(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022063716
(43)【公開日】2022-04-22
(54)【発明の名称】筆記補助具
(51)【国際特許分類】
B43L 15/00 20060101AFI20220415BHJP
【FI】
B43L15/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020172100
(22)【出願日】2020-10-12
(71)【出願人】
【識別番号】520397046
【氏名又は名称】辻井 更紗
(71)【出願人】
【識別番号】520397057
【氏名又は名称】澤田 真生
(74)【代理人】
【識別番号】100091292
【弁理士】
【氏名又は名称】増田 達哉
(74)【代理人】
【識別番号】100173428
【弁理士】
【氏名又は名称】藤谷 泰之
(74)【代理人】
【識別番号】100091627
【弁理士】
【氏名又は名称】朝比 一夫
(72)【発明者】
【氏名】辻井 更紗
(72)【発明者】
【氏名】澤田 真生
(57)【要約】
【課題】罫線がひかれていない用紙に文章を書く際において、文字列が曲がらずにまっすぐに書くことを可能とする筆記補助具を提供すること。
【解決手段】筆記用具を持つ手において、小指の付け根と手首との間の小指球に添えられる筆記補助具であって、所定の方向に回転可能な回転体と、前記回転体を回転可能に支持する回転体支持部を少なくとも有する補助具本体と、前記補助具本体を筆記者の前記手に装着するための装着部と、を備えることを特徴とする筆記補助具。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筆記用具を持つ手において、小指の付け根と手首との間の小指球に添えられる筆記補助具であって、
所定の方向に回転可能な回転体と、
前記回転体を回転可能に支持する回転体支持部を少なくとも有する補助具本体と、
前記補助具本体を筆記者の前記手に装着するための装着部と、を備えることを特徴とする筆記補助具。
【請求項2】
前記回転体がローラーである請求項1に記載の筆記補助具。
【請求項3】
前記回転体支持部は、前記補助具本体の面内方向で回転可能である請求項1または2に記載の筆記補助具。
【請求項4】
前記ローラーを複数備える請求項2または3に記載の筆記補助具。
【請求項5】
複数の前記ローラーは、互いに略平行に配置されている請求項4に記載の筆記補助具。
【請求項6】
複数の前記ローラーは、互いに略直交する向きに配置されている請求項4に記載の筆記補助具。
【請求項7】
前記回転体が球体である請求項1に記載の筆記補助具。
【請求項8】
前記装着部は、面ファスナーを備える請求項1ないし7のいずれか1項に記載の筆記補助具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、筆記補助具に関する。
【背景技術】
【0002】
筆記用紙に筆記する際においては、筆記者は、筆記用具を持つ手の小指球を筆記用紙に接触させた状態で、一般的には、横書きの場合には右方向、縦書きの場合には下方向(筆記者の手前方向)にスライドさせながら筆記していく。ここで、「小指球」とは、小指の付け根から手首までの間において肉が盛り上がっている部分を指すものとする。
【0003】
なお、文章などを連続的に筆記する際には、一般的に、所定数(2~5文字程度)の文字を一回の筆記単位として、当該一回の筆記単位(一筆記単位と呼ぶことにする。)を筆記するごとに筆記用紙上で手をスライドさせて、次の一筆記単位を筆記するということを繰り返しながら筆記していく。
【0004】
具体的には、一筆記単位を筆記している間は、手は殆どスライドさせずに筆記具を持つ指を当該一筆記単位に含まれる文字の並び方向に動かして一筆記単位を筆記し、当該一筆記単位の筆記が終わると、手をスライドさせて次の一筆記単位を筆記するというように、一筆記単位を筆記するごとに手をスライドさせるという筆記動作を行うことが一般的である。
【0005】
このような筆記時の手のスライドを補助する筆記補助具は、従来から種々提案されている(例えば、特許文献1参照)。この筆記補助具は、筆記用紙に接触する面に低摩擦係数の素材を用いることで、筆記時に手を用紙上でスライドさせやすくして、筆記の能率を上げている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、文章などのように長い文字列を連続して筆記する場合、罫線がひかれている筆記用紙、例えば、便箋やノートなどでは、罫線に沿って文字を書くことにより、文字列を縦方向または横方向にまっすぐ書くことができるが、罫線がひかれていない用紙に文章を筆記していく場合、筆記用紙上で手をスライドさせていくうちに、手が用紙上で次第にズレていき、文字列が斜めになったり曲がってしまうことも多い。
【0008】
手のスライドを補助するような補助具はあっても、文字列をまっすぐに書くことを補助するような補助具は、これまでになかった。
【0009】
本発明の目的は、罫線がひかれていない用紙に文章を書く際において、文字列が曲がらずにまっすぐに書くことを可能とする筆記補助具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
このような目的は、下記に記載の本発明により達成される。
(1) 筆記用具を持つ手において、小指の付け根と手首との間の小指球に添えられる筆記補助具であって、
所定の方向に回転可能な回転体と、
前記回転体を回転可能に支持する回転体支持部を少なくとも有する補助具本体と、
前記補助具本体を筆記者の前記手に装着するための装着部と、
を備えることを特徴とする筆記補助具。
【0011】
(2) 前記回転体がローラーである上記(1)に記載の筆記補助具。
【0012】
(3) 前記回転体支持部は、前記補助具本体の面内方向で回転可能である上記(1)または(2)に記載の筆記補助具。
【0013】
(4) 前記ローラーを複数備える上記(2)または(3)に記載の筆記補助具。
【0014】
(5) 複数の前記ローラーは、互いに略平行に配置されている上記(4)に記載の筆記補助具。
【0015】
(6) 複数の前記ローラーは、互いに略直交する向きに配置されている上記(4)に記載の筆記補助具。
【0016】
(7) 前記回転体が球体である上記(1)に記載の筆記補助具。
【0017】
(8) 前記装着部は、面ファスナーを備える上記(1)ないし(7)のいずれかに記載の筆記補助具。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、罫線がひかれていない用紙に文章を書く際において、文字列が曲がらずにまっすぐに書くことを可能とする筆記補助具を提供することができる。特に、文字列を真っすぐに書くのが苦手な人、例えば、病気や、加齢により手が震えたり、手に力が入りにくい人にとって有効である。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】第1実施形態の筆記補助具の一構成例を示す斜視図である。
【
図2】第1実施形態の筆記補助具の一構成例を示す断面図である。
【
図3】第1実施形態の筆記補助具の一構成例を示す斜視図である。
【
図4】第1実施形態の筆記補助具の一構成例を示す斜視図である。
【
図5】第1実施形態の筆記補助具の使用状態の一例を示す斜視図である。
【
図6】第1実施形態の筆記補助具の使用状態の一例を示す斜視図である。
【
図7】第2実施形態の筆記補助具の一構成例を示す斜視図である。
【
図8】第2実施形態の筆記補助具の一構成例を示す斜視図である。
【
図9】第2実施形態の筆記補助具の一構成例を示す断面図である。
【
図10】第3実施形態の筆記補助具の一構成例を示す斜視図である。
【
図11】第3実施形態の筆記補助具の一構成例を示す斜視図である。
【
図12】第3実施形態の筆記補助具の一構成例を示す斜視図である。
【
図13】第4実施形態の筆記補助具の一構成例を示す斜視図である。
【
図14】第4実施形態の筆記補助具の一構成例を示す斜視図である。
【
図15】第5実施形態の筆記補助具の一構成例を示す斜視図である。
【
図16】第5実施形態の筆記補助具の一構成例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
<第1の実施形態>
図1は、本実施形態に係る筆記補助具1A(1)の一構成例を示す斜視図である。
図2は、筆記補助具1A(1)の一構成例を示す断面図である。
図3は、筆記補助具1A(1)の一構成例を示す斜視図である。
図4は、筆記補助具1A(1)の一構成例を示す斜視図である。
図5は、本実施形態の筆記補助具1A(1)の使用状態の一例を示す斜視図である。
【0021】
本実施形態の筆記補助具1は、筆記用具61を持つ手50において、小指の付け根と手首との間の小指球51に添えられる筆記補助具であって、所定の方向に回転可能な回転体10と、回転体10を回転可能に支持する回転体支持部21を少なくとも有する補助具本体20と、補助具本体20を筆記者の手50に装着するための装着部30と、を備えることを特徴とする。
【0022】
本実施形態において、回転体10はローラー11である。
図5に示すように、このような筆記補助具1では、ローラー11が用紙60に押し当てられた状態で筆記する際に、手50のスライドに伴ってローラー11が用紙60上で回転することにより手50のスライド方向をまっすぐにガイドする。これにより、罫線がひかれていない用紙60に文章等を筆記する際に、スライド時の手50のズレを抑制し、文字列62が斜めになったり曲がったりすることなく、まっすぐに書くことができる。
【0023】
なお、本明細書において「まっすぐ」とは、実用上、文字が整列して書かれていれば十分であり、厳密に直線上に配列されていることまでを意味するものではない。
【0024】
図2に示すように、ローラー11は、略円柱状のローラー本体11aと、ローラー本体11aを回転可能に回転体支持部21に取り付けるための回転軸11bとを有する。回転軸11bは、ローラー本体11aと一体に形成されていてもよいし、ローラー本体11aとは別個の部材により形成されていてもよい。
【0025】
なお、以下の説明で単に「ローラー11」というときは、主に「ローラー本体11a」のことを意味している。
【0026】
ローラー11の大きさは特に限定されないが、小さすぎると、手50のスライド方向を十分にガイドすることが困難となり、本発明の目的を達成できない可能性があり、一方、大きすぎると、筆記の際に邪魔になり作業性、快適性を妨げる可能性があることから、ローラー11の直径は、2mm以上10mm以下であるのが好ましく、3mm以上8mm以下であるのがより好ましい。また、ローラー11の長さは、5mm以上20mm以下であるのが好ましく、8mm以上15mm以下であるのがより好ましい。
【0027】
これにより、手50のスライド方向を十分にガイドすることができるとともに、筆記の際に邪魔にならないため、作業性、快適性を妨げない。
【0028】
ローラー11を構成する材料は、特に限定されないが、例えば、各種プラスチック材料、シリコーン樹脂が挙げられる。少なくともローラー本体11aの表面部分が、シリコーン樹脂といった、用紙60との摩擦係数が比較的低い材料からなる場合、用紙60上でローラー11が軽く回転することができ、快適性が向上するため、好ましい。
【0029】
回転体支持部21は、ローラー11を回転可能な状態に支持する。
図2に示す実施形態では、回転体支持部21は、補助具本体20と一体に設けられている。すなわち、補助具本体20が回転体支持部21としての役割を有している。
【0030】
図2に示すように、回転体支持部21(補助具本体20)は、孔部21aを有しており、該孔部21aにローラー11の回転軸11bが挿入されることにより、ローラー11は回転体支持部21に対し、図中矢印Aで示す方向に回転可能に支持される。
【0031】
ローラー11は、ローラー本体11aの表面が補助具本体20の表面よりもわずかに凸になるように、補助具本体20に取り付けられていることが好ましい。これにより、ローラー11の回転により手50のスライド方向をスムーズにガイドすることができる。
【0032】
補助具本体20の形状は、目的を達成できるものであれば、特に限定されない。
図1に示す実施形態では、略長方形状をなしているが、四角形、五角形、六角形、それ以上の多角形、円形、楕円形、ラウンド型およびこれらの形状の組み合わせが挙げられる。多角形状の場合、角部が丸みをおびたものであってもよい。
【0033】
補助具本体20の大きさは、ローラー11の大きさによっても異なり、特に限定されないが、大きすぎると、筆記の際に邪魔になり作業性、快適性を妨げる可能性があることから、例えば
図1に示すような長方形状である場合、1辺が10mm以上30mm以下であるのが好ましく、15mm以上20mm以下であるのがより好ましい。また、厚みとしては、5mm以上15mm以下であるのが好ましく、5mm以上10mm以下であるのがより好ましい。
【0034】
筆記補助具1が横書き用の場合、手50を横方向にスライドさせるために、筆記する状態において、ローラー11の回転方向が横方向となるように、すなわち、ローラー11の回転軸11bが、スライド方向と直行する縦向きとなるように配置されている(
図1および
図2参照)。
【0035】
一方、縦書き用の場合、手50を縦方向にスライドさせるため、ローラー11の回転方向が縦方向となるように、すなわち、ローラー11の回転軸11bが横向きとなるように配置されている。横書き用の場合も、ローラー11の向きが異なるのみで、その他の構成等は横書き用の場合と同様であるため、その図示は省略する。
【0036】
もちろん、筆記の際の、筆記補助具1の手50への取り付け角度や、手50自体の角度なども個人により異なるため、「縦方向」「横方向」は、厳密なものでなくても構わない。
【0037】
装着部30は、バンド状をなし、補助具本体20を筆記者の手50、特に小指球51の部分に装着および固定する。
【0038】
装着部30の素材は、特に限定されるものではないが、肌触りがよく、また吸湿性の良い素材が好ましい。例えば、ポリエステル繊維などからなる布製からなる。またゴムなどのように伸縮性を有する素材であってもよい。
【0039】
装着部30の幅は、特に限定されるものではないが、細すぎると、補助具本体20を手50に十分に固定することが困難となり、太すぎると快適性が低下する可能性があることから、10mm以上30mm以下であるのが好ましく、15mm以上20mm以下であるのがより好ましい。
【0040】
装着部30が、ゴムなどの伸縮性を有する素材でできている場合、
図3に示すように、装着部30は補助具本体20に対して閉じた形状であってもよいが、
図4に示すように、装着部30が伸縮性の低い素材からなる場合、非使用時では、装着部30は開いた状態であり、装着部30を閉じて手50に固定するための固定部材31を有していることが好ましい。
【0041】
固定部材31としては、特に限定されないが、例えば、面ファスナー、スナップボタン、バックル等が挙げられ、取り付けおよび取り外しが容易な観点から、面ファスナーが好ましい。
図4に示す例では、固定部材31として面ファスナーを用いた場合を示している。
【0042】
また、固定部材31は固定位置、言い換えると、装着部30の長さを調整可能であることが好ましい。これにより、使用者の手の大きさ等に合わせて、筆記補助具1を固定することができる。
【0043】
筆記補助具1の手50への装着および固定は、筆記中に補助具本体20がズレない程度に、しっかりと固定されていれば十分であるが、面ファスナーによれば、緊めや緩めなど、使用者の好みに合わせて細かい調節もできるため好ましい。
【0044】
図5は、筆記者が本実施形態の筆記補助具1を手50に取り付けた状態で、筆記する状態を示す図である。
【0045】
筆記補助具1は、
図5に示すように、筆記用具61を持つ手50において、小指の付け根と手首との間の小指球51の部分に、補助具本体20が添えられるように、装着部30によって筆記者の手のひら部分に装着される。
【0046】
このような筆記補助具1では、装着部30が用紙60に押し当てられた状態で筆記する際に、手50のスライドに伴ってローラー11が用紙60上で回転することにより手50のスライド方向をまっすぐにガイドする。これにより、罫線がひかれていない用紙60に文章等を筆記する際に、スライド時の手50のズレを抑制して、斜めになったり曲がったりすることなく、文字列62をまっすぐに書くことができる。特に、文字列を真っすぐに書くのが苦手な人、例えば、病気や、加齢により手が震えたり、手に力が入りにくい人にとって有効である。
【0047】
なお、
図5では、横書き、すなわち、手50を横方向にスライドさせる場合を示しているが、縦書き、すなわち、手50を縦方向にスライドさせる場合も同様である。
【0048】
図6に示すように、本実施形態の筆記補助具1を、手50の小指球51の部分に加えて手首52にも装着してもよい。これにより、手50のスライド方向を2か所でより効果的にガイドすることができ、文字列62をより安定してまっすぐに書くことができる。
【0049】
なお、本実施形態の筆記補助具1は、少なくとも手50の小指球51の部分に配されることが好ましいが、筆記する際に用紙60に接する部位に補助具本体20が配されるように、手首52またはそれ以外の部分に装着した場合においても、手50のスライド方向をガイドすることは可能であり、本発明の目的を達成することができる。
【0050】
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
【0051】
なお、以下の説明では、上述した実施形態と異なる部分について主に説明し、同様の部分については、図面においては同じ符号を付すとともに、その説明を省略する。
【0052】
図7は、本実施形態に係る筆記補助具1B(1)の一構成例を示す斜視図である。
図8は、筆記補助具1B(1)の一構成例を示す斜視図であり、補助具本体部分を拡大して示す図である。
図9は、筆記補助具1B(1)の一構成例を示す断面図である。
【0053】
本実施形態の筆記補助具1B(1)では、回転体支持部21は補助具本体20とは別体で構成されており、回転体支持部21は、補助具本体20の面内方向で回転可能になされている。
【0054】
図9に示すように、回転体支持部21は略円盤形状をなし、その一方の面側の中心部から突出した回転軸21bを有している。回転体支持部21の他方の面側には、ローラー11が回転可能な状態に支持されている。
【0055】
補助具本体20には回転体支持部21の形状に対応した円形状の凹部20aが設けられている。凹部20aの底面の略中央には孔部20bが設けられており、この孔部20bに回転体支持部21の回転軸21bが挿入されている。また、凹部20aの開口部分に設けられた段差20cにより、回転体支持部21は、補助具本体20からの脱落が防止される。これにより、回転体支持部21は、回転軸21bを中心として補助具本体20の面内方向(図中矢印Bで示す)で回転可能となる。
【0056】
これにより、縦書きや横書きなど、手50をスライドする方向に応じて、回転体支持部21を補助具本体20の面内で回転させることにより、ローラー11の向きを調整することができる。また、個人の書き癖、例えば、筆記時の手50の角度等に応じた、ローラー11の面内での角度についての細かい調整も可能になり、作業性や快適性を高めることができる。
【0057】
<第3実施形態>
次に、本発明の第3実施形態について説明する。
【0058】
なお、以下の説明では、上述した実施形態と異なる部分について主に説明し、同様の部分については、図面においては同じ符号を付すとともに、その説明を省略する。
【0059】
図10は、本実施形態に係る筆記補助具1C(1)の一構成例を示す斜視図である。
図11は、筆記補助具1C(1)の一構成例を示す斜視図である。
図12は、筆記補助具1C(1)の一構成例を示す斜視図である。なお、
図10~
図12では、補助具本体部分を拡大して示している。
【0060】
上述した第1、第2実施形態では、ローラー11を1つのみ備えていたが、本実施形態の筆記補助具1C(1)では、ローラー11を複数備えている。
【0061】
ローラー11を複数備えることで、1つのみの場合に比べて、手50のスライド方向をより安定してガイドすることができる。
【0062】
ローラー11の数は特に限定されないが、
図10~
図12に示す例では、3個のローラー11が配置されている。ローラー11の数は2個であってもよいし、4個以上であってもよいが、多すぎると補助具が大きくなって筆記する際の妨げになり、快適性、作業性を低下させてしまう可能性があることから、2個以上4個以下程度が好ましい。
【0063】
本実施形態では、複数のローラー11は、互いに略平行に配置されている。略平行とは、ローラー11の回転軸同士のなす角度が10°以下程度のことを言う。
【0064】
図10に示す例では、横方向にスライドするように、複数のローラー11は縦向きに配置されている。
図11に示す例では、縦方向にスライドするように、複数のローラー11は横向きに配置されている。
【0065】
また、
図12に示すように、複数のローラー11を回転体支持部21に配し、回転体支持部21を補助具本体20の面内方向(図中矢印Bで示す)で回転可能にしてもよい。これにより、縦書きや横書きなど、手50をスライドする方向に応じて、回転体支持部21を補助具本体20の面内で回転させることによりローラー11の向きを調整することができる。また、個人の書き癖、例えば、筆記時の手50の角度等に応じた、ローラー11の面内での角度についての細かい調整も可能になり、作業性や快適性を高めることができる。
【0066】
<第4実施形態>
次に、本発明の第4実施形態について説明する。
【0067】
なお、以下の説明では、上述した実施形態と異なる部分について主に説明し、同様の部分については、図面においては同じ符号を付すとともに、その説明を省略する。
【0068】
図13は、本実施形態に係る筆記補助具1D(1)の一構成例を示す斜視図である。
図14は、筆記補助具1D(1)の一構成例を示す斜視図である。なお、
図13および
図14では、補助具本体部分を拡大して示している。
【0069】
上述した第1、第2実施形態では、ローラー11を1つのみ備えていたが、本実施形態の筆記補助具1D(1)では、ローラー11を複数備えている。
【0070】
ローラー11を複数備えることで、1つのみの場合に比べて、手50のスライド方向をより安定してガイドすることができる。
【0071】
また、上述した第3実施形態では、複数のローラー11は略平行に配されていたが、本実施形態の筆記補助具1では、複数のローラー11は、互いに略直交する向きに配置されている。略直交とは、ローラー11の回転軸同士の交わる角度が80°以上90°以下のことを言う。
【0072】
図13に示す例では、4個のローラー11を備え、そのうち2個のローラー11は縦向きに配され、2個のローラー11は横向きに配置されている。
【0073】
これにより、手50のスライド方向に応じて横向きまたは縦向きのローラー11が回るため、縦書き、横書きのどちらにも対応することができる。これにより、ローラー11の向きの調整作業が不要となる。また、各方向にローラー11が2個ずつ配置されているため、手50のスライド方向をより安定してガイドすることができる。
【0074】
もちろん、縦向きおよび横向きにそれぞれ配されるローラー11の数は、1個であってもよいし、3個以上であってもよい。また、配置もこれに限定されない。
【0075】
例えば
図14に示す例では、4個のローラー11が、補助具本体20に対し斜めに配置されている。このように、手50の角度によっては、ローラー11は、ずれた位置に配されていてもよい。
【0076】
<第5実施形態>
次に、本発明の第5実施形態について説明する。
【0077】
なお、以下の説明では、上述した実施形態と異なる部分について主に説明し、同様の部分については、図面においては同じ符号を付すとともに、その説明を省略する。
【0078】
図15は、本実施形態に係る筆記補助具1E(1)の一構成例を示す斜視図である。
図16は、筆記補助具1E(1)の一構成例を示す断面図である。なお、
図15では、補助具本体部分を拡大して示している。
【0079】
上述した実施形態では、回転体10としてローラー11を備えていたが、本実施形態の筆記補助具1では、回転体10として球体12を備えている。
【0080】
回転体10がローラー11である場合、ローラー11の回転方向、ひいてはスライド方向は限定されてしまうが、回転体10を球体12とすることで、手50のスライド方向に応じてどの方向にも回転することができるため、縦書き、横書きのどちらにも対応することができる。また、ローラー11の向きの調整といった作業も不要となる。
【0081】
図16に示すように、回転体支持部21(補助具本体20)は、略球形状の孔部21cを有しており、該孔部21cに球体12が挿入される。孔部21cは、その深さが球体12の直径よりも浅く、開口部が球体12の直径よりも小さくなされているので、ローラー11は回転体支持部21に対し回転可能に支持されるともに、回転体支持部21(補助具本体20)からの脱落が防止される。また、球体12は、その表面が補助具本体20の表面よりもわずかに凸になるように、補助具本体20に取り付けられる。
【0082】
球体12の直径は、2mm以上10mm以下であるのが好ましく、3mm以上8mm以下であるのがより好ましい。
【0083】
これにより、手50のスライド方向を十分にガイドすることができるとともに、筆記の際に邪魔にならずに作業性、快適性を妨げない。
【0084】
球体12を構成する材料は、上述したローラー11と同様の材料を用いることができる。
【0085】
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明はこれに限定されず、発明の趣旨を逸脱しない範囲で、種々に変更が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0086】
本発明によれば、回転体が回転することにより手のスライド方向をガイドすることにより、文字列が曲がらずにまっすぐに書くことを可能とする。これにより、本発明は、罫線がひかれていない用紙に文章を書く際の筆記補助具として利用可能である。
【符号の説明】
【0087】
1、1A~1E…筆記補助具
10…回転体
11…ローラー
11a…ローラー本体
11b…回転軸
12…球体
20…補助具本体
20a…凹部
20b…孔部
20c…段差
21…回転体支持部
21a…孔部
21b…回転軸
21c…孔部
30…装着部
31…固定部材
50…手
51…小指球
52…手首
60…用紙
61…筆記用具
62…文字列
A…矢印
B…矢印