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  • 特開-放射温度計 図1
  • 特開-放射温度計 図2
  • 特開-放射温度計 図3
  • 特開-放射温度計 図4
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  • 特開-放射温度計 図6
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022063130
(43)【公開日】2022-04-21
(54)【発明の名称】放射温度計
(51)【国際特許分類】
   G01J 5/02 20220101AFI20220414BHJP
   A61B 5/01 20060101ALI20220414BHJP
【FI】
G01J5/02 Z
A61B5/01 100
A61B5/01 350
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020171510
(22)【出願日】2020-10-09
(71)【出願人】
【識別番号】515105922
【氏名又は名称】森 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100216736
【弁理士】
【氏名又は名称】竹井 啓
(74)【代理人】
【識別番号】100202706
【弁理士】
【氏名又は名称】長野 克彦
(74)【代理人】
【識別番号】100082913
【弁理士】
【氏名又は名称】長野 光宏
(72)【発明者】
【氏名】森 昌俊
【テーマコード(参考)】
2G066
4C117
【Fターム(参考)】
2G066AC13
2G066BA02
2G066BA08
2G066BA09
2G066CA16
4C117XA01
4C117XB01
4C117XD05
4C117XD16
4C117XE48
4C117XG16
4C117XJ48
(57)【要約】      (修正有)
【課題】簡易かつ迅速に温度を測定できる放射温度計を提供する。
【解決手段】筐体2と、筐体の表面に位置する温度測定部3と、筐体の表面に位置する、温度測定部と近接して位置する物体検知部4と、を備え、温度測定部は、物体検知部により検知した物体の表面から放出される赤外線を計測して該物体の表面温度を測定可能である、放射温度計1。さらに、筐体は下部及び上部を有し、筐体の下部に位置する載置部をさらに備え、温度測定部及び物体検知部は筐体の上部に位置しており、物体検知部は筐体の上方に位置する物体を検知可能であり、温度測定部は該物体の表面温度を測定可能であってもよい。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、
前記筐体の表面に位置する温度測定部と、
前記筐体の表面に位置する、前記温度測定部と近接して位置する物体検知部と、を備え、
前記温度測定部は、前記物体検知部により検知した物体の表面から放出される赤外線を計測して該物体の表面温度を測定可能である、
放射温度計。
【請求項2】
前記筐体は下部及び上部を有し、
前記筐体の下部に位置する載置部をさらに備え、
前記温度測定部及び前記物体検知部は前記筐体の上部に位置しており、
前記物体検知部は前記筐体の上方に位置する物体を検知可能であり、
前記温度測定部は該物体の表面温度を測定可能である、
請求項1に記載の放射温度計。
【請求項3】
前記筐体は対向する2つの側部を有し、
前記筐体の前記2つの側部に其々位置する、前記温度測定部により測定した温度を表示する、少なくとも2つの温度表示部をさらに備える、
請求項1又は請求項2に記載の放射温度計。
【請求項4】
前記温度測定部により測定した温度情報を外部の端末に出力する出力部をさらに備える、
請求項1乃至請求項3のうちの1つに記載の放射温度計。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放射温度計に関する。
【背景技術】
【0002】
本技術分野の背景技術として、特開2014‐18334号公報(特許文献1)がある。この公報には、「非接触で自動的に正確な測定ポイントで体温の測定を行う放射温度計」が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014‐18334号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
測定対象の物体の温度を簡易かつ迅速に測定できないおそれがあった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、例えば特許請求の範囲に記載の構成を採用する。本願は上記課題を解決する手段を複数含んでいるが、その一例を挙げるならば、
筐体と、
前記筐体の表面に位置する温度測定部と、
前記筐体の表面に位置する、前記温度測定部と近接して位置する物体検知部と、を備え、
前記温度測定部は、前記物体検知部により検知した物体の表面から放出される赤外線を計測して該物体の表面温度を測定可能である、放射温度計。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、測定対象の物体の温度を簡易かつ迅速に測定できる放射温度計を提供できる。
上述した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】放射温度計の上面図(平面図)である。
図2】放射温度計の正面図である。
図3】放射温度計の底面図である。
図4】放射温度計の斜視図である。
図5】放射温度計の利用方法を示す図である。
図6】放射温度計の動作フローを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1乃至図6により放射温度計の一例(実施形態)を説明する。
本実施形態における放射温度計1は、例えば、人体の手首の表面温度を測定する際に用いることができるが、他の用途で利用することもできる。
【0009】
放射温度計1は、筐体2、温度測定部3、物体検知部4、載置部5、温度表示部6及び制御部を備える。
筐体2は、略正六面体であり、上面と、下面と、4つの側面とを有する。
「下」とは放射温度計1の正面図(図2)のy軸における下を意味し、「上」とは正面図(図2)のy軸における上を意味する。以下、同様である。
他の実施形態として、筐体は他の立体形状であってもよい。
【0010】
温度測定部3は、赤外線温度センサと、赤外線導入孔31と、を有する。
赤外線導入孔31は筐体2の上面の中心部に位置する。
赤外線温度センサは赤外線導入孔31の下方に筐体2内に位置する。
【0011】
赤外線温度センサは、測定対象の物体の表面から放出される赤外線を計測して当該測定対象の物体の表面温度を測定する。具体的には、マイクロボロメータ、サーモパイル、焦電形温度センサや、光起電力形温度センサ、光電導形温度センサなどのセンサである。本実施形態の放射温度計に用いられる赤外線センサの種類は、使用用途等に応じて、適宜選択することが可能である。
【0012】
赤外線導入孔31は測定対象の物体の表面から放出される赤外線を赤外線温度センサへと導入するために筐体2に設けられた孔である。
【0013】
赤外線導入孔31に、赤外線集光レンズが設けられていてもよい。
赤外線集光レンズは、測定対象の物体から放射される赤外線を透過し、赤外線温度センサに集光するためのレンズである。
【0014】
物体検知部4は、物体センサ41と、物体検知孔42と、を有する。
物体検知孔42は筐体2の上面に位置する。
物体検知孔42と赤外線導入孔31は近接して位置する。この構成により、物体検知部4により検知した物体の表面温度を温度測定部3により測定できる。
【0015】
物体センサ41は物体検知孔42内に嵌まり込んでいる。物体センサ41の上面と筐体2の上面は面一である。
他の実施形態として、物体センサ41が筐体2の内部に完全に入り込んでいてもよい。
【0016】
物体センサ41は、検出光を射出して筐体2の上方に位置する物体を非接触で検出する。具体的には、検出光を射出して物体を検出する光学センサ、電波を射出して物体を検出するレーダセンサ(RADAR:Radio Detection and Ranging)、及び超音波を射出して物体を検出する超音波センサ(Ultrasonic Sensor)などのセンサである。
【0017】
物体検知部4は筐体2の上方に位置する物体を検知可能である。
温度測定部3は物体検知部が検知した物体の表面温度を測定可能である。
すなわち、筐体2の上方に測定対象の物体が出現した場合に(言い換えれば、当該物体を物体検知部4で検知したことをトリガーとして)、放射温度計1の制御部は温度測定部3により当該物体の温度を測定する。この構成により、簡易かつ迅速に測定対象の物体の温度を測定できる。例えば、図5で図示すように、筐体2の上方に手をかざすことで手の表面温度を簡易かつ迅速に測定できる。
【0018】
載置部5は、筐体2の下部に位置する、筐体の下面部である。載置部5は、筐体2の下面の四隅に設けられた4つの柱51を有する。
柱51は塩化ビニール、ビニール、ポリエチレン、又はポリプロピレン樹脂などの合成樹脂であってもよく、粘弾性を有するゴムであってもよい。
載置部5が設けられた下面を水平面に載置することで放射温度計1を安定的に載置できる。
【0019】
他の実施形態として、筐体の下面が略平坦である場合には上述した柱51が存在しなくてもよい。
筐体の下面が略平坦でない他の実施形態であっても、略水平面に載置できる部分であれば載置部とすることができる。
【0020】
筐体2の載置部5には効果音や温度情報などを出力するスピーカSを備えている。
筐体2の載置部5には三脚と接続するための接続穴Hを備えている。
筐体2の載置部5には電源(乾電池)Bを備えている。
【0021】
温度表示部6は、温度測定部3で測定した温度情報を表示するための部分である。
温度表示部6は、本実施形態においては、筐体2の対向する2つの側面(正面及び背面)である。
図5で図示する筐体おいて、正面の側面に温度情報Aが表示されている。図5においては図示されていないが、正面の側面と対向する背面の側面にも温度情報が表示される。
【0022】
この構成により、例えば、対面の受付カウンターに当該放射温度計を載置して利用する場合において、訪問者が当該放射温度計を用いて体温を測定した際に、測定された温度情報が筐体の対向する側面の両側に表示されるため、訪問者及び受付者が同時に測定された温度情報を認識することができる。
【0023】
本実施形態においては、ディスプレイが筐体2の内部に位置しており、当該ディスプレイに表示された温度情報が筐体の側面に映し出される構成となっている。
本実施形態における筐体2は光を透過する合成樹脂製である。
他の実施形態としては、筐体2の対向する2つの側面自体がディスプレイとなっていてもよい。
【0024】
放射温度計1は制御部を備える。
制御部は筐体2の内部に位置する。
【0025】
制御部は、オペレーティングシステムやアプリケーション、プログラムなどを実行するプロセッサと、RAM(Random Access Memory)等の主記憶部と、ICカードやハードディスクドライブ、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ等の補助記憶部と、センサからの情報を受け入れる入力部と、制御情報をセンサや表示装置などへ送信(出力)する出力部と、ネットワークカードや無線通信モジュール、モバイル通信モジュール等の通信制御部と、を有する。
【0026】
制御部のプロセッサ(以下、単に制御部とする場合がある。)が以下の制御(フロー)600(図6)を実行する。
まず、制御部は、物体検知部4により筐体の上方に位置する測定対象の物体を検知する(ステップ601)。
【0027】
次いで、制御部は、温度測定部3によりステップ601で検知した物体の表面温度を測定する(ステップ602)。
【0028】
次いで、制御部は、物体の温度を適切に測定できたか判定する(ステップ603)。
例えば、物体検知部4で物体を検知したものの、当該物体の位置では、当該物体から放出される赤外線を温度測定部3の赤外線温度センサにより適切に受光できない場合は当該物体の温度を適切に測定できない。当該場合には当該フロー600を最初のステップ601から行う。
なお、この場合において、制御部は温度表示部6に温度が適切に測定できない旨(測定対象の物体の位置が適切でない旨)のエラーを表示してもよい。
【0029】
次いで、制御部は、測定して得た温度情報を、温度表示部6に表示するとともに、通信制御部により外部の端末に出力(送信)する(ステップ604)。当該ステップにて本フロー600は終了する。
なお、あらかじめ設定した基準温度より高い温度が測定された場合には、制御部はその旨の情報を、温度表示部6に表示してもよく、また、通信制御部により外部の端末に出力(送信)してもよい。
【0030】
以上、本発明について詳細に説明したが、本発明は上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更、改良等が可能である。
【符号の説明】
【0031】
1 :放射温度計
2 :筐体
3 :温度測定部
4 :物体検知部
5 :載置部
6 :温度表示部

図1
図2
図3
図4
図5
図6