(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022062751
(43)【公開日】2022-04-21
(54)【発明の名称】自動倉庫システム、および異常対応方法
(51)【国際特許分類】
B65G 1/04 20060101AFI20220414BHJP
B65G 1/00 20060101ALI20220414BHJP
【FI】
B65G1/04 541
B65G1/00 511Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020170864
(22)【出願日】2020-10-09
(71)【出願人】
【識別番号】000006297
【氏名又は名称】村田機械株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(72)【発明者】
【氏名】酒井 貴弘
【テーマコード(参考)】
3F022
【Fターム(参考)】
3F022FF01
3F022HH13
3F022JJ09
3F022MM05
3F022MM11
3F022MM57
3F022NN51
(57)【要約】
【課題】自動倉庫システムにおける異常発生時の対応。
【解決手段】ステーション130と、自動倉庫110と、分類荷物を自動倉庫110から対応するステーション130へ搬送する搬送装置120と、自動倉庫110の出庫を管理する管理装置140と、を備えた自動倉庫システム100であって、管理装置140は、ステーション130、および搬送装置120における流通数の上限として設定される上限数を取得する上限数取得部141と、上限数に達している分類荷物については自動倉庫110への出庫指示を中断する出庫指示部142と、ステーション130の異常を把握する異常把握部143と、正常なステーション130に対応する上限数をより数の多い上限数に更新する上限数更新部144と、を備える自動倉庫システム100。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のステーションと、荷物を保管する自動倉庫と、前記ステーションのそれぞれに割り当てられた荷物である分類荷物を前記自動倉庫から対応する前記ステーションへ搬送する搬送装置と、前記自動倉庫の出庫を管理する管理装置と、を備えた自動倉庫システムであって、
前記管理装置は、
前記ステーション、および前記搬送装置の少なくとも一方に前記分類荷物が配置される数の上限として設定される上限数をそれぞれ取得する上限数取得部と、
上限数に達している前記分類荷物については前記自動倉庫への出庫指示を中断する出庫指示部と、
前記ステーションの異常をそれぞれ把握する異常把握部と、
異常の発生に基づいて異常が発生していないステーションに対応する上限数をより数の多い上限数に更新する上限数更新部と、を備える
自動倉庫システム。
【請求項2】
前記上限数更新部は、
異常状態のステーションに対応する上限数と所定数とを加えた数に更新する
請求項1に記載の自動倉庫システム。
【請求項3】
前記自動倉庫システムが前記ステーションを3以上備える場合において、
前記上限数更新部は、
異常が発生していないいずれか一つのステーションに対応する上限数を更新する
請求項1または2に記載の自動倉庫システム。
【請求項4】
前記自動倉庫システムが前記ステーションを3以上備える場合において、
前記上限数更新部は、
異常が発生していない全てのステーションに対応する上限数を更新する
請求項1または2に記載の自動倉庫システム。
【請求項5】
複数のステーションと、荷物を保管する自動倉庫と、前記ステーションのそれぞれに割り当てられた荷物である分類荷物を前記自動倉庫から対応する前記ステーションへ搬送する搬送装置と、前記自動倉庫の出庫を管理する管理装置と、を備えた自動倉庫システムにおける異常対応方法であって、
前記ステーション、および前記搬送装置の少なくとも一方に前記分類荷物が配置される数の上限として設定される上限数を上限数取得部がそれぞれ取得し、
上限数に達している前記分類荷物については前記自動倉庫への出庫指示を出庫指示部が中断し、
前記ステーションの異常を異常把握部がそれぞれ把握し、
異常の発生に基づいて異常が発生していないステーションに対応する上限数をより数の多い上限数に上限数更新部が更新する
異常対応方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動倉庫と、複数のステーションと、自動倉庫とステーションとを接続する搬送装置とを備えた自動倉庫システム、および自動倉庫システムのステーションに異常が発生した場合の異常対応方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動倉庫から出庫された荷物を、コンベヤ、搬送台車などの搬送装置により複数のステーションの内の所定のステーションまで搬送する自動倉庫システムが存在している。ステーションから出庫された荷物は、例えば作業者がステーション毎に定められた場所に運搬する。
【0003】
このような自動倉庫システムのステーションの一つに異常が発生した場合、自動倉庫システム全体を停止させるのではなく、異常状態のステーションに搬送すべき荷物を異常が発生していない他のステーションに割り振る技術が提案されている(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
自動倉庫から搬送装置に制限なく出庫を行うと、ステーションに搬送する荷物に偏りが発生し、ステーション以降の作業効率が低下する場合がある。そこで、自動倉庫から出庫する荷物の量を制限する処理が行われている。
【0006】
本発明は、上記の状況に鑑みなされたものであり、自動倉庫からの荷物の出庫数を制限する自動倉庫システムにおいて、ステーションのいずれかに発生した異常に対応する事ができる自動倉庫システム、および異常対応方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の1つである自動倉庫システムは、複数のステーションと、荷物を保管する自動倉庫と、前記ステーションのそれぞれに割り当てられた荷物である分類荷物を前記自動倉庫から対応する前記ステーションへ搬送する搬送装置と、前記自動倉庫の出庫を管理する管理装置と、を備えた自動倉庫システムであって、前記管理装置は、前記ステーション、および前記搬送装置の少なくとも一方に前記分類荷物が配置される数の上限として設定される上限数をそれぞれ取得する上限数取得部と、上限数に達している前記分類荷物については前記自動倉庫への出庫指示を中断する出庫指示部と、前記ステーションの異常をそれぞれ把握する異常把握部と、異常の発生に基づいて異常が発生していないステーションに対応する上限数をより数の多い上限数に更新する上限数更新部と、を備える。
【0008】
また、上記目的を達成するために、本発明の他の1つである異常対応方法は、複数のステーションと、荷物を保管する自動倉庫と、前記ステーションのそれぞれに割り当てられた荷物である分類荷物を前記自動倉庫から対応する前記ステーションへ搬送する搬送装置と、前記自動倉庫の出庫を管理する管理装置と、を備えた自動倉庫システムにおける異常対応方法であって、前記ステーション、および前記搬送装置の少なくとも一方に前記分類荷物が配置される数の上限として設定される上限数を上限数取得部がそれぞれ取得し、上限数に達している前記分類荷物については前記自動倉庫への出庫指示を出庫指示部が中断し、前記ステーションの異常を異常把握部がそれぞれ把握し、異常の発生に基づいて異常が発生していないステーションに対応する上限数をより数の多い上限数に上限数更新部が更新する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、それぞれのステーションに搬送されるそれぞれの荷物の自動倉庫からの出庫数を制限することにより、特定のステーションに搬送される荷物が偏って出庫されることを抑制することができる。また、ステーションに異常が発生した場合でも自動倉庫システム全体としての荷物の出庫数の低下を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図4】管理装置の処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明に係る自動倉庫システム、および異常対応方法の実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、以下の実施の形態は、本発明を説明するために一例を挙示するものであり、本発明を限定する主旨ではない。例えば、以下の実施の形態において示される形状、構造、材料、構成要素、相対的位置関係、接続状態、数値、数式、方法における各段階の内容、各段階の順序などは、一例であり、以下に記載されていない内容を含む場合がある。また、平行、直交などの幾何学的な表現を用いる場合があるが、これらの表現は、数学的な厳密さを示すものではなく、実質的に許容される誤差、ずれなどが含まれる。また、同時、同一などの表現も、実質的に許容される範囲を含んでいる。
【0012】
また、図面は、本発明を説明するために適宜強調、省略、または比率の調整を行った模式的な図となっており、実際の形状、位置関係、および比率とは異なる。
【0013】
また、以下では複数の発明を一つの実施の形態として包括的に説明する場合がある。また、以下に記載する内容の一部は、本発明に関する任意の構成要素として説明している。
【0014】
図1は、自動倉庫システムを示す斜視図である。
図2は、自動倉庫システムを示す平面図である。同図に示すように、自動倉庫システム100は、自動的に入庫された荷物200を自動的に振り分けて出庫するシステムであって、自動倉庫110と、搬送装置120と、ステーション130と、管理装置140とを備えている。
【0015】
自動倉庫110は、荷物200を保管し、自動的に出庫、および入庫可能な倉庫である。自動倉庫110の種類は、特に限定されるものではないが、本実施の形態の場合、自動倉庫110は、ラック115と、第一コンベヤ116と、倉庫内搬送装置117と、バーチカルコンベヤ118と、を備えている。
【0016】
ラック115は、荷物200を保管する棚である。本実施の形態の場合、ラック115は、水平面内の第一方向(図中Y軸方向)に荷物200を並べて載置状に保持する棚板を垂直方向(図中Z軸方向)に複数段備えている。また、自動倉庫110は、水平面内において第一方向と直交する第二方向(図中X軸方向)において、倉庫内搬送装置117を挟んで2つのラック115を平行に並べて備えている。なお、第一方向におけるラック115の長さは、特に限定されるものではない。図中では、ラック115の長さを短く記載しているが、これは図示を容易にするためであり、ラック115は、図示されるものよりも長くても構わない。また本実施の形態の場合、自動倉庫システム100は、同種の自動倉庫110を複数備えている。なお、自動倉庫110が備える自動倉庫110の数は、限定されるものではない。また、自動倉庫110の種類や大きさ(荷物200の保管可能数)などは特に限定されるものではなく、複数の自動倉庫110の種類や大きさが相互に異なっていても構わない。
【0017】
倉庫内搬送装置117は、ラック115、および第一コンベヤ116に保持される荷物200をラック115、および第一コンベヤ116の別の場所に移送することができる装置である。倉庫内搬送装置117の種類は、特に限定されるものではなく、スタッカクレーンなどを例示することができる。本実施の形態の場合、倉庫内搬送装置117は、ラック115の各段に対応する位置にそれぞれ敷設されるレールと、レール毎に配置される台車とを備えている。
【0018】
レールは、ラック115に沿って第一方向に第一コンベヤ116に至るまで延在して配置され、台車は、荷物200を保持した状態でレールに沿って往復動する。台車には、ラック115、および第一コンベヤ116と台車との間で荷物200を移載することができる移載装置を備えている。移載装置は、倉庫内搬送装置117の両側に隣接するラック115、および第一コンベヤ116のいずれとの間でも荷物200を移載することができる。
【0019】
第一コンベヤ116は、一方のラック115の各段に対応する位置にそれぞれ配置され、ラック115の延在方向である第一方向に沿って荷物200を搬送し、バーチカルコンベヤ118に荷物200を移載する。また、バーチカルコンベヤ118から移載された荷物200を第一コンベヤ116内の所定の位置まで搬送する。第一コンベヤ116の種類は、特に限定されるものではなく、ローラコンベヤ、ベルトコンベヤなどを例示することができる。
【0020】
バーチカルコンベヤ118は、第一コンベヤ116が配置される各段に上下動する昇降台を備え、所定の段の第一コンベヤ116から移載された荷物200を垂直方向に搬送して搬送装置120に移載する。
【0021】
搬送装置120は、自動倉庫110から出庫された荷物200をステーション130に搬送する装置である。搬送装置120の種類は、特に限定されるものではなく、また複数種類の装置が組み合わされたものでもかまわない。本実施の形態の場合、搬送装置120は、それぞれの自動倉庫110のバーチカルコンベヤ118にそれぞれ接続される第二コンベヤ122と、第二コンベヤ122が搬送した荷物200をそれぞれ受け取る事ができ、受け取った荷物200を環状の軌道上を巡廻して目的のステーション130まで搬送する有軌道台車121と、を備えている。
【0022】
ステーション130は、搬送装置120により搬送された荷物200を受け取り、次の作業に受け渡すための設備である。本実施の形態の場合、自動倉庫システム100は、3台のステーション130を備えている。以下、3台のステーション130をそれぞれ区別する場合、第一ステーション131、第二ステーション132、第三ステーション133と記載する場合がある。
【0023】
図3は、管理装置の機能部を示すブロック図である。管理装置140は、自動倉庫110に対する荷物200の出庫を管理する装置であって、プログラムをプロセッサに実行させることにより実現する処理部として、上限数取得部141と、出庫指示部142と、異常把握部143と、上限数更新部144と、を備えている。
【0024】
上限数取得部141は、ステーション130、および搬送装置120の少なくとも一方に分類荷物が配置される数の上限として設定される上限数をそれぞれ取得する。上限数の取得先は特に限定されるものではないが、本実施の形態の場合、上位制御装置210から上限数を取得している。
【0025】
上限数の決定方法は、特に限定されるものではない。例えば、自動倉庫110から出庫された荷物200が、搬送装置120を経由してステーション130から搬出されるまでの時間である総搬送時間、および単位時間あたりステーション130から搬出させたい荷物200の数である要求搬出数から算出してもよい。具体的には、総搬送時間が240秒、単位時間あたりの要求搬出数が60個/1時間(3600秒)の場合、上限数=60/(3600/240)=4と算出できる。
【0026】
本実施の形態の場合、第一ステーション131、第二ステーション132、および第三ステーション133のそれぞれに割り当てられた分類荷物として、第一荷物、第二荷物、第三荷物が存在している。自動倉庫110から出庫された第一荷物は、搬送装置120を経由して第一ステーション131から搬出され、自動倉庫110から出庫された第二荷物は、搬送装置120を経由して第二ステーション132から搬出され、自動倉庫110から出庫された第三荷物は、搬送装置120を経由して第三ステーション133から搬出される。
【0027】
上限数は、分類荷物毎に決定される。具体的には、第一荷物の上限数として第一上限数が決定され、第二荷物の上限数として第二上限数が決定され、第三荷物の上限数として第三上限数が決定される。上限数取得部141は、それぞれの上限数を取得する。
【0028】
出庫指示部142は、上限数に達している分類荷物については自動倉庫110への出庫指示を中断する。例えば、ステーション130に異常が発生していない通常時において、出庫指示部142は、搬送装置120、および第一ステーション131に保持される第一荷物の数を取得し、第一荷物が第一上限数になるまで第一荷物の出庫を示す出庫指示を出力する。出庫指示部142は、搬送装置120、および第一ステーション131に保持される第一荷物の数が第一上限数になると、搬送装置120、および第一ステーション131に保持される第一荷物の数が第一上限数未満になるまで出庫指示を中断する。言い換えれば、第一荷物の数が第一上限数未満になるまで新たな出庫指示は出力されない。これにより、搬送装置120、および第一ステーション131に保持される第一荷物の数は、第一上限数で維持され、第一ステーション131から第一荷物が安定した効率で搬出される。出庫指示部142は、第二荷物、および第三荷物に対しても同様の処理を実行する。
【0029】
異常把握部143は、ステーション130の異常をそれぞれ把握する。本実施の形態の場合、異常把握部143は、第一ステーション131、第二ステーション132、第三ステーション133がそれぞれ備えるセンサからの信号に基づき各ステーション130の異常を把握する。ステーション130の異常とは、例えば荷詰まり、ステーション130が備える各機器の不動作等を例示できる。また、異常把握部143は、作業者の入力に基づいて異常状態を把握してもかまわない。
【0030】
上限数更新部144は、いずれかのステーション130の異常の発生に基づいて異常が発生していない正常なステーション130に対応する上限数をより数の多い上限数に更新する。上限数更新部144が上限数を更新する方法は、特に限定されるものではないが、例えば、上限数更新部144は、少なくとも1つの正常なステーション130に対応する上限数を異常状態のステーション130に対応する上限数と所定数(0を含む整数)とを加えた数に更新してもよい。具体的には、第一ステーション131に搬送される第一荷物の第一上限数が4であり、第三ステーション133に搬送される第三荷物の第三上限数が7の場合において、第三ステーション133に異常が発生し、第三ステーション133から第三荷物が搬出できなくなった場合は、第一上限数を4に(7+0)を加えた11に更新する。なお、7は、第三荷物に対して設定されていた上限数、0は、所定数である。
【0031】
なお、ステーション130のいずれかに異常が発生した場合、異常が発生したステーション130に搬送される分類荷物が上限数を更新した正常なステーション130に搬送されるように出庫指示部142は、出庫指示を更新する。
【0032】
また、各ステーション130を担当する作業者の人数が増加することにより総搬送時間が減少するような場合、異常が発生したステーション130を担当していた作業者が上限数を更新するステーション130に追加される場合がある。このような場合、例えば第一上限数を4に(7+(-1))を加えた10に更新してもかまわない。なお、7は、第三荷物に対して設定されていた上限数、(-1)は、所定数である。
【0033】
また、上限数を更新するステーション130の総搬送時間を作業者の移動などを含めて再計算する。上限数を更新するステーション130の要求搬出数に異常が発生したステーション130の要求搬出数を加える計算を行う。これら再計算後の総搬送時間、および要求搬出数に基づき上限数を算出し、上限数を更新してもかまわない。
【0034】
次に、管理装置140の処理の流れを説明する。
図4は、管理装置の処理の流れを示すフローチャートである。各ステーション130に対応して設定される上限数を上限数取得部141がそれぞれ取得する(S101)。出庫指示部142は、搬送装置120、および各ステーション130から各分類荷物の流通量を取得し、上限数に達している分類荷物については(S102:Yes)自動倉庫110への出庫指示を中断する(S103)。一方、上限数に達していない分類荷物(S102:No)については自動倉庫110へ出庫指示を出力する(S104)。
【0035】
いずれかのステーション130の異常を異常把握部143が把握した場合(S105:Yes)、異常の発生に基づいて異常が発生していないステーション130に対応する上限数をより数の多い上限数に上限数更新部144が更新する(S106)。また、異常が発生したステーション130に搬送される分類荷物を、上限数を更新するステーション130に出庫指示部142が振り替える(S107)。
【0036】
上記実施の形態に係る自動倉庫システム100によれば、自動倉庫110から出庫される分類荷物の数を、各ステーション130からの搬出能力などに基づき設定された上限数を用いて規制するため、同一種類の分類荷物が偏って出庫されることを防止でき、各ステーション130から搬出される荷物200の数を適正に管理する事ができる。
【0037】
また、ステーション130に異常が発生した場合においても、上限数を更新するだけで、異常が発生したステーション130へ搬送される分類荷物を含めて滞ることなく正常なステーション130から搬出させる事が可能となる。
【0038】
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。例えば、本明細書において記載した構成要素を任意に組み合わせて、また、構成要素のいくつかを除外して実現される別の実施の形態を本発明の実施の形態としてもよい。また、上記実施の形態に対して本発明の主旨、すなわち、請求の範囲に記載される文言が示す意味を逸脱しない範囲で当業者が思いつく各種変形を施して得られる変形例も本発明に含まれる。
【0039】
例えば、上記実施の形態では、上限数更新部144は、異常が発生していないいずれか一つのステーション130に対応する上限数を更新するものとして説明したが、上限数更新部144は、異常が発生していない全てのステーション130に対応する上限数を更新してもかまわない。この場合、異常が発生したステーション130に対応する上限数を正常なステーション130にそれぞれ均等に分担させてもかまわない。
【0040】
また、管理装置140は、上限数取得部141により上限数を取得するものとして説明したが、管理装置140が総搬送時間、単位時間あたりの要求搬出数に基づき上限数を算出する上限数算出部を備えてもかまわない。上限数算出部は、各ステーション130を担当する作業者数の変更を作業者の入力に基づき取得してもかまわない。
【産業上の利用可能性】
【0041】
本発明は、自動倉庫から出庫された荷物が搬送装置を経由して複数のステーションのいずれかから出庫される自動倉庫システムなどに利用可能である。
【符号の説明】
【0042】
100 自動倉庫システム
110 自動倉庫
115 ラック
116 第一コンベヤ
117 倉庫内搬送装置
118 バーチカルコンベヤ
120 搬送装置
121 有軌道台車
122 第二コンベヤ
130 ステーション
131 第一ステーション
132 第二ステーション
133 第三ステーション
140 管理装置
141 上限数取得部
142 出庫指示部
143 異常把握部
144 上限数更新部
200 荷物
210 上位制御装置