(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022062931
(43)【公開日】2022-04-21
(54)【発明の名称】メッセージ送受信システム及びメッセージ送受信方法
(51)【国際特許分類】
G06F 13/00 20060101AFI20220414BHJP
【FI】
G06F13/00 650B
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020171142
(22)【出願日】2020-10-09
(71)【出願人】
【識別番号】000006297
【氏名又は名称】村田機械株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000202
【氏名又は名称】新樹グローバル・アイピー特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】西村 みな美
(72)【発明者】
【氏名】井上 尚幸
【テーマコード(参考)】
5B084
【Fターム(参考)】
5B084AA01
5B084AA16
5B084AB12
5B084AB36
5B084AB40
5B084BB01
(57)【要約】
【課題】メッセージ送受信システムにおいて、利用者ごとに、きめ細かく自動返信対応可能にすることにする。
【解決手段】チャットシステム200は、所定の通信回線を介して接続された作業端末17との間でメッセージの送受信を行うシステムである。記憶部205は、作業者の属性情報を記憶する。受信部207は、作業端末17からのメッセージを受信する。時間帯設定部209は、自動返信メッセージの送信を行う自動返信時間帯を、属性情報ごとに設定できる。自動返信部211は、受信部207により作業端末17から所定の属性情報に係るメッセージを受信した際、当該属性情報に対応して自動返信時間帯であれば、当該メッセージへの自動返信メッセージを送信し、自動返信時間帯以外の時間帯であれば自動返信メッセージを送信しない。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の通信回線を介して接続された通信端末との間でメッセージの送受信を行うメッセージ送受信システムであって、
メッセージ送受信システムの利用者の属性情報を記憶する記憶部と、
前記通信端末からのメッセージを受信する受信部と、
自動返信メッセージの送信を行う自動返信時間帯を、前記属性情報ごとに設定できる時間帯設定部と、
前記受信部により前記通信端末から所定の属性情報に係るメッセージを受信した際、当該属性情報に対応して自動返信時間帯であれば当該メッセージへの自動返信メッセージを前記通信端末に送信し、自動返信時間帯以外の時間帯であれば自動返信メッセージを前記通信端末に送信しない自動返信部と、
を備えたメッセージ送受信システム。
【請求項2】
自動返信メッセージの文面を、前記属性情報ごとに設定できるメッセージ文面設定部をさらに備え、
前記自動返信部は、前記受信部により前記通信端末から所定の属性情報に係るメッセージを受信した際、当該属性情報に対応して前記メッセージ文面設定部により設定された文面の自動返信メッセージを送信する、請求項1に記載のメッセージ送受信システム。
【請求項3】
前記受信部により前記通信端末からメッセージを受信した場合、当該メッセージに対する返信メッセージの入力を受け付ける受付部と、
前記返信メッセージを、所定の操作に応じて送信する通常返信部と、
をさらに備え、
前記通常返信部は、前記所定の属性情報に対応して前記自動返信時間帯であるか否かに関わらず、前記返信メッセージを送信できる、請求項1又は2に記載のメッセージ送受信システム。
【請求項4】
前記時間帯設定部は、前記自動返信時間帯に前記通常返信部からの返信メッセージが送信された場合、自動返信設定を解除する、請求項3に記載のメッセージ送受信システム。
【請求項5】
前記記憶部は、
前記メッセージ送受信システムの利用者ごとに定められたアカウントと、
各アカウントに対応して少なくとも1つ定められた前記属性情報としてのルームと、を、記憶する、請求項1~4のいずれかに記載のメッセージ送受信システム。
【請求項6】
前記記憶部は、前記メッセージ送受信システムの利用者ごとに定められた前記属性情報としてのアカウントを記憶する、請求項1~4のいずれかに記載のメッセージ送受信システム。
【請求項7】
所定の通信回線を介して接続された通信端末との間でメッセージの送受信を行うメッセージ送受信方法であって、
前記通信端末からのメッセージを受信するステップと、
自動返信メッセージの送信を行う自動返信時間帯を、利用者の属性情報ごとに設定するステップと、
前記通信端末から所定の属性情報に係るメッセージを受信した際、当該属性情報に対応して前記自動返信時間帯であれば、当該メッセージへの自動返信メッセージを前記通信端末に送信し、前記自動返信時間帯以外の時間帯であれば前記自動返信メッセージを前記通信端末に送信しないステップと、
を備えたメッセージ送受信方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メッセージ送受信システム及びメッセージ送受信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、インターネットや公衆網を介して顧客とコンタクトセンタ(コールセンタ)とが結ばれる情報通信システムを用いて種々のサービスが提供されており、顧客は直接企業に出向くことなく種々の問い合わせができるようになってきている。従来の通信システムにおけるコンタクトセンタは、顧客とオペレータの通信手段として主に、Eメール、ファックス、チャット等を利用しており、顧客は上記通信手段のいずれかを用いてオペレータとコンタクトし、情報の受け渡しを行っている。
【0003】
担当者は業務時間内であれば利用者からのアクセス(具体的には、テキストチャットにおけるメッセージ受信、メールの受信などがある)に対して応答可能である。しかし、担当者は業務時間外や運転中、会議中、仕事中、講義中、電車及びバスといった公共交通機関の乗車中には、利用者のアクセスに対して応答できない場合がある。
そこで、従来、対応可能時間外にメッセージが届くと、サーバが自動的に返信メッセージを送信する技術が知られている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載されたような従来の装置は、予め定められた時間帯に一律に自動返信メッセージを送信している。したがって、顧客ごとにきめ細かな対応をとることができなかった。
【0006】
本発明の目的は、メッセージ送受信システムにおいて、利用者ごとに、きめ細かく自動返信対応可能にすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以下に、課題を解決するための手段として複数の態様を説明する。これら態様は、必要に応じて任意に組み合せることができる。
【0008】
本発明の一見地に係るメッセージ送受信システムは、所定の通信回線を介して接続された通信端末との間でメッセージの送受信を行うシステムである。メッセージ送受信システムは、記憶部と、受信部と、時間帯設定部と、自動返信部と、を備えている。
記憶部は、メッセージ送受信システムの利用者の属性情報を記憶する。
受信部は、通信端末からのメッセージを受信する。
時間帯設定部は、自動返信メッセージの送信を行う自動返信時間帯を、属性情報ごとに設定できる。
自動返信部は、受信部により通信端末から所定の属性情報に係るメッセージを受信した際、当該属性情報に対応して自動返信時間帯であれば、当該メッセージへの自動返信メッセージを通信端末に送信し、自動返信時間帯以外の時間帯であれば自動返信メッセージを通信端末に送信しない。
【0009】
このシステムでは、自動返信メッセージは、自動返信時間帯に受信したメッセージに対して送信される。
自動返信時間帯は利用者の属性情報ごとに設定されているので、利用者ごとにきめ細かな対応が可能になる。例えば、このシステムにおいて利用者を担当する担当者の業務時間以外の時間帯を自動返信時間帯として設定できるので、その場合は自動返信メッセージの送信を担当者の業務時間以外に行うことができる。
【0010】
メッセージ送受信システムは、メッセージ文面設定部をさらに備えていてもよい。メッセージ文面設定部は、自動返信メッセージの文面を、属性情報ごとに設定できてもよい。
自動返信部は、受信部により通信端末から所定の属性情報に係るメッセージを受信した際、当該属性情報に対応してメッセージ文面設定部により設定された文面の自動返信メッセージを送信する。
このシステムでは、自動返信メッセージの文面を利用者の属性情報ごとに設定できるので、利用者ごとにきめ細かな対応が可能になる。例えば、このシステムにおいて利用者を担当する担当者の業務時間以外の時間帯を自動返信時間帯として設定できるので、自動返信メッセージの送信を担当者の業務時間以外に行うことができる。
【0011】
メッセージ送受信システムは、受付部と、通常返信部とをさらに備えていてもよい。
受付部は、受信部により通信端末からメッセージを受信した場合、当該メッセージに対する返信メッセージの入力を受け付けてもよい。
通常返信部は、返信メッセージを、所定の操作に応じて送信してもよい。
通常返信部は、所定の属性情報に対応して自動返信時間帯であるか否かに関わらず、返信メッセージを送信できてもよい。
このシステムでは、自動返信時間帯に受信したメッセージに関しても、必要に応じて通常のメッセージを返信できるので、利用者ごとにきめ細かな対応が可能になる。例えば、自動返信メッセージが送信された後に通常のメッセージが送信されれば、利用者はそれ以降はメッセージの交換によるコミュニケーションを続けられる。
【0012】
時間帯設定部は、自動返信時間帯に通常返信部からの返信メッセージが送信された場合、自動返信設定を解除してもよい。
このシステムでは、返信メッセージの送信後には自動返信設定が解除されるので、その後に利用者と担当者の間で通常のメッセージ送受信が可能になる。このようにすることで、担当者がメッセージ送受信可能であるにもかかわらず、それ以降に自動返信メッセージが送信されてしまうという不具合がなくなる。
なお、自動返信設定の自動解除は、所定時間行われてもいいし、無制限でもよい。
【0013】
記憶部は、メッセージ送受信システムの利用者ごとに定められたアカウントと、各アカウントに対応して少なくとも1つ定められた属性情報としてのルームと、を、記憶してもよい。
このシステムでは、利用者が属するルームごとに自動返信時間帯を設定できるので、利用者ごとに、きめ細かな対応が可能になる。例えば、1人の利用者に対して複数の担当者を紐付けてグループ化することで、担当者の業務時間が異なっていたとしても利用者ごとに自動返信時間を設定できる。
【0014】
記憶部は、メッセージ送受信システムの利用者ごとに定められた属性情報としてのアカウントを記憶してもよい。
このシステムでは、アカウントで定義される複数の利用者ごとに自動返信時間帯を設定できるので、利用者ごとに、きめ細かな対応が可能になる。
【0015】
本発明の他の見地に係るメッセージ送受信方法は、所定の通信回線を介して接続された通信端末との間でメッセージの送受信を行う方法であって、下記のステップを備えている。
◎通信端末からのメッセージを受信するステップ。
◎自動返信メッセージの送信を行う自動返信時間帯を、利用者の属性情報ごとに設定するステップ。
◎通信端末から所定の属性情報に係るメッセージを受信した際、当該属性情報に対応して自動返信時間帯であれば、当該メッセージへの自動返信メッセージを通信端末に送信し、自動返信時間帯以外の時間帯であれば自動返信メッセージを通信端末に送信しないステップ。
【0016】
この方法では、自動返信メッセージは、自動返信時間帯に受信したメッセージに対して送信される。
自動返信時間帯は利用者の属性情報ごとに設定されているので、利用者ごとにきめ細かな対応が可能になる。例えば、この方法において利用者を担当する担当者の業務時間以外の時間帯を自動返信時間帯として設定できるので、その場合は自動返信メッセージの送信を担当者の業務時間以外に行うことができる
【発明の効果】
【0017】
本発明に係るメッセージ送受信システムでは、利用者ごとに、きめ細かく自動返信対応が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】第1実施形態の通信システムの全体構成を示す図。
【
図4】保守サーバのハードウェア構成の一例を示すブロック図。
【
図5】作業端末と保守端末との間で共有される表示画面の一例を示す図。
【
図8】チャットシステムの画面において自動返信メッセージの一例を示す図。
【
図9】自動返信メッセージの返信制御動作を示すフローチャート。
【
図10】自動返信時間帯に通常返信メッセージが送信されたときの制御動作を示すフローチャート。
【
図11】チャットシステムにおけるルームと作業者及び保守員との関係を示す概念図。
【
図12】チャットシステムにおけるルームと作業者及び保守員との関係を示す概念図。
【
図13】チャットシステムにおけるルームと作業者及び保守員との関係を示す概念図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
1.第1実施形態
(1)通信システムの全体構成
図1を用いて、第1実施形態に係る通信システム100を説明する。
図1は、第1実施形態の通信システム100の全体構成を示す図である。
【0020】
通信システム100は、自動倉庫システム1と、保守拠点2と、保守サーバ3とを有している。
【0021】
自動倉庫システム1は、例えば、物流センタなどに配置され、荷物の入出庫を行うためのシステムである。自動倉庫システム1は、荷物の入出庫を行うための自動倉庫11(後述)を有する。
保守拠点2は、例えば、自動倉庫システム1内の自動倉庫11の保守等を行う保守員が駐在する拠点であって、自動倉庫システム1の保守を行うための保守端末(後述)を備える。
【0022】
保守サーバ3は、自動倉庫システム1を保守するためのサーバであり、自動倉庫システム1と、自動倉庫システム1とは離れた場所に存在する保守拠点2との間で、自動倉庫11に備えられた設備に関する情報を共有するためのサーバである。
保守サーバ3は、自動倉庫システム1及び保守拠点2と、ネットワークNW(例えば、WANなど)を介して接続されている。保守サーバ3は、自動倉庫システム1にて蓄積されている自動倉庫11の各設備に関する情報(稼働情報と呼ぶ)と、保守拠点2にて管理されている設備を保守するために使用する情報(保守情報と呼ぶ)と、を蓄積するデータベースを格納する。
また、保守サーバ3は、蓄積している稼働情報及び/又は保守情報を、自動倉庫システム1内において作業者が用いる作業端末(後述)と、保守拠点2において保守員が用いる保守端末(後述)と、に必要に応じて提供する。これにより、保守サーバ3を介して、作業端末と保守端末との間で、稼働情報及び保守情報を共有できる。
【0023】
なお、本実施形態に係る通信システム100において、後述する各装置(ゲートウェイ装置、及び、自動倉庫システム1のカメラ及びセンサ)と保守サーバ3との間のコマンド等の送受信は、例えば、WebSocketプロトコルを用いて実行される。
【0024】
なお、自動倉庫システム1及び保守拠点2は、通信システム100において複数存在してもよい。例えば、1つの保守拠点2にて複数の自動倉庫システム1を保守可能としてもよいし、1つの自動倉庫システム1を複数の保守拠点2から保守可能としてもよい。
【0025】
(2)自動倉庫システム
(2-1)自動倉庫
図2を用いて、自動倉庫システム1の具体的構成を説明する。
図2は、自動倉庫システム1の構成を示す図である。
自動倉庫システム1は、自動倉庫11を有する。自動倉庫11は、ラック、スタッカクレーン、コンベヤなどを有し、荷物の入出庫、移載、保管などを行う。
【0026】
自動倉庫11のスタッカクレーン及びコンベヤには、例えば、静止画、及び、所定時間の長さを有する動画を撮影可能なカメラCA1~CA4が設けられ、スタッカクレーン及びコンベヤの状況を視覚的な稼働情報FIとして取得可能となっている。カメラCA1~CA4は、例えば、魚眼カメラである。このカメラCA1~CA4により、例えば、画像データ(動画)を稼働情報FIとして取得できる。
【0027】
また、自動倉庫11の近傍には、周囲の温度及び湿度を測定するセンサSE(例えば、温湿度センサ)が設けられ、周囲温度及び湿度を稼働情報FIとして取得できる。
【0028】
さらに、スタッカクレーンには、所定の物理量を測定するセンサSEが設けられ、スタッカクレーンにて荷崩れなどが発生したときに、当該荷崩れなどにより発生した振動及び/又は音の大きさを、稼働情報FIとして測定可能となっている。このようなセンサSEとしては、例えば、加速度センサ、音センサ、などがある。なお、センサの種類と数は特に限定されない。
【0029】
(2-2)自動倉庫システムのネットワーク構成
図2を用いて、自動倉庫システム1において各機器が互いに通信するためのネットワーク構成をさらに説明する。
自動倉庫システム1のネットワーク構成は、第1スイッチングハブSH1を有する。第1スイッチングハブSH1は、カメラCA1、CA2と、第1外部記憶装置13aと、を接続する。第1外部記憶装置13aは、例えばNAS(Network Attached Storage)装置であり、カメラCA1、CA2により取得された画像データを保存する。
【0030】
自動倉庫システム1のネットワーク構成は、第2スイッチングハブSH2を有する。第2スイッチングハブSH2は、カメラCA3、CA4、センサSE、及び、第2外部記憶装置13bを接続する。第2外部記憶装置13bは、例えばNAS装置であり、カメラCA3、CA4により取得された画像データ、及び、センサSEにより取得された測定データを保存する。
【0031】
第2スイッチングハブSH2は、第1スイッチングハブSH1にも接続されており、カメラCA1、CA2にて取得した画像データは第2外部記憶装置13bにも保存でき、カメラCA3、CA4にて取得した画像データ、及び、センサSEにて取得したデータは第1外部記憶装置13aにも保存できる。
【0032】
自動倉庫システム1のネットワーク構成は、自動倉庫システム1を管理するサーバを有する。具体的には、搬送管理サーバ15aと、情報管理サーバ15bと、を有する。
搬送管理サーバ15aは、CPU、記憶装置(RAM、ROM、SSD、ハードディスクなど)、ネットワークインタフェースなどの各種インターフェースを有するコンピュータシステムである。搬送管理サーバ15aは、自動倉庫11のスタッカクレーン、コンベヤなどと通信可能となっており、これらスタッカクレーン及びコンベヤを制御することで、自動倉庫11における荷物の入出庫を制御・管理する。
なお、搬送管理サーバ15aは、第1スイッチングハブSH1に接続されている。
【0033】
情報管理サーバ15bは、CPU、記憶装置(RAM、ROM、SSD、ハードディスクなど)、ネットワークインタフェースなどの各種インターフェースを有するコンピュータシステムである。情報管理サーバ15bは、第1外部記憶装置13a及び第2外部記憶装置13bに保存された各種データ(例えば、カメラCA1~CA4及びセンサSEにて取得されたデータ)を管理する。情報管理サーバ15bは、必要に応じて、搬送管理サーバ15aが管理している情報を取得する。
なお、情報管理サーバ15bは、第2スイッチングハブSH2に接続されている。
【0034】
自動倉庫システム1のネットワーク構成は、複数の作業端末17を有する。作業端末17は、例えば、パーソナルコンピュータ、タブレット端末などである。作業端末17は、自動倉庫11において作業を行う作業者が用いる端末であり、ネットワークNWを介して、保守サーバ3と通信可能となっている。これにより、作業者は、作業端末17を用いて、保守サーバ3に蓄積されている稼働情報FI及び保守情報MIを閲覧できる。作業端末17がタブレット端末である場合、作業者は保守対象の機器(自動倉庫、カメラやセンサ)の設置場所に作業端末17を携帯して保守作業を進めることができる。また、タブレット端末以外の端末(例えば、パーソナルコンピュータ)が作業端末17である場合にも、作業端末17にてカメラCA1~CA4、センサSE等にアクセス可能となっていてもよい。
【0035】
自動倉庫システム1のネットワーク構成は、第1ゲートウェイ装置19を有する。第1ゲートウェイ装置19は、CPU、記憶装置(RAM、ROM、SSD、ハードディスクなど)、ネットワークインタフェースなどの各種インターフェースを有するコンピュータシステムである。また、第1ゲートウェイ装置19は、その機能の一部又は全部をSoCなどにより実現したハードウェアであってもよい。
第1ゲートウェイ装置19は、第2スイッチングハブSH2、及び、外部のネットワークNWに接続され、自動倉庫システム1のネットワーク構成中の各機器と外部との通信を中継できる。
【0036】
第1ゲートウェイ装置19は、所定のタイミングで、第1外部記憶装置13a及び第2外部記憶装置13bに保存されたカメラCA1~CA4の画像データ、センサSEの測定データ、及び、各設備のエラー発生情報などを、稼働情報FIとして保守サーバ3にアップロードする機能を有する。
また、第1ゲートウェイ装置19は、各設備のメンテナンスに関する情報、各設備の稼働情報、作業者等が撮影した設備の写真、及び、各設備の部品発注に関する情報などを、稼働情報FIとして、保守サーバ3にアップロードできる。
【0037】
上記所定のタイミングは、例えば、一定の時間毎(例えば、1時間毎、1日毎、など)、新たな稼働情報FIが保存されたタイミング、既存の稼働情報FIが更新されたタイミング、保存された稼働情報FIの容量が決められた大きさとなるタイミング、など、適宜決定できる。
また、第1ゲートウェイ装置19は、カメラCA1~CA4、センサSEなどの記憶部に記憶されたデータ、情報管理サーバ15bで管理されている情報(の一部)などを、稼働情報FIとして保守サーバ3へアップロードしてもよい。
【0038】
保守サーバ3に稼働情報FIをアップロードする際、第1ゲートウェイ装置19は、アップロードする稼働情報FIに、当該稼働情報FIを取得した機器を識別する情報(例えば、各機器(カメラCA1~CA4、センサSEなど)のID、各機器のアドレスなど)を関連付けてもよい。これにより、保守サーバ3は、受信した稼働情報FIに関連付けられた識別情報から、当該受信した稼働情報FIが自動倉庫システム1(自動倉庫11)のどの設備に関する情報かを判別できる。
【0039】
(3)保守拠点
図3を用いて、保守拠点2の具体的構成を説明する。
図3は、保守拠点の構成を示す図である。
保守拠点2は、複数の保守端末21を有する。保守端末21は、第3スイッチングハブSH3に接続される。保守端末21は、例えば、パーソナルコンピュータであり、保守拠点2に駐在する保守員が自動倉庫システム1の機器等の保守をする際に使用される。
【0040】
保守拠点2は、第2ゲートウェイ装置23を有する。第2ゲートウェイ装置23は、CPU、記憶装置(RAM、ROM、SSD、ハードディスクなど)、ネットワークインタフェースなどの各種インターフェースを有するコンピュータシステムである。また、第2ゲートウェイ装置23は、その機能の一部又は全部をSoCなどにより実現したハードウェアであってもよい。
第2ゲートウェイ装置23は、第3スイッチングハブSH3、及び、外部のネットワークに接続され、保守端末21と外部との通信を中継する。
【0041】
また、第2ゲートウェイ装置23は、保守端末21、及び/又は、保守拠点2に設けられた基幹システム(図示せず)に保存された情報を、所定のタイミングで保守情報MIとして保守サーバ3にアップロードする機能を有する。上記所定のタイミングは、例えば、一定の時間毎(例えば、1時間毎、1日毎、など)、新たな保守情報MIが保存されたタイミング、既存の保守情報MIが更新されたタイミング、保存された保守情報MIの容量が決められた大きさとなるタイミング、など、適宜決定できる。
【0042】
(4)保守サーバ
図4を用いて、保守サーバ3の具体的なハードウェア構成を説明する。
図4は、保守サーバのハードウェア構成を示すブロック図である。
保守サーバ3は、プロセッサ31と、RAM32と、ROM33と、ネットワークインタフェース34と、記憶装置35と、を有するコンピュータシステムである。
【0043】
プロセッサ31は、例えば、CPU、又は、CPUと各種インターフェースとを1つのチップに集積したSoCである。プロセッサ31は、記憶装置35などに記憶されたプログラムを実行し、保守サーバ3における各種情報処理を行う。
RAM32は、記憶装置35に記憶されたプログラムなど一時的に必要な情報を記憶する。ROM33は、保守サーバ3を制御するためのプログラム及び設定などを記憶する。
【0044】
ネットワークインタフェース34は、外部の端末及び/又は機器などとの通信を実行する。ネットワークインタフェース34は、例えば、有線通信により外部の端末及び/又は機器と通信をするイーサネット(登録商標)カード、及び/又は、無線通信により外部の端末及び/又は機器と通信をする無線LANインターフェースなどである。
なお、保守サーバ3が外部へ各種情報及びデータを送信する場合、プロセッサ31が、ネットワークインタフェース34を介して、これら情報及びデータを外部に出力する。
また、保守サーバ3が外部から各種情報及びデータを受信する場合、ネットワークインタフェース34を介して、これら情報及びデータが外部から上記制御部に入力される。
【0045】
記憶装置35は、保守サーバ3にて実行されるプログラム、前述の稼働情報FI及び保守情報MI、並びに各種設定情報を記憶する。
各種設定情報は、現場画像FM、関連付け情報AI、ユーザ情報UI、及び、閲覧権限情報LIである。現場画像FMは、自動倉庫システム1を表す画像である。具体的には、現場画像FMは、自動倉庫システム1の実写画像、又は、デジタルモデルである。現場画像FMは、自動倉庫システム1の各設備を画像化して表す。
【0046】
ユーザ情報UIは、保守サーバ3にログインできるユーザを管理する情報である。ユーザ情報UIは、保守サーバ3にログインするためのユーザIDと、各ユーザIDに対応するパスワードとを記憶する。
その他、ユーザ情報UIには、各ユーザの情報(例えば、ユーザの所属、連絡先、権限レベル、など)が記憶されていてもよい。
【0047】
上記の構成を有することにより、保守サーバ3は、自動倉庫システム1の設備に関する稼働情報FI、及び、設備の保守に関する保守情報MIを、自動倉庫システム1及び保守拠点2から受信し、蓄積することができる。
【0048】
保守サーバ3は、自動倉庫システム1の作業端末17、及び、保守拠点2の保守端末21に対して、自身が蓄積した稼働情報FI及び保守情報MIを提供できる。すなわち、作業端末17と保守端末21との間で、保守サーバ3を介して、稼働情報FI及び保守情報MIを情報共有できる。
【0049】
(5)表示画面
図5を用いて、作業端末17及び保守端末21の表示画面を説明する。
図5は、作業端末17と保守端末21との間で共有される表示画面の一例を示す図である。
保守サーバ3は、表示画面I1を、同じルームにログインしている作業端末17及び保守端末21に送信する。表示画面I1は、稼働情報FIと共にチャット欄A1を有している。チャット欄A1は、稼働情報FIが表示される領域の外側に配置されている。
保守サーバ3においては、チャットシステム200が構成される。このチャットシステム200において、チャット欄A1は、作業端末17及び保守端末21を用いたチャット機能(作業者及び保守員が入力したテキストデータをリアルタイムに表示することで、テキストチャットによるコミュニケーションを図る機能)を提供する。これにより、作業者及び保守員は、例えば、チャット欄A1にてチャットしつつ、所望の稼働情報FI又は保守情報MIにアクセスできる。
【0050】
(6)チャットシステム
(6-1)概略説明
チャットシステム200(
図6)を概略的に説明する。チャットシステム200(メッセージ送受信システムの一例)は、作業端末17(通信端末の一例)と保守端末21との間でチャットメッセージの送受信を行うことで、前述のチャット欄を用いたチャット機能を実現するシステムである。
【0051】
チャットシステム200は、保守サーバ3によって実現される(後述)。
チャットシステム200は、個別に設定された複数のルームを有しており、作業者及び保守員はそれら複数のルームのうちいずれかのルームに入室してチャットを行うことができる。すなわち、ルームごとに個別のチャットが行われる。なお、ルームとは、単数複数を問わずに特定の作業端末17と特定の保守端末21との間で排他的に(すなわち、当該ルームに入室している者のみで)チャットできる場の概念である。
【0052】
(6-2)ユーザ登録及びログイン動作
保守員及び作業者は、保守サーバ3にユーザ登録することで、ログイン可能になる。具体的には、保守サーバ3にログインするためのユーザID(アカウント)とパスワードを記録することで、ユーザ登録がされる。このとき、登録したユーザが入室できるルームが設定される。ルームの設定は、対応するユーザID及びパスワードと関連付けられて、記憶装置35におけるユーザ情報UIに記録される。
保守員及び作業者は、ユーザID(アカウント)とパスワードを用いて保守サーバに3にログインする。これにより、保守員及び作業者は自動的に所定のルームにログインした状態になる。
【0053】
(6-3)詳細説明
図6を用いて、チャットシステム200を詳細に説明する。
図6は、チャットシステム200の機能ブロック図である。
図6では、チャットシステム200を構成する機能ブロックは、保守サーバ3のハードウェア(
図4)及びプログラムが実行するソフトウェアによって実現される。なお、
図6では、下記の説明に必要な機能だけを記載している。
【0054】
チャットシステム200は、作業端末17との間でメッセージを送受信可能な第1送受信部201と、保守端末21との間でメッセージを送受信可能な第2送受信部202とを有している(後述)。
チャットシステム200は、記憶部205を有している。記憶部205は、作業者(利用者の一例)の属性情報203を記憶する。属性情報203は、各作業者のアカウントに対応して定められたルーム(例えば、単一のルーム)を示す情報を含む。記憶部205は、さらに、チャットシステム200の作業者ごとに定められたアカウント情報206を記憶している。なお、記憶部205は前述の記憶装置35に含まれており、属性情報203及びアカウント情報206は前述のユーザ情報UIに含まれている。
記憶部205は、自動返信設定情報204を記憶する。自動返信設定情報204は、例えば、応答名及び応答メッセージ(返信メッセージ)、応答時間(つまり、自動返信時間帯)、連続指定、曜日時刻指定を含んでいる。
【0055】
第1送受信部201は、受信部207と、時間帯設定部209と、自動返信部211と、をさらに備えている。
受信部207は、作業端末17からのメッセージを受信する。
時間帯設定部209は、自動返信メッセージの送信を行う自動返信時間帯を、作業者の所属するルームごとに設定できる。
自動返信部211は、受信部207により作業端末17から所定のルームに係るメッセージを受信した際、当該ルームに対応して定められた自動返信時間帯であれば、当該メッセージへの自動返信メッセージを送信し、自動返信時間帯以外の時間帯であれば自動返信メッセージを送信しない。
【0056】
以上に述べたように、自動返信メッセージは、自動返信時間帯に受信したメッセージに対して送信される。自動返信時間帯は作業者の所属するルームごとに設定されている。
以上より、作業者ごとにきめ細かな対応が可能になる。例えば、チャットシステム200において作業者を担当する保守員の業務時間以外の時間帯を自動返信時間帯として設定できるので、自動返信メッセージが送信されるのは保守員の業務時間以外になる。
【0057】
第1送受信部201は、自動返信設定部213(メッセージ文面設定部の一例)をさらに備えている。自動返信設定部213は、自動返信メッセージの文面を、属性情報ごとに設定できる。具体的には、
図7に示す入力画面221が保守端末21に表示された状態において、保守員がその保守端末21により入力操作を行う。これにより、自動返信設定部213が応答名及び応答メッセージ(返信メッセージ)を設定する。自動返信設定部213は、応答時間(つまり、自動返信時間帯)、連続指定、曜日時刻指定も設定できる。
図7は、自動返信設定を行うための入力画面である。なお、
図7における「応答」は「返信」と同じ意味である。
なお、1つのルームに複数の作業者がログインしている場合(例えば、後述の設定例3)、自動返信設定部213は、自動返信時間帯の設定だけではなくて、作業者ごとに自動返信のON/OFFも切り替えられる。したがって、特定の作業者に対して緊急対応が必要な場合に、その作業者のみ自動返信はOFFにして、他の作業者には設定された自動返信時間帯通りに自動返信させることができる。
【0058】
第2送受信部202は、受付部217を有している。受付部217は、受信部207により作業端末17からメッセージを受信した場合、当該メッセージに対する返信メッセージの入力を受け付ける。具体的には、保守端末21の操作により返信メッセージが入力される。
第1送受信部201は、通常返信部219をさらに有している。通常返信部219は、通常返信メッセージを、所定の操作に応じて送信する。通常返信部219は、所定の属性情報に対応する自動返信時間帯であるか否かに関わらず(つまり、対象となるルームに対応して設定された自動返信時間帯であっても)、返信メッセージを作業端末17に送信できる。
【0059】
時間帯設定部209は、自動返信時間帯に通常返信部219からの返信メッセージが送信された場合、自動返信設定を解除する。すなわち、対象となるルームに対応して設定された自動返信時間帯に、当該ルームに対応する返信メッセージが通常返信部219から送信された場合、当該ルームに関して自動返信設定を解除する。なお、自動返信設定の自動解除は、所定時間行われてもいい(すなわち、自動解除から所定時間経過後には自動返信設定に復帰してもいい)し、無制限(すなわち、作業者による再設定操作が行われるまでは自動返信設定には復帰しない)でもよい。
【0060】
(6-4)自動返信メッセージの返信制御動作
図9を用いて、自動返信メッセージの返信制御動作を説明する。
図9は、上記動作を示すフローチャートである。
以下に説明する制御フローチャートは例示であって、各ステップは必要に応じて省略及び入れ替え可能である。また、複数のステップが同時に実行されたり、一部又は全てが重なって実行されたりしてもよい。
【0061】
さらに、制御フローチャートの各ブロックは、単一の制御動作とは限らず、複数のブロックで表現される複数の制御動作に置き換えることができる。
なお、各装置の動作は、制御部から各装置への指令の結果であり、これらはソフトウェア・アプリケーションの各ステップによって表現される。
【0062】
チャットシステム200の自動返信方法は、下記のステップを備えている。
ステップS1では、作業端末17(作業者)からのメッセージを受信したか否かが判断される。具体的には、受信部207が上記判断を行う。Yesであれば(
図8に示すように作業端末17からのメッセージを受信すれば)、プロセスはステップS2に移行する。
図8は、チャットシステムの画面において自動返信メッセージの一例を示す図である。
図8は、チャット欄A1が全画面表示された状態を示しており、これは作業端末17と保守端末21の両方に表示される(以後、同じ)。なお、「A会社」とは一作業者を示しており、「サポートセンター」とは一保守員を示している。
【0063】
ステップS2では、作業者の属性(つまり、作業者がいずれのルームに登録されているか)が判断される。具体的には、自動返信部211が、記憶部205に保存された属性情報203に基づいて上記判断を行う。
【0064】
ステップS3では、メッセージ受信時が当該ルームに設定された自動返信時間帯であるか否かが判断される。具体的には、自動返信部211が、時間帯設定部209からの自動返信時間帯情報に基づいて上記判断を行う。Yesであれば、プロセスはステップS4に移行する。Noであれば、プロセスはステップS4をスキップして終了する。
ステップS4では、当該メッセージへの自動返信メッセージが送信される。具体的には、自動返信部211が自動返信メッセージを作業端末17に送信する。なお、自動返信メッセージは、作業者の属性情報に対応して自動返信設定部213により設定された文面を含んでいる。
【0065】
以上より、メッセージ受信時が自動返信時間帯であれば、自動返信メッセージが送信される。
このチャットシステム200では、自動返信メッセージの文面を作業者の属性情報ごとに設定できるので、作業者ごとにきめ細かな対応が可能になる。
【0066】
(6-5)自動返信時間帯に通常返信メッセージが送信されたときの制御動作
図10を用いて、自動返信時間帯に通常返信メッセージが送信されたときの制御動作を説明する。
図10は、上記動作を示すフローチャートである。
ステップS5では、通常返信メッセージが送信されたか否かが判断される。通常返信メッセージが送信される動作とは、具体的には、保守端末21が保守サーバ3に送信したメッセージを受付部217が受け付け、さらに通常返信部219が当該メッセージを通常返信メッセージとして作業端末17に送信することである。Yesであれば、プロセスはステップS6に移行する。このように通常返信部219は、自動返信時間帯であったとしても、返信メッセージを送信できる。
【0067】
ステップS6では、通常返信メッセージ送信時が対象となるルームに対応して設定された自動返信時間帯であるか否かが判断される。具体的には、時間帯設定部209が上記判断を行う。YesであればプロセスはステップS7に移行し、NoであればプロセスはステップS7をスキップして終了する。
ステップS7では、前記ルームに対応して設定された自動返信設定が解除される。具体的には、時間帯設定部209が自動返信設定を解除する。
【0068】
以上に述べたように、自動返信時間帯に受信したメッセージに関しても、必要に応じて通常返信メッセージを返信できるので、利用者ごとにきめ細かな対応が可能になる。
【0069】
さらに、返信メッセージの送信後には自動返信設定が解除されるので、その後に作業者と保守員の間で通常のメッセージ送受信が可能になる。通常返信メッセージが送信された後も自動返信設定の解除がなければ、それ以降に作業者がメッセージを送信するたびに自動返信メッセージが送信されてしまい、保守員が通常返信メッセージを送信する前にかかる自動返信メッセージが作業者に送信される事態が生じるおそれがある。
なお、自動返信設定の自動解除は、所定時間行われてもいいし、無制限でもよい。また、自動返信設定の自動返信解除時間が所定時間になっている場合は、保守員からの通常送信が行われるたび自動返信解除時間が延長されてもよい。
【0070】
(7)ルームにおける自動返信時間帯の設定例
(7-1)第1の設定例
図11を用いて、ルームにおける自動返信時間帯の第1設定例を説明する。
図11は、チャットシステム200におけるルームと作業者及び保守員との関係を示す概念図である。
ルーム1は、作業者1及び保守員1が紐付けられている。具体的には、作業者1のアカウントに対してルーム1が対応しており、アカウント情報206及び属性情報203が記憶部205に保存されている。また、保守員1のアカウント情報及び属性情報も記憶部205に保存されている(以下、保守員の説明は同じ)。また、以下の説明では、作業者1及び保守員1がルーム1にログインした状態となっている。
【0071】
ルーム2は、作業者2及び保守員2が紐付けられている。具体的には、作業者2のアカウントに対してルーム2が対応しており、アカウント情報206及び属性情報203が記憶部205に保存されている。また、以下の説明では、作業者2及び保守員2がルーム2にログインした状態となっている。
【0072】
ルーム1に係る自動返信時間帯は、17:00~8:00に設定されている。その理由は、保守員1の業務時間が8:00~17:00だからである。
ルーム2に係る自動返信設定時間帯は、18:00~9:00に設定されている。その理由は、保守員2の業務時間が9:00~18:00だからである。
以上より、自動返信時間帯は、ルームごとに適切に設定される。
【0073】
(7-2)第2の設定例
図12を用いて、ルームにおける自動返信時間帯の設定例を説明する。
図12は、チャットシステム200におけるルームと作業者及び保守員との関係を示す概念図である。
この設定例では、1人の作業者に紐付けられたルームは1つであるが、1つのルームに複数の保守員が紐付けられている。
ルーム1は、作業者1、保守員1及び保守員2が紐付けられている。具体的には、作業者1のアカウントに対してルーム1が対応しており、アカウント情報206及び属性情報203が記憶部205に保存されている。また、以下の説明では、作業者1、保守員1及び保守員2がルーム1にログインした状態となっている。
【0074】
ルーム2は、作業者2、保守員2及び保守員3が紐付けられている。具体的には、作業者2のアカウントに対してルーム2が対応しており、アカウント情報206及び属性情報203が記憶部205に保存されている。また、以下の説明では、作業者2、保守員2及び保守員3がルーム2にログインした状態となっている。
【0075】
ルーム1に係る自動返信時間帯は、17:00~8:00に設定されている。その理由は、保守員1の業務時間が8:00~17:00であり、保守員2の業務時間が8:00~17:00だからである。
ルーム2に係る自動返信時間帯は、18:00~8:00に設定されている。その理由は、保守員2の業務時間が8:00~17:00であり、保守員3の業務時間が9:00~18:00であり、最長の対応可能時間が8:00~18:00だからである。
【0076】
以上より、ルームには、1人の作業者と複数の保守員が紐付けられている。この場合、保守員の業務時間によって対応可能時間も変わってくるので、作業者ごとに自動返信時間帯を設定することで、柔軟に対応できる。
【0077】
(7-3)第3の設定例
図13を用いて、ルームにおける自動返信時間帯の第3の設定例を説明する。
図13は、チャットシステム200におけるルームと作業者及び保守員との関係を示す概念図である。
この設定例では、1人の作業者に紐付けられたルームは1つであるが、1つのルームに複数の作業者が紐付けられている。なお、1つのルーム紐付けられた作業者は、一般的に、同じ企業、同じグループ等の共通の属性を有している。
ルーム1は、作業者1、作業者2、保守員1及び保守員2が紐付けられている。具体的には、作業者1及び作業者2のアカウントに対してルーム1が対応しており、アカウント情報206及び属性情報203が記憶部205に保存されている。また、以下の説明では、作業者1、作業者2、保守員1、及び保守員2がルーム1にログインした状態となっている。
【0078】
ルーム2は、作業者3、作業者4、作業者5、保守員2及び保守員3が紐付けられている。具体的には、作業者3、作業者4及び作業者5のアカウントに対してルーム2が対応しており、アカウント及びルーム情報が記憶部205に保存されている。また、以下の説明では、作業者3、作業者4、作業者5、保守員2及び保守員3がルーム2にログインした状態となっている。
【0079】
ルーム1に係る自動返信時間帯は、17:00~8:00である。その理由は、保守員1の業務時間が8:00~17:00であり、保守員2の業務時間が8:00~17:00だからである。
ルーム2に係る自動返信時間帯は、18:00~8:00である。その理由は、保守員2の業務時間が8:00~17:00であり、保守員3の業務時間が9:00~18:00であり、最長の対応可能時間が8:00~18:00だからである。
以上より、自動返信時間帯は、ルームごとに適切に設定される。
【0080】
2.第2実施形態
第1実施形態では、自動返信時間帯の設定がされる基準としての作業者の属性情報はチャットシステム200のルームであったが、作業者の属性情報は特に限定されない。
そのような実施形態を第2実施形態として説明する。なお、第2実施形態は、基本構成及び基本動作が第1実施形態と同じであるので、異なる点のみを説明する。
第2実施形態では、記憶部は、チャットシステムの作業者ごとに定められた属性情報としてのアカウントを記憶している。
【0081】
このシステムではアカウントで定義される複数の作業者ごとに、自動返信時間帯が設定される。例えば、作業者と保守員が一対一で紐付けられている場合は、保守員の業務時間外が自動返信時間帯に設定される。また、例えば、一人の作業者に複数の作業者が紐付けられている場合は、複数の作業者の最長の対応可能時間外が自動返信時間帯に設定される。
以上より、チャットシステムにおいて作業者ごとに、きめ細かく自動返信が可能になる。
【0082】
また、アカウントで定義される複数の作業者それぞれに対応して個別の自動返信時間帯が設定されるものであってもよい。例えば、作業者Aに対応する自動返信時間帯は16:00~6:00、作業者Bに対応する自動返信時間帯は17:00~5:00、作業者Cに対応する自動返信時間帯は19:00~10:00というように、属性情報としてのアカウント毎に個別に設定された自動返信時間帯が、記憶部に記憶される。自動返信設定部は、所定の作業者からのメッセージが受信部により受信された場合、当該作業者(アカウント)に対応して設定された自動返信時間帯であるか否かを判定し、自動返信時間帯であれば自動返信メッセージを当該作業者に対して返信する。これにより、チャットシステムにおいて作業者ごとに、きめ細かく自動返信が可能になる。
【0083】
3.他の実施形態
以上、本発明の複数の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。特に、本明細書に書かれた複数の実施形態及び変形例は必要に応じて任意に組み合せ可能である。
第1実施形態では設備の作業者と保守員の間のチャットシステムを説明したが、本発明はこのような実施形態に限定されない。
【0084】
第1実施形態の通信システムは、複数の端末とサーバとを備えているが、これに限定されない。サーバを設けず、いずれか一つの又は複数の端末がサーバ装置としての機能を備えていてもよい。
第1実施形態ではチャットシステムは1台のサーバによって実現されていたが、複数のコンピュータによって実現されてもよい。
第1実施形態では保守員及び作業者はサーバにログインするとチャットシステムのルームに自動的にログインしていたが、チャットシステムへのログインは別に行われてもよい。
通信システムが適用される設備は自動倉庫に限定されず、本発明は産業機械の全般に適用可能である。例えば、各種搬送装置であってもよい。
【0085】
第1実施形態では自動返信時間その他の設定は担当者が行っていたが、利用者が行えるようになっていてもよい。
通信システムを利用する利用者は、製造業、サービス業、教育機関、NPOの一員、又は個人であってもよい。
利用者の属性情報は、個人に属する情報であればなんでもよく、例えば、会社、部署、グループに関する情報でもよい。
【0086】
通信システムは、利用者と担当者間に構築されるものではなく、複数の個人同士の間に構築されるものでもよい。
第1実施形態ではチャットシステムは、映像と組み合わせて使用されていたが、チャットシステム単独で用いられてもよい。
メッセージは会話を構成する一方からの情報であればよく、メッセージの媒体は、チャットに限定されず、メール、電話、ファックスでもよい。
【産業上の利用可能性】
【0087】
本発明は、メッセージ送受信システム及びメッセージ送受信方法に広く適用できる。
【符号の説明】
【0088】
1 :自動倉庫システム
2 :保守拠点
3 :保守サーバ
11 :自動倉庫
17 :作業端末
21 :保守端末
100 :通信システム
200 :チャットシステム
201 :第1送受信部
202 :第2送受信部
203 :属性情報
204 :自動返信設定情報
205 :記憶部
206 :アカウント情報
207 :受信部
209 :時間帯設定部
211 :自動返信部
213 :自動返信設定部
217 :受付部
219 :通常返信部