(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022063161
(43)【公開日】2022-04-21
(54)【発明の名称】広告配信方法、情報処理装置、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/30 20120101AFI20220414BHJP
G06Q 30/02 20120101ALI20220414BHJP
【FI】
G06Q50/30
G06Q30/02 398
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020171565
(22)【出願日】2020-10-09
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
(71)【出願人】
【識別番号】511066056
【氏名又は名称】Peach・Aviation株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】518149947
【氏名又は名称】朝日放送テレビ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】前野 純
(72)【発明者】
【氏名】村上 篤実
(72)【発明者】
【氏名】栢原 宏樹
(72)【発明者】
【氏名】伴 拓也
(72)【発明者】
【氏名】池辺 圭一
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB08
5L049CC41
(57)【要約】
【課題】航空機内での広告配信において、各乗客のプライバシに考慮しつつ、各乗客に適した広告を配信するための技術を提供すること。
【解決手段】広告ごとにターゲットが設定される。ターゲットは、乗客の特性(乗客属性、予約属性)と商品属性とを含む。機内サーバは、乗客の端末から、搭乗券に記載される予約番号などの乗客情報を取得する。機内サーバは、乗客リストを参照することにより、乗客情報に対応する乗客の特性を特定し、特定された特性をターゲットとする広告を乗客の端末へ送信する。
【選択図】
図14
【特許請求の範囲】
【請求項1】
航空機の機内に設置されるコンピュータによって実行される方法であって、
乗客の情報処理装置から、当該乗客の搭乗券に記載された情報であって当該乗客を特定する情報である乗客情報を取得するステップと、
乗客情報を乗客の特性と関連付ける記憶装置にアクセスすることにより、取得された前記乗客情報に関連付けられた乗客の特性を取得するステップと、
特性を2以上の広告の中の少なくとも1の広告と関連付ける記憶装置にアクセスすることにより、取得された前記乗客の特性に関連付けられた広告を特定するステップと、
前記乗客の情報処理装置に向けて、特定された前記広告を送信するステップと、を備える、広告配信方法。
【請求項2】
前記乗客情報は、予約番号、乗客名および座席番号の中の少なくとも1つを含む、請求項1に記載の広告配信方法。
【請求項3】
前記特性は、乗客の属性および乗客による前記搭乗券の予約に関する属性の中の少なくとも1つを含む、請求項1または請求項2に記載の広告配信方法。
【請求項4】
前記乗客の属性は、性別、年齢、国籍、使用言語、および、航空会社の会員種別の中の少なくとも1つを含む、請求項3に記載の広告配信方法。
【請求項5】
前記搭乗券の予約に関する属性は、前記搭乗券によって指定される座席タイプ、前記搭乗券の購入における運賃タイプ、および、前記搭乗券か片道か往復かを指定する情報の中の少なくとも1つを含む、請求項3または請求項4に記載の広告配信方法。
【請求項6】
前記乗客の情報処理装置に向けて特定された前記広告を送信したことに応じて、前記コンピュータのメモリに、特定された前記広告を前記乗客の前記特性に関連付ける情報である実績情報を格納するステップと、
特定された前記広告に関連付けられた宛先に、前記実績情報を送信するステップと、をさらに備える、請求項1~請求項5のいずれか1項に記載の広告配信方法。
【請求項7】
前記情報処理装置から商品の要求を取得するステップをさらに備え、
前記広告を送信するステップは、前記商品の要求に応じて、前記情報処理装置に向けて前記広告を送信することを含み、
前記実績情報は、前記情報処理装置への広告の送信が基づく商品の属性を含む、請求項6に記載の広告配信方法。
【請求項8】
前記広告を特定するステップは、要求された前記商品の属性に基づいて広告を特定することを含む、請求項7に記載の広告配信方法。
【請求項9】
前記実績情報に前記乗客の連絡先を登録するステップをさらに備える、請求項6~請求項8のいずれか1項に記載の広告配信方法。
【請求項10】
前記実績情報を送信するステップは、特定された前記広告に関連付けられた宛先に、前記広告が前記乗客に向けて送信されたタイミングにおける前記航空機の状態を特定するための情報をさらに送信することを含む、請求項6~請求項9のいずれか1項に記載の広告配信方法。
【請求項11】
コンピュータの1以上のプロセッサによって実行されることにより、前記コンピュータに請求項1~請求項10のいずれか1項に記載の広告配信方法を実現させる、プログラム。
【請求項12】
請求項11に記載のプログラムを格納するメモリと、
前記プログラムを実行する1以上のプロセッサとを備える、情報処理装置。
【請求項13】
第1のコンピュータと、航空機の機内に設置される第2のコンピュータとによって実行される方法であって、
前記第2のコンピュータによって実行される、
乗客の情報処理装置から、当該乗客の搭乗券に記載された情報であって当該乗客を特定する情報である乗客情報を取得するステップと、
乗客情報を乗客の特性と関連付ける記憶装置にアクセスすることにより、取得された前記乗客情報に関連付けられた乗客の特性を取得するステップと、
特性を2以上の広告の中の少なくとも1の広告と関連付ける記憶装置にアクセスすることにより、取得された前記乗客の特性に関連付けられた広告を特定するステップと、
前記乗客の情報処理装置に向けて、特定された前記広告を送信するステップと、
前記乗客の情報処理装置に向けて特定された前記広告を送信したことに応じて、前記第1のコンピュータのメモリに、特定された前記広告を前記乗客の前記特性に関連付ける情報である実績情報を格納するステップと、
前記第1のコンピュータに、前記実績情報を送信するステップと、を備え、
前記第1のコンピュータによって実行される、
前記乗客の連絡先に向けて、前記広告に対応する追加の情報を送信するステップをさらに備える、広告配信方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、広告配信方法に関し、特に、航空機の機内で広告を配信する広告配信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、航空機の機内での乗客への情報提供手段の一例として、各座席に機内誌が配置されている(非特許文献1)。また、機内のスクリーンやスピーカを利用してコンテンツを再生することによっても情報が提供されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】"ピーチ、機内誌をリニューアル「PEACH LIVE」を創刊"、[online]、平成28年(2016年)8月2日、クロゴ株式会社、[令和2年8月26日検索]、インターネット<https://flyteam.jp/news/article/66778>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、情報通信技術の発達に従って、航空機内でも、航空機内に設置されたコンテンツサーバによるコンテンツ配信が実施されるようになってきている。
【0005】
コンテンツ配信では、乗客が要求したコンテンツに加えて、広告も、乗客に対して配信され得る。広告が配信される際、各乗客が必要としている商品もしくは将来必要とするであろう商品の広告、または、各乗客が興味を持ちそうな商品に関する広告など、各乗客に適した広告が配信されれば、広告の効果が高められる。各乗客に適した広告を配信するために、コンテンツサーバが各乗客の特性を取得することは有益である。しかしながら、航空機の機内では各乗客の座席が固定されており、各乗客の近くに他の乗客が居る場合が多い。このような状況で各乗客にその特性を入力させたのでは、他の乗客に当該特性を見られることによる、プライバシ侵害が生じやすい。
【0006】
本開示は、係る実情に鑑み考え出されたものであり、その目的は、航空機内での広告配信において、各乗客のプライバシに考慮しつつ、各乗客に適した広告を配信するための技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示のある局面に従うと、航空機の機内に設置されたコンピュータによって実行される方法であって、乗客の情報処理装置から、当該乗客の搭乗券に記載された情報であって当該乗客を特定する情報である乗客情報を取得するステップと、乗客情報を乗客の特性と関連付ける記憶装置にアクセスすることにより、取得された乗客情報に関連付けられた乗客の特性を取得するステップと、特性を2以上の広告の中の少なくとも1の広告と関連付ける記憶装置にアクセスすることにより、取得された乗客の特性に関連付けられた広告を特定するステップと、乗客の情報処理装置に向けて、特定された広告を送信するステップと、を備える、広告配信方法が提供される。
【0008】
乗客情報は、予約番号、乗客名および座席番号の中の少なくとも1つを含んでいてもよい。
【0009】
特性は、乗客の属性および乗客による搭乗券の予約に関する属性の中の少なくとも1つを含んでいてもよい。
【0010】
乗客の属性は、性別、年齢、国籍、使用言語、および、航空会社の会員種別の中の少なくとも1つを含んでいてもよい。
【0011】
搭乗券の予約に関する属性は、搭乗券によって指定される座席タイプ、搭乗券の購入における運賃タイプ、および、搭乗券か片道か往復かを指定する情報の中の少なくとも1つを含んでいてもよい。
【0012】
広告配信方法は、乗客の情報処理装置に向けて特定された広告を送信したことに応じて、コンピュータのメモリに、特定された広告を乗客の特性に関連付ける情報である実績情報を格納するステップと、特定された広告に関連付けられた宛先に、実績情報を送信するステップと、をさらに備えていてもよい。
【0013】
広告配信方法は、情報処理装置から商品の要求を取得するステップをさらに備えていてもよい。広告を送信するステップは、商品の要求に応じて、情報処理装置に向けて広告を送信することを含んでいてもよい。実績情報は、情報処理装置への広告の送信が基づく商品の属性を含んでいてもよい。
【0014】
広告を特定するステップは、要求された商品の属性に基づいて広告を特定することを含んでいてもよい。
【0015】
広告配信方法は、実績情報に乗客の連絡先を登録するステップと、をさらに備えていてもよい。
【0016】
実績情報を送信するステップは、特定された広告に関連付けられた宛先に、広告が乗客に向けて送信されたタイミングにおける航空機の状態を特定するための情報をさらに送信することを含んでいてもよい。
【0017】
本開示の他の局面に従うと、コンピュータの1以上のプロセッサによって実行されることにより、コンピュータに上記広告配信方法を実現させる、プログラムが提供される。
【0018】
本開示のさらに他の局面に従うと、上記プログラムを格納するメモリと、プログラムを実行する1以上のプロセッサとを備える、情報処理装置が提供される。
【0019】
本開示のさらに他の局面に従うと、第1のコンピュータと、航空機の機内に設置される第2のコンピュータとによって実行される広告配信方法が提供される。当該方法は、第2のコンピュータによって実行される、乗客の情報処理装置から、当該乗客の搭乗券に記載された情報であって当該乗客を特定する情報である乗客情報を取得するステップと、乗客情報を乗客の特性と関連付ける記憶装置にアクセスすることにより、取得された乗客情報に関連付けられた乗客の特性を取得するステップと、特性を2以上の広告の中の少なくとも1の広告と関連付ける記憶装置にアクセスすることにより、取得された乗客の特性に関連付けられた広告を特定するステップと、乗客の情報処理装置に向けて、特定された広告を送信するステップと、乗客の情報処理装置に向けて特定された広告を送信したことに応じて、第1のコンピュータのメモリに、特定された広告を乗客の特性に関連付ける情報である実績情報を格納するステップと、第1のコンピュータに、実績情報を送信するステップと、を備え、第1のコンピュータによって実行される、乗客の連絡先に向けて、広告に対応する追加の情報を送信するステップをさらに備える。
【発明の効果】
【0020】
本開示によれば、航空機の機内に設置されたコンピュータは、乗客の情報処理装置から、搭乗券に記載された情報であって乗客を特定する情報である乗客情報を取得すれば、当該乗客情報に関連付けられた乗客の特性を取得し、当該特性に関連付けられた広告を特定し、特定された広告を乗客の情報処理装置に向けて送信できる。これにより、航空機内で乗客にその特性を情報処理装置に入力させることなく、当該乗客に向けて、当該乗客の特性に応じた広告を配信することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】コンテンツ提供システムの構成を概略的に示す図である。
【
図2】フライト予約において端末100に表示される画面の一例を示す図である。
【
図3】搭乗券の出力のためにユーザ900がチェックイン機400の前に立っている場面の一例を示す図である。
【
図4】ユーザ900が機内で商品の注文などのために端末100を使用する場面の一例を示す図である。
【
図5】機内サーバ300を搭載する航空機が空港に着陸した場面を模式的に示す図である。
【
図6】端末100のハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図7】予約サーバ200のハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図8】機内サーバ300のハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図9】チェックイン機400のハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図10】予約情報のデータ構成の一例を示す図である。
【
図11】乗客リストのデータ構成の一例を示す図である。
【
図12】食品用商品情報のデータ構成の一例を示す図である。
【
図13】コンテンツ用商品情報のデータ構成の一例を示す図である。
【
図14】広告情報のデータ構成の一例を示す図である。
【
図15】広告主情報のデータ構成の一例を示す図である。
【
図16】配信実績のデータ構成の一例を示す図である。
【
図17】フライト情報のデータ構成の一例を示す図である。
【
図18】フライト予約処理のフローチャートである。
【
図20】端末100に表示される注文用画面の一例を示す図である。
【
図21】端末100に表示される注文用画面の他の例を示す図である。
【
図23】認証用の情報の入力を要求する画面の一例を示す図である。
【
図24】端末100における広告の表示画面の一例を示す図である。
【
図25】リポート送信処理のフローチャートである。
【
図26】コンテンツ提供システムの構成の変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下に、図面を参照しつつ、広告配信方法を実現する情報処理装置の一実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品および構成要素には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、これらの説明は繰り返さない。
【0023】
[1.コンテンツ提供システムの概要の説明]
本実施の形態に係るコンテンツ提供システムは、航空機の機内で、乗客に広告を提供する。
図1は、コンテンツ提供システムの構成を概略的に示す図である。
図1に示されるように、コンテンツ提供システムは、端末100と、予約サーバ200と、機内サーバ300と、チェックイン機400と、商品管理サーバ600と、コンテンツサーバ700と、広告サーバ800とを含む。
【0024】
端末100は、たとえばパーソナルコンピュータやスマートフォンなどの、汎用の情報端末によって構成される。コンテンツ提供システムでは、ユーザ900が端末100を利用する。ユーザ900は、端末100のユーザであって、航空機の乗客でもある。
【0025】
予約サーバ200は、フライトを管理する。予約サーバ200は、航空会社によって運営されてもよいし、旅行代理店によって運営されてもよい。
図1では、各乗客のフライトの情報が「予約情報」として示される。
【0026】
機内サーバ300は、航空機の機内に設置され、端末100にコンテンツや広告を提供する。コンテンツ提供システムでは、機内サーバ300は、端末100に向けて、コンテンツファイルを送信することによりコンテンツを提供し、広告ファイルを送信することにより広告を提供する。機内サーバ300は、決済に関する処理を実施することもできる。
【0027】
チェックイン機400は、予約情報に基づいて搭乗券を出力する。
商品管理サーバ600は、商品の情報を管理する。コンテンツサーバ700は、機内サーバ300にコンテンツのデータを提供する。広告サーバ800は、機内サーバ300に広告のデータを提供する。本明細書では、「コンテンツのデータ」が単に「コンテンツ」と記述される場合があり、また、「広告のデータ」が単に「広告」と記述される場合がある。
【0028】
図1には、ステップ(1)~ステップ(14)の順に、要素間で実施される処理の流れが示される。
図1を参照して、コンテンツ提供システムにおける処理の流れを概略的に説明する。
【0029】
・(1)フライト予約
ユーザ900は、端末100を利用して予約サーバ200にアクセスし、フライトを予約する。
【0030】
図2は、フライト予約において端末100に表示される画面の一例を示す図である。
図2の画面20は、たとえば端末100のプロセッサが所与のアプリケーションを実行することによって、端末100のディスプレイに表示される。
【0031】
図2の画面20において、欄21には、フライトの便名などの情報が示される。欄22には、変更後の座席を指定する情報が示される。ソフトウェアボタン24は、画面20に表示されたフライトの予約情報を確定させるために操作される。確定された予約情報は、予約サーバ200へ送信される。
【0032】
予約サーバ200は、端末100から受信した予約情報を利用して、ユーザ900の航空機利用の予約(フライトの予約)を完了させる。
【0033】
・(2)予約番号送信
フライトの予約が完了すると、予約サーバ200は、端末100へ予約番号を送信する。(1)フライト予約から(2)予約番号送信までの流れは、フライト予約処理として、
図18を参照して詳述される。
【0034】
・(3)抽出された予約情報のダウンロード
機内サーバ300には、予約サーバ200から、予約情報のうち、当該機内サーバ300が搭載されるフライトの乗客に関する部分がダウンロードされる。一例では、機内サーバ300に、当該機内サーバ300が搭載されるフライトの便名を入力されると、当該便名を予約サーバ200へ送信する。便名の代わりに、到着地および/または到着予定時刻が利用されてもよい。これに応じて、予約サーバ200は、予約情報の中から該当するフライトの乗客の情報を抽出する。機内サーバ300は、抽出された情報を、乗客リストとしてダウンロードする。
【0035】
・(4A)商品情報のダウンロード
商品管理サーバ600において登録される商品情報から、機内で販売される商品の情報が抽出されて、機内サーバ300へダウンロードされる。商品情報は、食品用商品情報として、
図11を参照して後述される。
【0036】
一例では、機内サーバ300から当該機内サーバ300が搭載されるフライトの便名の入力を受け付けると、商品管理サーバ600は、便名に基づいて商品の情報を抽出し、抽出された商品の情報を機内サーバ300へ送信する。商品の一例は、機内食である。
【0037】
商品の他の例は、タオルやキーホルダーなどの物品である。さらに他の例は、機内の座席変更である。さらに他の例は、到着地における、交通手段、イベント、または、宿泊のチケットである。飛行中、機内サーバ300は商品管理サーバ600と通信できない場合があり得る。このような場合のために、上記商品は、いわゆる「ラストミニッツ」のイベントチケットまたは宿泊サービスなどの、機内サーバ300が搭載される航空機の機内で売り切られることを目的としたものであって、航空機外で販売されることが意図されていないものであってもよい。
【0038】
・(4B)コンテンツのダウンロード
コンテンツサーバ700に登録されているコンテンツから、機内で提供されるコンテンツが抽出されて、機内サーバ300へダウンロードされる。ダウンロードされたコンテンツのインデックスは、コンテンツ用商品情報として、
図13を参照して後述される。
【0039】
機内で提供されるコンテンツは、機内サーバ300が搭載されるフライトの乗客の情報(たとえば、後述する乗客属性および/または予約属性)に従って選択されてもよい。たとえば、当該フライトの乗客が、使用言語を日本語とする乗客と、使用言語を英語とする乗客とを含む場合、機内サーバ300には、ある映画について、日本語版のコンテンツ、および、英語版のコンテンツがダウンロードされてもよい。当該フライトの乗客が、さらに、使用言語を韓国語とする乗客を含む場合、機内サーバ300には、上記映画について、さらに韓国語版のコンテンツがダウンロードされてもよい。
【0040】
・(4C)広告のダウンロード
広告サーバ800に登録されている広告から、機内で提供される広告が抽出されて、機内サーバ300へダウンロードされる。ダウンロードされた広告のインデックスは、広告情報として、
図14を参照して後述される。
【0041】
機内で提供される広告は、機内サーバ300が搭載されるフライトの乗客の情報(たとえば、後述する乗客属性および/または予約属性)に従って選択されてもよい。たとえば、当該フライトの乗客が、使用言語を日本語とする乗客と、使用言語を英語とする乗客とを含む場合、機内サーバ300には、ある商品について、日本語版の広告、および、英語版の広告がダウンロードされてもよい。当該フライトの乗客が、さらに、使用言語を韓国語とする乗客を含む場合、機内サーバ300には、上記商品について、さらに韓国語版の広告がダウンロードされてもよい。
【0042】
(3)抽出された予約情報のダウンロードから(4C)広告のダウンロードまでの流れは、準備処理として、
図19を参照して詳述される。
【0043】
・(5)予約番号の入力~(8)搭乗券出力
ユーザ900は、チェックイン機400に予約番号を入力する(ステップ(5))。チェックイン機400は、入力された予約番号を予約サーバ200に照会する(ステップ(6))。予約サーバ200は、チェックイン機400に対して、照会された予約番号に対応する予約情報を送信する(ステップ(7))。チェックイン機400は、予約サーバ200から送信された予約番号に対応する搭乗券を出力する(ステップ(8))。
【0044】
図3は、搭乗券の出力のためにユーザ900がチェックイン機400の前に立っている場面の一例を示す図である。
図3には、チェックイン機400から出力される搭乗券の一例が、左方に拡大されて示されている。
【0045】
チェックイン機400は、タッチモニタ440と、搭乗券プリンタ432と、二次元コードスキャナ433とを含む。タッチモニタ440は、タッチパネル441と、ディスプレイ442とを含む。ユーザ900は、タッチパネル441に予約番号を入力する。予約番号はバーコードまたは二次元コード等の図形で供給されていてもよく、ユーザ900は、二次元コードスキャナ433に予約番号を入力してもよい。チェックイン機400は、入力された予約番号に対応する搭乗券に対応する搭乗券を搭乗券プリンタ432から出力する。予約番号が二次元コードで提供される場合、採用されるコードの種類は、
図3に記載されたものに限定されず、QR(登録商標)コードなどの他の種類であってもよい。
【0046】
搭乗券30には、ユーザ900の予約に関する種々の情報が記載されている。搭乗券30には、二次元コードは、予約番号および/または予約番号に関連する情報を表わす。搭乗券30には、さらに、便名、出発時刻、搭乗口、座席番号、出発の日付、予約番号、および、予約者の氏名が記載されている。
【0047】
搭乗券に記載された情報のうち、予約番号、座席番号、および、予約者の氏名などの、乗客を特定することができるそれぞれの項目は、乗客情報の一例である。
【0048】
搭乗券30は、搭乗券に記載された1つ以上の日付が誕生日と一致する乗客に対するメッセージ「Happy Birthday!」など、乗客情報に応じたメッセージを表示する欄を含んでいても良い。また、搭乗券30は、広告欄を含んでいても良い。当該広告欄に表示される広告は、乗客に関する情報(たとえば、後述する乗客属性および/または予約属性)に従って選択されてもよい。
【0049】
・(9)注文~(11)決済
次に、ユーザ900の搭乗後の流れを説明する。ユーザ900は、機内で商品やコンテンツを購入する場合、端末100を利用して、機内サーバ300に向けて必要な情報を送信する(ステップ(9),(10))。必要な情報は、商品の注文および認証要求である。
【0050】
図4は、ユーザ900が機内で商品の注文などのために端末100を使用する場面の一例を示す図である。
図4に示されるように、ユーザ900は、機内の座席で端末100を操作する。端末100は、中継器350を経由して機内サーバ300と通信する。
【0051】
一実現例では、端末100からのアクセスを受け付けると、端末100に対して、商品購入のウェブページを提供する。当該ウェブページに対して、ユーザ900は、端末100に対して商品の注文を入力する。注文は、機内サーバ300へと送信される。注文を受信すると、機内サーバ300は、端末100に対して、乗客を認証するための情報(認証用の情報)の入力を要求する。当該要求に応じて、端末100には、認証用の情報の入力を促すメッセージが表示される。
【0052】
上記メッセージに応じて、ユーザ900は、端末100を用いて、認証用の情報を機内サーバ300へ送信することにより、機内サーバ300に対して認証を要求する。認証用の情報の一例は、予約番号とメールアドレスである。
【0053】
機内サーバ300は、ユーザ900から入力された認証用の情報を機内サーバ300内の乗客リスト内の情報と照合することにより、ユーザ900を認証する。
【0054】
ユーザ900の認証に成功すると、機内サーバ300は注文について決済する(ステップ(11))。一実現例では、機内サーバ300は、各乗客について別途登録されているポイントから、商品の価格に対応する分のポイントを減算することによって決済を行う。他の実現例では、客室乗務員に対して、ユーザ900から商品の価格に対応する金銭を徴収する指示を、客室乗務員が携帯する端末および/または客室乗務員用のモニタに表示する。これにより、客室乗務員は、商品を購入したユーザ900に価格に対応する金銭の支払いを依頼する。ユーザ900は、客室乗務員に対し金銭を支払う。
【0055】
・(12)準備~(13)提供
機内サーバ300は、ユーザ900への商品提供の準備を実行する(ステップ(12))。商品提供の準備は、決済の完了を条件として開始されてもよい。
【0056】
商品が食品(機内食)などの有体物である場合、一実現例では、機内サーバ300は、商品提供の準備として、客室乗務員に対するユーザ900への商品提供の指示を表示する。当該指示は、ユーザ900の座席番号を含んでいてもよい。一実現例では、当該指示は、客室乗務員が携帯する端末および/または客室乗務員用のモニタに表示される。
【0057】
商品がコンテンツの閲覧などの無体物(サービス)である場合、一実現例では、機内サーバ300は、ユーザ900が指定したコンテンツを端末100に向けて送信するための処理を実行する。
【0058】
商品提供の準備において、機内サーバ300は、ユーザ900に提供する広告を特定してもよい。一実現例では、機内サーバ300は、ユーザ900の特性(たとえば、後述する乗客属性および/または予約属性)に基づいて、当該ユーザ900に送信する広告を特定する。
【0059】
商品がコンテンツの閲覧などの無体物である場合、機内サーバ300は、ユーザ900に商品を提供する(ステップ(13))。より具体的には、機内サーバ300は、指定されたコンテンツを端末100へ送信する。このとき、機内サーバ300は、さらに、上記のように特定した広告を端末100へ送信する。
【0060】
商品が食品などの有体物である場合、客室乗務員はユーザ900に商品を提供し、機内サーバ300はユーザ900の端末100に広告を提供する。なお、機内サーバ300は、ロボットに対してユーザ900の座席への商品運搬を指示することにより、ユーザ900に商品を提供してもよい。
【0061】
・(14)リポート送信
図16を参照して後述されるように、機内サーバ300では、機内での広告送信の実績が蓄積される。機内サーバ300は、リポート送信として、乗客への広告送信の実績を広告主に報告する。広告を送信した乗客から、広告に関する追加的な情報の要求を受信していた場合、機内サーバ300は、広告主に、リポート送信において、当該追加的な情報の要求を受信したことを通知してもよい。
【0062】
(14)リポート送信の流れは、
図25を参照して詳述される。
[2.ハードウェア構成]
以下、
図6~
図9を参照して、コンテンツ提供システムを構成する装置のハードウェア構成を説明する。
【0063】
(端末100)
図6は、端末100のハードウェア構成の一例を示す図である。
図6に示されるように、端末100は、プロセッサ101と、RAM(Random Access Memory)102と、記憶装置103と、マイクロフォン(マイク)104と、スピーカ105と、ディスプレイ106と、入力装置107と、通信インターフェース108と、カメラ109と、近距離通信インターフェース110とを備えている。端末100内の各要素は、互いに内部バスで接続されている。プロセッサ101は、少なくとも1つのCPU(Central Processing Unit)、少なくとも1つのASIC(Application Specific Integrated Circuit)、少なくとも1つのFPGA(Field-Programmable Gate Array)、またはそれらの組み合わせなどによって構成される。
【0064】
RAM102は、プロセッサ101における処理実行時の作業領域として機能する。記憶装置103は、たとえばフラッシュメモリによって実現され、プロセッサ101が実行するプログラム(アプリケーションプログラムを含む)および当該プログラムの実行に利用されるデータを非一時的に格納する。
【0065】
マイク104は、入力された音声に応じた信号を、プロセッサ101へ出力する。スピーカ105は、プロセッサ101から出力される信号に従って、音声を出力する。ディスプレイ106は、プロセッサ101によって実行されるプログラムの処理結果を示す画像を表示する。入力装置107は、端末100に対する入力操作を受け付ける。入力装置107は、たとえば、ハードウェアボタン、および/または、ディスプレイ106上に配置されたタッチセンサである。
【0066】
通信インターフェース108は、たとえば、ネットワークカードによって実現される。プロセッサ101は、通信インターフェース108を介して他の装置とデータを送受信する。カメラ109は、CMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)イメージセンサ等を含み、画像を撮影し、撮影された画像をプロセッサ101へ出力する。近距離通信インターフェース110は、端末100にBluetooth(登録商標)などの近距離通信規格に従った態様で他の機器と通信させる。
【0067】
(予約サーバ200)
図7は、予約サーバ200のハードウェア構成の一例を示す図である。
図7に示されるように、予約サーバ200は、プロセッサ201と、通信インターフェース203と、記憶装置205とを含む。プロセッサ201は、通信インターフェース203を用いて、機内サーバ300等の他の装置との間で情報を送受信する。プロセッサ201は、たとえば、少なくとも1つのCPUによって実現される。
【0068】
記憶装置205は、たとえば、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)等によって実現されるが、これに限定されない。記憶装置205は、プログラム格納領域260とデータ格納領域270とを含む。プログラム格納領域260は、プロセッサ201によって実行されるプログラムを非一時的に格納する。プロセッサ201によって実行されるプログラムは、予約サーバ200の本体に対して着脱可能なまたは離間した記録媒体に格納されていてもよい。記憶装置205は、プロセッサ201のプログラムの実行における作業領域として機能するRAMを含む。データ格納領域270は、予約情報を含む種々のデータを格納する。
【0069】
(機内サーバ300)
図8は、機内サーバ300のハードウェア構成の一例を示す図である。
図8に示されるように、機内サーバ300は、プロセッサ301と、通信インターフェース303と、記憶装置305とを含む。プロセッサ301は、通信インターフェース303を用いて、予約サーバ200、商品管理サーバ600、および端末100等の他の装置との間で情報を送受信する。他の装置との間の情報の送受信は、中継器(
図4の中継器350等)を介して実現されてもよい。プロセッサ301は、たとえば、少なくとも1つのCPUによって実現される。
【0070】
記憶装置305は、たとえば、ハードディスク、SSD等によって実現されるが、これに限定されない。記憶装置305は、プログラム格納領域360とデータ格納領域270とを含む。プログラム格納領域360は、プロセッサ301によって実行されるプログラムを非一時的に格納する。プロセッサ301によって実行されるプログラムは、機内サーバ300の本体に対して着脱可能なまたは離間した記録媒体に格納されていてもよい。記憶装置305は、プロセッサ301のプログラムの実行における作業領域として機能するRAMを含む。データ格納領域370は、後述される乗客リストなどの、種々のデータを格納する。
【0071】
機内サーバ300は、航空機に対して着脱可能に構成されてもよい。たとえば、予約サーバ200および/または商品管理サーバ600との通信の一部が実行される際には、機内サーバ300は、航空機の外に配置され、電話回線に有線で接続されていてもよい。この意味において、機内サーバ300は、航空機に装着されているか否かを検出するためのセンサを備えていても良い。
【0072】
(チェックイン機400)
図9は、チェックイン機400のハードウェア構成の一例を示す図である。
図9に示されるように、チェックイン機400は、プロセッサ401と、通信インターフェース403と、記憶装置405とを含む。プロセッサ401は、通信インターフェース403を用いて、予約サーバ200等の他の装置との間で情報を送受信する。プロセッサ401は、たとえば、少なくとも1つのCPUによって実現される。
【0073】
記憶装置405は、たとえば、ハードディスク、SSD等によって実現されるが、これに限定されない。記憶装置405は、プログラム格納領域360とデータ格納領域270とを含む。プログラム格納領域360は、プロセッサ401によって実行されるプログラムを非一時的に格納する。プロセッサ401によって実行されるプログラムは、チェックイン機400の本体に対して着脱可能なまたは離間した記録媒体に格納されていてもよい。
【0074】
図3を参照して説明されたように、チェックイン機400は、タッチモニタ440と、搭乗券プリンタ432と、二次元コードスキャナ433とを含む。タッチモニタ440は、タッチパネル441とディスプレイ442とを含む。タッチパネル441は、静電容量式タッチセンサなどのいかなるタッチセンサによっても実現され得る。ディスプレイ442は、タッチパネル441に重ねられて構成され、液晶ディスプレイおよび/または有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイなどのいかなるディスプレイによっても実現され得る。
【0075】
搭乗券プリンタ432は、記録用紙に情報を印刷し、当該記録用紙を搭乗券として出力する。二次元コードスキャナ433は、読み取った画像をプロセッサ401に向けて出力する。
【0076】
[3.データ構造]
次に
図10~
図17のそれぞれを参照して、コンテンツ提供システムにおいて利用される情報のデータ構成例を説明する。
【0077】
(予約情報)
図10は、予約情報のデータ構成の一例を示す図である。予約情報は、たとえば予約サーバ200のデータ格納領域270に格納される。
【0078】
図10に示されるように、予約情報は、日付、便名、乗客情報、乗客属性、および、予約属性を含む。日付は、フライトの日付を表す。便名は、フライトの便名を表す。
【0079】
乗客情報は、予約に係る乗客を特定するための情報であり、4項目(氏名、予約番号、座席番号、および、メールアドレス)のデータを含む。座席番号は、乗客のチェックインまで設定されない場合がある。
図10の例では、氏名「Hong GILDONG」で特定される乗客については、未だ座席番号が設定されていない。
【0080】
乗客属性は、予約に係る乗客の特性を表す情報であり、5項目(年齢、性別、国籍、使言語、および、会員種別)のデータを含む。乗客属性の各項目は、予約時に取得されてもよいし、予め登録された情報から抽出されてもよい。
【0081】
使用言語は、ユーザが使用する言語を表す。
図10の例では、「JP」は日本語を表し、「EN」は英語を表し、「KR」は韓国語を表す。一実現例では、各ユーザは、メールアドレスとともに、使用言語を航空会社に予め登録している。予約サーバ200のプロセッサ201は、予約情報に含まれるメールアドレスに関連付けられた使用言語を、航空会社のサーバから抽出して予約情報に登録してもよい。メールアドレスの代わりに、航空会社からユーザに付与された会員番号が利用されてもよい。
【0082】
会員種別は、航空会社におけるユーザの会員ステータスを表す。
図10の例では、「S」「A」「B」のそれぞれの文字で示される3種類の会員種別が示されている。一実現例では、航空会社のサーバには、各ユーザについて、メールアドレスとともに当該ユーザに付与された会員ステータスが格納されている。予約サーバ200のプロセッサ201は、予約情報に含まれるメールアドレスに関連付けられた会員ステータスを、航空会社のサーバから抽出して、会員種別として予約情報に登録してもよい。メールアドレスの代わりに、航空会社からユーザに付与された会員番号が利用されてもよい。一実現例では、「S」が最もステータスが高く(ステータスを獲得するための条件が厳しい)その次に「A」が高く、「B」が最も低い。ただし、これは単なる一例である。
【0083】
予約属性は、予約に関する属性を表し、3項目(運賃タイプ、予約クラス、航空券種類)のデータを含む。
【0084】
運賃タイプは、航空券の予約に係る運賃のタイプを表す。同じフライトの同じ座席に対して、キャンセル条件の違いなどによって複数の種類の運賃が設定される場合がある。運賃タイプは、このような運賃の種類を表す。
図10の例では、「Simple」「Value」の2種類の運賃タイプが示されている。一実現例では、「Simple」は、「Value」よりキャンセル条件が厳しいが、安い運賃に対応する。ただし、これは単なる一例である。
【0085】
予約クラスは、座席の種類を表す。一実現例では、座席の種類は、ファーストクラス、ビジネスクラス、および、エコノミークラスを含む。
図10の例では、「B」はビジネスクラスを表し、「E」はエコノミークラスを表す。
【0086】
航空券種類は、対象となるフライトの航空券が、片道の航空券として購入されたか、往復の航空券として購入されたかを表す。
【0087】
(乗客リスト)
図11は、乗客リストのデータ構成の一例を示す図である。乗客リストは、たとえば機内サーバ300の記憶装置305に格納される。
【0088】
乗客リストは、予約情報(
図10)を構成するデータのうち、機内サーバ300が搭載されるフライト(たとえば、日付と便名で特定される)に対応するデータを含む。すなわち、予約情報から、機内サーバ300が搭載されるフライトに対応する部分が抽出されて、乗客リストが生成される。なお、
図10と比較して、
図11では、氏名「Taro YAMADA」で特定される乗客について座席番号「8C」が追加されている。このことは、搭乗券の予約の後、この乗客に座席番号が割り当てられたことを意味する。
【0089】
(食品用商品情報)
図12は、食品用商品情報のデータ構成の一例を示す図である。食品用商品情報は、たとえば機内サーバ300の記憶装置305に格納される。
【0090】
食品用商品情報は、5項目(商品ID、商品名、属性、価格、および残数)のデータを含む。商品IDは、各商品に割り振られたIDを表す。商品名は、商品の名称を表す。
【0091】
属性は、商品の属性を表す。一実現例では、属性として以下の6種類が想定される。
・食事(メイン)
・食事(スナック)
・食事(スイーツ)
・ドリンク(冷)
・ドリンク(温)
・ドリンク(アルコール)
価格は、商品の価格を表す。残数は、販売可能な商品の数量を表す。
【0092】
図12の例では、商品ID「00100」は、商品名「鯖カレー」、属性「食事(メイン)」、価格「800円」、および、残数「20」に関連付けられている。商品ID「00200」は、商品名「プレミアム紅茶」、属性「ドリンク(温)」、価格「200円」、および、残数「100」に関連付けられている。
【0093】
(コンテンツ用商品情報)
図13は、コンテンツ用商品情報のデータ構成の一例を示す図である。コンテンツ用商品情報は、たとえば機内サーバ300の記憶装置305に格納される。
【0094】
コンテンツ用商品情報は、4項目(商品ID、タイトル、属性、および価格)を含む。商品IDは、各コンテンツに割り振られたIDを表す。タイトルは、コンテンツの名称を表す。
【0095】
属性は、コンテンツの属性(ジャンル)を表す。一実現例では、属性として以下の6種類が想定される。
【0096】
・ノンフィクション
・サスペンス
・コメディ
・ラブロマンス
・トラベル
・その他
価格は、各コンテンツを視聴するための価格を表す。
【0097】
図13の例では、商品ID「10100」は、タイトル「映画(1)」、属性「トラベル」、および、価格「200円」に関連付けられている。商品ID「10101」は、タイトル「映画(2)」、属性「コメディ」、および、価格「100円」に関連付けられている。なお、コンテンツが無料で配信される場合もあり得る。また、すべてのコンテンツが無料で配信される場合には、コンテンツ用商品情報は、項目「価格」を含まなくても良い。
【0098】
(広告情報)
図14は、広告情報のデータ構成の一例を示す図である。広告時報は、たとえば機内サーバ300の記憶装置305に格納される。
【0099】
広告情報は、4項目(広告ID、ファイル名、広告主、およびターゲット)のデータを含む。広告IDは、各広告に割り振られたIDを表す。ファイル名は、広告を規定するファイル(動画ファイル、音声ファイル、など)の名称を表す。各広告のファイルは、たとえば機内サーバ300の記憶装置305に格納される。広告主は、広告の広告主を表す。
【0100】
図14の例では、広告ID「広告A」で特定される広告は、ファイル名「AAA.mp4」が再生されることによって提供され、広告主「X社」に関連付けられている。広告ID「広告B」で特定される広告は、ファイル名「BBB.mp4」が再生されることによって提供され、広告主「Y社」に関連付けられている。
【0101】
ターゲットは、各広告がターゲットとする、乗客の特性(乗客属性、予約属性)および商品の属性を表す。値「all」は、値「all」を持つ項目について広告が制限を受けないことを表す。
【0102】
たとえば、広告ID「広告A」で特定される広告のターゲットは、年齢が20歳から49歳であり、性別が女性であり、国籍が日本であり、使用言語が日本語(JP)である乗客である。ターゲットにおけるそれ以外の項目(会員種別、運賃タイプ、予約クラス、航空券種別、および、商品属性)の値が「all」であるため、「広告A」は、年齢、性別、および、国籍の条件を満たす全ての乗客に提供され得る。「広告A」は、単なる一例ではあるが、たとえば、日本の女性に向けた化粧品の広告が想定される。
【0103】
広告ID「広告B」で特定される広告のターゲットは、年齢が20歳から29歳であり、性別が男性であり、国籍が韓国であり、使用言語が韓国語(KR)または英語(EN)であり、会員種別がBであり、予約クラスがEであり、航空券種別が片道であり、商品属性がトラベルである乗客である。「広告B」は、単なる一例ではあるが、たとえば、旅行に興味のある若者に向けられた広告であって、航空会社によるフライトの利用の増加により航空会社におけるステータスの向上を促進する、韓国語または英語で作成された広告が想定される。
【0104】
(広告主情報)
図15は、広告主情報のデータ構成の一例を示す図である。広告主情報は、たとえば機内サーバ300の記憶装置305に格納される。
【0105】
広告主情報は、各広告主へのリポートの送信先(メールアドレス)を規定する。
図15の例では、X社へのリポート送信先としてメールアドレス「x@ad.com」が規定され、Y社へのリポート送信先としてメールアドレス「y@ad.co.jp」が規定されている。
【0106】
(配信実績)
図16は、配信実績のデータ構成の一例を示す図である。配信実績は、たとえば機内サーバ300の記憶装置305に格納される。
【0107】
配信実績は、各広告が配信された実績を表す。配信実績は、7項目(広告ID、送信日時、広告主、乗客属性、予約属性、関連商品、および、詳細情報リクエスト)を含む。
【0108】
広告IDは、各広告を識別する。送信日時は、各広告が端末100に向けて送信された日時を表す。広告主は、各広告の広告主を特定する。乗客情報および予約属性は、各広告が送信された端末100に関連付けられた乗客の特性を表す。
【0109】
関連商品は、各広告がどの商品の購入に関連付けられて端末100に向けて送信されたかを表す。なお、広告が商品の購入に関連無く端末100に向けて送信された場合には、関連商品の欄には値が登録されない。
【0110】
詳細情報リクエストは、広告が提供されたときに、端末100から当該広告に関連した追加的な情報のリクエストに関連する情報を表す。一実現例では、端末100からのリクエストは端末100のユーザ(乗客)のメールアドレスを含み、詳細情報リクエストとして、当該メールアドレスが登録される。
【0111】
図16の例では、X社が広告主である広告Aが、2019年4月27日の8時01分に、ある乗客の端末100に向けて送信された。当該乗客は、22歳の女性であり、国籍は日本であり、使用言語は日本語(JP)であり、会員種別はBである。この乗客は、運賃タイプ「Simple」の往復航空券として、対象となるフライトの搭乗券を購入した。当該搭乗券の予約クラスはEであった。この乗客には、当該乗客が商品「プレミアム紅茶」を購入したことに応じて広告Aが提供された。この乗客は、広告Aについて追加的な情報をリクエストし、追加的な情報の送信先としてメールアドレス「pp@pp.co.jp」を機内サーバ300に提供した。
【0112】
(フライト情報)
図17は、フライト情報のデータ構成の一例を示す図である。フライト情報は、たとえば機内サーバ300の記憶装置305に格納される。
【0113】
フライト情報は、フライトにおけるイベントを当該イベントの発生時刻に関連付ける。フライト情報は、客室乗務員が所与の入力装置を利用して機内サーバ300にイベントおよびその発生時刻を登録することによって生成されてもよいし、機内サーバ300が所与の情報処理装置から情報を受信することによって生成されてもよい。
【0114】
図17の例は、2019年4月27日のフライトにおいて、6時45分に乗客の搭乗が開始され、7時00分に全乗客の搭乗の完了によりドアが閉じられ(ドアクローズ)、7時05分に航空機が離陸し、9時10分に航空機が目的地の空港に着陸し、9時20分にドアが開けられて乗客の降機が開始されたことを表す。
【0115】
広告主は、配信実績に加えてフライト情報を提供されることにより、広告が、航空機がどのような状態にあるときに乗客に向けて送信されたかを認識することができる。
【0116】
[4.処理の流れ]
次に、コンテンツ提供システム内の4つの処理(「フライト予約処理」「準備処理」「機内販売処理」「リポート送信処理」)について、
図18~
図25を参照して説明する。
【0117】
(フライト予約処理)
図18は、フライト予約処理のフローチャートである。フライト予約処理は、
図1の(1)~(2)に関連する処理である。一実現例では、フライト予約処理は、予約サーバ200のプロセッサ201が所与のプログラムを実行することによって実現される。フライト予約処理は、予約情報として登録される情報を受け付けるため処理である。
【0118】
ステップS100にて、予約サーバ200は、端末100においてフライトの予約に必要な情報(たとえば、乗客の氏名、メールアドレス、日付、および、便名)が入力されたか否かを判断する。予約サーバ200は、当該情報が入力されていないと判断すると(ステップS100にてNO)、一定時間待機し、ステップS100の処理を再び実行し、当該情報がされたと判断すると(ステップS100にてYES)、ステップS102へ制御を進める。
【0119】
ステップS102にて、予約サーバ200は、入力された情報を予約情報(
図10)に登録する。なお、予約サーバ200は、公知の技術に従って空席情報を参照し、入力された情報に対応するフライト予約が可能であることを条件として、入力された情報を予約情報に登録する。また、予約サーバ200は、当該フライト予約に係る決済が確定したこと条件として、入力された情報を予約情報に登録してもよい。
【0120】
ステップS104にて、予約サーバ200は、ステップS102において受信した情報に従って登録した予約に、新たな予約番号を割り当て、当該予約番号を予約情報に登録し、そして、当該予約情報を端末100に送信する。その後、予約サーバ200は
図18の処理を終了する。
【0121】
フライト予約処理は、端末100に格納された予約用のアプリケーションの処理として実現されることもあり得る。この場合、端末100は、予約サーバ200に対して、ステップS102において予約情報に必要な情報を送信する。これに応じて、予約サーバ200は、端末100から送信された情報を予約情報に登録する。
【0122】
(準備処理)
図19は、準備処理のフローチャートである。準備処理は、
図1の(3)~(4C)に関連する処理である。一実現例では、準備処理は、機内サーバ300のプロセッサ301が所与のプログラムを実行することによって実現される。
【0123】
ステップS200にて、機内サーバ300は、予約サーバ200から、機内サーバ300が搭載されるフライトに対応する部分の予約情報をダウンロードする。機内サーバ300は、ダウンロードした予約情報を乗客リスト(
図11)として記憶装置305に格納する。予約情報のダウンロード、および、後述する商品情報、コンテンツ、および、広告のダウンロードは、無線通信で行われてもよいし、有線通信で行われてもよい。
【0124】
ステップS202にて、機内サーバ300は、商品管理サーバ600から、商品情報をダウンロードする。機内サーバ300は、ダウンロードした商品情報を食品用商品情報(
図12)として記憶装置305に格納する。なお、機内で販売される実際の商品は、別途、機内に搬入される。また、機内で販売される商品は食品に限定されず、食品用商品情報の代わりに、あらゆるタイプの商品に関する情報を含む商品情報が、ダウンロードされ、記憶装置305に格納され得る。
【0125】
ステップS204にて、機内サーバ300は、コンテンツサーバ700から、コンテンツをダウンロードする。機内サーバ300は、ダウンロードしたコンテンツを記憶装置305に格納する。また、機内サーバ300は、ダウンロードしたコンテンツについて、コンテンツ用商品情報(
図13)を生成し、記憶装置305に格納する。
【0126】
機内サーバ300は、乗客の属性に応じて、コンテンツサーバ700からダウンロードするコンテンツの種類を選択してもよい。たとえば、機内サーバ300は、当該機内サーバ300が搭載されるフライトの乗客の使用言語で作成されたコンテンツを選択してもよい。なお、コンテンツのダウンロードは、フライトごとに実行される必要はない。
【0127】
ステップS206にて、機内サーバ300は、広告サーバ800から、広告をダウンロードする。機内サーバ300は、ダウンロードした広告を記憶装置305に格納する。また、機内サーバ300は、ダウンロードした広告について、広告情報(
図14)を生成し、記憶装置305に格納する。その後、機内サーバ300は、
図19の処理を終了する。
【0128】
機内サーバ300は、乗客の属性、機内で販売される商品の種類、および/または、機内サーバ300にダウンロードされたコンテンツの種類に応じて、広告サーバ800からダウンロードする広告の種類を選択してもよい。たとえば、機内サーバ300は、当該機内サーバ300が搭載されるフライトの乗客の使用言語で作成された広告を選択してもよい。また、機内サーバ300は、機内サーバ300にダウンロードされたコンテンツの続編のコンテンツを紹介する広告を選択してもよい。なお、広告のダウンロードは、フライトごとに実行される必要はない。
【0129】
(機内販売処理)
図20~
図24を参照して、機内販売処理について説明する。
【0130】
図20は、端末100に表示される注文用画面の一例を示す図である。
図21は、端末100に表示される注文用画面の他の例を示す図である。
図22は、機内販売処理のフローチャートである。機内販売処理は、
図1の(9)~(13)に関連する処理である。一実現例では、機内サーバ300は、プロセッサ301に所与のプログラムを実行させることにより、機内販売処理を実現する。一実現例では、機内販売処理は、端末100から商品の購入の意思表示を受信したことに応じて開始される。
【0131】
より具体的には、ユーザ900は、端末100を用いて機内サーバ300にアクセスすると、端末100は機内用ホームページを表示する。ユーザ900が当該機内用ホームページにおいて商品の購入を選択すると、機内サーバ300は、端末100に、注文用画面を表示させる。
【0132】
図20の注文用画面2000は、機内食の一例である鯖カレーを購入するための画面である。注文用画面2000は、商品名を表示する欄2001と、商品の数量を表示する欄2003と、商品の購入を確定させるボタン2005とを含む。機内販売処理は、端末100から機内サーバ300へ、ボタン2005を操作されたことを表す情報が送信されたことに応じて開始されてもよい。
【0133】
図21の注文用画面2100は、コンテンツの一例であるタイトル「映画(1)」のコンテンツを購入するための画面である。注文用画面2100は、コンテンツの購入を確定させるボタン2101を含む。機内販売処理は、端末100から機内サーバ300へ、ボタン2101を操作されたことを表す情報が送信されたことに応じて開始されてもよい。
【0134】
図22を参照して、ステップS300にて、機内サーバ300は、端末100から、ボタン2005またはボタン2101に対応する注文を取得する。ボタン2005に対応する注文は画面2000に表示された商品の注文を意味し、ボタン2101に対応する注文は画面2100に表示されたコンテンツの注文を意味する。
【0135】
ステップS302にて、機内サーバ300は、端末100に対して、認証用の情報を要求する。当該要求に応じて、端末100は、ユーザ900に認証用の情報の入力を要求する画面を表示する。
【0136】
図23は、認証用の情報の入力を要求する画面の一例を示す図である。
図23の画面2300は、領域2301と領域2302とを含む。領域2301は、認証用の情報の入力を受け付ける。認証用の情報は、予約番号とメールアドレスとを含む。予約番号は搭乗券に記載されているため、ユーザ900は、搭乗券を参照することにより、領域2301に予約番号を入力できる。領域2303は、購入される商品の商品名および金額を表示する。
図23の例では、画面2300は、画面2000によって注文される商品の商品名およ金額を表示する。コンテンツが購入される場合には、注文されるコンテンツのタイトルと金額が表示される。
【0137】
なお、領域2301に認証用の情報として入力される情報の種類は、上記のものに限定されない。乗客を特定する情報であれば、乗客の氏名および/または座席番号であってもよい。
【0138】
画面2300は、送信ボタン2305を含む。送信ボタン2305がタッチされたことに応じて、端末100は、領域1601に認証用の情報を機内サーバ300へ送信する。
【0139】
搭乗券において認証用の情報がQRコードなどのコードで印刷されている場合、端末100は、当該コードの画像を解析することによって、領域2301に入力するべき情報を取得し得る。この場合、ユーザは、画面2300の領域2301に認証用の情報を入力する代わりに、端末100のカメラ109で上記コードを撮影すればよい。
【0140】
図22に戻って、ステップS304にて、プロセッサ301は、端末100から送信される認証用の情報を取得する。
【0141】
ステップS306にて、機内サーバ300は、ステップS220にて取得された認証用の情報が正しいものであるか否かを判断する。一実現例では、機内サーバ300は、ステップS304にて取得された認証用の情報(予約番号とメールアドレスとの組合せ)が、乗客情報に登録されている情報と一致する場合に正しいと判断し、一致しない場合に正しくないと判断する。プロセッサ301は、ステップS304にて取得された認証用の情報が正しいと判断するとステップS306へ制御を進め(ステップS304にてYES)、そうでなければステップS312へ制御を進める(ステップS304にてNO)。
【0142】
注文の対象が食品である場合、ステップS308にて、機内サーバ300は、食品用商品情報における当該食品の情報を更新する。たとえば、商品「鯖カレー」が数量1だけ購入されると、食品用商品情報(
図12)における商品「鯖カレー」の残数が1減算更新される。注文の対象がコンテンツである場合、ステップS308の制御は省略され得る。
【0143】
機内サーバ300は、ステップS308における食品用商品情報の更新とともに、乗客に商品を提供するための制御を実施しても良い。この制御の一例は、客室乗務員が視認可能なディスプレイに、乗客に商品の提供を指示する情報を表示することである。一実現例では、当該表示は、メッセージ「座席番号『23F』のお客様へ、商品『鯖カレー』を数量『1』提供してください。」を含む。ステップS308では、機内サーバ300は、さらに商品についての決済を実行してもよい。
【0144】
ステップS312にて、機内サーバ300は、端末100に向けてエラーメッセージを出力して、
図22の機内販売処理を終了する。端末100では、たとえば、「入力された認証用の情報が正しくありません。お手数ですが、もう一度はじめからやり直してください。」等のメッセージが表示される。
【0145】
ステップS314にて、機内サーバ300は、商品を購入した乗客に送信される広告を特定する。広告の特定方法については、後述される。
【0146】
購入された商品がコンテンツである場合、ステップS316にて、機内サーバ300は、乗客の端末100に向けてコンテンツを送信する。送信されるコンテンツが有料である場合、機内サーバ300は送信されるコンテンツについてさらに決済を実行してもよい。購入された商品が食品などの有体物である場合、ステップS316の制御は省略され得る。
【0147】
ステップS318にて、機内サーバ300は、ステップS314において特定された広告を端末100に向けて送信する。
【0148】
図24は、端末100における広告の表示画面の一例を示す図である。
図24の画面2400は、表示欄2401,2403およびボタン2405を含む。表示欄2401は広告の画像部分を表示し、表示欄2403は広告の文字部分を表示する。広告は音声を含んで居ても良い。ボタン2405は、広告の内容に関する追加的な情報を要求するために操作される。ボタン2405を操作されると、端末100は、機内サーバ300に向けて、追加的な情報のリクエストを送信する。
【0149】
端末100において広告が再生されるタイミングは、適宜設定され得る。たとえば、購入された商品が食品である場合、決済の完了に応じて、決済完了の通知画面上、または、決済完了の通知画面の表示の後に、広告が再生されてもよい。なお、広告が再生されるタイミングについても、乗客の特性に応じて決定されてもよい。たとえば、単なる一例ではあるが、機内サーバ300は、広告を、乗客の年齢が30歳未満である場合には購入されたコンテンツの再生前に(または、プリロールで)、乗客の年齢が30際以上50歳未満である場合には購入されたコンテンツの再生途中で(または、ミッドロールで)、乗客の年齢が50歳以上である場合には購入されたコンテンツの再生後に(または、エンドロールで)、再生してもよい。また、ステップS306において認証用の情報が正しいと判断されたことに応じて、広告が再生されてもよい。購入された商品がコンテンツである場合、広告の再生は、決済の完了の通知画面の表示の後または当該画面の表示と同時であってもよいし、購入されたコンテンツの再生後であってもよい。
【0150】
図22に戻って、ステップS320にて、機内サーバ300は、ステップS318における広告の送信に基づいて、配信実績(
図16)を更新する。
【0151】
ステップS322にて、機内サーバ300は、端末100から追加的な情報のリクエストを受信したか否かを判断する。端末100は、たとえば
図24のボタン2405を操作されたことに応じて、機内サーバ300に向けて追加的な情報のリクエストを送信する。
【0152】
機内サーバ300は、追加的な情報のリクエストを受信したと判断するとステップS324へ制御を進め(ステップS322にてYES)、そうでなければ
図22の処理を終了する(ステップS322にてNO)。
【0153】
ステップS324にて、機内サーバ300は、配信実績(
図16)において、送信された広告について、追加情報リクエストの欄に、広告の送信先である端末100に対応する乗客の連絡先(たとえば、乗客リスト(
図11)のメールアドレス)を登録する。その後、機内サーバ300は
図22の処理を終了する。連絡先は、乗客(ユーザ)に個別に情報を送信できる通信手段を提供する情報であれば、メールアドレスに限定されない。乗客の電話番号であってもよいし、SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)における乗客のアカウントであってもよい。
【0154】
ここで、ステップS314における広告の特定方法について説明する。
広告は、商品を購入した乗客の特性(乗客属性および/または予約属性)に基づいて特定される。一実現例では、機内サーバ300は、広告情報(
図14)を参照して、商品を購入した乗客の特性がターゲットに合致する広告を、当該乗客に送信する広告として特定する。これにより、乗客に対し、乗客の年齢、性別、国籍、使用言語、および/もしくは、会員種別、ならびに/または、当該乗客が搭乗券を予約(購入)した運賃タイプ、予約クラス、および/もしくは、航空券種別に応じた広告が提供される。
【0155】
たとえば、乗客が使用する言語で作成された広告が送信されてもよい。これにより、広告の内容がより確実に乗客によって理解される。
【0156】
乗客の航空会社における会員ステータスが高い場合、当該乗客は当該航空会社に愛着があることが推定される。したがって、このような場合、当該乗客には当該航空会社のノベルティ商品の広告が提供され得る。一方、乗客の会員ステータスが低い場合、当該乗客には、当該航空会社のノベルティ商品以外の商品の広告が提供され得る。また、乗客が搭乗券を購入した運賃タイプに基づいて導出される商品の広告が提供されてもよい。より具体的には、搭乗券が購入された運賃タイプごとの、ユーザの商品購入の傾向を表す情報が準備されている場合、商品サーバ300は、当該情報と当該乗客が搭乗券を購入した運賃タイプとに基づいて、当該乗客がしそうな商品を導出し、当該乗客に当該商品の広告を提供してもよい。
【0157】
乗客が片道で搭乗券を購入した場合には、到着地の生活に密着した施設(スーパーマーケットなど)の広告が提供され得る。一方、乗客が往復で搭乗券を購入した場合には、到着地の観光に関連した施設(遊園地や水族館など)の広告が提供され得る。
【0158】
広告は、購入された商品の属性に基づいて特定されてもよい。たとえば、購入された商品の属性がドリンク(温)である場合、新作のコーヒーおよび/または紅茶などの温かい飲み物の広告が提供され得る。
【0159】
図14の広告情報では、ターゲットは乗客の特性(乗客属性、予約属性)と商品属性とを含むが、広告の選択には少なくとも乗客の特性が含まれればよい。また、広告の選択には、乗客の特性のすべての項目(年齢、性別、国籍、使用言語、会員種別、運賃タイプ、予約クラス、および、航空券種別)が利用される必要はなく、少なくとも1つの項目が利用されればよい。
【0160】
(リポート送信処理)
図25は、リポート送信処理のフローチャートである。リポート送信処理は、
図1の(14)に関連する処理である。一実現例では、リポート送信処理は、機内サーバ300のプロセッサ301が所与のプログラムを実行することによって実現される。
【0161】
ステップS500にて、機内サーバ300は、広告主毎に、配信実績(
図16)に登録された情報を抽出する。
【0162】
ステップS502にて、機内サーバ300は、各広告主に、ステップS500にて抽出された情報(各広告主についての配信実績)を送信して、
図25の処理を終了する。
【0163】
機内サーバ300は、対象となるフライトについてフライト情報(
図17)を生成してもよく、ステップS502では、各広告主に、配信実績とともにフライト情報を送信してもよい。配信実績では、広告が端末100に送信されるたびに、その時刻が送信日時として登録される。フライト情報から、広告が送信された時刻に対応する航空機の状態が特定され得る。したがって、フライト情報は、広告が乗客に向けて送信されたタイミングにおける航空機の状態を特定するための情報の一例である。なお、配信実績において、送信日時の登録の代わりに、または、送信日時の登録に加えて、広告が送信された時刻における航空機の状態(搭乗開始後ドアクローズ前、ドアクローズ後離陸前、飛行中、着陸後ドアオープン前、等)が登録されてもよい。このように登録された情報は、広告が乗客に向けて送信されたタイミングにおける航空機の状態を特定するための情報の他の例である。
【0164】
図25の処理によれば、広告主は、自社の広告がどのようなユーザ(乗客)に送信されたかを表す情報を取得し得る。
【0165】
配信実績は、追加情報リクエストとして、広告が送信されたユーザの連絡先を含む場合がある。このような場合、広告主は、ユーザの連絡先に、広告に関する追加の情報を送信することができる。なお、機内サーバ300は、あるユーザの端末100にある広告を送信した場合、配信実績に、当該広告について、当該ユーザからの特段のリクエスト無しに、当該乗客の連絡先を登録してもよい。すなわち、ステップS324における追加情報リクエストの欄への乗客の連絡先の登録は、ステップS322におけるYESの判断を必要としなくてもよい。これにより、ユーザが、ボタン2405(画面2400)を操作しなくても、広告主は、当該広告主の広告が送信されたユーザの連絡先を取得し得る。
【0166】
ここで、乗客からの特段のリクエスト無しに当該乗客の連絡先を登録するために、機内サーバ300は、事前に当該乗客からの同意を得ることを必要としてもよい。同意は、乗客からの専用のアクションを必要としてもよい。専用のアクションとは、たとえば、端末100に表示された同意を確認する画面の中のOKボタンをクリックすることである。同意は、専用のアクションを必要とせず、乗客が他の特定のアクションを実行したことによって成立してもよい。他の特定のアクションとは、たとえば、機内用のホームページにおいて同意するメッセージが表示された後、商品の購入用のページまたはコンテンツ閲覧用のページのリンクをクリックすることである。
【0167】
配信実績は広告が送信された時刻を含むため、配信実績と共にフライト情報を取得した場合、広告主は、航空機がどのような状態にあるときに自社の広告がどのようなユーザに送信されたかを表す情報を取得し得る。たとえば、広告主は、ある広告が航空機がどのような状態(たとえば、ドアクローズから離陸までの間、など)にあるときに多く視聴されるのかという情報を取得することができる。
【0168】
以上説明された本実施の形態では、購入された商品がコンテンツである場合、当該商品の購入に伴って送信される広告は、当該コンテンツの続編のコンテンツの広告であってもよい。すなわち、広告Aはドラマ(X)の続編のコンテンツの広告であってもよく、広告情報(
図14)において、広告Aの商品属性としてドラマ(X)を指定する情報が登録されていてもよい。これにより、追加情報リクエストを取得した広告主は、ユーザの連絡先に向けて、追加情報として、ドラマ(X)の続編のコンテンツの広告を送信し得る。ユーザは、航空機内で視聴したドラマの続編について、航空機を降機した後にもさらに広告を受けることになる。
【0169】
購入された商品がコンテンツである場合、当該商品の購入に伴って送信される広告は、当該コンテンツ自体の広告であってもよい。すなわち、購入されたコンテンツがドラマ(X)である場合、広告Aはドラマ(X)のコンテンツの広告であってもよく、広告情報(
図14)において、広告Aの商品属性としてドラマ(X)を指定する情報が登録されていてもよい。これにより、追加情報リクエストを取得した広告主は、ユーザの連絡先に向けて、追加情報として、ドラマ(X)の広告を送信し得る。ユーザは、航空機内で視聴したドラマ(X)について、航空機を降機した後にもさらに広告を受けることになり、航空機内で視聴した部分の続きを降機後に視聴することを促進され得る。
【0170】
航空機内で閲覧されるコンテンツは無料であってもよい。機内サーバ300は、あるユーザが機内用のホームページにおいてサイクリングに関連するページを閲覧した場合、機内で当該ユーザの端末100にサイクリングに関連する広告を送信し、さらに、当該広告の広告主に当該ユーザの連絡先を配信実績として提供し得る。これにより、広告主は、当該ユーザに、サイクリング施設のクーポンなどの追加情報を送信し得る。なお、この場合、広告情報(
図14)では、サイクリングに関連するサイトに、サイクリングに関連する広告が関連付けられている。
【0171】
機内サーバ300が、降機後のユーザに追加情報としてさらなる広告を送信してもよい。一実現例では、機内サーバ300は、機内では(飛行中は)、端末100上で動作するウェブブラウザーに向けて広告を送信し、ユーザの降機後は(地上では)、端末100のユーザの連絡先(メールアドレス、SNSのアカウント、等)に向けて追加情報を送信してもよい。すなわち、降機後のユーザに追加情報を送信する主体は、機内サーバ300であってもよい。これにより、機内サーバ300は、広告主に配信実績(ユーザの連絡先を含む)を送信することなく、降機後のユーザに追加情報を提供し得る。
【0172】
また、機内サーバ300は、他の情報処理装置に配信実績を送信してもよく、当該他の情報処理装置が、降機後のユーザに追加情報としてさらなる広告を送信してもよい。
図26は、コンテンツ提供システムの構成の変形例を示す図である。
図26において、上記他の情報処理装置は、サポートサーバ390として示される。サポートサーバ390は、たとえば汎用のコンピュータによって実現される。
図26の例では、機内サーバ300は、「(14)レポート送信」としてサポートサーバ390にのみ配信実績を送信するように記載されているが、サポートサーバ390と広告サーバ800の双方に配信実績を送信してもよい。
【0173】
機内サーバ300およびサポートサーバ390の双方が航空会社によって管理される場合、航空会社は、広告主に配信実績を送信することなく、降機後のユーザに追加情報を提供し得る。この場合、サポートサーバ390と機内サーバ300とによって、コンテンツ提供システムが実現される。サポートサーバ390は第1のコンピュータの一例であり、機内サーバ300は第2のコンピュータの一例である。
【0174】
機内サーバ300は、たとえば端末100上で動作するウェブブラウザーに向けて広告を送信することによって、端末100に向けて広告を送信する。このような広告の送信は、機内サーバ300がメールサーバなどの外部のサーバと通信できない状況でも可能であり、航空機内でも可能である。
【0175】
サポートサーバ390は、たとえば乗客のメールアドレスおよび/またはSNSのアカウントに向けてさらなる広告を送信することにより、乗客の連絡先に向けて追加の情報を送信する。サポートサーバ390は、メールサーバなどの外部のサーバと通信することにより、乗客の連絡先に向けて追加の情報を送信する。
【0176】
サポートサーバ390に送信される配信実績には乗客の連絡先の代わりに乗客を特定する情報(メールアドレス、予約番号、航空会社における会員番号、等)が含まれていても良い。サポートサーバ390は、当該情報に対応する連絡先を予約情報または乗客リストを参照することにより取得してもよい。
【0177】
広告は、機内サーバ300が提供可能なコンテンツの広告であってもよい。たとえば、機内サーバ300は、ドラマ(Y)のコンテンツを視聴したユーザに対して、ドラマ(Z)の広告を送信し得る。ユーザは、航空機内で、ドラマ(Y)のコンテンツの視聴終了後、ドラマ(Z)の広告を取得したことにより、ドラマ(Z)のコンテンツを視聴し得る。
【0178】
本実施の形態では、端末100への広告の送信は商品の購入に付随して実行されたが、広告の送信は商品の購入を必須としない。たとえば、機内サーバ300は、端末100が機内用ホームページにアクセスしたときに、認証用の情報(乗客を特定する情報の一例。
図23の領域2301参照。)を要求してもよい。機内サーバ300は、端末100から認証用の情報を受信すると、乗客リスト(
図11)にアクセスすることにより、当該認証用の情報に関連付けられた乗客の特性(乗客属性および/または予約属性)を特定してもよい。そして、機内サーバ300は、広告情報(
図14)にアクセスすることにより、特定された乗客の特性に関連付けられた広告を、端末100に向けて送信する広告として特定する。そして、機内サーバ300は、特定された広告を、端末100に向けて送信する。
【0179】
本実施の形態における「搭乗券」は、紙で出力されなくてもよい。「搭乗券」は、電子的に発行されてもよい。当該搭乗券は、たとえば、航空会社の専用のアプリケーションプログラムによって端末100において表示され得る。
【0180】
今回開示された各実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。また、実施の形態および各変形例において説明された発明は、可能な限り、単独でも、組合わせても、実施することが意図される。
【符号の説明】
【0181】
30 搭乗券、100 端末、300 機内サーバ、350 中継器、400 チェックイン機、600 商品管理サーバ、700 コンテンツサーバ、800 広告サーバ、900 ユーザ、1000 航空機、2000,2100 注文用画面。