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特開2022-62900床下補強構造及び床下補強構造の補強工法
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  • 特開-床下補強構造及び床下補強構造の補強工法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022062900
(43)【公開日】2022-04-21
(54)【発明の名称】床下補強構造及び床下補強構造の補強工法
(51)【国際特許分類】
   E02D 37/00 20060101AFI20220414BHJP
   E02D 3/12 20060101ALI20220414BHJP
【FI】
E02D37/00
E02D3/12 101
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020171089
(22)【出願日】2020-10-09
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-06-16
(71)【出願人】
【識別番号】519044863
【氏名又は名称】株式会社阿部技建
(74)【代理人】
【識別番号】100129676
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼荒 新一
(72)【発明者】
【氏名】阿部 政広
【テーマコード(参考)】
2D040
【Fターム(参考)】
2D040AA06
2D040AB01
2D040CA10
2D040CB03
(57)【要約】      (修正有)
【課題】空洞部周囲の地盤を空洞部や周囲の地盤と比較して強固に形成でき再沈下を防止でき、空洞部の充填部を地盤と一体化させることで空洞部と地盤との間に水が溜まる可能性を低減することができる床下補強構造を提供する。
【解決手段】床下補強構造100は、コンクリート床10とその下方の地盤20との間に形成された空洞部に充填された樹脂が発泡して形成された弾性を有する発泡樹脂部35と、前記樹脂が地盤20の表面から発泡樹脂部35より含水比が低い状態で1cm以上浸透し、発泡樹脂部35より高い圧縮強さを有する樹脂浸透地盤25とを有する。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンクリート床とその下方の地盤との間に形成された空洞部に充填された樹脂が発泡して形成された弾性を有する厚さ1.5cm以下の発泡樹脂部と、
前記樹脂が前記地盤の表面から10cm以上浸透し、前記発泡樹脂部より高い圧縮強さを有する樹脂浸透地盤と、
を有することを特徴とする床下補強構造。
【請求項2】
前記コンクリート床のひび割れ又はクラックに対して底面側から浸透された発泡樹脂を有することを特徴とする請求項1記載の床下補強構造。
【請求項3】
前記発泡樹脂部は、圧縮強さが450kN/m以上であり、前記樹脂浸透地盤は600kN/m以上であり、かつ前記樹脂浸透地盤は、前記発泡樹脂部よりも圧縮強さが高いことを特徴とする請求項1又は2に記載の床下補強構造。
【請求項4】
前記樹脂は、ウレタンプレポリマーと、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネートと、フタル酸ジ-n-ブチルとを含む主剤と、ジメチルアルキルアミンを含む触媒とからなることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の床下補強構造。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1項に記載の床下補強構造を作製するための補強工法において、
(1)コンクリート床とその下方の地盤との間に空洞部が形成された部位のコンクリート床に0.5cm~1.0cmの貫通孔を穿設する穿設工程
(2)空洞部に水を注入し、地盤内に水を浸透させる水浸透工程
(3)穿設された貫通孔に綿を詰める綿詰工程
(4)詰められた綿に樹脂を注入するノズルを貫通させ、樹脂を注入する注入工程
(5)樹脂が地盤内に浸透し樹脂浸透地盤を形成するとともに、空洞部で膨張させ発泡樹脂部を形成させるため養生させる養生工程
(6)貫通孔をコンクリートで塞ぐ閉塞工程
を含むことを特徴とする床下補強構造の補強工法。
【請求項6】
前記注入工程は、1.5kgf/cm以上の圧力で注入することを特徴とする請求項5に記載の床下補強構造の補強工法。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、床下補強構造及び床下補強構造の補強工法に関する。
【背景技術】
【0002】
工場、倉庫又は店舗等の建築構造物や、道路、公園又は空港等の土木建築物を構築する際に、床面又は路面の補強のために地盤の表面にコンクリート床面を敷設して強化することがある。こうしたコンクリート床面は、下の地盤が沈下することによって、コンクリート床面と地盤との間に空洞部が発生する場合がある。こうした空洞部を補修する方法として、所定の高さにまで上昇させたい修復必要箇所の下方の地盤の内部に、フロンガスを発生しない膨張性樹脂を注入し、これを膨張させて、修復必要箇所の基礎構造体を所定の高さにまで上昇させることを特徴とするものが提案されている(特許文献1)。
【0003】
しかしながら、かかる補修方法は、あくまで、空洞部内のみを樹脂で充填するものであるため、さらなる地盤の沈下による空洞部の拡張を防止することができず、また、空洞部と樹脂との間に水が発生し、地盤の弱体化、害虫発生や悪臭の発生といった汚染を防止することができないという問題があった。さらに、上述した補修方法は、空隙や地盤の内部で膨張し基礎構造体の修復必要箇所に加わる荷重よりも上回る膨張によって反力が発生する樹脂を使用する必要があるが、このような硬度が高い樹脂を使用すると、補修後のコンクリート床面の上で発生する機械による振動や車両の通過による振動に対する衝撃吸収性が低くなり、コンクリート床面を損傷させやすくなるという問題点もあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006-144269号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、床下コンクリート内の空間に樹脂を注入して発泡樹脂で補強した際に、空洞部周囲の地盤を空洞部や周囲の地盤と比較して強固に形成でき再沈下を防止でき、空洞部の充填部を地盤と一体化させることで空洞部と地盤との間に水が溜まる可能性を低減することができる床下補強構造及び床下補強構造の補強工法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上述の目的を達成するために以下の手段を採った。
本発明にかかる床下補強構造は、
コンクリート床とその下方の地盤との間に形成された空洞部に充填された樹脂が発泡して形成された弾性を有する厚さ1.5cm以下の発泡樹脂部と、
前記樹脂が前記地盤の表面から10cm以上浸透し、前記発泡樹脂部より高い圧縮強さを有する樹脂浸透地盤と、
を有することを特徴とする。
【0007】
本発明にかかる床下補強構造は、コンクリート床と地盤との間に形成された空洞に発泡した後に弾性を有するように硬化した発泡樹脂部と、含水比が低い状態で地盤に浸透し空洞部よりも発泡率が低い状態で、地盤に接着しつつ硬化された樹脂浸透地盤と、で形成される。そのため、発泡樹脂部の上に配置されるコンクリート床は、コンクリート床の振動を効果的に吸収可能であるとともに、発泡樹脂部と樹脂浸透地盤が樹脂で一体に形成されるため、発泡樹脂部と樹脂浸透地盤の境界に水が溜まることを防止することができる。そのため、地盤の弱体化、害虫発生や悪臭の発生といった汚染を防止することができる。また、10cm以上地盤内に浸透されているため、床下を補強した後に、再沈下が発生する可能性を低減することができる。
【0008】
また、本発明にかかる床下補強構造において、前記コンクリート床のひび割れ又はクラックに対して底面側から浸透された発泡樹脂を有することを特徴とするものであってもよい。
【0009】
かかる構成を採用することによって、発泡樹脂部と、樹脂浸透地盤と、コンクリート床が樹脂で一体化されるので、より強い床下補強構造とすることができる。
【0010】
また、本発明にかかる床下補強構造において、前記発泡樹脂部は、圧縮強さが450kN/m以上であり、前記樹脂浸透地盤は600kN/m以上であり、かつ前記樹脂浸透地盤は、前記発泡樹脂部よりも圧縮強さが高いことを特徴とするものであってもよい。
【0011】
発泡樹脂部よりも樹脂浸透地盤の圧縮強さを強くしておくことで、床下補強構造に強い圧縮強さが加わった場合にも樹脂浸透地盤が先に破損することを防止することができ、コンクリート床に大きな損傷が発生することを防止することができる。
【0012】
さらに、本発明にかかる床下補強構造において、前記樹脂は、ウレタンプレポリマーと、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネートと、フタル酸ジ-n-ブチルとを含む主剤と、ジメチルアルキルアミンを含む触媒とからなることを特徴とするものであってもよい。
【0013】
上述した床下補強構造を形成するに際して、この樹脂を使用することによって好適に形成することができる。
【0014】
さらに、本発明は、前述した床下補強構造の補強工法をも提供する。
本発明にかかる床下補強構造の補強工法は、
(1)コンクリート床とその下方の地盤との間に空洞部が形成された部位のコンクリート床に0.5cm~1.0cmの貫通孔を穿設する穿設工程
(2)空洞部に水を注入し、地盤内に水を浸透させる水浸透工程
(3)穿設された貫通孔に綿を詰める綿詰工程
(4)詰められた綿に樹脂を注入するノズルを貫通させ、樹脂を注入する注入工程
(5)樹脂が地盤内に浸透し樹脂浸透地盤を形成するとともに、空洞部で膨張させ発泡樹脂部を形成させるため養生させる養生工程
(6)貫通孔をコンクリートで塞ぐ閉塞工程
を含むことを特徴とする床下補強構造の補強工法。
【0015】
かかる床下補強構造の補強工法によれば、上述した効果を有する床下補強構造を好適に作製することができる。
【0016】
さらに、本発明にかかる床下補強構造の補強工法において、前記注入工程は、1.5kgf/cm以上の圧力で注入することを特徴とするものであってもよい。かかる構成を採用することによって、発泡樹脂部と、樹脂浸透地盤と、コンクリート床を樹脂で一体化した補強構造とすることができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明にかかる床下補強構造によれば、床下コンクリート内の空間に樹脂を注入して発泡樹脂で補強した際に、空洞部周囲の地盤を空洞部や周囲の地盤と比較して強固に形成でき再沈下を防止でき、空洞部の充填部を地盤と一体化させることで空洞部と地盤との間に水が溜まる可能性を低減することができる床下補強構造を提供することができる。また、かかる床下補強構造の補強工法をも提供する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1図1は、実施形態にかかる床下補強構造100の補強工法を示すフローチャートである。
図2図2は、実施形態にかかる床下補強構造100の補強工法の1工程を示す模式図である。
図3図3は、実施形態にかかる床下補強構造100の補強工法の1工程を示す模式図である。
図4図4は、実施形態にかかる床下補強構造100の補強工法の1工程を示す模式図である。
図5図5は、実施形態にかかる床下補強構造100の補強工法の1工程を示す模式図である。
図6図6は、実施形態にかかる床下補強構造100の補強工法の1工程を示す模式図であり、完成した床下補強構造100をも示す。
【発明を実施するための形態】
【0019】
次に、本発明にかかる床下補強構造100及び床下補強構造100の補強工法について、図を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態及び図面は、本発明の実施形態の一部を例示するものであり、これらの構成に限定する目的に使用されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更することができる。
【0020】
(実施形態)
まず、はじめに本発明にかかる床下補強構造100の補強工法について説明する。図1は、本発明にかかる工程のフローチャートである。本発明にかかる床下補強構造100の補強工法は、主として、コンクリート床10とその下方の地盤20との間に空洞部30が形成された部位のコンクリート床10に0.5cm~1.0cmの貫通孔40を穿設する穿設工程(S1)、空洞部に水を注入する水浸透工程(S2)、穿設された貫通孔40に綿50を詰める綿詰工程(S3)、詰められた綿50に樹脂70を注入するノズル75を貫通させ、樹脂70を注入する注入工程(S4)、樹脂70が地盤20内に浸透し樹脂浸透地盤25を形成するとともに、空洞部30で膨張して発泡樹脂部35を形成させるため養生させる養生工程(S5)、貫通孔40をコンクリート15で塞ぐ閉塞工程(S6)、を含む。以下、各工程について詳細に説明する。
【0021】
(1)穿設工程(S1)
穿設工程(S1)は、図2に示すように、コンクリート床10とその下方の地盤20との間に空洞部30が形成されている部位に、樹脂70を注入するために、空洞部30と連通する貫通孔40(図3参照)をコンクリート床10に穿設する工程である。貫通孔40は、ドリル等80によって開けられる。貫通孔40の直径は、0.5cm~1.0cm程度である。
【0022】
(2)水浸透工程(S2)
水浸透工程は、空洞部30の周囲の地盤20に水を浸透させる工程である。水を地盤に浸透させることによって、水と親和性の高い樹脂の地盤内への浸透を促進させるとともに、地盤20内で発泡促進させるためである。水を浸透させるには、ノズルで注入しても良いし、空洞部30内で噴霧してもよい。水は、1mあたり、100ml以上注入することが好ましい。
(3)綿詰工程(S3)
綿詰工程(S3)は、図3に示すように、穿設工程(S1)で開けた貫通孔40に綿50を詰める工程である。綿50を詰める理由は、後述する注入工程(S4)で樹脂70を注入するノズル75(図4参照)を、挿入する際に、貫通孔40に詰めてあるのが綿50であるといわばノズル75を無理やり押し広げて綿を通過させて、空洞部30にノズル75の先端を設置しやすいこと、及び樹脂70が充填された後、綿50で樹脂70が貫通孔40から溢れ出るのを防止するとともに、適度な圧力が加わることによって樹脂70を地盤20内に浸透させることができるからである。
【0023】
(4)注入工程(S4)
注入工程(S4)は、図4に示すように、樹脂70を注入するノズル75を空洞部30内に挿入し、樹脂70を注入する工程である。このときに、貫通孔40には綿50が詰めてあるので、綿50をいわば無理やり押し広げつつノズル75を挿入する。樹脂70は、空洞部30内の水に反応して膨張するので、空洞部30に水が少ない場合には、任意に水を貫通孔40から同時に注入する。樹脂70が充填した状態からさらに注入することによって、図5に示すように、綿50によって樹脂70が貫通孔40から溢れ出ることなく圧力が高くなって、地盤20内に樹脂70が浸透していくことになる。樹脂は、発泡前の状態で、1cmの深さの空洞部30の場合1mあたり2kg以上注入するとよい。
【0024】
なお、ここで使用される樹脂70としては、発泡が開始する前に地盤20内に浸透可能であって、空洞部30内では十分に発泡し、発泡した後に弾性を有するものが使用される。例えば、ウレタンプレポリマーと、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネートと、フタル酸ジ-n-ブチルとを含む主剤と、ジメチルアルキルアミンを含む触媒とからなる樹脂を使用することができる。主剤と触媒は、18kgに対して0.45kgの割合で混合するとよい。かかる樹脂は、水と反応して発泡するものの、水がない状態ではほとんど発泡することはない。そのため、空洞部30においては、十分に発泡して弾性を有する発泡樹脂部35を形成し、一方で、本樹脂は、地盤20内に水を予め浸透させた後に浸透させることで、樹脂が地盤内に速やかに浸透しつつ、発泡が促進され、地盤20内に少なくとも10cm以上浸透可能である。地盤20内では含水比が低い状態で発泡時に発生する二酸化炭素を地盤20外に排出し、空洞部では約30倍に発泡し、弾性が高い発泡樹脂となるとともに、発泡が抑制された樹脂が地盤20に浸透した樹脂浸透地盤25が形成される。そのため、発泡樹脂部35は、樹脂浸透地盤25に対して圧縮強さが低く、かつ弾性が高くなる。なお、本発明で形成される発泡樹脂部35は、厚さが1.5cm以下、より好ましくは1cm以下である。すなわち、補修に付される空洞部の深さが1.5cm以下であることが必要である。これより深いと、樹脂70に圧力が加わりづらく地盤20に浸透しなくなる上、樹脂70の弾性によりコンクリート床10を確実に支持することが難しくなるからである。さらに、樹脂は、コンクリート床のひび割れ又はクラックに対して底面側から浸透し、発泡樹脂部と、樹脂浸透地盤と、コンクリート床を樹脂で一体化した補強構造とすることができる。
【0025】
(5)養生工程(S5)
養生工程(S5)は、注入した樹脂70が地盤20内に浸透し樹脂浸透地盤25を形成するとともに、空洞部30で膨張させ発泡樹脂部35を形成させる工程である。注入後、概ね30分程度放置する。これにより、発泡樹脂部35は膨張し、弾性を有し、圧縮強さが450kN/m以上に形成され、地盤20には少なくとも1cm以上浸透し、樹脂浸透地盤25は600kN/m以上の圧縮強さに形成される。
【0026】
(6)閉塞工程(S6)
閉塞工程(S6)は、図6に示すように、養生が終了した後に、貫通孔40をコンクリート15で閉塞する工程である。貫通孔40は、詰められた綿50に樹脂70が浸透し硬化しているので、その上からコンクリート15を注入し、貫通孔40を塞ぐ。この際に、本発明では、コンクリート15にクラックやひびがある場合、表面に樹脂70が吹き出ていることがあるので、その場合には、スクレイパーで削り取る。
【0027】
こうして作製された床下補強構造100は、図6に示すように、補強前から存在するコンクリート床10、沈下した地盤20、空洞部30に充填された発泡樹脂部35及び地盤20の一部に浸透した樹脂浸透地盤25で構成される。このような構成を有する床下補強構造100は、地盤20内に樹脂70が浸透して空洞部30の周囲の地盤20が硬化されている樹脂浸透地盤25を形成するので、さらに地盤20が沈下することを低減することができる。また樹脂70が空洞部30の発泡樹脂部35と一体化されているので、空洞部30の発泡樹脂部35と地盤20との境界に水が発生することが防止される。そのため、地盤20の弱体化、害虫発生や悪臭の発生といった汚染を防止することができる。さらに発泡樹脂部35は弾性を有しているので、床上に配置される機械や車両等の通過等によって発生する振動を吸収することができるので、コンクリート床10の寿命を伸ばすことができる。
【産業上の利用可能性】
【0028】
本発明は、空洞部が形成されたコンクリート床下の補修工事として産業上利用することができる。
【符号の説明】
【0029】
10…コンクリート床、15…コンクリート、20…地盤、25…樹脂浸透地盤、30…空洞部、35…発泡樹脂部、40…貫通孔、50…綿、70…樹脂、75…ノズル、80…ドリル等、100…床下補強構造
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【手続補正書】
【提出日】2021-02-12
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンクリート床とその下方の地盤との間に形成された空洞部に充填された樹脂が発泡して形成された弾性を有する厚さ1.5cm以下の発泡樹脂部と、
前記樹脂が前記地盤の表面から10cm以上浸透し、前記発泡樹脂部より高い圧縮強さを有する樹脂浸透地盤と、を有する床下補強構造を作製するための補強工法において、
(1)コンクリート床とその下方の地盤との間に空洞部が形成された部位のコンクリー
ト床に0.5cm~1.0cmの貫通孔を穿設する穿設工程
(2)空洞部に水を注入し、地盤内に水を浸透させる水浸透工程
(3)穿設された貫通孔に綿を詰める綿詰工程
(4)詰められた綿にウレタンプレポリマーと、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネートと、フタル酸ジ-n-ブチルとを含む主剤と、ジメチルアルキルアミンを含む触媒とからなる樹脂を注入するノズルを貫通させ、1.5kgf/cm 以上の圧力で樹脂を注入する注入工程
(5)樹脂が地盤内に浸透し樹脂浸透地盤を形成するとともに、空洞部で膨張させ発泡
樹脂部を形成させるため養生させる養生工程
(6)貫通孔をコンクリートで塞ぐ閉塞工程
を含むことを特徴とする床下補強構造の補強工法。