IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社 Toshinの特許一覧

<>
  • 特開-水道メータの流量読取装置の保持具 図1
  • 特開-水道メータの流量読取装置の保持具 図2
  • 特開-水道メータの流量読取装置の保持具 図3
  • 特開-水道メータの流量読取装置の保持具 図4
  • 特開-水道メータの流量読取装置の保持具 図5
  • 特開-水道メータの流量読取装置の保持具 図6
  • 特開-水道メータの流量読取装置の保持具 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022062781
(43)【公開日】2022-04-21
(54)【発明の名称】水道メータの流量読取装置の保持具
(51)【国際特許分類】
   G01F 1/075 20060101AFI20220414BHJP
   G01F 1/00 20220101ALI20220414BHJP
   G01F 15/06 20220101ALI20220414BHJP
【FI】
G01F1/075
G01F1/00 G
G01F15/06
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020170910
(22)【出願日】2020-10-09
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2020-12-23
(71)【出願人】
【識別番号】511178681
【氏名又は名称】株式会社 Toshin
(74)【代理人】
【識別番号】100097043
【弁理士】
【氏名又は名称】浅川 哲
(74)【代理人】
【識別番号】100197996
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 武彦
(72)【発明者】
【氏名】乙黒 孝一
【テーマコード(参考)】
2F030
2F031
【Fターム(参考)】
2F030CC02
2F030CE09
2F030CE13
2F030CE25
2F030CF14
2F030CG01
2F030CG09
2F031AE01
2F031AE07
2F031AE09
2F031AF04
(57)【要約】
【課題】 既存の水道メータに流量読取装置を適切な位置で確実に装着することのできる流量読取装置の保持具を提供することを目的とする。
【解決手段】 水道メータMの表示部を覆う透明板に載置される流量読取装置1の保持具2であって、水道メータMの上ケース4の外周に装着されるリング状の下カバー21と、前記流量読取装置1を挟んで前記下カバー21に固定される上カバー22と、を備え、前記下カバー21は前記上ケース4と係合する係止爪28を有し、前記上カバー22は前記透明板に流量読取装置1を密着させる押圧片37を有する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水道メータの表示部を覆う透明板に載置される流量読取装置の保持具であって、
水道メータの上ケースの外周に装着されるリング状の下カバーと、
前記流量読取装置を挟んで前記下カバーに固定される上カバーと、を備え、
前記下カバーは前記上ケースと係合する係止爪を有し、
前記上カバーは前記透明板に流量読取装置を密着させる押圧部を有する水道メータの流量読取装置の保持具。
【請求項2】
前記下カバーの外周面には雄ネジが設けられ、前記上カバーの内周面には前記雄ネジに螺合する雌ねじが設けられ、前記下カバーの雄ネジに上カバーの雌ネジをねじ込むことで両者が固定され、
該固定時には前記上カバーの押圧部によって流量読取装置が透明板に密着され、下カバーの係止爪が上ケースの下端部に係合される請求項1に記載の水道メータの流量読取装置の保持具。
【請求項3】
前記下カバーは、前記上ケースの外周面に設けられるリブが嵌まり込む収容部を有する請求項1又は2に記載の水道メータの流量読取装置の保持具。
【請求項4】
前記下カバーは、水道メータの上ケースの外周に装着された時に半径方向に変位する弾性片及びこの弾性片の内側に突出する突片と、を有する請求項1乃至3のいずれかに記載の水道メータの流量読取装置の保持具。
【請求項5】
前記下カバーは、前記透明板に載置された流量読取装置の水平方向の回転位置を設定する位置決め部を有する請求項1乃至4のいずれかに記載の水道メータの流量読取装置の保持具。
【請求項6】
前記下カバーの位置決め部が、前記流量読取部の外周に設けられた位置決め用歯車の凹凸部と係合する位置決め突起である請求項5に記載の水道メータの流量読取装置の保持具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水道メータの水の積算流量を読み取るため水道メータに装着される流量読取装置の保持具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
水道メータの検針員は、水道メータの表示部にある数字車の数字を読み取って、所定期間の水の使用量を算出している。しかし、施錠された領域内に水道メータがある場合等では、検針員が水道メータの表示部の数字を読み取れないことがある。この課題を解決するため、水道メータの表示部をカメラで撮影し、取得した画像データを外部に送信する流量検出装置が知られている(特許文献1)。
【0003】
特許文献1に記載された流量検出装置は、水道メータの流量表示部を覆う透明板の上に配置される透光部を備え、この透光部が水道メータの蓋体と透明板との間に配置されている。また、流量検出装置は、前記透光部と一体構造のケース内に収容されたカメラを備えており、透光部を通してカメラで撮影した流量表示部の画像データを水の積算流量の数値データに変換し、変換された数値データが外部に送信される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平2020-12734号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載された流量検出装置にあっては、水道メータの流量表示部を覆う透明板の上にケースと一体構造の透光部を配置するものであり、特に固定手段などを有していないため、メーカによってまた器種によって寸法や形状などが異なる既存の水道メータに適切な位置でしっかりと装着するのが難しかった。
【0006】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、既存の水道メータに流量読取装置を適切な位置で確実に装着することのできる流量読取装置の保持具を提供することを目的とする。
【0007】
また、本発明は流量読取装置を水道メータの表示部を覆う透明板に密着した状態で装着することのできる流量読取装置の保持具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の流量読取装置の保持具は、水道メータの表示部を覆う透明板に載置される流量読取装置の保持具であって、水道メータの上ケースの外周に装着されるリング状の下カバーと、前記流量読取装置を挟んで前記下カバーに固定される上カバーと、を備え、前記下カバーは前記上ケースと係合する係止爪を有し、前記上カバーは前記透明板に流量読取装置を密着させる押圧部を有する。
【0009】
また、本発明の流量読取装置の保持具は、前記下カバーの外周面には雄ネジが設けられ、前記上カバーの内周面には前記雄ネジに螺合する雌ねじが設けられ、前記下カバーの雄ネジに上カバーの雌ネジをねじ込むことで両者が固定され、該固定時には前記上カバーの押圧部によって流量読取装置が透明板に密着され、下カバーの係止爪が上ケースの下端部に係合される。
【発明の効果】
【0010】
本発明の流量読取装置の保持具によれば、流量読取装置を挟んだ状態で下カバーに上カバーを固定することで、既存の水道メータに流量読取装置を適切な位置で確実に装着することができる。
【0011】
また、本発明の流量読取装置の保持具によれば、下カバーは前記上ケースと係合する係止爪を有し、上カバーは前記透明板に流量読取装置を密着させる押圧部を有しているので、流量読取装置を確実に透明板の上に密着させることができ、透明板が泥水などで汚れることがない。
【0012】
また、本発明の流量読取装置の保持具によれば、下カバーの雄ネジに上カバーの雌ネジをねじ込むことで両者が固定されるので、流量読取装置は確実に透明板の上に密着された状態で水道メータに装着される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】第1実施形態の保持具によって流量読取装置が装着された状態の水道メータの斜視図である。
図2】第1実施形態の保持具及び流量読取装置が水道メータに装着される前の状態の分解斜視図である。
図3】第1実施形態の保持具の下カバーの拡大斜視図である。
図4】第1実施形態の保持具によって流量読取装置が装着された状態の水道メータの断面図である。
図5】第1実施形態の保持具を水道メータに装着する過程を(a)から(d)の順番で示す斜視図である。
図6】第1実施形態の保持具の下カバーに上カバーをねじ込む際の要部断面図であり、(a)はねじ込み途中の状態を示し、(b)はねじ込み完了時の状態を示す。
図7】第2実施形態の保持具によって流量読取装置が装着された状態の水道メータの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の流量読取装置保持具について、図面を参照しながら実施形態に基づいて説明する。なお、図面は、水道メータ、その上面に装着される流量読取装置、流量読取装置を水道メータに装着するための保持具の構成部材および保持具の周辺部材を模式的に表したものであり、これらの実物の寸法および寸法比は、図面上の寸法および寸法比と必ずしも一致していない。また、重複説明は適宜省略する。
【0015】
図1には、水道メータMと、この水道メータMの上面に装着される流量読取装置1と、流量読取装置1を水道メータMに装着するための保持具2が示されている。図2及び図3には、保持具2の構成部材が詳細に示されている。また、図4には、保持具2によって流量読取装置1が装着された状態の水道メータMの断面が示されている。
【0016】
水道メータMは、下ケース3と上ケース4を備えている。下ケース3の両側には水の流入口3aと流出口3bが設けられ、上ケース4の外周面には等間隔に3つのリブ4aが設けられている。これらのリブ4aは四角形状をしており、下ケース3に上ケース4をねじ込んで固定する際に用いられる。下ケース3内の計量部5には羽根車6が設けられている。計量部5は水道水の流路であり、前記流入口3aと流出口3bとに連通している。計量部5を通過する水道水の流量の増減に応じて、羽根車6の回転速度も増減する。羽根車6の回転軸7の上部にはマグネット8が設けられ、マグネット8が羽根車7の回転に応じて回転する。
【0017】
上ケース4内には、前記マグネット8の回転に応じて回転するマグネット9及びその回転に連動する歯車列10と、流量を表示する表示部(以下流量表示部という。)11と、透明板12と、複数の数字車13と、が設けられる。下ケース3内の計量部5を水道水が通過することによって羽根車6が回転すると、この回転に応じて歯車列10も回転する。数字車13の周側面には、0から9の数字が表示されており、数字車13の回転に伴って、流量表示部11に表示される数字車13の数値が変化する。すなわち、流量表示部11は、水道水が計量部5を通過するときの羽根車6の回転に基づいて、水の積算流量を数字で表示する。透明板12は、流量表示部11を覆う透明の板状部材で、例えばガラス製である。なお、図2に示したように、流量表示部11に隣接して一対の円板14a,14bが配置されている。円板14a,14bは、水道水が計量部5を通過するときの羽根車6の回転に基づき、水の流量に応じて回転する。
【0018】
すなわち、羽根車6の回転運動は、マグネット8,9、歯車列10を介して、数字車13に伝達される。このため、流量表示部11は、水道水が計量部5を通過するときの羽根車6の回転に基づいて、水の積算流量を数字車13の数字で表示できる。
【0019】
流量読取装置1は、前記水道メータMの透明板12上に載置される。流量読取装置1は、前記透明板12とほぼ同じ形状の円盤状の容器15を備えており、密封された容器15内にカメラ16が収納されている。カメラ16は、容器15の透明な底板15a及び水道メータMの透明板12を通して流量表示部11の数字車13を斜め上方向から撮影できるように設定される。容器15内にはカメラ16で取得した数字車13の数字の画像データを水の積算流量の数値データに変換する変換部(図示せず)を備えている。また、前記カメラ16の近傍には、流量表示部11を照明するための照明装置(図示せず)が配置されている。照明装置の光源としては、例えばLEDなどが用いられる。なお、前記照明装置に代えてカメラ16の内部に照明用ランプを備えていてもよい。
【0020】
容器15の上面には、変換部で変換した数値データを外部に送信する送信部17が設けられている。外部への送信は、例えば無線機を使って外部に無線送信する場合、又は有線ケーブル18を用いて外部に有線送信する場合などが考えられる。この有線ケーブル18は、例えば、建物の外壁などに配置された流量表示装置に接続されており、この流量表示装置に表示された数値を視認して、水の積算流量を把握する。
【0021】
この実施形態において、容器15の外周面にはつば部19及び位置決め用歯車20が円周上に設けられている。つば部19は外周面の上部に位置し、位置決め用歯車20は外周面の下部に位置している。また、両者は互いに平行である。つば部19はケースの外周面からわずかに突出する平板状の突起であり、平坦な上面19aを有している。一方、位置決め用歯車20は、多数の小さな凹凸部20aが容器15の外周面に鋸刃状に連続して設けられたものである。位置決め用歯車20は、流量読取装置1を水道メータMに装着する際の位置決め用として有用である。
【0022】
この実施形態に係る保持具2は、図2に示されるように、水道メータMの上ケース4の外周に装着される下カバー21と、前記水道メータMの透明板12上に載置された流量読取装置1を挟んで前記下カバー21に固定される上カバー22とを備える。
【0023】
前記下カバー21は、樹脂材によってリング状に形成されている。水道メータMの上ケース4より大きな高さ幅を有し、取付けた状態では上ケース4の透明板12より上方に突出している。下カバー21の上部側の外周面には雄ネジ23が設けられる。また、下カバー21の上部側には円周上の対向する二か所に切欠き部24a,24bが設けられる。一方の切欠き部24aは、水道メータMの透明板12を覆う蓋体25のヒンジ部26に対応した位置に設けられる。他方の切欠き部24bは、蓋体25を開閉するための舌片25aに対応した位置に設けられる。これらの切欠き部24a,24bがあることによって、蓋体25を閉じた状態で水道メータMの上ケース4の外周に下カバー21を装着することができ、また下カバー21を装着したのちに蓋体25を開けることができる。
【0024】
図3に示されるように、下カバー21の下部側には円周上の3か所に、前記上ケース4の外周面に設けられたリブ4aを嵌め入れる収容部27が設けられる。この収容部27は下カバー21の内周面を凹設することによって形成される。なお、収容部27に対応する下カバー21の外周面は突出している。収容部27は、上ケース4に設けられた3つのリブ4aの位置及び形状にそれぞれ対応したものとなっている。上ケース4の外周に下カバー21を嵌め入れた時に、リブ4aを収容部27に嵌め入れることで、下カバー21は水平方向の回転位置が設定される。なお、収容部27の下側からリブ4aを嵌め入れるため、収容部27の下面は開放されている。
【0025】
また、下カバー21の下部側の内周面には円周上の4か所に係止爪28が設けられている。この係止爪28は内周面の内側に突出しており、両側に縦方向のスリット29を有する弾性片30の下端に形成されている。図6に示されるように、この係止爪28は、下カバー21に上カバー22が最終的に固定された状態では、水道メータMの上ケース4の下端部4bに係合して、下カバー21の上下方向を位置決めするものである。なお、4つの係止爪28は円周上において等間隔に設けられている。
【0026】
さらに、下カバー21の上部側の内周面には対向する2か所に位置決め突起31が設けられている。この位置決め突起31は、前記流量読取装置1を水道メータMの透明板12上に載置する際、流量読取装置1の水平方向の回転位置を設定するのに用いられる位置決め部である。流量読取装置1の外周面に設けられた位置決め用歯車20の一つの凹凸部20aと位置決め突起31とを係合させることで、前記流量読取装置1が位置決めされる。これによって流量読取装置1のカメラ16をより適切な方向に向けて数字車13の数字を撮影することができる。なお、位置決め突起31の円周上の位置及び個数は特に限定されない。
【0027】
更に下カバー21の内周面には、前記凹み部27の両側において内側に突出する一対の突片32が設けられている。この突片32は、突片32の左右両側と上側のスリット33によって囲まれた弾性片34の上端に設けられ、弾性片34と共に外方へ弾性的に撓む。下カバー21が水道メータMの上ケース4の外周に装着されたときに、弾性片34と突片32が半径方向に変位することで、水道メータMの上ケース4の外径寸法の違いを突片32と弾性片34とで吸収できる。この実施形態では一対の突片32が対向する2か所にそれぞれ設けられている。
【0028】
図2には、保持具2の上カバー22が示されている。この上カバー22は、前記下カバー21と同様、樹脂材によってリング状に形成されている。上カバー22の外周面には滑り止め用の縦リブ35が全周に設けられている。また、上カバー22の内周面には前記下カバー21の雄ネジ23にねじ込まれる雌ネジ36が設けられている。さらに上カバー22の上端には内側水平方向に張り出した押圧部37が全周に亘って設けられている。上カバー22を取付ける際、前記押圧部37が流量読取装置1のつば部19の上面19aを押圧することで流量読取装置1の下面を水道メータMの透明板12により確実に密着させることができる。
【0029】
図5(a)から(d)には水道メータMに流量読取装置1と保持具2を装着するための手順が示されている。先ず、図5(a),(b)に示されるように、水道メータMの上ケース4の外周にリング状の下カバー21を装着する。その際、水道メータMの蓋体25は閉じておく。下カバー21の収容部27に上ケース4のリブ4aが嵌まり込むように下カバー21を合わせ、また蓋体25のヒンジ部26と舌片25aに下カバー21の切欠き部24a,24bをそれぞれ合わせてから下カバー21を上ケース4に装着し、下カバー21の回転方向を位置決めする。
【0030】
次いで、図5(c)に示されるように、水道メータMの蓋体25を開けてから流量読読取装置1を透明板12の上に載置する。その際、前述したように、流量読取装置1を透明板12上で回転させながらカメラ16の向きを最適な位置に合わせる。流量読取装置1の回転位置が決まったら位置決め用歯車20の一つの凹凸部20aに位置決め突起31を係合させて流量読取装置1の位置決めを完了する。
【0031】
最後に、図5(d)に示されるように、流量読取装置1を挟んで上カバー22を下カバー21に装着し、下カバー21の雄ネジ23に上カバー22の雌ネジ36をねじ込む。その際、図6(a),(b)に示されるように、上カバー22の押圧部37で流量読取装置1のつば部19の上面19aを押しながらねじ込み、流量読取装置1の下面を水道メータMの透明板12に確実に密着させる。密着させた後もさらに上カバー22をねじ込んでいくと、下カバー21が引き上げられ、図6(b)に示されるように、下カバー21の係止爪28が上ケース4の下端部4bに係合した時点で上カバー22のねじ込みが完了する。これによって、下カバー21の上下方向が位置決めされると同時に、下カバー21と上カバー22とがしっかりと固定される。このようにして、流量読取装置1は、下面が透明板12に密着した状態で、また固定された下カバー21と上カバー22とに挟まれた状態で保持され、水道メータMに適切な位置で確実に装着されることになる。
【0032】
図7には本発明の第2実施形態に係る保持具2’が示されている。この保持具2’は、前記実施形態の保持具2と同様、下カバー21’と上カバー22’とで構成されているが、上カバー22’が流量読取装置1’と一体に形成されている点が第1実施形態に係る保持具と異なっており、他の点では第1実施形態と同様である。したがって、第1実施形態と同一の構成については同一の符号を付することで、詳細な説明は省略する。
【0033】
この実施形態に係る流量読取装置1’においても、密封された円盤状の容器15内にカメラ16を収納しているが、このカメラ16は、容器15のほぼ中心部において真下に向けた状態で設置されている。容器15の高さ幅を少し大きくして、カメラ16と流量表示部11との距離を前記実施形態のものより大きく取ることで、流量表示部11の全体をどこからでも撮影できるようにしている。容器15内にはカメラ16で取得した流量表示部11にある数字車13の数字の画像データを水の積算流量の数値データに変換する変換部(図示せず)、及び変換部で変換した数値データを外部に送信する送信部(図示せず)が設けられている。外部への送信は、無線機を使って外部に無線送信されるため、第1実施形態のような有線ケーブルを備えた送信部は備えていない。また、前記流量読取装置1’は、容器15の外周面に第1実施形態のようなつば部19や位置決め用歯車20を備えていない。したがって、保持具2’の下カバー21’は第1実施形態のような位置決め突起31を備える必要がない。
【0034】
この実施形態の保持具2’は、上カバー22’の上端の外周縁22’aが流量読取装置1’の容器15の側壁部15bと一体に繋がっている。したがって、この実施形態では下カバー21’の雄ネジ23に上カバー22’の雌ネジ36をねじ込む際には、上カバー22’の上端の外周縁22’aが上カバー22’と一体に形成された流量読取装置1’を押し下げ、流量読取装置1’の下面を透明板12に密着させる。すなわち、上カバー22’の上端の外周縁22’aが第1実施形態の押圧部37と同じように作用して流量読取装置1’を押し下げる。
【0035】
この実施形態では水道メータMの上ケース4の外周に保持具2’の下カバー21’を装着したのち、その上から流量読取装置1’と一体となった上カバー22’を被せ、下カバー21’の雄ネジ23に上カバー22’の雌ネジ36をねじ込んでいく。このとき、上カバー22’の回転と共に流量読取装置1’も一緒に透明板12上を回転するが、カメラ16が容器15の中心部に設置され、真下に向けてあるので、カメラ16の撮影範囲内に流量表示部11の数字車13の数字を常時含めることができる。上カバー22’のねじ込みによって流量読取装置1’も一緒に押し下げられ、流量読取装置1’の下面が水道メータMの透明板12に密着することで位置決めされる。密着した後もさらに上カバー22’をねじ込んでいくと、下カバー21’の方が引き上げられ、下カバー21‘の係止爪28が上ケース4の下端部4bに係合した時点で上カバー22’のねじ込みが完了する。これによって、下カバー21の上下方向が位置決めされると同時に、下カバー21と上カバー22とがしっかりと固定される。第1実施形態と同様、流量読取装置1’は、下面が透明板12に密着した状態で、また固定された下カバー21’と上カバー22’とに挟まれた状態で保持され、水道メータMに適切な位置で確実に装着されることになる。
【符号の説明】
【0036】
1,1’ 流量読取装置
2,2’ 保持具
3 下ケース
3a 流入口
3b 流出口
4 上ケース
4a リブ
4b 上ケースの下端部
5 計量部
6 羽根車
7 回転軸
8,9 マグネット
10 歯車列
11 流量表示部(表示部)
12 透明板
13 数字車
14a,14b 円板
15 容器
15a 底板
15b 側壁部
16 カメラ
17 送信部
18 有線ケーブル
19 つば部
19a つば部の上面
20 位置決め用歯車
20a 凹凸部
21,21’ 下カバー
22,22’ 上カバー
22’a 上カバーの上端の外周縁
23 雄ネジ
24a,24b 切欠き部
25 蓋体
25a 蓋体の舌片
26 ヒンジ部
27 収容部
28 係止爪
29,33 スリット
30,34 弾性片
31 位置決め突起
32 突片
35 縦リブ
36 雌ネジ
37 押圧部
M 水道メータ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7