(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022063185
(43)【公開日】2022-04-21
(54)【発明の名称】害鳥獣避け具および害鳥獣回避方法
(51)【国際特許分類】
A01M 29/30 20110101AFI20220414BHJP
【FI】
A01M29/30
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020171599
(22)【出願日】2020-10-11
(71)【出願人】
【識別番号】510302179
【氏名又は名称】株式会社マルセイ
(72)【発明者】
【氏名】中村圭介
(72)【発明者】
【氏名】吉田拓也
【テーマコード(参考)】
2B121
【Fターム(参考)】
2B121AA01
2B121AA07
2B121BB26
2B121BB32
2B121EA21
2B121FA13
(57)【要約】 (修正有)
【課題】より安全で十分安価な害鳥獣避け具および害鳥獣回避方法(なるべく線とか面にも対応しやすいもの)を提供する。
【解決手段】害鳥獣の足の一部が入りやすく靴を履いた人の足全体が入りにくい寸法及び形状を有する谷(2次元又は3次元)の中に、剣、針、対象害鳥獣の脚や足が挟まれやすい溝、又は、それらの組合せを備えた害鳥獣避け具。また、設置した製品の天地が設置場所で逆になっても害鳥獣に対する形状が同様である害鳥獣避け具。また、歩留まり95%以上の切り出しが可能な形状を有する害鳥獣避け具。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
害鳥獣の足の一部が入りやすく靴を履いた人の足全体が入りにくい
寸法及び形状
を有する
谷(2次元又は3次元)の中に、
剣、針、対称害鳥獣の脚や足が挟まれやすい溝、又は、それらの組合せ
を備えた害鳥獣避け具。
【請求項2】
設置した製品の天地が設置場所で逆になっても害鳥獣に対する形状が同様である
請求項1に記載の鳥獣避け具。
【請求項3】
主要部品が、板材からの歩留まり95%以上の切り出しが可能な形状を有する
請求項1又は2に記載の害鳥獣避け具。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一項に記載の害鳥獣避け具を用いた害鳥獣回避方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、害鳥獣用避け具および害鳥獣回避方法に関する。
【背景技術】
【0002】
害鳥獣(ハト、ネズミ、クマ、イノシシ等)の被害(糞、農作物の食害、人や家畜・ペットへの危害等)を防止するために、
様々な道具(ワナ、毒物、フェンス、剣山、マキビシ、ロボット、ドローン等)が存在するが、
高価であったり、人がハマったり、人やペットが刺さりがちになったり、人の通行の邪魔になったりしてしまっていた。
とりわけ、忍者が用いたと同様の原理のネズミ用マキビシ(非特許文献)等は、
人がまちがって踏んだり触ったりした際の危険性が高いものであり、
共有したくない動線がネズミやハトよりも人と近いイノシシ、クマ等を避けるためとして、
例えば、野生との好ましい境界線に、
そういったマキビシを用いることが困難であった。
また、ハトやネズミに用いる場合でも、マキビシはトゲがむき出しであり、
高所や狭所等への設置・回収の際や害鳥獣との接触の際に
間違って高所等から落下したり飛び出してきた場合の危険性が高いものであった。
また、マキビシ以外の道具(ワナ、毒物、フェンス、剣山、ロボット、ドローン等)は、
線や面を守るために、より大きなコストがかかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実全昭55-131313
【特許文献2】実用新案登録第3094636号
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】https://gekitai.kwn.ne.jp/10995/
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、より安全で十分安価な害鳥獣避け具および害鳥獣回避方法(なるべく線とか面にも対応しやすいもの)を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
害鳥獣の足の一部が入りやすく靴を履いた人の足全体が入りにくい
寸法及び形状
を有する
谷(2次元又は3次元)の中に、
剣、針、対称害鳥獣の脚や足が挟まれやすい溝、又は、それらの組合せ
を備えた害鳥獣避け具
を提供する(
図1~3)。
前記「寸法」及び「形状」は、対称害鳥獣によって異なるが、
ハトやネズミの場合、概ね寸法5mm~50mmかつ円型又は五稜郭のような星形であり、
イノシシやクマの場合、概ね寸法50mm~200mmかつ楕円状又はN角形(2<N)である。
これにより、靴を履いている場合の人の足の安全性が高めつつ、害鳥獣を忌避することができる。
また、
設置した製品の天地が設置場所で逆になっても害鳥獣に対する形状が同様である
ことが有利である。
また、
歩留まり95%以上の切り出しが可能な形状とすることが経済的にも環境面でも有利である。
その例を
図4、5に示す。
本発明はまた、
このような害鳥獣避け具を用いた害鳥獣回避方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明による害鳥獣避けの第一の実施形態を示す説明図である。人の足の大きさが十分入り込みにくい狭い谷に3本の剣が存在するタイプ(6角折り)である。ハト等にとっては、剣だけでなく、より狭い(=挟まれると痛くなった)谷に挟まれることもリスクになり、避ける効果を高めている。
図1と同様に、金属板からの切断歩留まりがほぼ100%になる板取り切断面(
図4)となっている。一定のスパン(200~300mm程度)を設けているが、より大きなスパン(300mm~3000mm)として設計し、より大きな輪(阿蘇山状の剣山)を構成するようにすることにより、面や線を守りやすくするように構成することもできる。
【
図2】本発明による害鳥獣避けの第二の実施形態を示す説明図である。人の足の大きさが最も入り込みにくい極めて狭い谷に1本の剣が存在するタイプ(8角折り)である。ハト等にとっては、剣だけでなく、谷に挟まれることもリスクになり、避ける効果を高めている。また、金属板からの切断歩留まりがほぼ100%になる板取り切断面となっている。一定のスパン(200~300mm程度)を設けているが、より大きなスパン(300mm~3000mm)として設計し、より大きな輪(阿蘇山状の剣山)を構成するようにすることにより、面や線を守りやすくするように構成することもできる。
【
図3】本発明による害鳥獣避けの第三の実施形態を示す説明図である。人の足の大きさが十分入り込みにくい狭い谷に3本の剣が存在するタイプ(6角折り)であり、かつ、金属板の切断歩留まりをある程度犠牲にして、現場への磁石止め・ビス止め・クランプ止め・接着剤止めを用意にする円盤底板を備えたものであり、梁等に固定することを容易にしたものである。ハト等にとっては、剣だけでなく、狭い谷に足や脚が挟まれることもリスクになり、避ける効果を高めている。
【
図5】
図1を、クマやイノシシ用などに、杭やワイヤーで固定しやすいようにした別の実施例の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
ハト・ネズミ・イノシシ・クマをはじめとする害鳥獣が通る屋根の梁、穴の入口、フェンスの隙間、森林と畑や道路の境界(の森林側)などに、対称動物に適した寸法のものを、守りたい点・線・面に応じた適当な数だけ配置する。
図5のクマ用のものは、クマが飛び越えにくいようにギザギザ状に配置して頂点を杭で止めるか、又は、穴にワイヤーをとおして数珠繋ぎにして線を守備することができる。
【符号の説明】
【0009】
1 剣又は針(害鳥獣が忌避)
2 溝(害鳥獣が挟まりやすいこと忌避しやすい形状・寸法)
3 靴を履いた人に刺さりにくい形状の山の一部
4 溝(害鳥獣が挟まりやすいこと忌避しやすい形状・寸法)
5 靴を履いた人に刺さりにくい寸法の谷(2次元)
6 靴を履いた人に刺さりにくい形状の山
7 輪を固定するための接続部
9 板取りする場合の1スパン
10 板取する場合の1スパン(クマ用)
11 杭やワイヤーを通して固定するための穴