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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022062792
(43)【公開日】2022-04-21
(54)【発明の名称】救護支援システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/22 20180101AFI20220414BHJP
   G06F 21/62 20130101ALI20220414BHJP
【FI】
G06Q50/22
G06F21/62 345
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020170923
(22)【出願日】2020-10-09
(71)【出願人】
【識別番号】506137088
【氏名又は名称】株式会社T・Kホールディングス
(71)【出願人】
【識別番号】507419172
【氏名又は名称】株式会社音力発電
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】特許業務法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】寒川 登代志
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA13
(57)【要約】
【課題】発見者が救護団体のスタッフである場合に限り、要救護者の個人情報を開示可能な、救護支援システムを提供する。
【解決手段】救護スタッフ用端末30は、符号化された複数の記号を所定の待機時間内に復号可能な、複数コード復号部40を備える。また管理サーバ10は送信アドレス制御部23を備える。送信アドレス制御部23は、救護スタッフ用端末30の複数コード復号部40によって復号化された、発見用QRコード(登録商標)72からの復号化情報と救護スタッフ用QRコード82からの復号化情報との組み合わせに応じて、当該救護スタッフ用端末30から救護ユーザの個人情報を閲覧可能とする。
【選択図】図15
【特許請求の範囲】
【請求項1】
救護支援サービスの利用者である救護ユーザに所持され、符号化された記号が表示された発見用マークと、
前記救護支援サービスの救護要員として予め登録された救護スタッフに所持され、符号化された記号が表示された救護スタッフ用マークと、
前記発見用マークからの復号化情報と救護ユーザの個人情報とが関連付けられて記憶されたユーザ情報記憶部と、前記救護スタッフ用マークからの復号化情報と救護スタッフの個人情報とが関連付けられて記憶された救護スタッフ情報記憶部と、を備える、管理サーバと、
救護スタッフが所持し、前記管理サーバと通信可能な、救護スタッフ用携帯端末と、
を備える、救護支援システムであって、
前記救護スタッフ用携帯端末は、符号化された複数の記号を所定の待機時間内に復号可能な、複数記号復号部を備え、
前記管理サーバは、前記救護スタッフ用携帯端末の前記複数記号復号部によって復号化された、前記発見用マークからの復号化情報と前記救護スタッフ用マークからの復号化情報との組み合わせに応じて、当該救護スタッフ用携帯端末から救護ユーザの個人情報を閲覧可能とする制御部を備える、
救護支援システム。
【請求項2】
請求項1に記載の救護支援システムであって、
前記ユーザ情報記憶部には、救護ユーザの現在位置を入力可能な入力画面に接続可能な一般アドレスと、救護ユーザの個人情報の閲覧画面に接続可能な救護ユーザ情報アドレスが、救護ユーザ別に割り当てられ、
前記発見用マークからの復号化情報は、前記一般アドレスである、
救護支援システム。
【請求項3】
請求項2に記載の救護支援システムであって、
前記救護スタッフ情報記憶部には、救護スタッフの個人情報の入力画面に接続可能な救護スタッフ情報アドレスが、救護スタッフ別に割り当てられ、
前記救護スタッフ用マークからの復号化情報は、前記救護スタッフ情報アドレスである、
救護支援システム。
【請求項4】
請求項3に記載の救護支援システムであって、
前記管理サーバは、前記一般アドレスと前記救護スタッフ情報アドレスとの組み合わせと、前記救護ユーザ情報アドレスとが関連付けられた、アドレス組合せ記憶部を備え、
前記制御部は、前記救護スタッフ用携帯端末の前記複数記号復号部によって復号化された、前記一般アドレスと前記救護スタッフ情報アドレスとの組み合わせに対応する前記救護ユーザ情報アドレスを、当該救護スタッフ用携帯端末に送信する、
救護支援システム。
【請求項5】
請求項4に記載の救護支援システムであって、
前記救護スタッフ情報アドレスは、複数の救護スタッフ間で共通する共通文字列と、それぞれの救護スタッフ間で個別に割り当てられる個別文字列から構成され、
前記制御部は、前記救護スタッフ情報アドレスから前記個別文字列を削除して残りの前記共通文字列を前記アドレス組合せ記憶部に記憶させる、
救護支援システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書では、高齢者等の要救護者に対する救護支援システムが開示される。
【0002】
高齢者等の要救護者に対する救護支援システムが従来から知られている。例えば特許文献1に開示される救援支援システムでは、シリアルナンバーが付されたアクセサリーを要救護者に持参させている。一方、救護支援システムを管理するデータ管理会社にはデータベースが設置されている。このデータベースには、シリアルナンバーと関連付けて、氏名、性別、住所、電話番号、生年月日、血液型、身長、体重、病歴等の個人情報が記憶される。
【0003】
要救護者が外出中に体調不良となった際に、周囲の人間がこれを発見し、当該人間がデータ管理会社にシリアルナンバーを伝えるとともに、現在位置を伝える。これを受けてデータ管理会社では、シリアルナンバーに紐づけられた本人情報と位置情報とを、救護団体に送り、救護団体のスタッフを救護に向かわせる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2016-218992号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、要救護者の発見者が救護団体のスタッフである場合には、シリアルナンバーをデータ管理会社に伝えたり、救護要請等の作業を省いて、個人情報を速やかに当該スタッフに示して処置に当たらせることが好適である。その一方で、発見者が救護団体に属しない一般人である場合に、これに個人情報を開示することは情報管理上好ましくない。
【0006】
そこで本明細書で開示される救護支援システムでは、発見者が救護団体のスタッフである場合に限り、要救護者の個人情報を開示可能な、救護支援システムが開示される。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本明細書では、救護支援システムが開示される。当該システムは、発見用マーク、救護スタッフ用マーク、管理サーバ、及び救護スタッフ用携帯端末を備える。発見用マークは、救護支援サービスの利用者である救護ユーザに所持され、符号化された記号が表示される。救護スタッフ用マークは、救護支援サービスの救護要員として予め登録された救護スタッフに所持され、符号化された記号が表示される。管理サーバは、ユーザ情報記憶部及び救護スタッフ情報記憶部を備える。ユーザ情報記憶部は、発見用マークからの復号化情報と救護ユーザの個人情報とが関連付けられて記憶される。救護スタッフ情報記憶部は、救護スタッフ用マークからの復号化情報と救護スタッフの個人情報とが関連付けられて記憶される。救護スタッフ用携帯端末は、救護スタッフが所持し、管理サーバと通信可能となっている。救護スタッフ用携帯端末は、符号化された複数の記号を所定の待機時間内に復号可能な、複数記号復号部を備える。また管理サーバは制御部を備える。制御部は、救護スタッフ用携帯端末の複数記号復号部によって復号化された、発見用マークからの復号化情報と救護スタッフ用マークからの復号化情報との組み合わせに応じて、当該救護スタッフ用携帯端末から救護ユーザの個人情報を閲覧可能とする。
【0008】
上記構成によれば、救護スタッフ用携帯端末の複数記号復号部によって復号化された、発見用マークからの復号化情報と救護スタッフ用マークからの復号化情報との組み合わせに応じて、当該救護スタッフ用携帯端末から救護ユーザの個人情報が閲覧可能となる。したがって、複数記号複号部を持たない端末や、救護スタッフ用マークを持たない者による救護ユーザの個人情報の閲覧が抑制可能となる。また、救護ユーザの発見者が救護スタッフである場合に限り、救護ユーザの個人情報を当該救護スタッフに開示可能となる。
【0009】
また上記構成において、ユーザ情報記憶部には、救護ユーザの現在位置を入力可能な入力画面に接続可能な一般アドレスと、救護ユーザの個人情報の閲覧画面に接続可能な救護ユーザ情報アドレスが、救護ユーザ別に割り当てられてよい。この場合、発見用マークからの復号化情報は、一般アドレスである。
【0010】
上記構成によれば、救護スタッフ以外の一般発見者が所持する携帯端末が、救護ユーザの発見用マークを復号した場合に、救護ユーザの現在位置を入力可能となり、当該位置へ救護スタッフを派遣することが可能となる。
【0011】
また上記構成において、救護スタッフ情報記憶部には、救護スタッフの個人情報の入力画面に接続可能な救護スタッフ情報アドレスが、救護スタッフ別に割り当てられてよい。この場合、救護スタッフ用マークからの復号化情報は、救護スタッフ情報アドレスである。
【0012】
上記構成によれば、救護スタッフが所持する救護スタッフ用マークを、救護スタッフ用携帯端末で復号することで、救護スタッフが自身の情報を編集可能となる。
【0013】
また上記構成において、管理サーバは、一般アドレスと救護スタッフ情報アドレスとの組み合わせと、救護ユーザ情報アドレスとが関連付けられた、アドレス組合せ記憶部を備えてよい。この場合、制御部は、救護スタッフ用携帯端末の複数記号復号部によって復号化された、一般アドレスと救護スタッフ情報アドレスとの組み合わせに対応する救護ユーザ情報アドレスを、当該救護スタッフ用携帯端末に送信する。
【0014】
上記構成によれば、救護ユーザの現在位置を入力可能な入力画面に接続可能な一般アドレスと、救護スタッフの個人情報の入力画面に接続可能な救護スタッフ情報アドレスが、救護スタッフの個人情報を閲覧するためのパスワード(またはキーアドレス)として利用される。
【0015】
また上記構成において、救護スタッフ情報アドレスは、複数の救護スタッフ間で共通する共通文字列と、それぞれの救護スタッフ間で個別に割り当てられる個別文字列から構成されてよい。この場合、制御部は、救護スタッフ情報アドレスから個別文字列を削除して残りの共通文字列をアドレス組合せ記憶部に記憶させる。
【0016】
上記構成によれば、アドレス組合せ記憶部では、所定の救護ユーザ情報アドレスに関連付けられる救護スタッフ情報アドレスを、救護スタッフ間で別々に設定せずに済み、設定時の負荷が軽減される。
【発明の効果】
【0017】
本明細書で開示される救護支援システムによれば、発見者が救護団体のスタッフである場合に限り、要救護者の個人情報を開示可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本実施形態に係る救援支援システムのハードウェア構成を例示する図である。
図2】ユーザ端末、救護スタッフ用端末、及び一般救護者用端末の機能ブロックを例示する図である。
図3】管理サーバの機能ブロックを例示する図である。
図4】発見用QRコード(登録商標)が復号されたアドレスと、救護スタッフ用QRコードが復号されたアドレスから、救護ユーザ情報アドレスを生成する仕組みについて説明する図である。
図5】管理サーバ内の、アドレス組合せ記憶部に記憶された、キーアドレステーブルを例示する図である。
図6】管理サーバにおける記憶部のデータ構造について説明する図である。
図7】救護ユーザ及び救護スタッフの、救護支援サービスへの登録時の、管理サーバにおける情報処理を例示する図である。
図8】救護支援サービス登録時の、救護ユーザ端末の情報処理を例示する図である。
図9】救護ユーザの、救護支援サービス時の登録フローを例示する図である。
図10】救護支援サービス登録時の、救護スタッフ用端末の情報処理を例示する図である。
図11】救護スタッフの、救護支援サービス時の登録フローを例示する図である。
図12】一般救護者による救護ユーザの救護時の、管理サーバにおける情報処理を例示する図である。
図13】一般救護者による救護ユーザの救護時の、一般救護者用端末における情報処理を例示する図である。
図14】一般救護者による救護支援フローを例示する図である。
図15】救護スタッフによる救護ユーザの救護時の、管理サーバにおける情報処理を例示する図である。
図16】救護スタッフによる救護ユーザの救護時の、救護スタッフ用端末における情報処理を例示する図である。
図17】救護スタッフによる救護支援フローを例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1には、本実施形態に係る救護支援システムが例示される。本実施形態に係る救護支援システムにより、救護支援サービスが提供可能となっている。この救護支援サービスでは、例えば高齢者や子どもなどが救護ユーザとして予め救援支援システムに登録される。さらにこの救護支援サービスでは、後述されるように、救護ユーザの位置が求められ、その位置情報が家族等の保護者に提供される。例えば、高齢者の徘徊時や、子どもが迷子になったときなどに、本実施形態に係る救援支援サービスが利用される。
【0020】
さらに本実施形態では、救護支援サービスの提供者側のスタッフとして、救護スタッフ(救護要員)が、予め救護支援システムに登録される。救護スタッフとして、例えば介護施設のスタッフや訪問介護のスタッフ等の、ケアマネージャ(介護支援専門員)の資格保有者が登録される。
【0021】
本実施形態に係る救護支援システムでは、予め登録された救護スタッフが救護ユーザを発見した場合に、当該救護スタッフによる救護ユーザの適切な処置が可能となっている。例えば救護ユーザが高齢者であり、当該高齢者が屋外に徘徊し脱水等で動けなくなったときに、これを発見した救護スタッフは、水分補給等の処置を行う。
【0022】
上記処置に当たり、救護スタッフには、救護支援システムの管理サーバ10から、発見された救護ユーザの個人情報が送信される。例えば高齢者に対して水分補給を行う場合に、電解質濃度が比較的高い経口補水液が用いられる場合があるが、処置対象の高齢者が医師からナトリウム、カリウムの摂取制限を受けている場合は、経口補水液の摂取を控えた方が良い場合がある。このような場合に、水分補給の前に、救護スタッフが、救護ユーザ(高齢者)の個人情報から基礎疾患や既往歴等を参照することで、救護ユーザに対して適切な処置を施すことができる。
【0023】
<救護支援システムの構成>
図1を参照して、本実施形態に係る救護支援システムは、管理サーバ10、救護スタッフ用端末30、ユーザ端末50、及び一般救護者用端末60を含んで構成される。ここで、救護スタッフ用端末30、ユーザ端末50、及び一般救護者用端末60は、救援支援システムに複数台含まれていてよい。例えば救護スタッフ用端末30は、救援支援サービスに登録した救護スタッフの人数分設けられてよい。またユーザ端末50は、救護支援サービスに登録した救護ユーザの人数分設けられてよい。
【0024】
さらに一般救護者用端末60は、後述されるように発見用マークである発見用QRコード72(図7参照)を復号し、復号後のアドレスに接続する機能と、自身の現在位置を取得して上記アドレス宛に送る機能がある通信端末であればよい。また、救護スタッフ用端末30及びユーザ端末50のような登録は必要ないため、理論的には、上記の機能(QRコード読み取り機能及びGPS機能)を備えた通信端末であれば、一般救護者用端末60となり得る。
【0025】
<管理サーバ>
管理サーバ10は、例えば、救護支援システムによる救護支援サービスを提供する提供会社に設置される。管理サーバ10は、例えばコンピュータから構成され、有線及び無線通信手段を用いて、救護スタッフ用端末30、ユーザ端末50、一般救護者用端末60と通信可能となっている。
【0026】
管理サーバ10は、キーボードやマウス等の入力部11、演算装置のCPU12、及びディスプレイ等の表示部13を備える。また管理サーバ10は記憶装置として、ROM14、RAM15及びハードディスクドライブ16(HDD)を備える。さらに管理サーバ10は、情報の入出力を管理する入出力コントローラ17を備える。これらの構成部品は内部バス18に接続される。
【0027】
図3には、管理サーバ10の機能ブロックが例示される。この機能ブロック図は、例えばROM14やHDD16に記憶されるか、または、DVD等の、コンピュータが読み取り可能な非一過性の記憶媒体に記憶されたプログラムを、CPU12が実行することで構成される。
【0028】
管理サーバ10は、記憶部として、ユーザ情報記憶部22、救護スタッフ情報記憶部26、及びアドレス組合せ記憶部27を備える。また管理サーバ10は、情報処理部として、送信アドレス制御部23、ユーザ情報送受信部24、及び、救護スタッフ情報送受信部25を備える。
【0029】
ユーザ情報記憶部22には、ユーザ端末50から入力された、救護ユーザに関する情報が記憶される。例えば後述される図7に例示されるように、ユーザ情報記憶部22には、登録用QRコード71からの復号化情報である一般アドレスに加えて、ユーザ氏名、連絡先、かかりつけ医、既往歴、服薬中の薬、基礎疾患、及び介護サービス担当者名等の、救護ユーザに関する個人情報が記憶される。言い換えると、ユーザ情報記憶部22には、一般アドレスと救護ユーザの個人情報とが関連付けて記憶される。
【0030】
図6には、ユーザ情報記憶部22のデータ構造が例示される。この例では、ユーザ情報記憶部22は、3層のディレクトリ構造を備える。具体的には、ユーザ情報記憶部22は、最上層のディレクトリ90、2層目のディレクトリ91~93、3層目のディレクトリ94~96を備える。最上層のディレクトリ90は救護ユーザ数の増減に関わらず単一に設けられる。言い換えると最上層のディレクトリ90は救護ユーザ間で共有化されるディレクトリである。
【0031】
2層目のディレクトリ91~93は、救護ユーザ別に設定される、個別のディレクトリである。2層目のディレクトリ91~93の名称は、ユーザIDと同一であってよい。後述されるように、この2層目のディレクトリ91~93に、各救護ユーザの現在位置や連絡先が記憶及び更新される。なお、この2層目のディレクトリ91~93は、図4に例示される一般アドレス(発見用QRコード72を復号化して得られるアドレス)に対応する。
【0032】
3層目のディレクトリ94~96は、2層目のディレクトリ91~93の下位層であり、救護ユーザ別に設定される。3層目のディレクトリ94~96は、いずれも同一の名称であってよい。3層目のディレクトリ94~96には、救護ユーザのユーザ氏名、連絡先、かかりつけ医、既往歴、服薬中の薬、基礎疾患、介護サービスの担当者名等の、救護ユーザの個人情報が記憶される。この3層目のディレクトリ91~93は、後述される救護ユーザ情報アドレスに対応する。
【0033】
図3を参照して、救護スタッフ情報記憶部26には、救護スタッフ用端末30から入力された、救護スタッフに関する情報が記憶される。図6には、救護スタッフ情報記憶部26のデータ構造が例示される。この例では、救護スタッフ情報記憶部26は、2層のディレクトリ構造を備える。具体的には、救護スタッフ情報記憶部26は、最上層のディレクトリ100、2層目のディレクトリ101~103を備える。最上層のディレクトリ100は救護スタッフ数の増減に関わらず単一に設けられる。言い換えると最上層のディレクトリ100は救護スタッフ間で共有化されるディレクトリである。
【0034】
2層目のディレクトリ101~103は、救護スタッフ別に設定される、個別のディレクトリである。なお、2層目のディレクトリ101~103の名称は、救護スタッフを識別するスタッフIDと同一であってよい。後述されるように、この2層目のディレクトリ101~103に、各救護スタッフの個人情報が記憶及び更新される。なお、この2層目のディレクトリ101~103は、図4に例示される救護スタッフ情報アドレスに対応する。
【0035】
つまり、救護スタッフ情報記憶部26は、登録用QRコード82(救護スタッフ用マーク)からの復号化情報と救護スタッフの個人情報とが関連付けられて記憶される。救護スタッフ情報アドレスは、救護スタッフ用の登録用QRコード82からの復号化情報であって、当該コードを復号したときに得られるアドレスである。
【0036】
図3を参照して、アドレス組合せ記憶部27には、ユーザ情報記憶部22に記憶され発見用QRコード72(図4参照)を復号したときに得られる一般アドレスが記憶される。さらにアドレス組合せ記憶部27には、救護スタッフ情報記憶部26に記憶され登録用QRコード82を復号したときに得られる救護スタッフ情報アドレスが記憶される。
【0037】
後述される図5のように、一般アドレスはキーアドレス1としてアドレス組合せ記憶部27に記憶され、救護スタッフ情報アドレスはキーアドレス2としてアドレス組合せ記憶部27に記憶される。さらにこのキーアドレス1、2の組合せに応じた、救護ユーザ情報アドレスがアドレス組合せ記憶部27に記憶される。キーアドレス1、2と救護ユーザ情報アドレスとの組み合わせは、救護ユーザごとに付与された識別番号(ユーザID)ごとにアドレス組合せ記憶部27に記憶される。
【0038】
送信アドレス制御部23は、アドレス組合せ記憶部27に記憶させるアドレス情報を制御する。後述されるように、送信アドレス制御部23は、一般アドレス及び救護スタッフ情報アドレスの全文字列を、それぞれ、キーアドレス1及びキーアドレス2として、アドレス組合せ記憶部27に記憶させる。または、送信アドレス制御部23は、救護スタッフ情報アドレスについては、救護スタッフ間で共通する文字列のみを救護スタッフ情報アドレスから抽出して、その抽出された共通文字列を、アドレス組合せ記憶部27に記憶させる。
【0039】
さらに、送信アドレス制御部23は、救護スタッフ用端末30の複数コード復号部40(図2参照)によって復号化された、一般アドレス及び救護スタッフアドレスの両者が、管理サーバ10に送信されたときに、送信されたアドレスの組合せに応じた救護ユーザ情報アドレスを、送信元の救護スタッフ用端末30に送信する。
【0040】
<ユーザ端末>
図1を参照して、ユーザ端末50は、主に救護支援システムへの登録時、及び登録内容の変更時に用いられる。ユーザ端末50は、管理サーバ10と通信可能な通信端末であればよく、例えばスマートフォン等であってよい。またユーザ端末50は、救護支援システムに登録される、言い換えると救護支援サービスの利用者である救護ユーザの所有物でなくてもよい。例えば救護ユーザの家族等の関係者の通信端末がユーザ端末50であってもよい。
【0041】
ユーザ端末50は、演算装置のCPU31、撮像器32、ディスプレイ等の表示部37、及び文字情報等を入力可能な入力部38を備える。撮像器32は、例えばスマートフォンに搭載されたカメラデバイスであり、静止画及び動画を撮像可能となっている。撮像器32は、例えばCMOSやCCD等の撮像デバイスを含んで構成される。また、表示部37と入力部38とは一体化されていてもよく、例えば表示機能と入力機能が一体化されたタッチパネルディスプレイがユーザ端末50に設けられる。
【0042】
またユーザ端末50は記憶装置として、システムメモリ35及びストレージ36を備える。ストレージ36は例えばハードディスクドライブ(HDD)やソリッドステートドライブ(SSD)であってよい。さらにユーザ端末50は、情報の入出力を管理する入出力コントローラ34を備える。これらの構成部品は内部バスに接続される。
【0043】
図2には、機能ブロックと撮像器32等の機器とが混在されたユーザ端末50のブロック図が例示される。この図のうち機能ブロックは、例えばストレージ36に記憶されるか、または、フラッシュメモリ等の、コンピュータが読み取り可能な非一過性の記憶媒体に記憶されたプログラムを、CPU31が実行することで構成される。
【0044】
ユーザ端末50は、上述したように撮像器32、表示部37、入力部38を備える。またユーザ端末50は、入出力コントローラ34が機能上分離された送信部34A及び受信部34Bを備える。
【0045】
さらにユーザ端末50は、復号部39を備える。復号部39は、撮像器32が撮像した記号を復号可能となっている。例えば復号部39はQRコードデコーダ(QRコードリーダ)であってよい。
【0046】
<救護スタッフ用端末>
図1を参照して、救護スタッフ用端末30(救護スタッフ用携帯端末)は、救護支援システムへの登録時、及び登録内容の変更時に用いられる。また救護スタッフ用端末30は、救護ユーザの救護時にも利用される。救護スタッフ用端末30は、管理サーバ10と通信可能な通信携帯端末であればよく、例えばスマートフォン等であってよい。また救護スタッフ用端末30は、例えば勤務中の救護スタッフに所持されている通信端末であり、例えば救護スタッフの勤務先から貸与されたスマートフォンであってよい。
【0047】
救護スタッフ用端末30は、CPU31、撮像器32、入出力コントローラ34、システムメモリ35、ストレージ36、表示部37、入力部38を備える。これらの機器はユーザ端末50の各機器と共通することから、以下では説明が省略される。
【0048】
また、救護スタッフ用端末30は、上記機器以外に、位置情報取得手段として、GPS受信器33を備える。後述されるように、救護ユーザの救護に当たり、このGPS受信器33にて救護スタッフの現在位置、言い換えると救護スタッフが手当てしている救護ユーザの現在位置が取得され、管理サーバ10に送信される。
【0049】
図2には、機能ブロックと撮像器32等の機器とが混在された、救護スタッフ用端末30のブロック図が例示される。この図のうち機能ブロックは、例えばストレージ36に記憶されるか、または、フラッシュメモリ等の、コンピュータが読み取り可能な非一過性の記憶媒体に記憶されたプログラムを、CPU31が実行することで構成される。
【0050】
救護スタッフ用端末30は、撮像器32、送信部34A及び受信部34B、表示部37、入力部38、ならびに復号部39を備える。これらの機器及び機能ブロックは、ユーザ端末50の各機器及び機能ブロックと共通することから、以下では説明が省略される。また、GPS受信器33についても、上述にて説明済みであるため、以下では説明が省略される。
【0051】
さらに救護スタッフ用端末30は、複数コード復号部40(複数記号復号部)を備える。複数コード復号部40は、撮像器32が撮像した複数の、符号化(エンコード)された記号を復号(デコード)可能となっている。例えば複数コード復号部40は、その機能を起動させてから所定の待機時間内に、複数の符号化された記号を復号する。この符号化された記号とは、例えばQRコード等の二次元コードであってよい。
【0052】
後述される図15のように、救護スタッフが、自身のスマートフォン(救護スタッフ用端末30)から複数コード復号部を起動させ、所定の待機時間(例えば20秒)の間に、救護ユーザが所持する発見用QRコード72(発見用マーク)を復号する。さらに当該待機時間中に、救護スタッフは、自身が所持する登録用QRコード82(救護スタッフ用マーク)を復号する。これらの復号された文字列である、一般アドレス及び救護スタッフ情報アドレスが、キーアドレスとして管理サーバ10に送信される。さらに管理サーバ10から、送信したキーアドレスに対応したアドレス情報が救護スタッフ用端末30に送信される。このアドレス情報から、救護スタッフは救護ユーザの個人情報を閲覧可能となる。
【0053】
<一般救護者用端末>
図1を参照して、一般救護者用端末60は、主に救護ユーザの救護時に利用される。一般救護者用端末60は、管理サーバ10と通信可能な通信端末であればよく、例えばスマートフォンであってよい。
【0054】
一般救護者用端末60は、CPU31、撮像器32、GPS受信器33、入出力コントローラ34、システムメモリ35、ストレージ36、表示部37、入力部38を備える。これらの機器は救護スタッフ用端末30の各機器と共通することから、以下では説明が省略される。
【0055】
図2には、機能ブロックと撮像器32等の機器とが混在された、一般救護者用端末60のブロック図が例示される。この図のうち機能ブロックは、例えばストレージ36に記憶されるか、または、フラッシュメモリ等の、コンピュータが読み取り可能な非一過性の記憶媒体に記憶されたプログラムを、CPU31が実行することで構成される。
【0056】
一般救護者用端末60は、撮像器32、GPS受信器33、送信部34A及び受信部34B、表示部37、入力部38、ならびに復号部39を備える。これらの機器及び機能ブロックは、救護スタッフ用端末30の各機器及び機能ブロックと共通することから、以下では説明が省略される。
【0057】
<救護支援システムで用いられるQRコード>
本実施形態における救護支援システムでは、種々のQRコードが利用される。なお、救護支援システムで利用されるものはQRコードに限られない。要するに撮像器32での撮像が可能であり、復号部39及び複数コード復号部40による復号が可能な符号化記号が、本実施形態に係る救護支援システムにおいて使用可能となっている。
【0058】
図7を参照して、本実施形態に係る救護支援システムでは、救護ユーザ向けに、救護ユーザの登録用QRコード71(登録用マーク)及び発見用QRコード72(発見用マーク)が用意される。登録用QRコード71及び発見用QRコード72は例えば一枚の用紙に印刷される。さらに発見用QRコード72は一枚の用紙に複数印刷される。
【0059】
例えば一つの登録用QRコード71と、複数の発見用QRコード72が救護支援サービスシート70に印刷される。当該シートは救護支援サービスの提供を希望する救護ユーザやその家族等に配布される。
【0060】
発見用QRコード72は用紙から取り外されて、救護サービスの利用者である救護ユーザに所持される。例えば救護ユーザが外出時に常時所持している杖やアクセサリー等に、発見用QRコード72が貼付される。
【0061】
一枚の用紙に印刷された登録用QRコード71及び発見用QRコード72は、予め管理サーバ10にて関連付けられている。例えば、図6に例示されるように、管理サーバ10のユーザ情報記憶部22では、予め複数の救護ユーザ別に2層目のディレクトリ91~93及び3層目のディレクトリ94~96が生成される。なお上述のように、2層目のディレクトリ91~93には救護ユーザの現在位置及び連絡先が記憶される。また3層目のディレクトリ94~96には救護ユーザの個人情報が記憶される。
【0062】
さらに2層目のディレクトリ91~93にアクセス可能なアドレスである一般アドレスがディレクトリ91~93別に生成され、これが符号化されて発見用QRコード72が生成される。同様にして、3層目のディレクトリ94~96にアクセス可能なアドレスである救護ユーザ情報アドレスがディレクトリ94~96別に生成され、これが符号化されて登録用QRコード71が生成される。発見用QRコード72及び登録用QRコード71として符号化された記号は、例えば2次元平面上に示されたドット模様として表される。
【0063】
救護スタッフの登録用QRコード82(救護スタッフ用マーク)は、例えばスタッフ用救護支援サービスシート80に印刷される。このサービスシート80は、例えば管理サーバ10が設置された管理会社と提携関係にある、介護施設や訪問介護、デイサービス等の介護事業者から、当該事業者に雇用されているケアマネージャ(介護支援専門員)に配布される。この登録用QRコード82は、救護サービスの救護要員として予め登録された救護スタッフに所持される。例えば、救護スタッフの名札に登録用QRコード82が貼付される。
【0064】
例えば、図6に例示されるように、管理サーバ10の救護スタッフ情報記憶部26では、予め複数の救護スタッフ別に2層目のディレクトリ101~103が生成される。なお上述のように、2層目のディレクトリ101~103には救護スタッフの個人情報が記憶される。
【0065】
さらに2層目のディレクトリ101~103にアクセス可能なアドレスである救護スタッフ情報アドレスがディレクトリ101~103別に生成され、これが符号化され図7に例示される登録用QRコード82が生成される。登録用QRコード82として符号化された記号は、例えば2次元平面上に示されたドット模様として表される。
【0066】
なお、救護ユーザの登録用QRコード71、発見用QRコード72(発見用マーク)、及び救護スタッフの登録用QRコード82(救護スタッフ用マーク)は、印刷物として表示される以外にも、種々の形態を採ることが出来る。例えば救護ユーザがスマートフォン等の携帯端末を所持している場合に、当該携帯端末に発見用QRコード72の画像が保存されていてもよい。この場合、携帯端末の表示部に、発見用QRコード72の画像が表示される。また同様にして、救護スタッフ用端末30の画像データとして、登録用QRコード82の画像が保存されていてもよい。この場合、救護スタッフ用端末30の表示部37に、登録用QRコード82の画像が表示される。
【0067】
<救護ユーザ情報アドレスの生成プロセス>
図4に例示されるように、本実施形態に係る救護支援システムでは、発見用マーク、つまり発見用QRコード72からの復号化情報である、一般アドレスと、救護スタッフ用マーク、つまり救護スタッフの登録用QRコード82からの復号化情報である、救護スタッフ情報アドレスの組合せに対応して、救護ユーザ情報アドレスが設定される。これを言い換えると、救護ユーザ情報アドレスを取得する際のパスワード(キーアドレス)として、一般アドレスと救護スタッフ情報アドレスが用いられる。
【0068】
図5には、管理サーバ10のアドレス組合せ記憶部27に記憶されたキーアドレステーブルが例示される。図5に示される例では、キーアドレステーブルは、ユーザID、キーアドレス1、キーアドレス2、救護ユーザ情報アドレス、の4列構成のテーブル(表)となっている。
【0069】
ユーザIDは、救護ユーザ別に個別に設定される。実際には、管理サーバ10側で、予め「空の」、つまり救護ユーザが未登録のユーザIDが設定される。さらにこのユーザIDに対応する救護ユーザ登録用QRコード71及び発見用QRコード72が救護支援サービスシート70(図7参照)に印刷される。救護支援サービスシート70から救護ユーザの登録を行うことで、「空の」ユーザIDに救護ユーザが登録される。
【0070】
キーアドレス1の列には、例えば第1列に設定されたユーザIDの文字列を含む、一般アドレス(発見用QRコード72を復号化したときのアドレス)が記憶される。この一般アドレスは、救護ユーザの現在位置を入力可能な入力画面に接続可能なアドレスである。
【0071】
キーアドレス2の列には、救護スタッフの登録用QRコード82を復号化したときの、救護スタッフ情報アドレスが記憶される。救護スタッフ情報アドレスは、救護スタッフの個人情報の入力画面に接続可能なアドレスである。
【0072】
さらに救護ユーザ情報アドレスの列には、第1列に設定されたユーザIDの文字列を含む、救護ユーザ情報アドレスが記憶される。救護ユーザ情報アドレスは、救護ユーザの個人情報の閲覧が可能な閲覧画面に接続可能なアドレスである。
【0073】
ここで、キーアドレステーブルに記憶されるアドレスが、その全文字列(フルパス)である場合に、記憶される行数が過大となるおそれがある。図5には、所定のキーアドレス1、例えばアドレス110と、これに対応する救護ユーザ情報アドレス、例えばアドレス112と、これらの組合せに対応するキーアドレス2、例えばアドレス114が示される。ここで、アドレス110,112に対応するアドレス114が、その全文字列にて記憶されなければならない場合、救護ユーザ情報アドレスは救護スタッフ別に固有の文字列が与えられているため、アドレス114として救護スタッフの人数分設定されなければ、全ての救護スタッフが救護ユーザ情報アドレスを取得できないことになる。
【0074】
なお、救護スタッフ情報アドレスは、アドレスごと、つまり救護スタッフ間で共通する共通文字列と、救護スタッフ間で個別に割り当てられる個別文字列から構成される。例えば図4の例では、プロトコル表示、サブドメイン名、ドメイン名、及び1層目のディレクトリ名が共通文字列となり、2層目のディレクトリが個別文字列となる。
【0075】
上記の文字列構成に基づいて、キーアドレス2から個別文字列を削除して、残りの共通文字列がアドレス組合せ記憶部27(図3参照)に記憶されてもよい。なお、このようなコード加工は、例えば送信アドレス制御部23によって実行される。
【0076】
<救護ユーザの登録プロセス>
図7図9には、救護サービスの提供を受ける救護ユーザが、新規に救護支援システムに登録する際のプロセスが例示される。なお図9のフローチャートにおける(ユ)は、ユーザ端末50側の処理を示し、(管)は、管理サーバ10による処理を示す。
【0077】
ユーザ端末50の撮像器32が起動され、救護支援サービスシート70に印刷された登録用QRコード71が撮像される。さらにユーザ端末50の復号部39が登録用QRコード71を復号して、救護ユーザ情報アドレスを表示部37に表示させる。さらにユーザ端末50の操作者、例えば救護ユーザの家族が、救護ユーザ情報アドレスにアクセスする操作を入力部38経由で行う(図9S10)。
【0078】
アクセス操作を受けて管理サーバ10のユーザ情報送受信部24は、救護ユーザの個人情報を入力する入力フォームをユーザ端末50に送信する(S12)。この入力フォームはユーザ端末50の受信部34Bを介して表示部37に表示される。ユーザ端末50の操作者は、入力部38を介して、ユーザ氏名、連絡先、かかりつけ医等の、救護ユーザの個人情報を入力フォーム(入力画面)に入力する(S14)。入力された個人情報は管理サーバ10のユーザ情報記憶部22に記憶される(S16)。
【0079】
具体的には、救護ユーザ情報アドレスに含まれるユーザIDの名前が付されたディレクトリ91~93またはその下層のディレクトリ94~96に、救護ユーザの個人情報が記憶される。例えば図6を参照して、入力された個人情報のうち、連絡先は2層目のディレクトリ91~93に記憶される。また入力された個人情報の全ては、3層目のディレクトリ94~96に記憶される。
【0080】
さらに管理サーバ10では、個人情報が記憶されたディレクトリのアドレスが送信アドレス制御部23によって取得され、アドレス組合せ記憶部27に記憶される(S18)。例えば2層目のディレクトリ91~93のアドレス(一般アドレス)がキーアドレス1(図5参照)としてキーアドレステーブルに記憶される。さらに、3層目のディレクトリ94~96のアドレス(救護ユーザ情報アドレス)がキーアドレステーブルに記憶される。これらのアドレスは、送信アドレス制御部23により、それぞれ自身のアドレスに含まれるユーザIDの行に記憶される。
【0081】
<救護スタッフの登録プロセス>
図7図10図11には、救護支援システムの救護要員である、救護スタッフが新規に救護支援システムに登録する際のプロセスが例示される。なお、図11のフローチャートにおける(ス)は、救護スタッフ用端末30側の処理を示し、(管)は、管理サーバ10による処理を示す。図9における(ユ)が、ユーザ端末50による処理であることも含め、以下のフローチャートにおける(ス)(ユ)(管)(一)の符号は、それぞれ、救護スタッフ用端末30の処理、ユーザ端末50の処理、管理サーバ10の処理、一般救護者用端末60の処理を示すものとする。
【0082】
救護スタッフ用端末30の撮像器32が起動され、救護支援サービスシート80に印刷された登録用QRコード82が撮像される。さらに救護スタッフ用端末30の復号部39が登録用QRコード82を復号して、救護スタッフ情報アドレスを表示部37に表示させる。さらに救護スタッフ用端末30の操作者、例えば救護スタッフが、救護スタッフ情報アドレスにアクセスする操作を入力部38経由で行う(図11S20)。
【0083】
アクセス操作を受けて管理サーバ10の救護スタッフ情報送受信部25は、救護スタッフの個人情報を入力する入力フォームを救護スタッフ用端末30に送信する(S22)。この入力フォームは救護スタッフ用端末30の受信部34Bを介して表示部37に表示される。救護スタッフ用端末30の操作者(例えば、救護スタッフ本人)は、入力部38を介して、スタッフ氏名、勤務先名称、勤務先連絡先等の個人情報を入力フォーム、つまり入力画面に入力する(S24)。入力された個人情報は管理サーバ10の救護スタッフ情報記憶部26に記憶される(S26)。具体的には図6の2層目のディレクトリ101~103に、救護スタッフの個人情報が記憶される。
【0084】
さらに管理サーバ10では、救護スタッフの個人情報が記憶されたディレクトリ101~103のアドレスが送信アドレス制御部23によって取得され、アドレス組合せ記憶部27に記憶される(S28)。例えば2層目のディレクトリ101~103のアドレス(救護スタッフ情報アドレス)がキーアドレス2(図5参照)としてキーアドレステーブルに記憶される。例えばキーアドレステーブルの全てのキーアドレス2の行に、登録後の救護スタッフ情報アドレスが設定される。
【0085】
または、救護スタッフ情報アドレスから個別文字列を除く共通文字列が、キーアドレス2としてキーアドレステーブルに記憶される場合には、1番目に登録された救護スタッフ情報アドレスから共通文字列が抽出され、当該文字列がキーアドレステーブルの全てのキーアドレス2の行に設定される。さらに2番目以降に登録された救護スタッフについては、新たなキーアドレス2の設定は行われない。
【0086】
次に、管理サーバ10の送信アドレス制御部23は、複数コード復号部40(複数記号復号部)を構築するプログラムを救護スタッフ用端末30に送信する(S30)。これにより図10に例示されるように、救護スタッフ用端末30には、複数コード復号部40の機能ブロックが設けられる。
【0087】
<一般発見者による救護支援プロセス>
図12図14には、一般発見者による救護ユーザの救護支援プロセスが例示される。一般発見者とは、救護支援システムに未登録であって、例えば徘徊中の救護ユーザを発見し、さらに当該救護ユーザが所持する発見用QRコード72を通じて、救護ユーザの救護を試みる者を指す。
【0088】
一般発見者は、自身が所持する一般救護者用端末60の撮像器32及び復号部39を起動して(図14S40)、救護ユーザの所持品(持ち物)に貼付された発見用QRコード72を撮像し、これを復号する(S42)。さらに、一般発見者は、一般救護者用端末60のGPS受信器33(位置情報機能)を起動させて、現在位置を取得する(S44)。取得された現在位置は、救護ユーザの現在位置として用いられる。
【0089】
さらに、発見用QRコードから復号されたアドレスである一般アドレスが表示部37に表示される。一般発見者は入力部38を操作して一般アドレスにアクセスする(S46)。一般アドレスにアクセスすると、現在位置情報を入力する入力画面が表示部37に表示される。一般発見者は、入力部38を操作して、既に取得した現在位置情報を入力画面に入力する。入力された現在位置情報は一般救護者用端末60から管理サーバ10に送信される。
【0090】
なお、一般アドレスにアクセスする際に、一般発見者が入力部38を操作して、自由記述を行ってもよい。例えば、近隣の病院等の救護施設に救護ユーザを預けたのであればその旨が記述される。このような自由記述は管理サーバ10に送られる。
【0091】
管理サーバ10のユーザ情報送受信部24は、発見用QRコードに対応するアドレス、つまり一般アドレスに対応するディレクトリ、つまり図6の2層目のディレクトリ91~93から、救護ユーザの個人情報として記憶された連絡先情報を取得する(S48)。またこのとき、ユーザ情報送受信部24は、2層目のディレクトリ91~93に、一般救護者用端末60から取得した現在位置を記憶させてもよい。
【0092】
さらにユーザ情報送受信部24は、2層目のディレクトリ91~93から取得した連絡先に連絡し、救護ユーザの救護が必要である旨のメッセージ、及び、一般救護者用端末60から取得した現在位置を送信する(S50)。さらに、一般救護者用端末60から自由記述が入力されている場合には、当該記述も上記連絡先に送信されてよい。
【0093】
この救護プロセスによれば、一般救護者に救護ユーザの個人情報を開示することなく、救護ユーザの救護を求めることが出来る。
【0094】
<救護スタッフによる救護支援プロセス>
図15図17には、救護スタッフによる救護ユーザの救護支援プロセスが例示される。救護ユーザは、自身が所持する救護スタッフ用端末30の撮像器32及び複数コード復号部40を起動して(図17S60)、救護ユーザの所持品(持ち物)に貼付された発見用QRコード72を撮像し、これを復号して一般アドレスを得る(S62)。
【0095】
ここで、一般的な復号部39(例えば、QRコードリーダ)は、一つのQRコードを復号すると、表示部37は、撮像画面から、復号されたアドレス表示画面に切り替わり、そのアドレスへのアクセスを可能としている。一方で、複数コード復号部40では、複数のQRコードの復号を可能とするため、一つのQRコードが復号されても、撮像画面が維持される。例えば、復号されたアドレスのテキストが、撮像画面に重畳表示される。
【0096】
さらに救護スタッフは、複数コード復号部40を起動してから所定の待機時間内に、自身が保有する登録用QRコード82を撮像して、これを復号して救護スタッフ情報アドレスを得る(S64)。なお、それぞれのQRコードの復号順はこの通りではなく、順不同であってよい。例えば複数コード復号部40により登録用QRコード82が先に復号された後に、発見用QRコード72が復号されてもよい。
【0097】
復号された2種類のアドレス、つまり一般アドレス及び救護スタッフ情報アドレスは、救護スタッフ用端末30の入力部38の操作(送信操作)を経て管理サーバ10に送られる(S66)。さらにこのとき、救護スタッフ用端末30のGPS受信器33(位置情報機能)が救護スタッフにより起動されて、現在位置情報が取得される。取得された現在位置情報は救護スタッフ用端末30から管理サーバ10に送信される(S68)。
【0098】
救護スタッフ用端末30から送られた一般アドレス及び救護スタッフ情報アドレスは、ユーザ情報送受信部24が受信し、送信アドレス制御部23に転送される。送信アドレス制御部23は、アドレス組合せ記憶部27を参照して、送られた一般アドレス(のテキスト)及び救護スタッフ情報アドレス(のテキスト)に対応する救護ユーザ情報アドレスを抽出して、当該アドレスを救護スタッフ用端末30に送信する(S70)。
【0099】
なお、アドレス組合せ記憶部27のキーアドレステーブルに記憶されている救護ユーザ情報アドレスが、救護スタッフ間で共通される共通文字列のみで構成されている場合は、送信アドレス制御部23は、救護スタッフ用端末30から送られた救護スタッフ情報アドレスから個別文字列を削除して共通文字列を取り出す処理を行ってもよい。
【0100】
救護スタッフは、救護者用端末の表示部37に表示された、救護ユーザ情報アドレスにアクセスする操作を入力部38にて行う。これにより、表示部37には、救護ユーザの個人情報が表示された閲覧画面が表示される(S72)。
【0101】
上記救護プロセスによれば、救護ユーザの救護に当たる救護スタッフは、救護ユーザの個人情報を閲覧可能となる。救護スタッフは、救護ユーザの個人情報から既往歴、服薬中の薬等の記述を読み、これに沿った適切な処置が可能となる。
【0102】
また救護ユーザの個人情報の開示は、複数コード復号部40及び救護スタッフの登録用QRコード82が必要であるところ、救護ユーザ以外の者はこれらの機能及びQRコードを有しないことから、救護ユーザの個人情報の開示は抑制される。
【符号の説明】
【0103】
10 管理サーバ、22 ユーザ情報記憶部、23 送信アドレス制御部、24 ユーザ情報送受信部、25 救護スタッフ情報送受信部、26 救護スタッフ情報記憶部、27 アドレス組合せ記憶部、30 救護スタッフ用端末、40 複数コード復号部、50 ユーザ端末、60 一般救護者用端末、71 救護ユーザ登録用QRコード、72 発見用QRコード(発見用マーク)、82 救護スタッフ登録用QRコード(救護スタッフ用マーク)。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17