(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022062918
(43)【公開日】2022-04-21
(54)【発明の名称】錠剤分割装置
(51)【国際特許分類】
A61J 3/00 20060101AFI20220414BHJP
【FI】
A61J3/00 310F
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020171121
(22)【出願日】2020-10-09
(71)【出願人】
【識別番号】592031097
【氏名又は名称】PHC株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000176
【氏名又は名称】一色国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】植田 敏明
(72)【発明者】
【氏名】加藤 芳朗
(72)【発明者】
【氏名】岡木 考平
(72)【発明者】
【氏名】麻生 幸生
【テーマコード(参考)】
4C047
【Fターム(参考)】
4C047JJ01
4C047JJ21
(57)【要約】 (修正有)
【課題】錠剤を円滑に切断し、排出できる錠剤分割装置を提供する。
【解決手段】錠剤1を切断する切断刃359と、切断された前記錠剤を付勢することにより前記切断刃から前記錠剤を離隔する付勢部と、を備える錠剤分割装置。
【選択図】
図20
【特許請求の範囲】
【請求項1】
錠剤を切断する切断刃と、
切断された前記錠剤を付勢することにより前記切断刃から前記錠剤を離隔する付勢部と、を備える錠剤分割装置。
【請求項2】
前記付勢部は、前記切断刃の刃厚方向と直交する方向に前記錠剤を付勢する、請求項1に記載の錠剤分割装置。
【請求項3】
前記錠剤の切断時において、前記切断刃との間に前記錠剤を位置させる押さえ部をさらに有する、請求項1または2に記載の錠剤分割装置。
【請求項4】
前記切断刃に向かって移動し、前記切断刃との間に前記錠剤を挟むことで前記錠剤を切断する移動刃をさらに備え、
前記押さえ部は前記移動刃とともに移動する、請求項3に記載の錠剤分割装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、錠剤分割装置に関する。
【背景技術】
【0002】
錠剤を分割するための錠剤分割装置が知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に係る錠剤分割装置は、刃を用いて錠剤を分割する機能を備えている。しかし、分割後の錠剤が自重のみによって排出されるため、排出時に錠剤が散らばったり、錠剤が排出口に詰まったりする虞があった。
【0005】
本発明は、斯かる実情に鑑み、錠剤を円滑に排出可能な錠剤分割装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、一態様として、錠剤を切断する切断刃と、切断された前記錠剤を付勢し、前記切断刃から前記錠剤を離隔する付勢部と、を備える錠剤分割装置を提供する。
【発明の効果】
【0007】
上記構成によれば、錠剤を円滑に排出可能な錠剤分割装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本実施形態における、薬品包装システム10および錠剤分割装置100の斜視図である。
【
図2】薬品包装システム10および錠剤分割装置100の正面図である。
【
図4】棚の斜視図であり、切断ユニットを取り外しした状態を示す。
【
図5】棚を上方から視た斜視図であり、切断ユニットを取り外しした状態を示す。
【
図6】棚を下方から視た斜視図であり、切断ユニットを取り外しした状態を示す。
【
図7】打突ユニットの斜視図であり、筐体の一部を省略して内部を図示している。
【
図8】打突ユニットの筐体内部を示す斜視図である。
【
図9】打突ユニットの筐体内部を示す斜視図である。
【
図10】棒部及び端部を示す斜視図であり、コイルバネを省略して示す。
【
図11】切断ユニットの斜視図であり、筐体の一部を省略して内部を図示している。
【
図12】切断ユニットのうち、フィーダ、案内部、及び切断部を示す斜視図である。
【
図13】切断ユニットのうち、フィーダ、案内部、及び切断部を示す斜視図である。
【
図14】フィーダ、案内部、及び切断部を示す斜視図であり、フィーダの筐体を省略して示す。
【
図15】フィーダ、及び案内図の斜視図であり、フィーダの筐体を省略して示す。
【
図16】載置部の斜視図であり、シャッタが載置位置に有る状態を示す。
【
図17】載置部の斜視図であり、シャッタが排出位置に有る状態を示す。
【
図19】載置部において、錠剤を載置した部分を拡大して示した図である。
【
図20】載置部において、錠剤を載置した部分を拡大して示した図である。
【
図21】切断部と、切断部が装着された切断ユニットの筐体内部と、一部の部材を省略した状態で示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の1つの実施形態である薬品包装システム10および錠剤分割装置100を、添付図面を参照して説明する。
【0010】
なお、以下の説明において、
図1に図示するように薬品包装システム10および錠剤分割装置100における、X、Y、Zの方向軸を定める。また、X軸において、矢印の指示する方向をプラス方向として「+X方向」と示し、その反対方向を「-X方向」として示す。また、Y軸、Z軸においても同様に、+Y、-Y、+Z、-Zの各方向を規定する。取り外し可能な部材、部位などについては、薬品包装システム10に装着された状態を基準として、方向を規定し説明を行う。
【0011】
X軸、Z軸は、それぞれ水平に延びる軸である。X軸は、錠剤分割装置100の前後に延びる軸であり、+X方向を前方向、-X方向を後方向と呼ぶ場合がある。また、Z軸は錠剤分割装置100の左右に延びる軸であり、Z軸の延びる方向を左右方向と呼ぶ場合がある。Y軸は、上下に延びる軸であり、+Y方向を上方向、-Y方向を下方向などと呼ぶ場合がある。
【0012】
<概要>
図1、
図2を参照しつつ、薬品包装システム10について、以下のとおり説明する。
図1は、本実施形態に係る薬品包装システム10の斜視図である。
図2は、本実施形態に係る薬品包装システム10の各棚25の扉パネル23を取り外し、下パネル22Aを開放した状態の正面図である。
【0013】
薬品包装システム10は、錠剤分割装置100から払出された所望の錠剤1を包装紙36に包装する装置である。
図1、
図2に示すように、薬品包装システム10は、本体20を含んで構成され、矩形状の本体20は、上部構造体21と下部構造体22とを有して構成されている。本実施形態において、本体20は、下部構造体22上に上部構造体21が積層されて連結された構造とする。
【0014】
錠剤1は、例えば、粉末あるいは結晶性の医薬品を略円筒形状に成形して固めた錠剤である。錠剤1は、そのほか、丸剤、坐剤、トローチ剤などであっても良い。
【0015】
上部構造体21内には、後述する錠剤分割装置100を収納するためにケース収納部21Aを備え、ケース収納部21Aの天面は、着脱可能な天板21Bで閉塞されている。
【0016】
図1、
図2に示すように、上部構造体21のケース収納部21A内には、例えば、棚25が、左右方向に4列配列され、上下方向に5段配列され、合計20個配設されている。各棚25の前端には扉パネル23が取り付けられ、全ての棚25がケース収納部21A内に収納された状態で、各扉パネル23が上部構造体21の前面開口を閉塞する。
【0017】
下部構造体22は、上面において上部構造体21と連通する。
図2に示すように、下部構造体22内には、後述する包装機構30が収納設置されている。また、前面の開口は観音開き式の下パネル22Aにより開閉自在に閉塞されている。
【0018】
棚25には、
図1に示すように、その中央に上下方向(高さ方向)に開放した通路24が前後方向に渡って形成されており、例えば、この通路24を挟む左右両側に、錠剤分割装置100が前後方向に並設して取り付けられている。錠剤分割装置100については、詳細に後述する。
【0019】
棚25の下部には、下壁25Aが設けられ、この下壁25Aには、通路24と連通した連通孔24Aが形成されている。連通孔24Aは、錠剤分割装置100から排出された錠剤1を通過させて、通路24へ案内する機能を有する(
図4)。
【0020】
図2に示すように、包装機構30は、錠剤1を包装する機能を有し、プリンタ31、ホッパー32、ホッパー32の下端部に取り付けられたノズル33、ロール35、包装紙36、分包された錠剤を下パネル22Aに設けられた取出口22Cまで搬送するコンベア39を含む。
【0021】
包装紙36は、帯状に形成された包装紙36を、帯の延伸方向に沿って谷折りで半分に折り返した状態でロール35に巻回されており、谷折りされた包装紙36によって形成される、相対する2つの面がノズル33を両側から挟むように包装機構30に装着される。そして、包装紙36は、不図示のローラによってロール35から引き出された後、プリンタ31により表面に印字が成される。
【0022】
そして、ノズル33から払出される錠剤1が包装紙36内に投入され、包装紙36は一包毎に区画される。区画されて分包化された包装紙36は、不図示のカッターで切断され、コンベア39によって本体20の正面に設けられている取出口22Cに搬送される。
【0023】
錠剤分割装置100は、打突ユニット200及び切断ユニット300の2つのユニットを有し、切断ユニット300は、棚25に対して着脱可能に設置される(
図3、
図4)。
【0024】
<駆動ベース>
駆動ベース50は、大部分が下壁25Aの下方に配置された、切断ユニット300へ駆動力を供給する機構である。駆動ベース50は、
図4~
図6に示すように、軸511、傘歯車512、傘歯車513、軸514、ギア515、モータ521、軸522、傘歯車523、524、及びギア525を備える。
【0025】
なお、
図5は、棚25を斜め上方から見た図面であり、棚25の下壁を透視した状態で描画することにより、駆動ベース50の配置を視認可能としている。また
図6は、棚25を下方から見た図面であり、棚25の下壁を透視した状態で描画し、下壁25A上方に設けられたギア515なども視認できるようにしている。
【0026】
軸511は、X軸方向に延びるように支持され、不図示のモータによって回転駆動される軸である。軸511の+X方向の端部には傘歯車512が固定される。
【0027】
軸514は、Y軸方向に延びる略円柱形状の部材であり、下壁25Aを上下に貫通するように設けられる。軸514の上端部は、下壁25Aから上方に突出しており、下端部には傘歯車513が固定される。傘歯車513は、傘歯車512と噛み合っており(以下、噛合ともいう)、これらの2つの歯車により、軸511の回転は、方向を90度変えて軸514に伝達される。
【0028】
ギア515は、軸514の上端部に固定された歯車であり、下壁25Aの上方に配置される。ギア515は、軸514の回転駆動を切断ユニット300へ伝達する機能を有する。
【0029】
軸522はY軸方向に延びる略円柱形状の部材であり、下壁25Aを上下に貫通するように設置される。軸522の下端部には、傘歯車524が固定される。傘歯車524は、モータ521によって回転される傘歯車523と噛合する。このように軸522には、2つの傘歯車523、524を介してモータ521からの回転駆動が伝達される。
【0030】
軸522の上端部にはギア525が固定される。ギア525は、回転を切断ユニット300に対して伝達する機能を有する。
【0031】
上述のように駆動ベース50は、軸514と軸522の2つの系統を用いて切断ユニット300に駆動力を供給する。
【0032】
<打突ユニット>
打突ユニット200は、略立方体形状に形成された装置ユニットであり、切断ユニット300に対して、動力を与える機能を有する(
図4)。
【0033】
打突ユニット200は、
図7~
図10に示すように、モータ201、ギア202、ギア203、Y軸(上下)に延びる軸部204、カム205及び打突部210を備える。
【0034】
モータ201は、ギア202などを介して、打突部210に駆動力を伝達する機能を備える。モータ201の出力軸端部には、ギア202が固定される。
【0035】
ギア203は、ギア202と係合するギアであり、軸部204の上端部に固定される。ギア203の歯数は、ギア202よりも多く、ギア202から伝達された回転を減速させて、軸部204へ伝達する機能を有する。
【0036】
カム205は、Y軸方向に軸が延びる円筒形状の部材である。また、カム205は、軸部204の下端部において、軸部204の軸心から離れた位置に固定された偏心カムである。カム205は、軸部204から伝達された駆動力を打突部210へ伝達する機能を有する。
【0037】
打突部210は、
図7に示すように、板部211、棒部212、端部213、コイルバネ214、コイルバネ215、及び支持板216を有する。
【0038】
板部211は、Y軸方向及びZ軸方向に延びる平板部材であり、中央部において棒部212を固定する(
図8、
図9)。板部211は、上端部において係合部211Aを形成する。係合部211Aは、カム205と係合可能な部位であり、カム205との係合および係合解除を繰り返すことにより、カム205の回転運動をX軸方向の往復運動に変換する機能を有する。
【0039】
棒部212は、X軸方向に延びる略円柱形状の部材であり、+X方向端部において、当接部212Aを設けている。当接部212Aは、端部213と当接可能な部位であるが、打突時(後述)を除き、端部213からX軸方向に離れている(
図10)。棒部212の-X方向端部は、支持板216に摺動可能に支持される。また棒部212の中央部は、板部211に固定されており、板部211によって-X方向に駆動される。
【0040】
端部213は、略円筒形状の部材であり、コイルバネ215を介して棒部212と接続する。
【0041】
コイルバネ215の-X方向の端部は棒部212に固定される。またコイルバネ215の+X方向の端部は、端部213を固定する。コイルバネ215は、打突時(後述)以外において、端部213が当接部212Aから離間した状態を維持するように、端部213を支持する(
図10)。
【0042】
支持板216の下端部は、打突ユニット200の筐体に固定される。支持板216の中央部には円形の開口部が形成され、棒部212が挿通される。支持板216は、この開口部を介して、棒部212を摺動可能に支持する。
【0043】
コイルバネ214は、棒部212の周囲に配置されるとともに、板部211と支持板216との間に狭持される。コイルバネ214は、板部211を+X方向に付勢する機能を有する。コイルバネ214の生じる付勢力はコイルバネ215の付勢力より大きくなるように設定される。コイルバネ214は、大きな付勢力を、板部211及びこれに支持される棒部212に与え、駆動する機能を有する。
【0044】
<切断ユニット>
切断ユニット300は、フィーダ310、案内部320、載置部330、及び切断部350を有する(
図11、
図12)。切断ユニットは、略立方体形状の筐体301を有している。フィーダ310、案内部320、載置部330、及び切断部350は、筐体301に装着、支持される。
【0045】
切断ユニット300は、薬品包装システム10の棚25に配置される。切断ユニット300は、錠剤1を収容する収容箱であり、錠剤1を切断し、半分に分割された半錠の形状で払出す機能を有する。
【0046】
(フィーダ)
フィーダ310は、筐体311、回転部312、及びブラシ313を有する(
図12~
図15)。
【0047】
筐体311は、フィーダ310の外殻を形成する部材であり、側板311B及び底板311Cを有する。筐体311の内部には、錠剤1を保管する収容室311Aが形成される(
図12、
図13)。
【0048】
底板311Cは、上方視で略円形の板材であり、側板311Bの下端部に固定される(
図14、
図15)。底板311Cの上方には、回転部312が回転可能に支持される。底板311Cの-X方向の端部には切り欠き311Dが形成される。
【0049】
回転部312は、
図14、
図15などに示すように、略円柱形状の部材であり、上下に延びる中心軸312Aを持つ。回転部312は、外周部には上下に延びる複数の溝部312Bが形成されている。回転部312は、不図示のギアを介してギア525から駆動力を受け取り、中心軸312Aを中心に回転することが可能である。それぞれの溝部312Bは、回転部312の上端から下端まで切られており、収容室311Aに収容される錠剤1を、下方に案内する機能を有する。
【0050】
ブラシ313は、筐体311の内側面において固定された、X軸方向に伸びる毛である(
図14、
図15)。ブラシ313は、複数本がZ軸方向に並ぶように設けられ、溝部312Bを塞ぐことができる。ブラシ313は、溝部312Bを塞ぐことにより、ブラシ313の上方にある錠剤1が下方に落下することを防止する。このように、ブラシ313は、溝部312Bから錠剤1が1錠ずつ下方に案内されるように制御することができる。
【0051】
(案内部)
案内部320は、フィーダ310の下方に設けられる(
図15)。案内部320は、フィーダ310から払い出された錠剤1を下方に案内する機能を有する機構であり、センサ321及び案内壁322を備える。
【0052】
案内壁322は、上下かつZ軸方向に延びる壁であり、切り欠き311Dの下方に設けられる。案内壁322とセンサ321との間には、略矩形の開口320Aが形成される。開口320Aは、上下に連通する開口であり、フィーダ310から払い出された錠剤1を下方の載置部330へ案内する機能を有する。
【0053】
センサ321は、上方視で略矩形に形成されており、中央部には上下に貫通する矩形の貫通孔が形成されている。センサ321は、案内壁322を囲むように取り付けられており、開口320Aを通過する錠剤1を検知する機能を有する。
【0054】
(載置部)
載置部330は、
図16~
図20に示すように、案内部320の下方に設けられ、案内部320を通過した錠剤1を受けて、載置する機能を有する。載置部330は、シャッタ331、ねじりコイルバネ332、前壁333、軸334、バネ335、ギア336、セムスビス337、イモネジ338及びネジ339を備える。
【0055】
シャッタ331は水平方向に延びる部材であり、中央部331Aと、一端部331Cと、溝形に形成された他端部331Bとを備える。一端部331Cは上方に折れ曲がるように形成され、軸334と係合して水平方向の駆動力を受け取ることができる。中央部331Aは、軸334及びバネ335に支持されるとともに、軸334が上下に挿通される貫通孔が形成される。シャッタ331は、軸334を中心に水平に回動し、載置位置(
図16)と排出位置(
図17)との間を往復することができる。他端部331Bは、シャッタ331が載置位置に有る状態において、錠剤1を載置することができる。シャッタ331の中央部331Aには雌ネジを設けており、ネジ339がネジ作用により結合している(
図18)。ネジ339の端部は軸334に当接し、これによりシャッタ331は軸334に固定される。そのため軸334は、自身が回転することにより、シャッタ331を回動させることができる。
【0056】
ねじりコイルバネ332は、シャッタ331の上方に固定される。ねじりコイルバネ332の下端部は斜め下方に向いており、シャッタ331に載置された錠剤1を、-X方向に向けて押圧することができる(
図19、
図20)。
【0057】
前壁333は、シャッタ331の上方、かつ案内壁322の下方に配置される(
図16、
図17)。前壁333は、上下方向かつ、Z軸方向に延びる板状の部材であり、案内壁322から下方に落下する錠剤1をシャッタ331の他端部331Bに向けて案内する機能を有する。
【0058】
軸334は、上下方向に延びる略円柱形状の部材であり、シャッタ331を、水平方向に移動不能とするように支持する。軸334は、下方に折れ曲がって形成される上端部334A、及び下端部334Cを有する(
図18)。
【0059】
上端部334Aは、シャッタ331の上部と係合してシャッタ331との回転方向への動作を同期する。
【0060】
下端部334Cには雌ネジが切られており、セムスビス337とネジ作用により結合(以下、螺合ともいう)する。
【0061】
バネ335は、軸334の周囲に配置され、筐体301とシャッタ331との間に配置されるコイルバネである。バネ335の下端部は、筐体301に当接する。バネ335の上端部は、シャッタ331の中央部331Aと当接しており、シャッタ331を上方向に付勢して支持する。
【0062】
ギア336は、筐体301の下方において、軸334の下端部に固定された歯車である。ギア336は、ギア515と係合し、駆動ベース50から回転駆動を受け取ることができる。ギア336は、ギア515から駆動力を受け取って自身が回転することにより、軸334を介してシャッタ331を回動させることができる。ギア336の上下方向中央部には雌ネジが切られており、イモネジ338とネジ作用により螺合する。
【0063】
イモネジ338は、ギア336に螺合するネジである。イモネジ338の端部は、軸334と当接して押圧することにより、ギア336を軸334に固定することができる。そのため作業者は、イモネジ338を締め付けることにより、ギア336を軸334に固定させ、イモネジ338を緩めることによりギア336と軸334とが互いに固定された状態を解除できる。
【0064】
セムスビス337は、軸334の下端部に螺合するネジである。セムスビス337の頭部は、ギア336の下端部と係合し、当接した状態に維持される。作業者は、セムスビス337を回転させて軸334との螺合の程度を調整することにより、軸334のギア336に対する上下の相対位置を調整することができる。なお、セムスビス337及び軸334のネジのピッチにより、セムスビス337の回転と軸334のギア336に対する移動距離は予め把握することができる。例えば、セムスビス337が1回転する度に、軸334はギア336に対して1ミリメートル上下に移動するように設定し、位置調整を簡便にすることも可能である。
【0065】
(切断部)
切断部350は、
図21~
図24に示すように、筐体351、移動部352、シャフト353A、353B、バネ354A、354B、当接部355、切刃ユニット356、取付ネジ357、360、押さえ部材358、及び、固定刃359を備える。切断部350は、不図示のネジ等により、筐体301に対して、取り外し可能に装着される(
図11)。装着された状態において、切断部350は、案内部320の下方、かつ、載置部330のシャッタ331の上方に配置される。以下では、切断部350が筐体301に装着された状態を基準として、部材の位置、方向などを説明する。
【0066】
筐体351は略立方体形状に形成され、側壁351A、351B、後壁351C、及び前部351Eを備える(
図21など)。
【0067】
側壁351A、351Bは、それぞれX軸方向に延びる板状の部材であり、-X方向の端部は後壁351Cに固定され、+X方向の端部は、前部351Eに固定される。
【0068】
後壁351Cは、Z軸方向に延びる板状部材であり、筐体351の-X方向の端部を構成する。後壁351Cには開口351Dが形成されており、この開口351Dは、端部213、コイルバネ215及び棒部212をX軸方向に挿通させることができる。後壁351Cは、シャフト353A、353Bの-X方向端部を固定して支持する(
図22)。
【0069】
前部351Eは、筐体351の+X方向端部に設けられた、略矩形の部材であり、シャフト353A、353Bの+X方向の端部、及び、固定刃359を支持する。
【0070】
前部351Eには、中央部に矩形の開口351Fが形成される(
図21、
図22)。開口351Fは、開口320Aの下方に配置されており、案内部320を通過した錠剤1は、載置位置のシャッタ331に載置される際、開口351Fの中に保持される。このとき、周囲には前部351Eが位置するため、錠剤1の水平方向への移動が規制される。
【0071】
前部351Eの-X方向の端部には、Z軸方向に延びるスリット351Gが形成される(
図22)。スリット351Gは、前部351Eの一部分をX軸方向に貫通する細い貫通孔であり、切刃ユニット356が移動可能に挿入される。
【0072】
移動部352は、後壁351C及び前部351Eとの間に配置された、略立方体形状の部材である(
図21~
図23)。移動部352は、X軸方向に摺動可能にシャフト353A、353Bによって支持される。移動部352は、-X方向端部において当接部355が固定され、+X方向端部には切刃ユニット356が固定される。移動部352は、当接部355を介して打突ユニット200より駆動力を受け取り、切刃ユニット356をシャッタ331に載置された錠剤1へ向けて移動させることができる。
【0073】
シャフト353A、353Bはそれぞれ、前部351Eと後壁351Cとに端部を支持され、X軸方向に延びる棒状の部材である。シャフト353A、353Bは、X軸方向において摺動可能に、移動部352を支持する。
【0074】
バネ354A、354Bは、それぞれがシャフト353A、353Bの外周を囲むように配置されたコイルバネである。バネ354A、354Bの+X方向端部は、前部351Eに固定される。また、バネ354A、354Bの-X方向端部は移動部352に当接し、移動部352を-X方向に付勢する。バネ354A、354Bのバネ定数は、コイルバネ214、215のバネ定数よりも相当程度小さく設計される。そのためバネ354A、354Bは、両部材の付勢力を足しても、コイルバネ214、215よりも充分に弱い付勢力しか生じない。
【0075】
当接部355は、X軸方向に延びる棒状の部材であり、+X方向の端部は、移動部352に固定される(
図21、
図23)。当接部355の-X方向端部は、打突ユニット200の端部213と当接可能であり、端部213に当接することによって駆動力を受け取る機能を有する。当接部355は、さらに移動部352へ駆動力を伝達し、移動部352を+X方向に移動させることができる。
【0076】
切刃ユニット356は、錠剤1を切断するための切刃356A、切刃356Aを支持する支持部356B、及びネジ356Cを有し、移動部に対して着脱可能に固定される(
図24)。
【0077】
切刃356Aは、Z軸方向及びX軸方向(すなわち水平方向)に延びた、上下方向の刃厚を有する部材であり、+X方向の端部は、Z軸方向に直線状に形成され、刃が形成される。切刃356Aは、この刃を用いて錠剤1を切断することができる。切刃356Aは、ネジ356Cの頭部と支持部356Bとの間に狭持され、固定される。切刃356Aは、スリット351Gに挿入されており、移動部352と共にX軸方向に移動し、固定刃359の直近まで移動することができる。
【0078】
取付ネジ357は、移動部352と螺合し、移動部352との間に支持部356Bを狭持、固定する(
図23)。作業者は、取付ネジ357を移動部352に対して螺合させ、又は取り外すことによって、切刃ユニット356を移動部352に着脱することができる。
【0079】
押さえ部材358は、棒状の部材であり、-X方向の端部は移動部352の上部かつ+X方向の端部に固定される(
図21、
図22)。押さえ部材358は、移動部352から+X方向に突出した端部を有している。押さえ部材358の端部は、切刃356Aが錠剤1を切断する際に錠剤1の上方に移動し、切断された錠剤1が上方に飛び出ることを防止する。
【0080】
固定刃359は、前部351Eに対して取り外し可能に固定された、水平方向に延びる部材であり、上下方向に刃厚を有する(
図22)。固定刃359は、開口351Fに対して+X方向側に設けられ、切刃356Aと同じ上下位置となるように固定される。固定刃359の-X方向の端部はZ軸方向に延び、刃が形成される。固定刃359は、この刃を用いて、切刃356Aの刃との間に錠剤1を挟み、錠剤1を切断することができる。
【0081】
固定刃359は、前部351Eと螺合する取付ネジ360によって前部351Eに固定される。詳細には、取付ネジ360の頭部と前部351Eとの間に固定刃359は狭持、固定される。作業者は、取付ネジ360を前部351Eに対して螺合させ、又は取り外すことによって、固定刃359を前部351Eに着脱することができる。
【0082】
<動作>
上記のように構成された錠剤分割装置100が、錠剤1を切断して、半錠2個に分割する際の動作について、以下に説明する。
【0083】
(錠剤の払出し、載置)
錠剤分割装置100は、まず錠剤1の払出しを実行する。錠剤1の払出しは、回転部312が回転することにより行われる。上述の通り、回転部312の回転は、ギア525の駆動力を不図示のギアを介して受け取ることによって実行される。このとき、収容室311Aに保管される錠剤1の一部は、溝部312Bに入り込み、複数個が上下に積み重なるように配置される。
【0084】
底板311Cによって塞がれている溝部312Bの下端部は、回転部312の回転に伴い、切り欠き311D(
図15)に到達する。これにより、溝部312Bの下端部は下方に開放された状態となる。
【0085】
溝部312Bの下端部が開放されることにより、溝部312Bに配置された錠剤1は、下方に落下する。このときブラシ313が溝部312Bを塞いでいるため、錠剤1は、ブラシ313の下方にある1錠のみ、切り欠き311Dを通過して落下する。このようにして錠剤1は、溝部312Bの下端部が切り欠き311Dを通過する度に、ブラシ313の下方に配置された1錠のみ下方に案内される。センサ321が錠剤1の落下を検知することで回転部312への回転が止められ、錠剤1が複数個落下することが防止される。
【0086】
落下した錠剤1は、案内部320によって下方に案内され、載置部330のシャッタ331に到達する。
【0087】
錠剤1は、載置位置(
図16)に位置するシャッタ331の、他端部331B上に載置される。開口320A、前部351Eなどにより、シャッタ331に載置される際には、錠剤1は、その厚み方向がX軸方向を向くように制御される。
【0088】
(打突ユニット)
センサ321が錠剤1を検知し、シャッタ331に錠剤1が載置されたタイミングに合わせ、打突ユニット200(
図7)が駆動される。
【0089】
モータ201が駆動し、ギア202、203、軸部204などを介してカム205に駆動力が伝達される。カム205は、軸部204の軸心を中心に、上方視で反時計回りに回転する。カム205は、板部211の係合部211Aと当接または係合し、板部211を駆動する。板部211及びこれに固定される棒部212は、コイルバネ214の付勢力に抗して-X方向に移動する。
【0090】
カム205がさらに回転すると、係合部211Aとカム205の係合が解除される。コイルバネ214は、自身の復元力により、板部211及び棒部212を+X方向に付勢し、素早く移動させる。棒部212の移動により、端部213は、開口351Dを通過して切断ユニット300の内部に入り、当接部355と当接する。
【0091】
当接部355は、端部213より駆動力を受け取り、移動部352とともに+X方向へ移動する。バネ354A、354Bの生じる付勢力は、コイルバネ214、215の付勢力よりも充分弱い。そのため、棒部212、端部213、及び移動部352は、バネ354A、354Bの付勢力に抗して+X方向へ移動する。
【0092】
移動部352の移動により、切刃356Aは錠剤1へ到達し、固定刃359との間に錠剤1を挟むことにより、錠剤1を切断する。この錠剤1の切断は、以下のように2段階で実行される。
【0093】
切刃356Aが錠剤1に当接すると、錠剤1からの反力が増加するにしたがって、コイルバネ215がX軸方向に収縮する。コイルバネ215の付勢力(第1付勢力とする)は、端部213、及び移動部352などを介して切刃356Aに伝達される。第1段階として切刃356Aは、この第1付勢力を用いて、錠剤1に食い込む。
【0094】
さらにコイルバネ215が収縮すると、端部213と当接部212A(
図10)とが当接する。これによって、コイルバネ214の付勢力(第2付勢力とする)が、棒部212、端部213、及び移動部352などを介して切刃356Aに伝達される。上述のように、コイルバネ214の付勢力は、コイルバネ215の付勢力よりも大きい。切刃356Aは、さらに移動して錠剤1を+X方向に貫通し、固定刃359と近接する。このように第2段階として切刃356Aは、第1付勢力よりも大きな第2付勢力を用いて、錠剤1を切断する。
【0095】
上記のように、2段階の付勢力を用いて錠剤1を切断するため、錠剤1に急激に高い荷重が加わることが防止される。そのため、錠剤1の破損が防止されるとともに、錠剤1の不測の方向への移動も防止され、正確に切断が行われる。
【0096】
錠剤1は切断されて上半錠と、下半錠との2つに分割される。上半錠は、切断時に切刃356Aに押圧されて+X方向に移動し、ねじりコイルバネ332の下端部に当接する。
【0097】
(保持と排出)
切断時において錠剤1の下半錠は切刃356Aまたは固定刃359の刃厚に応じて下方に移動することが可能である。詳細には、切断中、錠剤1を切刃356A及び固定刃359が貫通するのに伴い、錠剤1の下半錠は、切刃356Aまたは固定刃359の刃厚によって下方に押圧される。そのため、錠剤1の下半錠は、他端部331Bを下方に押圧する。このときシャッタ331(及び、軸334とギア336)は、バネ335の付勢力に抗して下方に移動する(
図18、白抜矢印参照)。錠剤1を載置するシャッタ331が切刃356Aまたは固定刃359の刃厚に応じて下方に移動するため、切断時、シャッタ331から錠剤1に過大な反力が加わることが防止され、錠剤1の破損などの品質事故が防止される。
【0098】
切断時において、押さえ部材358(
図21、
図22)が錠剤1の上方に配置される。押さえ部材358は、切断時に錠剤1が上方に移動しても、錠剤1の上部と当接することができる。このように押さえ部材358は、錠剤1の飛び出しを押さえ、切断時に錠剤1が不測の場所に移動してしまうことを防止する。錠剤1が切断ユニット300から排出されなくなる事態が防止され、切断作業及び錠剤1の排出が円滑に実行される。
【0099】
シャッタ331が回動して排出位置に移動し、錠剤1の下半錠を下方に落下させる(
図17、白抜矢印参照)。なお、
図17では錠剤1の全錠が図示されるが、切断実行後にシャッタ331の排出位置への移動によって排出されるのは、上述の通り下半錠である。シャッタ331が回動するとき、錠剤1は、前部351Eに移動を拘束されるため、水平方向へは移動しない。シャッタ331の回動により、錠剤1の下部を支持する部材が無くなり、錠剤1の下半錠は、下方へ落下する。下半錠は、連通孔24Aを通って通路24へ案内される。
【0100】
切刃356Aは、-X方向へ移動し、固定刃359及び錠剤1の上半錠から離隔する。切刃356Aの移動は、カム205が回転して再び係合部211Aと係合し、棒部212を-X方向へ駆動することによって、実行される。移動部352及び切刃356Aは、バネ354A、354Bの付勢力によって-X方向に移動する。棒部212及び端部213は、切刃356Aが固定刃359から離隔した後も移動し、当接部355から離隔する。
【0101】
切断された錠剤1の上半錠は、ねじりコイルバネ332によって円滑に載置部330から排出される。切断時において錠剤1は、切刃356Aから押圧されて+X方向へ移動し、ねじりコイルバネ332の下端部と当接する。切断後に切刃356Aが離隔すると、錠剤1の上半錠は、ねじりコイルバネ332の下端部によって-X方向に押圧または付勢され(
図19、
図20)、-X方向へ移動して固定刃359から離隔する。その後、錠剤1の上半錠は下方へ落下する。落下した上半錠は、連通孔24Aを通って、通路24へ案内される。ねじりコイルバネ332が上半錠を付勢、押圧して固定刃359から離すため、上半錠が固定刃359の上部に乗り上げた状態で維持されてしまうことが防止される。
【0102】
上半錠の排出を終えた後、シャッタ331は回動して載置位置(
図16)に戻り、回転部312が回転を開始して、次の錠剤1の切断作業が実行される。
【0103】
(シャッタ高さの調整)
作業者は、錠剤1の形状に合わせてシャッタ331の上下方向の位置を調整することが可能である。
【0104】
調整にあたり、作業者はまずイモネジ338(
図18)のギア336への締め付けを緩め、イモネジ338の端部が軸334から離れた状態とする。これにより、軸334は、ギア336に固定された状態から解除され、ギア336に対して上下に移動可能となる。
【0105】
作業者は、次にセムスビス337を回して、下端部334Cとの距離を調整する。セムスビス337を締め付け、または緩めることにより、これに螺合する軸334は、上下方向の位置を変更する。シャッタ331は、軸334の位置変更に伴って上下に移動して位置を変更する。軸334及びシャッタ331はバネ335に付勢されているが、セムスビス337の調整によって、シャッタ331は軸334と共に上下に移動する。これにより作業者は、切刃356A及び固定刃359に対するシャッタ331の相対位置を変更し、錠剤1の切断位置を調整することができる。
【0106】
作業者は、イモネジ338を締め付け、軸334がギア336に固定された状態にし、位置調整を完了させる。
【0107】
(刃の交換)
作業者は、以下のように、切刃356A及び固定刃359を容易に交換することが可能である。
【0108】
刃の交換に当たり、作業者は、切断ユニット300を棚25から取り外し、次いで、切断部350を筐体301から取り外す。
【0109】
取付ネジ357を移動部352から取り外すことにより、切刃ユニット356は、移動部352から取り外される(
図23)。作業者は、さらにネジ356Cを支持部356Bから取り外すことにより、移動部352に対する切刃356Aの固定状態を解除し、切刃356Aを交換することができる。
【0110】
また作業者は、取付ネジ360を筐体351から取り外すことにより、固定刃359を交換することができる。
【0111】
切刃356A及び固定刃359が打突ユニット200と別体になっているため、作業者は、容易に切刃356A又は固定刃359を交換できる。特に、打突ユニット200を棚25から取り外す必要がなく、棒部212や端部213の取り外しの必要もないため、取り外す部品の点数又は取り外しの工程が少ない。
【0112】
切刃356A及び固定刃359が両部材とも、切断ユニット300に設けられているため、これらの部材の交換作業は簡便である。
【0113】
<効果>
錠剤分割装置100は、固定刃359によって切断された錠剤1を付勢し、固定刃359から離隔するねじりコイルバネ332(本発明の付勢部に相当)を備える。
【0114】
ねじりコイルバネ332によって固定刃359から円滑に錠剤1が排出されるため、錠剤の詰まりや、錠剤が固定刃359に乗り上げた状態となることが防止される。錠剤分割装置100は、円滑に錠剤1の払出を実行できる。
【0115】
ねじりコイルバネ332は、固定刃359の刃厚方向と直交する方向(本実施形態では水平方向)に、錠剤1を付勢する。
【0116】
錠剤1は固定刃359の延在する方向と略同じ方向に付勢するため、錠剤1がねじりコイルバネ332と固定刃359との間に挟まれたりすることなく、錠剤1の排出が円滑に実行される。
【0117】
錠剤分割装置100は、錠剤1の切断時において、固定刃359との間に前記錠剤1を位置させる押さえ部材358(押さえ部に相当)をさらに有する。
【0118】
押さえ部材358によって、錠剤1が切断時に飛び跳ねて不測の場所に移動したり、装置内部に詰まったりすることが防止される。そのため、錠剤1の排出が円滑に実行される。
【0119】
錠剤分割装置100は、固定刃359に向かって移動し、固定刃359との間に錠剤1を挟むことで錠剤1を切断する切刃356A(移動刃に相当)を有する。押さえ部材358は、切刃356Aとともに移動する。
【0120】
押さえ部材358が切刃356Aとともに移動するため、切断時以外は、押さえ部材358が錠剤1に近づかない構成にすることができる。そのため、押さえ部材358自身が錠剤1の必要な移動や、案内部320からの排出を妨害してしまう虞がない。
【0121】
<変形例>
上記実施形態においては、ねじりコイルバネ332は、錠剤1を-X方向に付勢していたが、本発明はこの限りでない。ねじりコイルバネ332が+X方向や、Z軸方向など、切刃356Aまたは固定刃359の刃厚方向と直交する方向に錠剤1を移動させ、円滑に載置部330から排出する構成とすることができる。
【符号の説明】
【0122】
錠剤分割装置 100
打突ユニット 200
切断ユニット 300
フィーダ 310
案内部 320
載置部 330
切断部 350