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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022063239
(43)【公開日】2022-04-21
(54)【発明の名称】高屈折率材料
(51)【国際特許分類】
   C08F 26/06 20060101AFI20220414BHJP
   C08L 39/04 20060101ALI20220414BHJP
   G02B 1/04 20060101ALI20220414BHJP
   G02B 1/111 20150101ALN20220414BHJP
【FI】
C08F26/06
C08L39/04
G02B1/04
G02B1/111
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021164373
(22)【出願日】2021-10-06
(31)【優先権主張番号】63/089,820
(32)【優先日】2020-10-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TRITON
(71)【出願人】
【識別番号】591016862
【氏名又は名称】ローム アンド ハース エレクトロニック マテリアルズ エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】Rohm and Haas Electronic Materials LLC
(71)【出願人】
【識別番号】509266480
【氏名又は名称】ローム・アンド・ハース・エレクトロニック・マテリアルズ・コリア・リミテッド
(71)【出願人】
【識別番号】519372065
【氏名又は名称】デュポン エレクトロニクス インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000589
【氏名又は名称】特許業務法人センダ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】アナスタシア・パターソン
(72)【発明者】
【氏名】テヤン・ワン
(72)【発明者】
【氏名】ベサニー・エル.・セックマン
(72)【発明者】
【氏名】クリストファー・ディー.・ギルモア
(72)【発明者】
【氏名】ヒジェ・ユン
(72)【発明者】
【氏名】アントン・ディー.・チャベス
(72)【発明者】
【氏名】キャサリン・ムルツァー
(72)【発明者】
【氏名】マイケル・ヘンリー・ハワード・ジュニア
(72)【発明者】
【氏名】ジェフリー・スコット・メス
(72)【発明者】
【氏名】チュヨン・チュン
(72)【発明者】
【氏名】ウンヨン・イ
【テーマコード(参考)】
2K009
4J002
4J100
【Fターム(参考)】
2K009AA02
2K009CC21
4J002BJ001
4J002EU186
4J002FD049
4J002FD059
4J002FD078
4J002FD146
4J002FD157
4J002FD209
4J002FD319
4J002GP00
4J100AB07Q
4J100AE09P
4J100AJ02Q
4J100AL03Q
4J100AL08P
4J100AL09Q
4J100AQ26P
4J100AQ28P
4J100BA03Q
4J100BC07Q
4J100BC65P
4J100DA01
4J100FA03
4J100FA19
4J100FA34
4J100JA32
(57)【要約】      (修正有)
【課題】高屈折率材料を提供する。
【解決手段】1種以上の高屈折率の第1のモノマーと反応性側鎖を含む1種以上の第2のモノマーとを含むコポリマーと、1種以上の溶媒とを含む配合物が開示される。配合物は、任意選択的に追加の成分を含み得る。さらに、配合物から光学薄膜を形成する方法、及び光学薄膜を含む光学デバイスが開示される。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)芳香族複素環のヘテロ原子に結合した1種以上の重合性官能基を含む芳香族複素環を含む1種以上の高屈折率の第1のモノマーと;(b)反応性側鎖を含む1種以上の第2のモノマーと;(c)1種以上の溶媒と;を含むコポリマー組成物であって、
前記芳香族複素環の前記ヘテロ原子に結合した1種以上の重合性官能基を含む芳香族複素環が以下の式(1)によって表される、コポリマー組成物
【化1】
(式中、
は、ビニル基、エポキシ基、オキセタニル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、スチレニル基、マレエート基、及びこれらの基の重水素化類似体からなる群から選択される少なくとも1つの重合性官能基を含み;
Xは、B、N、O、P、Si、及びSからなる群から選択され;
は、各存在において同じであるか異なり、水素、重水素、ハロゲン、ヒドロキシル、カルボキシル、カルボン酸、エステル、アセタール、アミナール、エポキシ、オキセタニル、シアノ、置換若しくは無置換の(C~C30)アルキル、置換若しくは無置換の重水素化された(C~C30)アルキル、置換若しくは無置換の(C~C30)アルケニル、置換若しくは無置換の重水素化された(C~C30)アルケニル、置換若しくは無置換の(C~C30)アルキニル、置換若しくは無置換の重水素化された(C~C30)アルキニル、置換若しくは無置換の(C~C30)シクロアルキル、置換若しくは無置換の重水素化された(C~C30)シクロアルキル、置換若しくは無置換の(C~C60)アリール、置換若しくは無置換の重水素化された(C~C60)アリール、置換若しくは無置換のトリ(C~C30)アルキルシリル、置換若しくは無置換の重水素化されたトリ(C~C30)アルキルシリル、置換若しくは無置換のトリ(C~C30)アリールシリル、置換若しくは無置換の重水素化されたトリ(C~C30)アリールシリル、置換若しくは無置換のジ(C~C30)アルキル(C~C30)アリールシリル、置換若しくは無置換の重水素化されたジ(C~C30)アルキル(C~C30)アリールシリル、置換若しくは無置換の(C~C30)アルキルジ(C~C30)アリールシリル、置換若しくは無置換の重水素化された(C~C30)アルキルジ(C~C30)アリールシリル、置換若しくは無置換のモノ-若しくはジ-(C~C30)アリールアミノ、又は置換若しくは無置換の重水素化されたモノ-若しくはジ-(C~C30)アリールアミノからなる群から選択され;或いは、隣接する置換基に結合して、重水素を含んでいても含んでいなくてもよい置換若しくは無置換の(C~C30)の単環式又は多環式の脂肪族環又は芳香族環を形成していてもよく、それらの炭素原子は、N、O、及びSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子で置き換えられていてもよく;
p=0又は1であり;p=0の場合には、式1はカルバゾールを表し;
qとrは同じであるか異なり、0、1、2、3、又は4である)。
【請求項2】
前記芳香族複素環の前記ヘテロ原子に結合した1種以上の重合性官能基を含む前記芳香族複素環が、N-ビニルカルバゾール;N-アリルカルバゾール;N-グリシジル-カルバゾール;N-(メタ)アクリロイルカルバゾール;カルバゾイルエチル(メタ)アクリレート、カルバゾイルエトキシエチル(メタ)アクリレート、及びカルバゾイル(2-メチルエチル)(メタ)アクリレートからなる群から選択される、請求項1に記載のコポリマー組成物。
【請求項3】
前記反応性側鎖を含む1種以上の第2のモノマーが、ヒドロキシル、カルボキシル、カルボン酸、エステル、アセタール、アミナール、エポキシ、オキセタニル、ビニル、ビニルエーテル、アクリロイル、及びメタクリロイルからなる群から選択される反応性側鎖を含む、請求項1に記載のコポリマー組成物。
【請求項4】
前記反応性側鎖を含む1種以上の第2のモノマーが、アクリル酸、(メタ)アクリル酸、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、N-プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t-ブチル(メタ)アクリレート、メチル2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチルアクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-カルボキシエチルアクリレート、2-カルボキシエチルメタクリレート、モノ(2-アクリロイルオキシエチル)サクシネート、モノ(2-メタクリロイルオキシエチル)サクシネート、スチレン、ヒドロキシスチレン、スチレン-カルボン酸、ビニルトルエン、α-メチルスチレン、ミルセン、マレイミド、N-ベンジルマレイミド、N-シクロヘキシルマレイミド、メチル-2,2’-[オキシビス(メチレン)]ビス-2-プロペノエート、ジエチル-2,2’-[オキシビス(メチレン)]ビス-2-プロペノエート、ブタジエン、イソプレン、エチレン、プロピレン、塩化ビニル、アクリロニトリル、酢酸ビニル、ビニルフェノキシベンゾシクロブテン等、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項3に記載のコポリマー組成物。
【請求項5】
前記1種以上の溶媒が、エーテル、ケトン、エステル、アルコール、及び芳香族炭化水素からなる群から選択される、請求項1に記載のコポリマー組成物。
【請求項6】
(a)第1、第2、若しくは第3のモノマー、又は高い光学密度を有する側鎖、又は反応性側鎖、又は極性プロトン性側鎖など、及びそれらの組み合わせを含む1種以上の追加のポリマー又はコポリマーと;(b)熱的に又は光化学的に活性な触媒と;(c)1種以上の追加の共溶媒と;をさらに含む、請求項1に記載のコポリマー組成物。
【請求項7】
(a)請求項1に記載のコポリマー組成物と;(b)1種以上の溶媒と;を含む配合物。
【請求項8】
架橋剤、熱酸発生剤、酸化防止剤、界面活性剤、表面レベリング剤、光開始剤、光酸発生剤、脱酸素剤、UV遮断剤、ヒンダードアミン光安定剤、及び1種以上の共溶媒からなる群から選択される1種以上の成分をさらに含む、請求項7に記載の配合物。
【請求項9】
1種以上の高屈折率の第1のモノマーと、反応性側鎖を含む1種以上の第2のモノマーとを含むコポリマーを含む光学薄膜。
【請求項10】
請求項9に記載の光学薄膜を含む光学デバイスであって、ディスプレイデバイスである光学デバイス。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書で開示されるプロセス、手順、方法、生成物、結果、及び/又は概念(以下では集合的に「本開示」と称する)は、広義には、コポリマー組成物、配合物、並びにそれらから光学薄膜及び材料を製造するための方法に関する。特に、膜は、様々な光学及びエレクトロニクスの用途に有用な光学特性及びその他の特性を示すことが分かっている。
【背景技術】
【0002】
エレクトロニクス及びディスプレイ用途に使用するための材料は、それらの構造的、光学的、熱的、電子的、及びその他の特性に関して厳密な要件を有する場合が多い。商業的エレクトロニクス及びディスプレイ用途の数が増え続けているため、必須特性の広さ及び特異性のために、新規の且つ/又は改善された特性を備える材料の革新が必要とされている。より従来型の現行の材料に勝る、これらの広範に変化可能な特性及び加工性の利点の結果、こうした用途におけるポリマー材料の使い道は益々増え続けている。
【0003】
ポリマーは、多くの場合、多くのエレクトロニクス及びディスプレイ用途に求められる、良好な耐化学性と、高いTと、機械的靱性との効果的な組み合わせを示すように製造され得る。さらに、これらの分子量及び溶液濃度は、普遍的に重要な生産加工法であるスピンコーティングによる正確且つ便利な堆積を可能にするように調整され得る。また、ヘテロ原子の含有、コポリマー形成などによりもたらされる合成の柔軟性により、使用中の特異性の高い用途のために調製され得る材料のファミリーが利用可能となる。
【0004】
ポリマー材料は、多くの場合、実用性及び複雑性が増加し続ける光学素子及び装置によってもたらされる技術的課題に対してこれらを特に適したものにする光学特性を示すことができる。多くのこうした装置が、光がこれらの構造要素の内部を、及びこれらの構造要素を貫いて移動する方法のために、顕著な効率の低減を示し得る。LED及びOLEDなどのディスプレイデバイスは、生成される光が散乱及び内反射によって失われるために、顕著に低下した効率を経験することが多い。生成された光が様々な屈折率の要素又は層の間を通るときに、そのうちの顕著な割合が失われ得る。さらに、OLED中の画素間のクロストークにより、赤、緑、及び青色画素間の望ましくない通信の結果生じる効率の損失がもたらされ得る。これらのディスプレイデバイスの非効率性は全て、より正確な屈折率、及びこれらの対応する構成要素の相対屈折率の管理によって潜在的に対処可能である。OLED封入材層と偏光子層との間に比較的高屈折率の光抽出層を導入することによって、上部ディスプレイデバイスから放射される光子の数を大幅に増加させることができる。さらに、OLEDの放射層内の画素間に比較的低屈折率のバンクを使用することによって、クロストークを大幅に低減させて効率を改善することができる。
【0005】
同様の考察を、問題の光が入射対放射(incident-versus-emitted)である光学デバイスに適用することができる。CMOSイメージセンサ(CIS)は、外部環境とカラーフィルターの表面との間の屈折率の不一致による散乱から生じる効率の低下を経験する場合がある。これは、大表面積マイクロレンズをカラーフィルターの上部に導入することによって一致させることができ、散乱した光は検出のために回復され得る。さらに、また、OLEDの場合と同様に、CMOSイメージセンサ内の画素のクロストークを最小化するために、低屈折率のスペーサが、赤、緑、及び青カラーフィルターの間に用いられ得る。
【0006】
実際、CMOSイメージセンサは、それらの設計に大きな多様性を組み込むことが要求されているより多くのアプリケーションに統合されている。小さいCISがより大きい先のものと同じ性能を実現できるようにするためには、より大きい画素密度が要求される。同様に、拡張された使用の事例には、近赤外(光の波長800~1000nm)への感度が含まれる。CISの設計には可変の構成要素が含まれるものの、基本的な機能は各画素で同じである。光がセンサに入ると、これは(1)透明な成形されたレンズ要素;(2)波長固有(RGB)カラーフィルター;及び(3)ドープされた金属Siオプトエレクトロニクス要素;を通過し、CMOS集積回路(IC)において信号をもたらす電気信号を生成する。より大きな画素密度のためには、これら全ての構成要素を小型化する必要があるが、RGBカラーフィルターとドープされたSiは主に2Dの特徴であるため、小型化を支援するために高解像度リソグラフィープロセスを採用している。レンズ要素(「マイクロレンズ」)は、典型的には半球形のモチーフで三次元に成形される。製造では、半球を形成する能力は主に材料の表面張力によって推進されるが、画素が小さいほど、この形式で製造されるマイクロレンズの曲率が制限される。これらの状況におけるレンズの焦点距離は、それを構成する材料の屈折率を上げることにより、より小さな曲率で維持することができる。
【0007】
時には内面反射を増加させるために材料の屈折率が操作されるが、他の種類の装置における光学材料の賢明な使用も、効率の改善を促進するために同様に用いられ得る。例えばコア/クラッド導波管は、透過光が導波管を長手方向に貫いて通る時に最も効率的に動作する。しかしながら、実際には、透過光の一部が軸外を移動して導波管から漏れる。この状況は、同心円層間の屈折率の差を最大化して内面反射を促進し、それによって信号損失を低減するコア(低屈折率)及びクラッド(高屈折率)用材料を使用することによって改善され得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許出願公開第2014-0120469号明細書
【特許文献2】米国特許第8,431,325号明細書
【特許文献3】米国特許第4,189,323号明細書
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】Thin Solid Films 2015,vol.597,p.212-219
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0010】
これら及びその他の光学的用途は、装置材料に対するこれまでに以上に厳しい光学的要件を出し続けている。本明細書に開示の材料は、そのような要求を満たす可能性を提供し、それらは、それらの固有の加工性のみを理由とするのではなく、複雑性を増し続ける光学デバイスの厳格なパラメータに関する要求を満たすために特定の光学特性を調整できることも理由として、使用上の利点を見出すことができる。このため、このような文脈においてこうした材料を開発するための継続的な必要性が存在する。現行の装置の性能/効率を改善するだけではなく、より優れた光管理能力を備える構成要素は、増加を続ける商業的用途で使用するためのより小さな光学素子を備える新規な装置に向けられる努力を促進する。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本開示の少なくとも1つの実施形態を詳細に説明する前に、本開示は、その用途を以下の説明に記載される構成の詳細及び構成要素又は工程若しくは方法論の配置に限定されないことを理解されたい。本開示は、他の実施形態を実行可能である、又は種々の方法で実施若しくは実行することが可能である。さらに、本明細書で用いられる専門語及び専門用語は、説明を目的としており、限定するものと見なすべきではないことを理解されたい。
【0012】
本明細書で特に定義されない限り、本開示に関連して用いられる技術用語は、当業者によって共通して理解される意味を有するものとする。さらに、文脈上異なる解釈を要する場合を除き、単数形の用語は複数形を含むものとし、複数形の用語は単数形を含むものとする。
【0013】
本明細書で言及される全ての特許、公開特許出願及び非特許文献は、本開示が属する技術分野の当業者の水準を示すものである。本出願の任意の部分で参照される全ての特許、公開特許出願及び非特許文献は、参照により、各個々の特許又は文献が参照により組み込まれると具体的且つ個別に示される場合と同じ程度で、その全体が明示的に本明細書に組み込まれる。
【0014】
本明細書で開示される全ての物品及び/又は方法は、本開示を考慮すれば過度の実験を行うことなく作製及び実施することができる。本開示の物品及び方法は、好ましい実施形態の観点から説明されているが、当業者には、本開示の概念、趣旨及び範囲から逸脱することなく、本明細書に記載される物品及び/又は方法、並びに方法の工程、又は一連の工程に変更が加えられ得ることが明らかになるであろう。当業者に明白な全てのこうした同様の代替物及び修正も、本開示の趣旨、範囲及び概念に含まれるものと見なされる。
【0015】
本開示に従って用いられる場合、以下の用語は、特に断りのない限り、以下の意味を有するものとして理解される。
【0016】
用語「含む(comprising)」に関連して使用する場合、用語「1つの(a又はan)」の使用は、「1つ(one)」を意味し得るが、「1つ以上(one or more)」、「少なくとも1つ(at least one)」、及び「1又は2つ以上(one or more than one)」の意味とも一致する。用語「又は」の使用は、代替物が相互排他的である場合にのみ、代替物を指すと明示的に示されていない限りは「及び/又は」を意味するものとして使用されるが、本開示は代替物及び「及び/又は」のみを指す定義を支持する。本出願全体を通して、用語「約」は、ある値が、定量装置の誤差の固有の変動、その値を決定するのに用いられる方法、又は研究対象間に存在する変動を含むことを示すために用いられる。例えば、限定するものではないが、用語「約」が使用される場合、指定される値は、プラス又はマイナス12%、又は11%、又は10%、又は9%、又は8%、又は7%、又は6%、又は5%、又は4%、又は3%、又は2%、又は1%で変動し得る。用語「少なくとも1つ」の使用は、1、のみならず、1、2、3、4、5、10、15、20、30、40、50、100等が挙げられるがこれらに限定されない1を超える任意の量を含むことが理解されよう。用語「少なくとも1つ」は、それが伴われる用語に応じて、100若しくは1000又はそれ以上まで拡大され得る。加えて、100/1000の量は、より低い下限又はより高い上限が十分な結果を生む場合もあるため、限定的と見なされるべきではない。加えて、用語「X、Y及びZのうち少なくとも1つ」の使用は、X単体、Y単体及びZ単体並びに、X、Y及び/又はZの任意の組み合わせを含むものとして理解されよう。序数用語(即ち、「第一」、「第二」、「第三」、「第四」等)の使用は、2つ以上の項目を区別することのみを目的としており、特に指定のない限り、ある項目の別の項目に対する任意の配列若しくは順序若しくは重要度、又は任意の追加の順序を示唆することを意味していない。
【0017】
本明細書で使用するとき、「含む(comprising)」(並びに「含む(comprise)」及び「含む(comprises)」等「含む(comprising)」の任意の形態)、「有する(having)」(並びに「有する(have)」及び「有する(has)」等「有する(having)」の任意の形態)、「含む(including)」(並びに「含む(includes)」及び「含む(include)」等「含む(including)」の任意の形態)、又は「含有する(containing)」(並びに「含有する(contains)」、「含有する(contain)」等「含有する(containing)」の任意の形態)という語は、包含的又はオープンエンドであり、追加の列挙されていない要素又は方法工程を除外しない。本明細書で使用するとき、用語「又はこれらの組み合わせ」及び「及び/又はこれらの組み合わせ」は、用語に先行して列挙される項目の全ての順列及び組み合わせを指す。例えば、「A、B、C又はこれらの組み合わせ」は、以下の:A、B、C、AB、AC、BC又はABC、及び、特定の内容において順番が重要である場合は、また、BA、CA、CB、CBA、BCA、ACB、BAC又はCABのうちの少なくとも1つを含むことが意図される。この例を続けると、1つ以上の項目又は用語の繰り返しを含む組み合わせ、例えば、BB、AAA、AAB、BBC、AAABCCCC、CBBAAA、CABABB等が明示的に含まれる。当業者であれば、文脈から明らかでない限り、典型的には、いかなる組み合わせにおいても項目又は用語の数に制限がないことが理解されよう。
【0018】
本明細書で使用するとき、用語「実質的に」は、続いて説明される状況が完全に起こること、又は、続いて説明される状況が、大きな範囲若しくは程度で起こることを意味する。
【0019】
以下の詳細な説明を目的として、任意の操作実施例(operating examples)、又はその他の指示がある場合を除き、本明細書及び特許請求の範囲で用いられる例えば成分の量を表す数は、いかなる場合も用語「約」によって修飾されると理解されるべきである。明細書及び添付の特許請求の範囲に記載された数値パラメータは、本発明を実施する中で得られるべき所望の特性に応じて変動し得る近似値である。
【0020】
用語「脂環式」は、芳香族ではない環状基を指す。この基は飽和であっても又は不飽和であってもよいが、芳香族性を示さない。
【0021】
用語「アルキル」は、1~50個の炭素から成る飽和直鎖又は分岐鎖炭化水素基を指す。これは、置換及び非置換の炭化水素基の両方をさらに含む。この用語はさらに、ヘテロアルキル基を含むことが意図されている。
【0022】
用語「非プロトン性」は、酸性水素原子を欠如し、そのため水素供与体として作用することができない溶媒の一部類を指す。一般的な非プロトン性溶媒としては、アルカン、四塩化炭素(CCl)、ベンゼン、ジメチルホルムアミド(DMF)、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)、ジメチルアセトアミド(DMAc)、酢酸プロピレングリコールメチルエーテル(PGMEA)、アニソール、シクロヘキサノン、安息香酸ベンジル、シクロペンタノン、メチルエチルケトン、及びその他の多くが挙げられる。
【0023】
用語「芳香族化合物」は、4n+2の非局在化π電子を有する少なくとも1つの不飽和環状基を含む有機化合物を指す。この用語は、炭素と水素原子とのみを有する芳香族化合物、並びに環状基内の炭素原子の1個以上が窒素、酸素、硫黄等といった別の原子によって置換されているヘテロ芳香族化合物の両方を包含することが意図されている。
【0024】
用語「アリール」又は「アリール基」は、芳香族化合物から1つ以上の水素(「H」)又は重水素(「D」)を除去することによって形成される部分を指す。アリール基は、単数の環(単環式)であってもよく、又は一緒に縮合若しくは共有結合した複数の環(二環式又はそれ以上)を有してもよい。「炭素環アリール」は、芳香族環中に炭素原子のみを有する。「ヘテロアリール」は、少なくとも1つの芳香族環中に1個以上のヘテロ原子を有する。
【0025】
用語「アルコキシ」は、式中のRがアルキルである基-ORを指す。
【0026】
用語「アリールオキシ」は、式中のRがアリールである基-ORを指す。
【0027】
特に明記しない限り、全ての基は、置換又は非置換であり得る。アルキル又はアリール等の、しかしそれらに限定されない、任意選択的に置換された基は、同じ又は異なるものであり得る1つ以上の置換基で置換され得る。好適な置換基としては、アルキル、アリール、ニトロ、シアノ、-N(R’)(R’’)、ハロ、ヒドロキシ、カルボキシ、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロアリール、アルコキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アルコキシカルボニル、パーフルオロアルキル、パーフルオロアルコキシ、アリールアルキル、シリル、シロキシ、シロキサン基、チオアルコキシ、-S(O)-、-C(=O)-N(R’)(R”)、(R’)(R”)N-アルキル、(R’)(R’’)N-アルコキシアルキル、(R’)(R’’)N-アルキルアリールオキシアルキル、-S(O)-アリール(式中、s=0~2である)又は-S(O)-ヘテロアリール(式中、s=0~2である)が挙げられる。各R’及びR’’は、独立して、任意選択的に置換されたアルキル、シクロアルキル又はアリール基である。R’及びR’’は、それらが結合している窒素原子と一緒に、特定の実施形態では環系を形成することができる。置換基はまた、架橋基であってもよい。
【0028】
用語「アミン」は、塩基性窒素原子を孤立電子対と共に含有する化合物を指す。用語「アミノ」は、官能基-NH、-NHR又は-NRを指し、式中、Rは、出現ごとに同じか又は異なり、アルキル基又はアリール基であってよい。用語「ジアミン」は、2個の塩基性窒素原子を関連する孤立電子対と共に含有する化合物を指す。用語「芳香族ジアミン」は、2つのアミノ基を有する芳香族化合物を指す。
【0029】
用語「芳香族ジアミン残基」は、芳香族ジアミン内の2つのアミノ基に結合した部分を指す。これを下記でさらに例示する。
【化1】
【0030】
用語「CMOSイメージセンサ」又は「CIS」は、光強度を測定するために使用される集積回路であるタイプのデジタルイメージセンサの種類を指す。イメージセンサは、非常に広く一般的になってきており、電話、コンピュータ、デジタルカメラ、自動車において有用である。2つの主要なイメージセンサ技術は、電荷結合デバイス(CCD)と相補型金属酸化膜半導体(CMOS)である。いずれもほぼ同時に形成されたものの、CCD画像は優れた画質のため長年にわたって市場を支配していた。製造技術の向上に伴い、CMOS撮像装置は最終的に実行可能な選択肢となり、最終用途の拡大するアレイにおける用途が見出されている。
【0031】
用語「コーティング」は、通常は「基板」と称される対象の表面に塗布される被膜を指す。コーティングは、所与の状況に適切な最終用途に応じて、様々な厚さ及びその他の特性を有し得る。いくつかの非限定的な実施形態では、コーティング/基板の組み合わせが単一のユニットとして用いられ、いくつかの実施形態では、独立した使用のためにコーティングが基板から除去される。いくつかの非限定的な実施形態では、こうして除去されたコーティングは、膜、薄膜、光学薄膜等と称される。
【0032】
「コポリマー」という用語は、複数の種のモノマーに由来するポリマーを指す。3種のモノマーに由来するコポリマーは、「ターポリマー」と呼ばれる場合もある。
【0033】
用語「架橋剤」又は「架橋試薬」は、分子又はポリマー上の特定の官能基に化学結合することが可能な2つ以上の反応性末端を含有する分子を指す。架橋分子又はポリマーは、1つ以上の共有結合によって化学的に一体に接合される。
【0034】
用語「硬化する(curing)」は、その間に化学反応又は物理作用が起こり、より固い、頑丈な、又はより安定した結合又は物質をもたらすプロセスを指す。高分子化学では「硬化する」は、特に、ポリマー鎖の架橋を介したポリマーの強化又は固化を指す。硬化プロセスは、電子ビーム、熱、及び/又は化学添加物によってもたらされ得る。
【0035】
用語「線形熱膨張係数(CTE又はα)」は、温度の関数として材料が膨張又は収縮する量を定義するパラメータを指す。線形熱膨張係数は、1℃当たりの長さの変化として表され、一般的にはμm/m/℃又はppm/℃の単位で表される。
α=(ΔL/L0)/ΔT
【0036】
CTE値は、第1又は第2の加熱走査の間に既知の方法を介して測定され得る。材料の相対膨張/収縮特性についての理解は、電子及びディスプレイデバイスの作製及び/又は信頼性において重要な検討事項であり得る。
【0037】
層又は材料に関する場合の用語「電気活性」は、装置の動作を電子的に促進する層又は材料を指す。電気活性材料の例としては、電子又は正孔のいずれかであってもよい電荷を伝導する、注入する、輸送する、若しくは阻止する材料、又は放射を発する材料若しくは放射を受ける時に電子-正孔対の濃度の変化を示す材料が挙げられるが、これらに限定されない。
【0038】
芳香族又は脂環式環に適用される場合の用語「縮合」は、単一の原子、2つの隣接原子、又は3つ以上の原子を共有し得る2つ以上の接合環を含有する芳香族又は脂環式種を指す。
【0039】
用語「ガラス転移温度(又はT)」は、非晶質ポリマー又は半結晶ポリマーの非晶質領域内で不可逆性変化が発生して、材料が硬質、ガラス質又は脆性の状態から可撓性又は弾性の状態へと突然変化する温度を指す。微視的には、ガラス転移は、正常なコイル状の静止ポリマー鎖が自由に回転するようになり、相互に通過できる場合に発生する。Tは、示差走査熱量測定法(DSC)、熱機械分析法(TMA)、若しくは動的機械分析法(DMA)、又は他の方法を用いて測定され得る。
【0040】
用語「ハロアルキル」は、ハロゲン原子によって置換された1つ以上の水素原子を有するアルキル基を指す。
【0041】
用語「ハロアルコキシ」は、ハロゲン原子によって置換された1つ以上の水素原子を有するアルコキシ基を指す。
【0042】
接頭辞「ヘテロ」は、1つ以上の炭素原子が異なる原子で置換されている状況を指す。いくつかの実施形態では、ヘテロ原子はO、N、S、又はこれらの組み合わせである。
【0043】
用語「高沸点」は、130℃を超える沸点を指す。
【0044】
用語「ヒンダードアミン光安定剤」は、ポリマーの光からの保護及び長期の熱保護に使用されるラジカル捕捉剤の分類を指す。ヒンダードアミン光安定剤は、フリーラジカルと反応し且つ他の副反応に抵抗するように設計された、立体障害のあるアミン官能基を含む化合物である。
【0045】
用語「イミド」は、中心窒素に結合した2つのアシル基、すなわちRCO-NR’-CORを含有する官能基を指す。用語「ビス-イミド」は、単一の分子、ポリマー、又は他の種内における2つの同一であるが分離したイミド基の存在を指す。
【0046】
用語「マトリックス」は、例えば電子装置を形成する際に、その上に1つ以上の層が配置される土台を指す。非限定的な例としては、ガラス、ケイ素及びその他が挙げられる。
【0047】
用語「モノマー」は、重合中に同じか又は異なる種類の1つ以上のモノマーと化学結合してポリマーを形成する小分子を指す。
【0048】
用語「非極性」は、共有結合した原子間での電子の分布が均等であり、したがって原子間に正味電荷が存在しない分子、溶媒、又は他の種を指す。いくつかの実施形態では、非極性分子、溶媒又は他の種は、構成原子が同じか又は同様の電気陰性度を有する場合に形成される。
【0049】
用語「光学薄膜」は、その光学的特性のために、本明細書で開示されるものなどの光学デバイスにおける特定の機能を提供するのに適切なポリマー膜を指す。光学薄膜は、当業者に周知される任意の数の方法によって調製され得る。特に用途が薄膜として直接作製されたポリマーを含まない場合には、用語「光学材料」が当業者によって交換可能に使用されることがある。
【0050】
用語「有機電子デバイス」、又は場合によっては「電子デバイス」は、1つ以上の有機半導体層又は有機材料を含むデバイスを指す。
【0051】
用語「脱酸素剤」は、溶液若しくは配合物又はそれらから製造された膜からの酸素の還元又は除去を助ける溶液又は配合物に添加される化合物を指す。
【0052】
用語「光酸」は、光を吸収するとより酸性になる分子を指す。これは、光解離による強酸の形成、又は光会合(例えば閉環)によるプロトンの解離のいずれかによる。用語「光酸発生剤」は、照射するとプロトンを放出する分子を指す。
【0053】
用語「光開始剤」は、UV又は可視放射に曝露されたときに1つ以上の反応性種(フリーラジカル、カチオン、又はアニオン)を形成する分子を指す。合成光開始剤は、光硬化性コーティング、接着剤、及び歯科材料などのフォトポリマーの重要な構成要素である場合がある。
【0054】
用語「極性」は、共有結合した原子間の電子の分布が均等ではない、分子、溶媒、又は他の種を指す。従って、こうした種は、顕著に異なる電気陰性度によって特性決定される原子間の結合から生じ得る大きな双極子モーメントを示す。
【0055】
用語「ポリイミド」は、1つ以上の二官能性カルボン酸構成要素と1つ以上の一級ジアミン又はジイソシアネートとの反応から得られる縮合ポリマーを指す。ポリイミドは、ポリマー骨格の主鎖に沿った直鎖状又は複素環式単位としてイミド構造-CO-NR-CO-を含有する。
【0056】
用語「ポリマー」は、共有化学結合によって接続された1つ以上のタイプのモノマー残基(繰り返し単位)を含む大分子を指す。この定義によれば、ポリマーは、モノマー単位の数がより一般的にはオリゴマーと呼ばれ得る非常に少ない数から非常に多い数までの範囲であり得る化合物を包含する。ポリマーの非限定的な例としては、ホモポリマー並びにコポリマー、ターポリマー、テトラポリマー及びより高次の類似体等の非ホモポリマーが挙げられる。
【0057】
用語「ポリアリーレン」は、ポリマー骨格の主鎖に沿った炭素-炭素結合によって互いに直接接合したベンゼノイド芳香族成分を含有するポリマーの部類を指す。
【0058】
用語「プロトン性」は、酸性水素原子を含有し、そのため水素供与体として作用することのできる溶媒の一部類を指す。一般的なプロトン性溶媒としては、ギ酸、n-ブタノール、イソプロパノール、エタノール、メタノール、酢酸、水、プロピレングリコールメチルエーテル(PGME)及びその他が挙げられる。プロトン性溶媒は、単独で用いられてよい、又は様々な組み合わせで用いられてもよい。
【0059】
化学種又は基との関係において使用される場合の用語「反応性」は、温度、圧力、共反応物などの適切な条件におかれた時に化学反応を行う化学種又は基の傾向を指す。化学種又は基は、当業者に公知の任意の数の材料又は材料の分類を含み得る。
【0060】
用語「屈折率(refractive index)」又は「屈折率(index of refraction)」は、光線が1つの媒体から別の媒体内に通る時の光線の屈曲の指標である。iが真空中における光線の入射角(入射光線と、法線と呼ばれる媒体表面に対する垂線と、の間の角度)であり、rが屈折角(媒体中の光線と法線との間の角度)である場合、屈折率nは、入射角の正弦と屈折角の正弦との比として定義される(すなわち、n=sin i/sin r。屈折率はまた、何もない空間における所与の波長の光速cを物質中におけるその速度vで除算したものと等しい(又はn=c/v)。屈折率は、一般的に波長に依存する。所与の化合物又は材料の屈折率は、これらの相対的な用語が適用され得る当業者によって理解されるように、一般的に、「低」、「中」、又は「高」とみなされ得る。
【0061】
用語「満足できる」は、材料の特性又は特徴に関する場合、特性又は特徴が使用中の材料に対する全ての要件/要求を満たすことを意味することを意図する。
【0062】
用語「溶解度」は、所与の温度において溶媒に溶解することのできる溶質の最大量を指す。いくつかの実施形態では、溶解度は、任意の数の定性的又は定量的方法によって測定又は評価され得る。
【0063】
用語「基板」は、剛性又は可撓性のいずれかであり得、ガラス、ポリマー、金属、若しくはセラミック材料又はこれらの組み合わせが挙げられ得るがこれらに限定されない1つ以上の材料の1つ以上の層を含み得る基礎材料を指す。基板は、電子構成部品、回路又は導電性部材を含んでいても又は含んでいなくてもよい。
【0064】
用語「表面レベリング剤」は、基板に塗布されるコーティングの表面張力を低下させる配合添加剤を指し、表面の濡れが改善され、コーティングとそれが塗布される基板との表面張力の不一致に起因する可能性のある欠陥が除去される。
【0065】
用語「テトラカルボン酸成分」は、テトラカルボン酸、テトラカルボン酸一無水物、テトラカルボン酸二無水物、テトラカルボン酸モノエステル、及びテトラカルボン酸ジエステルのうちの任意の1つ以上を指す。
【0066】
用語「熱酸発生剤」は、加熱されると、2.0以下のpKaを有する1つ又は複数の強酸を生成することのできる1つ又は複数の化合物を指す。非限定的な一実施形態では、熱酸発生剤は塩を含み、ここで揮発性塩基(例えばピリジン)は超酸(例えばスルホン酸塩)を中和し、混合物が、塩の分解熱及び緩衝性塩基(buffering base)の沸点を上回って加熱されると、緩衝剤が除去されて強酸が産生される。別の非限定的な実施形態では、熱酸発生剤は、加熱すると化学変化して強酸を生成する熱不安定な緩衝剤を含む。エレクトロニクス及びディスプレイ用途における熱酸発生剤の使用は、例えば、(特許文献1)に記載されている。様々な熱酸発生剤が市販されている。
【0067】
用語「透過率」若しくは「透過率(%)」は、反対側で検出可能であるように、薄膜上に衝突する、薄膜を通して通過する所定の波長の光線のパーセンテージを意味する。可視領域(380nm~800nm)における光透過率測定値は、本明細書に開示される光学薄膜の使用中の特性を理解するために最も重要である膜色特性を特徴付けるために特に有用である。
【0068】
用語「UV遮断剤」は、それらを含む組成物から調製された材料に対するUV放射の有害な影響を軽減する化合物を指す。
【0069】
置換基結合が以下に示す1つ以上の環を通過する構造:
【化2】
においては、置換基Rは、1つ以上の環上の任意の利用可能な位置で結合し得ることが意味される。
【0070】
語句「~に隣接した」は、デバイス中の層に言及するために用いられるとき、1つの層が別の層の直接隣りにあることを必ずしも意味しない。他方で、語句「隣接するR基」は、化学式中で互いに隣りにあるR基(即ち、結合によって連結された原子上にあるR基)に言及するために用いられる。典型的な隣接するR基を以下に示す:
【化3】
【0071】
本明細書で用いる全てのパーセンテージ、比率及び割合は、特に指定のない限り、重量に基づく。
【0072】
本開示は:(a)1種以上の高屈折率の第1のモノマーと;(b)反応性側鎖を含む1種以上の第2のモノマーと;(c)1種以上の溶媒と;を含むコポリマー組成物に関する。
【0073】
本開示は、さらに、(a)1種以上の高屈折率の第1のモノマーと;(b)反応性側鎖を含む1種以上の第2のモノマーと;(c)1種以上の溶媒と;(d)熱的又は光化学的に活性化された触媒と;(e)1種以上の共溶媒と;を含むコポリマー組成物に関する。
【0074】
本開示は、さらに、(a)1種以上の高屈折率の第1のモノマーと;(b)反応性側鎖を含む1種以上の第2のモノマーと;(c)1種以上の溶媒と;(d)1種以上の第2のコポリマー組成物と;(e)熱的又は光化学的に活性化された触媒と;(f)1種以上の共溶媒と;を含むコポリマー組成物に関する。
【0075】
いくつかの非限定的な実施形態では、本開示の1種以上の高屈折率の第1のモノマーは、1.50超の550nmで測定される屈折率を有する。いくつかの非限定的な実施形態では、本開示の1種以上の高屈折率の第1のモノマーは、1.60超の550nmで測定される屈折率を有する。いくつかの非限定的な実施形態では、本開示の1種以上の高屈折率の第1のモノマーは、1.65超の550nmで測定される屈折率を有する。いくつかの非限定的な実施形態では、本開示の1種以上の高屈折率の第1のモノマーは、1.68超の550nmで測定される屈折率を有する。いくつかの非限定的な実施形態では、本開示の1種以上の高屈折率の第1のモノマーは、1.70超の550nmで測定される屈折率を有する。いくつかの非限定的な実施形態では、本開示の1種以上の高屈折率の第1のモノマーは、1.80超の550nmで測定される屈折率を有する。
【0076】
いくつかの非限定的な実施形態では、本開示の1種以上の高屈折率の第1のモノマーは、他の可視スペクトル波長で測定される屈折率を有する。いくつかの非限定的な実施形態では、本開示の1種以上の高屈折率の第1のモノマーは、380nm~750nmで測定される屈折率を有する。いくつかの非限定的な実施形態では、本開示の1種以上の高屈折率の第1のモノマーは、400nm~700nmで測定される屈折率を有する。いくつかの非限定的な実施形態では、本開示の1種以上の高屈折率の第1のモノマーは、450nm~650nmで測定される屈折率を有する。いくつかの非限定的な実施形態では、本開示の1種以上の高屈折率の第1のモノマーは、500nm~600nmで測定される屈折率を有する。
【0077】
いくつかの非限定的な実施形態では、本開示の1種以上の高屈折率の第1のモノマーは、他の可視スペクトル波長で測定される1.50超の屈折率を有する。いくつかの非限定的な実施形態では、本開示の1種以上の高屈折率の第1のモノマーは、他の可視スペクトル波長で測定される1.60超の屈折率を有する。いくつかの非限定的な実施形態では、本開示の1種以上の高屈折率の第1のモノマーは、他の可視スペクトル波長で測定される1.65超の屈折率を有する。いくつかの非限定的な実施形態では、本開示の1種以上の高屈折率の第1のモノマーは、他の可視スペクトル波長で測定される1.68超の屈折率を有する。いくつかの非限定的な実施形態では、本開示の1種以上の高屈折率の第1のモノマーは、他の可視スペクトル波長で測定される1.70超の屈折率を有する。いくつかの非限定的な実施形態では、本開示の1種以上の高屈折率の第1のモノマーは、他の可視スペクトル波長で測定される1.80超の屈折率を有する。
【0078】
いくつかの非限定的な実施形態では、本開示の1種以上の高屈折率の第1のモノマーは、芳香族複素環のヘテロ原子に結合した1つ以上の重合性官能基を含む芳香族複素環である。いくつかの非限定的な実施形態では、本開示の1種以上の高屈折率の第1のモノマーは、芳香族複素環のヘテロ原子に結合した1つ以上の重合性官能基を含む芳香族複素環であり、芳香族複素環は、6~30個の環炭素、いくつかの非限定的な実施形態では6~20個の環炭素、いくつかの非限定的な実施形態では6~12個の環炭素を有する。いくつかの非限定的な実施形態では、芳香族複素環は、O、N、及びSからなる群から選択される少なくとも1つの環原子を有する。
【0079】
いくつかの非限定的な実施形態では、芳香族複素環は、ピリジン、カルバゾール、フラン、ピロール、チオフェン、イミダゾール、及びピリミジンからなる群から選択される。いくつかの非限定的な実施形態では、芳香族複素環は、本明細書に開示される追加の置換基でさらに置換される。
【0080】
いくつかの非限定的な実施形態では、本開示の1種以上の高屈折率の第1のモノマーは、芳香族複素環のヘテロ原子に結合した1つ以上の重合性官能基を含む芳香族複素環であり、これは以下の式(1):
【化4】
によって表され、式中、Rは、ビニル基、エポキシ基、オキセタニル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、スチレニル基、マレエート基、及びこれらの基の重水素化類似体からなる群から選択される少なくとも1つの重合性官能基を含み;Xは、B、N、O、P、Si、及びSからなる群から選択され;Rは、各存在において同じであるか異なり、水素、重水素、ハロゲン、ヒドロキシル、カルボキシル、カルボン酸、エステル、アセタール、アミナール、エポキシ、オキセタニル、シアノ、置換若しくは無置換の(C~C30)アルキル、置換若しくは無置換の重水素化された(C~C30)アルキル、置換若しくは無置換の(C~C30)アルケニル、置換若しくは無置換の重水素化された(C~C30)アルケニル、置換若しくは無置換の(C~C30)アルキニル、置換若しくは無置換の重水素化された(C~C30)アルキニル、置換若しくは無置換の(C~C30)シクロアルキル、置換若しくは無置換の重水素化された(C~C30)シクロアルキル、置換若しくは無置換の(C~C60)アリール、置換若しくは無置換の重水素化された(C~C60)アリール、置換若しくは無置換のトリ(C~C30)アルキルシリル、置換若しくは無置換の重水素化されたトリ(C~C30)アルキルシリル、置換若しくは無置換のトリ(C~C30)アリールシリル、置換若しくは無置換の重水素化されたトリ(C~C30)アリールシリル、置換若しくは無置換のジ(C~C30)アルキル(C~C30)アリールシリル、置換若しくは無置換の重水素化されたジ(C~C30)アルキル(C~C30)アリールシリル、置換若しくは無置換の(C~C30)アルキルジ(C~C30)アリールシリル、置換若しくは無置換の重水素化された(C~C30)アルキルジ(C~C30)アリールシリル、置換若しくは無置換のモノ-若しくはジ-(C~C30)アリールアミノ、又は置換若しくは無置換の重水素化されたモノ-若しくはジ-(C~C30)アリールアミノからなる群から選択され;或いは、隣接する置換基に結合して、重水素を含んでいても含んでいなくてもよい置換若しくは無置換の(C~C30)の単環式又は多環式の脂肪族環又は芳香族環を形成していてもよく、それらの炭素原子は、N、O、及びSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子で置き換えられていてもよく;p=0又は1であり;p=0の場合には、式1はカルバゾールを表し;qとrは同じであるか異なり、0、1、2、3、又は4である。
【0081】
式1のいくつかの非限定的な実施形態では、Rは、ビニル基、アクリロイル基、及びメタクリロイル基からなる群から選択される。式1のいくつかの非限定的な実施形態では、Rはビニル基である。式1のいくつかの非限定的な実施形態では、Xは、N、O、及びSからなる群から選択される。式1のいくつかの非限定的な実施形態では、XはNである。式1のいくつかの非限定的な実施形態では、Rは、各存在において同じであるか異なり、水素、ハロゲン、置換若しくは無置換(C~C30)アルキル、及び置換若しくは無置換(C~C60)アリールからなる群から選択される。式1のいくつかの非限定的な実施形態では、Rは、隣接する置換基に結合して、置換若しくは無置換の(C~C30)の単環式又は多環式の脂肪族環又は芳香族環を形成しており、それらの炭素原子は、N、O、及びSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子で置き換えられていてもよい。式1のいくつかの非限定的な実施形態では、Rは、各存在において同じであるか異なり、水素、ハロゲン、及び置換若しくは無置換(C~C30)アルキルからなる群から選択される。式1のいくつかの非限定的な実施形態では、Rは水素である。式1のいくつかの非限定的な実施形態では、Rは各存在において同じである。式1のいくつかの非限定的な実施形態では、Rは各存在において異なる。式1のいくつかの非限定的な実施形態では、p=0であり、式1はカルバゾールを表す。式1のいくつかの非限定的な実施形態では、p=1である。式1のいくつかの非限定的な実施形態では、qは0、1、2、3、又は4である。式1のいくつかの非限定的な実施形態では、rは0、1、2、3、又は4である。式1のいくつかの非限定的な実施形態では、qとrは同じである。式1のいくつかの非限定的な実施形態では、qとrは異なる。
【0082】
いくつかの非限定的な実施形態では、式1を有する化合物は、N-ビニルカルバゾール;N-アリルカルバゾール;N-グリシジル-カルバゾール;N-(メタ)アクリロイルカルバゾール;カルバゾイルエチル(メタ)アクリレート、カルバゾイルエトキシエチル(メタ)アクリレート、及びカルバゾイル(2-メチルエチル)(メタ)アクリレートからなる群から選択される。
【0083】
式1を有する化合物のいくつかの非限定的な例は以下のとおりである:
【化5】
【0084】
いくつかの非限定的な実施形態では、反応性側鎖を含む1種以上の第2のモノマーは、ヒドロキシル、カルボキシル、カルボン酸、エステル、アセタール、アミナール、エポキシ、オキセタニル、ビニル、ビニルエーテル、アクリロイル、及びメタクリロイルからなる群から選択される反応性側鎖を含む。いくつかの非限定的な実施形態では、反応性側鎖を含む1種以上の第2のモノマーは、モノマーあたり少なくとも1つの重水素を含む。
【0085】
いくつかの非限定的な実施形態では、反応性側鎖を含む1種以上の第2のモノマーは、アクリル酸、(メタ)アクリル酸、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、N-プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t-ブチル(メタ)アクリレート、メチル2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチルアクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-カルボキシエチルアクリレート、2-カルボキシエチルメタクリレート、モノ(2-アクリロイルオキシエチル)サクシネート、モノ(2-メタクリロイルオキシエチル)サクシネート、スチレン、ヒドロキシスチレン、スチレン-カルボン酸、ビニルトルエン、α-メチルスチレン、ミルセン、マレイミド、N-ベンジルマレイミド、N-シクロヘキシルマレイミド、メチル-2,2’-[オキシビス(メチレン)]ビス-2-プロペノエート、ジエチル-2,2’-[オキシビス(メチレン)]ビス-2-プロペノエート、ブタジエン、イソプレン、エチレン、プロピレン、塩化ビニル、アクリロニトリル、酢酸ビニル、ビニルフェノキシベンゾシクロブテン等、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0086】
いくつかの非限定的な実施形態では、反応性側鎖を含む1種以上の第2のモノマーは芳香環を含まない。いくつかの非限定的な実施形態では、反応性側鎖を含む1種以上の第2のモノマーは芳香環を含む。
【0087】
いくつかの非限定的な実施形態では、コポリマー組成物は、反応性側鎖を含む1種の第2のモノマーを含む。いくつかの非限定的な実施形態では、コポリマー組成物は、反応性側鎖を含む2種の第2のモノマーを含む。いくつかの非限定的な実施形態では、コポリマー組成物は、反応性側鎖を含む3種以上の第2のモノマーを含む。反応性側鎖を含む2種の第2のモノマーを有するいくつかの非限定的な実施形態では、反応性側鎖を含む第1の第2のモノマーは、反応性側鎖を含む第2の第2のモノマーとは異なる。反応性側鎖を含む3種以上の第2のモノマーを有するいくつかの非限定的な実施形態では、反応性側鎖を含む第2のモノマーのそれぞれは、反応性側鎖を含む他の第2のモノマーとは異なる。
【0088】
コポリマー組成物のいくつかの非限定的な実施形態では、反応性側鎖を含む第2、第3、又は追加の第2のモノマーは、アクリル酸、(メタ)アクリル酸、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、N-プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t-ブチル(メタ)アクリレート、メチル2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチルアクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-カルボキシエチルアクリレート、2-カルボキシエチルメタクリレート、モノ(2-アクリロイルオキシエチル)サクシネート、モノ(2-メタクリロイルオキシエチル)サクシネート、スチレン、ヒドロキシスチレン、スチレン-カルボン酸、ビニルトルエン、α-メチルスチレン、ミルセン、マレイミド、N-ベンジルマレイミド、N-シクロヘキシルマレイミド、メチル-2,2’-[オキシビス(メチレン)]ビス-2-プロペノエート、ジエチル-2,2’-[オキシビス(メチレン)]ビス-2-プロペノエート、ブタジエン、イソプレン、エチレン、プロピレン、塩化ビニル、アクリロニトリル、酢酸ビニル、ビニルフェノキシベンゾシクロブテン、
【化6】
からなる群から選択される。
【0089】
コポリマー組成物のいくつかの非限定的な実施形態では、反応性側鎖を含む第2の第2のモノマーは、反応性側鎖を含む第1の第2のモノマーよりも少ない量で存在する。コポリマー組成物のいくつかの非限定的な実施形態では、反応性側鎖を含む第3の第2のモノマーは、反応性側鎖を含む第1又は第2の第2のモノマーよりも少ない量で存在する。コポリマー組成物のいくつかの非限定的な実施形態では、反応性側鎖を含む第4の第2のモノマーは、反応性側鎖を含む第1、第2、又は第3の第2のモノマーよりも少ない量で存在する。
【0090】
コポリマー組成物のいくつかの非限定的な実施形態では、第3のモノマーは、高い固有の光学密度を有する側鎖を含み得る。コポリマー組成物のいくつかの非限定的な実施形態では、第2の又は追加の第2のモノマーは、当業者に知られているような高い固有の光学密度又は高いモル分極を有する官能基を含む側鎖を有し得る。そのような側鎖を含むモノマーは、4-ブロモスチレン;4-チオフェニル-スチレン;(4-ブロモフェニル)メタクリレート;4-チオ(ベンゾチアゾール)スチレン;
【化7】
からなる群から選択することができる。
【0091】
いくつかの非限定的な実施形態では、組成物は、任意選択的には、1種以上の高屈折率の第1のモノマーと反応性側鎖を含む1種以上の第2のモノマーとを含むコポリマー、及び1種以上の追加のポリマー又はコポリマーを含む。これらの追加のポリマー又はコポリマーとしては、ポリ(アクリル酸)、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリアクリロニトリル、ポリスチレン、ポリ(ヒドロキシスチレン)、ポリアリーレン、ポリイミド、ポリ(アミック酸)、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリシラン、ポリシロキサン、シリコーン、高分子コロイダルシリカ、高分子イオン性液体など、及びこれらの組み合わせを挙げることができる。
【0092】
いくつかの非限定的な実施形態では、組成物は、任意選択的には、1種以上の高屈折率の第1のモノマーと反応性側鎖を含む1種以上の第2のモノマーとを含むコポリマー、及び1種以上の追加のポリマー又はコポリマーを含む。これらの追加のポリマー又はコポリマーは、任意選択的には第1のコポリマーと同じ組成の1種以上の高屈折率の第1のモノマーを含んでいてもよく、任意選択的には、反応性側鎖を含む第1の第2のモノマーとは異なる組成の反応性側鎖を含む第2の第2のモノマーを含んでいてもよい。さらに、第2のポリマーの添加は、本明細書に開示の用途のための組成物の全体としての光学特性に悪影響を及ぼさない。
【0093】
いくつかの非限定的な実施形態では、組成物は、任意選択的には、1種以上の高屈折率の第1のモノマーと反応性側鎖を含む1種以上の第2のモノマーとを含むコポリマー、及び1種以上の追加のポリマー又はコポリマーを含む。追加のポリマー又はコポリマーは、第1、第2、若しくは第3のモノマー、又は高い光学密度を有する側鎖、又は反応性側鎖、又は極性プロトン性側鎖など、及びそれらの組み合わせを含み得る。いくつかの非限定的な実施形態では、そのようなものを含むコポリマーは、式(2):
【化8】
に対応するものを含み、式中、Yは、ビニル基、アセチレン基、エポキシ基、オキセタニル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、アミン基、スルフィド基、及びこれらの基の重水素化類似体からなる群から選択される少なくとも1つの重合性官能基を含み;Xは、連結基なしであるか、置換されているB、N、O、P、Si、及びSからなる群から選択され;R及びRの基は、各存在において同じであるか異なり、水素、重水素、ハロゲン、シアノ、置換若しくは無置換ヒドロキシル、置換若しくは無置換カルボニル、置換若しくは無置換カルボキシル、置換若しくは無置換アミド、置換若しくは無置換アミン、置換若しくは無置換スルフィド、置換若しくは無置換スルホン、置換若しくは無置換スルホネート、置換若しくは無置換の(C~C30)アルキル、置換若しくは無置換の重水素化された(C~C30)アルキル、置換若しくは無置換の(C~C30)アルケニル、置換若しくは無置換の重水素化された(C~C30)アルケニル、置換若しくは無置換の(C~C30)アルキニル、置換若しくは無置換の重水素化された(C~C30)アルキニル、置換若しくは無置換の(C~C30)シクロアルキル、置換若しくは無置換の重水素化された(C~C30)シクロアルキル、置換若しくは無置換の(C~C60)アリール、置換若しくは無置換の重水素化された(C~C60)アリール、置換若しくは無置換のトリ(C~C30)アルキルシリル、置換若しくは無置換の重水素化されたトリ(C~C30)アルキルシリル、置換若しくは無置換のトリ(C~C30)アリールシリル、置換若しくは無置換の重水素化されたトリ(C~C30)アリールシリル、置換若しくは無置換のジ(C~C30)アルキル(C~C30)アリールシリル、置換若しくは無置換の重水素化されたジ(C~C30)アルキル(C~C30)アリールシリル、置換若しくは無置換の(C~C30)アルキルジ(C~C30)アリールシリル、置換若しくは無置換の重水素化された(C~C30)アルキルジ(C~C30)アリールシリル、置換若しくは無置換のモノ-若しくはジ-(C~C30)アリールアミノ、又は置換若しくは無置換の重水素化されたモノ-若しくはジ-(C~C30)アリールアミノ;からなる群から選択され;或いは、隣接する置換基に結合して、重水素を含んでいても含んでいなくてもよい置換若しくは無置換の(C~C30)の単環式又は多環式の脂肪族環又は芳香族環を形成していてもよく、それらの炭素原子は、N、O、及びSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子で置き換えられていてもよく;p=0又は1であり;p=0の場合には、式1はカルバゾールを表し;qとrは同じであるか又は異なり、0、1、2、3、又は4である。
式(2)を有するポリマーのいくつかの非限定的な例は以下のとおりである:
【化9】
【0094】
いくつかの非限定的な実施形態では、コポリマー組成物は、光化学的に活性化される触媒を含む。いくつかの非限定的な実施形態では、光化学的に活性化される触媒は、Cyracure(商標)UVI-6970、Cyracure(商標)UVI-6974、Cyracure(商標)UVI-6990、Cyracure(商標)UVI-950、Irgacure(登録商標)250、Irgacure(登録商標)261、Irgacure(登録商標)264、SP-150、SP-151、SP-170、Optmer SP-171、CG-24-61、DAICATII、UVAC1590、UVAC1591、CI-2064、CI-2638、CI-2624、CI-2481CI-2734、CI-2855、CI-2823、CI-2758、CIT-1682、PI-2074、FFC509、BBI-102、BBI-101、BBI-103、MPI-103、TPS-103、MDS-103、DTS-103、NAT-103、NDS-103、CD-1010、CD-1011、CD-1012、CPI-100P、CPI-101A、MIPHOTO TPA-517、MIPHOTO BCF-530Dなど、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0095】
いくつかの非限定的な実施形態では、コポリマー組成物は、熱的に活性化される触媒を含む。いくつかの非限定的な実施形態では、熱的に活性化される触媒は、San-Aid SI-45(三新化学工業株式会社)、San-Aid SI-47(三新化学工業株式会社)、San-Aid SI-60(三新化学工業株式会社)、San-Aid SI-60L(三新化学工業株式会社)、San-Aid SI-80L(三新化学工業株式会社)、San-Aid SI-80L(三新化学工業株式会社)、San-Aid SI-100(三新化学工業株式会社)、San-Aid SI-100L(三新化学工業株式会社)、San-Aid SI-110L(三新化学工業株式会社)、San-Aid SI-145(三新化学工業株式会社)、San-Aid SI-150(三新化学工業株式会社)、San-Aid SI-160(三新化学工業株式会社)、San-Aid SI-110L(三新化学工業株式会社)、San-Aid SI-180L(三新化学工業株式会社)、ジアゾニウム塩、ヨードニウム塩、スルホニウム塩、ホスホニウム塩、セレニウム塩、オキソニウム塩、アンモニウム塩、金属キレート、トリメチルピリジニウムp-トルエンスルホネート、CXC-1821 (King Industries Specialty Chemicals)、CXC-2689(King Industries Specialty Chemicals)、CXC-2678(King Industries Specialty Chemicals)、CXC-1614(King Industries Specialty Chemicals)、CXC-1615(King Industries Specialty Chemicals)、CXC-1767(King Industries Specialty Chemicals)、CXC-2172(King Industries Specialty Chemicals)、CXC-2179(King Industries Specialty Chemicals)など、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0096】
本明細書に開示のコポリマー組成物の調製に有用な適切な溶媒及び共溶媒は、一般的には、それらの溶媒から作製されるコポリマー膜が目標の厚さでスピンコーティングされたときに均一な膜品質を示すようなものである。溶媒及び追加の溶媒は通常有機物である。そのような溶媒及び追加の溶媒の非限定的な実施形態としては、エーテル、ケトン、エステル、アルコール、及び芳香族炭化水素が挙げられる。いくつかの非限定的な実施形態では、溶媒及び/又は共溶媒は、プロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、メチルプロピルケトン、エチルエトキシプロピオネート、メチルイソアミルケトン、ジメチルケトン、シクロペンタノン、安息香酸ベンジル、シクロヘキサノン、2-ヒドロキシルイソ酪酸メチル、酢酸エチル、乳酸エチル、酢酸ブチル、メタノール、ブタノール、イソプロピルアルコール、N-メチルピロリジノン、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、安息香酸ベンジル、γ-ブチロラクトン、イソ酪酸イソブチル、n-ヘプタンなど、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。いくつかの非限定的な実施形態では、溶媒及び/又は共溶媒は、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、メチルプロピルケトン、メチルイソアミルケトン、ジメチルケトン、シクロペンタノンなど、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。いくつかの非限定的な実施形態では、本明細書に開示されるコポリマー組成物は、1種の溶媒を含む。いくつかの非限定的な実施形態では、本明細書に開示されるコポリマー組成物は、2種以上の溶媒及び/又は追加の溶媒を含む。
【0097】
コポリマー組成物のいくつかの非限定的な実施形態では、1種以上の高屈折率の第1のモノマーと反応性側鎖を含む1種以上の第2のモノマーは、20:1~1:1、いくつかの非限定的な実施形態では15:1~3:1、いくつかの非限定的な実施形態では10:1~5:1、いくつかの非限定的な実施形態では8:1~6:1、いくつかの非限定的な実施形態では8:1、いくつかの非限定的な実施形態7.5:1、いくつかの非限定的な実施形態7:1、いくつかの非限定的な実施形態6.9:1、いくつかの非限定的な実施形態6.8:1、いくつかの非限定的な実施形態6.7:1、いくつかの非限定的な実施形態6.6:1、いくつかの非限定的な実施形態6.5:1、いくつかの非限定的な実施形態6.4:1、いくつかの非限定的な実施形態6.3:1、いくつかの非限定的な実施形態6.2:1、いくつかの非限定的な実施形態6.1:1、いくつかの非限定的な実施形態6:1、いくつかの非限定的な実施形態5:1、いくつかの非限定的な実施形態2:1、いくつかの非限定的な実施形態1.1:1、及びいくつかの非限定的な実施形態では1:1のモル比で存在する。
コポリマー組成物のいくつかの非限定的な実施形態では、1種以上の高屈折率の第1のモノマーと、熱的又は光化学的に活性化される触媒は、10,000:1~1:1、いくつかの非限定的な実施形態では5,000:1~1:1、いくつかの非限定的な実施形態では1,000:1~1:1、いくつかの非限定的な実施形態では4,400:1、いくつかの非限定的な実施形態では100:1~1:1、いくつかの非限定的な実施形態では75:1~10:1、いくつかの非限定的な実施形態では60:1~10:1、いくつかの非限定的な実施形態では50:1~25:1、いくつかの非限定的な実施形態では40:1~30:1、いくつかの非限定的な実施形態では40:1、いくつかの非限定的な実施形態では39:1、いくつかの非限定的な実施形態では38:1、いくつかの非限定的な実施形態では37:1、いくつかの非限定的な実施形態では36:1、いくつかの非限定的な実施形態では35:1、いくつかの非限定的な実施形態では34:1、いくつかの非限定的な実施形態では33:1、いくつかの非限定的な実施形態では32:1、いくつかの非限定的な実施形態では31:1、いくつかの非限定的な実施形態では30:1、いくつかの非限定的な実施形態では25:1、いくつかの非限定的な実施形態では20:1、及びいくつかの非限定的な実施形態では10:1のモル比で存在する。
【0098】
コポリマー組成物のいくつかの非限定的な実施形態では、1種以上の溶媒は、コポリマー組成物の90%、いくつかの非限定的な実施形態では80%、いくつかの非限定的な実施形態では70%、いくつかの非限定的な実施形態では60%、いくつかの非限定的な実施形態では50%、いくつかの非限定的な実施形態では40%、いくつかの非限定的な実施形態では35%、いくつかの非限定的な実施形態では30%、いくつかの非限定的な実施形態では25%、いくつかの非限定的な実施形態では20%の重量比で存在する。
【0099】
本明細書に開示のコポリマー組成物は、重合及び硬化されて、対応するコポリマー固体を形成することができる。これは膜として直接キャストすることができ、コーティングとして塗布することができ、或いは1種以上の非溶媒の中に注ぎ入れてオリゴマー又はコポリマーを析出させることができる。水、メタノール、エタノール、及びグリコールエーテルなどのその他の同様の極性液体が、コポリマーを析出させるために用いられ得る典型的な非溶媒である。固体コポリマーは、上記の好適な有機溶媒中に溶解されて、これから処理されてもよく、又は、プロピレングリコールメチルエーテル(PGME)、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート(PGMEA)、メチル3-メトキシプロピオネート(MMP)、乳酸エチル、n-ブチルアセテート、アニソール、N-メチルピロリドン、γ-ブチロラクトン(GBL)、エトキシベンゼン、プロピオン酸ベンジル、安息香酸ベンジル、炭酸プロピレン、及びこれらの混合物などのエレクトロニクス業界で典型的に用いられる有機溶媒中に溶解されて、これから処理されてもよい。アニソール、エトキシベンゼン、PGME、PGMEA、GBL、MMP、酢酸n-ブチル、プロピオン酸ベンジル、及び安息香酸ベンジルのうちの1種以上を1種以上の追加の有機溶媒と組み合わせて含む混合物、より好ましくはアニソール、エトキシベンゼン、PGME、PGMEA、GBL、MMP、酢酸n-ブチル、プロピオン酸ベンジル、及び安息香酸ベンジルのうちの2種以上を含む混合物などの有機溶媒の混合物も使用することができる。溶媒の混合物が用いられる場合、溶媒の比は、一般には決定的に重要ではなく、99:1~1:99w/wで変動してよい。有機反応溶媒中のコポリマーの濃度は、必要に応じて、有機溶媒の一部を除去することにより、或いは有機溶媒をさらに添加することにより、調整できることを当業者は理解するであろう。
【0100】
コーティングを形成するために、本明細書に開示のコーティングコポリマー組成物は、スピンコーティング、ディッピング、ドロップキャスティング、ローラーコーティング、スクリーン印刷、インクジェット印刷、グラビア、又はその他の従来のコーティング技法によって塗布することができる。エレクトロニクス製造業界においては、スピンコーティング及びスロットダイコーティングが、既存の設備及びプロセスを活用するのに好ましい方法である。スピンコーティングにおいては、組成物が塗布される表面上での組成物の所望の厚さを達成するために、スピン速度と共に組成物の固形分を調整することができる。典型的には、本発明の組成物は、400~4000rpmのスピン速度でスピンコーティングされる。基板上に分配される組成物の量は、組成物中の合計固形分、得られるコーティング層の所望の厚さ、及び当業者に周知されるその他の因子に応じて変化する。
【0101】
材料がコーティングされ得る基板は、当該技術分野で一般的に使用されるものである。いくつかの非限定的な実施形態では、用いられる基板は、シリカ、Siウエハー、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素、炭化ケイ素、ケイ素ゲルマニウム、ガリウム砒素、リン化インジウム、窒化アルミニウム、アルミナ、ガラスなどからなる群から選択される。いくつかの非限定的な実施形態では、用いられる基板は、シリカ、Siウエハー、窒化ケイ素、及び炭化ケイ素からなる群から選択される。いくつかの非限定的な実施形態では、用いられる基板はSiウエハーである。いくつかの非限定的な実施形態では、用いられる基板はガラスである。いくつかの非限定的な実施形態では、用いられる基板は、前述した材料のうちのいずれかの上に堆積された、硬化ポリマー膜である。
【0102】
コーティング及び/又は光学薄膜の厚さは特に制限されず、例えば、特定の適用又は用途に応じて変化する。いくつかの非限定的な実施形態では、コーティング及び/又は光学薄膜の厚さは10nm~100μmである。いくつかの非限定的な実施形態では、コーティング及び/又は光学薄膜の厚さは100nm~10μmである。いくつかの非限定的な実施形態では、コーティング及び/又は光学薄膜の厚さは500nm~1μmである。いくつかの非限定的な実施形態では、コーティング及び/又は光学薄膜の厚さは、1μm~10μm、いくつかの非限定的な実施形態では1μm~5μm、いくつかの非限定的な実施形態では約1μm~2μm、いくつかの非限定的な実施形態では1.1μm、いくつかの非限定的な実施形態では1.2μm、いくつかの非限定的な実施形態では1.3、いくつかの非限定的な実施形態では1.4μm、いくつかの非限定的な実施形態では1.5μm、いくつかの非限定的な実施形態では1.6μm、いくつかの非限定的な実施形態では1.7μm、いくつかの非限定的な実施形態では1.8μm、及びいくつかの非限定的な実施形態では1.9μmである。
【0103】
通常、基板表面にコーティングされた後、コポリマー組成物は、存在するあらゆる有機溶媒を除去するために加熱(ソフトベーク)される。他の適切な温度を使用することもできるが、典型的なベーク温度は90~140℃である。残留溶媒を除去するためのこうしたベークは、典型的には約30秒から2分間行われるが、より長い時間又はより短い時間が適切に使用されてもよい。溶媒除去後に、基板表面上にコポリマーの層、膜、又はコーティングが得られる。
【0104】
ソフトベーク工程の後、コポリマー組成物を含むコーティングは、任意選択的に、基板上にフィーチャを形成するためにパターニングされ得る。フィーチャは、典型的には、コーティングの一部を紫外線に一定時間曝露してコーティングの選択された領域を架橋し、その後コーティングの残りの架橋されていない領域を現像液で洗い流して実質的に全てのコーティングを除去することによって形成される。組成物の具体的なコポリマー及び成分に応じて、パターニングは、例えば、重合、縮合、又は架橋のうちの1つ以上によって、コポリマーにさらなる変化を引き起こし得る。パターニング工程は、典型的にはマスクアライナー中で行われる。パターニング工程における紫外線照射の波長、時間、及び強度は、具体的なコポリマーの組成及び層の厚さに依存する。いくつかの非限定的な実施形態では、乾燥したコーティングは、200nm~450nmの波長の光を放射するアライナー(USHIO 350mW/h)(モデル名:Suss MA6)を使用して1~100μmのサイズの正方形の穴からなるパターンを有するマスクを通して、365nmの波長に基づいて1~200 mJ/cmの照射量で1~120秒間、露光した。いくつかの非限定的な実施形態では、使用される現像液は、23℃で70秒間、ストリームノズルを通る2.38重量%の水酸化テトラメチルアンモニウムの水溶液である。
【0105】
ソフトベーク工程後、コーティングは、典型的には、ポリマー層から実質的に全ての溶媒を除去し、それによってタックフリーのコーティングを形成し、且つ下層構造に対する層の接着性を改善するために高温で硬化させられる。組成物の具体的なコポリマー及び成分に応じて、硬化は、例えば、酸化、脱ガス、重合、縮合、又は架橋のうちの1つ以上によって、コポリマーにさらなる変化を引き起こし得る。硬化は、典型的には、ホットプレート上で又はオーブン中で行われる。硬化は、例えば、空気又は窒素、アルゴン若しくはヘリウムなどの不活性ガスの雰囲気中で行うこともでき、又は真空下で行うこともできる。非限定的な一実施形態では、ポリマー層は不活性ガス雰囲気中で硬化される。非限定的な一実施形態では、ポリマー層は周囲雰囲気条件下で硬化される。硬化のための温度及び時間は、例えば、組成物の具体的なコポリマー及び溶媒、並びに層の厚さに依存するであろう。いくつかの非限定的な実施形態では、硬化温度は100~450℃である。いくつかの非限定的な実施形態では、硬化温度は300~400℃、又は325~350℃である。コポリマー層が架橋剤及び/又は熱酸発生剤を含むコーティング(以降を参照)においては、より低い硬化温度が場合によっては用いられ得る。いくつかの非限定的な実施形態では、これらのより低い硬化温度は50~250℃である。いくつかの非限定的な実施形態では、これらのより低い硬化温度は150~200℃である。コポリマー層が架橋剤及び熱酸発生剤を含む非限定的な一実施形態では、硬化温度は200℃である。いくつかの非限定的な実施形態では、硬化時間は30秒間~2時間である。非限定的な一実施形態では、硬化時間は5分間である。いくつかの非限定的な実施形態では、硬化時間は10分間~60分間である。非限定的な一実施形態では、硬化時間は30分間である。硬化は、単一工程又は多工程で行うことができる。硬化は、一定温度で、又は傾斜若しくは段々状の温度プロファイルなどの変化に富む温度プロファイルでコポリマー組成物層を加熱することによって行うことができる。
【0106】
硬化したコポリマー材料や薄膜などは、通常溶媒成分(d)(これは本明細書に記載のプロセスにより除去される)を含まないコポリマー配合物の実施形態によって本明細書に開示されているものに対応する組成物によって特徴付けられる。
【0107】
本開示は、さらに、(a)1種以上の高屈折率の第1のモノマーと、反応性側鎖を含む1種以上の第2のモノマーとを含むコポリマーと;(b)1種以上の溶媒と;を含む配合物に関する。
【0108】
本開示はさらに、(a)1種以上の高屈折率の第1のモノマーと、反応性側鎖を含む1種以上の第2のモノマーとを含むコポリマーと;(b)架橋剤と;(c)熱酸発生剤と;(d)酸化防止剤と;(e)界面活性剤と;(f)1種以上の溶媒及び/又は共溶媒と;を含む配合物に関する。
【0109】
いくつかの非限定的な実施形態では、本明細書に開示される配合物は、表面レベリング剤、光開始剤、光酸発生剤、脱酸素剤、UV遮断剤、及びヒンダードアミン光安定剤からなる群から選択される1種以上の成分をさらに含む。
【0110】
配合物中に1種以上の高屈折率の第1のモノマーと反応性側鎖を含む1種以上の第2のモノマーとを含むコポリマーの非限定的な実施形態は、通常、コポリマー組成物中の1種以上の高屈折率の第1のポリマー及び反応性側鎖を含む1種以上の第2のモノマーについて本明細書で開示のものと同じである。配合物中の具体的なコポリマーの非限定的な例としては、以下のものが挙げられる:
【化10】
【0111】
いくつかの非限定的な実施形態では、配合物は架橋剤を含む。いくつかの非限定的な実施形態では、架橋剤は、架橋性化合物、又は当業者に既知となるその他の用語で称される。配合物中の具体的なコポリマーに応じて、例えば、配合物中のコポリマーに強度又は弾性などの改善された機械的特性を提供するために、配合物中に架橋剤を含めることが望ましい場合がある。本明細書で開示される配合物のいくつかの非限定的な実施形態では、架橋剤は、ジアミン化合物、メラミン化合物、ヘミアミナール化合物、グアナミン化合物、ベンゾ-グアナミン化合物、グリコールウリル化合物、尿素化合物、エポキシ化合物、イソシアネート化合物、アジド化合物、水酸化物含有化合物、及びアルケニル化合物からなる群から選択される。
【0112】
好適な架橋剤は、配合物中のコポリマーに応じて変わり、例えば、以下から選択され得る:ヘキサメチロールメラミン、ヘキサメトキシメチルメラミン、メトキシメチル化した1~6個のメチロール基を有するヘキサメチロールメラミン化合物、ヘキサメトキシエチルメラミン、ヘキサシロキシメチルメラミン、及びアシロキシメチル化した1~6個のメチロール基を有するヘキサメチロールメラミン化合物などのメラミン化合物;1,3,4,6-テトラキス(メトキシメチル)グリコールウリル及びヘキサ-(メトキシメチル)メラミン、1,3-ビス(メトキシメチル)-2-イミダゾリジノンなどのヘミアミナール化合物;テトラメチロールグアナミン、テトラメトキシメチルグアナミン、メトキシメチル化した1~4個のメチロール基を有するテトラメチロールグアナミン化合物、テトラメトキシエチルグアナミン、テトラアシロキシグアナミン、アシロキシメチル化した1~4個のメチロール基を有するテトラメチロールグアナミン化合物、及びベンゾグアナミン化合物などのグアナミン化合物;テトラメチロールグリコールウリル、テトラメトキシグリコールウリル、テトラメトキシメチルグリコールウリル、メトキシメチル化した1~4個のメチロール基を有するテトラメチロールグリコールウリル化合物、及びアシロキシメチル化した1~4個のメチロール基を有するテトラメチロールグリコールウリル化合物などの、メチロール、アルコキシメチル、及びアシルオキシメチル基から選択される少なくとも1つの基をその上で置換したグリコールウリル化合物;テトラメチロール尿素、テトラメトキシメチル尿素、メトキシメチル化した1~4個のメチロール基を有するテトラメチロール尿素化合物、及びテトラメトキシエチル尿素などの、メチロール、アルコキシメチル、及びアシルオキシメチル基から選択される少なくとも1つの基をその上で置換した尿素化合物;トリス(2,3-エポキシプロピル)イソシアヌレート、トリメチロールメタントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールSジグリシジルエーテル、HP-4032(DIC株式会社)、HP-4700(DIC株式会社)、HP-4770(DIC株式会社)、4,4’-メチレンビス(N,N-ジグリシジルアニリン)、トリス(4ヒドロキシ-フェニル)メタントリグリシダルエーテル、3,4-エポキシシクロヘキシルメチル-3,4-エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、TEPIC-UC(日産化学株式会社)、テトラキス[(エポキシシクロヘキシル)エチル]テトラメチルシクロテトラシロキサン、及びトリエチロールエタントリグリシジルエーテルなどのエポキシ化合物;ブロックされたイソシアネートであるDesmodur BL 3475 SA/SNなどのイソシアネート化合物;アジド化合物;ヒドロキシ含有化合物;4,4’-ジアミノジフェニルスルホンなどのジアミン含有化合物;又はアルケニルエーテル基などの二重結合を有する化合物。
【0113】
これらの架橋化合物の非限定的な実施形態は、適切な条件下でコポリマーの求核性側鎖と反応するように選択される。そのような架橋化合物は、求電子的に反応性のある架橋基を有するであろう。そのような架橋剤の例は以下の通りである:
【化11】
【0114】
これらの架橋化合物の別の非限定的な実施形態は、金属酸化物、又は金属酸化物オリゴマー組成物を含む。そのような架橋化合物は、官能性側鎖として反応性架橋基を有する。それらの組成物は、一般的に以下の通りに表すことができる:
【化12】
(式中、Rはアルキル又はアリール官能基であり、Mは、以下の金属:Ti、Zn、Zr、V、Hf、Sn、La、Rh、Ce、U、Cu、La、Crのうちの1つである)。そのような架橋剤の例は以下の通りである:
【化13】
【0115】
これらの架橋化合物の他の非限定的な実施形態は、適切な条件下でコポリマーのラジカル反応性側鎖と反応するように選択される。そのような架橋化合物は、MIRAMER HR-6042[Miwon Specialty Chemical Companyから入手可能]など、ラジカル反応性架橋基を有する。そのような架橋剤の例は以下の通りである:
【化14】
【0116】
これらの架橋化合物の別の非限定的な実施形態は、適切な条件下でコポリマーのアルケン側鎖又はアルキン側鎖と反応するように選択される。そのような架橋化合物は、アルケン反応性架橋基を有する。そのような架橋剤の例は以下の通りである:
【化15】
【0117】
これらの架橋化合物の別の非限定的な実施形態は、適切な条件下でコポリマーの求電子性側鎖と反応するように選択される。そのような架橋化合物は、求核性架橋基を有する。そのような架橋剤の例は以下の通りである:
【化16】
【0118】
これらの化合物は、添加剤として使用されてもペンダント基としてコポリマー側鎖に導入されてもよい。用いられる場合、架橋剤は、典型的には、配合物の全固形分に基づいて0.5~50重量%、又は0.5~25重量%の量で配合物中に存在する。いくつかの非限定的な実施形態では、架橋剤は、全固形分に基づいて5~20重量%の量で配合物中に存在する。
【0119】
配合物中の具体的なコポリマーによっては、例えば、より低い温度で硬化工程を実施することを可能にするため、配合物中に熱酸発生剤を含めることが望ましい場合がある。好適な熱酸発生剤は、配合物中のコポリマーに応じて変わり、例えば、以下のもの:
【化17】
から選択することができ、TAG2は、例えば、King Industriesから商品名「K-Pure TAG」で市販されている。いくつかの非限定的な実施形態では、熱酸発生剤は、CXC-1821(King Industries)、TAG-2689(King Industries)、アンモニウムトリフレート、及びN-ベンジル-N,N-ジメチルベンゼンアミニウムトリフレートからなる群から選択することができる。
【0120】
用いられる場合は、熱酸発生剤は、典型的には、配合物の全固形分に基づいて0.001~25重量%又は0.25~15重量%の量で配合物中に存在する。いくつかの非限定的な実施形態では、熱酸発生剤は、0.25~2.5重量%の量で配合物中に存在する。
【0121】
配合物中の具体的なコポリマーによっては、例えば、潜在的な酸化反応の低減により配合物の安定性を高めるために、配合物に酸化防止剤を含めることが望ましい場合がある。適切な酸化防止剤は、配合物中の成分に依存し、例えば、ペンタエリスリトールテトラキス((3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート)[BASFから商品名IRGANOX(登録商標)1010として入手可能]、ジラウリルチオジプロピオネート[BASFから商品名IRGANOX(登録商標)PS800として入手可能]、トリス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)ホスファイト[BASFから商品名IRGAPHOS(登録商標)168として入手可能]、ポリ-(N-ベータ-ヒドロキシエチル-2,2,6,6-テトラメチル-4-ヒドロキシ-ピペリジルサクシネート)チオジプロピオネート[BASFから商品名Tinuvin(登録商標)622として入手可能]、ビス(2.4-ジ-t-ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスフェートチオジプロピオネート[Brenntagから商品名ULTRANOX(登録商標)626として入手可能]、40%のトリエチレングリコールビス(3-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)、ポリビニルアルコール、及び脱イオン水[BASFから商品名IRGANOX(登録商標)245DWとして入手可能]、Weston(登録商標)705T、4-ヒドロキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-1-オキシル[別名4-ヒドロキシ-TEMPO]、トリス(トリメチルシリル)シラン、トリメチルシクロヘキシルサリシレート、トリオクチルホスフィン、トリメチロールプロパントリス(3-メルカプトプロピオネート(popionate))、トリメチロールプロルパントリス(3-メルカプトプロピオネート)、トリフェニルホスフィン、並びに3,9-ビス(オクタデシルオキシ)2,4,8,10-テトラオキサ-3,9-ジホスファスピロ[5,5]ウンデカン及びペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトプロピオネート)から選択することができる。
【0122】
用いられる場合は、酸化防止剤は、典型的には、配合物の全固形分に基づいて0.1~25重量%、又は0.25~15重量%の量で配合物中に存在する。いくつかの非限定的な実施形態では、酸化防止剤は、0.5~2.5重量%の量で配合物中に存在する。
【0123】
配合物中の具体的なコポリマーによっては、例えば、配合物の表面張力を低下させるために、配合物中に界面活性剤を含めることが望ましい場合がある。適切な界面活性剤は、配合物中の成分に依存し、例えば、フッ素化及び非フッ素化界面活性剤から選択することができ、これらはイオン性であっても非イオン性であってもよい。いくつかの非限定的な実施形態では、界面活性剤は、FC-4430及びFC-4432界面活性剤[3M Corporationから入手可能]などのパーフルオロ-C界面活性剤、並びにPOLYFOX PF-535、PF-636、PF-6320、PF-656、及びPF-6520フルオロ界面活性剤[Omnovaから入手可能]などのフルオロジオール、並びにDOWSIL(商標)FZ-2122[Dow,Inc.から入手可能]などのグリコールエーテルからなる群から選択される。
【0124】
使用される場合、界面活性剤は、典型的には、配合物の全固形分に基づいて0.001~1重量%又は0.01~0.5重量%の量で配合物中に存在する。いくつかの非限定的な実施形態では、界面活性剤は、0.05~0.25重量%の量で配合物中で存在する。
【0125】
本明細書に開示される配合物の調製に有用な適切な溶媒は、一般的には、それらの溶媒から作製される膜が目標の厚さでスピンコーティングされたときに均一な膜品質を示すようなものである。溶媒は通常有機物である。そのような溶媒の非限定的な実施形態としては、エーテル、ケトン、エステル、アルコール、及び芳香族炭化水素が挙げられる。いくつかの非限定的な実施形態では、溶媒は、プロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、メチルプロピルケトン、メチルイソアミルケトン、ジメチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、γ-ブチロラクトン、メチル2-ヒドロキシルイソブチレート、酢酸エチル、酢酸ブチル、メタノール、ブタノールなど、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。いくつかの非限定的な実施形態では、溶媒は、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、メチルプロピルケトン、メチルイソアミルケトン、ジメチルケトン、シクロペンタノン、メチル2-ヒドロキシルイソブチレートなど、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。いくつかの非限定的な実施形態では、本明細書に開示される配合物は1種の溶媒を含む。いくつかの非限定的な実施形態では、本明細書に開示される配合物は2種以上の溶媒を含む。いくつかの非限定的な実施形態では、溶媒は、当業者によって理解されるように、追加の溶媒又は共溶媒と呼ばれる。
【0126】
本配合物は、任意選択的には、表面レベリング剤、又は「レベリング剤」を含み得る。レベリング剤は、次のモノマーSi(R)(R)(OR(式中、R、R又はRは、C~C20アルキル若しくはC~C20脂肪族基又はC~C20アリール基からそれぞれ独立して選択される)の重合に由来する多くのシリコーン単位を含有し得る。1つの非限定的な実施形態において、レベリング剤は、非イオン性であり、カチオン性光硬化プロセス又は熱硬化条件下でケイ素及び非ケイ素樹脂中に含有される官能基と化学反応することができる少なくとも2つの官能基を含有し得る。非反応基を含有するレベリング剤が、いくつかの非限定的な実施形態において存在する。ケイ素由来単位に加えて、レベリング剤は、オキシラン環を含むC~C20脂肪族分子の重合に由来する単位を含み得る。加えて、レベリング剤は、ヒドロキシル基を含むC~C50脂肪族分子に由来する単位を含み得る。いくつかの非限定的な実施形態において、レベリング剤は、ハロゲン置換基を含まない。いくつかの非限定的な実施形態において、レベリング剤の分子構造は、主に直鎖、分岐状、若しくは超分岐状であるか、又はそれはグラフト構造であり得る。
【0127】
1種以上のレベリング剤がシリコーン単位を含み、且つ1種以上の界面活性剤がシリコーン単位を含まない、レベリング剤の混合物が使用されてもよい。いくつかの非限定的な実施形態において、シリコーン単位を含まないレベリング剤は、ポリエーテル基又はパーフルオロ化ポリエーテル基を含み得る。
【0128】
好適なレベリング剤の分子量(溶離液としてテトラヒドロフランを使用し、屈折率測定により検出されるような分子量の較正のためにポリスチレンを使用するGPCによって測定されるような)は、1,000Da~1,000,000Daで変わる。いくつかの非限定的な実施形態において、レベリング剤は、単峰性分子量分布又は多峰性分子量分布を有し得る。
【0129】
1つの非限定的な実施形態において、レベリング剤は、例えば、(非特許文献1)に記載されているようなものである。それは、BYK Additives and Instrumentsから商業的に入手可能であり、構造を有する:
【化18】
【0130】
いくつかの非限定的な実施形態において;レベリング剤は、AD1700、MD700;Megaface F-114、F-251、F-253、F-281、F-410、F-430、F-477、F-510、F-551、F-552、F-553、F-554、F-555、F-556、F-557、F-558、F-559、F-560、F-561、F-562、F-563、F-565、F-568、F-569、F-570、F-574、F-575、F-576、R-40、R-40-LM、R-41、R-94、RS-56、RS-72-K、RS-75、RS-76-E、RS-76-NS、RS-78、RS-90、DS-21(DIC Sun Chemical);KY-164、KY-108、KY-1200、KY-1203(Shin Etsu);Dowsil 14、Dowsil 11、Dowsil 54、Dowsil 57、Dowsil FZ2110、FZ-2123;Xiameter OFX-0077;ECOSURF EH-3、EH-6、EH-9、EH-14、SA-4、SA-7、SA-9、SA-15;Tergitol 15-S-3、15-S-5、15-S-7、15-S-9、15-S-12、15-S-15、15-S-20、15-S-30、15-S-40、L61、L-62、L-64、L-81、L-101、XD、XDLW、XH、XJ、TMN-3、TMN-6、TMN-10、TMN-100X、NP-4、NP-6、NP-7、NP-8、NP-9、NP-9.5、NP-10、NP-11、NP-12、NP-13、NP-15、NP-30、NP-40、NP-50、NP-70;Triton CF-10、CF-21、CF-32、CF76、CF87、DF-12、DF-16、DF-20、GR-7M、BG-10、CG-50、CG-110、CG-425、CG-600、CG-650、CA、N-57、X-207、HW 1000、RW-20、RW-50、RW-150、X-15、X-35、X-45、X-114、X-100、X-102、X-165、X-305、X-405、X-705;PT250、PT700、PT3000、P425、P1000TB、P1200、P2000、P4000、15-200(Dow Chemical);DC ADDITIVE 3、7、11、14、28、29、54、56、57、62、65、67、71、74、76、163(DowCorning);TEGO Flow 425、Flow 370、Glide 100、Glide 410、Glide 415、Glide 435、Glide 432、Glide 440、Glide 450、Flow 425、Wet 270、Wet 500、Rad 2010、Rad 2200 N、Rad 2011、Rad 2250、Rad 2500、Rad 2700、Dispers 670、Dispers 653、Dispers 656、Airex 962、Airex 990、Airex 936、Airex 910(Evonik);BYK-300、BYK-301/302、BYK-306、BYK-307、BYK-310、BYK-315、BYK-313、BYK-320、BYK-322、BYK-323、BYK-325、BYK-330、BYK-331、BYK-333、BYK-337、BYK-341、BYK-342、BYK-344、BYK-345/346、BYK-347、BYK-348、BYK-349、BYK-370、BYK-375、BYK-377、BYK-378、BYK-UV3500、BYK-UV3510、BYK-UV3570、BYK-3550、BYK-SILCLEAN 3700、Modaflow 9200、Modaflow 2100、Modaflow Lambda、Modaflow Epsilon、Modaflow Resin、Efka FL、Additiol XL 480、Additol XW 6580、及びBYK-SILCLEAN 3720からなる群から選択される。
【0131】
レベリング剤は、0~1重量%、又は0.001~0.9重量%、又は0.05~0.5重量%、又は0.05~0.25重量%、又は0.05~0.2重量%、又は0.1~0.15重量%の量で存在することができる。
【0132】
本開示の配合物は、それらをUV硬化性(すなわち光硬化性)にするために、1種以上の光開始剤を含むことができ、そのようなUV活性化光開始剤は、適切なUV放射によって活性化される。多種多様な光開始剤が使用され得る。光開始剤は、アシルホスフィンオキシド、アミノアルキルフェノン、ヒドロキシルケトン、ベンジルケタール、ベンゾインエーテル、ベンゾフェノン、又はチオキサントンを含むことができる。
【0133】
光開始剤の例としては、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパノン(IGM Resinsから商業的に入手可能な、OMNIRAD(商標)1173)、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(IGM Resinsから商業的に入手可能な、OMNIRAD(商標)184)、1-[4-(2-ヒドロキシエトキシ)-フェニル]-2-ヒドロキシ-2-メチル-1-プロパノン(IGM Resinsから商業的に入手可能な、OMNIRAD(商標)2959)などの、α-ヒドロキシケトン;ベンゾフェノン;ベンゾインジメチルエーテル;ベンジルジメチルケタール;α-アミノケトン;モノアシルホスフィン;ビスアシルホスフィン;ジフェニル(2,4,6-トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキシド、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニル-ホスフィンオキシド(IGM Resinsから商業的に入手可能な、OMNIRAD(商標)TPO)、OMNIRAD(商標)819(ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルホスフィンオキシド、IGM Resins)などのホスフィンオキシド、エチル(3-ベンゾイル-2,4,6-トリメチルベンゾール)(フェニル)ホスフィネート(Lambson Limited,Wetherby,United Kingdomから商業的に入手可能な、SPEEDCURE(商標)XKm);ジエトキシアセトフェノン(DEAP);並びに2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパノンと、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシドとエチル(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルホスフィネートとのブレンド(IGM Resinsから商業的に入手可能な、OMNIRAD(商標)2022)及びビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシドとエチル(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルホスフィネートとのブレンド(IGM Resinsから商業的に入手可能な、OMNIRAD(商標)2100)などのそれらの混合物を挙げることができるが、それらに限定されない。所与の光開始剤のために使用するための特定のUV波長、並びに露光の長さの選択は、当業者に周知である。
【0134】
光開始剤の例としては、限定するものではないが、以下の式で表されるオキシムエステル分子が挙げられる:
【化19】
(式中、R~Rは、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、(C1~C20)アルキル、(C6~C20)アリール、(C1~C20)アルコキシ、(C6~C20)アリール(C1~C20)アルキル、ヒドロキシ(C1~C20)アルキル、ヒドロキシ(C1~C20)アルコキシ(C1~C20)アルキル、又は(C3~C20)シクロアルキルである)。このような分子には、Samyang Corporationから市販されているSPI-05が含まれる。
【0135】
光開始剤は、0~1重量%、又は0.001~0.9重量%、又は0.05~0.5重量%、又は0.05~0.25重量%、又は0.05~0.2重量%、又は0.1~0.15重量%の量で存在することができる。
【0136】
本開示の配合物は、光酸発生剤(PAG)をさらに含み得る。好適なPAGは、露光後ベーク中、フォトレジスト組成物のポリマー上に存在する酸不安定基の開裂を引き起こす酸を生成することができる。適切なPAG化合物は、化学的に増幅されるフォトレジストの分野で知られており、イオン性であっても非イオン性であってもよい。好適なPAGとしては、例えば、オニウム塩、例えばトリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、(p-tert-ブトキシフェニル)ジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、トリス(p-tert-ブトキシフェニル)スルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムp-トルエンスルホネート;ジ-t-ブチルフェニルヨードニウムパーフルオロブタンスルホネート及びジ-t-ブチルフェニルヨードニウムカンファースルホネートが挙げられる。ノニオン性スルホネート及びスルホニル化合物も光酸発生剤として機能することが知られており、例えばニトロベンジル誘導体、例えば2-ニトロベンジル-p-トルエンスルホネート、2,6-ジニトロベンジル-p-トルエンスルホネート及び2,4-ジニトロベンジル-p-トルエンスルホネート、スルホン酸エステル、例えば1,2,3-トリス(メタンスルホニルオキシ)ベンゼン、1,2,3-トリス(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)ベンゼン及び1,2,3-トリス(p-トルエンスルホニルオキシ)ベンゼン、ジアゾメタン誘導体、例えばビス(ベンゼンスルホニル)ジアゾメタン、ビス(p-トルエンスルホニル)ジアゾメタン、グリオキシム誘導体、例えばビス-O-(p-トルエンスルホニル)-α-ジメチルグリオキシム及びビス-O-(n-ブタンスルホニル)-α-ジメチルグリオキシム、N-ヒドロキシイミド化合物のスルホン酸エステル誘導体、例えばN-ヒドロキシスクシンイミドメタンスルホン酸エステル、N-ヒドロキシスクシンイミドトリフルオロメタンスルホン酸エステル及びハロゲン含有トリアジン化合物、例えば2-(4-メトキシフェニル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-1,3,5-トリアジン及び2-(4-メトキシナフチル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-1,3,5-トリアジンが挙げられる。適切な光酸発生剤は、Hashimotoらの(特許文献2)、37列、11~47行及び41~91列にさらに記載されている。他の好適なスルホネートPAGには、スルホネート化エステル及びスルホニルオキシケトン、ニトロベンジルエステル類、s-トリアジン誘導体、ベンゾイントシレート、t-ブチルフェニルα-(p-トルエンスルホニルオキシ)-アセテート、及びt-ブチルα-(p-トルエンスルホニルオキシ)-アセテートが含まれる。これらは、(特許文献3)及び(特許文献2)に記載されているものである。
【0137】
いくつかの非限定的な実施形態では、適切なPAGは、式Gを有し、ここで、Gは有機カチオンであり、Aは有機アニオンである。有機カチオンには、例えば、2つのアルキル基、アリール基若しくはアルキル及びアリール基の組み合わせで置換されたヨードニウムカチオン、及び3つのアルキル基、アリール基若しくはアルキル及びアリール基の組み合わせで置換されたスルホニウムカチオンが含まれる。いくつかの実施形態では、Gは、2つのアルキル基、アリール基若しくはアルキル及びアリール基の組み合わせで置換されたヨードニウムカチオン、又は3つのアルキル基、アリール基若しくはアルキル及びアリール基の組み合わせで置換されたスルホニウムカチオンである。いくつかの実施形態では、Gは、式(3A)を有する置換スルホニウムカチオン又は式(3B)を有するヨードニウムカチオンのうちの1種以上であってよい:
【化20】
(式中、各Raaは、独立して、C1~20アルキル基、C1~20フルオロアルキル基、C3~20シクロアルキル基、C3~20フルオロシクロアルキル基、C2~20アルケニル基、C2~20フルオロアルケニル基、C6~30アリール基、C6~30フルオロアリール基、C6~30ヨードアリール基、C4~30ヘテロアリール基、C7~20アリールアルキル基、C7~20フルオロアリールアルキル基、C5~30ヘテロアリールアルキル基、又はC5~30フルオロヘテロアリールアルキル基であり、これらは、それぞれ置換又は無置換であり、各Raaは、他のRaa基と離れているか、又は単結合若しくは二価の連結基を介して連結して環を形成する)。各Raaは、任意選択で、その構造の一部として、-O-、-C(O)-、-C(O)-O-、-C1~12ヒドロカルビレン-、-O-(C1~12ヒドロカルビレン)-、-C(O)-O-(C1~12ヒドロカルビレン)-、及び-C(O)-O-(C1~12ヒドロカルビレン)-O-から選択される1つ以上の基を含み得る。各Raaは、独立して、任意選択で、例えば三級アルキルエステル基、二級又は三級アリールエステル基、アルキル基とアリール基との組み合わせを有する二級又は三級エステル基、三級アルコキシ基、アセタール基又はケタール基から選択される、酸に不安定な基を含み得る。Raa基の接続に適した二価連結基は、例えば、-O-、-S-、-Te-、-Se-、-C(O)-、-C(S)-、-C(Te)-又は-C(Se)-、置換若しくは無置換C1~5アルキレン及びこれらの組み合わせを含む。
【0138】
例示的な式(3A)のスルホニウムカチオンには、以下が含まれる:
【化21】
【化22】
【0139】
式(3B)の例示的なヨードニウムカチオンとしては、以下のものが挙げられる:
【化23】
【0140】
オニウム塩であるPAGは、典型的には、スルホンアミデート基、スルホンイミデート基、メチド基、又はボレート基等のスルホネート基又は非スルホネート型基を有するアニオンを含む。例示的な適切なスルホネート基を有するアニオンには、以下が含まれる:
【化24】
【0141】
例示的な適切な非スルホネート化アニオンには、以下が含まれる:
【化25】
【0142】
本開示の配合物は、配合物の酸素含有量を1000ppb以下に維持するのに十分な量の1種以上の脱酸素剤を任意選択的に含み得る。いくつかの非限定的な実施形態では、配合物の酸素含有量は、1000ppb~0ppb、いくつかの非限定的な実施形態では500ppb~0ppb、いくつかの非限定的な実施形態では200ppb~0ppbである。
【0143】
脱酸素剤としては、限定するものではないが、以下の式を有するヒドロキシルアミン化合物が挙げられる:
【化26】
(式中、R及びRは、同じであっても異なっていてもよく、水素、置換若しくは無置換(C~C10)アルキル、置換若しくは無置換(C~C10)シクロアルキル、又は置換若しくは無置換(C~C10)アリールであるが、RとRは同時に水素ではないことを条件とする)。そのようなアルキル基の非限定的な例としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ヒドロキシメチル、2-ヒドロキシエチル、ペンチル、t-ブチル及びオクチルが挙げられる。シクロアルキル基の非限定的な例としては、シクロペンチル、シクロヘキシル、4-メチル-シクロヘキシル、及びシクロオクチルが挙げられる。アリール基の非限定的な例としては、フェニル、ナフチル、キシリル、4-ヒドロキシフェニル、及びトリルが挙げられる。具体的な脱酸素剤の非限定的な例としては、N-メチルヒドロキシルアミン、N-イソプロピルヒドロキシルアミン、N-シクロヘキシルヒドロキシルアミン、及びN,N-ジエチルヒドロキシルアミンが挙げられる。
【0144】
脱酸素剤は、限定するものではないが、脂肪族、芳香族、及びアミノカルボン酸などの有機酸及びそれらの塩も含み得る。カルボン酸の非限定的な例としては、酢酸、プロピオン酸、酪酸、ペンタン酸、3-メチルブタン酸、没食子酸、クエン酸、乳酸、アスコルビン酸、タルトロン酸、及び2,4-ジヒドロキシ安息香酸が挙げられる。アミノカルボン酸の非限定的な例としては、グリシン、ジヒドロキシエチルグリシン、アラニン、バリン、ロイシン、アスパラギン、グルタミン、及びリジンが挙げられる。
【0145】
追加の脱酸素剤としては、ヒドラジン、カルボヒドラジド、エリソルベート、メチルエチルケトキシム、ヒドロキノン、ヒドロキノンスルホン酸塩、ナトリウム塩、エトキシキン、メチルテトラゾン、テトラメチルフェニレンジアミン、DEAE、2-ケトグルコネート、Tinuvin(登録商標)123及び292(BASF)、並びにヒドロキシアセトンが挙げられる。いくつかの非限定的な実施形態では、脱酸素剤は、ヒドロキノン及びヒドロキノンスルホン酸塩、ナトリウム塩からなる群から選択される。
【0146】
通常、存在する場合、脱酸素剤は、0.001重量%~1重量%の量で配合物に含まれる。いくつかの非限定的な実施形態では、脱酸素剤は、配合物を望まれる酸素含有量にするために、0.005重量%~0.1重量%の量で溶液中に含まれる。
【0147】
本開示の配合物は、任意選択的に1種以上のUV遮断剤を含み得る。UV遮断剤の非限定的な例としては、アントラキノン、アルキル及びハロゲンで置換されたアントラキノンなどの置換アントラキノン(2-tertブチルアントラキノン、1-クロロアントラキノン、p-クロロアントラキノン、2-メチルアントラキノン、2-エチルアントラキノン、オクタメチルアントラキノン、及び2-アミルアントラキノンなど)、任意選択的に置換されていてもよい多核キノン(1,4-ナフタキノン、9,10-フェナントラキノン、1,2-ベンズアントラキノン、2,3-ベンズアントラキノン、2-メチル-1,4-ナフトキノン、2,3-ジクロロナフタキノン、1,4-ジメチルアントラキノン、2,3-ジメチルアントラキノン、2-フェニルアントラキノン、2,3-ジフェニルアントラキノン、3-クロロ-2-メチルアントラキノン、レテンキノン、7,8,9,10-テトラヒドロナフタアントラキノン、1,2,3,4-テトラヒドロベンズアントラセン-7,2-ジオンなど)、アセトフェノン(アセトフェノン、2,2-ジメトキシ-2-フェニルアセトフェノン、2,2-ジエトキシ-2-フェニルアセトフェノン、1,1-ジクロロアセトフェノンなど)、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、及び2-メチル-1-(4-メチルチオ)フェニル-2-モルホリン-プロパン-1-オン;2-メチルチオキサントン、2-デシルチオキサントン、2-ドデシルチオキサントン、2-イソプロピルチオキサントン、2,4-ジメチルチオキサントン、2,4-ジエチルチオキサントン、2-クロロチオキサントン、及び2,4-ジイソプロピルチオキサントンなどのチオキサントン;アセトフェノンジメチルケタール及びジベンジルケタールなどのケタール;ベンゾイン及びベンゾインアルキルエーテル(ベンゾイン、ベンジルベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、及びベンゾインイソブチルエーテルなど);アゾビスイソバレロニトリルなどのアゾ化合物;ミヒラーケトン、エチルミヒラーケトン、及びキサントン、並びにこれらの混合物が挙げられる。
【0148】
UV遮断剤として、有機顔料も使用され得る。そのような有機顔料としては、限定するものではないが:カーボンブラック、インジゴ、フタロシアニン、パラレッド、フラバノイド(レッド、イエロー、ブルー、オレンジ、アイボリー色など)が挙げられる。カラーインデックス(C.I.)番号を有する具体的な有機顔料としては、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー20、C.I.ピグメントイエロー24、C.I.ピグメントイエロー31、C.I.ピグメントイエロー55、C.I.ピグメントイエロー83、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー109、C.I.ピグメントイエロー110、C.I.ピグメントイエロー139、C.I.ピグメントイエロー153、C.I.ピグメントイエロー154、C.I.ピグメントイエロー166、C.I.ピグメントイエロー168、C.I.ピグメントオレンジ36、C.I.ピグメントオレンジ43、C.I.ピグメントオレンジ51、C.I.ピグメントレッド9、C.I.ピグメントレッド97、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド176、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド180、C.I.ピグメントレッド215、C.I.ピグメントバイオレット19、C.I.ピグメントバイオレット23、C.I.ピグメントバイオレット29、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15:6、C.I.ピグメントグリーン7、C.I.ピグメントグリーン36、C.I.ピグメントブラウン23、C.I.ピグメントブラウン25、C.I.ピグメントブラック1、及びC.I.ピグメントブラック7が挙げられる。その他の適切な顔料としては、限定するものではないが、二酸化チタン、プルシアンブルー、硫化カドミウム、酸化鉄、バーミリオン、ウルトラマリン、クロム顔料(クロム酸塩など)、モリブデン酸塩、混合クロム酸塩、鉛や亜鉛やバリウムやカルシウムの硫酸塩、並びにこれらの混合物及び変性物(プリムローズ、レモン、ミドルオレンジ、スカーレット、及びレッドクロムの名称で黄緑から赤色の顔料として市販)が挙げられる。
【0149】
UV遮断剤として有機染料も使用され得る。そのような染料としては、限定するものではないが、アゾ染料、アントラキノン、ベンゾジフラノン、インジゴールド、ポリメチン及び関連染料、スチリル、ジ及びトリアリールカルボニウム染料及び関連染料、キノフタロン、硫黄ベースの染料、ニトロ及びニトロソ染料、スチルベン、ホルマザン、ジオキサジン、ペリレン、キナクリドン、ピロロピロール、イソインドリン及びイソインドリノンが挙げられる。他の適切な染料としては、限定するものではないが、アゾ染料、金属錯体染料、ナフトール染料、インジゴ染料、カルボニウム染料、キノンイミン染料、キサンテン染料、シアニン染料、キノリン染料、ニトロ染料、ニトロソ染料、ベンゾキノン染料、ナフトキノン染料、ペノリン染料、フタロシアニン染料、ロイコ染料、及び蛍光染料が挙げられる。蛍光染料の例は、キサンテン(ローダミン及びフルオレセインなど)、ビマン、クマリン(ウンベリフェロンなど)、芳香族アミン(ダンシルなど)、スクアレート染料、ベンゾフラン、シアニン、メロシアニン、希土類キレート、及びカルバゾールである。
【0150】
市販のUV遮断剤としては、限定するものではないが、Spertic laboratories Inc.から入手可能なCYASORB(商標)UV24、Addivant LLCから入手可能なLOWILITE(商標)27、LOWILITE(商標)22、LOWILITE(商標)55、LOWILITE(商標)26、Mayzo,Inc.から入手可能なBLS 531、BLS 5411、BLS 1326、Speedcure(商標)ITX、EHA及び3040、Irgacure(商標)184、369、907、及び1850、Daracure(商標)1173 Uvinul(登録商標)3027、3028、3029、3030、3033、及び3035、並びにBASFから入手可能なTinuvin(登録商標)460、479、及び1600が挙げられる。Speedcure(商標)、Irgacure(商標)、及びDaracure(商標)は、それぞれLambson Plc及びCiba GmbHの登録商標である。
【0151】
通常、存在する場合、UV遮断剤は、0.001重量%~1重量%の量で配合物に含まれる。いくつかの非限定的な実施形態では、UV遮断剤は、0.005重量%~0.1重量%の量で溶液に含まれ、望まれるレベルのUV保護を提供する。
【0152】
本開示の配合物は、任意選択的に、1種以上のヒンダードアミン光安定剤を含み得る。ヒンダードアミン又はヒンダードアミン誘導体は、アミン構造を示す窒素原子の3つの結合位置のうちの少なくとも1つの位置に直接結合した有機又は無機のかさ高い構造を有する化合物の総称である。より具体的には、ヒンダードアミン光安定剤(HALS)として知られる二級又は三級アミンの構造、例えば、窒素原子の1つの位置がオキシラジカルで置換されている構造(TEMPO、4-ヒドロキシ-TEMPなど)が周知である。
【0153】
通常、存在する場合、ヒンダードアミン光安定剤は、0.001重量%~1重量%の量で配合物に含まれる。いくつかの非限定的な実施形態では、ヒンダードアミン光安定剤は、望まれるレベルの安定性を提供するために、0.005重量%~0.1重量%の量で溶液中に含まれる。
【0154】
本明細書に開示の配合物のいくつかの非限定的な実施形態では、1種以上の高屈折率の第1のモノマーと反応性側鎖を含む1種以上の第2のモノマーとを含むコポリマーの重量パーセントは、5%~95%、いくつかの非限定的な実施形態では10%~80%、いくつかの非限定的な実施形態では15%~75%、いくつかの非限定的な実施形態では20%~60%、いくつかの非限定的な実施形態では25%~50%である。
【0155】
本明細書に開示の配合物のいくつかの非限定的な実施形態では、組成物は、任意選択的には1種以上の高屈折率の第1のモノマーと、反応性側鎖を含む1種以上の第2のモノマーと含むコポリマー、並びに1種以上の追加のポリマー又はコポリマーを含む。そのような配合物では、第1のコポリマーと任意の追加の第2のポリマー又はコポリマーとの質量比は、99:1~1:99、いくつかの非限定的な実施形態では80:20~20:80、いくつかの非限定的な実施形態では60:40~40:60である。
【0156】
本明細書に開示の配合物のいくつかの非限定的な実施形態では、組成物は、任意選択的には1種以上の高屈折率の第1のモノマーと、反応性側鎖を含む1種以上の第2のモノマーと含むコポリマー、並びに1種以上の追加のポリマー又はコポリマーを含む。そのような配合物では、配合されるポリマー及びコポリマーの重量パーセントは、5%~95%、いくつかの非限定的な実施形態では10%~80%、いくつかの非限定的な実施形態では15%~75%、いくつかの非限定的な実施形態では20%~60%、いくつかの非限定的な実施形態では、25%~50%である。
【0157】
本明細書に開示の配合物のいくつかの非限定的な実施形態では、架橋剤の重量パーセントは、0.1%~50%、いくつかの非限定的な実施形態では0.5%~40%、いくつかの非限定的な実施形態では1%~30%、いくつかの非限定的な実施形態では1%~25%、いくつかの非限定的な実施形態では1%~20%である。
【0158】
本明細書に開示の配合物のいくつかの非限定的な実施形態では、熱酸発生剤の重量パーセントは、0.01%~10%、いくつかの非限定的な実施形態では0.05%~5%、いくつかの非限定的な実施形態では0.07%~3%、いくつかの非限定的な実施形態では0.08%~2.5%、いくつかの非限定的な実施形態では0.1%~2.0%である。
【0159】
本明細書に開示の配合物のいくつかの非限定的な実施形態では、酸化防止剤の重量パーセントは、0.01%~20%、いくつかの非限定的な実施形態では0.05%~15%、いくつかの非限定的な実施形態では0.07%~10%、いくつかの非限定的な実施形態では0.08%~7.5%、いくつかの非限定的な実施形態では0.1%~5.0%である。
【0160】
本明細書に開示の配合物のいくつかの非限定的な実施形態では、界面活性剤の重量パーセントは、0.0001%~10%、いくつかの非限定的な実施形態では0.0005%~5%、いくつかの非限定的な実施形態では0.0007%~2.5%、いくつかの非限定的な実施形態では0.0008%~1.5%、いくつかの非限定的な実施形態では0.001%~1%である。
【0161】
本明細書に開示の配合物のいくつかの非限定的な実施形態では、溶媒の重量パーセントは、10%~90%、いくつかの非限定的な実施形態では15%~85%、いくつかの非限定的な実施形態では20%~80%、いくつかの非限定的な実施形態では25%~77%、いくつかの非限定的な実施形態では30%~75%である。
【0162】
本明細書に開示の配合物のいくつかの非限定的な実施形態では、表面レベリング剤、光開始剤、光酸発生剤、脱酸素剤、UV遮断剤、及びヒンダードアミン光安定剤からなる群から選択される1種以上の成分の重量パーセントは、0.0001%~20%、いくつかの非限定的な実施形態では0.0005%~15%、いくつかの非限定的な実施形態では0.0007%~10%、いくつかの非限定的な実施形態では0.0008%~7%、いくつかの非限定的な実施形態では0.001%~5%である。
【0163】
本開示は、さらに、1種以上の高屈折率の第1のモノマーと反応性側鎖を含む1種以上の第2のモノマーとを含むコポリマーを含む光学薄膜を形成する方法に関し、この方法は、順に、(a)1種以上の高屈折率の第1のモノマーと、反応性側鎖を含む1種以上の第2のモノマーとを含むコポリマー;(b)架橋剤;(c)熱酸発生剤;(d)酸化防止剤;(e)界面活性剤;及び(f)溶媒を含有する配合物を基板上にスピンコーティングする工程と;コーティングされた基板をソフトベークする工程と;ソフトベークされたコーティングされた基板を、1つ以上の予め選択した温度で、1つ以上の予め選択した時間間隔で処理する工程と;を含む。
【0164】
1種以上の高屈折率の第1のモノマーを含むコポリマーと、反応性側鎖を含む1種以上の第2のモノマーとを含むコポリマーについての、並びに(a)1種以上の高屈折率の第1のモノマーと、反応性側鎖を含む1種以上の第2のモノマーとを含むコポリマー;(b)架橋剤;(c)熱酸発生剤;(d)酸化防止剤;(e)界面活性剤;及び(f)溶媒を含有する配合物についての非限定的な具体的な方法の実施形態は、コポリマー組成物及び配合物に関して本明細書に開示されているものと同じである。
【0165】
スピンコーティングは、当業者に公知のコーティングプロセスの非限定的な例である。他の非限定的なプロセスとしては、浸漬、ドロップキャスティング、ローラーコーティング、スクリーン印刷、インクジェット印刷、グラビア、スロットダイコーティング、又は他の従来のコーティング技術が挙げられる。エレクトロニクス製造業界においては、スピンコーティング及びスロットダイコーティングが、既存の設備及びプロセスを活用するのに好ましい方法である。スピンコーティングでは、塗布される表面上で配合物の所望の厚さを達成するために、配合物の固形分は、スピン速度と共に調整され得る。典型的には、本発明の配合物は、400~4000rpmのスピン速度でスピンコーティングされる。基板上に分配される配合物の量は、組成物中の合計の固形分、得られるコーティング層の所望の厚さ、及び当業者に周知のその他の因子に応じて変化する。
【0166】
材料がコーティングされ得る基板は、当該技術分野で一般的に使用されるものである。いくつかの非限定的な実施形態では、用いられる基板は、シリカ、Siウエハー、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素、炭化ケイ素、ケイ素-ゲルマニウム、ガリウム砒素、リン化インジウム、酸化インジウムスズ、窒化アルミニウム、アルミナ、ガラスなどからなる群から選択される。いくつかの非限定的な実施形態では、用いられる基板は、シリカ、Siウエハー、窒化ケイ素、及び炭化ケイ素からなる群から選択される。いくつかの非限定的な実施形態では、用いられる基板はSiウエハーである。いくつかの非限定的な実施形態では、用いられる基板はガラスである。いくつかの非限定的な実施形態では、使用される基板は、当該技術分野で一般的に使用されているものと同様のポリマー膜又はポリマー複合膜を含む。いくつかの非限定的な実施形態では、使用される基板は、組成が異なる層又はパターンで配置された、上で指定したものを含む複数の材料を含む。
【0167】
配合物及び/又は光学薄膜の厚さは特に制限されず、例えば、具体的な適用又は用途に応じて変化する。いくつかの非限定的な実施形態では、コーティング及び/又は光学薄膜の厚さは50nm~100μmである。いくつかの非限定的な実施形態では、コーティング及び/又は光学薄膜の厚さは100nm~50μmである。いくつかの非限定的な実施形態では、コーティング及び/又は光学薄膜の厚さは500nm~20μmである。いくつかの非限定的な実施形態では、コーティング及び/又は光学薄膜の厚さは1μm~10μmである。いくつかの非限定的な実施形態では、コーティング及び/又は光学薄膜の厚さは1μm、いくつかの非限定的な実施形態では2μm、いくつかの非限定的な実施形態では3μm、いくつかの非限定的な実施形態では4μm、いくつかの非限定的な実施形態では5μm、いくつかの非限定的な実施形態では6μm、いくつかの非限定的な実施形態では7μm、いくつかの非限定的な実施形態では8μm、いくつかの非限定的な実施形態では9μm、いくつかの非限定的な実施形態では10μmである。
【0168】
いくつかの非限定的な実施形態では、基材表面にコーティングされた後、配合物は、存在する有機溶媒を除去するためにソフトベーク(加熱)される。他の適切な温度を使用することもできるが、典型的なソフトベーク温度は90℃~140℃である。本開示のいくつかの非限定的な実施形態では、ソフトベークは、90℃~130℃、いくつかの非限定的な実施形態では90℃~120℃、いくつかの非限定的な実施形態90℃~110℃、いくつかの非限定的な実施形態では90℃~100℃の温度で行われる。いくつかの非限定的な実施形態では、ソフトベークは、90℃、いくつかの非限定的な実施形態では100℃、いくつかの非限定的な実施形態では110℃、いくつかの非限定的な実施形態では120℃、いくつかの非限定的な実施形態では130℃、いくつかの非限定的な実施形態では140℃で行われる。ソフトベークは、通常約30秒から2分間行われるものの、それより長い時間も短い時間も適切に行われ得る。いくつかの非限定的な実施形態では、ソフトベークは、30秒間、いくつかの非限定的な実施形態では45秒間、いくつかの非限定的な実施形態では1分間、いくつかの非限定的な実施形態では1分15秒間、いくつかの非限定的な実施形態では1分30秒間、いくつかの非限定的な実施形態では1分45秒間、いくつかの非限定的な実施形態では2分間行われる。いくつかの非限定的な実施形態では、ソフトベークは、15秒間行われ、いくつかの非限定的な実施形態では、ソフトベークは3分間以上行われ得る。溶媒の除去後、基板表面にコポリマーの膜が得られる。
【0169】
ソフトベーク工程の後、コーティング層、膜、又はコーティングは、典型的には高温で硬化されて、ポリマー層から実質的に全ての溶媒が除去され、それにより、粘着性のないコーティングが形成され、下にある構造への層の接着性が改善される。組成物の具体的なコポリマー及び成分に応じて、硬化は、例えば、酸化、脱ガス、重合、縮合、又は架橋のうちの1つ以上によって、ポリマーにさらなる変化を引き起こし得る。硬化は、典型的には、ホットプレート上で又はオーブン中で行われる。硬化は、例えば、空気又は窒素、アルゴン若しくはヘリウムなどの不活性ガスの雰囲気中で行うこともでき、又は真空下で行うこともできる。非限定的な一実施形態では、ポリマー層は不活性ガス雰囲気中で硬化される。非限定的な一実施形態では、ポリマー層は周囲雰囲気条件下で硬化される。硬化の温度及び時間は、例えば、配合物の具体的なコポリマー及び溶媒、並びに層の厚さに依存するであろう。いくつかの非限定的な実施形態では、硬化温度は100℃~450℃である。いくつかの非限定的な実施形態では、硬化温度は300℃~400℃、又は325℃~350℃である。ポリマー層が架橋剤及び/又は熱酸発生剤を含むコーティングにおいては、より低い硬化温度が場合によっては用いられ得る。いくつかの非限定的な実施形態では、これらのより低い硬化温度は50℃~250℃である。いくつかの非限定的な実施形態では、これらのより低い硬化温度は150℃~200℃である。ポリマー層が架橋剤及び熱酸発生剤を含む非限定的な一実施形態では、硬化温度は200℃である。いくつかの非限定的な実施形態では、硬化時間は30秒間~2時間である。非限定的な一実施形態では、硬化時間は5分間である。いくつかの非限定的な実施形態では、硬化時間は10分間~60分間である。非限定的な一実施形態では、硬化時間は30分間である。硬化は、単一工程又は多工程で行うことができる。硬化は、一定温度で、又は傾斜若しくは段々状の温度プロファイルなどの変化に富む温度プロファイルでコポリマー配合物層を加熱することによって行うことができる。傾斜若しくは段々状の温度プロファイルに関連する温度及び時間は、通常、方法により得られる関連する層、膜、又はコーティングの具体的な配合組成及び意図された最終用途に基づいて予め選択される。
【0170】
本開示は、さらに、1種以上の高屈折率の第1のモノマーと、反応性側鎖を含む1種以上の第2のモノマーとを含むコポリマーを含む光学薄膜に関する。いくつかの非限定的な実施形態では、光学薄膜は10nm~100μmの厚さを有する。いくつかの非限定的な実施形態では、光学薄膜は、100nm~50μm、いくつかの非限定的な実施形態では500nm~25μm、いくつかの非限定的な実施形態では750nm~15μm、いくつかの非限定的な実施形態では0.01μm~12μm、いくつかの非限定的な実施形態では0.1μm~10μm、いくつかの非限定的な実施形態では1μm~5μmの厚さを有する。
【0171】
いくつかの非限定的な実施形態では、本開示の光学薄膜は、1.50より大きい、いくつかの非限定的な実施形態では1.55より大きい、550nmで測定される屈折率を有する。いくつかの非限定的な実施形態では、本開示の光学薄膜は、1.60より大きい、いくつかの非限定的な実施形態では1.65より大きい、いくつかの非限定的な実施形態では1.66より大きい、いくつかの非限定的な実施形態では1.67より大きい、いくつかの非限定的な実施形態では1.68より大きい、いくつかの非限定的な実施形態では1.69より大きい、いくつかの非限定的な実施形態では1.70より大きい、いくつかの非限定的な実施形態では1.71より大きい、いくつかの非限定的な実施形態では1.72より大きい、いくつかの非限定的な実施形態では1.73より大きい、いくつかの非限定的な実施形態では1.74より大きい、いくつかの非限定的な実施形態では1.75より大きい、いくつかの非限定的な実施形態では1.76より大きい、いくつかの非限定的な実施形態では1.77より大きい、いくつかの非限定的な実施形態では1.78より大きい、いくつかの非限定的な実施形態では1.79より大きい、550nmで測定される屈折率を有する。いくつかの非限定的な実施形態では、本開示のコーティング及び/又は光学薄膜は、550nmで測定される1.80超の屈折率を有する。
【0172】
いくつかの非限定的な実施形態では、本開示の光学薄膜は、可視スペクトルの他の波長で測定される屈折率を有する。いくつかの非限定的な実施形態では、本開示の光学薄膜は、380nm~1400nmで測定される屈折率を有する。いくつかの非限定的な実施形態では、本開示の光学薄膜は、400nm~700nmで測定される屈折率を有する。いくつかの非限定的な実施形態では、本開示の光学薄膜は、450nm~650nmで測定される屈折率を有する。いくつかの非限定的な実施形態では、本開示の光学薄膜は、500nm~600nmで測定される屈折率を有する。
【0173】
いくつかの非限定的な実施形態では、本開示の光学薄膜は、可視スペクトルのこれらの他の波長で測定される1.50より大きい屈折率を有する。いくつかの非限定的な実施形態では、本開示の光学薄膜は、可視スペクトルのこれらの他の波長で測定される1.60より大きい屈折率を有する。いくつかの非限定的な実施形態では、本開示の光学薄膜は、可視スペクトルのこれらの他の波長で測定される1.65より大きい屈折率を有する。いくつかの非限定的な実施形態では、本開示の光学薄膜は、可視スペクトルのこれらの他の波長で測定される1.67より大きい屈折率を有する。いくつかの非限定的な実施形態では、本開示の光学薄膜は、可視スペクトルのこれらの他の波長で測定される1.70より大きい屈折率を有する。いくつかの非限定的な実施形態では、本開示の光学薄膜は、可視スペクトルのこれらの他の波長で測定される1.80より大きい屈折率を有する。
【0174】
いくつかの非限定的な実施形態では、本開示の光学薄膜は、400nm~1000nmの波長で75%以上、いくつかの非限定的な実施形態では400nm~1000nmの波長で80%以上、いくつかの非限定的な実施形態では400nm~1000nmの波長で85%以上、いくつかの非限定的な実施形態では400nm~1000nmの波長で90%以上、いくつかの非限定的な実施形態では400nm~1000nmの波長で95%以上、いくつかの非限定的な実施形態では400nm~1000nmの波長で99%以上のパーセント透過率を有する。
【0175】
本明細書に開示の光学薄膜に関する多くの信頼できるパラメータが存在し、それらのためこれらは様々な光学的及び電子的用途において有用である。使用中の信頼性は、通常、光学薄膜が様々な環境ストレス因子にさらされたときの、400nm~1000nmの波長における光学薄膜の屈折率及び/又はパーセント透過率の安定性によって評価される。本明細書に開示の光学薄膜のいくつかの非限定的な実施形態では、1つ以上の環境ストレス因子にさらされたときに550nmにおける光学薄膜の屈折率が15%以下変化し、いくつかの非限定的な実施形態では1つ以上の環境ストレス因子にさらされたときに550nmにおける光学薄膜の屈折率が10%以下変化し、いくつかの非限定的な実施形態では1つ以上の環境ストレス因子にさらされたときに550nmにおける光学薄膜の屈折率が5%以下変化し、いくつかの非限定的な実施形態では1つ以上の環境ストレス因子にさらされたときに550nmにおける光学薄膜の屈折率が4%以下変化し、いくつかの非限定的な実施形態では1つ以上の環境ストレス因子にさらされたときに550nmにおける光学薄膜の屈折率が3%以下変化し、いくつかの非限定的な実施形態では1つ以上の環境ストレス因子にさらされたときに550nmにおける光学薄膜の屈折率が2%以下変化し、いくつかの非限定的な実施形態では1つ以上の環境ストレス因子にさらされたときに550nmにおける光学薄膜の屈折率が1%以下変化する。
【0176】
本明細書に開示の光学薄膜のいくつかの非限定的な実施形態では、光学薄膜の400nm~1000nmの波長におけるパーセント透過率は、1つ以上の環境ストレス因子さらされたときに15%以下変化し、いくつかの非限定的な実施形態では、光学薄膜の400nm~1000nmの波長におけるパーセント透過率は、1つ以上の環境ストレス因子さらされたときに10%以下変化し、いくつかの非限定的な実施形態では、光学薄膜の400nm~1000nmの波長におけるパーセント透過率は、1つ以上の環境ストレス因子さらされたときに5%以下変化し、いくつかの非限定的な実施形態では、光学薄膜の400nm~1000nmの波長におけるパーセント透過率は、1つ以上の環境ストレス因子さらされたときに4%以下変化し、いくつかの非限定的な実施形態では、光学薄膜の400nm~1000nmの波長におけるパーセント透過率は、1つ以上の環境ストレス因子さらされたときに3%以下変化し、いくつかの非限定的な実施形態では、光学薄膜の400nm~1000nmの波長におけるパーセント透過率は、1つ以上の環境ストレス因子さらされたときに2%以下変化し、いくつかの非限定的な実施形態では、光学薄膜の400nm~1000nmの波長におけるパーセント透過率は、1つ以上の環境ストレス因子さらされたときに1%以下変化する。
【0177】
本明細書に開示の光学薄膜は、高温にさらされたときに、及び/又は繰り返しさらされたときに、使用中の優れた信頼性を示す。本明細書に開示の光学薄膜のいくつかの非限定的な実施形態では、光学薄膜の400nm~1000nmの波長におけるパーセント透過率は、260℃の熱ストレスに5分間さらされたときに20%以下変化する。この試験は、合計3回の試験で繰り返すことができ、透過率の15%未満の変化が観察される。
【0178】
本明細書に開示の光学薄膜は、高温/高湿度条件にさらされたときに、及び/又は繰り返しさらされたときに、使用中の優れた信頼性を示す。本明細書に開示の光学薄膜のいくつかの非限定的な実施形態では、光学薄膜の400nm~1000nmの波長におけるパーセント透過率は、85℃に加熱された85%の相対湿度のチャンバー内又は95℃に加熱された65%の相対湿度のチャンバー内で、熱及び水分ストレスに21日以下の期間さらされたときに15%以下変化する。
【0179】
本明細書に開示の光学薄膜は、高温に長期間さらされたときに、及び/又は繰り返しさらされたときに、使用中の優れた信頼性を示す。本明細書に開示の光学薄膜のいくつかの非限定的な実施形態では、光学薄膜の400nm~1000nmの波長におけるパーセント透過率は、180℃に加熱されたチャンバー内で熱ストレスに21日以下の期間さらされたときに15%以下変化する。
【0180】
本明細書に開示の光学薄膜は、UV光にさらされたときに、及び/又は繰り返しさらされたときに、使用中の優れた信頼性を示す。本明細書に開示の光学薄膜のいくつかの非限定的な実施形態では、光学薄膜の400nm~1000nmの波長におけるパーセント透過率は、2MLux・hr以下の線量の全太陽光スペクトルにさられたときに15%以下変化する。本明細書に開示の光学薄膜のいくつかの非限定的な実施形態では、光学薄膜の400nm~1000nmの波長におけるパーセント透過率は、5MLux hr以下の線量の全太陽光スペクトルにさられたときに30%以下変化する。
【0181】
本開示は、さらに、1種以上の高屈折率の第1のモノマーと、反応性側鎖を含む1種以上の第2のモノマーとを含むコポリマーを含む光学薄膜を含む、ディスプレイデバイスである光学デバイスに関する。ディスプレイデバイスの非限定的な例には、標準的なLED、ミニLED、マイクロLED、ナノLED、QD-LED、OLEDS、QD-OLED、光導波路、CMOSイメージセンサ、及び当業者に一般に知られている他のものが含まれる。これらのディスプレイデバイスの具体的な実施形態は、それらが利用される具体的な技術分野の当業者に一般的に知られている。
【0182】
本明細書に開示の光学材料を含む1種以上の層を有することから利益を得ることができる電子デバイスとしては、限定するものではないが、(1)電気エネルギーを放射に変換するデバイス(例えば、発光ダイオード、発光ダイオードディスプレイ、ダイオードレーザー、又はライティングパネル)、(2)電子的プロセスを使用して信号を検出するデバイス(例えば、フォトダイオード、光検出器、光導電セル、フォトレジスタ、フォトスイッチ、フォトトランジスタ、光電管、赤外線(「IR」)検出器、又はバイオセンサ)、(3)放射を電気エネルギーに変換するデバイス(例えば、光起電力デバイス又は太陽電池)、(4)1つの波長の光をより長い波長の光に変換するデバイス(例えば、ダウンコンバート蛍光体デバイス)、(5)1つ以上の有機半導体層を備える1つ以上の電子部品を備えるデバイス(例えば、トランジスタ又はダイオード)、(6)光の入射光を収集又は集束する光学デバイス(例えばCMOSイメージセンサ内のマイクロレンズ)、又は(1)~(6)の項目のデバイスの任意の組み合わせが挙げられる。いくつかの非限定的な実施例では、デバイスはディスプレイデバイスである。
【0183】
これらの電子デバイスにおいて、本明細書に開示の光学材料は、必要な前述した機能を実行するために、薄膜、厚膜、及び形態の個々の光学的特徴を含む(ただしこれらに限定されない)いくつかの異なる形態で利用することができる。さらに、これらの膜は、必要な前述した機能を実行するために必要な複雑なトポグラフィーを含むように変更することができる。
【0184】
この層構造、及び隣接層間の屈折率の不一致により、これらの装置の全体的な効率が大幅に低下し得る。放射層中で生成された光は、散乱及び内面反射によって喪失される。別の潜在的な課題は、OLED中の画素間のクロストークであり、これにより、赤、緑、及び青色画素間の望ましくない通信の結果生じる効率の損失がもたらされ得る。本明細書で開示されるコーティング及び光学薄膜は、装置を介して屈折率勾配を抑えるために用いられ得る。いくつかの非限定的な実施形態では、本明細書で開示されるコーティング及び光学薄膜は、上部ディスプレイデバイスから放射される光子の数を大幅に増加させるために、OLED封入材層と偏光子層との間で比較的高い屈折率の光抽出層として用いられ得る。いくつかの非限定的な実施形態では、本明細書で開示されるコーティング及び光学薄膜は、OLEDの放射層内の画素間に比較的低屈折率のバンクを形成して、クロストークを大幅に低減させて効率を改善するのに用いることができる。重要なことに、最適な性能が求められるため、装置積層体中の別の場所でもたらされた材料の変化に適応するために、コーティング及び光学薄膜の屈折率は、特定の組成物中の硬化プロセスを介して調節可能である。
【0185】
いくつかの実施形態では、デバイスはCMOSイメージセンサである。これらの場合、センサは、複数の追加の機能層と共に光学材料から構成され、これらの追加の機能層は、フィルターを通した周囲光を単一のCMOS光検出器の表面に導き、電子的に増幅及び処理してデジタル情報を形成することができるフォトニック刺激に対する電気的応答を生成するように機能する。ほとんどの場合、これらの機能性材料層は、多数の個々の波長に感受性を有する光検出器のアレイ(しばしばアクティブ画素センサと呼ばれる)を形成するためにパターニング及び配置される。アレイ内の多数のアクティブ画素センサからのアクティブ画素センサ信号情報を結合及び処理することにより、デジタル画像が形成される。
【0186】
この用途では、光学材料は、個々のアクティブ画素センサに周囲光を集束させる単純なレンズ要素として機能することができる。レンズ要素として機能する場合、光学材料は、典型的には多層フォトダイオード構成要素の上に配置される。
【0187】
フォトダイオード構成要素の最上層は、一般的には、光学ポリマー材料から構成される画素化されたカラーフィルターグリッドである。画素化されたグリッドには、各画素領域を定義し、画素を通過する光の透過率を、一般にカラーフィルター材料と呼ばれる狭い波長帯に制限する複数のポリマー又は複合材料構成要素が含まれる。カラーフィルター材料によって形成される画素は、カラーフィルター材料とは異なる光学特性を有する追加の材料構成要素(或いは画素定義要素又はスペーサ要素と呼ばれる)によって分離される場合もある。
【0188】
裏面照射型センサと呼ばれるCMOSイメージセンサ設計のいくつかの実施形態では、CMOSイメージセンサのカラーフィルターグリッド層の下は、光を電気信号に変換可能なオプトエレクトロニクス要素として機能するシリコンなどのドープされた無機基板から構成されるフォトダイオードである。フォトダイオードで生成された電気信号は増幅され、コネクタとトランジスタとのマトリックスを介して送信されて処理された情報が形成され、最終的にはセンサに入る周囲光によって画像が形成される。
【0189】
表面照射型センサと呼ばれるCMOSイメージセンサ設計の別の実施形態では、CMOSイメージセンサのカラーフィルターグリッド層の下は、処理された情報を形成するコネクタ及びトランジスタと、センサに入る周囲光によって形成された画像とから構成される層である。この設計では、光を電気信号に変換する光電子要素として機能するフォトダイオード構成要素が、コネクタとトランジスタとの層の下に配置される。
【0190】
CMOSイメージセンサ設計のさらに別の実施形態では、レンズ要素層は、イメージセンサに向かう途中で光の透過もする追加の材料層でさらにコーティングされる。これらの材料は、限定するものではないが、反射防止特性、機械的特性、光学的特性、表面粗さ、熱安定性、及び光安定性などの構成要素の特性を調整することによって、センサ性能を改善させる複数の機能的役割のうちの1つ以上を果たし得る。
【0191】
光学材料から構成されるレンズ要素の焦点距離(f)は、光学材料の屈折率(n)及びCMOSイメージセンサデバイスの設計に応じて変化し得る。デバイスの設計は、レンズ要素層の厚さ(d)とその曲率半径(R、R)に影響を与える可能性があり、レンズ構成要素によって捕捉された光の大部分がフォトダイオード構成要素の特定の位置に届けられることが保証される。これらの設計と性能要素との関係は、一般的にレンズの公式で表される:
【数1】
【0192】
デバイス層は、蒸着、液体堆積、及び熱転写を含む任意の堆積技術、又は技術の組み合わせによって形成され得る。
【0193】
CMOSイメージセンサのいくつかの実施形態では、レンズ要素層を含む光学材料は、最初に平坦膜層に堆積され、次いでデバイス設計に従ってレンズを形成するためにさらに処理されなければならない。レンズ形状の形成方法は様々であってよい。場合によっては、レンズは、リソグラフィーによるパターニングと、レンズを構成する光活性光学材料の選択的除去と、その後の材料のガラス転移温度より上での熱処理を行うことにより、材料を半球形にリフローすることによって形成される。別の事例では、レンズは、レンズを構成する光学材料を、前述のようにコーティング、パターニング、及びリフローされたフォトレジストでコーティングすることによって形成され、レンズを構成する光学材料の上にあるフォトレジストからなる半球レンズ形状が形成される。このプロセスの第2の工程では、レンズ形状は、特に膜に対してフッ化物又は酸素の反応性イオンエッチングを行うことによってレンズを構成する光学材料に転写され、レンズを構成する光学材料にレンズ形状が残される。さらに別の場合には、レンズを構成する光活性光学材料は、グレースケールフォトマスクを使用して低コントラストプロセスでパターニングされ、現像工程中に材料の露光部分が除去された後、レンズ形状が残される。別の場合では、レンズの形状は、ナノインプリントなどの直接接触パターン転写法によって形成される。
【0194】
本開示によるコーティング及び光学薄膜、並びにこれらに関連する特性は、以下に記載する実施例に従って調製及び使用することができる。本明細書で提示される実施例は、本開示を例示することを目的としており、特許請求の範囲に記載される本発明の範囲を限定することを意図するものではない。
【実施例0195】
コポリマー5(CP5)の合成:
反応容器にシクロペンタノン溶媒を入れた。別の容器に、V65ラジカル開始剤を入れ、室温でシクロペンタノンに溶解した。3つ目の容器に9-ビニルカルバゾール(VK)モノマーを入れ、室温でシクロペンタノンに溶解した。この混合物に2-(ヒドロキシエチル)メタクリレート(HEMA)モノマーを添加した。反応容器の内容物を窒素雰囲気下で80℃に加熱した。この反応器に、シクロペンタノン中のV65開始剤の溶液が入っている第2の容器の内容物を、シリンジポンプによって規定の速度で添加した。それと同時に、シクロペンタノン中のVKモノマー及びHEMAモノマーの溶液が入っている3つ目の容器の内容物を、シリンジポンプによって加熱された反応器に添加した。加熱した混合物を合計3時間撹拌し、その後室温まで冷却して、ポリ(ビニルカルバゾール-co-(ヒドロキシエチル)メタクリレート)のポリマー溶液を得た。分子量はGPCによって測定した(Mw=5700Da、Mn=2350Da)。上述した手順は、表1に記載の多数の関連材料を製造するために使用することができる。
【0196】
【表1】
【0197】
F1の配合物
バイアルに、シクロペンタノン中のtBA/VKコポリマー又はコポリマー溶液を入れた。これに、シクロペンタノン溶媒、HP-4032、CXC-1821触媒、及びPolyfox-656のシクロペンタノン溶液を添加した。酸化防止剤、ラジカル捕捉剤、及びUV遮断剤などの成分も添加することができる。ローラー又はオービタルシェーカーなどの分散装置を室温で使用することにより、配合物を混合した。混合後、メンブレンフィルターを使用して組成物を濾過することができる。他の配合物は、以下の組成物を用いて製造した。
【0198】
【表2】
【0199】
膜FL1を形成するための配合物F1のコーティング
約0.3gの混合され濾過された組成物を、ピペットにより、シリコンウェハー試験片又はEagle XGガラス試験片(Silicon Valley Microelectronics)(約1インチ×1インチ)のそれぞれに堆積させた。基板を1500rpmで30秒間回転させて、約1μmの厚さの膜を形成した。この膜を、ホットプレート上で100℃で1分間プリベークした後、別のホットプレート上で200℃で5分間さらにベークした。
【0200】
膜FL1の膜厚及び屈折率測定
シリコン上のコーティングされ硬化された膜を、膜厚及び屈折率の測定のために、α-SEエリプソメーター(J.A.Woollam)上に置いた。Cauchyの膜モデルを使用して、屈折率、減衰係数、表面粗さ、ネイティブシリカの厚さ、角度オフセット、及び膜厚をフィットさせた。Eagle XGガラス上のコーティングされ硬化された膜を、Filmetrics厚さ測定装置を使用して測定した。
【0201】
膜FL1の膜透過率測定
約2μmの厚さのEagle XGガラス上のコーティングされ硬化された膜を、透過UV-Visにより測定した。サンプル基板と同じ厚さのコーティングされていないEagle XG試験片をブランクとして測定した。次いで、サンプル全体の3回の測定値を記録し、平均化した。フーリエフィルターを適用してデータから干渉縞を除去し、データを1.9μmの標準厚さに正規化した。得られた平滑化及び正規化された曲線から%透過率を読み取った。
【0202】
【表3】
【0203】
膜FL1の溶剤剥離試験
膜を完全に被覆するために、約1μmの厚さのシリコン上のコーティングされ硬化された膜を、ガンマブチロラクトン(GBL)が入っている容器の中に沈めた。膜を10分間静置した。10分後、膜をピンセットで取り出し、加圧窒素流下で乾燥させた。その後、膜をホットプレート上で110℃で1分間さらに乾燥させた。沈める前後の膜厚をエリプソメトリーで測定し、耐溶剤剥離性を測定するために比較した。試験の合格は、膜厚の5%未満の除去であった。
【0204】
【表4】
【0205】
フォトパターニング可能な配合物1(PF1)の配合物
バイアルに、シクロペンタノン中のCP10 2-AES/VKの溶液を入れた。これに、PGMEA溶媒、CAP-01Sコポリマー、HR-6042架橋剤、SPI-05触媒、GSCA-001接着促進剤、及びFZ-2122界面活性剤を添加した。追加の架橋剤、酸化防止剤、ラジカル捕捉剤、及びUV遮断剤などの成分も添加してもよい。ローラーやオービタルシェーカーなどの分散装置を室温で使用することにより、配合物を混合した。混合後、組成物はメンブレンフィルターを使用して濾過することができる。他の配合物は、以下の組成物を用いて製造した。
【0206】
【表5】
【0207】
コーティング膜のフォトパターニング可能な膜層1(PFL1)
配合物PF1を、上記の手順に従って裸のガラス基板上にコーティングして供給し、ホットプレート上で105℃で90秒間プリベークし、膜PFL1を約20マイクロメートルの厚さで得た。
【0208】
PFL1の現像液溶解性試験
膜PFL1をADRツール(LuzChemモデルTFA-11CT)上に配置した。膜の厚さを光学的に測定しながら、膜を2.38%の水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液に70秒間曝露した。曝露前後の膜厚を比較して、膜の現像液への溶解性を決定した。
【0209】
PFL1のUV曝露試験
厚さを測定した後、膜PFL1を、30mJ/cmの線量まで広帯域紫外線に曝露した。次に、膜を2.38%の水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液に70秒間曝露し、その後水ですすぎ洗いし、空気乾燥した。露光領域で再度膜厚を測定した。膜を230℃の対流式オーブンで30分間ベークした。露光前後の膜厚を比較して、露光された膜の現像液への耐性を決定した。
【0210】
PFL1のパターニング試験
厚さを測定した後、膜PFL1をマスクアライナ(SussのMA6)に入れた。限界寸法が50マイクロメートルの正方形パターンのリソグラフィーマスクを使用して、膜を30mJ/cmの線量の広帯域紫外光に選択的に露光した。次に、膜を2.38%の水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液に70秒間曝露し、その後水ですすぎ洗いした。膜を対流式オーブン中で230℃で30分間ベークした。プロセスの様々な時点で、パターニングされたフィーチャの限界寸法を光学顕微鏡で測定して、パターンのバイアス及びフローを求めた。
【0211】
【表6】
【0212】
概要又は実施例において上に記載された行為の全てが必要であるわけではないこと、特定の行為の一部が必要とされない場合があること及び1つ以上の更なる行為が、記載されているものに加えて行われ得ることに留意されたい。さらにまた、行為が列挙される順番は、必ずしも行為が行われる順番ではない。
【0213】
上述の本明細書では、概念を特定の実施形態に関連して記載してきた。しかしながら、当業者であれば、様々な修正形態及び変更形態が、以下の特許請求の範囲に示した本発明の範囲から逸脱することなくなされ得ることを理解するであろう。したがって、本明細書及び図は、限定的な意味ではなく、例示に関連し、全てのこのような修飾形態は、本発明の範囲内に含まれることが意図されている。
【0214】
利益、他の利点及び問題の解決策が特定の実施形態に関して前述された。しかしながら、利益、利点、問題の解決策及び任意の利益、利点又は解決策を生じさせ得るか又はより顕著にし得る任意の特徴は、任意の又は全ての請求項の、決定的に重要であるか、必要とされるか又は不可欠な特徴であると解釈するべきではない。
【0215】
明確にするために、特定の特徴は、別個の実施形態との関連で本明細書に記載され、単一の実施形態で組み合わせて提供され得ることも十分に理解されるべきである。反対に、簡潔にするために、単一の実施形態との関連で記載した様々な特徴は、個別に又は任意の部分的な組み合わせでも提供され得る。本明細書で明記した様々な範囲の数値の使用は、記述される範囲内の最小値及び最大値が両方とも「約」という言葉によって先行されるかのように近似値として記述されている。この形式では、記述範囲の上下のわずかな変動は、範囲内の値と実質的に同じ結果を実質的に達成するために用いることができる。また、これらの範囲の開示は、1つの値の構成要素のいくつかが、異なる値の構成要素と混合されるときに生じ得る小数値を含む、最小平均値と最大平均値との間のあらゆる値を含む連続した範囲であることが意図されている。さらに、より広い及びより狭い範囲が開示されるとき、1つの範囲からの最小値を別の範囲からの最大値と合わせることは、本発明の想定内にあり、その逆も同様である。