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特開2022-63527インストール方法、インストールプログラム及び記憶媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022063527
(43)【公開日】2022-04-22
(54)【発明の名称】インストール方法、インストールプログラム及び記憶媒体
(51)【国際特許分類】
   G06F 8/65 20180101AFI20220415BHJP
   G06F 8/61 20180101ALI20220415BHJP
   F16T 1/48 20060101ALI20220415BHJP
【FI】
G06F8/65
G06F8/61
F16T1/48 C
F16T1/48 D
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020171836
(22)【出願日】2020-10-12
(71)【出願人】
【識別番号】000137889
【氏名又は名称】株式会社ミヤワキ
(74)【代理人】
【識別番号】100115381
【弁理士】
【氏名又は名称】小谷 昌崇
(74)【代理人】
【識別番号】100067828
【弁理士】
【氏名又は名称】小谷 悦司
(74)【代理人】
【識別番号】100118049
【弁理士】
【氏名又は名称】西谷 浩治
(72)【発明者】
【氏名】吉川 成雄
【テーマコード(参考)】
5B376
【Fターム(参考)】
5B376AC13
5B376AD01
5B376AD22
5B376CA16
5B376CA44
(57)【要約】
【課題】既存のソフトウェアと同機能のソフトウェアを、開発コストをかけずに効率よく、オンプレミス環境で動作させる。
【解決手段】情報処理装置のコンピュータが、第一OSで動作する第一ソフトウェアと、第一OSとは異なる第二OSで第一ソフトウェアを動作させるための第二ソフトウェアと、を記憶した記憶媒体を参照し、ユーザに対して、記憶媒体に記憶されている第二ソフトウェアをインストールする第一指示の入力を案内し、第一指示の入力を受け付けると、記憶媒体に記憶されている第二ソフトウェアをインストールし、第二ソフトウェアのインストールが終了すると、ユーザに対して、記憶媒体に記憶されている第一ソフトウェアをインストールする第二指示の入力を案内し、第二指示の入力を受け付けると、記憶媒体に記憶されている第一ソフトウェアをインストールする。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置のコンピュータが実行する、ソフトウェアのインストール方法であって、
前記コンピュータが、
第一OSで動作する第一ソフトウェアと、前記第一OSとは異なる第二OSで前記第一ソフトウェアを動作させるための第二ソフトウェアと、を記憶した記憶媒体を参照し、
ユーザに対して、前記記憶媒体に記憶されている前記第二ソフトウェアをインストールする第一指示の入力を案内し、
前記第一指示の入力を受け付けると、前記記憶媒体に記憶されている前記第二ソフトウェアをインストールし、
前記第二ソフトウェアのインストールが終了すると、ユーザに対して、前記記憶媒体に記憶されている前記第一ソフトウェアをインストールする第二指示の入力を案内し、
前記第二指示の入力を受け付けると、前記記憶媒体に記憶されている前記第一ソフトウェアをインストールする、
インストール方法。
【請求項2】
前記記憶媒体に記憶されている前記第一ソフトウェアのバージョン以降のバージョンの前記第一ソフトウェアがインストールされているか否かを判定し、当該第一ソフトウェアがインストールされている場合、前記第一指示の入力を案内せずに処理を終了する、
請求項1に記載のインストール方法。
【請求項3】
前記記憶媒体に記憶されている前記第二ソフトウェアのバージョン以降のバージョンの前記第二ソフトウェアがインストールされているか否かを判定し、当該第二ソフトウェアがインストールされている場合、前記第一指示の入力を案内せずに、前記第二指示の入力を案内する、
請求項2に記載のインストール方法。
【請求項4】
前記第一ソフトウェアは、前記情報処理装置に入力された、蒸気トラップから検出した情報に基づき、前記蒸気トラップの性能を診断するソフトウェアである、
請求項1から3の何れか一項に記載のインストール方法。
【請求項5】
情報処理装置のコンピュータに実行させるための、ソフトウェアのインストールプログラムであって、
前記コンピュータを、
第一OSで動作する第一ソフトウェアと、前記第一OSとは異なる第二OSで前記第一ソフトウェアを動作させるための第二ソフトウェアと、を記憶した記憶媒体を参照する参照部と、
ユーザに対して、前記記憶媒体に記憶されている前記第二ソフトウェアをインストールする第一指示の入力を案内する第一案内部と、
前記第一指示の入力を受け付けると、前記記憶媒体に記憶されている前記第二ソフトウェアをインストールする第一インストール部と、
前記第二ソフトウェアのインストールが終了すると、ユーザに対して、前記記憶媒体に記憶されている前記第一ソフトウェアをインストールする第二指示の入力を案内する第二案内部と、
前記第二指示の入力を受け付けると、前記記憶媒体に記憶されている前記第一ソフトウェアをインストールする第二インストール部として、
機能させるインストールプログラム。
【請求項6】
請求項5に記載のインストールプログラムと、前記第一ソフトウェアと、前記第二ソフトウェアと、を記憶した非一過性のコンピュータ読取可能な記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置のコンピュータにソフトウェアをインストールする技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、例えば特許文献1に記載のように、蒸気トラップから検出した振動等の検出情報に基づき、蒸気トラップの性能を診断する技術が知られている。近年では、このような診断を行うソフトウェアをクラウドサーバで動作させ、ネットワークを介して顧客に利用させることが検討されている。
【0003】
しかし、クラウドサーバで動作するソフトウェアをネットワークを介して利用する場合、ソフトウェアの入力データとして送信する顧客固有の情報が傍受され、他者に漏洩する虞がある。このため、所謂オンプレミス環境で、クラウドサーバで動作するソフトウェアと同機能を有するソフトウェアをネットワークを介さずに利用することを希望する顧客も少なからず存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第2954183号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、オンプレミス環境でのソフトウェアの利用を希望する顧客が使用するパソコン等の情報処理装置のOS(オペレーティングシステム)は、クラウドサーバのOSと同じであるとは限らない。このため、オンプレミス環境でのソフトウェアの利用を希望する顧客に対して、クラウドサーバのOSで動作する既存のソフトウェアと同機能を有する、顧客が使用する情報処理装置のOSで動作するソフトウェアを提供することを検討する必要があった。
【0006】
しかし、クラウドサーバのOSとは異なるOSで動作する、既存のソフトウェアと同機能のソフトウェアを開発するには、既存のソフトウェアの開発に要したのと略同じ開発コストを要するという問題があった。また、開発したソフトウェアを、顧客が使用する情報処理装置に効率良くインストールする方法を検討する必要があった。
【0007】
本発明は、上記事情に鑑みてなされた発明であり、既存のソフトウェアと同機能のソフトウェアを、開発コストをかけずに効率よく、オンプレミス環境で動作させることができるインストール方法、インストールプログラム及び記憶媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によるインストール方法は、情報処理装置のコンピュータが実行する、ソフトウェアのインストール方法であって、前記コンピュータが、第一OSで動作する第一ソフトウェアと、前記第一OSとは異なる第二OSで前記第一ソフトウェアを動作させるための第二ソフトウェアと、を記憶した記憶媒体を参照し、ユーザに対して、前記記憶媒体に記憶されている前記第二ソフトウェアをインストールする第一指示の入力を案内し、前記第一指示の入力を受け付けると、前記記憶媒体に記憶されている前記第二ソフトウェアをインストールし、前記第二ソフトウェアのインストールが終了すると、ユーザに対して、前記記憶媒体に記憶されている前記第一ソフトウェアをインストールする第二指示の入力を案内し、前記第二指示の入力を受け付けると、前記記憶媒体に記憶されている前記第一ソフトウェアをインストールする。
【0009】
また、本発明によるインストールプログラムは、情報処理装置のコンピュータに実行させるための、ソフトウェアのインストールプログラムであって、前記コンピュータを、第一OSで動作する第一ソフトウェアと、前記第一OSとは異なる第二OSで前記第一ソフトウェアを動作させるための第二ソフトウェアと、を記憶した記憶媒体を参照する参照部と、ユーザに対して、前記記憶媒体に記憶されている前記第二ソフトウェアをインストールする第一指示の入力を案内する第一案内部と、前記第一指示の入力を受け付けると、前記記憶媒体に記憶されている前記第二ソフトウェアをインストールする第一インストール部と、前記第二ソフトウェアのインストールが終了すると、ユーザに対して、前記記憶媒体に記憶されている前記第一ソフトウェアをインストールする第二指示の入力を案内する第二案内部と、前記第二指示の入力を受け付けると、前記記憶媒体に記憶されている前記第一ソフトウェアをインストールする第二インストール部として、機能させる。
【0010】
また、本発明による記憶媒体は、前記インストールプログラムと、前記第一ソフトウェアと、前記第二ソフトウェアと、を記憶した非一過性のコンピュータ読取可能な記憶媒体である。
【0011】
これらの構成によれば、記憶媒体が参照され、ユーザに対して、記憶媒体に記憶されている第二ソフトウェアをインストールする第一指示の入力が案内される。第一指示の入力が受け付けられると、前記第二ソフトウェアがインストールされる。前記第二ソフトウェアのインストールが終了すると、ユーザに対して、記憶媒体に記憶されている第一ソフトウェアをインストールする第二指示の入力が案内される。第二指示の入力が受け付けられると、前記第一ソフトウェアがインストールされる。
【0012】
このため、ユーザは、案内にしたがって第一指示及び第二指示を順次入力することで、ネットワークを介さずに、オンプレミス環境で、記憶媒体に記憶されている第一ソフトウェア及び第二ソフトウェアを効率良くインストールできる。また、本構成では、インストールされた第二ソフトウェアによって、第一OSとは異なる第二OSで第一ソフトウェアを動作させることができる。よって、本構成は、既存の第一ソフトウェアと同機能を有する第一ソフトウェアそのものを、開発コストをかけずに効率よく、オンプレミス環境で動作させることができる。
【0013】
また、上記構成において、前記記憶媒体に記憶されている前記第一ソフトウェアのバージョン以降のバージョンの前記第一ソフトウェアがインストールされているか否かを判定し、当該第一ソフトウェアがインストールされている場合、前記第一指示の入力を案内せずに処理を終了してもよい。
【0014】
本構成によれば、記憶媒体に記憶されている第一ソフトウェアのバージョン以降のバージョンの第一ソフトウェアがインストールされている場合に、当該インストールされている第一ソフトウェアよりも前のバージョンの第一ソフトウェアをインストールすることを回避できる。
【0015】
また、上記構成において、前記記憶媒体に記憶されている前記第二ソフトウェアのバージョン以降のバージョンの前記第二ソフトウェアがインストールされているか否かを判定し、当該第二ソフトウェアがインストールされている場合、前記第一指示の入力を案内せずに、前記第二指示の入力を案内してもよい。
【0016】
本構成によれば、記憶媒体に記憶されている第二ソフトウェアのバージョン以降のバージョンの第二ソフトウェアがインストールされている場合に、当該インストールされている第二ソフトウェアよりも前のバージョンの第二ソフトウェアをインストールすることを回避できる。
【0017】
また、上記構成において、前記第一ソフトウェアは、前記情報処理装置に入力された、蒸気トラップから検出した情報に基づき、前記蒸気トラップの性能を診断するソフトウェアであってもよい。
【0018】
本構成によれば、インストールされた第一ソフトウェアを動作させ、蒸気トラップから検出した情報を情報処理装置に入力することで、オンプレミス環境で、当該蒸気トラップの性能を診断することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、既存のソフトウェアと同機能のソフトウェアを、開発コストをかけずに効率よく、オンプレミス環境で動作させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】診断装置の構成の一例を示すブロック図である。
図2】計測装置の外観図である。
図3】記憶媒体に記憶されているデータの一例を示す図である。
図4】インストール処理の一例を示すフローチャートである。
図5】ソフトウェア管理テーブルの一例を示す図である。
図6】第一ソフトウェアを実行する処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
(実施形態)
以下、本発明の一実施形態に係る情報処理装置9を備えた診断装置100について説明する。診断装置100は、蒸気や復水が流れる蒸気トラップから検出した情報に基づき、蒸気トラップの性能を診断する装置である。図1は、診断装置100の構成の一例を示すブロック図である。図2は、計測装置1の外観図である。
【0022】
図1に示すように、診断装置100は、無線又は有線によって互いに通信可能な計測装置1及び情報処理装置9を備えている。
【0023】
計測装置1は、蒸気トラップの状態を検出し、当該検出した状態を示すデータを情報処理装置9へ送信する。蒸気トラップの状態には、蒸気トラップの振動レベル及び蒸気トラップの表面温度が含まれる。具体的には、計測装置1は、図1及び図2に示すように、蒸気トラップの振動を検出するための探針10と、振動センサ20と、温度センサ30と、操作部11と、表示部12と、通信部13と、記憶部14と、制御部70と、を備えている。
【0024】
振動センサ20は、探針10の先端が蒸気トラップに押し当てられた場合に、所定時間間隔(例えば0.5秒間隔)で所定期間(例えば10秒間)、探針10に伝達された蒸気トラップの振動レベルを検出し、当該振動レベルを示すデータを制御部70へ出力する。温度センサ30は、蒸気トラップの表面温度を検出し、当該表面温度を示すデータを制御部70へ出力する。
【0025】
操作部11は、計測装置1に対する各種指示を作業者に入力させるためのスイッチを備えている。操作部11は、作業者によってスイッチが操作されると、当該スイッチに対応付けられた指示を示す信号を制御部70へ出力する。
【0026】
表示部12は、液晶ディスプレイによって構成されている。表示部12には、制御部70による制御の下、計測装置1の操作画面、振動センサ20より検出された蒸気トラップの振動レベル、温度センサ30より測定された蒸気トラップの表面温度及び情報処理装置9から受信したデータが示す、蒸気トラップの性能の診断結果等の各種情報が表示される。
【0027】
通信部13は、情報処理装置9との間で通信を行うための不図示の通信インターフェイス回路を備えている。通信部13は、制御部70による制御の下、前記通信インターフェイス回路を用いて、振動センサ20によって検出された振動レベル及び温度センサ30によって測定された表面温度を示すデータを情報処理装置9へ送信する。また、通信部13は、情報処理装置9が計測装置1へ返信した診断結果を示すデータが前記通信インターフェイス回路によって受信されると、当該受信された診断結果を示すデータを制御部70へ出力する。
【0028】
記憶部14は、不揮発性メモリ、HDD(Hard Disk Drive)、或いはSSD(Solid State Drive)等が有する記憶領域の一部によって構成されている。記憶部14には、表示部12に表示される各種情報や、制御部70による制御に必要なデータが記憶されている。また、記憶部14には、制御部70による制御の下、各種データが記憶される。
【0029】
制御部70は、計測装置1の各部を統括制御する。具体的には、制御部70は、例えば、所定の演算処理を実行する不図示のCPU(Central Processing Unit)と、所定の制御プログラムが記憶されたEEPROM等の不図示の不揮発性メモリと、データを一時的に記憶するための不図示のRAM(Random Access Memory)と、これらの周辺回路と、を備えている。
【0030】
制御部70は、不揮発性メモリ等に記憶された制御プログラムをCPUに実行させることにより、計測装置1の各部を統括制御する。
【0031】
例えば、制御部70は、所定時間間隔(例えば0.5秒間隔)で所定期間(例えば10秒間)、振動センサ20から振動レベルを示すデータを受信する度に、当該受信したデータが示す振動レベルを表示部12に表示する。また、制御部70は、当該所定期間の経過後、当該所定期間中に受信した複数の振動レベルを示すデータを、通信部13によって情報処理装置9へ送信させる。
【0032】
また、制御部70は、温度センサ30から表面温度を示すデータを受信すると、当該受信したデータが示す表面温度を表示部12に表示する。また、制御部70は、温度センサ30から受信した表面温度を示すデータを、通信部13によって情報処理装置9へ送信させる。
【0033】
情報処理装置9は、タブレット端末又はパソコン等によって構成される。情報処理装置9は、計測装置1から受信したデータが示す振動レベル及び表面温度に基づき、計測装置1による検出対象の蒸気トラップの性能を診断する。
【0034】
具体的には、情報処理装置9は、計測装置1の操作部11、表示部12、通信部13及び記憶部14と同様の構成の操作部91、表示部92、通信部93及び記憶部94を備えている。また、情報処理装置9は、更に、媒体駆動部96及び制御部95を備えている。操作部91、表示部92、通信部93及び記憶部94は、計測装置1の操作部11、表示部12、通信部13及び記憶部14と同様の構成であるので、操作部91、表示部92、通信部93及び記憶部94の詳細についての説明は省略する。
【0035】
媒体駆動部96は、例えば、CDドライブ及びDVDドライブ等の光学ドライブ等によって構成される。媒体駆動部96は、CD又はDVD等の非一過性のコンピュータ読取可能な記憶媒体6に記憶されているデータを読み取り、当該読み取ったデータを制御部95に出力する。
【0036】
図3は、記憶媒体6に記憶されているデータの一例を示す図である。図3に示すように、記憶媒体6には、第一ソフトウェア61のインストーラ、第二ソフトウェア62のインストーラ及びインストールプログラム63が記憶されている。
【0037】
第一ソフトウェア61は、第一OS(Operating System、オペレーティングシステム)で動作するソフトウェアである。本実施形態では、第一OSは、Linux(登録商標)であるとする。ただし、これに限らず、第一OSは、UNIX(登録商標)等の他のOSであってもよい。
【0038】
具体的には、第一ソフトウェア61は、蒸気トラップから検出した情報を示すデータが入力されると、当該入力されたデータが示す情報に基づき、前記蒸気トラップの性能を診断し、診断結果を示すデータを出力するソフトウェアである。
【0039】
第二ソフトウェア62は、第一OSとは異なる第二OS50で動作する、第二OS50で第一ソフトウェア61を動作させるためのソフトウェアである。本実施形態では、第二OS50は、Windows(登録商標)であるとする。第二ソフトウェア62は、WSL(Windows Subsystem for Linux)(登録商標)であるとする。WSLは、Widnows(登録商標)で動作するソフトウェアであり、Linux(登録商標)で動作するソフトウェアの実行環境を提供するソフトウェアである。
【0040】
尚、第二OS50は、Windows(登録商標)に限らず、Mac OS(登録商標)等の他のOSであってもよい。この場合、第二ソフトウェア62は、WSLと同様、第二OS50で動作し、第一OSで動作するソフトウェアの実行環境を提供するソフトウェアとすればよい。
【0041】
制御部95は、情報処理装置9の各部を統括制御する。具体的には、制御部95は、例えば、所定の演算処理を実行する不図示のCPU(Central Processing Unit)と、所定の制御プログラムが記憶されたEEPROM等の不図示の不揮発性メモリと、データを一時的に記憶するための不図示のRAM(Random Access Memory)と、これらの周辺回路と、を備えている。
【0042】
制御部95は、不揮発性メモリ等に記憶された制御プログラムをCPUに実行させることにより、参照部51として動作する。参照部51は、媒体駆動部96を介して記憶媒体6に記憶されているデータを参照する。
【0043】
制御部95は、記憶部94に記憶されている第二OS50をCPUに実行させることにより、第二OS50を起動する。第二OS50の起動後、制御部95は、ユーザによる操作部91の操作に応じて、インストールされている各種のソフトウェアをCPUに実行させる。また、制御部95は、第二OS50の起動後、参照部51によって参照された記憶媒体6に記憶されているインストールプログラムをCPUに実行させる。これにより、制御部95は、第一案内部52、第一インストール部53、第二案内部54、第二インストール部55として動作する。
【0044】
次に、制御部95が、第一ソフトウェア61及び第二ソフトウェア62をインストールする方法について説明する。当該説明において、第一案内部52、第一インストール部53、第二案内部54及び第二インストール部55の詳細について説明する。図4は、インストール処理の一例を示すフローチャートである。
【0045】
制御部95は、ユーザによる操作部91の操作により、記憶媒体6に記憶されている第一ソフトウェア61及び第二ソフトウェア62のインストール指示が入力されると、図4に示すインストール処理を実行する。
【0046】
インストール処理が開始されると、図4に示すように、参照部51は、媒体駆動部96を介して記憶媒体6に記憶されているデータを参照する(ステップS40)。制御部95は、ステップS40で参照された記憶媒体6に記憶されているインストールプログラム63をCPUに実行させる(ステップS41)。これにより、制御部95は、第一案内部52、第一インストール部53、第二案内部54及び第二インストール部55として動作可能となる。
【0047】
ステップS41の後、第一案内部52は、記憶媒体6に記憶されている第二ソフトウェア62のバージョン以降のバージョンの第二ソフトウェア(以降、新第二ソフトウェア)がインストールされているか否かを判定する(ステップS42)。
【0048】
図5は、ソフトウェア管理テーブル941の一例を示す図である。具体的には、図5に示すように、記憶部94には、インストールされたソフトウェアの識別情報(インストールソフト)と、そのソフトウェアのバージョンと、を対応付けて記憶するための記憶領域として、ソフトウェア管理テーブル941が設けられている。
【0049】
制御部95は、ソフトウェアをインストールする度に、ソフトウェア管理テーブル941に、当該インストールしたソフトウェアの識別情報とそのソフトウェアのバージョンとを対応付けてソフトウェア管理テーブル941に記憶する。例えば、図5のソフトウェア管理テーブル941は、バージョン「1.0」の識別情報「第一ソフトウェア」に対応するソフトウェアと、バージョン「2.0」の識別情報「第二ソフトウェア」に対応するソフトウェアと、が情報処理装置9にインストールされている例を示している。
【0050】
つまり、ステップS42では、第一案内部52は、参照部51によって記憶媒体6に記憶されている第二ソフトウェア62のインストーラから、当該第二ソフトウェア62のバージョンを示す情報(以降、バージョン情報)を取得する。第一案内部52は、ソフトウェア管理テーブル941において、当該取得したバージョン情報が示すバージョン以降のバージョンに対応付けられた、第二ソフトウェアの識別情報が存在するか否かによって、新第二ソフトウェアがインストールされているか否かを判定する。
【0051】
第一案内部52は、新第二ソフトウェアがインストールされていないと判定した場合(ステップS42でNO)、ユーザに対して、記憶媒体6に記憶されている第二ソフトウェア62をインストールする第一指示の入力を案内する(ステップS43)。
【0052】
具体的には、ステップS43において、第一案内部52は、記憶媒体6に記憶されている第二ソフトウェア62のインストーラに含まれる一以上の操作画面を順次表示部92に表示する。当該一以上の操作画面は、ユーザに対して、第二ソフトウェア62のインストールに必要な情報の入力を案内する操作画面である。例えば、一以上の操作画面には、ソフトウェアの使用許諾に同意するか否かの選択入力を案内する操作画面、インストール先のフォルダ名の入力を案内する操作画面等が含まれる。
【0053】
ユーザによって前記一以上の操作画面において案内された全ての情報が入力されると、第一インストール部53は、ユーザが前記第一指示を入力したと判定する(ステップS44でYES)。この場合、第一インストール部53は、前記一以上の操作画面において入力された情報を用いて、記憶媒体6に記憶されている第二ソフトウェア62をインストールする(ステップS45)。第一インストール部53は、第二ソフトウェア62のインストールを終了すると、当該インストールした第二ソフトウェア62のバージョンを、第二ソフトウェア62の識別情報と対応付けて、ソフトウェア管理テーブル941に記憶する。
【0054】
第二ソフトウェア62のインストールが終了すると、第二案内部54は、ステップS42と同様にして、ソフトウェア管理テーブル941(図5)を用いて、記憶媒体6に記憶されている第一ソフトウェア61のバージョン以降のバージョンの第一ソフトウェア(以降、新第一ソフトウェア)がインストールされているか否かを判定する(ステップS46)。
【0055】
第二案内部54は、新第一ソフトウェアがインストールされていないと判定した場合(ステップS46でNO)、ステップS43と同様、第一ソフトウェア61のインストールに必要な情報の入力を案内する一以上の操作画面を順次表示部92に表示する。これにより、第二案内部54は、ユーザに対して、記憶媒体6に記憶されている第一ソフトウェア61をインストールする第二指示の入力を案内する(ステップS47)。
【0056】
ユーザによって前記一以上の操作画面において案内された全ての情報が入力されると、第二インストール部55は、ユーザが前記第二指示を入力したと判定する(ステップS48でYES)。この場合、第二インストール部55は、前記一以上の操作画面において入力された情報を用いて、記憶媒体6に記憶されている第一ソフトウェア61をインストールする(ステップS49)。第二インストール部55は、第一ソフトウェア61のインストールを終了すると、当該インストールした第一ソフトウェア61のバージョンを、第一ソフトウェア61の識別情報と対応付けて、ソフトウェア管理テーブル941に記憶する。
【0057】
尚、ステップS42において新第二ソフトウェアがインストールされていると判定された場合(ステップS42でYES)、制御部95は、ステップS43以降の処理を行わずに、処理をステップS46に移行する。
【0058】
また、ステップS46において新第一ソフトウェアがインストールされていると判定された場合(ステップS46でYES)、制御部95は、ステップS47以降の処理を行わずに、インストール処理を終了する。
【0059】
次に、制御部95が第一ソフトウェア61を実行する方法について以下に説明する。図6は、第一ソフトウェア61を実行する方法の一例を示すフローチャートである。ユーザによる操作部91の操作によって、第二ソフトウェア62の実行指示が入力されると、制御部95は、第二ソフトウェア62を実行する(ステップS61)。これにより、Linux(登録商標)で動作するソフトウェアの実行環境が提供される。尚、ユーザによる操作部91の操作によらず、第二OS50(図2)の起動後、自動的に、制御部95が、第二ソフトウェア62を実行するようにしてもよい。
【0060】
次に、ユーザによる操作部91の操作によって、第一ソフトウェア61の実行指示が入力されると、制御部95は、ステップS61で提供された実行環境において第一ソフトウェア61を実行する(ステップS62)。具体的には、制御部95は、ステップS61で提供された実行環境に、第一ソフトウェア61を実行するためのコマンドを入力する。これにより、ステップS61で提供された実行環境上で、第一ソフトウェア61が実行される。
【0061】
第一ソフトウェア61が開始された後、通信部93が、計測装置1から振動センサ20及び温度センサ30によって検出された情報(以降、検出情報)を示すデータを受信したとする(ステップS63でYES)。この場合、第一ソフトウェア61によって、当該受信したデータが示す検出情報に基づき、当該計測装置1による計測対象の蒸気トラップの性能が診断される(ステップS64)。
【0062】
ステップS64において蒸気トラップの性能が診断されると、当該診断の結果を示すデータが通信部93によって計測装置1に返信される(ステップS65)。これに応じて、計測装置1では、制御部70は、通信部13を介して情報処理装置9から取得したデータが示す診断の結果を表示部12に表示する。
【0063】
このように、制御部95は、ユーザによる操作部91の操作によって、第一ソフトウェア61の終了指示が入力されない間(ステップS66でNO)、ステップS63以降の処理を繰り返す。そして、制御部95は、第一ソフトウェア61の終了指示が入力されると(ステップS66でYES)、第一ソフトウェア61を終了する。尚、制御部95は、第一ソフトウェア61を終了することに合わせて、第二ソフトウェア62を終了してもよい。
【0064】
(変形実施形態)
尚、上記実施形態は、本発明に係る実施形態の例示に過ぎず、本発明を上記実施形態に限定する趣旨ではない。例えば、以下に示す変形実施形態であってもよい。
【0065】
(1)インストール処理(図4)において、ステップS42を省略してもよい。これにより、記憶媒体6に記憶されている第二ソフトウェア62のバージョン以降のバージョンの第二ソフトウェア62がインストールされているか否かに関係なく、記憶媒体6に記憶されている第二ソフトウェア62をインストールする第一指示の入力を案内するようにしてもよい。
【0066】
(2)インストール処理(図4)において、ステップS46を省略してもよい。これにより、記憶媒体6に記憶されている第一ソフトウェア61のバージョン以降のバージョンの第一ソフトウェア61がインストールされているか否かに関係なく、記憶媒体6に記憶されている第一ソフトウェア61をインストールする第二指示の入力を案内するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0067】
1 :計測装置
6 :記憶媒体
9 :情報処理装置
50 :第二OS
51 :参照部
52 :第一案内部
53 :第一インストール部
54 :第二案内部
55 :第二インストール部
61 :第一ソフトウェア
62 :第二ソフトウェア
63 :インストールプログラム
図1
図2
図3
図4
図5
図6