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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022063660
(43)【公開日】2022-04-22
(54)【発明の名称】除菌装置
(51)【国際特許分類】
   A61L 9/20 20060101AFI20220415BHJP
   F24F 7/003 20210101ALI20220415BHJP
   F24F 7/007 20060101ALI20220415BHJP
   F24F 13/10 20060101ALI20220415BHJP
【FI】
A61L9/20
F24F7/00 A
F24F7/007 Z
F24F7/007 B
F24F13/10 C
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020172021
(22)【出願日】2020-10-12
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-11-10
(71)【出願人】
【識別番号】592190280
【氏名又は名称】株式会社ビーイング
(74)【代理人】
【識別番号】100129997
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 米藏
(72)【発明者】
【氏名】熊谷 義一
(72)【発明者】
【氏名】二宮 俊二
【テーマコード(参考)】
3L056
3L081
4C180
【Fターム(参考)】
3L056BE05
3L081DA04
4C180AA02
4C180AA07
4C180DD03
4C180DD09
4C180HH05
4C180HH17
4C180HH19
4C180LL04
4C180LL06
4C180LL11
4C180LL15
(57)【要約】
【課題】除菌装置の大型化を招くことなく、空気の除菌を効率よく行いつつ、除菌された空気を比較的多量に供給する。
【解決手段】除菌装置1では、ダクト2の側壁2Aに仕切り板11Aを立てると共に、側壁2Bに仕切り板11Bを立て、各仕切り板11A、11Bをダクト2の空気の流れ方向に互い違いに並べることにより該ダクト2の内側に蛇行経路Dを形成する。更に、ダクト2の一端側に空気を蛇行経路Dへと流入させる吸気部3を設けると共に、ダクト2の他端側に蛇行経路Dを通じて流れて来た空気を排気する排気部4を設ける。ダクト2の端部に吸気側紫外線照射部5及び排気側紫外線照射部6を設けている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外気を吸入する吸気部と、
内部の空気を排出する排気部と、
前記吸気部が吸入した空気を前記排気部まで案内するダクトと、
前記ダクトと前記吸気部とを繋ぐ位置に形成された第1通気孔と、
前記ダクトと前記排気部とを繋ぐ位置に形成された第2通気孔とを備え、
前記ダクトの内部には、
対向する側壁の一方に、当該側壁に沿って延びるとともに、当該側壁に対向する他方の側壁側に向かって延び、当該他方の側壁からは間隔を有する、紫外線を透過する材質からなる仕切板が、一方向に互いに間隔を空けて複数並べて設けられ、
対向する前記側壁の他方に、当該他方の側壁に沿って延びるとともに、当該他方の側壁に対向する前記一方の側壁側に向かって延び、当該一方の側壁からは間隔を有する、紫外線を透過する材質からなる仕切板が、前記一方向に互いに間隔を空けて複数並べて設けられ、
前記一方の側壁に設けられた仕切り板と、前記他方の側壁に設けられた仕切り板とは、前記一方向において互い違いとなる位置に、他方側の仕切り板とは間隔をおいて並べられて、これら仕切板及び対向する前記一方及び他方の側壁の双方により蛇行経路が形成され、
更に、前記ダクト内における前記蛇行経路の前記吸気部側となる始点部分に設けられた吸気側紫外線照射部と、
前記ダクト内における前記蛇行経路の前記排気部側となる終点部分に設けられた排気側紫外線照射部と、を備える除菌装置。
【請求項2】
前記吸気部に形成された吸気口から前記吸気部内に空気を吸い込んで前記蛇行経路に向かう空気の流れを発生させるファンが前記吸気部に設けられ、
前記排気部に形成された排気口の上方となる前記排気部の一部に、前記一方向としての鉛直方向において上部が取り付けられ、下部が自重により垂下して該排気口を閉じ、前記ファンが前記蛇行経路を通じて発生させる前記排気口における空気圧により前記排気部の外側に押されて前記排気口を開くフラッパーが更に設けられた請求項1に記載の除菌装置。
【請求項3】
前記排気部に形成された排気口から前記排気部内の空気を前記排気部外に排出する空気の流れを発生させるファンが前記排気部に設けられ、
前記吸気部に形成された吸気口の上方となる前記吸気部の一部に、前記一方向としての鉛直方向において上部が当該吸気口上部に取り付けられ、下部が自重により垂下して該吸気口を閉じ、前記ファンが前記蛇行経路を通じて発生させる前記吸気口における空気圧により前記吸気部の内部側に押されて前記吸気口を開くフラッパーが設けられた請求項1に記載の除菌装置。
【請求項4】
前記ファンを駆動制御する制御部を更に備え、
前記制御部は、前記ファンの回転駆動及び停止を繰り返して前記ファンを間欠的に駆動する請求項2又は請求項3に記載の除菌装置。
【請求項5】
前記ファンが回転駆動されているときに前記吸気部内に取り込まれた空気が前記吸気側紫外線照射部の配設位置を通過した時から、前記蛇行経路を通過して前記排気側紫外線照射部の配設位置を通過する時までの時間をT1としたとき、前記制御部は、前記ファンを回転駆動させる時間T2を前記時間T1と同一にして、前記ファンを間欠的に駆動する請求項4に記載の除菌装置。
【請求項6】
前記ダクトの側壁は、紫外線を反射する材質からなる請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の除菌装置。
【請求項7】
前記蛇行経路内に、更なる紫外線照射部を設けた請求項1乃至請求項6のいずれか1つに記載の除菌装置。
【請求項8】
外気を吸入する吸気部と、
一方向に延び、前記吸気部が吸入した空気を案内するダクトと、
前記ダクトと前記吸気部とを繋ぐ位置に形成された第1通気孔と、
前記吸気部側とは異なる前記ダクトの端部に形成され、前記案内された空気を排出する排出口と、
前記ダクトの内部に設けられ、前記一方向に延びる棒状の紫外線照射部と、
前記紫外線照射部の周りを旋回する螺旋状とされた平面からなる螺旋状仕切り板であって、前記吸気部から前記第1通気孔を通じて流れ込む空気を、前記紫外線照射部の周りを旋回させて前記排出口まで案内する、紫外線を透過する材質からなる螺旋状経路と、を備える除菌装置。
【請求項9】
前記螺旋状仕切り板は、前記紫外線照射部を回転中心として回転可能に設けられ、
前記吸気部内に空気を吸い込み、前記螺旋状経路に向かう空気の流れを発生させるファンと、
前記螺旋状仕切り板を回転させる回転駆動部と、
前記ファン及び前記回転駆動部を制御する制御部と、を備えた請求項8に記載の除菌装置。
【請求項10】
前記制御部は、前記ファンの回転速度を制御すると共に、前記回転駆動部を制御して前記螺旋状仕切り板の回転速度及び回転方向を変更する請求項9に記載の除菌装置。
【請求項11】
前記ダクトの側壁は、紫外線を反射する材質からなる請求項8乃至請求項10のいずれかに記載の除菌装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紫外線照射部により発生される紫外線を用いて、空気の除菌を行う除菌装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の除菌装置としては、空気をダクトに流しつつ、紫外線ランプなどの紫外線照射部からダクト内の空気に対して紫外線を照射して、空気の除菌を行うものがある。
【0003】
例えば、特許文献1に記載の空気清浄機では、ケース本体の上面部に排気口を設けると共に、その底面部に吸気口を設け、またケース本体の内部中央に紫外線を発光するLEDを設けて、LEDの周囲に光触媒フィルタカートリッジを配置し、空気を吸気口からケース本体内部に流入させ、空気をLEDの位置から光触媒フィルタカートリッジを通過させて排気口へと流して排気し、空気の除菌、脱臭などを行っている。
【0004】
また、特許文献2に記載の紫外線照射空気殺菌装置では、ダクトの内部中心に紫外線ランプを設け、ダクトの内部に第1組の導風板、第2組の導風板、及び仕切り板を設けて、空気を紫外線ランプの周りで移動させて、空気の殺菌を行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006-026239号公報
【特許文献2】特開2016-032620号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記のような除菌装置では、除菌された多量の空気を効率よく供給することが求められる。例えば、空気に紫外線を照射する経路を長くし、空気に紫外線を照射する時間を長く取れば、空気の除菌を効果的に行いつつ空気を効率的に供給することができるが、空気に紫外線を照射する経路を長くしつつも、紫外線照射装置を多く配置することなく、除菌装置の大型化も招かないことが求められる。
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載の空気清浄機では、空気がLEDから光触媒フィルタカートリッジを介して排気口へと流れる経路が長くなく、またその経路を長くするための工夫もなく、LED及び光触媒フィルタカートリッジがその流れる空気に作用する時間が比較的短い。このため、除菌された多量の空気を供給し難い。
【0008】
また、特許文献2に記載の紫外線照射空気殺菌装置では、上記紫外線ランプの周りに設けられた上記導風板及び仕切り板による空気の案内では、空気を円滑に移動させることができない。また、1つの紫外線ランプの長さ方向に、当該紫外線ランプの周囲を回りながら空気を移動させる構成では、紫外線照射により殺菌できる空気の量は比較的少量である。
【0009】
本発明は、上記の事情に鑑みなされたものであり、除菌装置の大型化を招くことなく、空気の除菌を効率よく行いつつ、除菌された空気を比較的多量に供給することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一局面に係る発明としての除菌装置は、外気を吸入する吸気部と、内部の空気を排出する排気部と、前記吸気部が吸入した空気を前記排気部まで案内するダクトと、前記ダクトと前記吸気部とを繋ぐ位置に形成された第1通気孔と、前記ダクトと前記排気部とを繋ぐ位置に形成された第2通気孔とを備え、前記ダクトの内部には、対向する側壁の一方に、当該側壁に沿って延びるとともに、当該側壁に対向する他方の側壁側に向かって延び、当該他方の側壁からは間隔を有する、紫外線を透過する材質からなる仕切板が、一方向に互いに間隔を空けて複数並べて設けられ、対向する前記側壁の他方に、当該他方の側壁に沿って延びるとともに、当該他方の側壁に対向する前記一方の側壁側に向かって延び、当該一方の側壁からは間隔を有する、紫外線を透過する材質からなる仕切板が、前記一方向に互いに間隔を空けて複数並べて設けられ、前記一方の側壁に設けられた仕切り板と、前記他方の側壁に設けられた仕切り板とは、前記一方向において互い違いとなる位置に、他方側の仕切り板とは間隔をおいて並べられて、これら仕切板及び対向する前記一方及び他方の側壁の双方により蛇行経路が形成され、更に、前記ダクト内における前記蛇行経路の前記吸気部側となる始点部分に設けられた吸気側紫外線照射部と、前記ダクト内における前記蛇行経路の前記排気部側となる終点部分に設けられた排気側紫外線照射部と、を備えるものである。
【0011】
本発明の更なる一局面に係る発明としての除菌装置は、外気を吸入する吸気部と、一方向に延び、前記吸気部が吸入した空気を案内するダクトと、前記ダクトと前記吸気部とを繋ぐ位置に形成された第1通気孔と、前記吸気部側とは異なる前記ダクトの端部に形成され、前記案内された空気を排出する排出口と、前記ダクトの内部に設けられ、前記一方向に延びる棒状の紫外線照射部と、前記紫外線照射部の周りを旋回する螺旋状とされた平面からなる螺旋状仕切り板であって、前記吸気部から前記第1通気孔を通じて流れ込む空気を、前記紫外線照射部の周りを旋回させて前記排出口まで案内する、紫外線を透過する材質からなる螺旋状経路と、を備えるものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、除菌装置の大型化を招くことなく、空気の除菌を効率よく行いつつ、除菌された空気を比較的多量に供給することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の第1実施形態に係る除菌装置を示す斜視図である。
図2】本発明の第1実施形態に係る除菌装置を示す縦断面図であり、ダクトに空気が流れている状態を示している。
図3】本発明の第1実施形態に係る除菌装置を示す縦断面図であり、ダクトの空気が停滞している状態を示している。
図4】本発明の第1実施形態に係る除菌装置を制御する制御系を示すブロック図である。
図5】本発明の第1実施形態に係る除菌装置を示す縦断面図であり、フラッパーの開閉動作を示している。
図6】本発明の第1実施形態に係る除菌装置の変形例を示す縦断面図である。
図7】本発明の第1実施形態に係る除菌装置の別の変形例を示す縦断面図である。
図8】本発明の第2実施形態に係る除菌装置を示す斜視図である。
図9】本発明の第2実施形態に係る除菌装置を示す縦断面図であり、ダクトに空気が流れている状態を示している。
図10】本発明の第2実施形態に係る除菌装置の変形例を示す縦断面図である。
図11】本発明の第2実施形態に係る除菌装置の変形例を制御する制御系を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。
【0015】
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態に係る除菌装置を示す斜視図である。また、図2は、第1発明の一実施形態の除菌装置を示す縦断面図である。図3は、本発明の第1実施形態に係る除菌装置を示す縦断面図であり、ダクトの空気が停滞している状態を示す。
【0016】
図1及び図2に示すように本発明の第1実施形態に係る除菌装置1は、ダクト2と、吸気部3と、排気部4と、吸気側紫外線ランプ5と、排気側紫外線ランプ6とを備えている。なお、除菌装置1は、少なくとも紫外線による空気除菌のための機構を備えていればよい。本実施形態では、除菌装置1が、集塵用のフィルターを備える形態を説明する。
【0017】
ダクト2は、角柱状の外形を有する中空筐体からなる。ダクト2は、側壁2A,2B,2C,2Dと、上面2Eと、下面2Fとを有している。ダクト2の側壁2Aは、図1においてはダクト2の左側面部をなす。側壁2Bは、図1においてはダクト2の右側面部をなす。側壁2Cは、図1においてはダクト2の前面部をなす。側壁2Dは、図1においてはダクト2の後面部をなす。
【0018】
ダクト2の材質は、特に限定されないが、除菌装置1の周辺に対する紫外線の影響を抑えるために吸気側紫外線ランプ5及び排気側紫外線ランプ6から放射された紫外線を遮断する材質、例えば、ガラス、不透明な合成樹脂、又は金属からなるものが好ましい。本実施形態では、ダクト2の材質が金属であるものとして説明する。なお、図1では、内部構成の明瞭化のために、ダクト2の側壁2A,2B,2C,2Dを透明に図示している。
【0019】
ダクト2の下部には吸気部3が設けられ、ダクト2の上部には排気部4が設けられている。
【0020】
また、ダクト2の内部において、側壁2Aには、板状の仕切り板11Aが複数取り付けられている。仕切り板11Aは、側壁2Aにおいて鉛直方向(図1のY方向)に一定間隔おきに設けられている。仕切り板11Aは、図1でX方向における一方の側端部が側壁2Aに取り付けられ、側壁2Aに沿って図1でZ方向に延び、側壁2Aの幅と同じ長さで設けられている。更に、仕切り板11Aは、図1ではX方向において、側壁2Aから、対向する側壁2Bに向かって延びるが、仕切り板11Aの側壁2B側の側端部は、側壁2Bからは一定間隔を空けて設けられている。
【0021】
同様に、ダクト2の内部において、側壁2Bには、板状の仕切り板11Bが複数取り付けられている。仕切り板11Bは、側壁2Bにおいて鉛直方向に一定間隔おきに設けられている。仕切り板11Bは、図1でX方向における一方の側端部が側壁2Bに取り付けられ、側壁2Bに沿って図1ではZ方向に延び、側壁2Bの幅と同じ長さで設けられている。更に、仕切り板11Bは、図1ではX方向において、側壁2Bから、対向する側壁2Aに向かって延びるが、仕切り板11Bの側壁2A側の側端部は、側壁2Aからは一定間隔を空けて設けられている。
【0022】
更に、側壁2A側の各仕切り板11Aと側壁2B側の各仕切り板11Bは、鉛直方向において互い違いとなる位置に、他方の仕切り板とは間隔をおいて並べられている。これにより、ダクト2の下部の吸気部3側から、ダクト2の上部の排気部4に向かう空気は、仕切り板11Aと側壁2Bとの間をY方向に通ってその後は仕切り板11Aに沿ってX方向に進み、更に、仕切り板11Bと側壁2Aとの間をY方向に通ってその後は仕切り板11Bに沿ってX方向に進む、という移動を繰り返すことで、排気部4側に到達する。すなわち、ダクト2内には、空気をX方向にうねらせつつY方向に移動させる蛇行経路Dが形成されている。
【0023】
なお、仕切り板11Aは、鉛直方向に一定間隔おきに設けられるものとしているが、鉛直方向以外の一方向に一定間隔おきに設けてもよく、また、一定間隔に限らず、鉛直方向又は鉛直方向以外の一方向に他の仕切り板11Aとは間隔を空けて設けられるものとしてもよい。また、仕切り板11Bについても、鉛直方向に一定間隔おきに設けられるものとしているが、鉛直方向以外の一方向に一定間隔おきに設けてもよく、また、一定間隔に限らず、鉛直方向又は鉛直方向以外の一方向に他の仕切り板11Bとは間隔を空けて設けられるものとしてもよい。
【0024】
ダクト2の内部において、下面2Fには、吸気部3に通じる開口である通気孔12Aが形成されている。そして、通気孔12Aの上方となる位置には、吸気側紫外線ランプ(吸気側紫外線照射部)5が設けられている。吸気側紫外線ランプ5は、例えば、UV-C 波長280nm以下のものが用いられ、より好ましくは、波長260nm付近で用いられる。吸気側紫外線ランプ5は、その一端が側壁2Cに取り付けられ、他端が側壁2Dに取り付けられている。すなわち、吸気側紫外線ランプ5は、蛇行経路Dの下端(始点)に配置されている。吸気側紫外線ランプ5は、ダクト2又は吸気部3のいずれに設けられてもよいが、本実施形態では、ダクト2に設けられているとして説明する。
【0025】
更に、ダクト2の内部において、上面2Eには、排気部4に通じる開口である通気孔15が形成されている。そして、通気孔15の下方となる位置には、排気側紫外線ランプ(排気側紫外線照射部)6が設けられている。排気側紫外線ランプ6は、例えば、UV-C 波長280nm以下のものが用いられ、より好ましくは、波長260nm付近で用いられる。排気側紫外線ランプ6は、その一端が側壁2Cに取り付けられ、他端が側壁2Dに取り付けられている。すなわち、排気側紫外線ランプ6は、蛇行経路Dの上端(終点)に配置されている。なお、排気側紫外線ランプ6は、通気孔15の付近であれば、排気部4側に設けられていてもよい。
【0026】
各仕切り板11A,11Bは、吸気側紫外線ランプ5及び排気側紫外線ランプ6から放射された紫外線を透過する材質のものからなる。例えば、各仕切り板11A、11Bは、紫外線を透過するポリプロピレンあるいは石英からなる板である。ポリプロピレンの紫外線透過率は70%程度、石英の紫外線透過率はポリプロピレンの紫外線透過率以上である。本実施形態では、仕切り板11A、11Bを、ポリプロピレンとして説明する。
【0027】
吸気部3は、ダクト2の下端に接続された角柱状の外形を有する中空筐体であり、ダクト2と同一の幅及び奥行きを有する。吸気部3とダクト2は通気孔12Aを通じて接続されている。
【0028】
吸気部3の側壁3Aには矩形状の吸気口3Bが形成されている。吸気口3Bには、当該吸気口3Bを覆うフィルター13が設けられている。フィルター13は、吸気口3Bを通過する空気に含まれる粉塵などを集塵する。フィルター13は、例えば、既知のスポンジ状の合成樹脂シート、不織布、通気性を有する紙製シートなどからなる。本実施形態では、フィルター13を、不織布として説明する。
【0029】
更に、吸気部3の内部には吸気ファン14が設けられている。吸気ファン14は、吸気口3Bのフィルター13に対峙する位置に配設されている。すなわち、吸気ファン14は、吸気口3Bから、フィルター13を介して、外気を吸気部3の内部に引き込む。
【0030】
排気部4は、ダクト2の上端に接続された角柱状の外形を有する中空筐体であり、ダクト2よりも狭い幅及びダクト2と同一の奥行きを有する。排気部4とダクト2は通気孔15を通じて接続されている。
【0031】
排気部4の側壁4Aには、排気部4の内部と外部を貫通させる矩形状の排気口4Bが形成されている。排気口4Bにはフラッパー16が設けられている。フラッパー16は、排気口4Bよりも大きなサイズの矩形状であり、フラッパー16は、その上辺(上部)のみが排気部4の側壁4Aに取り付けられる。フラッパー16は、当該上辺を中心に揺動可能に、排気部4の側壁4Aに取り付けられている。
【0032】
フラッパー16は、図3に示すように、排気口4Bから空気が排気されていないときには、その自重により垂れ下がって排気口4Bを覆って閉じる。また、排気口4Bから空気が排気されているときには、図2に示すように、フラッパー16が、その空気の圧力により排気部4の外側に押し上げられて排気口4Bを開く。すなわち、フラッパー16は、吸気ファン14が蛇行経路Dを通じて発生させる排気口4Bにおける空気圧により排気部4の外側に押されて排気口4Bを開く。
【0033】
図4は、除菌装置1の制御系を示すブロック図である。除菌装置1は、制御部21を備える。制御部21は、CPU、RAM(Random Access Memory)及びROM(Read Only Memory)等から構成される。制御部21は、CPUがROM等に記憶されたプログラムに従って、除菌装置1の各動作機構を制御する。制御部21は、例えば吸気部3内に配置される。制御部21は、吸気ファン14、吸気側紫外線ランプ5、及び排気側紫外線ランプ6に接続されている。制御部21は、吸気ファン14の回転、停止、及び吸気ファン14の回転時の回転速度を制御する。また、制御部21は、吸気側紫外線ランプ5及び排気側紫外線ランプ6を点灯及び消灯させる。
【0034】
制御部21は、除菌装置1の運転時には、第1の動作として、吸気側紫外線ランプ5及び排気側紫外線ランプ6を点灯させて、吸気ファン14を連続的に回転させる。吸気ファン14は、外部の空気を、吸気口3Bのフィルター13を通じて吸気部3の内側へと吸い込む。吸い込まれた空気は、吸気部3から通気孔12Aを通じてダクト2の蛇行経路Dへと流れ、蛇行経路Dを通って移動し、通気孔15を通じて排気部4へと流れ込む。更に、排気部4に流れ込んだ空気は、排気部4の排気口4Bのフラッパー16を押し上げて、排気口4Bを開き、排気口4Bから外部に出る。従って、空気は、吸気部3の吸気口3Bから吸気されて、除菌装置1内に入り、蛇行経路Dを通じてダクト2の内部を概ね下から上へと流れ、排気部4の排気口4Bから排気される。
【0035】
このとき、吸気側紫外線ランプ5から放射された紫外線が、吸気部3から通気孔12Aを通じてダクト2の蛇行経路Dの下端(始点)へと流れ込む空気に対して直接照射されて、空気の除菌が行われる。また、排気側紫外線ランプ6から放射された紫外線が、ダクト2の蛇行経路Dの上端から通気孔15を通じて排気部4へと流れ込む空気に対して直接照射されて、空気の除菌が行われる。
【0036】
更に、吸気側紫外線ランプ5及び排気側紫外線ランプ6から放射された紫外線は、該紫外線を透過する各仕切り板11A、11Bを通過して、蛇行経路Dを流れている空気に照射される。吸気側紫外線ランプ5及び排気側紫外線ランプ6から放射された紫外線は、吸気側紫外線ランプ5及び排気側紫外線ランプ6の周辺の空気、すなわち、通気孔12A及び通気孔15付近の空気だけでなく、通気孔12Aを通過して通気孔15に向かって蛇行経路Dを移動中の空気に対しても照射される。これにより、ダクト2内に蛇行経路Dが設けられておらず通気孔12Aから通気孔15に真っ直ぐに向かう空気に対して吸気側紫外線ランプ5及び排気側紫外線ランプ6により紫外線を照射する場合よりも、ダクト2内に存在する空気に対して紫外線を照射する時間が、空気が蛇行経路Dを移動するために要する時間の分だけ長くなる。このため、ダクト2内の空気の除菌の効果をより高めることができる。一般的に、空気に対する紫外線照射量を多くしようとすると、紫外線ランプを多く配置して、紫外線照射領域を長く採る必要がある。これに対して、本実施形態では、蛇行経路Dを採用しているため、紫外線照射領域を長く採っていても除菌装置1の大型化を回避できる。また、蛇行経路Dを吸気側紫外線ランプ5及び排気側紫外線ランプ6により挟み込む構成を採るため、多く紫外線ランプを配設しなくても、効率よく空気に対して紫外線を照射することができる。
【0037】
また、図1に示すように、ダクト2の蛇行経路Dは、吸気側紫外線ランプ5及び排気側紫外線ランプ6の延びる方向(Z方向)に亘って形成され、空気は、蛇行経路Dを移動中である限り、吸気側紫外線ランプ5及び排気側紫外線ランプ6による紫外線照射を受ける。このため、例えば、1つの紫外線ランプの長さ方向に、当該紫外線ランプの周囲を回りながら空気を移動させる構成を取る場合よりも、紫外線照射により除菌できる空気の量は比較的多量となる。
【0038】
また、制御部21の制御による第2の動作として、除菌装置1の運転時には、吸気側紫外線ランプ5及び排気側紫外線ランプ6を点灯させるが、第1の動作のような吸気ファン14を連続的に回転させることに代えて、第2の動作として吸気ファン14の停止と回転駆動を交互に繰り返すようにしてもよい。すなわち、制御部21は、吸気側紫外線ランプ5及び排気側紫外線ランプ6の点灯を継続させつつ、吸気ファン14を間欠的に回転させる制御を行う。
【0039】
この第2の動作において、制御部21が吸気ファン14を停止させたときには、排気部4内部の空気には吸気ファン14による空気流が発生していないので、図3に示すようにフラッパー16が自重で垂下して排気部4の排気口4Bを閉じる。このため、除菌装置1内の空気が排気口4Bから自然に漏れ出すことが防止され、吸気部3、蛇行経路D、及び排気部4の空気が除菌装置1内で停滞する。このときも吸気側紫外線ランプ5及び排気側紫外線ランプ6の点灯により紫外線の照射は行われているので、除菌装置1内で空気が紫外線に照射される時間を更に長くでき、空気の除菌を更に確実に行うことができる。そして、吸気ファン14の停止後、制御部21が吸気ファン14の回転を開始させると、空気が吸気部3の吸気口3Bから流入して蛇行経路Dを通じて流れ、空気が排気部4に流れ込むため、この空気の流れにより、図5に示すようにフラッパー16が空気圧で開かれ、除菌された空気が排気部4の排気口4Bから排気される。
【0040】
更には、第2の動作において、制御部21は、除菌装置1内に取り込まれた空気がダクト2内の吸気側紫外線ランプ5の配設位置を通過する時から、蛇行経路Dを通過して排気側紫外線ランプ6の配設位置を通過する時までの時間をT1としたとき、吸気ファン14の間欠運転時における吸気ファン14の回転駆動時間T2を時間T1と同一にするようにしてもよい。この場合、吸気ファン14の回転駆動の再開時には、吸気ファン14の停止時に蛇行経路D内で吸気側紫外線ランプ5及び排気側紫外線ランプ6により十分に除菌された空気を的確に排出すると共に、新しく除菌装置1内に取り込まれて、蛇行経路D内で吸気側紫外線ランプ5及び排気側紫外線ランプ6により未だ十分に除菌されていない空気は除菌装置1内に留めることができる。
【0041】
そして更に、制御部21は、吸気ファン14の間欠運転を行う上記第2の動作において、吸気ファン14の回転駆動時の通常の回転速度S1を、回転速度S1よりも遅い回転速度S2(S2<S1)とすることで、回転速度S1のときよりも、蛇行経路D内で吸気側紫外線ランプ5及び排気側紫外線ランプ6により除菌される時間を長くすることができる。また、制御部21は、このように吸気側紫外線ランプ5及び排気側紫外線ランプ6による除菌時間が長くなった分だけ、吸気ファン14の停止時間を、通常の停止時間T3よりも短くした停止時間T4とする制御を行ってもよい。この場合、吸気ファン14の回転速度S1で吸気ファン14の停止時間T3とした通常の間欠運転で得られる除菌力と同等の効果を確保しつつ、除菌された空気を通常の間欠運転時よりも緩やかに排出することができる。
【0042】
なお、更なる実施形態として、ダクト2(蛇行経路D)の下端及び上端に吸気側紫外線ランプ5及び排気側紫外線ランプ6を配置するだけではなく、図6に示すように、蛇行経路Dの途中に1つ又は複数の更なる紫外線ランプ22を設けてもよい。これにより、蛇行経路Dを流れる空気に対する紫外線の照射量を増大させて、空気の除菌をより速やかに行うことが可能となる。
【0043】
また、ダクト2の側壁2A,2B,2C,2D、上面2E、及び下面2Fの内壁面を、紫外線を反射する材質で形成してもよい。例えば、ダクト2の内壁面にアルミニウム等の金属によりメッキ処理を施して、紫外線を反射する金属層を形成する、或いは、ダクト2の内壁面に白色塗装を施す。これらの場合は、紫外線がダクト2の内壁面で繰り返し反射されて、蛇行経路Dの隅々に紫外線が行き渡るので、蛇行経路Dを移動する空気の除菌を更に効果的に行うことができる。
【0044】
また、更なる実施形態として、(1)吸気部3の吸気口3Bにフィルター13及び吸気ファン14を設けることと、(2)排気部4の排気口4Bにフラッパー16を設けることの(1)及び(2)に代えて、図7に示すように、排気部4に、排気口4Bにフィルター23と、フィルター23を通じて空気を排気する排気ファン24とを設け、吸気部3の吸気口3Bに、吸気口3Bを開閉させるフラッパー25を設け、制御部21が排気ファン24の回転、回転時の回転速度、及び停止を制御するようにしてもよい。フラッパー25は、吸気口3Bよりも大きなサイズの矩形状とされ、フラッパー25の上辺のみが吸気部3の内壁に取り付けられる。フラッパー25は、フラッパー25の上辺を中心に揺動可能に側壁3Aの内壁側に支持される。なお、当該更なる実施形態では、制御部21は、排気部4内に設けられていることが好ましい。
【0045】
この場合、制御部21が、上述の第2の動作の場合と同様に、排気ファン24の間欠運転を行い、排気ファン24を停止させると、吸気口3Bから除菌装置1内への空気の流れ込みが止まり、フラッパー25が自重で垂下して吸気部3の吸気口3Bを閉じる。これにより、除菌装置1外の空気が吸気口3Bから除菌装置1内に自然に入り込むことを防止でき、除菌装置1内で空気は吸気部3、蛇行経路D、及び排気部4において停滞する。これにより、除菌装置1内において空気に対する紫外線の照射時間を更に長くすることができ、空気の除菌を更に確実に行うことができる。そして、排気ファン24の停止後、制御部21が排気ファン24の回転を再度開始させると、フラッパー25が、排気口4Bから除菌装置1外に流出しようとする空気により吸気部3内に発生する負圧で開かれると共に、除菌装置1外の空気が吸気口3Bから流入して蛇行経路Dを通じて流れ、更に空気が排気部4の排気口4Bから排気され、これにより、除菌された空気が排気部4の排気口4Bから排気される。
【0046】
<第2実施形態>
本発明の第2実施形態に係る除菌装置を説明する。図8は、本発明の第2実施形態に係る除菌装置を示す斜視図である。図9は、本発明の第2実施形態に係る除菌装置を示す縦断面図である。
【0047】
図8及び図9に示すように、第2実施形態に係る除菌装置31は、ダクト32と、吸気部33と、棒状の紫外線ランプ34とを備えている。
【0048】
ダクト32は、円筒状の中空筐体である。ダクト32の径方向における中央には、紫外線ランプ34が設けられている。紫外線ランプ34は、その下端部が吸気部33の内底部に固定されている。紫外線ランプ34の周りには、螺旋状の滑らかな曲面からなる螺旋状仕切り板35が設けられている。螺旋状仕切り板35の紫外線ランプ34と反対側の端部は、ダクト32の内壁に固定されている。また、螺旋状仕切り板35の紫外線ランプ34側の端部は、(1)紫外線ランプ34に接触しない程度に僅かに紫外線ランプ34からは離れた位置まで、又は(2)紫外線ランプ34に接触する位置まで、紫外線ランプ34側に延びている。ダクト32の内壁と、紫外線ランプ34の周囲を旋回して鉛直方向(図8のY方向)に延びる螺旋状仕切り板35とが、ダクト32内で空気を案内する螺旋状経路Rを形成している。
【0049】
また、(3)紫外線ランプ34と同一方向に延びて紫外線を透過する材質からなる筒状部材の中に紫外線ランプ34を配置し(すなわち、紫外線ランプ34の外周を当該筒状部材で覆い)、当該筒状部材に、螺旋状仕切り板35の紫外線ランプ34側の端部を密着させるようにして、螺旋状仕切り板35を設けるようにしてもよい。この場合は、上記(1)の場合よりも、螺旋状仕切り板35の内側での空気の漏れをなくして、空気が螺旋経路Rを流れるようにすることができる。
【0050】
螺旋状仕切り板35は、紫外線ランプ34から放射される紫外線を透過する材質のものからなる。螺旋状仕切り板35は、例えば、紫外線を透過するポリプロピレンあるいは石英からなる板である。本実施形態では、螺旋状仕切り板35は、ポリプロピレンとして説明する。
【0051】
また、ダクト32の材質は、特に限定されないが、ダクト32の周囲に対する紫外線の影響を抑えるために紫外線を遮断する材質、例えば、ガラス、不透明な合成樹脂、又は金属からなるものが好ましい。本実施形態では、ダクト32は、金属として説明する。
【0052】
吸気部33は、ダクト2の下端に接続された角柱状の外形を有する中空筐体である。吸気部33とダクト32は通気孔42を通じて接続されている。
【0053】
吸気部33の側壁33Aには例えば矩形状の吸気口33Bが形成されている。吸気口33Bには、当該吸気口33Bを覆うフィルター43が設けられている。フィルター43は、吸気口33Bを通過する空気に含まれる粉塵などを集塵する。フィルター43は、例えば、既知のスポンジ状の合成樹脂シート、不織布、通気性を有する紙製シートなどからなる。本実施形態では、フィルター43は、不織布として説明する。
【0054】
更に、吸気部33の内部には吸気ファン44が設けられている。吸気ファン44は、吸気口33Bのフィルター43に対峙する位置に配設されている。すなわち、吸気ファン44は、吸気口33Bから、フィルター43を介して、外気を吸気部33の内部に引き込む。
【0055】
そして、除菌装置31では、制御部21(図11)による制御で、紫外線ランプ34が点灯し、吸気ファン44が回転する。これにより、吸気部33から通気孔42を通じてダクト32に引き込まれた空気は、ダクト32の螺旋状経路Rへと流れ、螺旋状経路Rを通って、ダクト32の上側の開口端である排出口32Aから排気される。
【0056】
このとき、ダクト32の螺旋状経路Rの中心にある紫外線ランプ34から放射された紫外線が、螺旋状経路Rを流れる空気に対して直接照射されて、空気の除菌が継続的に行われる。
【0057】
また、紫外線ランプ34から放射された紫外線は、螺旋状仕切り板35を透過しても、螺旋状経路Rを流れる空気に照射されるので、螺旋状経路Rを流れている間は空気に常に紫外線を照射することができ、空気の除菌が効率よく行われる。
【0058】
すなわち、本実施形態の除菌装置31では、空気をダクト32の内側の螺旋状経路Rに流して吸気部33からの空気を排出口32Aまで案内しているので、ダクト32内に螺旋状経路Rが設けられていないとした場合に通気孔42から排出口32Aに真っ直ぐに向かう空気に対して紫外線ランプ34により紫外線を照射する場合よりも、ダクト32内に存在する空気に対して紫外線を照射する時間が、空気が螺旋状経路Rを移動するために要する時間の分だけ長くなる。このため、ダクト32内の空気の除菌の効果をより高めることができる。
【0059】
また、螺旋状経路Rは、螺旋状の滑らかな曲面からなる螺旋状仕切り板35で形成されているため、例えば、紫外線ランプの周りに平面的な導風板及び仕切り板の組み合わせにより空気の案内路を設ける構成を採る場合よりも、紫外線ランプの周りで空気を案内する際の案内機構(螺旋状経路R)と空気との抵抗が小さい。このため、通気孔42から螺旋状経路Rを通って排出口32Aまで多くの空気を円滑に案内することができる。
【0060】
また、ダクト32の内壁面として、紫外線を反射する材質からなるものを適用した場合は、紫外線がダクト32の内壁面で繰り返し反射されて、螺旋状経路Rを流れる空気に対して、反射された紫外線も更に照射することができるので、螺旋状経路Rを流れる空気の除菌を更に効果的に行うことができる。また、紫外線がダクト32の外側に漏れて周辺に影響を及ぼすことが防止される。
【0061】
図10は、上記除菌装置31の変形例を示す縦断面図である。この変形例の除菌装置31では、吸気部33の中空筐体の天板33Cに、円筒状のダクト32と同径又は僅かに大きな径の孔33Dが形成されている。孔33Dには、ダクト32の下端部が挿入されている。ダクト32は、孔33Dにより孔33D内で回転自在に支持されている。なお、この場合、紫外線ランプ34に対する螺旋状仕切り板35の構造は、上記(1)又は(3)の構造が採用される。(3)の場合、紫外線ランプ34と筒状部材とは非接触とされる。
【0062】
また、吸気部33の内部に駆動モーター51が設けられている。駆動モーター51の回転軸には、当該回転軸と共回りするゴムローラー52が固定されている。ゴムローラー52は、ダクト32の下端部の外周に対して押圧された状態で配設されている。
【0063】
制御部21は、駆動モーター51の回転駆動を制御する。駆動モーター51が制御部21(図11)の制御で回転駆動されると、ゴムローラー52が回転する。ゴムローラー52は、ダクト32の下端部の外周に対して押圧されているため、ゴムローラー52とダクト32外周面との摩擦によりダクト32が回転する。これにより、駆動モーター51の回転及び停止に応じてダクト32が回転及び停止する。また、駆動モーター51の回転方向の切り替えによりダクト32の回転方向が切り替わる。駆動モーター51の回転速度の変化に伴ってダクト32の回転速度も変化する。このとき、ダクト32の内側の螺旋状仕切り板35は、紫外線ランプ34とは分離してダクト32と一体的に設けられているため、螺旋状仕切り板35はダクト32と共に、紫外線ランプ34を回転の中心部におきつつ、回転及び停止する。
【0064】
図11は、上記変形例にかかわる除菌装置31の制御系を示すブロック図である。制御部21は、CPU、RAM(Random Access Memory)及びROM(Read Only Memory)等から構成される。制御部21は、CPUがROM等に記憶されたプログラムに従って、除菌装置31の各動作機構を制御する。制御部21は、例えば吸気部33内に配置される。制御部21は、吸気ファン44、駆動モーター51、及び紫外線ランプ34に接続されている。制御部21は、吸気ファン44の回転、停止、及び吸気ファン44の回転時の回転速度を制御する。また、制御部21は、紫外線ランプ34を点灯及び消灯させる。更に、制御部21は、駆動モーター51の回転及び停止、回転方向、回転速度を制御する。制御部21による駆動モーター51の制御により、ダクト32と螺旋状仕切り板35の回転、停止、回転方向、及び回転速度が変更される。
【0065】
制御部21は、除菌装置31の運転時には、紫外線ランプ34を点灯させて、吸気ファン44を連続的に回転させ、更に、駆動モーター51を回転駆動させる。吸気ファン44は、外部の空気を、吸気口33Bのフィルター43を通じて吸気部33の内側へと吸い込む。吸い込まれた空気は、吸気部33からダクト2内の螺旋状経路Rに入り込む。このとき、駆動モーター51により螺旋状仕切り板35及びダクト32が回転するため、螺旋状仕切り板35の回転によっても螺旋状経路Rに空気の流れが発生し、螺旋状経路Rによる排出口32Aに向けての空気の案内が円滑になる。
【0066】
例えば、制御部21は、螺旋状仕切り板35の回転により発生する螺旋状経路Rでの空気の流れの方向が、吸気ファン44の回転により螺旋状経路Rに流れ込む空気の流れの方向と一致する方向に、駆動モーター51を回転駆動する。この場合、空気が螺旋状経路R内を更に円滑に移動する。このとき、螺旋状仕切り板35の回転速度が高くなる程、螺旋状経路Rを流れる空気の量が増大する。
【0067】
なお、制御部21は、螺旋状仕切り板35の回転で発生する螺旋状経路Rでの空気の流れの方向が、吸気ファン44の回転により螺旋状経路Rに流れ込む空気の流れの方向とは逆となる方向に、駆動モーター51を回転駆動するようにしてもよい。この場合は、螺旋状経路Rの当該回転により排出口32Aに向かう空気の流れを妨げることになる。このため、螺旋状経路R内での空気の移動が抑制される。このときは、螺旋状仕切り板35の回転速度が高くなる程、螺旋状経路Rを流れる空気の量が減少する。
【0068】
すなわち、制御部21による駆動モーター51の回転方向及び回転速度の制御で、ダクト32から排出される空気の量が調整される。
【0069】
なお、本実施形態で示した除菌装置1,31は、集塵用のフィルターを備えている点においては、本実施形態に係る除菌装置1は、空気清浄装置でもある。また、集塵用のフィルターを備えないものも除菌装置1,31の一実施形態である。
【0070】
また、本発明は、上記実施形態の除菌装置に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。また、図1乃至図11を用いて説明した上記各実施形態及び変形例の構成は、本発明の一例に過ぎず、本発明を当該構成に限定する趣旨ではない。
【符号の説明】
【0071】
1 除菌装置
2 ダクト
2A,2B,2C,2D 側壁
2E 上面
2F 下面
3 吸気部
3A 側壁
3B 吸気口
4 排気部
4A 側壁
4B 排気口
5 吸気側紫外線ランプ
6 排気側紫外線ランプ
11A,11B 仕切り板
12A 通気孔
13 フィルター
14 吸気ファン
15 通気孔
16 フラッパー
21 制御部
22 紫外線ランプ
23 フィルター
24 排気ファン
25 フラッパー
31 除菌装置
32 ダクト
32A 排出口
33 吸気部
33A 側壁
33B 吸気口
33C 天板
33D 孔
34 紫外線ランプ
35 螺旋状仕切り板
42 通気孔
43 フィルター
44 吸気ファン
51 駆動モーター
52 ゴムローラー
R 螺旋状経路
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
【手続補正書】
【提出日】2021-03-11
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外気を吸入する吸気部と、
内部の空気を排出する排気部と、
前記吸気部が吸入した空気を前記排気部まで案内するダクトと、
前記ダクトと前記吸気部とを繋ぐ位置に形成された第1通気孔と、
前記ダクトと前記排気部とを繋ぐ位置に形成された第2通気孔とを備え、
前記ダクトの内部には、
対向する側壁の一方に、当該側壁に沿って延びるとともに、当該側壁に対向する他方の側壁側に向かって延び、当該他方の側壁からは間隔を有する、紫外線を透過する材質からなる仕切板が、一方向に互いに間隔を空けて複数並べて設けられ、
対向する前記側壁の他方に、当該他方の側壁に沿って延びるとともに、当該他方の側壁に対向する前記一方の側壁側に向かって延び、当該一方の側壁からは間隔を有する、紫外線を透過する材質からなる仕切板が、前記一方向に互いに間隔を空けて複数並べて設けられ、
前記一方の側壁に設けられた仕切り板と、前記他方の側壁に設けられた仕切り板とは、前記一方向において互い違いとなる位置に、他方側の仕切り板とは間隔をおいて並べられて、これら仕切板及び対向する前記一方及び他方の側壁の双方により蛇行経路が形成され、
更に、前記ダクト内における前記蛇行経路の前記吸気部側始点部分である前記第1通気孔に設けられた吸気側紫外線照射部と、
前記ダクト内における前記蛇行経路の前記排気部側終点部分である前記第2通気孔に設けられた排気側紫外線照射部と、を備える除菌装置。
【請求項2】
前記第1通気孔及び前記第2通気孔は、前記一方向における異なる位置であって、前記一方の側壁及び前記他方の側壁の間となる、前記一方の側壁及び前記他方の側壁が並ぶ方向において中心となる同一位置に設けられている請求項1に記載の除菌装置。
【請求項3】
前記吸気部に形成された吸気口から前記吸気部内に空気を吸い込んで前記蛇行経路に向かう空気の流れを発生させるファンが前記吸気部に設けられ、
前記排気部に形成された排気口の上方となる前記排気部の一部に、前記一方向としての鉛直方向において上部が取り付けられ、下部が自重により垂下して該排気口を閉じ、前記ファンが前記蛇行経路を通じて発生させる前記排気口における空気圧により前記排気部の外側に押されて前記排気口を開くフラッパーが更に設けられた請求項1又は請求項2に記載の除菌装置。
【請求項4】
外気を吸入する吸気部と、
内部の空気を排出する排気部と、
前記吸気部が吸入した空気を前記排気部まで案内するダクトと、
前記ダクトと前記吸気部とを繋ぐ位置に形成された第1通気孔と、
前記ダクトと前記排気部とを繋ぐ位置に形成された第2通気孔とを備え、
前記ダクトの内部には、
対向する側壁の一方に、当該側壁に沿って延びるとともに、当該側壁に対向する他方の側壁側に向かって延び、当該他方の側壁からは間隔を有する、紫外線を透過する材質からなる仕切板が、一方向に互いに間隔を空けて複数並べて設けられ、
対向する前記側壁の他方に、当該他方の側壁に沿って延びるとともに、当該他方の側壁に対向する前記一方の側壁側に向かって延び、当該一方の側壁からは間隔を有する、紫外線を透過する材質からなる仕切板が、前記一方向に互いに間隔を空けて複数並べて設けられ、
前記一方の側壁に設けられた仕切り板と、前記他方の側壁に設けられた仕切り板とは、前記一方向において互い違いとなる位置に、他方側の仕切り板とは間隔をおいて並べられて、これら仕切板及び対向する前記一方及び他方の側壁の双方により蛇行経路が形成され、
更に、前記ダクト内における前記蛇行経路の前記吸気部側となる始点部分に設けられた吸気側紫外線照射部と、
前記ダクト内における前記蛇行経路の前記排気部側となる終点部分に設けられた排気側紫外線照射部と、を備え、
前記排気部に形成された排気口から前記排気部内の空気を前記排気部外に排出する空気の流れを発生させるファンが前記排気部に設けられ、
前記吸気部に形成された吸気口の上方となる前記吸気部の一部に、前記一方向としての鉛直方向において上部が当該吸気口上部に取り付けられ、下部が自重により垂下して該吸気口を閉じ、前記ファンが前記蛇行経路を通じて発生させる前記吸気口における空気圧により前記吸気部の内部側に押されて前記吸気口を開くフラッパーが設けられた除菌装置。
【請求項5】
外気を吸入する吸気部と、
内部の空気を排出する排気部と、
前記吸気部が吸入した空気を前記排気部まで案内するダクトと、
前記ダクトと前記吸気部とを繋ぐ位置に形成された第1通気孔と、
前記ダクトと前記排気部とを繋ぐ位置に形成された第2通気孔とを備え、
前記ダクトの内部には、
対向する側壁の一方に、当該側壁に沿って延びるとともに、当該側壁に対向する他方の側壁側に向かって延び、当該他方の側壁からは間隔を有する、紫外線を透過する材質からなる仕切板が、一方向に互いに間隔を空けて複数並べて設けられ、
対向する前記側壁の他方に、当該他方の側壁に沿って延びるとともに、当該他方の側壁に対向する前記一方の側壁側に向かって延び、当該一方の側壁からは間隔を有する、紫外線を透過する材質からなる仕切板が、前記一方向に互いに間隔を空けて複数並べて設けられ、
前記一方の側壁に設けられた仕切り板と、前記他方の側壁に設けられた仕切り板とは、前記一方向において互い違いとなる位置に、他方側の仕切り板とは間隔をおいて並べられて、これら仕切板及び対向する前記一方及び他方の側壁の双方により蛇行経路が形成され、
更に、前記ダクト内における前記蛇行経路の前記吸気部側となる始点部分に設けられた吸気側紫外線照射部と、
前記ダクト内における前記蛇行経路の前記排気部側となる終点部分に設けられた排気側紫外線照射部と、を備え、
前記吸気部に形成された吸気口から前記吸気部内に空気を吸い込んで前記蛇行経路に向かう空気の流れを発生させるファンが前記吸気部に設けられ、
前記排気部に形成された排気口の上方となる前記排気部の一部に、前記一方向としての鉛直方向において上部が取り付けられ、下部が自重により垂下して該排気口を閉じ、前記ファンが前記蛇行経路を通じて発生させる前記排気口における空気圧により前記排気部の外側に押されて前記排気口を開くフラッパーが更に設けられ、
前記ファンを駆動制御する制御部を更に備え、
前記制御部は、前記ファンの回転駆動及び停止を繰り返して前記ファンを間欠的に駆動し、
前記ファンが回転駆動されているときに前記吸気部内に取り込まれた空気が前記吸気側紫外線照射部の配設位置を通過した時から、前記蛇行経路を通過して前記排気側紫外線照射部の配設位置を通過する時までの時間をT1としたとき、前記制御部は、前記ファンを回転駆動させる時間T2を前記時間T1と同一にして、前記ファンを間欠的に駆動する除菌装置。
【請求項6】
前記ダクトの側壁は、紫外線を反射する材質からなる請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の除菌装置。
【請求項7】
前記蛇行経路内に、更なる紫外線照射部を設けた請求項1乃至請求項6のいずれか1つに記載の除菌装置。
【請求項8】
外気を吸入する吸気部と、
一方向に延び、前記吸気部が吸入した空気を案内するダクトと、
前記ダクトと前記吸気部とを繋ぐ位置に形成された第1通気孔と、
前記吸気部側とは異なる前記ダクトの端部に形成され、前記案内された空気を排出する排出口と、
前記ダクトの内部に設けられ、前記一方向に延びる棒状の紫外線照射部と、
前記紫外線照射部の周りを旋回する螺旋状とされた平面からなる螺旋状仕切り板であって、前記吸気部から前記第1通気孔を通じて流れ込む空気を、前記紫外線照射部の周りを旋回させて前記排出口まで案内する、紫外線を透過する材質からなる螺旋状経路と、を備え
前記螺旋状仕切り板は、前記紫外線照射部を回転中心として回転可能に設けられ、
前記吸気部内に空気を吸い込み、前記螺旋状経路に向かう空気の流れを発生させるファンと、
前記螺旋状仕切り板を回転させる回転駆動部と、
前記ファン及び前記回転駆動部を制御する制御部と、を備える除菌装置。
【請求項9】
前記制御部は、前記ファンの回転速度を制御すると共に、前記回転駆動部を制御して前記螺旋状仕切り板の回転速度及び回転方向を変更する請求項8に記載の除菌装置。
【請求項10】
前記ダクトの側壁は、紫外線を反射する材質からなる請求項8又は請求項に記載の除菌装置。
【手続補正書】
【提出日】2021-08-04
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外気を吸入する吸気部と、
内部の空気を排出する排気部と、
前記吸気部が吸入した空気を前記排気部まで案内するダクトと、
前記ダクトと前記吸気部とを繋ぐ位置に形成された第1通気孔と、
前記ダクトと前記排気部とを繋ぐ位置に形成された第2通気孔とを備え、
前記ダクトの内部には、
対向する側壁の一方に、当該側壁に沿って延びるとともに、当該側壁に対向する他方の側壁側に向かって延び、当該他方の側壁からは間隔を有する、紫外線を透過する材質からなる仕切板が、一方向に互いに間隔を空けて複数並べて設けられ、
対向する前記側壁の他方に、当該他方の側壁に沿って延びるとともに、当該他方の側壁に対向する前記一方の側壁側に向かって延び、当該一方の側壁からは間隔を有する、紫外線を透過する材質からなる仕切板が、前記一方向に互いに間隔を空けて複数並べて設けられ、
前記一方の側壁に設けられた仕切り板と、前記他方の側壁に設けられた仕切り板とは、前記一方向において互い違いとなる位置に、他方側の仕切り板とは間隔をおいて並べられて、これら仕切板及び対向する前記一方及び他方の側壁の双方により蛇行経路が形成され、
前記第1通気孔及び前記第2通気孔は、前記一方向における異なる位置であって、前記一方の側壁及び前記他方の側壁の間となる、前記一方の側壁及び前記他方の側壁の並び方向において中心となる同一位置に設けられ、
更に、前記ダクト内における前記蛇行経路の前記吸気部側の始点部分である前記第1通気孔の前記ダクト側又は前記吸気部側であって、前記吸気部から前記蛇行経路に空気が流れ込む位置のみ設けられた吸気側紫外線照射部と、
前記ダクト内における前記蛇行経路の前記排気部側の終点部分である前記第2通気孔の前記ダクト側又は前記吸気部側であって、前記蛇行経路から前記排気部に空気が流れ込む位置のみ設けられた排気側紫外線照射部と、を備える除菌装置。
【請求項2】
前記吸気部に形成された吸気口から前記吸気部内に空気を吸い込んで前記蛇行経路に向かう空気の流れを発生させるファンが前記吸気部に設けられ、
前記排気部に形成された排気口の上方となる前記排気部の一部に、前記一方向としての鉛直方向において上部が取り付けられ、下部が自重により垂下して該排気口を閉じ、前記ファンが前記蛇行経路を通じて発生させる前記排気口における空気圧により前記排気部の外側に押されて前記排気口を開くフラッパーが更に設けられた請求項1に記載の除菌装置。
【請求項3】
外気を吸入する吸気部と、
内部の空気を排出する排気部と、
前記吸気部が吸入した空気を前記排気部まで案内するダクトと、
前記ダクトと前記吸気部とを繋ぐ位置に形成された第1通気孔と、
前記ダクトと前記排気部とを繋ぐ位置に形成された第2通気孔とを備え、
前記ダクトの内部には、
対向する側壁の一方に、当該側壁に沿って延びるとともに、当該側壁に対向する他方の側壁側に向かって延び、当該他方の側壁からは間隔を有する、紫外線を透過する材質からなる仕切板が、一方向に互いに間隔を空けて複数並べて設けられ、
対向する前記側壁の他方に、当該他方の側壁に沿って延びるとともに、当該他方の側壁に対向する前記一方の側壁側に向かって延び、当該一方の側壁からは間隔を有する、紫外線を透過する材質からなる仕切板が、前記一方向に互いに間隔を空けて複数並べて設けられ、
前記一方の側壁に設けられた仕切り板と、前記他方の側壁に設けられた仕切り板とは、前記一方向において互い違いとなる位置に、他方側の仕切り板とは間隔をおいて並べられて、これら仕切板及び対向する前記一方及び他方の側壁の双方により蛇行経路が形成され、
更に、前記ダクト内における前記蛇行経路の前記吸気部側となる始点部分に設けられた吸気側紫外線照射部と、
前記ダクト内における前記蛇行経路の前記排気部側となる終点部分に設けられた排気側紫外線照射部と、を備え、
前記排気部に形成された排気口から前記排気部内の空気を前記排気部外に排出する空気の流れを発生させるファンが前記排気部に設けられ、
前記吸気部に形成された吸気口の上方となる前記吸気部の一部に、前記一方向としての鉛直方向において上部が当該吸気口上部に取り付けられ、下部が自重により垂下して該吸気口を閉じ、前記ファンが前記蛇行経路を通じて発生させる前記吸気口における空気圧により前記吸気部の内部側に押されて前記吸気口を開くフラッパーが設けられた除菌装置。
【請求項4】
外気を吸入する吸気部と、
内部の空気を排出する排気部と、
前記吸気部が吸入した空気を前記排気部まで案内するダクトと、
前記ダクトと前記吸気部とを繋ぐ位置に形成された第1通気孔と、
前記ダクトと前記排気部とを繋ぐ位置に形成された第2通気孔とを備え、
前記ダクトの内部には、
対向する側壁の一方に、当該側壁に沿って延びるとともに、当該側壁に対向する他方の側壁側に向かって延び、当該他方の側壁からは間隔を有する、紫外線を透過する材質からなる仕切板が、一方向に互いに間隔を空けて複数並べて設けられ、
対向する前記側壁の他方に、当該他方の側壁に沿って延びるとともに、当該他方の側壁に対向する前記一方の側壁側に向かって延び、当該一方の側壁からは間隔を有する、紫外線を透過する材質からなる仕切板が、前記一方向に互いに間隔を空けて複数並べて設けられ、
前記一方の側壁に設けられた仕切り板と、前記他方の側壁に設けられた仕切り板とは、前記一方向において互い違いとなる位置に、他方側の仕切り板とは間隔をおいて並べられて、これら仕切板及び対向する前記一方及び他方の側壁の双方により蛇行経路が形成され、
更に、前記ダクト内における前記蛇行経路の前記吸気部側となる始点部分に設けられた吸気側紫外線照射部と、
前記ダクト内における前記蛇行経路の前記排気部側となる終点部分に設けられた排気側紫外線照射部と、を備え、
前記吸気部に形成された吸気口から前記吸気部内に空気を吸い込んで前記蛇行経路に向かう空気の流れを発生させるファンが前記吸気部に設けられ、
前記排気部に形成された排気口の上方となる前記排気部の一部に、前記一方向としての鉛直方向において上部が取り付けられ、下部が自重により垂下して該排気口を閉じ、前記ファンが前記蛇行経路を通じて発生させる前記排気口における空気圧により前記排気部の外側に押されて前記排気口を開くフラッパーが更に設けられ、
前記ファンを駆動制御する制御部を更に備え、
前記制御部は、前記ファンの回転駆動及び停止を繰り返して前記ファンを間欠的に駆動し、
前記ファンが回転駆動されているときに前記吸気部内に取り込まれた空気が前記吸気側紫外線照射部の配設位置を通過した時から、前記蛇行経路を通過して前記排気側紫外線照射部の配設位置を通過する時までの時間をT1としたとき、前記制御部は、前記ファンを回転駆動させる時間T2を前記時間T1と同一にして、前記ファンを間欠的に駆動する除菌装置。
【請求項5】
前記ダクトの側壁は、紫外線を反射する材質からなる請求項1乃至請求項のいずれかに記載の除菌装置。
【請求項6】
前記蛇行経路内に、更なる紫外線照射部を設けた請求項1乃至請求項のいずれか1つに記載の除菌装置。
【請求項7】
外気を吸入する吸気部と、
一方向に延び、前記吸気部が吸入した空気を案内するダクトと、
前記ダクトと前記吸気部とを繋ぐ位置に形成された第1通気孔と、
前記吸気部側とは異なる前記ダクトの端部に形成され、前記案内された空気を排出する排出口と、
前記ダクトの内部に設けられ、前記一方向に延びる棒状の紫外線照射部と、
前記紫外線照射部の周りを旋回する螺旋状とされた平面からなる螺旋状仕切り板であって、前記吸気部から前記第1通気孔を通じて流れ込む空気を、前記紫外線照射部の周りを旋回させて前記排出口まで案内する、紫外線を透過する材質からなる螺旋状経路と、を備え、
前記螺旋状仕切り板は、前記紫外線照射部を回転中心として回転可能に設けられ、
前記吸気部内に空気を吸い込み、前記螺旋状経路に向かう空気の流れを発生させるファンと、
前記螺旋状仕切り板を回転させる回転駆動部と、
前記ファン及び前記回転駆動部を制御する制御部と、を備える除菌装置。
【請求項8】
前記制御部は、前記ファンの回転速度を制御すると共に、前記回転駆動部を制御して前記螺旋状仕切り板の回転速度及び回転方向を変更する請求項に記載の除菌装置。
【請求項9】
前記ダクトの側壁は、紫外線を反射する材質からなる請求項又は請求項に記載の除菌装置。