(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022062912
(43)【公開日】2022-04-21
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 40/02 20120101AFI20220414BHJP
G06Q 10/06 20120101ALI20220414BHJP
【FI】
G06Q40/02
G06Q10/06 328
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020171109
(22)【出願日】2020-10-09
(71)【出願人】
【識別番号】502098684
【氏名又は名称】株式会社きらやか銀行
(74)【代理人】
【識別番号】100129425
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 護晃
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【弁理士】
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【識別番号】100218604
【弁理士】
【氏名又は名称】池本 理絵
(74)【代理人】
【識別番号】100168642
【弁理士】
【氏名又は名称】関谷 充司
(74)【代理人】
【識別番号】100166268
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 祐
(72)【発明者】
【氏名】粟野 学
【テーマコード(参考)】
5L049
5L055
【Fターム(参考)】
5L049AA01
5L055BB01
(57)【要約】 (修正有)
【課題】銀行において、いわゆる金融関連サービスのみならず、企業の経営活動において行われる業務の支援を行い、企業の成長戦略や経営力の向上に資する情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムを提供する。
【解決手段】情報処理システムにおいて、銀行の取引先のユーザによって用いられるユーザ端末10が、ユーザによって入力されたユーザの識別情報に基づいて、予め設定されたユーザ情報の中からユーザに関連する情報が含まれた対象ユーザ情報を取得し、対象ユーザ情報に含まれるユーザ属性情報に基づいて、ユーザが企業の経営者であるか否かを識別し、ユーザが経営者であるときに、企業の経営活動において行われる業務を支援するための1又は複数の本業支援コンテンツを取得し、本業支援コンテンツをユーザインタフェースに表示する手順を含んだ処理を実行する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
銀行の取引先のユーザによって用いられる情報処理装置であって、
前記ユーザによって入力された当該ユーザの識別情報に基づいて、予め設定されたユーザ情報の中から前記ユーザに関連する情報が含まれた対象ユーザ情報を取得し、当該対象ユーザ情報に含まれるユーザ属性情報に基づいて、前記ユーザが企業の経営者であるか否かを識別するユーザ識別部と、
前記ユーザが経営者であるときに、企業の経営活動において行われる業務を支援するための1又は複数の本業支援コンテンツを取得し、当該本業支援コンテンツをユーザインタフェースに表示するコンテンツ提供部と
を備えた情報処理装置。
【請求項2】
前記本業支援コンテンツは、企業の経営活動において行われる業務を支援するためのサービスであって前記銀行において提供される1又は複数の本業支援サービスを示す情報を含み、
前記コンテンツ提供部は、前記対象ユーザ情報に含まれる、前記銀行の管轄営業所を示す情報に基づいて、前記本業支援サービスを示す情報及び前記管轄営業所におけるそれぞれの前記本業支援サービスの予約可能件数を取得して前記ユーザインタフェースに表示し、前記本業支援サービスのいずれかが前記ユーザにより指定されて予約操作がなされたときに、当該予約内容を登録するとともに前記予約可能件数を更新する、請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記本業支援コンテンツは、企業の経営活動において行われる業務を支援するための情報を含んだ1又は複数のデータファイルを含む、請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記本業支援コンテンツは、企業の経営管理に関する業務支援、企業の財務に関する業務支援、企業の成長に関する業務支援、企業の従業員に対する福利厚生に関する業務支援の少なくともいずれかに属する内容を含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記対象ユーザ情報は、前記ユーザが経営する企業の属性を示す企業属性情報を含み、
前記コンテンツ提供部は、前記企業属性情報と、前記本業支援コンテンツに対応付けられて設定された当該本業支援コンテンツの提供対象を示す情報とを照合し、前記企業属性情報によって示される前記企業の属性が、前記本業支援コンテンツの提供対象に適合する本業支援コンテンツを選別して表示する、請求項1~4のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記企業属性情報は、業種、規模、財務状況及び設立時期の少なくとも1つを示す情報を含み、
前記コンテンツ提供部は、前記企業情報によって示される業種、規模、財務状況及び設立時期の少なくとも1つが、前記本業支援コンテンツの提供対象に適合する本業支援コンテンツを選別して表示する、請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記本業支援コンテンツは、前記銀行の管理装置を介して記憶手段に設定される、請求項請求項1~6のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
銀行の取引先のユーザによって用いられる情報処理装置が、
前記ユーザによって入力された当該ユーザの識別情報に基づいて、予め設定されたユーザ情報の中から前記ユーザに関連する情報が含まれた対象ユーザ情報を取得し、当該対象ユーザ情報に含まれるユーザ属性情報に基づいて、前記ユーザが企業の経営者であるか否かを識別し、
前記ユーザが経営者であるときに、企業の経営活動において行われる業務を支援するための1又は複数の本業支援コンテンツを取得し、当該本業支援コンテンツをユーザインタフェースに表示する
手順を含んだ処理を実行する情報処理方法。
【請求項9】
銀行の取引先のユーザによって用いられる情報処理装置に、
前記ユーザによって入力された当該ユーザの識別情報に基づいて、予め設定されたユーザ情報の中から前記ユーザに関連する情報が含まれた対象ユーザ情報を取得し、当該対象ユーザ情報に含まれるユーザ属性情報に基づいて、前記ユーザが企業の経営者であるか否かを識別し、
前記ユーザが経営者であるときに、企業の経営活動において行われる業務を支援するための1又は複数の本業支援コンテンツを取得し、当該本業支援コンテンツをユーザインタフェースに表示する
手順を含んだ処理を実行させる情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、銀行からユーザに情報提供を行う情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
銀行は、従来から、預金の受入れ、資金の貸付けを中心とした金融機関としての業務を遂行し、種々の金融サービスを提供している。そして、近年では、このような金融関連サービスと情報技術とを結びつけ、情報技術を用いて金融サービスを提供する、いわゆるフィンテックが推進されてきており、金融関連サービスのさらなる利便性・効率性の向上が図られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、銀行の取引先である企業においては、経営活動において、企業の継続及び発展のために、様々な業務を行う必要がある。このような業務としては、例えば、経営計画の策定や資金繰りの管理、また、社内規則の策定や人材育成、設備投資、さらには社員の福利厚生の取り決め等、多種多様なものがある。しかし、このような業務に関し、企業の経営者が必ずしも十分な知識やノウハウを有しているとは限らない。特に、中小企業や創業企業等においては、このような問題が顕著である。
【0005】
そこで、本発明における1つの側面では、銀行において、いわゆる金融関連サービスのみならず、企業の経営活動において行われる業務の支援を行い、企業の成長戦略や経営力の向上に資することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明における1つの側面では、銀行の取引先のユーザによって用いられる情報処理装置が、前記ユーザによって入力された当該ユーザの識別情報に基づいて、予め設定されたユーザ情報の中から前記ユーザに関連する情報が含まれた対象ユーザ情報を取得し、当該対象ユーザ情報に含まれるユーザ属性情報に基づいて、前記ユーザが企業の経営者であるか否かを識別し、前記ユーザが経営者であるときに、企業の経営活動において行われる業務を支援するための1又は複数の本業支援コンテンツを取得し、当該本業支援コンテンツをユーザインタフェースに表示する手順を含んだ処理を実行する。
【発明の効果】
【0007】
本発明における1つの側面によれば、銀行において、企業の経営活動において行われる業務の支援を行い、企業の成長戦略や経営力の向上に資することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】第1実施形態における情報処理システムの一例の全体構成を示すブロック図である。
【
図3】本業支援サービステーブルの一例の説明図である。
【
図5】本業支援情報テーブルの一例の説明図である。
【
図6】ログイン処理(ユーザ識別処理)の一例を示すフローチャートである。
【
図7】経営者向けのホーム画面表示処理の一例を示すフローチャートである。
【
図8】本業支援サービス予約処理の一例を示すフローチャートである。
【
図9】本業支援サービス予約処理の一例を示すフローチャートである。
【
図10】本業支援情報表示処理の一例を示すフローチャートである。
【
図11】ユーザ端末において表示される画面遷移の一例の説明図である。
【
図13】経営者向けホーム画面の一例の説明図である。
【
図14】本業支援サービス一覧画面の一例の説明図である。
【
図15】本業支援サービス詳細画面の一例の説明図である。
【
図16】本業支援サービス予約済み画面の一例の説明図である。
【
図18】本業支援情報詳細画面の一例の説明図である。
【
図19】コンテンツ管理処理の一例を示すフローチャートである。
【
図20】情報処理装置のハードウェア構成の一例の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[実施形態の概要]
本明細書で説明する情報処理システムの一実施形態は、銀行により提供されるものである。本情報処理システムは、単なる金融関連サービスのみならず、銀行の取引先となる企業の経営活動において行われる業務、すなわち本業を支援する有益なサービスや情報を当該システムによって提供することにより、企業の成長戦略や経営力の向上に資するものである。特に、例えば、地方において地元企業にこのような付加価値を提供することで、当該企業及びその従業員等を支援し、地元の復興及び地方創生を実現することも可能となる。
【0010】
[1 全体構成]
図1は、本実施形態における情報処理システムの一例の全体構成を示す。情報処理システムは、ユーザ端末10、データサーバ20及び銀行サーバ30を備える。ユーザ端末10、データサーバ20及び銀行サーバ30は、いずれも情報処理装置である。情報処理装置には、例えば、デスクトップコンピュータ、モバイルコンピュータ、タブレットコンピュータ、モバイルデバイス(例えば、スマートフォンやPDA等)、もしくは他の任意の種類のデバイスが含まれる。ユーザ端末10、データサーバ20及び銀行サーバ30は、ネットワーク40を介して相互に接続されている。ネットワーク40は、例えば、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、インターネット、及び同様のもののうちの任意の1つまたは複数を含むことができる。
【0011】
ユーザ端末10は、銀行の取引先である企業の経営者や従業員等が主として使用する情報処理装置である。本実施形態では、ユーザ端末10がスマートフォンである例を用いて説明を行う。ユーザ端末10は、本実施形態に係る情報処理プログラム(アプリケーション)が記憶手段から読み込まれてインストールされ、実行されることによってその機能が実現される、ユーザ識別部101及びコンテンツ提供部102を備える。さらに、ユーザ端末10は、入出力部121及び通信部122を備える。本実施形態では、アプリケーションが、いわゆるネイティブアプリとしてユーザ端末10で動作し、データサーバ20に対し、ネットワーク40を介してアクセスする。
【0012】
ユーザ識別部101は、ユーザによって入力された、ユーザの識別情報であるログインID及びパスワードに基づいて、ユーザ認証を行うとともに、当該ユーザが企業の経営者であるか否かを識別する。
【0013】
コンテンツ提供部102は、ユーザが企業の経営者であるときに、企業の経営活動において行われる業務を支援するための本業支援コンテンツを、アプリケーションのユーザインタフェースに出力する。なお、企業の経営活動において行われる業務を支援するための本業支援コンテンツとは、より具体的には、企業の経営活動において行われる業務に関連する情報を含む(それにより、企業の経営者の知識等を補い、業務(本業)の遂行に役立てることができる)コンテンツであることを意味する。また、経営者とは、企業における代表者のみを指すとは限らず、企業の経営に関与する人全てを含み得る。
【0014】
これらのユーザ識別部101及びコンテンツ提供部102によって実行される処理については、後で詳述する。
【0015】
入出力部121は、ユーザ端末10が備える入力手段のデバイス及び出力手段のデバイスとのインタフェースとして機能する各種ドライバ等である。
通信部122は、ユーザ端末10とネットワーク40との間の通信を可能にするためのインタフェースとして機能する通信モジュールであり、例えば、モデムやLANカード等である。
【0016】
データサーバ20は、ユーザ端末10及び銀行サーバ30からアクセスされる情報を記憶装置(記憶手段)に記憶する情報処理装置である。データサーバ20は、当該データサーバ20が備える記憶手段において、ユーザ情報テーブル211、本業支援サービステーブル212、予約済みテーブル213及び本業支援情報テーブル214を備える。また、データサーバ20は、通信部221を備える。ユーザ端末10及び銀行サーバ30は、データサーバ20の通信部221と、データサーバ20で動作する、記憶手段への読み出し及び書き込みを行うためのモジュール(図示省略)とを介して当該記憶手段に必要に応じてアクセスし、ユーザ情報テーブル211、本業支援サービステーブル212、予約済みテーブル213及び本業支援情報テーブル214においてデータの読み出し及び書き込みを行う。
【0017】
ユーザ情報テーブル211は、本情報処理システムのユーザに関連する情報が格納されるテーブルである。ユーザ情報テーブル211は、
図2に例示するように、本システムを利用するために予め会員登録してあるユーザを一意に識別する識別情報であるユーザID、ユーザIDに対応するパスワード、ユーザが利用している営業所を示す管轄営業所、ユーザの属性が格納されるユーザ属性、ユーザが企業の経営者である場合にユーザが経営する企業の属性が格納される企業属性の項目を含む。
【0018】
ユーザ情報テーブル211のユーザ属性の具体例として、本実施形態では、取引先の企業の経営者か、当該企業の従業員か、それ以外の一般会員であるかを示す情報が格納される。また、企業属性の具体例としては、業種(例えば、小売業、製造業、情報通信業等)、企業の規模(例えば、社員数が50人以下の企業であれば企業規模A、50人から100人の企業であれば企業規模B、100人以上であれば企業規模C、といった分類等)や、さらに、財務状況に関する情報(例えば、財務状況を示す指標が所定基準の範囲よりも上である場合はA、所定基準の範囲内の場合はB、所定基準の範囲よりも下である場合にはCなど、といった分類等)や、企業の設立時期等を示す情報が格納される。
【0019】
本業支援サービステーブル212は、本システムを介して予約することが可能な本業支援サービスに関連する情報が格納されるテーブルである。本業支援サービステーブル212は、
図3に例示するように、本業支援の内容を内容に応じてグループ分けした本業支援種別、本業支援サービス、当該本業支援サービスの提供対象となる企業の属性を示す対象属性、当該本業支援サービスの営業所別の予約可能残数の項目を含む。
【0020】
本業支援サービステーブル212の本業支援種別の具体例は、「経営管理」、「財務」、「成長」、「福利厚生」(すなわち、企業の経営管理に関する業務支援、企業の財務に関する業務支援、企業の成長に関する業務支援、企業の従業員に対する福利厚生に関する業務支援)等である。また、本業支援サービスの具体例は、「経営管理」の本業支援種別に属するものとしては、例えば、「事業承継・M&A相談」や「経営改善相談」等がある。「財務」の本業支援種別に属するものとしては、例えば、「財務の改善・資金繰り」等がある。「成長」の本業支援種別に属するものとしては、例えば、「設備投資・リース」、「経営力強化」、「販路拡大・売上増加」、「省エネ・コスト削減」、「人材紹介」、「業務効率化・生産性向上」、「補助金・助成金」等がある。「福利厚生」の本業支援種別に属するものとしては、例えば、「従業員の福利厚生」等がある。また、対象属性の具体例としては、経営管理の「事業承継・M&A相談」については、全てのユーザが対象であることを示す情報が格納される一方で、「経営改善相談」については、ユーザ情報テーブル211の企業属性において財務状況がB又はCに該当する企業の経営者であるユーザのみを対象とすることを示す情報等が格納される。本業支援サービスの営業所別の予約可能残数は、営業所ごとに本業支援サービスの対応が可能な件数が予め初期設定されており、当該営業所において本業支援サービスの予約がされるごとに、1ずつ減算される。なお、営業所において対応が可能な件数が増えた場合には、随時更新して予約可能残数を増やすことが可能である。
【0021】
予約済みテーブル213は、本業支援サービスの予約済み情報が格納されるテーブルである。予約済みテーブル213は、
図4に例示するように、営業所、予約された本業支援サービスの本業支援種別及び本業支援サービス、予約したユーザのユーザID並びに予約処理がなされた日時を示す予約登録日時の項目を含む。
【0022】
本業支援情報テーブル214は、本アプリケーションを介してユーザ端末10において提供される、ユーザが経営する企業の経営活動において行われる業務を支援するための情報を含んだ本業支援情報に関連する情報が格納されるテーブルである。本業支援情報テーブル214は、
図5に例示するように、本業支援情報、当該本業支援情報を提供している銀行内の部署を示す提供部署、当該本業支援情報の提供対象となるユーザが経営する企業の属性を示す対象属性、当該本業支援情報が登録された情報登録日時を含む。
【0023】
本業支援情報テーブル214の本業支援情報は、具体例としては、「今さら聞けない決算書の見方」、「就業規則の可能性」、「ビジネスマナー研修」、「IT化による効率化の手法」、「マーケティング研修」、「反社会的勢力対応の考え方」等がある。
図5においては、本業支援情報の名称のみを表示しているが、当該本業支援情報の項目には、本業支援情報のデータファイル本体も格納されている。なお、本テーブルにおいてはデータファイルの場所情報(リンク)のみを保持し、データファイル本体は別の記憶場所において保持することも可能である。本業支援情報のデータファイルの形式は、例えば、HTMLファイル等を含んだテキストファイルをはじめ、画像ファイルや動画ファイル、又はプレゼンテーションファイル等、ユーザ端末10にインストールされているアプリケーションによって閲覧することが可能な形式であればいかなる形式であってもよい。これらの本業支援情報は、従来であれば銀行内部のシステムにおいてのみ参照可能であったものも含まれるが、本システムにおいては、後述する銀行サーバ30のコンテンツ管理部301からこれらの情報を本業支援情報テーブル214に登録することにより、本アプリケーションのユーザインタフェースを介して銀行の取引先のユーザが参照することが可能となっている。提供部署の具体例としては、「今さら聞けない決算書の見方」であれば融資部、「就業規則の重要性」であれば総務部(人事課)等である。また、対象属性の具体例としては、本業支援サービステーブル212と同様に、「ビジネスマナー研修」であれば、全てのユーザが対象である旨の情報が格納される一方で、「今さら聞けない決算書の見方」については、ユーザ情報テーブル211の企業属性において企業の規模がA又はBに該当する企業の経営者であるユーザのみを対象とする旨の情報等が格納される。
【0024】
なお、前述した本業支援サービスを示す情報及び本業支援情報が、本業支援コンテンツの一例である。また、前述した各テーブルのデータの具体例はほんの一例に過ぎず、これらのテーブルには、さらに多種多様なデータを格納することが可能である。さらに、前述した各テーブルのデータ構造についても一例に過ぎず、各テーブルのデータはさらに分散されて別テーブルにおいて格納されていてもよく、逆に、さらに統合されて格納されていてもよい。また、それぞれのテーブルのデータが、複数の記憶手段に分散されて格納されていてもよい。
【0025】
通信部221は、データサーバ20とネットワーク40との間の通信を可能にするためのインタフェースとして機能する通信モジュールである。
【0026】
銀行サーバ30は、本システムを提供する銀行側において操作され、本システムの管理装置として機能する情報処理装置である。銀行サーバ30は、情報処理プログラムが当該銀行サーバ30において実行されることによってその機能が実現される、コンテンツ管理部301を備える。また、銀行サーバ30は、通信部321を備える。
【0027】
コンテンツ管理部301は、銀行内部のシステム管理者等のオペレータによる操作により、更新情報311に基づき、データサーバ20の各テーブルの情報を更新する。具体的には、ユーザ情報に変更があったときに、ユーザ情報テーブル211を更新する。また、本業支援サービスに変更があるときには、本業支援サービステーブル212を更新する。さらに、本業支援情報に変更があるときには、本業支援情報テーブル214の情報を更新する。
【0028】
通信部321は、銀行サーバ30とネットワーク40との間の通信を可能にするためのインタフェースとして機能する通信モジュールである。
【0029】
なお、データサーバ20においては、DDoS(Distributed Denial of Service)対策や、WAF(Web Application Firewall)の設定等を行うことにより、ネットワーク40を経由した外部からの不正アクセスを防ぎ、記憶手段の情報を適正に保持するとともに、本システムの安定した運用を実現する。
【0030】
[2 プログラムによって実行される処理の説明]
次に、本実施形態に係る情報処理プログラムが、ユーザ端末10及び銀行サーバ30においてそれぞれ実行されることによって行われる処理について説明する。
【0031】
[2.1 ユーザ端末において実行される処理]
ユーザ端末10のユーザ識別部101及びコンテンツ提供部102によって実行される処理の詳細について、
図6~
図10に示すフローチャート、
図11に示す画面遷移図及び
図12~
図18に示す画面例を参照しながら説明する。なお、以下の説明における画面例は、全て、本アプリケーションにおいて表示されるユーザインタフェースの一例である。
【0032】
図6は、ユーザ識別部101によって実行されるログイン処理(ユーザ識別処理)の一例を示す。
ステップ001(図ではS001と表記する。以下同様)で、ユーザ識別部101は、
図12に例示するログイン画面500を、ユーザ端末10の出力手段である画面(タッチパネルディスプレイ)に表示させる。
【0033】
ステップ002で、ユーザ識別部101は、ログイン画面500のログインボタン501が押下(タップ)されたか否かを判定し、押下されたときにはステップ003に進み(Yes)、そうでないときにはそのまま待機する(No)。なお、本明細書及び図面で説明する画面上の全てのフォームの種類(例えば、ボタン、テキストボックス、プルダウン等)は、いずれも例示に過ぎず、本明細書及び図面で説明した種類に限定されるものではない。
【0034】
ステップ003で、ユーザ識別部101は、ログイン画面500のログインID502及びパスワード503の入力欄においてユーザにより入力されたログインID及びパスワードを取得する。
ステップ004で、ユーザ識別部101は、データサーバ20のユーザ情報テーブル211にアクセスし、ステップ003で取得したログインID及びパスワードと、ユーザ情報テーブル211に格納されたデータのユーザID及びパスワードとをそれぞれ照合する。
【0035】
ステップ005で、ユーザ識別部101は、ユーザID及びパスワードがステップ3で取得したログインID及びパスワードと一致するデータ(以下、対象ユーザ情報という)がユーザ情報テーブル211に存在するか否かを判定する。当該対象ユーザ情報が存在しなければ、ステップ006に進んでエラーメッセージを画面に表示させる一方(No)、存在する場合には、ステップ007に進む(Yes)。
【0036】
ステップ007で、ユーザ識別部101は、ユーザ情報テーブル211の対象ユーザ情報のユーザ属性が、企業の経営者であるか否かを判定する。換言すれば、ユーザ識別部101は、ユーザが企業の経営者であるか否かを識別する。企業の経営者である場合には、ステップ008に進み(Yes)、そうでない場合にはステップ009に進む(No)。
【0037】
ステップ008で、ユーザ識別部101は、経営者向けホーム画面表示処理を実行する。当該経営者向けホーム画面表示処理の詳細は後述する。
ステップ009で、ユーザ識別部101は、従業員向けホーム画面又は一般会員向けホーム画面を表示させる。なお、本明細書においては、従業員又は一般会員向けの画面を表示させる処理及び画面の内容については説明を省略する。
【0038】
図7は、コンテンツ提供部102によって実行される経営者向けホーム画面表示処理の一例を示す。
ステップ101で、コンテンツ提供部102は、
図13の経営者向けホーム画面510において例示するように、本業支援サービス一覧画面520へのリンク511を、経営者向けホーム画面510に設定する。
【0039】
ステップ102で、コンテンツ提供部102は、ユーザ情報テーブル211にアクセスし、前述した対象ユーザ情報の企業属性の情報を取得する。
ステップ103で、コンテンツ提供部102は、本業支援情報テーブル214にアクセスし、ステップ102で取得した対象ユーザ情報の企業属性と、本業支援情報テーブル214の対象属性とを照合する。
【0040】
ステップ104で、コンテンツ提供部102は、本業支援情報テーブル214のデータのうち、対象ユーザ情報の企業属性に含まれる情報のうち少なくとも1つが対象属性に含まれているデータであって、かつ、情報登録日時が所定時期よりも後である1又は複数のデータの本業支援情報(名称)を取得する。換言すれば、コンテンツ提供部102は、本業支援情報テーブル214から、ログインしているユーザが経営している企業の属性が本業支援情報の提供対象に適合しており、かつ、新着のデータを選別し、当該データの本業支援情報を取得する。
【0041】
ステップ105で、コンテンツ提供部102は、取得した本業支援情報の一覧を、経営者向けホーム画面510の本業支援情報の新着情報512として、経営者向けホーム画面510に設定する。このとき、例えば、本業支援情報が動画ファイルのときには、動画の全体又はプレビューが経営者向けホーム画面510において直接見られるように設定してもよい。
ステップ106で、コンテンツ提供部102は、経営者向けホーム画面510をユーザ端末10の画面に表示させる。
【0042】
なお、当該経営者向けのホーム画面510においては、上記説明において例示した本業支援サービス一覧画面520へのリンク511や本業支援情報の新着情報512のみならず、様々な情報を表示させることが可能である。
【0043】
また、
図13で例示されているように、経営者向けホーム画面510には、ボトムナビゲーション1000を表示することができる。ボトムナビゲーション1000は、本アプリケーションの各画面に相互に遷移するためのリンクを含む。なお、ボトムナビゲーション1000は、当該経営者向けホーム画面510のみならず、後述する本業支援サービス一覧画面520、本業支援サービス詳細画面530、本業支援サービス予約済み画面540、本業支援情報一覧画面550及び本業支援情報詳細画面560においても表示されるが、以降においては図示及び説明を省略している。
【0044】
また、
図13のボトムナビゲーション1000において例示されているように、本アプリケーションは、後述する本業支援サービス一覧画面520や本業支援情報一覧画面550等の他に、ビジネスマッチングや人材紹介の画面を表示させることも可能である。これらの情報の詳細及び画面等については本明細書では説明を省略するが、このようなビジネスマッチングや人材紹介のついての情報も、企業の経営活動において行われる業務を支援するための本業支援情報の一形態である。
【0045】
図8及び
図9は、コンテンツ提供部102によって実行される本業支援サービス予約処理の一例を示す。当該処理は、経営者向けホーム画面510において、本業支援サービス一覧へのリンク511が押下されたときに実行される。
【0046】
ステップ201で、コンテンツ提供部102は、ユーザ情報テーブル211にアクセスし、前述した対象ユーザ情報の管轄営業所及び企業属性の情報を取得する。
ステップ202で、コンテンツ提供部102は、本業支援サービステーブル212にアクセスし、ステップ201で取得した対象ユーザ情報の企業属性と、本業支援サービステーブル212の各データの対象属性とを照合する。
【0047】
ステップ203で、コンテンツ提供部102は、本業支援サービステーブル212のデータのうち、対象ユーザ情報の企業属性に含まれる情報のうち少なくとも1つが対象属性に含まれている1又は複数のデータの本業支援種別、本業支援サービス及び管轄営業所の予約可能残数を取得する。換言すれば、コンテンツ提供部102は、本業支援サービステーブル212から、ログインしているユーザが経営している企業の属性が本業支援サービスの提供対象に適合しているデータを選別し、当該データの本業支援サービス、当該本業支援サービスの本業支援種別、及び当該本業支援サービスの予約可能残数を取得する。
【0048】
ステップ204で、コンテンツ提供部102は、
図14の本業支援サービス一覧画面520に例示するように、取得した本業支援サービスを、本業支援種別ごとにグループ化して、管轄営業所の予約可能残数とともに本業支援サービス一覧に設定する。具体的には、本業支援サービス一覧画面520において、本業支援サービス一覧521として、本業支援種別522を表示させ、そのグループ下において、本業支援サービス523及び当該本業支援サービス523の予約可能残数524を表示させるように設定する。なお、予約可能残数が0の本業支援サービスについては、空きがなく予約ができない旨を表示する。
【0049】
ステップ205で、コンテンツ提供部102は、本業支援サービス一覧画面520をユーザ端末10の画面に表示させる。
ステップ206で、コンテンツ提供部102は、本業支援サービス一覧画面520のいずれかの本業支援サービス523がタップ等の操作により指定されたか否かを判定する。指定された場合には、ステップ207に進み(Yes)、そうでなければ、そのまま待機する(No)。
【0050】
ステップ207で、コンテンツ提供部102は、
図15の本業支援サービス詳細画面530に例示するように、指定された本業支援サービスの詳細内容531及び予約ボタン532を本業支援サービス詳細画面530に設定して、ユーザ端末10の画面に表示させる。
ステップ208で、コンテンツ提供部102は、本業支援サービス詳細画面530の予約ボタン532が押下されたか否かを判定し、押下されたときにはステップ209に進み(Yes)、そうでないときにはそのまま待機する(No)。
【0051】
ステップ209で、コンテンツ提供部102は、対象ユーザ情報の管轄営業所、指定された本業支援サービス、ユーザID、及び現在時刻を予約登録日時として設定したデータを、予約済みテーブル213に登録する。
ステップ210で、コンテンツ提供部102は、本業支援サービステーブル212のデータのうち、予約された本業支援サービスに対応するデータにおける、対象ユーザ情報の管轄営業所の予約可能残数から1減算して、本業支援サービステーブル212を更新する。
【0052】
ステップ211で、コンテンツ提供部102は、
図16の本業支援サービス予約済み画面540に例示するように、予約済み情報541として、予約された本業支援サービス542を本業支援サービス予約済み画面540に設定する。なお、当該本業支援サービス予約済み画面540には、予約の取り消しを可能とする予約取り消しボタン543も設定する。
ステップ212で、コンテンツ提供部102は、本業支援サービス予約済み画面540を、ユーザ端末10の画面に表示させる。
【0053】
なお、
図14に例示した本業支援サービス一覧画面520及び
図16に例示した本業支援サービス予約済み画面540は、本業支援サービス一覧521が示すリンク及び予約済み情報541が示すリンクをそれぞれタップすることにより、相互に画面遷移できるものとする。
【0054】
図10は、コンテンツ提供部102によって実行される本業支援情報提供処理の一例を示す。
ステップ301で、コンテンツ提供部102は、ユーザ情報テーブル211にアクセスし、対象ユーザ情報の企業属性の情報を取得する。
ステップ302で、コンテンツ提供部102は、本業支援情報テーブル214にアクセスし、ステップ301で取得した対象ユーザ情報の企業属性と、本業支援情報テーブル214の各データの対象属性とを照合する。
【0055】
ステップ303で、コンテンツ提供部102は、本業支援情報テーブル214のデータのうち、対象ユーザ情報の企業属性に含まれる情報のうち少なくとも1つが対象属性に含まれている1又は複数のデータの本業支援情報(名称)を取得する。換言すれば、コンテンツ提供部102は、本業支援情報テーブル214から、ログインしているユーザが経営している企業の属性が本業支援情報の提供対象に適合しているデータを選別し、当該データの本業支援情報を取得する。
【0056】
ステップ304で、コンテンツ提供部102は、
図17の本業支援情報一覧画面550において例示されているように、取得した本業支援情報(名称)を、本業支援情報一覧551として、本業支援情報一覧画面550に設定する。このとき、前述した経営者向けのホーム画面510の本業支援情報の新着情報512と同様に、例えば、本業支援情報のデータファイルが動画ファイルのときには、動画の全体又はプレビューが本業支援情報一覧画面550において直接見られるように設定してもよい。
ステップ305で、コンテンツ提供部102は、本業支援情報一覧画面550をユーザ端末10の画面に表示させる。
【0057】
ステップ306で、コンテンツ提供部102は、本業支援情報一覧画面550においていずれかの本業支援情報がタップ等の操作により指定されたか否かを判定する。指定された場合には、ステップ307に進み(Yes)、そうでなければ、そのまま待機する(No)。
ステップ307で、コンテンツ提供部102は、本業支援情報テーブル214から指定された本業支援情報のデータファイルを読み出して取得する。
【0058】
ステップ308で、コンテンツ提供部102は、
図18の本業支援情報詳細画面560に例示するように、指定された本業支援情報のデータファイルの内容を詳細内容561として本業支援情報詳細画面560に設定して、ユーザ端末10の画面に表示させる。このとき、本業支援情報のデータファイルの内容を直接表示させてもよいし、例えば、他のアプリケーションによって開くことが必要なデータファイルである場合には、他のアプリケーションによって当該データファイルを開くためのボタン等を表示させるようにしてもよい。
【0059】
なお、
図17に例示した本業支援情報一覧画面550の表示においても、
図14に例示した本業支援サービス一覧画面520と同様に、それぞれの本業支援情報を本業支援種別ごとにグループ化して表示するようにしてもよい。このような表示は、本業支援情報テーブル214においても本業支援サービステーブル212と同様に、それぞれの本業支援情報が属する本業支援種別を設定しておくことによって実現することが可能である。
【0060】
また、先に説明した経営者向けホーム画面510の表示処理において、経営者向けホーム画面510に表示した本業支援情報がタップ等の操作により指定されたときにも、当該本業支援情報表示処理のステップ307及び308と同様の処理を行う。
【0061】
[2.2 銀行サーバにおいて実行される処理]
次に、銀行サーバ30のコンテンツ管理部301によって実行される処理について説明する。
【0062】
図19は、コンテンツ管理部301によって実行されるコンテンツ管理処理の一例を示すフローチャートである。コンテンツ管理処理は、データサーバ20の記憶手段に格納された各テーブルのデータに対する更新が発生したときに、システム管理者等のオペレータによる操作をトリガとして実行される。なお、ここでのデータに対する更新とは、データの登録、変更及び削除の全てを含み得る。
【0063】
ステップ401で、コンテンツ管理部301は、データサーバ20の記憶手段のデータに対してどのような更新を行うかを示す更新情報311を取得する。なお、更新情報311は、更新の対象となるテーブルがユーザ情報テーブル211、本業支援サービステーブル212又は本業支援情報テーブル214のいずれであるかを示す情報、更新内容(例えば、既存のデータの一部を変更する場合には、対象となるデータを識別可能な情報並びに変更対象の項目及び変更後のデータ内容であり、新規のデータを登録する場合には、データ全体の内容であり、データを削除する場合には、削除対象のデータを識別可能な情報)を含むものとする。当該更新情報311は、例えば、銀行サーバ30が備える記憶手段(図示省略)から読み出して取得した情報でもよいし、銀行サーバ30のシステム管理者等のオペレータが例えば紙媒体等で取得して入力した情報でもよい。
【0064】
ステップ402で、コンテンツ管理部301は、更新情報311に基づいて、データサーバ20の記憶手段に格納されているユーザ情報テーブル211、本業支援サービステーブル212又は本業支援情報テーブル214のいずれかのうち、更新対象となるテーブルにアクセスし、データを更新する。
【0065】
[3 本実施形態による効果、変形例等]
本実施形態によれば、銀行の取引先の企業の経営者が用いるユーザ端末10において、企業の経営活動において行われる業務、すなわち本業を支援するための本業支援コンテンツがユーザインタフェースに表示される。このため、ユーザである企業の経営者は、本アプリケーションを通じ、銀行から、単なる金融関連サービスのみならず、企業において本業を行うにあたり有益な付加価値を有する情報等を得ることができる。
【0066】
また、本業支援コンテンツには、銀行において提供される本業支援サービスを示す情報が含まれ、ユーザである企業の経営者は、本システムを介して簡単に本業支援サービスの予約を行うこともできる。このため、ユーザである企業の経営者は、本アプリケーションを介して得られた情報やサービスを自身の企業経営において利用して役立てることができ、結果として、企業の成長戦略を実現させ、また、経営力を向上させることが可能となる。
【0067】
そして、特に、このような銀行による本業支援に資する情報等が、スマートフォン等の身近な情報処理端末によって容易に得られることにより、ユーザである企業の経営者にとっては、利便性が良いのはもちろんのこと、銀行をより身近に感じることができるとともに、融資等の金銭面のみならず経営自体をサポートしてもらっている安心感を得ることができる。そして、前述したように、一例として、特に地方において地元企業にこのような付加価値を提供することで、当該企業及びその従業員等を支援し、地元の復興及び地方創生を実現させることができる。
【0068】
また、本アプリケーションにおいては、本業支援サービスを示す情報や本業支援情報が表示される際に、ユーザが経営する企業の企業属性と、本業支援サービスを示す情報や本業支援情報に対応付けられて設定された提供対象を示す対象属性とが照合され、企業属性が、本業支援サービスや本業支援情報の提供対象に適合するもののみが選別されて表示される。これにより、それぞれのユーザが経営する企業に合った情報やサービスが的確に提供されることとなる。ここで、企業属性としては、先の説明で例示した業種、規模、財務状況及び設立時期に限らず、様々な属性を設定することができる。ユーザが経営する企業の企業属性と、本業支援サービスを示す情報や本業支援情報における対象属性とをより詳細に設定すればするほど、より詳細な条件で本業支援サービスを示す情報や本業支援情報を選別することができ、ユーザが経営する企業にとって必要な情報やサービスをより的確に提供することが可能となる。なお、このようなデータの選別処理は、本実施形態において必須ではなく、各テーブルに格納されたデータを選別せずに全て取得して表示することも可能である。
【0069】
なお、前述の本業支援サービスを示す情報や本業支援情報の選別においては、例えば、ユーザによる過去の本業支援サービスの利用状況や本業支援情報の閲覧状況なども考慮してこれらの選別を行うようにしてもよい。また、本業支援サービスを示す情報や本業支援情報の提供対象を示す対象属性を直接設定するのではなく、これらの情報の内容自体の属性(例えば、就業規則に関する内容であるか、ITに関連する内容であるか等)を設定しておき、どのような属性を有する情報やサービスをどのような属性を有する企業に対して提供するべきかを示すルールを別途設定したり、アルゴリズム等によって決定したりすることによって、本業支援サービスを示す情報や本業支援情報を選別するようにしてもよい。
【0070】
また、本システムにおいては、管理装置として機能する銀行サーバ30のコンテンツ管理部301からデータサーバ20の各テーブルのデータが更新されることにより、例えば、従来は銀行内部でしか閲覧できなかったような情報等も、本アプリケーションのユーザインタフェースを介し、ユーザ端末10において本業支援情報として容易に閲覧可能にすることができる。このとき、本実施形態のように、初めにユーザの認証を行い、かつ、ユーザが取引先の企業の経営者であることを識別することで、通常は一般に公開しないような、銀行が有する経営のノウハウ等を含んだ情報等を取引先の企業の経営者に提供し、当該企業に対してより効果的な支援を行うことが可能となる。
【0071】
なお、本実施形態では、ユーザ端末10において、いわゆるネイティブアプリであるアプリケーションをインストールして実行することにより、ユーザ識別部101及びコンテンツ提供部102の機能が実現されている。しかし、このような実装方法に限らず、例えば、これらの機能を、Webブラウザ上で動作するWebアプリケーションによって実現することも可能である。
【0072】
また、本実施形態では、データサーバ20と、データの更新を行うコンテンツ管理部301を備えた銀行サーバ30が別装置となっているが、例えば、データサーバ20において直接データの更新を行うことも当然に可能である。
【0073】
[4 情報処理装置のハードウェア構成]
図20は、本実施形態における情報処理システムの構成要素であるユーザ端末10、データサーバ20及び銀行サーバ30の情報処理装置のハードウェア構成の一例を示す。本情報処理装置は、プロセッサ910、メモリ920、ストレージ930、可搬記憶媒体駆動装置940、入出力装置950及び通信インタフェース960を備える。
【0074】
プロセッサ910は、制御ユニット、演算ユニット及び命令デコーダ等を含み、実行ユニットが、命令デコーダで解読されたプログラムの命令に従い、制御ユニットより出力される制御信号に応じ、演算ユニットを用いて算術・論理演算を実行する。かかるプロセッサ910は、制御に用いる各種情報が格納される制御レジスタ、既にアクセスしたメモリ920等の内容を一時的に格納可能なキャッシュ等を備える。なお、プロセッサ910は、CPU(Central Processing Unit)コアが複数設けられている構成でもよい。
【0075】
メモリ920は、例えばRAM(Random Access Memory)等の記憶装置であり、プロセッサ910で実行されるプログラムがロードされるとともに、プロセッサ910の処理に用いるデータが格納されるメインメモリである。また、ストレージ930は、例えばHDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリ等の記憶装置であり、プログラムや各種データが格納される。可搬記憶媒体駆動装置940は、可搬記憶媒体970に記憶されたデータやプログラムを読み出す装置である。可搬記憶媒体970は、例えば磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク又はフラッシュメモリ等である。なお、プロセッサ910は、メモリ920やストレージ930と協働しつつ、ストレージ930や可搬記憶媒体970に格納されたプログラムを実行する。なお、プロセッサ910が実行するプログラムや、アクセス対象となるデータは、当該情報処理装置と通信可能な他の装置に格納されていてもよい。
【0076】
入出力装置950は例えばタッチパネル、キーボード等やディスプレイ等の入力手段及び出力手段であり、ユーザ操作等による動作命令を受け付ける一方、情報処理装置による処理結果を出力する。通信インタフェース960は、例えば前述したユーザ端末10の通信部122やデータサーバ20の通信部221及び銀行サーバ30の通信部321等の通信モジュールであり、外部とのデータ通信を可能にする。前述した情報処理装置の各構成要素は、バス980で接続されている。
【0077】
[その他]
本明細書で説明した情報処理装置の機能的構成及び物理的構成は、上述の態様に限るものではなく、例えば、各機能や物理資源を統合して実装したり、逆に、さらに分散して実装したりすることも可能である。
【符号の説明】
【0078】
10…ユーザ端末、101…ユーザ識別部、102…コンテンツ提供部、20…データサーバ、211…ユーザ情報テーブル、212…本業支援サービステーブル、213…予約済みテーブル、214…本業支援情報テーブル、30…銀行サーバ、301…コンテンツ管理部