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特開2022-63750コンクリート橋のプレキャスト床版への取替方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022063750
(43)【公開日】2022-04-22
(54)【発明の名称】コンクリート橋のプレキャスト床版への取替方法
(51)【国際特許分類】
   E01D 19/12 20060101AFI20220415BHJP
   E01D 22/00 20060101ALI20220415BHJP
【FI】
E01D19/12
E01D22/00 A
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020172146
(22)【出願日】2020-10-12
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-03-17
(71)【出願人】
【識別番号】593165487
【氏名又は名称】学校法人金沢工業大学
(71)【出願人】
【識別番号】505398952
【氏名又は名称】中日本高速道路株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000103769
【氏名又は名称】オリエンタル白石株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100120868
【弁理士】
【氏名又は名称】安彦 元
(74)【代理人】
【識別番号】100198214
【弁理士】
【氏名又は名称】眞榮城 繁樹
(72)【発明者】
【氏名】宮里 心一
(72)【発明者】
【氏名】稲葉 尚文
(72)【発明者】
【氏名】正司 明夫
(72)【発明者】
【氏名】武知 勉
(72)【発明者】
【氏名】福島 万貴
(72)【発明者】
【氏名】原 健悟
(72)【発明者】
【氏名】渡瀬 博
【テーマコード(参考)】
2D059
【Fターム(参考)】
2D059AA14
2D059GG39
2D059GG55
(57)【要約】
【課題】既存の主桁のスターラップなどの引張抵抗材を有効に定着するとともに、新設のプレキャスト床版と既存の主桁とを一体化することができるコンクリート橋のプレキャスト床版への取替方法を提供する。
【解決手段】コンクリート橋のRC床版をプレキャスト床版へ取り替えるコンクリート橋のプレキャスト床版への取替方法において、コンクリート橋のRC床版と接合する主桁の上部を斫り取ってスターラップなどの引張抵抗材の上部を露出させ、露出させた当該引張抵抗材を途中で切断して機械式定着手段で有効に定着した上、前記機械式定着手段にずれ止め手段を接続し、箱抜き孔を有するプレキャスト床版を前記主桁の上に載置して、前記ずれ止め手段を前記箱抜き孔に収容して充填材を充填させて硬化させ、前記プレキャスト床版と前記主桁とを一体化する。
【選択図】図12
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンクリート橋のRC床版をプレキャスト床版へ取り替えるコンクリート橋のプレキャスト床版への取替方法であって、
コンクリート橋のRC床版と接合する主桁の上部を斫り取ってスターラップなどの引張抵抗材の上部を露出させ、露出させた当該引張抵抗材を途中で切断して機械式定着手段で有効に定着した上、前記機械式定着手段にずれ止め手段を接続するとともに、箱抜き孔を有するプレキャスト床版を前記主桁の上に載置して、前記ずれ止め手段を前記箱抜き孔に収容して充填材を充填させて硬化させ、前記プレキャスト床版と前記主桁とを一体化すること
を特徴とするコンクリート橋のプレキャスト床版への取替方法。
【請求項2】
前記プレキャスト床版を前記主桁に載置した後に、前記機械式定着手段に接続された前記ずれ止め手段の頭部は、軸部に対して後付け可能に構成されており、
前記プレキャスト床版を前記主桁に載置した後に、前記ずれ止め手段の頭部を軸部に装着すること
を特徴とする請求項1に記載のコンクリート橋のプレキャスト床版への取替方法。
【請求項3】
前記機械式定着手段に接続された前記ずれ止め手段は、前記機械式定着手段に後付け可能に構成されており、
前記プレキャスト床版を前記主桁に載置した後に、前記ずれ止め手段を前記機械式定着手段に接続すること
を特徴とする請求項1に記載のコンクリート橋のプレキャスト床版への取替方法。
【請求項4】
前記ずれ止め手段は、前記機械式定着手段に接続されたものと、前記主桁にあと施工アンカーで接続されたものが併用されており、
前記プレキャスト床版を前記主桁に載置する前に、前記主桁の上面にあと施工アンカーを施工してずれ止め手段を前記主桁に固定すること
を特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のコンクリート橋のプレキャスト床版への取替方法。
【請求項5】
前記箱抜き孔には、前記プレキャスト床版の補強鉄筋が露出していること
を特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のコンクリート橋のプレキャスト床版への取替方法。
【請求項6】
露出した前記補強鉄筋は、ねじ式の機械式継手で接合されて脱着可能に構成されており、
前記プレキャスト床版を前記主桁に載置した後に、前記箱抜き孔に露出した補強鉄筋を装着すること
を特徴とする請求項5に記載のコンクリート橋のプレキャスト床版への取替方法。
【請求項7】
前記ずれ止め手段は、頭付きスタッドであること
を特徴とする請求項1に記載のコンクリート橋のプレキャスト床版への取替方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンクリート橋の現場打ちRC床版をプレキャスト床版へ取り替える取替方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
道路橋などの橋梁では、車両の通行による繰り返しの輪荷重によりコンクリート床版が損傷するために、一定期間が経過すると、橋桁から損傷した既設の古いRC床版を撤去して新たな床版に架け替えて更新することが行われている。また、近年、新たな床版をプレキャスト床版に更新することが行われている。プレキャスト床版は、周囲の環境が整った工場等で製造するために、高品質な製品を安定して供給することができ、且つ更新工事の工期が短くて済むからである。
【0003】
例えば、特許文献1には、T型合成桁のコンクリート橋の現場打ちRC床版をPC合成桁用プレキャスト床版に取り替えるPC合成桁用プレキャスト床版の取替方法が開示されている(特許文献1の明細書の段落[0034]~[0041]、図面の図5図14等参照)。
【0004】
しかし、特許文献1に記載のPC合成桁用プレキャスト床版の取替方法では、一体化された合成桁のRC床版との接合部分において、主桁3のズレ止め鉄筋12やスターラップ13を残置する必要るため、ブレーカーやウォータージェットなどの超高圧水で大量のコンクリートを斫らなければならず、作業時間がかかるという問題があった。
【0005】
また、特許文献1に記載のPC合成桁用プレキャスト床版の取替方法では、主桁上に配置されたズレ止め鉄筋12やスターラップ13を残置するため、プレキャスト床版に埋設された鋼板と鉄筋が干渉してしまい、適切な位置にプレキャスト床版を設置することが困難、または設置に時間がかかるという問題があった。
【0006】
その上、特許文献1に記載のPC合成桁用プレキャスト床版の取替方法では、PC合成桁用プレキャスト床版下にズレ止め鉄筋12やスターラップ13を定着するための空間と、その空間上部には横締めPC鋼材を配置するための床版厚さが必要となるため、更新後の床版の厚さが更新前より厚くなり、存置する主桁及び下部構造物に負担がかかるという問題もあった。
【0007】
このような問題を解決するべく、ズレ止め鉄筋やスターラップを途中で切断することも考えられる。しかし、道路示方書の考え方に従えば、合成桁の引張抵抗材であるスターラップは、トラス理論に基づいて設計する必要があり、圧縮弦材に定着されないと耐荷機構が成立せず、主桁のウェブ部分が有効に機能しなくなるという問題がある。このため、このような問題を解決して、合成桁からなるコンクリート橋のRC床版をプレキャスト床版へ取り替える際に、切断したスターラップを有効に定着させた上、RC床版をプレキャスト床版に更新する方法が切望されていた。
【0008】
また、合成床版をプレキャスト床版へ取り替えた場合、プレキャスト床版と主桁との一体化の手法が確立されておらす、プレキャスト床版までを含んで既存の主桁から床版上面まで全断面有効とすることができなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2019-132070号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
そこで、本発明は、前述した問題に鑑みて案出されたものであり、その目的とするところは、既存の主桁のスターラップなどの引張抵抗材を有効に定着するとともに、新設のプレキャスト床版と既存の主桁とを一体化することができるコンクリート橋のプレキャスト床版への取替方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
第1発明に係るコンクリート橋のプレキャスト床版への取替方法は、コンクリート橋のRC床版をプレキャスト床版へ取り替えるコンクリート橋のプレキャスト床版への取替方法であって、コンクリート橋のRC床版と接合する主桁の上部を斫り取ってスターラップなどの引張抵抗材の上部を露出させ、露出させた当該引張抵抗材を途中で切断して機械式定着手段で有効に定着した上、前記機械式定着手段にずれ止め手段を接続するとともに、箱抜き孔を有するプレキャスト床版を前記主桁の上に載置して、前記ずれ止め手段を前記箱抜き孔に収容して充填材を充填させて硬化させ、前記プレキャスト床版と前記主桁とを一体化すること
を特徴とする。
【0012】
第2発明に係るコンクリート橋のプレキャスト床版への取替方法は、第1発明において、前記プレキャスト床版を前記主桁に載置した後に、前記機械式定着手段に接続された前記ずれ止め手段の頭部は、軸部に対して後付け可能に構成されており、前記プレキャスト床版を前記主桁に載置した後に、前記ずれ止め手段の頭部を軸部に装着することを特徴とする。
【0013】
第3発明に係るコンクリート橋のプレキャスト床版への取替方法は、第1発明において、前記機械式定着手段に接続された前記ずれ止め手段は、前記機械式定着手段に後付け可能に構成されており、前記プレキャスト床版を前記主桁に載置した後に、前記ずれ止め手段を前記機械式定着手段に接続することを特徴とする。
【0014】
第4発明に係るコンクリート橋のプレキャスト床版への取替方法は、第1発明ないし第3発明のいずれかの発明において、前記ずれ止め手段は、前記機械式定着手段に接続されたものと、前記主桁にあと施工アンカーで接続されたものが併用されており、前記プレキャスト床版を前記主桁に載置する前に、前記主桁の上面にあと施工アンカーを施工してずれ止め手段を前記主桁に固定することを特徴とする。
【0015】
第5発明に係るコンクリート橋のプレキャスト床版への取替方法は、第1発明ないし第4発明のいずれかの発明において、前記箱抜き孔には、前記プレキャスト床版の補強鉄筋が露出していることを特徴とする。
【0016】
第6発明に係るコンクリート橋のプレキャスト床版への取替方法は、第5発明において、露出した前記補強鉄筋は、ねじ式の機械式継手で接合されて脱着可能に構成されており、前記プレキャスト床版を前記主桁に載置した後に、前記箱抜き孔に露出した補強鉄筋を装着することを特徴とする。
【0017】
第7発明に係るコンクリート橋のプレキャスト床版への取替方法は、第1発明において、前記ずれ止め手段は、頭付きスタッドであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
第1発明~第7発明によれば、コンクリート橋の主桁のスターラップなどの引張抵抗材を有効に定着して、古くなって損傷した既存のRC床版を新設の高品質なプレキャスト床版へ取り替えることができる。このため、既存のコンクリート橋を安価に且つ短期間で更新することができ、既存のコンクリート橋を適切にメンテナンスして長寿命化を達成することができる。
【0019】
また、第1発明~第7発明によれば、新設のプレキャスト床版と既存の主桁とを一体化することができ、プレキャスト床版を含んだ合成断面で外力に対抗できるため、新設するプレキャスト床版の厚さを低減して既存の主桁の長寿命化及び耐久性を向上させることができる。
【0020】
特に、第2発明及び第3発明によれば、径の大きなずれ止め手段の頭部を後付けすることができ、寸法誤差があった場合でもプレキャスト床版を主桁に載置することが容易となる。
【0021】
特に、第4発明によれば、主桁にあと施工アンカーでずれ止め手段を追加することができ、必要なずれ止め手段の数を確保することが容易となる。
【0022】
特に、第5発明によれば、スターラップなどの引張抵抗材と連続するずれ止め手段を新設のプレキャスト床版の箱抜き孔を貫通する補強鉄筋の近傍に設置することが可能となり、既存の主桁を新設のプレキャスト床版と強固に一体化することができる。
【0023】
特に、第6発明によれば、寸法誤差により、箱抜き孔を貫通する補強鉄筋と引張抵抗材と連続するずれ止め手段が干渉し、プレキャスト床版を主桁の上に載置できなくなる事態を防ぐことができる。
【0024】
特に、第7発明によれば、鋼桁とのプレキャスト床版との一体化に実績のある頭付きスタッドで、既存の主桁と新設のプレキャスト床版との一体化を達成することができ、より安全性や信頼性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1図1は、本発明の実施形態に係るコンクリート橋のプレキャスト床版への取替方法を適用する橋梁を橋軸直角方向に鉛直に切断した状態を示す鉛直横断面図である。
図2図2は、図1のA部拡大図である。
図3図3は、本発明の実施形態に係るコンクリート橋のプレキャスト床版への取替方法の床版撤去工程を橋軸直角方向Yに沿って切断した全体横断面図で示す工程説明図である。
図4図4は、本発明の実施形態に係るコンクリート橋のプレキャスト床版への取替方法の主桁上部斫り工程を図2と同様に拡大断面図で示す工程説明図であり、(a)が主桁上部斫り工程前を示し、(b)が主桁上部斫り工程後を示している。
図5図5は、本発明の実施形態に係るコンクリート橋のプレキャスト床版への取替方法の不陸調整工程を図4のB部を拡大した拡大断面図で示す工程説明図である。
図6図6は、本発明の実施形態に係るコンクリート橋のプレキャスト床版への取替方法の引張抵抗材定着工程を示す拡大断面図である。
図7図7は、第2実施形態に係る機械式定着手段を用いて、引張抵抗材定着工程を行う場合を示す工程説明図である。
図8図8は、第3実施形態に係る機械式定着手段を用いて、引張抵抗材定着工程を行う場合を示す工程説明図である。
図9図9は、本発明の実施形態に係るコンクリート橋のプレキャスト床版への取替方法のずれ止め手段接続工程を示す拡大断面図である。
図10図10は、本発明の実施形態に係るコンクリート橋のプレキャスト床版への取替方法のずれ止め手段接続工程で接続する変形例に係るずれ止め手段を示す拡大断面図である。
図11図11は、本発明の実施形態に係るコンクリート橋のプレキャスト床版への取替方法のずれ止め手段増設工程を示す拡大断面図である。
図12図12は、本発明の実施形態に係るコンクリート橋のプレキャスト床版への取替方法のプレキャスト床版載置工程を橋軸直角方向Yに沿って切断した全体横断面図で示す工程説明図である。
図13図13は、本発明の実施形態に係るコンクリート橋のプレキャスト床版への取替方法のプレキャスト床版載置工程を平面図で示す工程説明図である。
図14図14は、同上のプレキャスト床版載置工程で載置するプレキャスト床版5の箱抜き孔50の他の例を示す部分拡大平面図である。
図15図15は、本発明を箱桁橋に適用した場合の工程説明図であり、(a)が更新前、(b)が床版撤去時、(c)が更新後を示している。
図16図16は、本発明を中空床版(ホロースラブ)の床版橋に適用した場合の工程説明図であり、(a)が更新前、(b)が床版撤去時、(c)が更新後を示している。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明に係るコンクリート橋のプレキャスト床版への取替方法を実施するための一実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0027】
図1図16を用いて、本発明の実施形態に係るコンクリート橋のプレキャスト床版への取替方法について説明する。本発明の実施形態に係るコンクリート橋のプレキャスト床版への取替方法を適用する橋梁としてT桁橋を例示して説明する。
【0028】
<橋梁>
先ず、図1図2を用いて、本発明の実施形態に係るコンクリート橋のプレキャスト床版への取替方法を適用する橋梁について簡単に説明する。図1は、本発明の実施形態に係るコンクリート橋のプレキャスト床版への取替方法を適用する橋梁を橋軸直角方向に鉛直に切断した状態を示す鉛直横断面図であり、図2は、図1のA部拡大図である。
【0029】
本発明を適用する橋梁B1は、道路橋として使用される鉄筋コンクリート造(RC造)の橋梁であり、図1図2に示すように、4本の鉄筋コンクリート製(プレストレストコンクリート製の主桁を含む。以下同じ)の主桁であるT桁G1~G4と、これらのT桁G1~G4の上部と接合された合成床版である現場打ちのRC床版F1など、から構成されている。また、RC床版F1の両脇の縁沿いには、壁高欄W1と車止めとして地覆部W2が形成されている。但し、壁高欄W1、地覆部W2の上方に設置される施設やアスファルト舗装等は、必ずしも設置しないので省略している。
【0030】
なお、図中のX方向は、橋梁B1のT桁G1~G4の軸方向に沿った橋軸方向を指し、Y方向は、橋梁B1の橋軸方向X直交する水平方向である橋軸直角方向を指している。また、Z方向は、鉛直方向である上下方向を指している。
【0031】
また、図2に示すように、T桁G2(G1,G3,G4)の引張抵抗材であるスターラップSrは、上部がRC床版F1まで延び、フック付きの定着長さを確保してRC床版F1の主桁上部F1a内に定着されている。また、橋梁B1のT桁G2と接合する主桁上部F1aには、コの字状のずれ止め鉄筋S1が配筋されている。そして、RC床版F1のハンチ部分には、T桁G2まで連続する斜筋S2が配筋されている。このように、橋梁B1は、T桁G2とRC床版F1とが一体となって外力に対抗する現場製作の合成桁橋である。
【0032】
次に、図3図9を用いて、本発明の実施形態に係るコンクリート橋のプレキャスト床版への取替方法の具体的な手順について説明する。
【0033】
(床版撤去工程)
図3は、本発明の実施形態に係るコンクリート橋のプレキャスト床版への取替方法の床版撤去工程を橋軸直角方向Yに沿って切断した全体横断面図で示す工程説明図である。先ず、本実施形態に係るコンクリート橋のプレキャスト床版への取替方法では、図3に示すように、RC床版F1を切断撤去する床版撤去工程を行う。
【0034】
具体的には、ウォールソーやダイヤモンドカッターなどと呼ばれる大型の回転切削装置を用いて、図中の▽で示すT桁G1~G4の脇のRC床版F1を橋軸方向X沿って切断するとともに、RC床版F1を橋軸直角方向Yに沿って切断し、RC床版F1を小分けにする。その後、クレーンなどの揚重機で揚重して小分けにしたRC床版F1を搬出し、別の場所でブレーカー等を用いてコンクリートを砕いて解体撤去する。
【0035】
(主桁上部斫り工程)
図4は、本発明の実施形態に係るコンクリート橋のプレキャスト床版への取替方法の主桁上部斫り工程を図2と同様に拡大断面図で示す工程説明図であり、(a)が主桁上部斫り工程前を示し、(b)が主桁上部斫り工程後を示している。次に、本実施形態に係るコンクリート橋のプレキャスト床版への取替方法では、図4に示すように、橋梁B1のRC床版F1の主桁上部F1aを斫り取る桁上部斫り工程を行う。
【0036】
具体的には、ウォータージェットなどの斫り装置を用いて、T桁G1~G4以外の前床版撤去工程で撤去したRC床版F1の残部である主桁上部F1aのコンクリートを斫り取るとともに、内部補強鉄筋も切断して撤去する。但し、図4に示すように、スターラップSrは、後述の機械式定着手段を取り付けるのに必要な所定の長さ(実施形態では50mm~100mm程度)だけ上部を残して露出させ、残りは取替作業に支障のある他の内部補強鉄筋と一緒に撤去する。
【0037】
なお、ずれ止め鉄筋S1や斜筋S2の切断後の外部に露出する端面は、防錆樹脂を塗布するなど防錆上の端面処理を施す。
【0038】
また、この時点ではトラス理論における引張抵抗材が連続しないため、せん断、ねじりに対しては、後述のプレキャスト床版5を含む合成断面ではなく、図4に示すT桁G2(G1,G3,G4)の断面で照査する。後述するずれ止め手段接続工程を経てプレキャスト床版5と一体化したのちは、トラス理論における引張抵抗材が連続するため、合成断面で照査する。計算上強度が不足する場合は、炭素繊維をT桁G2のウェブ部外面に接着するなどして対応する。また、適宜プレストレスを導入してもよい。
【0039】
(不陸調整工程)
図5は、本発明の実施形態に係るコンクリート橋のプレキャスト床版への取替方法の不陸調整工程を図4のB部を拡大した拡大断面図で示す工程説明図である。次に、本実施形態に係るコンクリート橋のプレキャスト床版への取替方法では、図5に示すように、T桁G1~G4の上面を不陸調整材Pで平滑となるように不陸調整する不陸調整工程を行う。
【0040】
具体的には、前主桁上部斫り工程で斫り取って凹凸が形成されたT桁G2上面を清掃して、コンクリート用のプライマーを塗布した上、少なくとも露出させたスターラップSrの周囲のT桁G1~G4の上面にパテ状の不陸調整材Pを塗布して平滑となるように不陸調整する。
【0041】
プライマーとしては、エポキシ系プライマー、アクリル系プライマー、ウレタン系プライマー等が挙げられる。また、不陸調整材Pは、無機系、有機系(例えば、エポキシ系、アクリル系、ウレア系、ウレタン系)、樹脂モルタルなど、が挙げられる。しかし、本発明に用いる不陸調整材は、所定の粘度を有し、コンクリートにプライマーを介して接着可能なパテ状のものであれば、適用することができる。
【0042】
また、本工程でスターラップSrの周囲だけでなく、T桁G1~G4の上面全面を平滑にしても構わない。後工程であるプレキャスト床版設置工程の実行が容易となるからである。但し、本工程は、実施せず、次工程をいきなり行うことも可能である。不陸調整を行わなくても次工程を実行すればスターラップSrの定着は可能だからであ
【0043】
(引張抵抗材定着工程)
図6は、本発明の実施形態に係るコンクリート橋のプレキャスト床版への取替方法の引張抵抗材定着工程を示す拡大断面図である。次に、本実施形態に係るコンクリート橋のプレキャスト床版への取替方法では、引張抵抗材であるスターラップSrに、図6に示す第1実施形態に係る機械式定着手段1を固着して引張抵抗材が材軸方向にずれないように定着する引張抵抗材定着工程を行う。
【0044】
具体的には、図6に示すように、前主桁上部斫り工程で残置したスターラップSrのT桁G1~G4の主桁上露出部分に円筒鋼材P1を外嵌して油圧装置などでかしめて圧着する。つまり、第1実施形態に係る機械式定着手段1は、引張抵抗材である異形鋼棒(鉄筋)に円筒鋼材P1を圧着する鋼管圧着式の鉄筋定着手段である。勿論、圧着する鋼材は、円筒状に限られず、ナットのような多角形の筒状体や角筒状の鋼材であっても構わない。
【0045】
次に、図6の実施形態とは別の第2実施形態に係る機械式定着手段2を用いて、引張抵抗材定着工程を行う場合について説明する。図7は、第2実施形態に係る機械式定着手段を用いて、引張抵抗材定着工程を行う場合を示す工程説明図である。図7に示すように、本工程では、前主桁上部斫り工程で残置したスターラップSrのT桁G1~G4の主桁上露出部分に円筒鋼材P2を外嵌して、円筒鋼材P2とスターラップSrとの間の隙間にクサビK1を打ち込んで固定する。つまり、第2実施形態に係る機械式定着手段2は、引張抵抗材である異形鋼棒(鉄筋)に円筒鋼材P2をクサビK1を用いて固定するクサビ定着式の鉄筋定着手段である。
【0046】
次に、第3実施形態に係る機械式定着手段3を用いて、引張抵抗材定着工程を行う場合について説明する。図8は、第3実施形態に係る機械式定着手段を用いて、引張抵抗材定着工程を行う場合を示す工程説明図である。図8に示すように、本工程では、前主桁上部斫り工程で残置したスターラップSrのT桁G1~G4の主桁上露出部分の外周面にねじ溝を切削し、そのねじ溝と螺合する長ナットP3をねじ止めする。つまり、第3実施形態に係る機械式定着手段3は、引張抵抗材である異形鋼棒(鉄筋)に長ナットP3を螺合するねじ定着式の鉄筋定着手段である。勿論、長ナットの形状等は、特に限定されるものではなく、内周面に切削したねじ溝と螺合するねじ山が形成された筒状体とすることができる。
【0047】
以上、引張抵抗材であるスターラップSrの定着手段として、第1~第3実施形態に係る機械式定着手段1~3を例示して説明したが、本発明に適用可能なその他の機械式定着手段としては、スターラップに筒状鋼材を外嵌してその間に経時硬化材からなる充填材を充填硬化させて定着する機械式定着手段、又は、これらの機械式定着手段1~3と充填材の組み合せた機械式定着手段とすることもできる。なお、この経時硬化材からなる充填材は、前述の不陸調整材Pと同様に、無機系、有機系(例えば、エポキシ系、アクリル系、ウレア系、ウレタン系)、樹脂モルタルなど、を採用することができる。
【0048】
要するに、本発明に適用可能な機械式定着手段は、鋼材の径より拡大した部分を有し、鋼材の軸方向に作用する引張力に対抗してコンクリートとの付着力を高める定着体が強固に固着された機械式定着であればよい。
【0049】
(ずれ止め手段接続工程)
図9は、本発明の実施形態に係るコンクリート橋のプレキャスト床版への取替方法のずれ止め手段接続工程を示す拡大断面図である。次に、本実施形態に係るコンクリート橋のプレキャスト床版への取替方法では、前引張抵抗材定着工程でスターラップSrに固着した機械式定着手段1,3にスタッド部を接続するずれ止め手段接続工程を行う。
【0050】
具体的には、図9に示すように、引張抵抗材定着工程と同時並行に、前主桁上部斫り工程で残置したスターラップSrのT桁G1~G4の主桁上露出部分にずれ止め手段Z1が接続された円筒鋼材P4を外嵌して油圧装置などでかしめて圧着する。
【0051】
図9に示すように、図示形態では、ずれ止め手段Z1は、頭付きスタッドSJ(スタッドジベル)となっており、この頭付きスタッドSJが、円筒鋼材P4に後付け可能に(脱着可能に)螺合されている。
【0052】
なお、このように、ずれ止め手段Z1として頭付きスタッドSJで、鋼桁とのプレキャスト床版との一体化に実績のある頭付きスタッドで、既存の主桁G1~G4と新設のプレキャスト床版5との一体化を達成することができ、より安全性や信頼性が向上する。
【0053】
図10は、本発明の実施形態に係るコンクリート橋のプレキャスト床版への取替方法のずれ止め手段接続工程で接続する変形例に係るずれ止め手段Z2を示す拡大断面図である。変形例に係るずれ止め手段Z2としては、図10に示すように、円筒鋼材P5に固着されたネジ付き鋼棒からなる軸部Sbに頭部Shが後付け可能に螺着された構成としても構わない。このように、頭部Shを脱着式の後付け可能な構成とすることにより、大径の頭部Shとしても後述の狭い露出鉄筋51間に設置することが可能となる。
【0054】
勿論、前述の機械式定着手段3の長ナットP3に、ずれ止め手段Z1に螺合される構成や変形例に係るずれ止め手段Z2が固着される構成であっても構わない。
【0055】
(ずれ止め手段増設工程)
図11は、本発明の実施形態に係るコンクリート橋のプレキャスト床版への取替方法のずれ止め手段増設工程を示す拡大断面図である。次に、本実施形態に係るコンクリート橋のプレキャスト床版への取替方法では、主桁の上面にあと施工アンカーを施工してずれ止め手段を主桁に固定するずれ止め手段増設工程を行う。
【0056】
本工程は、スターラップSrなどの引張抵抗材に接続するずれ止め手段Z1(Z2)だけでは、プレキャスト床版5との一体化に必要なずれ止め手段が不足する場合に行う。具体的には、削孔機で主桁であるT桁G1~4の上面にアンカー用の孔を削孔し、あと施工アンカー7を打設し、ずれ止め手段Z3であるスタッドボルトSJ’をT桁G1~G4に固定する。スタッドボルトSJ’は、図11に示すように、後述の箱抜き孔に一緒に収容されるように、引張抵抗材に接続するずれ止め手段Z1に並設される。
【0057】
なお、あと施工アンカーは、無機質のセメント系主剤ペースト化した活性化液を一定比率でガラス管容器に収容した無機系の接着系アンカーが好ましい。無機系の接着系アンカーは、揮発性有機化合物(VOC)を原料に含まず、周囲の温度環境によらず所定の強度を発揮できるからである。勿論、機械式など他のあと施工アンカーで施工してもよいことは云うまでもない。
【0058】
(プレキャスト床版載置工程)
図12は、本発明の実施形態に係るコンクリート橋のプレキャスト床版への取替方法のプレキャスト床版載置工程を橋軸直角方向Yに沿って切断した全体横断面図で示す工程説明図であり、図13は、本発明の実施形態に係るコンクリート橋のプレキャスト床版への取替方法のプレキャスト床版載置工程を平面図で示す工程説明図である。また、図14は、同プレキャスト床版載置工程で載置するプレキャスト床版5の箱抜き孔50の他の例を示す部分拡大平面図である。次に、本実施形態に係るコンクリート橋のプレキャスト床版への取替方法では、主桁の上にプレキャスト床版を載置するプレキャスト床版載置工程を行う。
【0059】
本工程で用いるプレキャスト床版5は、前述のずれ止め手段Z1と一体化するため箱抜き孔50が設けられている。この箱抜き孔50は、図12に示すように、プレキャスト床版5を上下に貫通する貫通孔であり、プレキャスト床版5に作用する曲げ応力でずれ止め部分が引き抜けないように、上方に行くに従って拡がるテーパーが形成されている。但し、この箱抜き孔50は、場合によっては、上面が閉塞された孔とすることもできる。
【0060】
また、この箱抜き孔50は、図14に示すように、プレキャスト床版5の上端筋及び下端筋の主筋である鉄筋の一部が露出鉄筋51して孔内に露出している。トラス理論に基づいてスターラップSrと連続するずれ止め手段Z1のなるべく近傍に軸方向鉄筋及びこれと直交する鉄筋を配置するためである。
【0061】
本工程では、具体的には、クレーンなどの揚重機を用いてT桁G1~G4上にプレキャスト床版5をずれ止め手段が箱抜き孔50に収容されるように載置する。このとき、本実施形態に係るコンクリート橋のプレキャスト床版への取替方法では、後付け可能な頭付きスタッドSJや頭部Shは、取り外しておき、プレキャスト床版5を載置した後に、装着する。径の大きな頭部Sh等があると寸法誤差により箱抜き孔50内の露出鉄筋と干渉して設置できなかったり、設置するのに多大な時間を要したりするおそれがあるからである。
【0062】
また、図示しないが、箱抜き孔50の露出鉄筋51は、ねじ式の機械式継手で接合されて脱着可能に構成すると好ましい。プレキャスト床版5を主桁であるT桁G1~G4に載置した後に、箱抜き孔50に露出鉄筋を装着することで、本工程におけるずれ止め手段Z1と露出鉄筋の干渉を無くして、本工程の作業時間を短縮することができるからである。
【0063】
なお、図14に示すように、本実施形態に係るコンクリート橋のプレキャスト床版への取替方法では、前述の機械式定着手段1~3でスターラップSrなどの引張対抗材を定着するだけでスタッド部を形成しない箇所、前述のように機械式定着手段1,3にずれ止め手段Z1を接続する箇所、及びあと施工アンカーでずれ止め手段を増設した箇所を主桁であるT桁G1~4のスターラップSrの位置や構造計算等により適宜混在させることができる。このため、既存のT桁G1~4の配筋状況や寸法誤差にも対応することができる。
【0064】
そして、本工程では、プレキャスト床版5とT桁G1~G4との間及び箱抜き孔50に無収縮モルタルなどの充填材Mを充填して硬化させ、プレキャスト床版5と主桁G1~G4とを一体化する。本工程の終了により本実施形態に係るコンクリート橋のプレキャスト床版への取替方法によるプレキャスト床版への更新作業が完了する。
【0065】
以上述べた本発明の実施形態に係るコンクリート橋のプレキャスト床版への取替方法によれば、橋梁B1の主桁であるT桁G1~G4のスターラップSrを機械式定着手段1~3等で有効に定着して、古くなって損傷した既存のRC床版F1を新設の高品質なプレキャスト床版5へ取り替えることができる。このため、既存のコンクリート橋である橋梁B1の床版を安価に且つ短期間で更新することができ、適切にメンテナンスして橋梁B1の長寿命化を達成することができる。
【0066】
また、本実施形態に係るコンクリート橋のプレキャスト床版への取替方法によれば、新設のプレキャスト床版5と既存の主桁であるT桁G1~G4とを一体化することができ、プレキャスト床版5を含んだ合成断面で外力に対抗できるため、新設するプレキャスト床版5の厚さを低減して既存のT桁G1~G4の長寿命化及び耐久性を向上させることができる。
【0067】
その上、本実施形態に係るコンクリート橋のプレキャスト床版への取替方法によれば、径の大きなずれ止め手段の頭部を後付けすることができ、寸法誤差により箱抜き孔50内の露出鉄筋51と干渉して設置できなかったり、設置するのに多大な時間を要したりすることを防止して、プレキャスト床版5をT桁G1~G4に載置することが容易となる。
【0068】
それに加え、本実施形態に係るコンクリート橋のプレキャスト床版への取替方法によれば、T桁G1~G4にあと施工アンカーでずれ止め手段を追加することができ、必要なずれ止め手段の数を確保することが容易となる。
【0069】
さらに、本実施形態に係るコンクリート橋のプレキャスト床版への取替方法によれば、スターラップSrなどの引張抵抗材と連続するずれ止め手段を新設のプレキャスト床版5の箱抜き孔50を貫通する補強鉄筋51の近傍に設置することが可能となり、既存の主桁(T桁G1~G4)を新設のプレキャスト床版5と強固に一体化することができる。
【0070】
以上、本発明の実施形態に係るコンクリート橋のプレキャスト床版への取替方法について詳細に説明したが、前述した又は図示した実施形態は、いずれも本発明を実施するにあたって具体化した一実施形態を示したものに過ぎない。よって、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。
【0071】
特に、本発明を適用する橋梁としてT桁橋を例示して説明したが、T桁橋に限られない。例えば、図15に示すように、本発明は、箱桁橋のコンクリート床版のプレキャスト床版への更新にも適用することができる。また、図16に示すように、本発明は、中空床版(ホロースラブ)を有する床版橋のコンクリート床版のプレキャスト床版への更新にも適用することができる。要するに、本発明は、コンクリート橋のRC床版をプレキャスト床版へ取り替える際には、適用することができる。
【符号の説明】
【0072】
1,2,3:機械式定着手段
P1:円筒鋼材
P2:円筒鋼材
K1:クサビ
P3:長ナット
M:充填材
P:不陸調整材
5:プレキャスト床版
50:箱抜き孔
51:露出鉄筋
6:あと施工アンカー
Z1,Z2,Z3:ずれ止め手段
P4,P5:円筒鋼材
SJ:頭付きスタッド
SJ’:スタッドボルト
Sb:軸部
Sh:頭部
B1:橋梁
G1~G4:T桁(主桁)
S1:ずれ止め鉄筋
S2:斜筋
Sr:スターラップ(引張抵抗材)
F1:RC床版
F1a:主桁上部
W1:壁高欄
W2:地覆部
P1:舗装
W1,W2:地覆部
X:橋軸方向
Y:橋軸直角方向
Z:上下方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
【手続補正書】
【提出日】2020-12-14
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項1
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項1】
コンクリート橋のRC床版をプレキャスト床版へ取り替えるコンクリート橋のプレキャスト床版への取替方法であって、
コンクリート橋のRC床版と接合する主桁の上部を斫り取って鉄筋からなる引張抵抗材の上部を露出させ、露出させた当該引張抵抗材を途中で切断して機械式定着手段を切断した前記引張抵抗材に固着して前記引張抵抗材が材軸方向にずれないように定着した上、前記機械式定着手段にずれ止め手段を接続するとともに、箱抜き孔を有するプレキャスト床版を前記主桁の上に載置して、前記ずれ止め手段を前記箱抜き孔に収容して充填材を充填させて硬化させ、前記プレキャスト床版と前記主桁とを一体化すること
を特徴とするコンクリート橋のプレキャスト床版への取替方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0011】
第1発明に係るコンクリート橋のプレキャスト床版への取替方法は、コンクリート橋のRC床版をプレキャスト床版へ取り替えるコンクリート橋のプレキャスト床版への取替方法であって、コンクリート橋のRC床版と接合する主桁の上部を斫り取って鉄筋からなる引張抵抗材の上部を露出させ、露出させた当該引張抵抗材を途中で切断して機械式定着手段を切断した前記引張抵抗材に固着して前記引張抵抗材が材軸方向にずれないように定着した上、前記機械式定着手段にずれ止め手段を接続するとともに、箱抜き孔を有するプレキャスト床版を前記主桁の上に載置して、前記ずれ止め手段を前記箱抜き孔に収容して充填材を充填させて硬化させ、前記プレキャスト床版と前記主桁とを一体化することを特徴とする。