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特開2022-63732軽量気泡コンクリートパネル用の穿孔装置
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  • 特開-軽量気泡コンクリートパネル用の穿孔装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022063732
(43)【公開日】2022-04-22
(54)【発明の名称】軽量気泡コンクリートパネル用の穿孔装置
(51)【国際特許分類】
   B28D 1/14 20060101AFI20220415BHJP
   B23Q 17/22 20060101ALI20220415BHJP
【FI】
B28D1/14
B23Q17/22 Z
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020172118
(22)【出願日】2020-10-12
(71)【出願人】
【識別番号】399117730
【氏名又は名称】住友金属鉱山シポレックス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【弁理士】
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【弁理士】
【氏名又は名称】林 一好
(72)【発明者】
【氏名】大金 康幸
(72)【発明者】
【氏名】今橋 嘉彦
【テーマコード(参考)】
3C029
3C069
【Fターム(参考)】
3C029AA31
3C069AA04
3C069BA09
3C069BC02
3C069CA10
3C069DA02
3C069EA03
(57)【要約】
【課題】埋込金物の深さ方向の位置のばらつきにかかわらず、適切な深さで穿孔を停止して、過切削による機器の損傷を防止することができる穿孔装置であって、尚且つ、ALCパネルを用いて行われる建設現場への導入が容易な、簡易な構成の穿孔装置を提供すること。
【解決手段】回転軸11の先端に切削刃12を有する穿孔具1と、回転軸11を軸回転させる駆動力を発現する動力源モーター2と、駆動力を穿孔具1に伝える、動力伝達部3と、を備え、動力伝達部3は、駆動用ベルト33によって、回転軸11を軸回転させるベルトドライブ方式の動力伝達機構からなり、駆動用ベルト33は、回転軸11に所定値以上のトルク負荷がかかった場合に、回転軸11と接する界面において滑りによる空回りが生じることによって、駆動力の一部又は全部の伝達が遮断されるように掛架されている、穿孔装置10とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
軽量気泡コンクリートパネル用の穿孔装置であって、
回転軸の先端に切削刃を有する穿孔具と、
前記回転軸を軸回転させる駆動力を発現する動力源モーターと、
前記駆動力を前記穿孔具に伝達する、動力伝達部と、
を備え、
前記動力伝達部は、駆動用ベルトによって、前記回転軸を軸回転させるベルトドライブ方式の動力伝達機構からなり、
前記駆動用ベルトは、前記回転軸から受けるトルク負荷が所定値以上となったときに、滑りによる空回りが生じることによって、前記駆動力の一部又は全部の伝達が遮断されるように掛架されている、
穿孔装置。
【請求項2】
前記トルク負荷が所定値以上となったときに、前記駆動力の一部又は全部の伝達を自動的に遮断する動力伝達遮断機構として、クラッチ又はトルクリミッタを更に備える、
請求項1に記載の穿孔装置。
【請求項3】
前記回転軸が該回転軸の水平位置を固定する回転軸保持部に保持されていて、
前記回転軸保持部は、前記回転軸の鉛直上下方向への動きに対して抵抗負荷を与えないように構成されている、
請求項1又は2に記載の穿孔装置。
【請求項4】
前記回転軸の鉛直上方への位置変位を感知する位置センサーを備える、
請求項1から3の何れかに記載の穿孔装置。
【請求項5】
請求項1から4の何れかに記載の穿孔装置を用いて軽量気泡コンクリートパネルの表面に穿孔する、
軽量気泡コンクリートパネルの穿孔方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、軽量気泡コンクリートパネル用の穿孔装置に関する。
【背景技術】
【0002】
プレキャスト型の建材として広く用いられている軽量気泡コンクリート(ALC)パネルには、予めパネルの内部に種々の埋込金物が埋め込まれている(特許文献1参照)。そして、ALCパネルを用いて行われる建設現場内においては、それらの埋込金物の開口部(ナット部分)を、パネルの表面に露出させるための穿孔加工が頻繁に行われている。
【0003】
しかしながら、ALCパネル内における埋込金物の深さ方向の位置は必ずしも設計値通りになってはおらず、通常、多少のばらつきがある。従って、埋込金物の深さ方向の位置が設計値よりも浅い場合には、穿孔装置の切削刃が埋込金物に衝突して埋込金物と穿孔装置双方が損傷するリスクがあった。一方で、埋込金物の深さ方向の位置が設計値よりも深い場合には、埋込金物の開口部の露出が不十分になるという不具合が発生することがあった。
【0004】
ALCパネル内における埋込金物の深さ方向の位置のばらつきに起因する設計値からの位置の誤差は、予め予想できるものでもなく、よって、この深さ方向の位置を、穿孔正確に検知することは、現状、公知の技術では不可能に近い。よって、ALCパネルへの上述の穿孔加工においては、穿孔装置の切削刃と金物との衝突によって、穿孔設備自体が破損することを避けるために、埋込金物に切削刃が到達する手前で安全幅分を残して穿孔を停止する加工法が専ら選択されていた。
【0005】
このように穿孔装置の切削刃が埋込金物に衝突することを回避することを企図する技術として、穿孔加工時の加工負荷を監視して、加工負荷と過負荷判定値との比較により工具の異常を判断する穿孔方法が知られている(特許文献2)。しかしながら、この方法によるとしても、穿孔装置の切削刃が埋込金物の先端に実際に接触するよりも手前で確実に動作を停止することは難しい。又、ALCパネルの穿孔加工はパネルの製造を行う工場内のみならず、個々の建築現場内でも行う必要があるため、その場合には、上記のような制御機構を備える高価な穿孔装置が使用できない場合も多く、より簡易で安価な装置で、同様の動作制御を行えるようにすることが求められていた。
【0006】
又、ALCパネルに埋設する埋込金物の先端部に予め空洞を生成しておくことにより、穿孔加工時の加工負荷が低下したことをもって穿孔装置の切削刃が空洞に達したことを検知して、これにより、穿孔装置の切削刃が埋込金物の先端に実際に接触するよりも手前で動作を停止する穿孔方法も提案されている(特許文献3)。しかしながら、この方法は、上記の「空洞」をALCパネルの製造段階で予め形成しておく特殊な加工を必須の要件とするプロセスであるため、特段の加工が施されていない汎用的なALCパネル全般に適用できる技術ではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2000-248636号公報
【特許文献2】特開平1-109009号公報
【特許文献3】特開2009-168768号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、ALCパネルに埋設されている埋込金物の開口部を、パネル表面に露出させるための穿孔加工において、埋込金物の深さ方向の位置のばらつきにかかわらず、適切な深さで穿孔を停止して、過切削による埋込金物や装置自体の損傷を防止することができる穿孔装置であって、パネルの製造を行う工場内での使用のみならず、ALCパネルを用いて行われる建設現場への導入も容易な、簡易な構成の穿孔装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、動力源モーターから穿孔具に軸回転力を伝達する動力伝達部をベルトドライブ方式によるものとし、所定値以上のトルク負荷がかかった場合に空回りが生じるように設計しておくことで、上記課題を解決し得ることに想到し、本発明を完成するに至った。具体的に、本発明は以下のものを提供する。
【0010】
(1) 軽量気泡コンクリートパネル用の穿孔装置であって、回転軸の先端に切削刃を有する穿孔具と、前記回転軸を軸回転させる駆動力を発現する動力源モーターと、前記駆動力を前記穿孔具に伝達する、動力伝達部と、を備え、前記動力伝達部は、駆動用ベルトによって、前記回転軸を軸回転させるベルトドライブ方式の動力伝達機構からなり、前記駆動用ベルトは、前記回転軸から受けるトルク負荷が所定値以上となったときに、滑りによる空回りが生じることによって、前記駆動力の一部又は全部の伝達が遮断されるように掛架されている、穿孔装置。
【0011】
(1)の穿孔装置によれば、ALCパネルに埋設されている埋込金物の開口部を、パネル表面に露出させるための穿孔加工において、埋込金物の深さ方向の位置のばらつきにかかわらず、適切な深さで穿孔を停止して、過切削による機器の損傷を防止することができる。又、複雑な電子制御等を必須とはしない構造であるため、ALCパネルを用いて行われる建設現場への導入も容易な、簡易な構成の穿孔装置とすることができる。
【0012】
(2) 前記トルク負荷が所定値以上となったときに、前記駆動力の一部又は全部の伝達を自動的に遮断する動力伝達遮断機構として、クラッチ又はトルクリミッタを更に備える、(1)に記載の穿孔装置。
【0013】
(2)の穿孔装置によれば、(1)の穿孔装置の動作中において、深さ方向への過切削による埋込金物の損傷を、最小限に止めることができる。
【0014】
(3) 前記回転軸が該回転軸の水平位置を固定する回転軸保持部に保持されていて、
前記回転軸保持部は、前記回転軸の鉛直上下方向への動きに対して抵抗負荷を与えないように構成されている、(1)又は(2)に記載の穿孔装置。
【0015】
(3)の穿孔装置によれば、何らかの理由で、(1)又は(2)の穿孔装置の備える上述の制御機構によって回転軸の軸回転が停止する前に、切削刃が埋込金物20に接触した時にも、切削刃及び回転軸の鉛直下方へのそれ以上の進行が止まるようにして、切削刃等の損傷を最小限に抑えることができる。
【0016】
(4) 前記回転軸の鉛直上方への位置変位を感知する位置センサーを備える、(1)から(3)の何れかに記載の穿孔装置。
【0017】
(4)の穿孔装置によれば、回転軸の異常な動きを検知した場合の緊急対応として、動力源モーター2の作動を停止させて、穿孔装置の動作中において、深さ方向への過切削による埋込金物の損傷を、より確実に最小限に止めることができる。
【0018】
(5) (1)から(4)の何れかに記載の穿孔装置を用いて軽量気泡コンクリートパネルの表面に穿孔する、軽量気泡コンクリートパネルの穿孔方法。
【0019】
(5)の軽量気泡コンクリートパネルの穿孔方法によれば、個々の建築現場内で行う軽量気泡コンクリートパネルの穿孔作業を、簡易で安価なことにより導入が容易な装置によって行うことができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、ALCパネルに埋設されている埋込金物の開口部を、パネル表面に露出させるための穿孔加工において、埋込金物の深さ方向の位置のばらつきにかかわらず、適切な深さで穿孔を停止して、過切削による埋込金物や装置自体の損傷を防止することができる穿孔装置であって、パネルの製造を行う工場内での使用のみならず、ALCパネルを用いて行われる建設現場への導入も容易な、簡易な構成の穿孔装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の軽量気泡コンクリートパネル用の穿孔装置の正面図である。
図2】本発明の軽量気泡コンクリートパネル用の穿孔装置の側面図である。
図3】本発明の軽量気泡コンクリートパネル用の穿孔装置の加工対象となる軽量気泡コンクリートパネルに埋設されている埋込金物の一例を示す斜視図である。
図4】本発明の軽量気泡コンクリートパネルの穿孔方法の実施態様を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の「軽量気泡コンクリートパネル用の穿孔装置」及び、それを用いて行われる「軽量気泡コンクリートパネルの穿孔方法」について、それぞれの好ましい実施形態について説明する。但し、本発明は、下記の実施形態に限定されるものではない。
【0023】
<軽量気泡コンクリートパネル用の穿孔装置>
図1及び図2に示す穿孔装置10は、本発明の軽量気泡コンクリート(ALC)パネル用の穿孔装置(以下、単に「穿孔装置」とも言う)の好ましい実施形態の一例である。上記各図に示される通り、穿孔装置10は、穿孔具1、動力源モーター2、及び、動力伝達部3を、少なくとも備えて構成される穿孔装置である。上記各構成要素は、全体構成として、取付け基板41、脚部44等からなる基板部4に接合されることによって一体化されていることが好ましい。
【0024】
[穿孔具]
穿孔具1は、図1及び図2に示すように、回転軸11と、その一方の先端に接合される切削刃12とを含んで構成される切削工具である。穿孔具1は、回転軸11を軸回転させながらALCパネルの表面に切削刃12を所定の力で押し付けることよって、ALCパネルの穿孔加工を行う。
【0025】
又、穿孔装置10において、穿孔具1は、その回転軸11が、図1及び図2に示すように、回転軸保持部42、43に保持されている。そして、これらの回転軸保持部42、43は、回転軸11の水平位置を固定するが、回転軸11の鉛直上下方向への動きに対して抵抗負荷を与えないように、つまり、回転軸11を、鉛直方向の動きについて拘束しない保持態様とされていることが好ましい。このような保持態様とすることで、穿孔作業時における切削刃12の進行方向(鉛直下方)には、穿孔具1の自重のみがかかるようになる。このような自由落下に近い保持態様とすることで、例えば、回転軸11の軸回転が停止する前に、切削刃12が埋込金物20に接触した時にも、切削刃12及び回転軸11の鉛直下方へのそれ以上の進行が止まって、埋込金物及び切削刃の損傷を最小限に抑えることができる。
【0026】
[動力源モーター]
動力源モーター2は、回転軸11を軸回転させる駆動力を発現することができるものであれば、特段の限定なく公知の電動モーターを用いることができる。
【0027】
[動力伝達部]
動力伝達部3は、動力源モーター2によって発現される駆動力を穿孔具1に伝達する、ベルトドライブ方式の動力伝達機構である。この動力伝達部3は、図1に示す通り、駆動用ローラー31、32と、駆動用ベルト33によって構成されている。動力源モーター2によって発現される上記の駆動力は、動力源モーター2の駆動軸21から、駆動用ローラー31、駆動用ベルト33、駆動用ローラー32を介して、穿孔具1の回転軸11に伝達される。
【0028】
穿孔装置10を構成する動力伝達部3は、穿孔作業の過程で、駆動用ベルト33が回転軸から受けるトルク負荷が、所定値以上となった場合、即ち、埋込金物20と切削刃12の先端が接触した場合等には、駆動用ベルト33と穿孔具1の回転軸11とが接する界面において、滑りによる空回りが生じることによって、駆動力の一部又は全部の伝達が遮断されるように駆動用ベルト33が掛架されている。
【0029】
所定値以上のトルク負荷に対して、駆動用ベルト33の滑りによるベルトドライブ方式の動力伝達機構の空回りが生じるようにするためには、例えば、駆動用ベルト33を、伸縮性を有するゴム材料等からなるものとし、駆動用ローラー31、32との間に掛架する際のゴム材料の引っ張りによって生じる張力を適切に設定することによって、空回りが生じるトルク負荷が任意の所定値となるように調整することができる。或いは、ベルトと駆動用ローラー31、32の間の摩擦力を適切に設定することによっても、上記の空回りが生じるトルク負荷が任意の所定値となるように調整することができる。
【0030】
又、動力伝達部3は、駆動用ベルト33の滑りによるベルトドライブ方式の動力伝達機構の空回りが生じる調整に加えて、更に、穿孔具1の回転軸11に所定値以上のトルク負荷がかかった場合に、駆動力の一部又は全部の伝達を自動的に遮断する動力伝達遮断機構(図示せず)を、備えるものとすることがより好ましい。この動力伝達遮断機構は、具体的に、上記のトルク負荷が所定値以上となった場合に駆動力の伝達を切断する、公知の機械的な機構である、クラッチ、或いは、トルクリミッタとすることができる。これらの動力伝達遮断機構が作動することとなるトルク負荷に係る上記の「所定値」は、駆動用ベルト33の滑りによるベルトドライブ方式の動力伝達機構の空回りが生じる上述のトルク値と、同等程度としておくことが好ましい。これにより、穿孔装置10の安全装置を冗長化することになり、動作中の安全性をより高めることができる。
【0031】
又、上記の動力伝達遮断機構は、動力源モーター2を電気的に制御する機構として当該機能を内蔵させることもできるが、より簡易な構成とするために、機械的な制御機構として、動力伝達部3に設置されていることが好ましい。これにより、動力伝達部3を構成するモーターの動力が比較的小さいときに、当該モーターが、切削抵抗や、鉛直方向への押込み力に耐えきれずに破損することも防ぐことができる。
【0032】
[その他の機構]
穿孔装置10には、更に、穿孔具1の回転軸11の鉛直上方への位置変位を感知する位置センサー(図示せず)を備えさせることができる。位置センサーは、例えば、回転軸11の頂部の位置の変動量や変動速度が規定の閾値を超えた場合に、緊急対応として、動力源モーター2の作動を停止させるようにすることで、穿孔装置10の動作の安全性を更に高めることができる。
【0033】
<軽量気泡コンクリートパネルの穿孔方法>
本発明の軽量気泡コンクリートパネルの穿孔方法は、例えば、図4に示す通り、ALCパネル30の内部に埋設されている埋込金物20の開口部の位置に合せて、当該ALCパネルの表面に穿孔する方法である。この軽量気泡コンクリートパネルの穿孔方法は、上記において詳細を説明した本発明の穿孔装置(穿孔装置10)を用いることによって、好ましい態様で行うことができる。
【0034】
<埋込金物>
尚、埋込金物20は、図3に示すように、埋込金物の本体201の開口部の周辺に、パネル製造時のスラリーの流入を防ぐためのキャップ203を装着したものであることが好ましい。埋込金物の本体201としては、予めALCパネル30等の内部に埋設した状態で、開口部(ナット部分)を、パネル表面に露出させて用いる金物であればよく、上述の特許文献1に開示されている埋込金物等を含め、その他公知の各種の埋込金物が得段の制限なく本発明の装置・方法による穿孔加工の適用対象となる。キャップ203は、穿孔が容易な樹脂製のものとすることが好ましいが、このキャップ部を異方性ゴムマグネット等、所謂ゴム磁石で形成することにより、磁気センサーで、埋込金物の水平位置を探索しやすいようにすることもできる。
【0035】
<軽量気泡コンクリートパネル(ALCパネル)>
尚、ALCパネル30については、埋込金物20を、パネル内に配設されている鉄筋301に固着した状態で、材料スラリーを注入して、発泡硬化させ、更に、所望時間経過後に、得られた半可塑性体を型枠から取り出して、ピアノ線等で所望厚さに切断し、オートクレーブに装入して、高温高圧で蒸気養生することにより得ることができる。
【符号の説明】
【0036】
1 穿孔具
11 回転軸
111 回転軸頂部
12 切削刃
10 穿孔装置
2 動力源モーター
21 駆動軸
3 動力伝達部
31、32 駆動用ローラー
33 駆動用ベルト
4 基板部
41 取付け基板
42、43 回転軸保持部
44 脚部
20 埋込金物
201 埋込金物の本体
202 磁気発生部
30 軽量気泡コンクリートパネル(ALCパネル)
301 鉄筋
図1
図2
図3
図4
【手続補正書】
【提出日】2021-12-20
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
軽量気泡コンクリートパネルに埋設されている埋込金物の開口部を、パネル表面に露出させるための穿孔加工を行う、軽量気泡コンクリートパネル用の穿孔装置であって、
回転軸の先端に切削刃を有する穿孔具と、
前記回転軸を軸回転させる駆動力を発現する動力源モーターと、
前記駆動力を前記穿孔具に伝達する、動力伝達部と、
を備え、
前記動力伝達部は、駆動用ベルトによって、前記回転軸を軸回転させるベルトドライブ方式の動力伝達機構からなり、
前記駆動用ベルトは、前記回転軸から受けるトルク負荷が所定値以上となったときに、前記駆動用ベルトと前記回転軸とが接する界面において、滑りによる空回りが生じることによって、前記駆動力の一部又は全部の伝達が遮断されるように掛架されている、
穿孔装置。
【請求項2】
前記駆動用ベルトが伸縮性を有するゴム材料からなる、
請求項1に記載の穿孔装置。
【請求項3】
前記トルク負荷が所定値以上となったときに、前記駆動力の一部又は全部の伝達を自動的に遮断する動力伝達遮断機構として、クラッチ又はトルクリミッタを更に備える、
請求項1又は2に記載の穿孔装置。
【請求項4】
前記回転軸が該回転軸の水平位置を固定する回転軸保持部に保持されていて、
前記回転軸保持部は、前記回転軸の鉛直上下方向への動きに対して抵抗負荷を与えないように構成されている、
請求項1から3の何れかに記載の穿孔装置。
【請求項5】
前記回転軸の鉛直上方への位置変位を感知する位置センサーを備える、
請求項1からの何れかに記載の穿孔装置。
【請求項6】
請求項1からの何れかに記載の穿孔装置を用いて軽量気泡コンクリートパネルの表面に穿孔する、
軽量気泡コンクリートパネルの穿孔方法。