ110によってモータアセンブリ108に連結された磁気記録媒体106(個々に磁気記録媒体と呼ばれる)を含む。ハードディスクドライブ100はまた、磁気記録媒体106のデータトラック116上に読み書きヘッド114を配置するアクチュエータアセンブリ112を含む。モータアセンブリ108は、動作中に、アクチュエータアセンブリ112がボイスコイルモータアセンブリ118によって駆動されてピボット軸受120を旋回させている間、磁気記録媒体106を回転させる。
【0010】
読み書きヘッド114は、所望のデータトラック116上の磁気偏光遷移を誘導する磁気記録媒体106に向かって磁界を生成および放射することによって、磁気記録媒体106にデータを書き込む。磁気偏光遷移は代表的なデータである。読み書きヘッド114は、磁気偏光遷移を磁気変換器で感知(または「読み取り」)する。磁気記録媒体106が読み書きヘッド114に隣接して回転すると、磁気偏光遷移は、読み書きヘッド114の磁気変換器に変化する磁界を誘発する。磁気変換器は、可変磁界をプリアンプに送出後、処理のために読み取りチャネルに送出される読み取り信号に変換する。読み取りチャネルは、読み取り信号を、処理された後にホストシステム(例えば、サーバ、ラップトップコンピュータ、デスクトップコンピュータ)に提供されるデジタル信号に変換する。
【0011】
図3は、ハードディスクドライブ100およびモータアセンブリ108の側断面図を示す。
図4は、モータアセンブリ108の一部の上面図を示す。モータアセンブリ108は、固定部品および回転部品を含む。以下でより詳細に説明するが、回転部品はモータアセンブリ108の固定部品に対して回転し、モータアセンブリ108の滑らかな回転を可能にする軸受を形成するように共に機能する。
図3に示す軸受は、流体軸受または玉軸受とは対照的に磁気軸受である。
【0012】
図3に示す実施例では、固定部品はシャフト122(例えば、円筒形状シャフト)であり、回転部品は、少なくとも部分的にシャフト122を囲むトロイダル形状構造を有し得るロータ124である。シャフト122は、ベースデッキ102の床とトップカバー104との間に延びる。例えば、シャフト122は、シャフト122を床に固定(例えば、接着、溶接、圧入、締結)することによって床に連結することができる。シャフト122はまた、ファスナー125によってなど、異なる手段を介してトップカバー104に連結することができる。
【0013】
ロータ124は、ハブ126に連結されるか、またはハブ126を含む。磁気記録媒体106は、ハブ126に連結される。したがって、ハブ126が回転すると、磁気記録媒体106およびロータ124も回転する。モータアセンブリの部品の特定の形状および相対位置は、図に示すものとは異なる場合がある。例えば、ロータ124は、シャフト122とロータ124との間のギャップがシャフト122のほとんどまたはすべてに沿って均一になるように、シャフト122に面する単一の内側面を有する場合がある。
【0014】
ロータ124は、モータアセンブリ108の電磁モータ部分によって回転する。特定の実施形態では、モータアセンブリ108は、磁石128(例えば、永久磁石)およびステータ巻線130を含む。ステータ巻線130が(例えば、ステータ巻線130に電流を印加することによって)選択的に印加されるとき、磁石128は、印加されたステータ巻線130によって生成される磁界と相互作用して、ハブ126を回転させる。磁石128は、単一アニュラリングとして形成されるか、またはハブ126の周りに間隔を置いた複数の個々の磁石として形成されてもよい。磁石128は、2つ以上の磁極を形成するために磁化される。電磁モータ部分についてのさらなる詳細は、米国特許第9,196,294号に説明されており、本明細書に記載されるモータアセンブリの電磁モータ部分についての追加的な詳細を提供する目的で、参照により本明細書に組み込まれている。
【0015】
上述のように、シャフト122およびロータ124(またはその一部)に連結された部品は、流体軸受または玉軸受とは対照的に磁気軸受を形成する。特に、磁気軸受は、シャフト122およびロータ124に沿った様々な場所に位置付けられた、1つ以上の対の反発し合う磁極によって形成される。反発するこれらの磁極は、シャフト122とロータ124との間にギャップ(例えば、エアギャップ)が存在するように、またシャフト122とロータ124が物理的に接触しないように、ロータ124を浮揚または浮遊させる。シャフト122およびロータ124は互いに接触しないため、モータアセンブリ108は、シャフト122とロータ124部品との間の潤滑剤の使用を必ずしも必要としない。
【0016】
上述のように、潤滑剤はモータから漏れ出し、ハードディスクドライブのエンクロージャ内に漏れ出す可能性がある。漏れた潤滑剤は、ハードディスクドライブの部品を汚染し、エラーや故障さえも引き起こす可能性がある。さらに、潤滑剤の特性(例えば、粘度、減衰)は、温度に応じて変化し得るため、ハードディスクドライブの環境に応じて全体的な性能が変化し得る。さらに、衝撃事象の間中、流体軸受または玉軸受を有するモータの部品は互いに接触し(例えば、金属対金属接触)、金属削りを生じ、モータおよびハードディスクドライブ100の性能に影響を与え得る。例えば、金属の削りくずは、磁気記録媒体106と読み書きヘッド114との間のインターフェースに詰まる場合がある。
【0017】
磁気軸受の使用は、流体軸受および玉軸受に関する上述の問題のいくつかを緩和するのに役立つ。さらに、磁気軸受の使用は、流体軸受または玉軸受を有するモータと比較して、高さが低いか直径が短いモータアセンブリの使用を可能にする。
【0018】
図3に示すモータアセンブリ108の実施例において、モータアセンブリ108の磁気軸受は、水平磁気軸受部品および垂直磁気軸受部品を含む。水平磁気軸受部品は、水平方向に互いに間隔を置いて配置され、反発する極性を有する、1つ以上の対の磁極(例えば、第1の磁極132および第2の磁極134)によって形成される。例えば、第1の磁極132と第2の磁極134の両方は、それらが互いに(したがってシャフト122とロータ124部品とを)反発するように、正または負の極性を有し得る。
【0019】
第1の磁極132は、シャフト122に連結されるか、シャフト122の一部を形成することができる。例えば、磁石をシャフト122に連結して、第1の磁極132を形成することができる。別の例として、シャフト122自体を磁化して、第1の磁極132を形成することができる。特定の実施形態では、シャフト122の限定された部分は、シャフト122全体とは対照的に磁化される。
【0020】
第2の磁極134は、ロータ124に連結されるか、またはロータ124の一部を形成することができる。例えば、磁石をロータ124に連結して、第2の磁極134を形成することができる。別の例として、ロータ124自体を磁化して、第2の磁極134を形成することができる。特定の実施形態では、ロータ124の限定された部分は、ロータ124全体とは対照的に磁化される。
【0021】
反発する磁極のため、またロータ124はシャフト122を少なくとも部分的に取り囲むため(
図4に示す通り)、水平磁気軸受部品は、シャフト122とロータ124との間の水平間隔136を維持するのに役立つ。言い換えれば、反発する磁極は、シャフト122とロータ124が互いに接触しないように、2つの部品の間の空隙を維持するのに役立つ。モータアセンブリ108の動作中(例えば、ステータ巻線130を選択的に通電することによって)、ロータ124は、シャフト122に接触することなく、回転を滑らかにするための潤滑剤を要さなく、シャフト122の周りを回転することができる。
図3では、1組の反発する磁極のみが参照番号によって示されているが、水平磁極軸受部品は、複数の対の反発する磁極を含むことができ、部品間の水平間隔を維持するのに役立つ。
【0022】
垂直磁気軸受部品は、少なくとも部分的に、互いに垂直方向に間隔を置いて配置され、反発する磁極を有する、より低い対の磁極(例えば、第3の磁極138および第4の磁極140)によって形成される。例えば、第3の磁極138および第4の磁極140の両方が、互いに反発するように、正または負の極性を有し得る。
【0023】
第3の磁極138は、ベースデッキ102の床に連結されるか、または床の一部を形成することができる。例えば、磁石または磁化構造(例えば、ボス様構造)は、ベースデッキ102に連結されて、第3の磁極138を形成することができる。別の例として、ベースデッキ102本体の一部分を磁化して、第3の磁極138を形成することができる。
【0024】
第4の磁極140は、ロータ124に連結するか、またはロータ124の一部を形成することができる。例えば、磁石は、ロータ124に連結されて、第4の磁極140を形成することができる。別の例として、ロータ124自体を磁化して、第4の磁極140を形成することができる。
【0025】
垂直磁気軸受部品は、垂直方向に互いに間隔を置いて配置され、反発する磁極を有して、上部の対の磁極142をさらに含み得る。
図3に示す実施例では、上部の対の磁極142は、シャフト122およびロータ124にそれぞれ連結されるか、またはそれらによって形成される。例えば、シャフト122は、キャップ様構造144またはシャフト122から水平に伸びる部分を含むか、またはキャップ様構造144に連結されてもよい。このキャップ様構造144は、磁極に連結されるか、または磁極を形成することができる。
【0026】
上部の対の磁極142の反発によって生成される力は、下部の対の磁極の反発によって生成される力とは反対の方向にあるため、垂直磁気軸受部品は、シャフト122とロータ124との間、およびロータ124と、ベースデッキ102とトップカバー104の両方との間の垂直間隔を維持するのに役立つ。言い換えれば、反発する磁極は、部品が互いに接触しないように、これらの部品間の空隙を維持するのに役立つ。例えば、2対の磁極は、ロータ124を垂直方向に浮遊または浮揚させる。モータアセンブリ108の作動中(例えば、ステータ巻線130に通電することによって)、ロータ124は、シャフト122、ベースデッキ102の床、およびトップカバー104に接触することなく、回転を滑らかにするための潤滑剤を要することなく、シャフト122の周りを回転することができる。
【0027】
図5は、モータアセンブリ202の代替設計を有するハードディスクドライブ200の一部の側断面図を示す。
図3および
図4に示すモータアセンブリ108と同様に、モータアセンブリ202は、固定部品、回転部品、および水平磁気軸受部品および垂直磁気軸受部品を有する磁気軸受を含む。
【0028】
図5に示す実施例では、固定部品は、スリーブ204(例えば、中央開口部を有する円筒形のスリーブ)であり、回転部品は、シャフト208を含むロータ206である。スリーブ204は、ベースデッキの床から伸びる。例えば、スリーブ204は、スリーブ204を床に固定(例えば、接着、溶接)することによって床に連結され得る。
【0029】
ロータ206は、ハブ210に連結されるか、またはハブ210を含む。磁気記録媒体は、ハブ210が回転するとき、磁気記録媒体およびロータ206も回転するように、ハブ210に連結される。モータアセンブリの部品の特定の形状および相対位置は、図に示すものとは異なる場合がある。例えば、スリーブ204は、シャフト208とスリーブ204との間のギャップがシャフト208に沿って均一になるように、シャフト208に面する単一の内側面を有し得る。
【0030】
ロータ206は、モータアセンブリ202の電磁モータ部分によって回転する。特定の実施形態では、モータアセンブリ202は、磁石212(例えば、永久磁石)およびステータ巻線214を含む。ステータ巻線214が選択的に印加されると、磁石212の磁界は、印加されたステータ巻線214によって生成される磁界と相互作用して、ハブ210を回転させる。磁石212は、単一アニュラリングとして形成されても、またはハブ210の周りに間隔を置いて配置されている複数の個々の磁石として形成されてもよい。磁石212は、2つ以上の磁極を形成するために磁化される。
【0031】
上述のように、スリーブ204およびロータ206に連結された(またはその一部である)部品は、流体軸受または玉軸受とは対照的に磁気軸受を形成する。特に、磁気軸受は、スリーブ204およびロータ206に沿った様々な部品に位置付けられた一対の反発する磁極によって形成される。これらの反発する磁極は、スリーブ204とロータ206との間にギャップ(例えば、エアギャップ)があり、スリーブ204とロータ206とが物理的に互いに接触しないように、ロータ206を浮揚させるか、または浮遊させる。スリーブ204およびロータ206は互いに接触しないため、モータアセンブリ202は、必ずしもスリーブ204とロータ206部品との間に潤滑剤を塗る必要はない。
【0032】
図5に示すモータアセンブリ202の実施例において、モータアセンブリ202の磁気軸受は、水平磁気軸受部品および垂直磁気軸受部品を含む。水平磁気軸受部品は、個々の磁極を有する1つ以上の対の磁極216によって形成されており、それらの磁極は、水平方向に互いに間隔を置いて配置され、反発する磁極を有する。特定の実施形態では、水平磁気軸受部品は、上部の対の磁極および下部の対の磁極を含む。それぞれの対の磁極216は、互いに反発するように、2つの正または負の磁極を有することができる。
【0033】
磁極のうちの1つは、スリーブ204に連結されるか、またはスリーブ204の一部を形成することができる。例えば、磁石をスリーブ204に連結して、第1の磁極を形成することができる。別の例として、スリーブ204自体を磁化して、第1の磁極を形成することができる。
【0034】
別の磁極は、ロータ206に連結されるか、またはロータ206の一部を形成することができる。例えば、磁石をロータ206に連結して、第1の磁極と同じ磁極を有する第2の磁極を形成することができる。別の例として、ロータ206自体を磁化して、第2の磁極を形成することができる。特定の実施形態では、ロータ206のシャフト208は磁極を含む。
図5に示すように、シャフト208は、スリーブ204の中央開口部内に位置付けられる。
【0035】
反発する磁極のため、またシャフト208はスリーブ204により少なくとも部分的に取り囲まれるため、水平磁気軸受部品は、スリーブ204とロータ206との間の水平な間隔を維持するのに役立つ。言い換えれば、反発する磁極は、スリーブ204とロータ206が互いに接触しないように、2つの部品の間の空隙を維持するのに役立つ。モータアセンブリ202の動作中、ロータ206は、ロータ206に接触することなく、回転を滑らかにするための潤滑剤を要することなく、スリーブ204の周りを回転し得る。
【0036】
垂直磁気軸受部品は、垂直方向に互いから間隔を置いて配置され、反発する磁極を有する一つ以上の対の磁極218によって形成される。例えば、垂直磁気軸受部品は、下方の対の反発する磁極および上方の対の反発する磁極を含み得る。
【0037】
下部の対の磁極218は、スリーブ204およびスリーブ204の一部の下に伸びるロータ206の一部に連結されるか、またはその一部を形成することができる。例えば、磁石は、スリーブ204およびロータ206に連結されて、対向する磁極218を形成することができる。別の例として、スリーブ204およびロータ206のすべてまたは一部を磁化して、対向する磁極218を形成することができる。
【0038】
上部の対の磁極218は、スリーブ204およびスリーブ204の上に伸びるロータ206の一部に連結されるか、またはその一部を形成することができる。例えば、磁石は、スリーブ204およびロータ206に連結されて、対向する磁極を形成することができる。別の例として、スリーブ204およびロータ206のすべてまたは一部は磁化されて、対向する磁極を形成することができる。
【0039】
上部の対の磁極の反発によって生成される力は、下部の対の磁極の反発によって生成される力とは反対の方向にあるため、垂直磁気軸受部品は、スリーブ204とロータ206の間、およびロータ206と、ベースデッキとトップカバーの両方との間の垂直な間隔を維持するのに役立つ。言い換えれば、反発する磁極は、部品が互いに接触しないように、これらの部品間の空隙を維持するのに役立つ。例えば、2対の磁極は、ロータ206を浮遊または浮揚させる。モータアセンブリ202の動作中、ロータ206は、スリーブ204、ベースデッキの床、およびトップカバーに接触することなく、回転を滑らかにするための潤滑剤を要することなく、スリーブ204内で回転することができる。
【0040】
上述の磁気軸受は、モータアセンブリの回転部分を互いに接触させることなく、潤滑された軸受を必ずしも要することなく、固定部分に関して回転させることを可能にする。磁気軸受では、回転部分が浮遊するか、または浮揚することができる。上述のように、磁極は、モータアセンブリの部品に連結された別個の磁石によって、または部品自体を磁化することによって生成され得る。回転部分を浮揚させるために必要な磁界の力の量は、他の要因の中でも、回転部分の質量、部品間の所望の間隔(典型的には、ミリメートルの順序による)に依存し得る。特定の実施形態では、様々な磁極は永久磁石または電磁石によって生成される。
【0041】
特定の実施形態では、モータアセンブリは、ベースデッキに取り付けられる前に完全に組み立てられる。他の実施形態では、モータアセンブリの部品のサブセットのみが、ベースデッキに固定される前に一緒に組み立てられる。ベースデッキに固定されると、モータアセンブリの残りの部品を組み立てることができる。一旦組み立てられると、ハードディスクドライブの他の部品は、ベースデッキやモータアセンブリに連結され得る。
【0042】
特定の実施形態では、モータアセンブリは、様々な方法を実行するために使用され得る。一例として、モータアセンブリは、磁気記録媒体を回転させるのに使用され得るが、モータアセンブリの回転部分は、モータアセンブリの固定部分に対して浮揚または浮遊する。したがって、回転部分は同時に回転および浮揚することができる。
【0043】
上述の実施形態では、磁気記録媒体を回転するモータアセンブリに磁気軸受を組み込むが、磁気軸受は、ピボット軸受などの他の部品またはアセンブリに組み込むことができる。上述のように、モータアセンブリ108は、アクチュエータアセンブリ112がボイスコイルモータアセンブリ118によって駆動されてピボット軸受120の周りを旋回している間、磁気記録媒体106を回転させる。ピボット軸受は、慣例上、ケージ内に位置付けられ、少なくとも部分的に潤滑剤内に置かれる玉軸受を使用する。流体軸受と同様に、ピボット軸受の潤滑油は、ピボット軸受から漏れてハードディスクドライブを汚染する可能性がある。したがって、特定の実施形態では、ピボット軸受120は、玉軸受の代わりに磁気軸受を含み得る。上述のモータアセンブリと同様に、ピボット軸受120内の磁気軸受は、1つ以上の対の磁極を含み得る。磁極は互いに反発して、ピボット軸受120の固定部品と回転部品との間に空隙を形成することができる。
【0044】
本開示の範囲を逸脱することなく、開示した実施形態に様々な修正や追加を行うことができる。例えば、上述の実施形態は特定の特徴について言及するが、本開示の範囲は、特徴の異なる組み合わせを有する実施形態および記載された特徴のすべてを含まない実施形態も含む。したがって、本開示の範囲は、特許請求の範囲内にあるようなすべての代替、修正、および変形、ならびにそれらのすべての均等物を含むことを目的とする。
【外国語明細書】