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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022063413
(43)【公開日】2022-04-22
(54)【発明の名称】ゴルフクラブ
(51)【国際特許分類】
   A63B 53/06 20150101AFI20220415BHJP
   A63B 102/32 20150101ALN20220415BHJP
【FI】
A63B53/06 Z
A63B102:32
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020171677
(22)【出願日】2020-10-12
(71)【出願人】
【識別番号】519263615
【氏名又は名称】レシピシステム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000992
【氏名又は名称】特許業務法人ネクスト
(72)【発明者】
【氏名】富田 茂
(72)【発明者】
【氏名】江上 行宏
(72)【発明者】
【氏名】高瀬 和弘
【テーマコード(参考)】
2C002
【Fターム(参考)】
2C002AA04
2C002CH01
2C002CH02
2C002CH03
2C002KK05
2C002LL04
2C002MM04
2C002MM07
(57)【要約】
【課題】ヘッドの形状,打面の反発係数,傾斜方向,傾斜角度等をゴルファーに容易に適合することが可能なゴルフクラブの提供を課題とする。
【解決手段】パター10のヘッド14が、基板部20と第1スペーサ部22とフェース部24と第2スペーサ部26とバック部28とにより一体的に構成されている。そして、それら基板部20と第1スペーサ部22とフェース部24と第2スペーサ部26とバック部28との各々を、任意に変更することができる。さらに、第1スペーサ部22の基板部20への取付面に対して、第1スペーサ部22のフェース部24への取付面が傾斜している。これにより、ヘッドの形状,打面の反発係数,傾斜方向,傾斜角度等をゴルファーに容易に適合することが可能となる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シャフトと、
前記シャフトの端部に連結される基板部と、
前記基板部の一方の面に着脱可能に取りけられる第1のスペーサ部と、
打面を有し、前記第1のスペーサ部の前記基板部に取り付けられる面と反対側の面に着脱可能に取り付けられるフェース部と、
前記基板部の他方の面に着脱可能に取り付けられ、ヘッドの形状を決めるバック部と、
を備えるゴルフクラブであって、
前記第1のスペーサ部の前記基板部への取付面に対して、前記第1のスペーサ部の前記フェース部への取付面が傾斜しているゴルフクラブ。
【請求項2】
前記基板部と前記バック部との間に着脱可能に取りけられる第2のスペーサ部を備える請求項1に記載のゴルフクラブ。
【請求項3】
前記第1のスペーサ部の前記基板部への取付面に対して、前記第1のスペーサ部の前記フェース部への取付面が前後方向に傾斜している請求項1または請求項2に記載のゴルフクラブ。
【請求項4】
前記第1のスペーサ部の前記基板部への取付面に対して、前記第1のスペーサ部の前記フェース部への取付面が左右方向に傾斜している請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のゴルフクラブ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シャフトとヘッドとを備えるゴルフクラブに関するものである。
【背景技術】
【0002】
ゴルフクラブは、下記特許文献に記載されているように、シャフトとヘッドとにより構成されている。そして、ゴルフクラブは、ヘッドの形状,打面の反発係数,傾斜方向,傾斜角度等がゴルファーの打ち癖に適合したときによい成績をあげることができる。しかしながら、一般的にゴルファーは、どのようなヘッド形状や打感,傾斜方向,傾斜角度等が自分に適合しているかを、ゴルフクラブを購入する前に知ることはできないため、適否のわからないゴルフクラブを購入して疑問を抱きながら使っていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-97909号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本明細書では、ヘッドの形状,打面の反発係数や位置や角度等をゴルファーに容易に適合することが可能なゴルフクラブの提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本願の請求項1に記載のゴルフクラブは、シャフトと、前記シャフトの端部に連結される基板部と、前記基板部の一方の面に着脱可能に取りけられる第1のスペーサ部と、打面を有し、前記第1のスペーサ部の前記基板部に取り付けられる面と反対側の面に着脱可能に取り付けられるフェース部と、前記基板部の他方の面に着脱可能に取り付けられ、ヘッドの形状を決めるバック部と、を備えるゴルフクラブであって、前記第1のスペーサ部の前記基板部への取付面に対して、前記第1のスペーサ部の前記フェース部への取付面が傾斜している。
【0006】
また、請求項2に記載のゴルフクラブは、請求項1に記載のゴルフクラブにおいて、前記基板部と前記バック部との間に着脱可能に取りけられる第2のスペーサ部を備える。
【0007】
また、請求項3に記載のゴルフクラブでは、請求項1または請求項2に記載のゴルフクラブにおいて、前記第1のスペーサ部の前記基板部への取付面に対して、前記第1のスペーサ部の前記フェース部への取付面が前後方向に傾斜している。
【0008】
また、請求項4に記載のゴルフクラブでは、請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のゴルフクラブにおいて、前記第1のスペーサ部の前記基板部への取付面に対して、前記第1のスペーサ部の前記フェース部への取付面が左右方向に傾斜している。
【発明の効果】
【0009】
請求項1に記載のゴルフクラブでは、打面を有するフェース部と、ヘッドの形状を決めるバック部とが、基板部に着脱可能に取り付けられ、フェース部と基板部との間に第1のスペーサ部が着脱可能に取り付けられている。そして、第1のスペーサ部の基板部への取付面に対して、第1のスペーサ部のフェース部への取付面が傾斜している。このため、ゴルファーは、ボールを打ってみて不適合を感じれば、その場でフェース部,バック部を変更して再試行を繰り返すことができ、短時間で自分に最も適合したゴルフクラブを手にすることができる。これにより、ヘッドの形状,打面の反発係数等をゴルファーに容易に適合することが可能となる。特に、第1のスペーサ部を変更することで、フェース部の打面の傾斜角度をも容易に変更することが可能となる。
【0010】
また、請求項2に記載のゴルフクラブでは、基板部とバック部との間に、第2のスペーサ部が着脱可能に取りけられる。これにより、重心等をもゴルファーに容易に適合することが可能となる。
【0011】
また、請求項3に記載のゴルフクラブでは、第1のスペーサ部の基板部への取付面に対して、第1のスペーサ部のフェース部への取付面が前後方向に傾斜している。これにより、フェース部の打面の傾斜角度を容易に前後方向に変更することができる。
【0012】
また、請求項4に記載のゴルフクラブでは、第1のスペーサ部の基板部への取付面に対して、第1のスペーサ部のフェース部への取付面が左右方向に傾斜している。これにより、フェース部の打面の傾斜角度を容易に左右方向に変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】パターを示す斜視図である。
図2】パターのヘッドを示す斜視図である。
図3】交換可能なバック部の一例を示す斜視図である。
図4】交換可能なバック部の一例を示す斜視図である。
図5】交換可能なバック部の一例を示す斜視図である。
図6】交換可能な第1スペーサ部の一例を示す斜視図である。
図7】交換可能な第1スペーサ部の一例を示す側面図及び上面図である。
図8】交換可能な第1スペーサ部の一例を示す斜視図である。
図9】交換可能な第1スペーサ部の一例を示す側面図及び上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を実施するための形態として、本発明の実施例を、図を参照しつつ詳しく説明する。
【0015】
図1に、本発明の実施例のパター10を示す。パター10は、シャフト12とヘッド14とを備えており、ヘッド14は、5つの部材が組み合わされることにより構成されている。詳しくは、ヘッド14は、図2に示すように、基板部20と、第1スペーサ部22と、フェース部24と、第2スペーサ部26と、バック部28とにより構成されている。基板部20は、概して矩形をなす板形状の部材であり、長手方向の縁部を左右方向に延ばした状態で立設されている。その長手方向の上縁部の端部には、上方に向って延び出すネック部30が形成されており、そのネック部30に、シャフト12の下端部が固定的に連結されている。なお、基板部20の一方の面の長手方向における両縁部には、1対のネジ穴32が形成されており、基板部20の他方の面の長手方向における両縁部には、1対のネジ穴34が形成されている。また、概して板形状の基板部20の両面は互いに平行な面とされており、ネック部30にシャフト12の下端部が固定的に連結され、そのシャフト12を上下方向に延びる姿勢とした場合に、基板部20の両面は鉛直方向に延びる姿勢となる。つまり、シャフト12を上下方向に延びる姿勢とした場合に、基板部20の両面は鉛直面となる。なお、基板部20の両面に直交する方向を前後方向と記載する。そして、基板部20の両面のうちのネジ穴32が形成されている側の方向を前方と記載し、基板部20の両面のうちのネジ穴34が形成されている側の方向を後方と記載する。また、概して矩形をなす板形状の基板部20の長手方向を左右方向と記載する。そして、基板部20のネック部30が形成されている側の方向を右方向と記載し、反対の方向を左方向と記載する。
【0016】
また、第1スペーサ部22も、概して矩形をなす板形状の部材であり、基板部20と略同寸法とされている。そして、第1スペーサ部22も、長手方向の縁部を左右方向に延ばした状態で立設されており、基板部20のネジ穴32が形成されている面、つまり、前方側の面に積層、つまり、取り付けられている。また、概して板形状の第1スペーサ部22の両面も互いに平行な面とされており、第1スペーサ部22が基板部20に積層され、ネック部30に連結されたシャフト12を上下方向に延びる姿勢とした場合に、第1スペーサ部22の両面も鉛直方向に延びる姿勢となる。なお、第1スペーサ部22には、左右方向における両縁部において両面に貫通する1対の貫通穴36が形成されており、第1スペーサ部22が基板部20に積層されることで、1対の貫通穴36が、基板部20の1対のネジ穴32に連通する。
【0017】
また、フェース部24も、概して矩形をなす板形状の部材であり、基板部20と略同寸法とされている。ただし、フェース部24の厚さ寸法は、基板部20の厚さ寸法より薄くされている。そして、フェース部24も、長手方向の縁部を左右方向に延ばした状態で立設されており、第1スペーサ部22の基板部20に積層されている面と反対側の面、つまり、前方側の面に積層されている。また、概して板形状のフェース部24の両面も互いに平行な面とされており、フェース部24が第1スペーサ部22に積層され、ネック部30に連結されたシャフト12を上下方向に延びる姿勢とした場合に、フェース部24の両面も鉛直方向に延びる姿勢となる。なお、フェース部24にも、左右方向における両縁部において両面に貫通する1対の貫通穴38が形成されており、フェース部24が第1スペーサ部22に積層されることで、1対の貫通穴38が、第1スペーサ部22の1対の貫通穴36に連通する。また、フェース部24の第1スペーサ部22に積層されている面と反対側の面、つまり、前方側の面に、打面40が形成されている。
【0018】
そして、基板部20と第1スペーサ部22とフェース部24とが積層された状態、つまり、フェース部24が第1スペーサ部22を挟んで基板部20のネジ穴32が形成された面に取り付けられた状態で、1対の貫通穴38に、1対のネジ46が挿入され、1対の貫通穴36を挿通し、1対のネジ穴32においてネジ止めされている。これにより、基板部20と第1スペーサ部22とフェース部24とが積層された状態で一体化されている。
【0019】
また、第2スペーサ部26も、概して矩形をなす板形状の部材であり、基板部20と略同寸法とされている。ただし、第2スペーサ部26には、長手方向の1対の縁部のうちの一方の縁部の中央部から、他方の縁部に向って切り欠かれた切欠き部50が形成されている。そして、第2スペーサ部26は、切欠き部50が形成された長手方向の縁部を上端とした状態で立設されており、基板部20のネジ穴34が形成されている面、つまり、後方側の面に積層されている。また、概して板形状の第2スペーサ部26の両面も互いに平行な面とされており、第2スペーサ部26が基板部20に積層され、ネック部30に連結されたシャフト12を上下方向に延びる姿勢とした場合に、第2スペーサ部26の両面も鉛直方向に延びる姿勢となる。なお、第2スペーサ部26には、左右方向における両縁部において両面に貫通する1対の貫通穴52が形成されており、第2スペーサ部26が基板部20に積層されることで、1対の貫通穴52が、基板部20の1対のネジ穴34に連通する。
【0020】
また、バック部28は、概して矩形をなす板形状の本体部60と、長手方向の縁部を左右方向に延ばした状態で立設された本体部60の下端部から後方に向って延び出すブレード部62とにより構成されている。バック部28の本体部60は、第2スペーサ部26と略同寸法とされており、本体部60には、第2スペーサ部26と同様に、切欠き部64が形成されている。そして、バック部28は、ブレード部62が延び出す面と反対側の面において、第2スペーサ部26の基板部20に積層されている面と反対側の面、つまり、後方側の面に積層されている。また、概して板形状の本体部60の両面も互いに平行な面とされており、バック部28が第2スペーサ部26に積層され、ネック部30に連結されたシャフト12を上下方向に延びる姿勢とした場合に、本体部60の両面も鉛直方向に延びる姿勢となる。なお、本体部60にも、左右方向における両縁部において両面に貫通する1対の貫通穴66が形成されており、バック部28が第2スペーサ部26に積層されることで、1対の貫通穴66が、第2スペーサ部26の1対の貫通穴52に連通する。
【0021】
そして、基板部20と第2スペーサ部26とバック部28とが積層された状態、つまり、バック部28が第2スペーサ部26を挟んで基板部20のネジ穴34が形成された面に取り付けられた状態で、1対の貫通穴66に、1対のネジ68が挿入され、1対の貫通穴52を挿通し、1対のネジ穴34においてネジ止めされている。これにより、基板部20と第2スペーサ部26とバック部28とが積層された状態で一体化されている。
【0022】
このように、ヘッド14は、基板部20と第1スペーサ部22とフェース部24と第2スペーサ部26とバック部28とが積層され、一体的に固定されて構成されている。また、基板部20と第1スペーサ部22とフェース部24と第2スペーサ部26とバック部28との各々は、形状,厚さ寸法,重量,材質,傾斜角度などの異なる複数種類のものが用意されている。具体的には、例えば、図3に示すバック部70と、図4に示すバック部80と、図5に示すバック部90とが用意されている。
【0023】
バック部70は、図3に示すように、バック部28と同様に、本体部72とブレード部74とにより構成されている。本体部72は、バック部28の本体部60と同形状をなしているが、ブレード部74は、バック部28のブレード部62より長くされている。また、バック部70の本体部72にも、バック部28の本体部60と同じ位置に、1対の貫通穴76が形成されている。このため、図1に示すパター10において、バック部28の代わりに、バック部70を取り付けることが可能とされている。
【0024】
また、バック部80は、図4に示すように、本体部82と、本体部82の全体から後方に向って延び出す延設部84とにより構成されている。本体部82は、バック部28の本体部60と同形状をなしている。また、バック部80の本体部82にも、バック部28の本体部60と同じ位置に、1対の貫通穴86が形成されている。このため、図1に示すパター10において、バック部28の代わりに、バック部80を取り付けることが可能とされている。
【0025】
また、バック部90は、図5に示すように、本体部92と、本体部82の長手方向の両端部から後方に向って延び出す1対の延設部94とにより構成されている。本体部92は、バック部28の本体部60と同形状をなしている。また、バック部90の本体部92にも、バック部28の本体部60と同じ位置に、1対の貫通穴96が形成されている。このため、図1に示すパター10において、バック部28の代わりに、バック部90を取り付けることが可能とされている。
【0026】
このように、パター10では、4種類のバック部28,70,80,90が用意されており、それら4種類のバック部28,70,80,90のうちの任意のものを取り付けることで、ヘッド14の形状をユーザの好みの形状にすることができる。つまり、例えば、バック部28を取り付けることで、ピン型のヘッド形状とし、バック部70を取り付けることで、マレット型のヘッド形状とすることができる。
【0027】
また、フェース部24だけでなく、異なる種類のフェース部も用意されている。具体的には、フェース部24は、ステンレス鋼により形成されているが、アルミニウムにより形成されているフェース部も用意されている。なお、アルミニウムにより形成されているフェース部は、フェース部24と同形状とされており、アルミニウムにより形成されているフェース部にも、フェース部24と同じ位置に、1対の貫通穴が形成されている。このため、図1に示すパター10において、フェース部24、つまり、ステンレス鋼により形成されているフェース部の代わりに、アルミニウムにより形成されているフェース部を取り付けることが可能とされている。
【0028】
このように、パター10では、ステンレス鋼により形成されているフェース部と、アルミニウムにより形成されているフェース部とが用意されており、それら2種類のフェース部のうちの任意のものを取り付けることができる。ステンレス鋼とアルミニウムとでは、反発係数が異なるため、取り付けるフェース部によって、パターの打感,タッチ等が変化する。このため、任意のフェース部を取り付けることで、パターの打感,タッチなどを、ユーザに適合することができる。
【0029】
また、第1スペーサ部22だけでなく、例えば、図6に示す第1スペーサ部100及び、図8に示す第1スペーサ部110も用意されている。図6に示すように、第1スペーサ部100は、第1スペーサ部22と同様に、概して矩形をなす板形状とされているが、第1スペーサ部22と異なり、第1スペーサ部100の両面は互いに平行な面とされていない。詳しくは、図7に示すように、第1スペーサ部100の後方側の面102、つまり、基板部20に取り付けられる面に対して、第1スペーサ部100の前方側の面104は前後方向に傾斜する傾斜面とされており、その傾斜面は上下方向において下方に向うほど前方に向って傾斜している。なお、図7(A)は、第1スペーサ部100を側方からの視点において示す図であり、図7(B)は、第1スペーサ部100を上方からの視点において示す図である。このため、第1スペーサ部100の前後方向の長さ寸法、つまり、厚さ寸法は、上方に向うほど薄くなり、下方に向うほど厚くなっている。また、第1スペーサ部100にも、第1スペーサ部22と同じ位置に、1対の貫通穴106が形成されている。このため、図1に示すパター10において、第1スペーサ部22の代わりに、第1スペーサ部100を取り付けることが可能とされている。なお、図での第1スペーサ部100の前方側の面104の傾斜角度は10~20度程度とされているが、実際の傾斜角度は微小な角度である。
【0030】
また、図8に示すように、第1スペーサ部110は、第1スペーサ部22と同様に、概して矩形をなす板形状とされているが、第1スペーサ部22と異なり、第1スペーサ部110の両面は互いに平行な面とされていない。詳しくは、図9に示すように、第1スペーサ部110の後方側の面112、つまり、基板部20に取り付けられる面に対して、第1スペーサ部110の前方側の面114は左右方向に傾斜する傾斜面とされており、その傾斜面は、左右方向において右に向うほど後方に向って傾斜している。なお、図9(A)は、第1スペーサ部110を側方からの視点において示す図であり、図9(B)は、第1スペーサ部110を上方からの視点において示す図である。このため、第1スペーサ部110の前後方向の長さ寸法、つまり、厚さ寸法は、右に向うほど薄くなり、左に向うほど厚くなっている。また、第1スペーサ部110にも、第1スペーサ部22と同じ位置に、1対の貫通穴116が形成されている。このため、図1に示すパター10において、第1スペーサ部22の代わりに、第1スペーサ部110を取り付けることが可能とされている。なお、図での第1スペーサ部110の前方側の面114の傾斜角度は10度程度とされているが、実際の傾斜角度は微小な角度である。
【0031】
また、上記第1スペーサ部22,100,110だけでなく、後方側の面に対して前方側の面が前後方向に傾斜し、その傾斜面が上下方向において上方に向うほど前方に向って傾斜する第1スペーサ部と、後方側の面に対して前方側の面が左右方向に傾斜し、その傾斜面が左右方向において左に向うほど後方に向って傾斜する第1スペーサ部も用意されている。
【0032】
このように、傾斜方向の異なる5種類の第1スペーサ部が用意されており、それら5種類の第1スペーサ部のうちの任意のものを取り付けることで、フェース部24の傾斜方向をユーザの好みに合わせて変更することができる。つまり、例えば、第1スペーサ部100を取り付けることで、フェース部24の前方側の面、つまり、打面40を僅かに上方に向けた傾斜面とすることができる。また、例えば、第1スペーサ部110を取り付けることで、打面40を僅かに右に向けた傾斜面とすることができる。また、例えば、第1スペーサ部22を取り付けることで、打面40を傾斜角度のない面とすることができる。なお、第1スペーサ部の傾斜方向に応じて、傾斜角度の異なるものも用意されている。これにより、フェース部24の傾斜角度をもユーザの好みに合わせて変更することができる。
【0033】
さらに、第1スペーサ部として、傾斜方向,傾斜角度の異なるものだけでなく、厚さ寸法の異なる第1スペーサ部も用意されている。具体的には、例えば、第1スペーサ部22の厚さ寸法は3mmとされているが、4mmの厚さ寸法の第1スペーサ部と、5mmの厚さ寸法の第1スペーサ部とが用意されている。なお、第1スペーサ部22と、4mmの厚さ寸法の第1スペーサ部と、5mmの厚さ寸法の第1スペーサ部とは、厚さ寸法のみが異なっており、他の寸法は同じである。また、4mmの厚さ寸法の第1スペーサ部及び、5mmの厚さ寸法の第1スペーサ部にも、第1スペーサ部22と同じ位置に、1対の貫通穴が形成されている。このため、図1に示すパター10において、第1スペーサ部22、つまり、3mmの厚さ寸法の第1スペーサ部22の代わりに、4mmの厚さ寸法の第1スペーサ部、若しくは、5mmの厚さ寸法の第1スペーサ部を取り付けることが可能とされている。
【0034】
このように、パター10では、厚さ寸法の異なる複数の第1スペーサ部が用意されており、それら複数の第1スペーサ部のうちの任意のものを取り付けることができる。つまり、基板部20とフェース部24との間に、任意の厚さ寸法の第1スペーサ部を介挿することが可能とされている。このため、基板部20とフェース部24との間の距離を任意に変更することが可能となり、パターの打面40のオフセット量を任意に調整することができる。これにより、打面40のオフセット量をユーザに適合することができる。また、第1スペーサ部の厚さ寸法が異なれば、重量も変化するため、任意の第1スペーサ部を取り付けることで、パター10のヘッド14の重量,重心等をも調整することができる。
【0035】
また、第2スペーサ部26だけでなく、厚さ寸法の異なる第2スペーサ部も用意されている。具体的には、例えば、第2スペーサ部26の厚さ寸法は3mmとされているが、4mmの厚さ寸法の第2スペーサ部と、5mmの厚さ寸法の第2スペーサ部とが用意されている。なお、第2スペーサ部26と、4mmの厚さ寸法の第2スペーサ部と、5mmの厚さ寸法の第2スペーサ部とは、厚さ寸法のみが異なっており、他の寸法は同じである。また、4mmの厚さ寸法の第2スペーサ部及び、5mmの厚さ寸法の第2スペーサ部にも、第2スペーサ部26と同じ位置に、1対の貫通穴が形成されている。このため、図1に示すパター10において、第2スペーサ部26、つまり、3mmの厚さ寸法の第2スペーサ部26の代わりに、4mmの厚さ寸法の第2スペーサ部、若しくは、5mmの厚さ寸法の第2スペーサ部を取り付けることが可能とされている。
【0036】
このように、パター10では、厚さ寸法の異なる複数の第2スペーサ部が用意されており、それら複数の第2スペーサ部のうちの任意のものを取り付けることができる。つまり、基板部20とバック部28との間に、任意の厚さ寸法の第2スペーサ部を介挿することが可能とされている。このため、基板部20とバック部28との間の距離を任意に変更することが可能となり、ヘッド14の後方側の長さ寸法を任意に調整することができる。これにより、ヘッド14のバランスをユーザに適合することができる。また、第2スペーサ部の厚さ寸法が異なれば、重量も変化するため、任意の第2スペーサ部を取り付けることで、パター10のヘッド14の重量,重心等をも調整することができる。
【0037】
なお、上記実施例において、パター10は、ゴルフクラブの一例である。シャフト12は、シャフトの一例である。基板部20は、基板部の一例である。第1スペーサ部22,100,110は、第1のスペーサ部の一例である。フェース部24は、フェース部の一例である。第2スペーサ部26は、第2のスペーサ部の一例である。バック部28は、バック部の一例である。打面40は、打面の一例である。
【0038】
また、本発明は、上記実施例に限定されるものではなく、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した種々の態様で実施することが可能である。具体的には、例えば、上記実施例では、基板部20と第1スペーサ部22とフェース部24と第2スペーサ部26とバック部28とにより、ヘッド14が構成されているが、基板部20と第1スペーサ部22とフェース部24とバック部28とにより、ヘッド14が構成されてもよい。つまり、バック部28が、直接的に基板部20に着脱可能に取り付けられてもよい。
【0039】
また、上記実施例では、バック部28が基板部20に着脱可能に取り付けられているが、基板部20とバック部28とが一体的に形成されてもよい。
【0040】
また、上記実施例では、第2スペーサ部として、厚さ寸法の異なるものが複数種類用意されているが、傾斜方向及び傾斜角度の異なる第2スペーサ部が複数種類用意されてもよい。
【0041】
また、上記実施例では、1種類の基板部20のみが用意されているが、複数種類の基板部が用意されてもよい。具体的には、基板部20のネック部30はクランク形状をなしており、クランクネックとされているが、ベントネック,ショートネック,センターネック等の基板部を用意し、複数の基板部のうちの任意のものがパター10に取り付けられてもよい。
【0042】
また、上記実施例において、フェース部24では、そのフェース部24の全体がステンレス鋼により形成されており、別の種類のフェース部では、そのフェース部の全体がアルミニウムにより形成されている。そして、フェース部24と、別の種類のフェース部とが交換可能とされている。一方で、フェース部の打面のみが、異なる種類の素材により形成された複数種類のフェース部の間で交換可能とされてもよい。つまり、少なくとも打面がステンレス鋼により形成されたフェース部と、少なくとも打面がアルミニウムにより形成されたフェース部とが交換可能とされてもよい。
【0043】
また、上記実施例では、図6に示すように、第1スペーサ部100の後方側の面102が底面に対して直行する直交面とされており、その第1スペーサ部100の後方側の面102が底面に対して直行せずに、第1スペーサ部100の後方側の面102に対して傾斜している。一方で、第1スペーサ部100の前方側の面104が底面に対して直行する直交面とされ、その第1スペーサ部100の後方側の面102が底面に対して直行せずに、第1スペーサ部100の前方側の面104が第1スペーサ部100の後方側の面102に対して傾斜してもよい。つまり、第1スペーサ部100の底面に関わらず、第1スペーサ部100の後方側の面102を基準面として、その第1スペーサ部100の後方側の面102に対して第1スペーサ部100の前方側の面104が傾斜していればよい。
【0044】
また、本発明はパター10に適用されているが、他の種類のゴルフクラブ、例えば、アイアン,ドライバーなどに本発明が適用されてもよい。つまり、アイアン,ドライバーなどのヘッドが、基板部と第1スペーサ部とフェース部と第2スペーサ部とバック部とにより構成されてもよい。
【符号の説明】
【0045】
10:パター(ゴルフクラブ) 12:シャフト 20:基板部 22:第1スペーサ部 24:フェース部 26:第2スペーサ部 28:バック部 40:打面 100:第1スペーサ部 110:第1スペーサ部
図1
図2
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図7
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図9