(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022063649
(43)【公開日】2022-04-22
(54)【発明の名称】物質の定量供給装置
(51)【国際特許分類】
B65G 65/48 20060101AFI20220415BHJP
【FI】
B65G65/48 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020172008
(22)【出願日】2020-10-12
(71)【出願人】
【識別番号】399049981
【氏名又は名称】株式会社オメガ
(72)【発明者】
【氏名】中村 信一
【テーマコード(参考)】
3F075
【Fターム(参考)】
3F075AA08
3F075BA01
3F075BB01
3F075CC03
3F075DA13
(57)【要約】
【課題】熱分解炭化装置、排水処理装置その他の各種装置に定量的に物質を供給することができる定量供給装置を提供しようとするもの。
【解決手段】物質を受け入れるようにした定量性を有する回転機構1を具備し、受け入れた物質を回転機構1の外部に定量的に排出するようにした。この物質の定量供給装置は、物質を受け入れるようにした定量性を有する回転機構を具備し、受け入れた物質を回転機構の外部に定量的に排出するようにしたので、該装置に受け入れた物質を定量性を有する回転機構を介して外部に定量的に排出して供給することが出来る。そして、物質を受け入れるために回転機構を用いたので、回転を制御することにより定量性を得ることができ、受け入れた物質を外部に定量的(や計量的)に排出することが出来る。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物質を受け入れるようにした定量性を有する回転機構(1)を具備し、受け入れた物質を回転機構(1)の外部に定量的に排出するようにしたことを特徴とする物質の定量供給装置。
【請求項2】
前記回転機構(1)の内部に圧力気体を吹き込むようにした請求項1記載の物質の定量供給装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、液体や固体などの物質の定量供給装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、廃プラスチック等の廃棄物の処理方法に関する提案があった(特許文献1)。
すなわち、従来、家庭や料理店、食品加工工場等で発生する生ごみ等の廃棄物は、集積場等に集められた後、燃料を用いて焼却するか、微生物を用いて腐敗分解させる方法により処理されていた。また、その他の廃棄物においては焼却処理をして廃棄処分していた。
しかしながら、前記焼却及び微生物による処理方法では、廃棄物を単に減量して、埋め立て処分等が行われるだけなので、大量に発生する廃棄物を資源として有効に活用できないという問題があった。さらに、焼却による処理方法では、塩化物・食塩成分等を含むプラスチック材が包装材として廃棄物中に含まれていることが多いために、廃棄物の焼却過程でダイオキシン等の有毒・有害物質が発生する恐れがあり、このための処理が別途必要である。また、微生物を用いて腐敗分解させる処理方法では、長時間の処理を要するので大量の生ごみを効率的に処理するのは困難であるという問題があった、というものである。
これに対し、熱分解炭化装置その他の各種装置に定量的に物質を供給することができる定量供給装置が必要であるという要望があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこでこの発明は、熱分解炭化装置、排水処理装置その他の各種装置に定量的に物質を供給することができる定量供給装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を解決するためこの発明では次のような技術的手段を講じている。
(1)この発明の物質の定量供給装置は、物質を受け入れるようにした定量性を有する回転機構を具備し、受け入れた物質を回転機構の外部に定量的に排出するようにしたことを特徴とする。
この物質の定量供給装置は、物質を受け入れるようにした定量性を有する回転機構を具備し、受け入れた物質を回転機構の外部に定量的に排出するようにしたので、該装置に受け入れた物質を定量性を有する回転機構を介して外部に定量的に排出して供給することが出来る。
そして、物質を受け入れるために回転機構を用いたので、回転を制御することにより定量性を得ることができ、受け入れた物質を外部に定量的(や計量的)に排出することが出来る。
前記物質として、液体(粘性を有する流動体等を含む)や固体(パウダー状のもの、粉状体、粒状体、塊状体などの集合体)を例示することが出来る。
前記液体として、具体的には、薬剤(次亜塩素酸ナトリウムなど)、pH調整剤(塩酸、硫酸、水酸化ナトリウムなど)、凝集剤(PAC、硫酸バンド、高分子凝集剤など)等を例示することが出来る。そして、この物質の定量供給装置を用い、次亜塩素酸ナトリウム、塩酸、硫酸、水酸化ナトリウム、PACなどの液体を、定量的(や計量的)に排水処理装置に供給(例えば注入、滴下)することが出来る。
前記固体として、具体的には、活性炭や、廃プラスチック(PE、PET、PP、PVC、ABS、ナイロン樹脂、ラップ包材)、各種樹脂成型材、廃材、廃竹、木材、衣類の生地、皮、壁紙材、廃食材(パン、コーヒー滓、お茶・ウーロン茶の搾りかすなど)などの粉状体、粒状体、塊状体、又はその炭化物を例示することが出来る。そして、この物質の定量供給装置を用い、粉状体、粒状体、塊状体、又はその炭化物を、定量的(や計量的)に熱分解炭化装置、又は炭化物発熱装置に供給(例えば、投入)することが出来る。
前記廃プラスチック等の粉状体、粒状体、塊状体は、元の廃プラスチックを破砕したり粉砕したり磨砕したりして得ることが出来る。前記炭化物は、廃プラスチック等の粉状体、粒状体、塊状体を、熱分解処理して得ることが出来る。
また、スポンジ状や綿状のウレタンフォーム、ポリオレフィンの発泡体(ペフ、断熱材等)、発泡スチロールなどを粉状体、粒状体、塊状体、又はそれを炭化物にしたものを例示することが出来る。
前記ウレタンフォーム等の粉状体、粒状体、塊状体は、元のウレタンフォームを破砕したり粉砕したり磨砕したりして得ることが出来る。前記炭化物は、ウレタンフォーム等の粉状体、粒状体、塊状体を、熱分解処理して得ることが出来る。
炭化物は、再生燃料(熱源)や再生活性炭として、また炭素素材からなる所定の構造体へと成型することにより有効利用することが出来る。
定量性(や計量性)を有する回転機構として、同じ容積の区画室や凹部・凹域を複数有する回転体を例示することが出来る。各区画室等は、液体が洩れない容器状にしたり、粉状体を収容する網状にしたり、粒状体や塊状体を収容する籠状にしたりすることが出来る。回転機構は、モータ駆動することが出来る。
回転機構へは、例えば重力による自然落下で物質(液体、固体)を受け入れることが出来る。
この物質の定量供給装置は、回転機構をモータで回転数制御することにより液体、固体などの物質の(精密)定量・軽量ポンプ(例えば、0cc~300 cc /rpm、1 cc~5,000 cc /rpm、1L~5L/rpmなど)として機能させることが出来る。
そして、この物質の定量供給装置による物質の供給先として、工場排水などの排水処理装置、廃プラスチックの破砕物・粉砕物・磨砕物などの熱分解炭化装置、熱エネルギーを得るための炭化物発熱装置などを例示することが出来る。
(2)前記回転機構の内部に圧力気体を吹き込むようにしてもよい。
このように、回転機構の内部に圧力気体を吹き込むようにすると、綿状の塊状体などのように軽くて排出しにくい物質を、気体流で区画室の網目から噴き出し、外部に排出して各種装置に供給することが出来る。
前記圧力気体として、コンプレッサー・エアー(圧縮空気)、ブロアー・エアーなどを例示することが出来る。
【発明の効果】
【0006】
この発明は上述のような構成であり、次の効果を有する。
該装置に受け入れた物質を定量性を有する回転機構を介して外部に定量的に排出して供給することができるので、熱分解炭化装置、排水処理装置その他の各種装置に定量的に物質を供給することができる定量供給装置を提供することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】この発明の物質の定量供給装置の実施形態の正面図とその要部を平面視した図。
【
図2】この発明の物質の定量供給装置の実施形態の側面図とその要部を平面視した図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、この発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1に示すように、この発明の実施形態の定量供給装置は、物質を受け入れるようにした定量性を有する回転機構1を具備し、受け入れた物質を回転機構1の外部(下方)に定量的、計量的に排出するようにした。
【0009】
前記物質として、液体、固体(パウダー状のもの、粉状体、粒状体、塊状体の集合体)を処理した。
前記液体として、薬剤(次亜塩素酸ナトリウム)、pH調整剤(塩酸、硫酸、水酸化ナトリウム)、凝集剤(PAC、硫酸バンド、高分子凝集剤)を処理した。そして、この物質の定量供給装置を用い、次亜塩素酸ナトリウム、塩酸、硫酸、水酸化ナトリウム、PACを、定量的、計量的に排水処理装置(図示せず)に供給(注入、滴下)した。
【0010】
また前記固体として、活性炭、廃プラスチック(PE、PET、PP、PVC、ABS、ナイロン樹脂、ラップ包材)、各種樹脂成型材、廃材、廃竹、木材、衣類の生地、皮、壁紙材、廃食材(パン)などの粉状体、粒状体、塊状体、これらの炭化物を処理した。そして、この物質の定量供給装置を用い、粉状体、粒状体、塊状体、又はその炭化物を、定量的、計量的に熱分解炭化装置(図示せず)、炭化物発熱装置に供給(投入)した。
前記廃プラスチック等の粉状体、粒状体、塊状体は、元の廃プラスチックを破砕し粉砕し磨砕して得た。前記炭化物は、廃プラスチック等の粉状体、粒状体、塊状体を、熱分解処理して得た。
【0011】
また、スポンジ状や綿状のウレタンフォーム、ポリオレフィンの発泡体(ペフ、断熱材等)、発泡スチロールを粉状体、粒状体、塊状体、またそれを炭化物にしたものを処理した。前記ウレタンフォーム等の粉状体、粒状体、塊状体は、元のウレタンフォームを破砕し粉砕し磨砕して得た。前記炭化物は、ウレタンフォーム等の粉状体、粒状体、塊状体を、熱分解処理して得た。
【0012】
そして炭化物は、再生燃料(熱源)や再生活性炭として、また炭素素材からなる所定の構造体へと成型することにより有効利用した。
定量性を有する回転機構1として、同じ容積の区画室2、凹部・凹域を複数有する回転体3を用いた。各区画室2は、液体が洩れない容器状、粉状体を収容する網状、粒状体や塊状体を収容する籠状にした。回転機構1はモータ駆動した。回転機構1のホッパー4へは、重力による自然落下で物質(液体、固体)を受け入れた。
前記回転機構1の内部に、圧力気体を吹き込むようにした。前記圧力気体として、コンプレッサー・エアー(圧縮空気)を用いた。そして、物質が下方側のみに排出されるように、回転体3の内部の上方側には断面半円状の邪魔板5を設けた。
そして、綿状の塊状体などのように軽くて排出しにくい物質を、気体流で区画室2の網状、籠状の網目から噴き出し外部(下方)に排出した。
【0013】
この物質の定量供給装置は、回転機構1をモータで回転数制御することにより液体、固体の物質の(精密)定量・軽量ポンプ(0 cc~300 cc /rpm、1 cc~5,000 cc /rpm、1L~5L/rpmなど)として機能させた。
そして、この物質の定量供給装置による物質の供給先を、排水処理装置、廃プラスチックの破砕物・粉砕物・磨砕物の熱分解炭化装置、熱エネルギーを得るための炭化物発熱装置とした(図示せず)。
【0014】
次に、この実施形態の物質の定量供給装置の使用状態を説明する。
この物質の定量供給装置は、上記のように構成し、物質を受け入れるようにした定量性を有する回転機構1を具備し、受け入れた物質を回転機構1の外部に定量的に排出するようにしたので、該装置に受け入れた物質を定量性を有する回転機構1を介して外部に定量的・軽量的に排出して供給することができ、熱分解炭化装置、排水処理装置等に定量的に物質を供給することが出来た。
また、物質を受け入れるために回転機構1を用いたので、回転を制御することにより定量性を得ることができ、受け入れた物質を外部(下方)に定量的、計量的に排出することが出来た。
【産業上の利用可能性】
【0015】
熱分解炭化装置、排水処理装置その他の各種装置に定量的に物質を供給することができることによって、種々の物質の定量供給装置の用途に適用することができる。
【符号の説明】
【0016】
1 回転機構