IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社アイフューチャーの特許一覧

<>
  • 特開-窓枠用換気扇及び換気扇 図1
  • 特開-窓枠用換気扇及び換気扇 図2
  • 特開-窓枠用換気扇及び換気扇 図3
  • 特開-窓枠用換気扇及び換気扇 図4
  • 特開-窓枠用換気扇及び換気扇 図5
  • 特開-窓枠用換気扇及び換気扇 図6
  • 特開-窓枠用換気扇及び換気扇 図7
  • 特開-窓枠用換気扇及び換気扇 図8
  • 特開-窓枠用換気扇及び換気扇 図9
  • 特開-窓枠用換気扇及び換気扇 図10
  • 特開-窓枠用換気扇及び換気扇 図11
  • 特開-窓枠用換気扇及び換気扇 図12
  • 特開-窓枠用換気扇及び換気扇 図13
  • 特開-窓枠用換気扇及び換気扇 図14
  • 特開-窓枠用換気扇及び換気扇 図15
  • 特開-窓枠用換気扇及び換気扇 図16
  • 特開-窓枠用換気扇及び換気扇 図17
  • 特開-窓枠用換気扇及び換気扇 図18
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022063591
(43)【公開日】2022-04-22
(54)【発明の名称】窓枠用換気扇及び換気扇
(51)【国際特許分類】
   F24F 7/013 20060101AFI20220415BHJP
【FI】
F24F7/013 102B
F24F7/013 102H
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020171931
(22)【出願日】2020-10-12
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-07-07
(71)【出願人】
【識別番号】517363012
【氏名又は名称】株式会社アイフューチャー
(74)【代理人】
【識別番号】110002103
【氏名又は名称】特許業務法人にじいろ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岩田 崇裕
(57)【要約】
【課題】吸排気の自由度が高く、容易にガラス戸を全閉して施錠するができる窓枠用換気扇を提供すること。
【解決手段】窓枠用換気扇10は、換気扇ユニット20、制御ユニット70、ブラケット41とを具備する。制御ユニット上に換気扇本体を縦積みしたとき全体として単一の柱状形状が構成される。制御ユニットの正面に対して換気扇ユニットの正面が同じ向きに揃う第1のレイアウトと、換気扇ユニットの正面に対して換気扇ユニットの正面が逆向きになる第2のレイアウトとのいずれのレイアウトでも制御ユニット上に換気扇ユニットを縦積み可能な着脱構造25a、73aが制御ユニットと換気扇ユニットとにそれぞれ設けられる。第1、第2のレイアウトのいずれでもブラケットに換気扇ユニットを取り付けることができるように換気扇ユニットの左右側面それぞれにブラケットに対する着脱構造24、29が設けられる。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
換気扇本体と、
前記換気扇本体を制御する制御ユニットと、
前記換気扇本体及び前記制御ユニットを窓枠の内側に設置するためのブラケットとを具備し、
前記制御ユニットの正面には前記換気扇本体の動作を手動操作するための操作ボタンが装備され、
前記換気扇本体は正面側から給気し背面側から排気する構成を有し、
前記換気扇本体は四角柱形状を有し、
前記制御ユニット上に前記換気扇本体を縦積みしたとき全体として単一の柱状形状を構成するように、前記制御ユニットはその底面が前記換気扇本体と同じ寸法で同じ形状の直方体形状又は立方体形状を有し、
前記制御ユニットの正面に対して前記換気扇本体の正面が同じ向きに揃う第1のレイアウトと、前記換気扇本体の正面に対して前記換気扇本体の正面が逆向きになる第2のレイアウトとのいずれのレイアウトでも前記制御ユニット上に前記換気扇本体を縦積み可能なように前記制御ユニットに対して前記換気扇本体を着脱するための構造が前記制御ユニットと前記換気扇本体とに設けられ、
前記第1のレイアウトと前記第2のレイアウトとのいずれのレイアウトでも前記ブラケットに対して前記換気扇本体を取り付けることができるように前記換気扇本体の左右側面それぞれに前記ブラケットに対する着脱構造が設けられる、窓枠用換気扇。
【請求項2】
前記ブラケットには、前記換気扇本体を前記制御ユニットとともに回動させて前記窓枠から取り外すための蝶番が備えられる、請求項1に記載の窓枠用換気扇。
【請求項3】
前記ブラケットは前記窓枠に嵌め合わされる断面コ字形状を有し、前記換気扇本体及び前記制御ユニットとともに前記窓枠から取り外される、請求項1に記載の窓枠用換気扇。
【請求項4】
前記換気扇本体の上面には他の換気扇本体を着脱自在に縦積みするための構造が設けられる、請求項1に記載の窓枠用換気扇。
【請求項5】
前記換気扇本体の上面に着脱自在に縦積みされ、前記換気扇本体の上面と前記窓枠との間の間隙を塞ぐためのスペーサボックスをさらに備える、請求項1に記載の窓枠用換気扇。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、窓枠に対して簡単に着脱することができる窓枠用換気扇に関する。
【背景技術】
【0002】
建物内の換気を促進するための装置として、換気扇が用いられている。換気扇は予め壁部材に開口部を設ける必要があるため、建物設置後に換気効率を向上させることが難しかった。建物設置後に、建物の開口部に嵌込まれた窓枠を利用して、換気扇を取り付けて換気を行う装置として、窓枠用換気扇が知られている(例えば、特許文献1、2参照。)。
【0003】
窓枠用換気扇の場合には、通常、室内から室外への排気のみの機能であるが、室外の空気を室内に取り込む送風扇として用いる場合もある。このような窓枠用換気扇は、内部にファンや制御基板等が収容され、かなりの重量があるため、窓枠に強固に取り付けられており、一旦設置すると容易には取り外せない構造となっている。このため、排気か吸気を設置時に選択しなければならない。
【0004】
なお、窓枠には、ガラス戸等がスライド開閉自在に取り付けられているが、窓枠用換気扇は室内と室外との通気路を確保するため、窓枠用換気扇に当接したところでそれ以上は閉められないようになっている。
【0005】
上記窓枠に取り付けられる窓枠用換気扇にあっては、吸気と排気とを容易に切り替えられず、また、窓枠にネジやナット等を用いて強固に取り付けられており、ガラス戸が全て閉められなくてもガラス戸を外から開けられないようにするため、改めて鍵を設置する必要があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平05-280260号公報
【特許文献2】特開平10-141726号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
目的は、吸排気の自由度が高く、容易にガラス戸を全閉して施錠するができる窓枠用換気扇を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の実施形態に係る窓枠用換気扇は、換気扇本体と、前記換気扇本体を制御する制御ユニットと、前記換気扇本体及び前記制御ユニットを窓枠内側に設置するためのブラケットとを具備する。前記制御ユニットの正面には前記換気扇本体の動作を手動操作するための操作ボタンが装備される。前記換気扇本体は正面側から給気し背面側から排気する構成を有する。前記換気扇本体は四角柱形状を有する。前記制御ユニット上に前記換気扇本体を縦積みしたとき全体として単一の柱状形状を構成するように、前記制御ユニットはその底面が前記換気扇本体と同じ寸法で同じ形状の直方体形状又は立方体形状を有する。前記制御ユニットの正面に対して前記換気扇本体の正面が同じ向きに揃う第1のレイアウトと、前記換気扇本体の正面に対して前記換気扇本体の正面が逆向きになる第2のレイアウトとのいずれのレイアウトでも前記制御ユニット上に前記換気扇本体を縦積み可能なように前記制御ユニットに対して前記換気扇本体を着脱するための構造が前記制御ユニットと前記換気扇本体とに設けられる。前記第1のレイアウトと前記第2のレイアウトとのいずれのレイアウトでも前記ブラケットに対して前記換気扇本体を取り付けることができるように前記換気扇本体の左右側面それぞれに前記ブラケットに対する着脱構造が設けられる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の第1の実施形態に係る窓枠用換気扇が取り付けられた窓枠を示す斜視図。
図2図1の窓枠用換気扇及び調整ユニットを示す斜視図。
図3図1の窓枠用換気扇の正面側を示す斜視図。
図4図1の窓枠用換気扇の背面側を示す斜視図。
図5図1の窓枠用換気扇の取付ブラケットを示す斜視図。
図6図1の窓枠用換気扇への取付ブラケットの取付方法を示す斜視図。
図7図6の二点鎖線Kを拡大して示す斜視図。
図8図1の窓枠用換気扇の収納状態を示す斜視図。
図9】本発明の第2の実施形態に係る窓枠取付換気扇及び取付ブラケットを示す斜視図。
図10図9の窓枠用換気扇の取付ブラケットを示す斜視図。
図11図9の窓枠用換気扇への取付ブラケットの取付方法を示す斜視図。
図12】本発明の第3の実施形態に係る窓枠取付換気扇が取り付けられた窓枠を示す斜視図。
図13図12の窓枠用換気扇の正面側を示す斜視図。
図14】本発明の第4の実施形態に係る窓枠取付換気扇を示す分解斜視図。
図15図14の窓枠用換気扇の結合部を示す斜視図。
図16】本発明の第5の実施形態に係る窓枠用換気扇が取り付けられた窓枠を示す斜視図。
図17】本発明の第6の実施形態に係る窓枠用換気扇を示す斜視図。
図18】本発明の第7の実施形態に係る窓枠用換気扇を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図1~8に基づいて、本発明の第1の実施形態について説明する。
本実施形態に係る窓枠用換気扇10は、換気扇本体(換気扇ユニット)20と、換気扇ユニット20を制御する制御ユニット70と、換気扇ユニット20及び制御ユニット70を窓枠110の内側に設置するためのブラケット41とを具備する。
【0011】
制御ユニット70の正面には換気扇ユニット20の動作を手動操作するための操作ボタン76が装備される。換気扇ユニット20は正面側から給気し、背面側から排気する構成を有しており、換気扇ユニット20の正面を室内側、背面を室外側に配置することにより、室内空気を室外に排出することができ、それとは逆向きに換気扇ユニット20の背面を室内側、正面を室外側に配置することにより、室外空気を室内に取り込むことができ、本実施形態ではそれら2種類の使用態様を容易に切り替えることができる構造を備えている。
【0012】
換気扇ユニット20は四角柱形状を有しており、制御ユニット70は換気扇ユニット20より低い四角柱形状、換言するとその底面が前記換気扇本体と同じ寸法で同じ形状で高さが低い直方体形状又は立方体形状を有している。制御ユニット70上に換気扇ユニット20を縦積みしたとき全体として単一の柱状形状が構成される。
【0013】
制御ユニット70の操作ボタン76が装備された正面に対して換気扇ユニット20の正面(吸気側)が同じ向きで揃う第1のレイアウトと、換気扇ユニット20の正面に対して換気扇ユニット20の正面が逆向きになる、換言すると換気扇ユニット20の正面と換気扇ユニット20の背面(排気側)が同じ向きになる第2のレイアウトとのいずれのレイアウトでも、制御ユニット70上に換気扇ユニット20を縦積み可能なように、制御ユニット70に対して換気扇ユニット20を着脱するための構造(後述の部材25a、73a)が制御ユニット70と換気扇ににっと20とに設けられる。
【0014】
第1のレイアウトと第2のレイアウトとのいずれのレイアウトでもブラケット41に対して換気扇ユニット20を取り付けることができるように換気扇ユニット20の左右側面それぞれにブラケット41に対する着脱構造(後述の部材24、29)が設けられる。
【0015】
以下具体的に説明する。
図1に示すように、建物の壁部材100は窓となる開口部101を有している。この開口部101には金属材製等の窓枠110が嵌め込まれている。窓枠110は、鉛直方向に設置された縦部材111と水平方向に設置された横部材112とが矩形に組み合わされて構成されている。窓枠110には一対のガラス戸120が左右方向に移動自在となるように嵌め込まれている。一対のガラス戸120には全閉した状態で施錠できる窓鍵が取り付けられている。
【0016】
窓枠用換気扇10は窓枠110の左右両端それぞれに、または一端に装備されることができる。図2に示すように、窓枠用換気扇10は、換気扇ユニット20と、この換気扇ユニット20を縦積みする制御ユニット70と、後述のブラケット41から構成される。換気扇ユニット20は縦長の直方体形状、換言すると四角柱形状を有する。制御ユニット70は直方体又は立方体形状を有する。制御ユニット70の横断面は、換気扇ユニット20の横断面と同じ形状且つ同じ寸法である。制御ユニット70と換気扇ユニット20の横断面は、典型的には正方形である。
【0017】
制御ユニット70上に換気扇ユニット20が連結された状態で窓枠110の内側に配置される。制御ユニット70及び換気扇ユニット20との合計高が窓枠110の内寸よりも短いとき、それらの間に間隙が生じる。その場合、間隙を塞ぐために、換気扇ユニット20の上部に、1又は複数の適当な数のスペーサボックス80を連結することができる。スペーサボックス80の横断面は、制御ユニット70及び換気扇ユニット20の横断面と同じ形状であり、同じ寸法である。好ましくは様々な高さのスペーサボックス80が用意されており、適当に組み合わされる。
【0018】
換気扇ユニット20の筐体としては、左右の側板21、正面側の吸気グリル板22、背面側の排気グリル板23、天板、底板とからなる。換気扇ユニット20の筐体内部にはファンユニット30が収容される。吸気グリル板22及び排気グリル板23は、空気の通流が容易になる程度の孔及びスリットが多数形成されている。両側板21それぞれには、奥行き方向に沿って浅い溝部(着脱部材(雌))24が設けられている。溝部24の幅はその底面側から開口側に向かって狭く、テーパ状に構成される。溝部24には、後述する取付ブラケット40のスライド板44の線条突起(着脱部材(雄))29が差し込まれる。スライド板44の線条突起29は、溝部24に整合するように逆テーパの横断面形状を有する。それにより、溝部24を取付ブラケット40のスライド板44の線条突起に挿入したとき、換気扇ユニット20は制御ユニット70及びスペーサボックス80とともに取付ブラケット40に装着される。溝部24を取付ブラケット40のスライド板44の線条突起から抜いたとき、換気扇ユニット20は制御ユニット70及びスペーサボックス80とともに取付ブラケット40から取り外すことができる。
【0019】
換気扇ユニット20の底面25には、溝部(以下、凹型スライド部という)25aが形成され、上面26には、線条突起(以下、凸型スライド部という)26aが形成されている。凹型スライド部25aは、吸気グリル板22側(正面側)から排気グリル板23側にわたって同じ幅・同じ深さに形成されており、他部材の凸型スライド部(例えば、後述する凸型スライド部73a)に対して前後方向について往復動自在、上下方向への移動について規制されている。凸型スライド部26aは、吸気グリル板22側(正面側)から排気グリル板23側(背面側)にわたって同じ幅・同じ深さに形成されており、他部材の凹型スライド部(例えば、後述する凹型スライド部82a)に対して前後方向について往復動自在、上下方向への移動について規制されている。
【0020】
取付ブラケット40は、縦部材111に固定される固定板金(固定部材)41と、回動板金(回動部材)42を具備している。固定板金41と回動板金42とは、鉛直方向の回動軸43によって回動自在に取り付けられている。回動板金42には、スライド板44が取り付けられている。
【0021】
スライド板44は上述した溝部24に対して、吸気グリル板22又は排気グリル板23側から挿入されており、上下方向への移動のみ規制され、固定されていない。
【0022】
制御ユニット70の筐体は直方体又は立方体形状を有し、内部にファンユニット30を制御する制御基板を収容している。その正面には操作ボタン76が装備されている。制御ユニット70は、左右の側板71を有している。制御ユニット70の底面72には、凹型スライド部72aが形成され、上面73には、凸型スライド部73aが形成されている。凹型スライド部72aは、前面側から背面側にわたって同じ幅・同じ深さに形成されており、他部材の凸型スライド部に対して前後方向について往復動自在、上下方向への移動について規制した状態で係止可能に形成されている。凸型スライド部73aは、前面側から背面側にわたって同じ幅・同じ深さに形成されており、他部材の凹型スライド部に対して前後方向について往復動自在、上下方向への移動について規制した状態で係止可能に形成されている。
【0023】
制御ユニット70は、正面側に操作ボタン76を備えている。操作ボタン76が室内側、背面部75が室外側になるように配置される。
【0024】
スペーサボックス80は、直方体状の筐体から構成されており、空洞で内部には何も収容されていない。全体を軽量の樹脂材等で形成してもよい。図3に示す2つのスペーサボックス80は同じ構成である。
【0025】
スペーサボックス80は、左右の側板81を有している。スペーサボックス80の底面82には、凹型スライド部82aが形成され、上面83には、凸型スライド部83aが形成されている。凹型スライド部82aは、前面側から背面側にわたって同じ幅・同じ深さに形成されており、他部材の凸型スライド部に対して前後方向について往復動自在、上下方向への移動について規制した状態で係止可能に形成されている。凸型スライド部83aは、前面側から背面側にわたって同じ幅・同じ深さに形成されており、他部材の凹型スライド部に対して前後方向について往復動自在、上下方向への移動について規制した状態で係止可能に形成されている。
【0026】
このように構成された窓枠用換気扇10は、次のようにして使用する。最初に窓枠110に窓枠用換気扇10取り付ける方法を説明する。すなわち、制御ユニット70上に換気扇ユニット20を縦積みする。換気扇ユニット20の凹型スライド部25aに、制御ユニット70の凸型スライド部73aが係止されるようにスライドして固定する。
【0027】
同様にして、換気扇ユニット20の上面26にスペーサボックス80を積む。換気扇ユニット20の凸型スライド部26aに、スペーサボックス80の凹型スライド部82aが係止されるようにスライドして装着する。スペーサボックス80は、換気扇ユニット20及び制御ユニット70の高さ寸法と、窓枠110の縦部材111の高さ寸法との差を埋めるだけの数だけ装着する。
【0028】
次に、窓枠110の縦部材111に固定された固定板金41に対し、図5に示すように回動板金42が直角の位置となるように回動させる。次に、図6図7に示すように、スライド板44の線条突起29を溝部24に差し込み係止させる。これにより、図1に示すように、窓枠用換気扇10が窓枠110に取り付けられる。なお、吸気グリル板22と吸気グリル23面とは逆に配置してもよく、使用者の必要に応じて設定する。なお、吸気グリル板22を室内側、吸気グリル23面を室外側に向ければ、室外の空気を室内に取り込むことができ、吸気グリル板22を室外側、吸気グリル23面を室内側に向ければ、室内の空気を室外へ排気することができる。
【0029】
図1に示すように、左右の窓枠用換気扇10において、吸気グリル板22及び吸気グリル23面の配置を逆にすることで、吸気と排気を同時に行うことができ、室内の換気を効率よく行うことができる。
【0030】
次に、非使用時における窓枠用換気扇10の収容方法について説明する。ガラス戸120を少し開け、取付ブラケット40を換気扇ユニット20に装着した状態で、回動軸43周りに回転させる。すなわち、図8に示すように窓枠用換気扇10全体が矢印R方向に回動し、室内側に移動することができる。これにより、窓枠用換気扇10を窓枠110から取り外して、ガラス戸120を全閉し、既存の鍵で施錠することができる。
【0031】
このように本実施形態に係る窓枠用換気扇によれば、換気扇ユニット20の向きを変えるだけで、吸気と排気を切り替えることができる。図1に示すように、吸気用と排気用にそれぞれ窓枠用換気扇を設置すれば、室内の換気効率は向上する。この時、吸気用と排気用の位置を変更すれば、空気の流れを制御することもできる。
【0032】
また、窓枠110の高さ方向の寸法に応じて、スペーサボックス80を設置すれば、窓枠110と換気扇ユニット20の高さ方向の寸法が異なっていても、換気扇ユニット20及び制御ユニット70が設置されていない開口部を塞ぐことができる。また、換気扇ユニット20と制御ユニット70が別ユニットになっており、前後方向を変更して組み立てることができるため、常に操作ボタン76を室内側に向けることができ、取扱いが容易となる。
【0033】
さらに、非使用時には、室内側に収納することで、ガラス戸等を本来の位置まで閉じるようにできる、改めて鍵等を設置する必要が不要となる。
【0034】
次に、図9~11に基づいて、本発明の第2の実施形態について説明する。なお、これらの図において、図1~8と同一機能部分には同一符号を付し、その説明は省略する。
【0035】
図9においては、上述した取付ブラケット40の代わりに、取付ブラケット50を用いている。図10に示すように、取付ブラケット50は、窓枠110の縦部材111に嵌め合わされる断面コ字形の嵌合部材51と、この嵌合部材51に一体的に取り付けられた板状の被係止部52とを具備している。被係止部52には上述したスライド板44と同様に換気扇ユニット20の溝部24に差し込まれる線条突起29が設けられている。
【0036】
このような取付ブラケット50にあっては、嵌合部材51を縦部材111に嵌め込み、被係止部52の線条突起を換気扇ユニット20の溝部24に差し込む。このような取付ブラケット50によれば、上述した窓枠用換気扇10と同様の効果が得られると共に、取付ブラケット40のように縦部材111や壁部材100等にねじ止めする必要が無いことから、貸住居等に設置しやすくなる。
【0037】
次に、図12、13に基づいて、本発明の第3の実施形態について説明する。なお、これらの図において、図1~11と同一機能部分には同一符号を付し、その説明は省略する。
【0038】
図12に示すように、窓枠用換気扇10Aは、上下方向に換気扇ユニット20を2台有している。換気扇ユニット20同士は、下側の換気扇ユニット20の凸型スライド部26aを、上側の換気扇ユニット20の凹型スライド部25aにスライド結合することで、2台の換気扇ユニット20が一体化する。上述した窓枠用換気扇10と同様の効果が得られると共に、上側の換気扇ユニット20を吸気、下側の換気扇ユニット20を排気となるように設置すれば、窓枠用換気扇10Aを一ヵ所に設置するだけで、吸気と排気を実行できる。
【0039】
次に、図14、15に基づいて、本発明の第4の実施形態について説明する。なお、これらの図において、図1~13と同一機能部分には同一符号を付し、その説明は省略する。
【0040】
前述した換気扇ユニット20、制御ユニット70、スペーサボックス80については、スライド結合によって一体化していたが、図14、15に示すように、回転結合するようにしてもよい。具体的には、図15に示すように、換気扇ユニット20同士の連結を、上側の換気扇ユニット20の底面27に設けられた突起部27aを、下側の換気扇ユニット20の上面28に設けられた凹溝28aに挿入し、鉛直方向の軸回りに回動することで、一体化する。なお、上述したように各ユニット間の結合方法は独立しているため、スライド結合と回転結合を組み合わせても良い。上述した窓枠用換気扇10と同様の効果が得られる。
【0041】
次に、図16に基づいて、本発明の第5の実施形態について説明する。なお、これらの図において、図1~15と同一機能部分には同一符号を付し、その説明は省略する。
【0042】
図16に示すように、2台の換気扇ユニット20を用いる場合、スペーサボックス80を2台の換気扇ユニット20の間に組み込んでも良い。使用者の使用方法や換気状態によっては、2台の換気扇ユニット20同士を離間する方が良い場合もある。このように、互いの結合方式をスライド結合又は回転結合を統一して構成しておけば、換気扇ユニット20、制御ユニット70、スペーサボックス80の設置順序を任意に変更することができる。上述した窓枠用換気扇10と同様の効果が得られる。
【0043】
次に、図17に基づいて、本発明の第6の実施形態について説明する。なお、これらの図において、図1~16と同一機能部分には同一符号を付し、その説明は省略する。
【0044】
窓枠用換気扇10Bは、複数第、例えば3台の換気扇ユニット20を着脱自在に縦積みするための構造が設けられる。換気扇ユニット20同士は、前述したスライド結合又は回転結合により連結される。上述した窓枠用換気扇10と同様の効果が得られると共に、窓枠用換気扇10Bを一ヵ所に設置するだけで、吸気と排気を実行できる。
【0045】
次に、図18に基づいて、本発明の第7の実施形態について説明する。なお、これらの図において、図1~17と同一機能部分には同一符号を付し、その説明は省略する。
【0046】
窓枠用換気扇10Cは、上下方向に換気扇ユニット20を多数台有している。換気扇ユニット20同士は、前述したスライド結合又は回転結合により結合している。上述した窓枠用換気扇10と同様の効果が得られると共に、換気扇ユニット20が小型になり、また、必要に応じて吸気と排気とを交互に設置することで、吸気・排気を分散することができ、より柔らかな空気の流れを作ることができ、自然な換気を実現できる。
【0047】
上述したファンは、水平方向に回転軸を有するプロペラファンであるが、鉛直方向に回転軸を有するシャフトクロスファン又は他種のファンを用いてもよい。また、取付ブラケットを窓枠110に取り付けるようにしたが、壁部材100に取り付けるようにしても良い。さらに、取付ブラケットと換気扇ユニットの結合については、ベアリングやロック機構を付加してもよい。この他、左右開きのガラス戸について説明したが、上下開きのガラス戸についても、窓枠に取り付ける位置を窓枠の横部材又は横部材近傍の壁部材とすれば同様に使用することができる。
【0048】
なお、上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない区域で種々に変形することが可能である。また、各実施形態は適宜組み合わせて実施してもよく、その場合組み合わせた効果が得られる。更に、上記実施形態には種々の発明が含まれており、開示される複数の構成要件から選択された組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、課題が解決でき、効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【符号の説明】
【0049】
10、10A、10B、10C…窓枠用換気扇、20…換気扇ユニット、21…側板、22…吸気グリル板、23…吸気グリル板、24…溝部、25…底面、25a…凹型スライド部、26…上面、26a…凸型スライド部、27…底面、27a…突起部、28…上面、28a…凹溝、29…線条突起、30…ファンユニット、40…取付ブラケット、41…固定板金(固定部材)、42…回動板金(回動部材)、43…回動軸、44…スライド板、50…取付ブラケット、51…嵌合部材、52…被係止部、70…制御ユニット、71…側板、72…底面、72a…凹型スライド部、73…上面、73a…凸型スライド部、75…背面部、76…操作ボタン、80…スペーサボックス、81…側板、82…底面、82a…凹型スライド部、83…上面、83a…凸型スライド部、100…壁部材、101…開口部、110…窓枠、111…縦部材、112…横部材、120…ガラス戸。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
【手続補正書】
【提出日】2021-03-29
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
換気扇本体と、
前記換気扇本体を制御する制御ユニットと、
前記換気扇本体及び前記制御ユニットを窓枠の内側に設置するためのブラケットとを具備し、
前記制御ユニットの正面には前記換気扇本体の動作を手動操作するための操作ボタンが装備され、
前記換気扇本体は正面側から給気し背面側から排気する構成を有し、
前記換気扇本体は四角柱形状を有し、
前記制御ユニット上に前記換気扇本体を縦積みしたとき全体として単一の柱状形状を構成するように、前記制御ユニットはその底面が前記換気扇本体と同じ寸法で同じ形状の直方体形状又は立方体形状を有し、
前記制御ユニットの正面に対して前記換気扇本体の正面が同じ向きに揃う第1のレイアウトと、前記換気扇本体の正面に対して前記換気扇本体の正面が逆向きになる第2のレイアウトとのいずれのレイアウトでも前記制御ユニット上に前記換気扇本体を縦積み可能なように前記制御ユニットに対して前記換気扇本体を着脱するための構造が前記制御ユニットと前記換気扇本体とに設けられ、
前記第1のレイアウトと前記第2のレイアウトとのいずれのレイアウトでも前記ブラケットに対して前記換気扇本体を取り付けることができるように前記換気扇本体の左右側面それぞれに前記ブラケットに対する着脱構造が設けられる、窓枠用換気扇。
【請求項2】
前記ブラケットには、前記換気扇本体を前記制御ユニットとともに回動させて前記窓枠から取り外すための蝶番が備えられる、請求項1に記載の窓枠用換気扇。
【請求項3】
前記ブラケットは前記窓枠に嵌め合わされる断面コ字形状を有し、前記換気扇本体及び前記制御ユニットとともに前記窓枠から取り外される、請求項1に記載の窓枠用換気扇。
【請求項4】
前記換気扇本体の上面には他の換気扇本体を着脱自在に縦積みするための構造が設けられる、請求項1に記載の窓枠用換気扇。
【請求項5】
前記換気扇本体の上面に着脱自在に縦積みされ、前記換気扇本体の上面と前記窓枠との間の間隙を塞ぐためのスペーサボックスをさらに備える、請求項1に記載の窓枠用換気扇。
【請求項6】
換気扇本体と、
前記換気扇本体を制御する制御ユニットとを具備し、
前記制御ユニットの正面には前記換気扇本体の動作を手動操作するための操作ボタンが装備され、
前記換気扇本体は正面側から給気し背面側から排気する構成を有し、
前記換気扇本体は四角柱形状を有し、
前記制御ユニット上に前記換気扇本体を縦積みしたとき全体として単一の柱状形状を構成するように、前記制御ユニットはその底面が前記換気扇本体と同じ寸法で同じ形状の直方体形状又は立方体形状を有し、
前記制御ユニットの正面に対して前記換気扇本体の正面が同じ向きに揃う第1のレイアウトと、前記換気扇本体の正面に対して前記換気扇本体の正面が逆向きになる第2のレイアウトとのいずれのレイアウトでも前記制御ユニット上に前記換気扇本体を縦積み可能なように前記制御ユニットに対して前記換気扇本体を着脱するための構造が前記制御ユニットと前記換気扇本体とに設けられ、
前記第1のレイアウトと前記第2のレイアウトとのいずれのレイアウトでも前記ブラケットに対して前記換気扇本体を取り付けることができるように前記換気扇本体の左右側面それぞれに前記ブラケットに対する着脱構造が設けられる、換気扇。
【手続補正書】
【提出日】2021-05-12
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
本発明の実施形態に係る窓枠用換気扇は、換気扇本体と、前記換気扇本体を制御する制御ユニットと、前記換気扇本体及び前記制御ユニットを窓枠内側に設置するためのブラケットとを具備する。前記制御ユニットの正面には前記換気扇本体の動作を手動操作するための操作ボタンが装備される。前記換気扇本体は正面側から給気し背面側から排気する構成を有する。前記換気扇本体は四角柱形状を有する。前記制御ユニット上に前記換気扇本体を縦積みしたとき全体として単一の柱状形状を構成するように、前記制御ユニットはその底面が前記換気扇本体と同じ寸法で同じ形状の直方体形状又は立方体形状を有する。前記制御ユニットの正面に対して前記換気扇本体の正面が同じ向きに揃う第1のレイアウトと、前記制御ユニットの正面に対して前記換気扇本体の正面が逆向きになる第2のレイアウトとのいずれのレイアウトでも前記制御ユニット上に前記換気扇本体を縦積み可能なように前記制御ユニットに対して前記換気扇本体を着脱するための構造が前記制御ユニットと前記換気扇本体とに設けられる。前記第1のレイアウトと前記第2のレイアウトとのいずれのレイアウトでも前記ブラケットに対して前記換気扇本体を取り付けることができるように前記換気扇本体の左右側面それぞれに前記ブラケットに対する着脱構造が設けられる。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0013】
制御ユニット70の操作ボタン76が装備された正面に対して換気扇ユニット20の正面(吸気側)が同じ向きで揃う第1のレイアウトと、制御ユニット70の正面に対して換気扇ユニット20の正面が逆向きになる、換言すると制御ユニット70の正面と換気扇ユニット20の背面(排気側)が同じ向きになる第2のレイアウトとのいずれのレイアウトでも、制御ユニット70上に換気扇ユニット20を縦積み可能なように、制御ユニット70に対して換気扇ユニット20を着脱するための構造(後述の部材25a、73a)が制御ユニット70と換気扇20とに設けられる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
換気扇本体と、
前記換気扇本体を制御する制御ユニットと、
前記換気扇本体及び前記制御ユニットを窓枠の内側に設置するためのブラケットとを具備し、
前記制御ユニットの正面には前記換気扇本体の動作を手動操作するための操作ボタンが装備され、
前記換気扇本体は正面側から給気し背面側から排気する構成を有し、
前記換気扇本体は四角柱形状を有し、
前記制御ユニット上に前記換気扇本体を縦積みしたとき全体として単一の柱状形状を構成するように、前記制御ユニットはその底面が前記換気扇本体と同じ寸法で同じ形状の直方体形状又は立方体形状を有し、
前記制御ユニットの正面に対して前記換気扇本体の正面が同じ向きに揃う第1のレイアウトと、前記制御ユニットの正面に対して前記換気扇本体の正面が逆向きになる第2のレイアウトとのいずれのレイアウトでも前記制御ユニット上に前記換気扇本体を縦積み可能なように前記制御ユニットに対して前記換気扇本体を着脱するための構造が前記制御ユニットと前記換気扇本体とに設けられ、
前記第1のレイアウトと前記第2のレイアウトとのいずれのレイアウトでも前記ブラケットに対して前記換気扇本体を取り付けることができるように前記換気扇本体の左右側面それぞれに前記ブラケットに対する着脱構造が設けられる、窓枠用換気扇。
【請求項2】
前記ブラケットには、前記換気扇本体を前記制御ユニットとともに回動させて前記窓枠から取り外すための蝶番が備えられる、請求項1に記載の窓枠用換気扇。
【請求項3】
前記ブラケットは前記窓枠に嵌め合わされる断面コ字形状を有し、前記換気扇本体及び前記制御ユニットとともに前記窓枠から取り外される、請求項1に記載の窓枠用換気扇。
【請求項4】
前記換気扇本体の上面には他の換気扇本体を着脱自在に縦積みするための構造が設けられる、請求項1に記載の窓枠用換気扇。
【請求項5】
前記換気扇本体の上面に着脱自在に縦積みされ、前記換気扇本体の上面と前記窓枠との間の間隙を塞ぐためのスペーサボックスをさらに備える、請求項1に記載の窓枠用換気扇。
【請求項6】
換気扇本体と、
前記換気扇本体を制御する制御ユニットとを具備し、
前記制御ユニットの正面には前記換気扇本体の動作を手動操作するための操作ボタンが装備され、
前記換気扇本体は正面側から給気し背面側から排気する構成を有し、
前記換気扇本体は四角柱形状を有し、
前記制御ユニット上に前記換気扇本体を縦積みしたとき全体として単一の柱状形状を構成するように、前記制御ユニットはその底面が前記換気扇本体と同じ寸法で同じ形状の直方体形状又は立方体形状を有し、
前記制御ユニットの正面に対して前記換気扇本体の正面が同じ向きに揃う第1のレイアウトと、前記制御ユニットの正面に対して前記換気扇本体の正面が逆向きになる第2のレイアウトとのいずれのレイアウトでも前記制御ユニット上に前記換気扇本体を縦積み可能なように前記制御ユニットに対して前記換気扇本体を着脱するための構造が前記制御ユニットと前記換気扇本体とに設けられ、換気扇。