(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022063191
(43)【公開日】2022-04-21
(54)【発明の名称】防災テント幕
(51)【国際特許分類】
E04H 15/02 20060101AFI20220414BHJP
【FI】
E04H15/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2020180019
(22)【出願日】2020-10-09
(71)【出願人】
【識別番号】592105697
【氏名又は名称】岸工業株式会社
(72)【発明者】
【氏名】岸 拓磨
【テーマコード(参考)】
2E141
【Fターム(参考)】
2E141BB01
2E141CC01
2E141EE23
2E141GG03
2E141GG06
2E141GG08
2E141HH01
(57)【要約】
【課題】 従来技術は、生地及びフレームを含み、四方側面及び上面を有するもので、自立式であり、強度的に考えれば、余り大きいものには不向きと思われる。また、気室に空気を注入し膨張させて基部を形成するもので、空気を入れる機具や電気が必要となり、災害時には使用できない場合がある。
【解決手段】 上面を開放した有底箱状のテント本体の少なくとも四隅及び上外周面に固定部を設けてなることを特徴とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面を開放した有底箱状のテント本体の少なくとも四隅及び上外周面に固定部を設けてなることを特徴とする防災テント幕。
【請求項2】
前記テント本体の四方側面の側幕に出入口や窓を設けてなることを特徴とする請求項1記載の防災テント幕。
【請求項3】
前記出入口の下端は、側幕下端より上方に位置させることを特徴とする請求項1又は2記載の防災テント幕。
【請求項4】
前記固定部が、紐であることを特徴とする請求項1、2又は3記載の防災テント幕。
【請求項5】
前記防災テント幕は、一般の屋形テントの各柱や桁に着脱自在に取り付けることを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の防災テント幕。
【請求項6】
前記防災テント幕は、カーポート等に着脱自在に取り付けることを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の防災テント幕。
【請求項7】
前記防災テント幕は、単管をクランプにて立体的に組み立てた柱や桁に着脱自在に取り付けることを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の防災テント幕。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、災害時における既存の屋形テント内に取り付けて使用する防災テント幕に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の技術としては、生地およびフレームを含み、四方側面および上面を有する、折り畳み可能かつ展開可能なテントであって、四方側面および上面のうち少なくともいずれかに引手を備えているものがある。(特許文献1参照)
【0003】
また、別の従来技術として、災害用テントを、環状の気室と、この気室に接合された床布とを少なくとも有する基部と、基部に着脱自在に設けられる天幕と、天幕を支持するための支柱とを備え、床布の接地側、および気室の少なくとも接地側の外側壁を被覆する補強布を備えたものとし、気室に空気を注入し膨張させて基部を形成し、この基部に支柱で支持された天幕を設けて迅速に使用状態とすることができ、また、空気を抜いてコンパクトに折り畳み可能としたものがある。(特許文献2参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2015-218441号公報
【特許文献2】特開2017-25564号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前者従来技術は、生地及びフレームを含み、四方側面及び上面を有するもので、自立式であり、強度的に考えれば、余り大きいものには不向きと思われる。
【0006】
後者従来技術は、気室に空気を注入し膨張させて基部を形成するもので、空気を入れる機具や電気が必要となり、災害時には使用できない場合がある。
【0007】
本発明は、上記の問題点を解決するもので、既存の屋形テントを利用し、この内側に防災テントを取り付けるのみで、災害時に早対応できる防災テントを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記目的を達成するために、上面を開放した有底箱状のテント本体の少なくとも四隅及び上外周面に固定部を設けてなること。前記テント本体の四方側面の側幕に出入口や窓を設けてなること。前記出入口の下端は、側幕下端より上方に位置させること。前記固定部が、紐であること。前記防災テントは、一般の屋形テントの各柱や桁に着脱自在に取り付けること。前記防災テントは、カーポート等に着脱自在に取り付けること。前記防災テントは、単管をクランプにて立体的に組み立てた柱や桁に着脱自在に取り付けることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
1)、一般に使用(保有)されている屋形テントの内側に、有底箱状のテント本体を着脱自在に取り付けることができるため、専用のテントを必要とせず、また、専用の工具も必要とせず、雨や風を防ぎ使用できる。
2)、四方側面の側幕に出入口や窓を設けることにより、快適に使用できる。
3)、出入口の下端を接地面をより適宜上方に位置せることにより、接地面に水が浸入してもテント本体内に水が入ることはない。
4)、固定具を紐にすることにより誰でも簡単に桁や各柱に結んで取り付けることができる。
5)、カーポートの屋根に着脱自在に取り付けられるため、自宅にカーポートがあれば有効である。
6)、単管とクランプにより柱や桁を避難所(建物)内に仮設することにより、プライバシー等を守ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】 本発明の第1実施例を示す防災テント幕の縦断面図。
【
図2】 本発明の第1実施例を示す防災テント幕の平面図。
【
図3】 本発明の第1実施例を示す防災テント幕の第1使用状態図。
【
図4】 本発明の第1実施例を示す防災テント幕の第2使用状態図。
【
図5】 本発明の第1実施例を示す防災テント幕の第3使用状態図。
【発明を実施するための形態】
【実施例0011】
防災テント幕1は、各柱や桁に着脱自在に取り付けるべく、上面を開放KHした底幕2・側幕3―――からなる有底箱状のテント本体4の四角縦方向に紐による柱固定部5―――を設け、テント本体4の上面外周に紐による桁固定部6―――を設けると共に、側幕3にファスナー(3箇所)により開閉する出入口D及び窓Mを設けてある。
【0012】
防災テント幕の第1使用例について説明する。
防災テント幕1は各側幕3を内側に折り畳んだ後、順次内側に折り畳み保管するものであり、災害現場にて開いて使用するもので、防災テント幕1を屋形テントYの隅下面に持って行き、順次開いていき、底幕2を形成する。
つぎに、屋形テントYの各桁Kに対して、外側から桁固定部6―――を結んで固定する。つまり、外側から取付可能であり、テント本体4内に靴を脱いで入ることなく作業を行うことができる。
つづいて、側幕3―――を立設すべく、外側から各柱Hに対して柱固定部5―――を結んで固定する。
【0013】
なお、出入口Dは、夏用にはメッシュシートを使用し、かつ、プライバシーのためのタレシートを付設するものとする。
なお、タレシートは雨天時の出入りの際には降り込み防止となります。
また、窓Mは透明なシートでもよく、夏用にメッシュシートを使用する。
【0014】
防災テント幕の第2使用例について説明する。
防災テント1は、自宅等に並設されるカーポートKPに取り付けたもので、カーポートKPの屋根Yの桁K1に桁固定部6―――を結んで固定する。
また、側幕3―――を立設すべく、内側から各柱H1に対して柱固定部5―――を結んで固定する。
【0015】
防災テント幕の第3使用例について説明する。
単管(φ48.6)T―――とクランプKP―――にて立体的に組み立てた柱H2―――と桁K2―――に柱固定部5―――及び桁固定部6―――を結んで固定する。
【0016】
上記実施例において、材質は一般的なテント生地を使用するものと、特に限定しない。
また、テント本体の大きさ等も、各桁や柱の大きさに合せればよい。
さらに、出入口や窓の数や大きさ等、自由に決めればよい。
さらにまた、各固定部の数や材質等、特に限定しない。
なお、柱に柱固定部5―――は取り付けず、吊式での使用も可能であり、物干竿を利用しての設置も可能である。