(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022062697
(43)【公開日】2022-04-20
(54)【発明の名称】隣接した火格子バーを共に保持する方法、ならびに火格子バーの配置
(51)【国際特許分類】
F23H 17/10 20060101AFI20220413BHJP
【FI】
F23H17/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021165163
(22)【出願日】2021-10-07
(31)【優先権主張番号】10 2020 006 197.4
(32)【優先日】2020-10-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(31)【優先権主張番号】10 2020 006 801.4
(32)【優先日】2020-11-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(71)【出願人】
【識別番号】517182354
【氏名又は名称】マーティン ゲーエムベーハー フューア ウンヴェルト―ウント エネルギーテクニック
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】パップ,ヘルムート
(72)【発明者】
【氏名】マーティン,ウルリッヒ
(72)【発明者】
【氏名】ハーネンカンプ,アクセル
(57)【要約】 (修正有)
【課題】隣接した火格子バーを共に保持することをより容易にする、火格子バーの配置を提案すること。火格子バーの配置は、好ましくは、欠陥のある火格子バーの交換も、より容易にするのが望ましい。
【解決手段】火格子カバー2として形成された上側を有する、隣接した火格子バーを共に保持するための方法において、これら火格子バーはホルダ9を用いて共に押圧され、このホルダは、火格子バーの上側における凹部8を通して操作される。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
火格子カバー(18)として形成された上側(3)を有し、そこで火格子バー(2、12)がホルダ(9)を用いて共に押圧され、隣接した前記火格子バー(2、12)を共に保持するための方法であって、前記ホルダ(9)は、前記火格子バー(2、12)の前記上側(3)における凹部(7、8、13、14)を通して操作され、前記凹部(7、8、13、14)はカバー(15)によって覆われることを特徴とする、方法。
【請求項2】
前記火格子バー(2、12)は、前記上側(3)から共にネジ止めされることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
凹部(7、8、13、14)は、火格子バー(2、12)の長手方向(19、20)の両側に設けられ、それを通して、上方からネジ継手(10)を挿入して締め付けることができることを特徴とする、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記凹部(7、8、13、14)のサイズは、レンチをネジ頭(22)に適用でき、かつ別のレンチをナット(23)に適用して締め付けることができるよう選択されることを特徴とする、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記凹部(7、8、13、14)は、プレート(16)で覆われることを特徴とする、請求項1~4のうちいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記プレート(16)は、前記ホルダ(9)の一部であるか、または前記ホルダの上方に別個の部品として配置されることを特徴とする、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記プレート(16)は前記凹部(7、8、13、14)を覆い、それによって前記火格子の前記上側は可能な限り平坦となることを特徴とする、請求項5または6に記載の方法。
【請求項8】
前記カバー(15)は、プレート(16)と、前記プレート(16)を固定する楔(17)とを有することを特徴とする、請求項5~7のうちいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記プレート(16)は前記楔(17)に溶接されることを特徴とする、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
火格子カバー(18)として形成された上側(3)を有する火格子バー(2、12)と、隣接した火格子バー(2、12)を共に保持するためのホルダ(9)と、を有する火格子バーの配置であって、前記火格子バー(2、12)の前記上側(3)が凹部(7、8、13、14)を有すること、及びカバー(15)を有することを特徴とする、火格子バーの配置。
【請求項11】
前記ホルダ(9)はネジ接続(10)を有することを特徴とする、請求項10に記載の火格子バーの配置。
【請求項12】
前記ホルダ(9)は締付具(30、40)を有することを特徴とする、請求項10または11に記載の火格子バーの配置。
【請求項13】
前記ホルダ(9)または前記ホルダ(9)の要素(43、44、53、54)は、前記火格子バー(2、12)よりも小さい熱膨張率を有することを特徴とする、請求項10~12のうちいずれか一項に記載の火格子バーの配置。
【請求項14】
前記ホルダ(9)は、接続要素(56)及び締付要素(57、58)を有し、前記接続要素(56)及び締付要素(57、58)は、異なる熱膨張率を有することを特徴とする、請求項10~13のうちいずれか一項に記載の火格子バーの配置。
【請求項15】
前記ホルダ(9)よりも大きい熱膨張率を有する要素(43、44、53、54)は、前記ホルダ(9)と前記火格子バー(2、12)との間に配置されることを特徴とする、請求項10~14のうちいずれか一項に記載の火格子バーの配置。
【請求項16】
前記カバー(15)は、火格子バー(2、12)の上側(3)の下で側方に係合するための、アンダーカット(24、25)を有することを特徴とする、請求項10~15のうちいずれか一項に記載の火格子バーの配置。
【請求項17】
前記カバーは、前記ホルダ(9)または前記ホルダ(9)の一部に接続されることを特徴とする、請求項10または16に記載の火格子バーの配置。
【請求項18】
1つのみのホルダ(9)が、隣接した火格子バー(2、12)を保持するために、2つの火格子バー(2、12)の間に配置されることを特徴とする、請求項10~17のうちいずれか一項に記載の火格子バーの配置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、隣接した火格子バーを共に保持するための方法に関し、これらの火格子バーは火格子として形成された上側を有し、そこで火格子バーはホルダを用いて共に押圧される。加えて本発明は、火格子として形成された上側を有する火格子バー、及び隣接した火格子バーを共に保持するためのホルダ、を有する火格子バーの配置に関する。
【背景技術】
【0002】
火格子バーは、特に廃棄物焼却炉などの焼却炉に使用され、多くの火格子バーが、燃焼材料が上で燃やされる火格子カバーを形成する。このカバーは一般に、開口部が設けられた表面である。この開口部は、燃焼のために必要な空気(一次空気)を供給するために役立つ。燃料の循環のために必要な動き(ストーキング)は、火格子を動かすことによって、より大きい火格子の発火システムのために自動的に行なわれる。
【0003】
詳細には、本発明は、傾斜火格子/移動火格子に関する。このような火格子は、一般的に0~30°、例えば24°または26°の斜面を伴う平坦な段のように見える。燃料は、動く火格子ステップによって火格子の上を動かされ、それによって燃料を搬送する。火格子バーの動く方向に依拠して、傾斜火格子は、プッシャ火格子または往復火格子とも呼ばれる(しかし両方の場合、燃料は前方へ動かされる)。
【0004】
傾斜火格子は、例えば家庭用及び商業廃棄物、バイオマス、廃棄木材、処理済廃棄物、または褐炭(現在では稀)などの粗い高灰燃料のために使用され、それらは改善されたストーキングを必要とする。
【0005】
傾斜火格子は、複数の火格子バーを有し、それらは互いに堅固に接続され得るか、または燃焼材料を火格子上で動かすために互いに対して可動である。
【0006】
このような火格子バーは、一般的に空気供給のための開口部を有する。このために、火格子バーの側壁に凹部が設けられるか、または開口部が、火格子バーの上側及び/または前側に設けられ、それらは、火格子バーの下側に搬入された空気が、火格子バー間を通るか、または火格子バーを通過して燃焼床に至るのを可能にする。
【0007】
本発明は詳細には、いくつかの火格子バーが横並びに配置された、火格子バーの配置に関する。隣接した火格子バーは、個々の火格子ステップを形成し、それは共に火格子カバーを形成する。1つの火格子ステップは、別の火格子ステップから僅かにずれてよい。横断方向に互いに隣接した火格子バーは、それらが互いに対して可動となるか、または堅固に接続されるよう、配置することができる。
【0008】
燃焼材料をストーキング及び搬送するために、このような火格子ステップを動かすとき、比較的大きい力が生成され、それは、互いに対する個々の火格子バーの位置にも影響を与える場合がある。それは、火格子バーが横に動かされ、隣接した火格子バー間に隙間を作り出す場合である。
【0009】
火格子バーを、動作中に互いに対して平行かつ隣接させ続けるために、火格子バーを、ホルダを用いて互いに対して接続することができる。これらは一般的にネジ接続であり、それを用いて隣接した火格子バーは互いに押圧される。
【0010】
この接続は、動作期間中に損傷した個々の火格子バーを、火格子ステップ全体を交換する必要なく交換することができるよう、取り外し可能に設計される。この目的のため、火格子バーの下側、すなわち燃焼チャンバ及び燃焼材料の反対側において、隣接した火格子バーが、ホルダを用いて互いに装着されるのを可能にする構造物が、火格子バーの上に設けられる。
【0011】
これらのホルダは、火格子カバー上の可燃材料の燃焼からの有害な温度、及び腐食の影響から防護するために、火格子バーの下方に配置される。
【0012】
詳細には、ネジ接続を使用する、隣接した火格子バーの装着は複雑である。なぜなら、火格子の下方における狭い空間で、ナットをネジに対して捩じ込む必要があり、同時に、ネジが確実に抜け落ちないようにしなければならないからである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
したがって本発明の目標は、一般的な方法をさらに発展させ、隣接した火格子バーを共に保持することをより容易にする、火格子バーの配置を提案することである。火格子バーの配置は、好ましくは、欠陥のある火格子バーの交換も、より容易にするのが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0014】
この目標は、特許請求項1の特徴を有する方法を用いて実現される。特許請求項10は、本発明による火格子バーの配置を記載する。
【0015】
有利な別の改善は、従属請求項の主題である。
【0016】
本発明によると、火格子バーの上側における凹部を通して、ホルダを操作することが提案される。これは、ホルダを、火格子バーの上側の下方に配置し続けるのを可能にする。しかし操作は、作業者が燃焼チャンバにおける火格子の上側に立つことができ、その一方で、例えばネジ接続を緩めるか、または締付具を取り外すためにホルダを操作する、という事実によって容易にされる。
【0017】
火格子バーは、焼却炉全体が停止され、冷却されたときのみにしか修理または交換ができないので、火格子の下でホルダを操作する必要はない。火格子の下では、煙突及び火格子を動かすための他の治具が、一般的にホルダの操作を妨害する。
【0018】
ホルダを操作するとき、ポジティブホルダまたは非ポジティブホルダを使用することができる。火格子バーは、上側から共にネジ止めされると有利である。この場合、隣接した火格子バーを横断して延びた、ネジ、またはネジ山付きロッドは、隣接した火格子バーを共に保持するために、少なくとも1つのナットを用いて共にネジ止めされる。
【0019】
この接続において、凹部が火格子バーの両側に設けられると有利であり、それを通してネジ継手を上方から挿入して締め付けることができる。これは、穴の中にネジまたはネジ山付きロッドを挿入する必要をなくし、機械加工を大幅に簡略化する。
【0020】
操作を簡単にするために、凹部のサイズは、レンチをネジ頭に適用でき、かつ別のレンチをナットに適用して締め付けることができるよう、選択される。したがってレンチは、ネジ山付きロッドのための2つの係止ナットに適用される。
【0021】
最後に、凹部がプレートによって覆われると有利である。このプレートは、凹部を覆うために、ホルダの一部、またはホルダの上部に別個の部品とすることができ、それによって火格子の上側は、可能な限り平坦となる。
【0022】
重い荷重下においても、プレートを凹部にしっかりと保持するために、プレートを凹部に確実に固定することが提案される。これは、下方のホルダにアクセスできるように、摺動させることによってプレートを定着具から取り外すのを可能にする。システムの動作中にプレートが動くのを防止するために、楔を用いてプレートを固定することが提案される。この楔は、例えばポジティブフィットで凹部の中に挿入することができ、一方では火格子カバーの平坦な表面をもたらし、他方ではプレートが動くのを防止する。
【0023】
楔が抜け落ちるとプレートは緩くなるので、さらなる改善において、カバープレートもしくは楔を火格子バーに溶接するか、またはプレートを楔に溶接することが提案される。凹部のカバー、及び特にプレートは、好ましくは鋼で作られ、その一方で火格子バーは一般的に鋳鋼で作られるので、プレートを火格子バーに溶接できないことが多い。プレートを、プレートと楔とを共に溶接して組み合わせた火格子バーにポジティブ接続することは、プレートを火格子バーに溶接する必要なく、プレートを火格子バーに堅固に接続するのを可能にする。
【0024】
デバイスに関して、本発明の目標は、火格子バーの上側が凹部を有し、かつ火格子バーの配置がカバーを有することによって実現される。これは、ホルダを容易に操作するのを可能にし、その一方でカバーは、火格子が平坦な上側を有するのを可能にする。
【0025】
第1の実施形態は、ホルダがネジ接続を有するものと見做す。追加または代替として、ホルダは締付具を有する場合がある。
【0026】
ホルダが、火格子バーとは異なる材料で作られた場合、炉が加熱されたときにホルダ及び火格子バーが別様に膨張し、ホルダが壊れるか、または緩む危険がある。したがって、ホルダまたはホルダの要素は、火格子バーよりも小さい熱膨張率を有することが提案される。金属及び合金の熱膨張は、線膨張と表現され、それは0~100°の温度において、単位長さの1°の上昇による延伸を表わす線膨張率に比例する。線膨張率は、例えばNi鋼-36Niインバー合金で1.0、及びカドミウムで30である。鋳鉄では、文献における線膨張率は10.5である。低合金鋼の線膨張率は11.5で、Ni鋼-30Niで12である。しかし、Ni鋼-20Niの線膨張率は、19.5と同等である。これは、ネジ接続または締付具は、例えば500℃まで加熱されると、火格子領域において、鋳鉄で作られた火格子バーよりも膨張し得る。これは同様に、堅固にネジ止めされた火格子バーは、炉の動作中にネジが大きく膨張するために、堅固にネジ止めされない。
【0027】
ホルダまたはホルダの要素の材料が、火格子バーよりも小さい熱膨張率を有するように選択された場合、ホルダは冷却時に大幅に緩む場合がある。なぜなら、より大きい火格子バーの膨張は、動作中にホルダがきつくなり、温度が上昇するにつれて火格子バーをさらに保持するからである。例えば火格子バーを、確実に装着されたホルダに接続することができ、それは、火格子バーを共に保持するために火格子バーが膨張したときに、強い保持力を火格子バーに加える。
【0028】
このためホルダは、異なる熱膨張率の接続要素及び締付要素を有するよう提案される。これは、材料の賢明な選択を通して、火格子バーを容易に共に接続し、冷却時に緩くするのを可能にする。なぜなら火格子バー及びホルダを共に保持するために加熱したとき、ホルダは火格子バーに特定の力を加えるからである。
【0029】
ホルダよりも大きい熱膨張率を有する要素も、ホルダと火格子バーとの間に配置させることができる。例えば、ネジ軸に適合された高い熱膨張率を有するワッシャを、鋼で作られた一般のネジに使用することができる。ネジ接続の鋼は、火格子バーの鋳鉄よりも膨張するため、ワッシャは、この膨張を再び補うことができる。
【0030】
カバーを凹部にしっかりと保持するために、火格子バーの上側の下で側方に係合するよう、カバーにアンダーカットを有することが提案される。これは、容易なポジティブ接続を可能にする。加えて、プレート状のカバーを装入位置に固定するために、このカバーは楔を有することもできる。
【0031】
カバーは、ホルダの上方における個々の部品として配置することができる。特定の実施形態は、カバーがホルダまたはホルダの一部に接続されるものと見做す。それによってホルダまたはホルダの一部は、同時にカバーを形成する。
【0032】
火格子バーが、それらの全長にわたって共に近くに保持されるのを保証するために、いくつかのホルダを、2つの火格子バーの間に設けることができる。しかし、1つのみのホルダが、隣接した火格子バーを共に保持するために配置される場合、有利である。
【0033】
有利な実施形態が図面に示され、以下で詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【
図2】隣接した2つの火格子バーを通した断面図である。
【
図4】U形状の締付具による火格子バーの接続を概略で示す図である。
【
図5】C形状の締付具による2つの火格子バーの接続を概略で示す図である。
【
図6】ピンによる2つの火格子バーの接続を概略で示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
図1に示された火格子バー2のヘッド部1は、上側3を有し、それは実質的に平坦で、正面端部4に向かう突出部5を有する。ホルダ9を中に挿入できる凹部7、8が、火格子バー2の両側において、この突出部5と表面領域6との間に、それぞれ設けられる。
【0036】
次に
図2は、挟まれたホルダ9を伴う、2つの隣接した火格子バー2及び12を示す。ホルダ9は、ネジ接続10によって火格子バー2及び12を共に保持する。ホルダ9として役立つネジ接続10の上方で、凹部8及び13はカバー15によって覆われ、カバー15は、プレート16及び楔17を有し、楔17を用いてプレート16は固定される。
【0037】
いくつかの火格子バー2、12を伴う火格子カバー18を生成するために、火格子バー2、12のそれぞれは、長手方向の両側19、20において、凹部7、8、13、14を有する。
【0038】
図2に示されるネジ接続10は、ネジ頭22及びナット23を伴うネジ21で構成される。
【0039】
カバー15のプレート16は、アンダーカット27及び25を有し、それらによって、プレート16は凹部7、8の中に挿入され、アンダーカット24及び25によって保持されるのを可能にする。挿入後にプレート16に溶接された、挿入された楔17は、プレート16が凹部7、8から抜け落ちるのを防止する。
【0040】
ネジ接続に対する、簡易な代替として、
図4は、2つの火格子バー2及び12を共に保持する締付具30を示す。この締付具30は、鋳鉄から作られる火格子バー2、12よりも、小さい熱膨張率を有する材料で作られる。このように締付具30は、隣接するウェブ31、32に、容易に側方に渡すことができる。火格子バーの配置を使用するとき、火格子バーは高温によって膨張する。したがって膨張が小さい締付具は、火格子バーを所定の位置に保持する。
【0041】
火格子バー2及び12の、2つの側部31及び32をやはり共に保持する、
図5に示されるC形状の締付具40の場合、締付具は、火格子バーよりも膨張する鋼で作られる。しかしこれは、特に高い熱膨張を有するプレート43、44を挿入することによって補われ、それによってウェブ41及び42を共に押圧する。
【0042】
図6はピン接続を示す。ここでピン50は、火格子バー2及び12を共に保持するために、2つの火格子バー2と12との間に挿入される。ワッシャ53及び54は、ピン50と、火格子バー2及び12のウェブ51及び52との間に配置され、これらのワッシャ53及び54は、火格子2及び12と、ピン50との間の異なる熱膨張率を相殺し、それによってピン50の伸長は、火格子バー2と12との間の接続を緩めない。
【0043】
図4~
図6は、ホルダ9として役立つ締付具30及び40、ならびにピン50が、熱膨張率の違いを相殺するために、ワッシャ43、44またはワッシャ53、54を要素として有することができることを示す。
【0044】
ピン50が、接続要素としてネジ付きロッド56を有し、かつ2つのナット57、58を締付要素として有する場合、熱膨張率も、材料の選択によって決定して調整することができ、それによって火格子バーは、厳しい温度変動の際にもしっかりと保持される。
【0045】
図1~
図3に示される例示的な実施形態において、組立は、火格子バーを火格子上に設置することによって行なわれる。ここで火格子キャリッジは、通常中央位置にある。2つの火格子バーの間における開口部の中に挿入されたネジ継手は、ネジ頭に対するレンチ、かつナットに対する別のレンチによって締め付けられる。次に閉鎖プレート16が挿入され、側部に動かされる。最後に楔17が、プレートを係止し溶接するために、挿入される。
【0046】
分解中、溶接継目は初めに切開され、次に楔が引き剥がされる。次にプレートが取り除かれ、最後にネジ接続を緩めて取り除くことができる。
【0047】
この方法は、火格子キャリッジの位置に関わりなく、全てのカバーを上方からネジ止めできるという利点を有する。もはや、火格子炉の中に上がる必要はない。組立中にキャリッジを動かすことさえ、もはや必要ない。楔17をプレート16に溶接することが、追加の組立ステップを伴うが、全体の組立時間は、以前の公知の方法と比較して大幅に軽減される。
【0048】
さらなる改善が、
図4~
図6による実施形態から実現することができる。
【外国語明細書】