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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022062696
(43)【公開日】2022-04-20
(54)【発明の名称】プログラムおよび視野制御方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/04815 20220101AFI20220413BHJP
   G06F 3/0346 20130101ALI20220413BHJP
   A63F 13/2145 20140101ALI20220413BHJP
   A63F 13/426 20140101ALI20220413BHJP
   A63F 13/5255 20140101ALI20220413BHJP
   A63F 13/55 20140101ALI20220413BHJP
【FI】
G06F3/0481 150
G06F3/0346 425
A63F13/2145
A63F13/426
A63F13/5255
A63F13/55
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021165035
(22)【出願日】2021-10-06
(62)【分割の表示】P 2020170690の分割
【原出願日】2020-10-08
(71)【出願人】
【識別番号】313011434
【氏名又は名称】エヌエイチエヌ コーポレーション
【住所又は居所原語表記】(Sampyeong-dong),16,Daewangpangyo-ro 645 beon-gil,Bundang-gu,Seongnam-si,Gyeonggi-do Republic of Korea
(71)【出願人】
【識別番号】516164173
【氏名又は名称】NHN PlayArt株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000408
【氏名又は名称】特許業務法人高橋・林アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】林 智之
【テーマコード(参考)】
5B087
5E555
【Fターム(参考)】
5B087AA09
5B087AE09
5B087BC12
5B087BC13
5B087CC00
5B087DD03
5B087DE00
5E555AA63
5E555BA06
5E555BA20
5E555BB06
5E555BB20
5E555BC08
5E555BE17
5E555CA10
5E555CA13
5E555CA44
5E555CB16
5E555CB19
5E555CB21
5E555CB32
5E555CB55
5E555CC22
5E555DA02
5E555DB02
5E555DC76
5E555FA01
(57)【要約】
【課題】画面に表示される視野を変化させるための操作を容易に実現すること
【解決手段】一実施形態におけるプログラムは、仮想空間の一部であって所定の視点から所定の視線方向に見た領域を、携帯装置のディスプレイに表示し記ディスプレイに配置されたタッチセンサに対して第1操作が入力されている間に、携帯装置の挙動に基づいて視点および視線方向を制御することによって前記ディスプレイに表示する前記領域を変更すること、を携帯装置に実行させる。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
仮想空間の一部であって所定の視点から所定の視線方向に見た領域を、携帯装置のディスプレイに表示し、
前記ディスプレイに配置されたタッチセンサに対して第1操作が入力されている間に、前記携帯装置の挙動に基づいて前記視点および視線方向を制御することによって前記ディスプレイに表示する前記領域を変更すること、
を前記携帯装置に実行させるためのプログラム。
【請求項2】
前記第1操作は、前記仮想空間におけるキャラクタを制御するための指示を含む、請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記キャラクタを制御することは、前記キャラクタを前記仮想空間において第1態様により移動させる第1制御を含む、請求項2に記載のプログラム。
【請求項4】
前記キャラクタを制御することは、前記キャラクタを前記仮想空間において前記第1態様とは異なる第2態様で移動させるための動作モードへ移行するための第2制御を含む、請求項3に記載のプログラム。
【請求項5】
前記第1操作は、前記キャラクタを前記第2態様により移動させるための指示を含む、請求項4に記載のプログラム。
【請求項6】
前記第2制御を実行するときの前記視点および前記視線方向の制御範囲は、前記第1制御を実行するときの当該制御範囲とは異なる、請求項4または請求項5に記載のプログラム。
【請求項7】
前記キャラクタが前記第1態様により移動するときには、前記キャラクタの位置または向きに応じて前記視点および前記視線方向が変化し、
前記キャラクタが前記第2態様により移動するときには、前記視線方向が所定の範囲に向くように制御する、請求項4から請求項6のいずれかに記載のプログラム。
【請求項8】
前記タッチセンサに対して入力された第2操作に基づいて前記視点および視線方向を制御することによって、前記ディスプレイに表示する前記領域をさらに変更する、請求項1から請求項7のいずれかに記載のプログラム。
【請求項9】
前記前記タッチセンサは、少なくとも第1領域および第2領域を含み、
前記第1領域において前記第1操作を受け付け、前記第2領域において前記第2操作を受け付ける、請求項8に記載のプログラム。
【請求項10】
前記携帯装置の挙動は、当該携帯装置の傾きの変化を含む、請求項1から請求項9のいずれかに記載のプログラム。
【請求項11】
仮想空間の一部であって所定の視点から所定の視線方向に見た領域を、携帯装置のディスプレイに表示し、
前記ディスプレイに配置されたタッチセンサに対して第1操作が入力されている間に、前記携帯装置の挙動に基づいて前記視点および視線方向を制御することによって前記ディスプレイに表示する前記領域を変更すること、
を含む、視野制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示を制御する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
スマートフォンなどの携帯装置は、タッチセンサが設けられたディスプレイ(タッチパネルという場合がある)を有する。ユーザは、携帯装置のタッチセンサを入力装置とすることによってゲームを楽しむ。携帯装置は、ゲームアプリケーションプログラムを実行することによって、ユーザにゲームを提供することができる。仮想空間におけるキャラクタを操作する要素を含むゲームでは、ディスプレイに表示される画面は、一人称視点による視野を表示したり、またはキャラクタ近傍に設けられた仮想視点による視野を表示したりするものが多い。
【0003】
視野の変化(移動)は、一般的には、キャラクタの移動によって実現される。一方、キャラクタを移動させずに視野を変化させたい場合に、タッチセンサに設定された所定の領域に対する操作によって視野を変化させる技術が、例えば、特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表2020-510272号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の技術によれば、キャラクタを移動させながら視野を変化させようとすると、少なくとも2箇所においてタッチセンサに対する操作を要する。このとき、ユーザは、例えば右手で携帯装置を保持しつつ右手の親指でタッチセンサの1箇所に対して操作し、さらに、左手の指でタッチセンサの他の箇所に対して操作する。すなわち、ユーザは、携帯装置を保持した状態においては、両手でタッチセンサを操作する必要がある。
【0006】
本発明の目的の一つは、画面に表示される視野を変化させるための操作を容易に実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施形態によれば、仮想空間の一部であって所定の視点から所定の視線方向に見た領域を、携帯装置のディスプレイに表示し、前記ディスプレイに配置されたタッチセンサに対して第1操作が入力されている間に、前記携帯装置の挙動に基づいて前記視点および視線方向を制御することによって前記ディスプレイに表示する前記領域を変更すること、を前記携帯装置に実行させるためのプログラムが提供される。
【0008】
前記第1操作は、前記仮想空間におけるキャラクタを制御するための指示を含んでもよい。
【0009】
前記キャラクタを制御することは、前記キャラクタを前記仮想空間において第1態様により移動させる第1制御を含んでもよい。
【0010】
前記キャラクタを制御することは、前記キャラクタを前記仮想空間において前記第1態様とは異なる第2態様で移動させるための動作モードへ移行するための第2制御を含んでもよい。
【0011】
前記第1操作は、前記キャラクタを前記第2態様により移動させるための指示を含んでもよい。
【0012】
前記第2制御を実行するときの前記視点および前記視線方向の制御範囲は、前記第1制御を実行するときの当該制御範囲とは異なってもよい。
【0013】
前記キャラクタが前記第1態様により移動するときには、前記キャラクタの位置または向きに応じて前記視点および前記視線方向が変化し、前記キャラクタが前記第2態様により移動するときには、前記視線方向が所定の範囲に向くように制御してもよい。
【0014】
前記タッチセンサに対して入力された第2操作に基づいて前記視点および視線方向を制御することによって、前記ディスプレイに表示する前記領域をさらに変更してもよい。
【0015】
前記前記タッチセンサは、少なくとも第1領域および第2領域を含んでもよく、前記第1領域において前記第1操作を受け付け、前記第2領域において前記第2操作を受け付けてもよい。
【0016】
前記携帯装置の挙動は、当該携帯装置の傾きの変化を含んでもよい。
【0017】
また、一実施形態によれば、仮想空間の一部であって所定の視点から所定の視線方向に見た領域を、携帯装置のディスプレイに表示し、前記ディスプレイに配置されたタッチセンサに対して第1操作が入力されている間に、前記携帯装置の挙動に基づいて前記視点および視線方向を制御することによって前記ディスプレイに表示する前記領域を変更すること、を含む、視野制御方法が提供される。
【発明の効果】
【0018】
本発明の一実施形態によれば、画面に表示される視野を変化させるための操作を容易に実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】一実施形態における通信システムの構成を示すブロック図である。
図2】一実施形態における通信装置の構成を示すブロック図である。
図3】一実施形態における通信装置の方向変化を説明するための図である。
図4】一実施形態における通信装置の方向変化を説明するための図である。
図5】一実施形態におけるサーバの構成を示すブロック図である。
図6】一実施形態におけるゲーム表示機能を示すブロック図である。
図7】一実施形態におけるゲーム進行制御機能を示すブロック図である。
図8】一実施形態における視野制御方法を示すフローチャートである。
図9】一実施形態における仮想空間における視野制御を説明するための図である。
図10】一実施形態における操作部に対する操作例を示す図である。
図11】一実施形態におけるゲームキャラクタ移動による視野制御例を示す図である。
図12】一実施形態における視線変更指示による視野制御例を示す図である。
図13】一実施形態における特殊モード移行による視野制御例を示す図である。
図14】一実施形態における特殊モードのゲームキャラクタ移動による視野制御例を示す図である。
図15】一実施形態における特殊モードの視線変更指示による視野制御例を示す図である。
図16】一実施形態における特殊モードの視線変更指示による視野制御例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。以下に示す実施形態は本発明の実施形態の一例であって、本発明はこれらの実施形態に限定されない。本実施形態で参照する図面において、同一部分または同様な機能を有する部分には同一の符号または類似の符号(数字の後にA、B等を付しただけの符号)を付し、その繰り返しの説明は省略する場合がある。
【0021】
[通信システムの構成]
図1は、一実施形態における通信システムの構成を示すブロック図である。一実施形態における通信システム1000は、通信装置10およびサーバ50を有するクライアントサーバシステムである。通信装置10およびサーバ50は、インターネット、通信回線などのネットワークNWに接続される。図1において、サーバ50は、単一の装置として記載しているが、互いに協働する複数の装置で構成されていてもよい。
【0022】
クライアントである通信装置10は、例えば、スマートフォンであり、ネットワークNWに接続することによって他の装置と通信することができる。通信装置10は、スマートフォンに限らず、タブレット型端末、携帯ゲーム機等のユーザが保持可能な携帯装置であればよい。
【0023】
通信装置10は、インストールされたゲームプログラムを実行することにより、複数のユーザにより対戦可能なゲームを、サーバ50と連携して通信装置10のユーザに提供する。この例では、仮想空間において移動可能なゲームキャラクタをユーザが操作することによって他のゲームキャラクタと戦闘ができるゲームが、ユーザに提供される。このように、複数のゲームキャラクタが対戦するゲームであることから、複数のゲームキャラクタにそれぞれ対応する複数の通信装置10がサーバ50に接続する。
【0024】
サーバ50は、通信装置10に対して、アプリケーションプログラムを提供したり、各種のサービスを提供したりする情報処理装置の一例である。各種のサービスには、例えば、通信装置10においてオンラインゲームを実行する際におけるログイン処理、同期処理などのサービスが含まれる。そのほか、各種のサービスには、例えば、SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)が含まれていてもよい。
【0025】
アプリケーションプログラムには、例えば、以下に説明するゲームを実行するためのアプリケーションプログラム(ゲームプログラムという)が含まれる。アプリケーションプログラムは、サーバ50が読み取り可能な記録媒体に記録されている。記録媒体は、サーバ50に含まれる記憶装置であってもよいし、サーバ50に接続される記憶装置であってもよいし、サーバ50がネットワークNWを介して接続される記憶装置であってもよい。
【0026】
[通信装置の構成]
図2は、一実施形態における通信装置の構成を示すブロック図である。一実施形態における通信装置10は、制御部11、記憶部12、表示部13、操作部14、センサ部15、撮像部16、位置検出部17および通信部18を含む。通信装置10は、これらの構成のすべてを含むものに限定されない。また、通信装置10は、マイクロフォン、スピーカなど他の構成を含んでもよい。
【0027】
制御部11は、CPU(Central Processing Unit)などのプロセッサ(演算処理回路)およびRAM等の記憶装置を備えるコンピュータの一例である。制御部11は、記憶部12に記憶されたプログラムをプロセッサにより実行して、各種機能を通信装置10において実現させる。通信装置10の各要素から出力される信号は、通信装置10において実現される各種機能によって使用される。制御部11は、ゲームプログラムを実行することによって、ゲームをユーザに提供するときに用いるゲーム表示機能を実現する。
【0028】
記憶部12は、不揮発性メモリ、ハードディスクドライブなどの記憶装置である。記憶部12は、プログラムおよび当該プログラムの実行に必要となるパラメータ等の各種データを記憶する。上述したゲームプログラムは、サーバ50または他のサーバからネットワークNW経由でダウンロードされ、記憶部12に記憶されることによって、通信装置10にインストールされる。ゲームプログラムは、磁気記録媒体、光記録媒体、光磁気記録媒体、半導体メモリ等の記録媒体に記録した状態で提供されてもよい。この場合、通信装置10は、この記録媒体を読み取る装置を備えていればよい。記憶部12も記録媒体の一例である。
【0029】
表示部13は、制御部11の制御に応じて、各種の画面(例えば、ゲーム画面等)を表示する表示領域を有するディスプレイである。表示部13は、例えば、液晶ディスプレイまたは有機ELディスプレイ等の表示装置である。
【0030】
操作部14は、ユーザの操作に応じた信号を制御部11に出力する操作装置である。操作部14は、表示部13の表面に配置されたタッチセンサである。操作部14は、表示部13と組み合わせることによってタッチパネルを構成する。ユーザの指またはスタイラスペン等で操作部14に接触することによって、ユーザの操作に応じた命令または情報が通信装置10へ入力される。操作部14は、通信装置10の筐体に配置されたスイッチを含んでもよい。
【0031】
センサ部15は、通信装置10の動き、通信装置10の周囲の環境などに関する情報を収集して信号に変換する機能を備える装置である。センサ部15は、例えば、加速度センサ、ジャイロセンサ等を含む。制御部11は、センサ部15の出力信号に基づいて、通信装置10の挙動(例えば、傾き、振動など)に関する情報を取得する。センサ部15は、照度センサ、温度センサ、磁気センサその他のセンサを含んでもよい。
【0032】
図3および図4は、一実施形態における通信装置の方向変化を説明するための図である。図3は、通信装置10を正面から見たときの説明図である。このときには、通信装置10の筐体19に対して正面に表示部13が配置される位置関係である。図3に示すように、センサ部15は、筐体19の傾きの変化に応じた信号を出力する。具体的には、センサ部15は、筐体19における左右方向の回転ARH(上下方向を軸とする回転)、および筐体19における上下方向の回転ARV(左右方向を軸とする回転)を示す角度を示す信号を出力する。以下の説明では、この信号によって得られる回転ARH、ARVに関する角度を角度情報という場合がある。
【0033】
図4は、通信装置10を上方から見たときの説明図である。図4に示すように、通信装置10が軸中心に回転するのではなく位置P1から位置P2に移動しながら回転した場合であっても、センサ部15は、位置P1から位置P2に移動したときの回転ARHを示す角度を示す信号を出力することができる。図2に戻って説明を続ける。
【0034】
撮像部16は、撮像対象の像を信号に変換する撮像装置である。通信装置10は、撮像部16から出力された撮像信号に基づいて画像データを生成する。画像データは、静止画像のデータであってもよいし、動画像のデータであってもよい。以下の説明において画像といった場合には、特に断りがない限り、静止画像および動画像のいずれも含む。撮像部16は、一次元コードまたは二次元コードなどの識別コードを読み取るスキャナーとしても機能する。
【0035】
位置検出部17は、位置情報に基づいて通信装置10の位置を検出する。本実施形態の位置検出部17は、GNSS(Global Navigation Satellite System)を用いて通信装置10の位置を検出する。
【0036】
通信部18は、制御部11の制御により、ネットワークNWと接続して、ネットワークNWに接続されたサーバ50など他の装置と情報の送信および受信を行う無線通信モジュールである。通信部18は、赤外線通信、近距離無線通信などを行う通信モジュールを含んでいてもよい。
【0037】
[サーバの構成]
図5は、一実施形態におけるサーバの構成を示すブロック図である。一実施形態におけるサーバ50は、制御部51、記憶部52および通信部53を含む。
【0038】
制御部51は、CPUなどのプロセッサ(演算処理回路)およびRAM等の記憶装置を備えるコンピュータの一例である。制御部51は、記憶部52に記憶されたプログラムをプロセッサにより実行して、各種機能をサーバ50において実現させる。サーバ50の各要素から出力される信号は、サーバ50において実現される各種機能によって使用される。制御部51は、ゲーム提供プログラムを実行することによって、通信装置10に提供するゲームを進行させるためのゲーム進行制御機能を実現する。
【0039】
記憶部52は、不揮発性メモリ、ハードディスクドライブなどの記憶装置である。記憶部52は、プログラムおよび当該プログラムの実行に必要となるパラメータ等の情報を記憶する。プログラムにはゲーム提供プログラムも含まれる。ゲーム提供プログラムも、記憶部52に記憶される。ゲームを提供中に通信装置10から受信した各種データについても記憶部52に記憶される。記憶部52は、通信装置10に提供されるゲームプログラムを記憶してもよい。
【0040】
ゲーム提供プログラムは、他のサーバからネットワークNW経由でダウンロードされ、記憶部52に記憶されることによって、サーバ50にインストールされてもよい。ゲーム提供プログラムは、磁気記録媒体、光記録媒体、光磁気記録媒体、半導体メモリなどのコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録した状態で提供されてもよい。この場合、サーバ50は、この記録媒体を読み取る装置を備えていればよい。記憶部52も記録媒体の一例である。
【0041】
通信部53は、制御部51の制御により、ネットワークNWと接続して、ネットワークNWに接続された通信装置10、他のサーバなど、他の装置と情報の送信および受信を行う無線通信モジュールである。他のサーバとしては、例えば、ゲームサーバ、SNSサーバ、メールサーバなどである。
【0042】
[ゲーム表示機能]
ゲームは、ゲーム表示機能およびゲーム進行制御機能によって、ユーザに提供される。まず、ゲーム表示機能について説明する。ゲーム表示機能は、通信装置10の制御部11がゲームプログラムを実行することによって実現される。以下に説明するゲーム表示機能を実現するための構成の一部または全部がハードウエアによって実現されてもよい。
【0043】
図6は、一実施形態におけるゲーム表示機能を示すブロック図である。一実施形態におけるゲーム表示機能100は、ゲーム操作取得部101、操作データ送信部103、制御データ受信部105、ゲームデータ記憶領域107、および表示データ生成部109を含む。
【0044】
ゲーム操作取得部101は、ユーザによって操作部14に入力された操作のうち、ゲーム操作を取得する。ゲーム操作は、ユーザによって操作部14に入力された操作のうち、ゲームに関する操作であって、例えば、ゲームキャラクタの移動、パラメータの指定等を含む。
【0045】
操作データ送信部103は、ゲーム操作取得部101によって取得されたゲーム操作を示す操作データを生成して、通信部18を介してサーバ50に送信する。
【0046】
制御データ受信部105は、制御データをサーバ50から通信部18を介して受信する。制御データは、各通信装置10から送信された操作データに基づいてサーバ50が生成するデータである。
【0047】
ゲームデータ記憶領域107は、ゲーム画面を表示するために必要なデータ(例えば、画像データ等)を記憶する領域である。
【0048】
表示データ生成部109は、ゲーム操作取得部101によって取得されたゲーム操作および制御データ受信部105によって受信された制御データに基づいて、ゲーム画面を表示部13に表示するための表示データを生成する。このとき、表示データ生成部109は、必要に応じてゲームデータ記憶領域107に記憶されたデータを用いる。ゲーム操作に基づくゲーム画面への処理は、例えば、後述する視野制御処理を含む。
【0049】
ゲーム操作がゲーム画面上に表示される設定画面等における操作のように、ゲームキャラクタを移動させる操作とは別の操作を示す場合などにおいて、表示データ生成部109は、ゲーム操作に基づく表示データを制御データとは関係なく生成する場合もある。
【0050】
[ゲーム進行制御機能]
続いて、ゲーム進行制御機能について説明する。ゲーム進行制御機能は、サーバ50の制御部51がゲーム提供プログラムを実行することによって実現される。以下に説明するゲーム進行制御機能を実現するための構成の一部または全部がハードウエアによって実現されてもよい。
【0051】
図7は、本発明の一実施形態におけるゲーム進行制御機能を示すブロック図である。一実施形態におけるゲーム進行制御機能500は、操作データ受信部501、処理実行部503および制御データ送信部505を含む。
【0052】
操作データ受信部501は、複数の通信装置10から送信された操作データを受信する。これらの操作データは、送信元の通信装置10に対応するゲームキャラクタに関連付けられる。通信装置10に対応するゲームキャラクタは、通信装置10を介してログインしたユーザに割り当てられ、ユーザによって操作可能なゲームキャラクタである。
【0053】
処理実行部503は、操作データ受信部501が受信した操作データに基づいて、この操作データに対応するゲームキャラクタの動作を、仮想空間において制御するためのステータスデータを生成する。
【0054】
ステータスデータは、例えば、ゲームキャラクタに関して、仮想空間における座標、向き、動き、その他さまざまな状態を規定する。ゲームキャラクタの動作は、ステータスデータに規定される状態になるように制御される。ステータスデータは、ユーザが操作するゲームキャラクタの状態を規定する場合に限らず、仮想空間における様々なオブジェクトの状態を規定する場合もある。ここでいうオブジェクトとは、例えば、ゲームの進行(時間経過またはゲームキャラクタの動作の結果)に伴って状態が変化するものを含み、ゲームの進行において状態が全く変化しないものは含まれなくてもよい。以下の説明では、ゲームキャラクタとオブジェクトとを総称して単にキャラクタという場合がある。
【0055】
処理実行部503は、各キャラクタに対応して生成したステータスデータを制御データ送信部505に提供する。
【0056】
制御データ送信部505は、複数の通信装置10のそれぞれに対して、通信部58を介して、所定時間毎にステータスデータを含む制御データを送信する。
【0057】
このように、ゲーム表示機能100およびゲーム進行制御機能500によって、ゲームがユーザに提供される。
【0058】
[視野制御方法]
続いて、ゲーム表示機能100により実行される視野制御処理(視野制御方法)について説明する。通信装置10(ゲーム表示機能100)は、ゲームが開始されると、視野制御処理を開始する。
【0059】
図8は、一実施形態における視野制御方法を示すフローチャートである。通信装置10は、ゲーム画面を表示し、ゲーム操作および制御データに基づいてゲーム画面を制御する(ステップS100)。ゲーム画面は、仮想空間の一部となる領域(視野)を含む。視野は、仮想空間に設定された視点と視線方向によって定義される。
【0060】
図9は、一実施形態における仮想空間における視野制御を説明するための図である。視野VAは、仮想空間VSの一部の領域であって、視点VPから視線方向VDに沿って仮想空間VS内を見たときに、表示部13にゲーム画面として表示される領域に対応する(図10参照)。ゲームキャラクタCH1は、通信装置10のユーザによって操作されるゲームキャラクタである。ゲームキャラクタCH2は、このユーザ以外のユーザによって操作されるゲームキャラクタまたは所定のアルゴリズムにしたがってサーバ50によって制御されるゲームキャラクタである。
【0061】
キャラクタ基準点VCは、通信装置10のユーザによって操作されるゲームキャラクタCH1の位置に対して連動する位置として定義される。例えば、キャラクタ基準点VCは、ゲームキャラクタCH1の頭部中心であってもよいし、この頭部中心から所定の方向に所定距離ずれることで、ゲームキャラクタCH1の外側の位置であってもよい。
【0062】
キャラクタ方向DCは、ゲームキャラクタCH1の正面方向に対応する。視点VPは、ゲームキャラクタCH1の後方に設定され、詳細には、キャラクタ基準点VCに対してキャラクタ方向DCとは反対側に設定される。視点VPとキャラクタ基準点VCとの距離は予め設定されている。
【0063】
視線方向VDは、視点VPからキャラクタ基準点VCへの方向に対応する。視点VPは、キャラクタ基準点VCを中心に上下左右に移動する。以下の説明では、上下左右の向きは、視点VPからキャラクタ基準点VCを見た状態における向きとして定義される。
【0064】
視点VPが上方向D1に移動すると、視線方向VDが下側に傾くため視野VAは下側に変化する。視点VPが下方向D2に移動すると、視線方向VDが上側に傾くため視野VAは上側に変化する。視点VPが左方向D3に移動すると、視線方向VDが右に傾くため視野VAは右側に変化する。視点VPが右方向D4に移動すると、視線方向VDが左に傾くため視野VAは左側に変化する。
【0065】
視野VAの制御、すなわち、視点VPおよび視線方向VDの制御は、この例では3種類の制御を含む。まず、第1視野制御は、ゲームキャラクタCH1の移動に伴う制御である。この制御によれば、移動方向に対応するキャラクタ方向DCと視線方向VDとが同じになるように、視点VPが制御される。
【0066】
第2視野制御は、通信装置10の挙動に基づく制御である。通信装置10の挙動は、この例では、筐体19の回転による角度情報によって表される。したがって、第2視野制御は、角度情報に基づく制御ともいえる。第2視野制御は、この例では、操作部14に対して特定の操作(後述する第1操作)が入力された場合に実行される。第3視野制御は、操作部14に対する操作(後述する第2操作)に基づく制御である。
【0067】
第2視野制御および第3視野制御によれば、ゲームキャラクタCH1が移動していたとしても、その移動方向とは関係なく視点VPが制御される。これにより、視点VPの変化に伴い視線方向VDが変化するため、この視線方向VDとキャラクタ方向DCとが同じになるように、ゲームキャラクタCH1の向き(キャラクタ方向DC)が制御される。この結果、ゲームキャラクタCH1が移動している場合には、移動方向とキャラクタ方向DCとが異なる場合もある。
【0068】
第2視野制御および第3視野制御において、視線方向VDが変化してもキャラクタ方向DCが変わらないように制御されてもよい。特定の条件の下においてのみ、キャラクタ方向DCが変わらないように制御されてもよい。この場合には、視線方向VDとキャラクタ方向DCとが同じにならない場合がある。図8に戻って説明を続ける。
【0069】
通信装置10は、第1操作、第2操作およびゲーム終了指示のいずれかが操作部14に入力されるまで、ゲーム画面の表示を制御する(ステップS100、S200;No、S300;No、S400;No)。ゲーム終了指示が操作部14に入力された場合(ステップS400;Yes)には、通信装置10は、視野制御処理を終了する。続いて、第1操作および第2操作について説明する。
【0070】
図10は、一実施形態における操作部に対する操作例を示す図である。図10に示すように、表示部13に表示されるゲーム画面は、仮想空間VSにおける視野VAに対応する領域を含む。操作部14(タッチセンサ)に対する操作を受け付ける領域(以下、操作領域という)は、表示部13と同じ領域に配置されている。操作領域は、第1領域TA1と第2領域TA2とを含む。
【0071】
第1領域TA1は、この例では、ゲームキャラクタCH1が表示される領域と一部が重畳する位置に配置された半円形の領域である。第1領域TA1は、ゲームキャラクタCH1に対する制御のための操作を受け付ける領域である。操作の起点が第1領域TA1に含まれていれば、ゲームキャラクタCH1に対する制御のための操作として認識される。第2領域TA2は、この例では四角形状の領域である。第2領域TA2は、第1領域TA1とは異なる領域に配置されていればよく、第1領域TA1以外の全ての領域としてもよい。
【0072】
第1領域TA1の位置TP1を起点として位置TP2までスライドさせる操作が入力された場合、位置TP1から位置TP2の方向にゲームキャラクタCH1が移動する。操作の起点が第1領域TA1であれば、操作中に第2領域TA2に侵入したり操作の終点が第2領域TA2であったりしても、ゲームキャラクタCH1に対する制御のための操作として認識される。この例では、ゲームキャラクタCH1をゲームキャラクタCH2に向かって移動させるための操作に対応する。この操作は、この例では、第1操作および第2操作のいずれにも該当しない。
【0073】
図11は、一実施形態におけるゲームキャラクタ移動による視野制御例を示す図である。位置TP1から位置TP2までスライドさせた操作に応じてゲームキャラクタCH1がゲームキャラクタCH2に向かって移動すると、ゲームキャラクタCH1の移動に伴って視野VAが変化する。ゲームキャラクタCH1の移動に伴う視野制御は、上述した第1視野制御に相当し、ゲームキャラクタCH1がゲームキャラクタCH2に向かって移動していくと、図11に示すように、ゲーム画面(視野VA)の中心近傍にゲームキャラクタCH2が配置される状況になる。
【0074】
図10に示すように、第2領域TA2の位置TP3を起点として位置TP4までスライドさせた操作が入力された場合、通信装置10は、操作部14に入力された操作が第2操作であることを検出し(図8、ステップS300;Yes)、第2操作に基づいて視野制御を行う(図8、ステップS350)。操作の起点が第2領域TA2に含まれていれば、操作中に第1領域TA1に侵入したり操作の終点が第1領域TA1であったりしても、第2操作として検出される。第2操作は、第2領域TA2に対する操作である。この視野制御は、上述した第3視野制御に相当する。
【0075】
図12は、一実施形態における視線変更指示による視野制御例を示す図である。位置TP3から位置TP4までスライドさせた操作が入力されると、通信装置10は、この操作を視線変更指示として認識する。通信装置10は、位置TP3から位置TP4へのスライド方向(二点鎖線で示す矢印の方向)に沿って、ゲーム画面をスクロールさせる。視野VAとしてはこの矢印と反対方向に変化していることになる。これとは逆に、位置TP3から位置TP4へのスライド方向に視野VAが変化するようにしてもよい。スライド方向が仮想空間VSに対して水平方向ではなかったとしても、この例では、スライド方向の水平方向成分の向きに対応して視野VAは水平方向に変化する。視野VAは、位置TP3からのスライド量に応じて変化していく。
【0076】
図10に示すように、第1領域TA1(例えば位置TP5)において所定時間の操作(以下、長押し操作という)が入力された場合、通信装置10は、操作部14に入力された操作が第1操作であることを検出し(図8、ステップS200;Yes)、角度情報に基づいて視野制御を行う(図8、ステップS250)。第1操作は、第1領域TA1に対する長押し操作である。この視野制御は、上述した第2視野制御に相当する。
【0077】
通信装置10は、第1領域TA1に対する長押し操作により、第2視野制御とは別に、ゲームキャラクタCH1の動作モードを特殊モードに移行する制御も並行して実行する。この例では特殊モードは、他のゲームキャラクタを狙撃するモードである。特殊モードに移行する前の動作モードは、以下、通常モードという。長押し操作が解除(操作部14に対する操作が解除)されると、特殊モードが解除されて通常モードに戻る。
【0078】
図13は、一実施形態における特殊モード移行による視野制御例を示す図である。特殊モードへ移行すると、図13に示すように、ライフル等の武器の照準器をイメージしたターゲットマーカTMをゲーム画面の予め決められた位置に表示する。さらに、所定の条件を満たすゲームキャラクタがターゲットマーカTMの位置に重畳するように視野VAが変化する。所定の条件を満たすゲームキャラクタは、例えば、ゲーム画面中心からの距離、ゲームキャラクタCH1からの距離、ゲームキャラクタCH1の属性(キャラクタの状況、予め決められた設定値等)との関係、またはこれらの組み合わせ等をパラメータとした条件に応じて決められたキャラクタである。これに伴い視線方向VDが変更されることによって、視野VAが変化する。このとき、キャラクタ方向DCもターゲットマーカTMに重畳するゲームキャラクタを向くように制御される。すなわち、キャラクタ方向DCと視線方向VDとが連動する。ターゲットマーカTMに重畳するゲームキャラクタが移動した場合には、ターゲットマーカTMは、そのゲームキャラクタに追従して動くようにしてもよいし、追従しないようにしてもよい。
【0079】
さらに、この例では、通信装置10は、図9における視点VPとキャラクタ基準点VCとの位置をゲームキャラクタCH1の右側に移動させている。すなわち、キャラクタ基準点VCは、キャラクタCH1の頭部の位置ではなく、キャラクタCH1の右側の空間に移動する。図9における視野VAの領域を狭くしてゲーム画面に表示することによって、例えば、ターゲットマーカTMの近傍を拡大して表示されるようにしてもよい。
【0080】
特殊モードでは、さらに長押し操作から連続して(指を離さずに)他の位置(位置TP5以外の位置)にスライドして移動させることによって、例えば、ゲームキャラクタCH1を移動させることもできる。特殊モードにおけるゲームキャラクタCH1の移動態様と、通常モードにおけるゲームキャラクタCH1の移動態様とは異なる。
【0081】
図14は、一実施形態における特殊モードのゲームキャラクタ移動による視野制御例を示す図である。この例では、長押し操作の位置TP5から右側にスライド操作がされた例を示している。この特殊モードでは、ゲームキャラクタCH1は、例えば、ターゲットマーカTMが重畳するゲームキャラクタCH2の方向に視線方向VDを固定したまま、また、その視線方向VDとキャラクタ方向DCとを連動させつつ、スライド操作がされた方向(二点鎖線で示す矢印の方向)に移動する。このとき表示部13におけるゲームキャラクタCH1の表示位置はほぼ固定され、ゲームキャラクタCH1近傍の背景は右から左に向かってスクロールしていく。すなわち、特殊モードにおいてゲームキャラクタCH1が移動するときには、視線方向VDが所定の範囲(この例ではゲームキャラクタCH2の近傍)に向くように制御される。
【0082】
特殊モードにおける移動速度は、通常モードにおける移動速度より遅くなるように制御されてもよいし、速くなるように制御されてもよい。通常モードから特殊モードへの移行により、移動速度の制御以外にも、様々な要素が制御されてもよい。制御対象としては、例えば、ゲームキャラクタCH1の外観の変更、移動方法の変更(例えば徒歩と浮揚等)、ゲームキャラクタCH1の分身生成、ステータス変化(例えば攻撃力の増加、体力回復など)、攻撃方法変化(例えば単発的な攻撃から継続的な攻撃)、攻撃の種類(例えば、ゲームキャラクタCH1自身に触れたゲームキャラクタにダメージを与える攻撃)の変更または追加などが例示される。特殊モードで動作するゲームキャラクタCH1に関連するゲームキャラクタの状態が変化するようにしてもよい。ゲームキャラクタCH1に関連する他のゲームキャラクタは、例えば、ゲームキャラクタCH1の位置に基づいて決められる所定範囲に存在する他のゲームキャラクタであってもよいし、ゲームキャラクタCH1と特定の関連性を有する属性が付与された他のゲームキャラクタであってもよい。
【0083】
このような特殊モードにおいて、通信装置10は、筐体19の回転ARHに関する角度情報に応じて視野VAを制御する。ここでは、通信装置10は、角度情報に応じて視線方向VDを変化させる。
【0084】
図15は、一実施形態における特殊モードの視線変更指示による視野制御例を示す図である。特殊モードにおいて、図4に示す位置P1から位置P2に示すように筐体19が回転されると、通信装置10は、この回転を視線変更指示として認識する。通信装置10は、回転ARHの向き(左右方向)およびその量に応じて、視野VAを変化させる。図4に示す位置P1から位置P2に筐体19を回転させることで、視線方向VDが右側に向くように視野VAを変化させると、二点鎖線で示す矢印の方向にゲーム画面がスクロールする。このとき、キャラクタ方向DCも視線方向VDに連動する。視野VAとしてはこの矢印と反対方向に変化していることになる。視野VAは、回転ARHの量に応じて変化していく。このとき、ターゲットマーカTMの表示位置は変化しないため、ターゲットマーカTMがゲームキャラクタCH2から離れていく。このような制御においても、上述したように、視点VPがキャラクタ基準点VCに対してキャラクタ方向DCとは反対側に設定される状態が維持されるため、ゲームキャラクタCH1(キャラクタ基準点VC)の位置が変わらなくても、仮想空間VSにおける視点VPおよび視線方向VDが変化するように制御される。
【0085】
視線方向VDの回転角度は、回転ARHの角度と同じように制御されてもよいし、異なるように制御されてもよい。視線方向VDの回転角度が回転ARHの角度とは異なるように制御される場合には、例えば、筐体19の回転速度が速いほど視線方向VDの回転角度が大きくなるように制御されてもよい。視線方向VDの回転角度が、回転ARHの角度に所定値を乗じた角度であってもよい。所定値は、例えば1より大きく設定されてもよい。所定値が2であれば、回転ARHが90度であるときに、視線方向VDの回転角度を180度とすることができる。これにより、筐体19の回転に対して視野VAを大きく変化させることができる。所定値が1より小さく設定すれば、筐体19の回転に対して視野VAを細かく変化させることもできる。これらの様々な制御のうち、適用される制御は、予め設定されていてもよいし、ゲームキャラクタCH1の属性によって設定されていてもよい。複数種類の操作が第1操作として検出される場合には、操作の種類に応じて適用される制御が変更されてもよい。
【0086】
通信装置10は、特殊モードにおいて、第2操作を検出した場合(ステップS300)には、上述したようにステップS350の処理、すなわち、第2操作に基づく視野制御(第3視野制御)を実行する。通信装置10は、この例では、通常モードでは、第1視野制御と第3視野制御とを実行することができ、特殊モードでは、第2視野制御と第3視野制御を実行することができる。特殊モードが解除されて通常モードに戻るときには、特殊モードに移行する直前の視野VAがゲーム画面に適用されるのではなく、通常モードに戻る直前におけるキャラクタ方向DCおよびキャラクタ方向DCに対応した視線方向VDの視野VAがゲーム画面に適用される。
【0087】
この例では、角度情報に基づく視野制御(第2視野制御)においては、筐体19が回転ARVの向きに回転した場合にも視野VAが変化する。
【0088】
図16は、一実施形態における特殊モードの視線変更指示による視野制御例を示す図である。通信装置10は、回転ARVの向き(上下方向)およびその量に応じて、視野を変化させる。筐体19を下側に向けるように回転(筐体19の上部を奥側に傾けて表示部13が上方に向くように回転)すると、通信装置10は、この回転を視線変更指示として認識し、視線方向VDが下側に向くように視野VAを変化させる。図16に示すように、二点鎖線で示す矢印の方向にゲーム画面がスクロールする。視野としてはこの矢印と反対方向に変化していることになる。視野VAは、回転ARVの量に応じて変化していく。このとき、ターゲットマーカTMの表示位置は変化しないため、ターゲットマーカTMがゲームキャラクタCH2から離れていく。
【0089】
さらに、通信装置10は、キャラクタ方向DCを下側に向けることにより、少し前屈みになって下側を向く姿勢としつつ、ライフルを下側に傾けたゲームキャラクタCH1を表示してもよい。筐体19を上側に向けるように回転するときには、通信装置10は、視線方向VDが上側に向くように視野VAが変化し、さらにキャラクタ方向DCを上側に向けることにより、少し顔を上げて見上げる姿勢としつつ、ライフルを上側に傾けたゲームキャラクタCH1を表示してもよい。
【0090】
上述のように、筐体19を傾けて仮想空間VSにおけるターゲットマーカTMの方向を変更することで、攻撃対象のゲームキャラクタを変更することができる。攻撃対象のゲームキャラクタをロックオンする処理が含まれる場合には、ロックオンの対象を変更することができる。ターゲットマーカTMに向けて爆弾を投げるような攻撃方法(重力の影響を受けて放物軌道によって攻撃に用いるものを移動させる攻撃)が採用される場合には、例えば、筐体19を上下方向へ傾けることによって、爆弾の軌道を変えることによって到達地点を異ならせることもできる。
【0091】
特殊モードが解除されて通常モードに戻るときにおいて、上下方向へ視線方向VDが変化している場合には、通常モードにおける視線方向VDの制御範囲に戻るようにゲーム画面に表示される視野VAが制御されてもよい。この場合には、徐々に戻ってもよい(連続的な視野変化)し、段階的に戻ってもよい(1以上の不連続な視野変化)。
【0092】
特殊モードが解除されて通常モードに戻るときにおいて、上下方向へ視線方向VDが変化していたとしても、左右方向に視野方向VDが変化した場合と同様に、通常モードに戻る直前におけるキャラクタ方向DCおよびキャラクタ方向DCに対応した視線方向VDの視野VAがゲーム画面に適用され、その後の所定の操作によって通常モードにおける視線方向VDの制御範囲に戻るように制御されてもよい。
【0093】
このような制御によって、通常モードでは適用されない視野を実現するための動作モードとして特殊モードを利用することができる。このように特殊モードが視野の制御範囲を拡張するモードとして動作することによって、通常モードでは見ることができない場所を見ることができるようになる。このような用途を目的とすれば、特殊モードは、上述したような他のゲームキャラクタを狙撃するモードとして動作しなくてもよい。
【0094】
このように、通常モードで実行可能な第3視野制御では、視線方向VDを左右のみの移動に限定しているが、特殊モードで実行可能な第2視野制御および第3視野制御では、視線方向VDを上下左右に移動できる。したがって、通常モードの視野VA(視点VPおよび視線方向VD)の制御範囲は、特殊モードにおける制御範囲とは異なる。
【0095】
通常モードでは、ゲームキャラクタCH1を移動させることを主な目的としたモードである。ゲームキャラクタCH1を移動している状況では、経験上、ユーザは左右の視野変化には違和感なく対応することができるが、上下の視野変化には違和感を生じて対応できずに気分が悪くなる場合がある。視野VAの制御範囲を通常モードにおいて左右方向に制限することにより、ユーザに生じる違和感を低減することもできる。以上が、視野制御処理についての説明である。
【0096】
このように、通信装置10は、特殊モードに移行した後およびそのモードでのゲームキャラクタの移動において、通信装置10(筐体19)の挙動に応じて視野VAを変更することができる。したがって、ユーザは、ゲーム操作において通信装置10を傾けることによってゲーム画面の視野VAを変化させることができる。このように視野VAを変化させることができるため、ユーザは、操作部14(タッチセンサ)への操作を行いながら通信装置10を傾けるという行為を、通信装置10を保持する片手のみでも行うことができる。また、操作部14に特定の操作が入力されている場合以外は、通信装置10を傾けても視野VAが変わらないため、ゲーム中に意図せず視野VAが変わってしまうことを防ぐこともできる。
【0097】
<変形例>
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明の一実施形態は、以下のように様々な形態に変形することもできる。また、上述した実施形態および以下に説明する変形例とは、矛盾を生じない限り、それぞれ互いに組み合わせて適用することもできる。さらに、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
【0098】
(1)上述したように、通信装置10において実現されるゲーム表示機能およびサーバ50において実現されるゲーム進行制御機能によって、ゲームがユーザに提供される。ゲーム表示機能の一部がサーバ50において実現されてもよい。例えば、ゲーム表示機能のうち、制御データ受信部105、ゲームデータ記憶領域107および表示データ生成部109がサーバ50において実現されてもよい。この場合、通信装置10は、サーバ50から表示データを受信して、表示データに基づいて表示部13に表示すればよい。
【0099】
(2)上述した実施形態では、第1領域TA1を起点としたスライド操作が入力された場合、ゲームキャラクタCH1の移動に伴う視野制御(第1視野制御)が実行される。このようなスライド操作が第1操作としても検出されることにより、ゲームキャラクタCH1の移動に角度情報に基づく視野制御(第2視野制御)が実行されるようにしてもよい。このように、第1操作は、ゲームキャラクタCH1を制御するための指示に対応すれば、他の操作であってもよいし、複数種類の操作が含まれていてもよい。これとは逆に、操作部14(タッチセンサ)への操作であれば、必ずしもゲームキャラクタCH1を制御する指示に対応していなくてもよい。
【0100】
このように、第1操作において長押し操作以外の操作を含む場合には、特殊モードに移行しない場合がある。この場合には、例えば、回転ARHに対応する視野制御のみ有効とし、回転ARVに対応する視野制御を無効にすることで、視線方向VDの制御範囲を左右に限定してもよいし、特殊モードと同様に視線方向VDを制御してもよい。
【0101】
(3)上述した実施形態では、仮想空間VSにおいてゲームキャラクタCH1の近傍に1つの視点VPを設定し、その視点VPが移動することによって視野VAが変化する。すなわち、1つのゲームキャラクタCH1に対して、1つの仮想カメラが仮想空間VSに設定されている。一方、1つのゲームキャラクタCH1に対して複数の仮想カメラ(複数の視点VP)が仮想空間VSに設定されていてもよい。例えば、通常モードで使用される仮想カメラおよび特殊モードで使用される仮想カメラを設定することによって、動作モードが切り替わったときに、動作モードに応じた仮想カメラにより視野制御がされてもよい。視野制御の種類毎に仮想カメラが設定されてもよい。
【符号の説明】
【0102】
10…通信装置、11…制御部、12…記憶部、13…表示部、14…操作部、15…センサ部、16…撮像部、17…位置検出部、18…通信部、50…サーバ、51…制御部、52…記憶部、58…通信部、100…ゲーム表示機能、101ゲーム操作取得部、103…操作データ送信部、105…制御データ受信部、107…ゲームデータ記憶領域、109…表示データ生成部、500…ゲーム進行制御機能、501…操作データ受信部、503…処理実行部、505…制御データ送信部、1000…通信システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
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