(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022063788
(43)【公開日】2022-04-22
(54)【発明の名称】トング
(51)【国際特許分類】
A47J 43/28 20060101AFI20220415BHJP
A47G 21/10 20060101ALI20220415BHJP
【FI】
A47J43/28
A47G21/10 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020172209
(22)【出願日】2020-10-12
(71)【出願人】
【識別番号】520132702
【氏名又は名称】溝上 圭
(71)【出願人】
【識別番号】520132713
【氏名又は名称】小長井 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100218062
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 悠樹
(74)【代理人】
【識別番号】100093230
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 利夫
(72)【発明者】
【氏名】溝上 圭
(72)【発明者】
【氏名】小長井 篤
【テーマコード(参考)】
3B115
4B053
【Fターム(参考)】
3B115AA13
3B115AA23
3B115BA05
3B115DA09
3B115DA17
3B115DB07
3B115EA09
4B053AA03
4B053CA13
(57)【要約】
【課題】対象物を掴みやすくする。
【解決手段】可燃性の素材で形成された一連の部材からなり、対象物を挟むための第1把持部および第2把持部と、前記第1把持部と前記第2把持部とを相互に反対側に位置するように連結する連結部とを具備し、前記連結部の表面には、前記第1把持部と前記第2把持部と前記連結部とが配列する第1方向に交差する第2方向に沿う複数の溝部が形成され、前記複数の溝部は、2個の第1溝部と、当該第1溝部の間に位置し、当該第1溝部よりも長さが短い2個の第2溝部と含み、前記各溝部に沿って当該溝部が内側に位置するように屈曲されるトング。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
可燃性の素材で形成された一連の部材からなり、
対象物を挟むための第1把持部および第2把持部と、
前記第1把持部と前記第2把持部とを相互に反対側に位置するように連結する連結部とを具備し、
前記連結部の表面には、前記第1把持部と前記第2把持部と前記連結部とが配列する第1方向に交差する第2方向に沿う複数の溝部が形成され、
前記複数の溝部は、2個の第1溝部と、当該第1溝部の間に位置し、当該第1溝部よりも長さが短い2個の第2溝部と含み、
前記各溝部に沿って当該溝部が内側に位置するように屈曲される
トング。
【請求項2】
前記第1把持部および前記第2把持部の各々は、前記連結部とは反対側の端部に向かって幅が小さくなるテーパー形状の部分を含む
請求項1のトング。
【請求項3】
前記第1把持部および前記第2把持部の各々には、前記複数の溝部が形成される側と同じ側の表面に前記第2方向に沿う1個以上の第3溝部が形成される
請求項1または請求項2のトング。
【請求項4】
前記第1溝部と当該第1溝部に隣り合う前記第2溝部との間隔は、前記2個の第2溝部の間隔よりも狭い
請求項1から請求項3の何れかのトング。
【請求項5】
前記第1把持部および前記第2把持部の各々の表面には、前記連結部と前記第3溝部との間において、当該連結部から当該第3溝部に向かって延在する2個の第4溝部が形成され、
前記各第4溝部は、前記部材における第1方向に平行な中心線を挟んで相互に反対側に位置し、
前記各第4溝部に沿って当該第4溝部が内側または外側に位置するように屈曲される
請求項1から請求項4の何れかのトング。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トングに関する。
【背景技術】
【0002】
食品を把持するためのトングが従来から提案されている。例えば、プラスチックや金属製のトングがある。しかし、プラスチックや金属製のトングは、洗浄をすることで繰り返し使用することが前提となるため、衛生面に問題があった。そこで、衛生面を考慮して、使い捨てが可能な紙製のトングが提案されている。例えば特許文献1には、一枚の紙からなるトングが開示されている。トングは、食品を挟むための一対の挟持部と、当該一対の挟持部の間に位置する連設部とを含む。連設部には、所定の間隔を空けて相互に平行に複数の曲げ返し線が形成される。複数の曲げ返し線の各々を中心にトングが折り曲がる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の技術では、各曲げ返し線を中心に発生する反発力(一対の挟持部が相互に離れる方向に動く力)を利用して食品を挟んで掴むことを可能にする。しかし、食品を挟みやすくするという観点から改善の余地がある。以上の事情を考慮して、本発明では、対象物を掴みやすくすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の課題を解決するため、本発明のトングは、可燃性の素材で形成された一連の部材からなり、対象物を挟むための第1把持部および第2把持部と、前記第1把持部と前記第2把持部とを相互に反対側に位置するように連結する連結部とを具備し、前記連結部の表面には、前記第1把持部と前記第2把持部と前記連結部とが配列する第1方向に交差する第2方向に沿う複数の溝部が形成され、前記複数の溝部は、2個の第1溝部と、当該第1溝部の間に位置し、当該第1溝部よりも長さが短い2個の第2溝部と含み、前記各溝部に沿って当該溝部が内側に位置するように屈曲される。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】実施形態に係るトング(使用前)の平面図である。
【
図2】実施形態に係るトング(使用前)の断面図である。
【
図3】実施形態に係るトングの使用例を示す斜視図である。
【
図4】実施形態に係る他の態様のトングの使用例を示す斜視図である。
【
図5】実施形態に係るトングを置いた状態を表す図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明に係るトング100は、対象物(典型的には食品)を挟んで掴むために使用される道具である。具体的には、トング100は、可燃性の素材で形成された一連の部材(以下「基体部材」という)10からなる。本実施形態において、紙を可燃性の素材として例示する。基体部材10を折り曲げることでトング100として使用することが可能になる。
【0008】
図1は、実施形態に係る使用前のトング100(基体部材10)の平面図であり、
図2は、使用前のトング100(基体部材10)の断面図である。
図3は、折り曲げた状態の基体部材10(すなわち使用可能な状態のトング100)の斜視図である。
【0009】
図1に例示される通り、基体部材10は、x方向に沿う長尺状の部材である。なお、以下の説明では、x方向に交差(典型的には直交)する方向をy方向と表記し、xy平面に対して垂直な方向をz方向と表記する。基体部材10の長さ方向がx方向であり、基体部材10の幅方向がy方向であり、基体部材10の厚さ方向がz方向であるとも換言できる。
【0010】
基体部材10の長さは、例えば、50mm以上200mm以下であり、好適には80mm以上150mm以下であり、さらに好適には90mm以上110mm以下である。基体部材10の幅は、例えば、5mm以上100mm以下であり、好適には10mm以上25mm以下であり、さらに好適には18mm以上22mm以下である。基体部材10の厚みは、例えば、0.3mm以上1.2mm以下であり、好適は0.4mm以上1.0mm以下であり、さらに好適には0.5mm以上0.7mm以下である。なお、基体部材10の長さは最大となる部分の長さであり、基体部材10の幅は最大となる部分の幅であり、基体部材10の厚さは最大となる部分の厚さである。
【0011】
基体部材10は、第1把持部30Aと第2把持部30Bと連結部20とを含む。第1把持部30Aおよび第2把持部30Bは、トング100のうち対象物を挟むための部分である。連結部20は、トング100のうち第1把持部30Aと第2把持部30Bとを連結する部分である。連結部20は、第1把持部30Aと第2把持部30Bとを相互に反対側に位置するように連結する。第1把持部30Aと連結部20と第2把持部30Bとがこの順番でx方向(「第1方向」の例示)に沿って配列する。連結部20の幅(y方向における長さ)は、例えば、x方向にわたり一定である。
【0012】
図1には、基体部材10におけるx方向の中心線P1およびy方向の中心線P2が図示されている。なお、
図2は、中心線P1におけるトング100の断面図である。
図1および
図2には、基体部材10(第1把持部30A、第2把持部30Bおよび連結部20)における一方の表面Fが図示されている。
【0013】
図1に例示される通り、連結部20の表面Fには、y方向(「第2方向」の例示)に沿う複数の溝部Q1が形成される。すなわち、複数の溝部Q1が相互に平行に形成される。なお、表面Fから窪んだ部分が溝部Q1である。複数の溝部Q1は、x方向に沿って所定の間隔で配列する。
図1に例示される通り、各溝部Q1は、中心線P1を跨ぐように、連結部20におけるy方向の負側の周縁から連結部20におけるy方向の正側の周縁に向かって形成される。各溝部Q1の幅は、深さ方向にわたり略一定である。
【0014】
複数の溝部Q1は、2個の第1溝部Q11と2個の第2溝部Q12とを含む。2個の第1溝部Q11は、連結部20において中心線P2を挟んで相互に反対側に位置する。具体的には、2個の第1溝部Q11は、中心線P2から略同じ距離に位置する。2個の第1溝部Q11の間隔T1は、例えば、13mm以上30mm以下であり、好適には15mm以上20mm以下である。連結部20の幅(y方向における長さ)に対する第1溝部Q11の長さL1(y方向における長さ)の比は、例えば、0.65以上1以下であり、好適には0.8以上0.95以下である。
【0015】
2個の第2溝部Q12は、2個の第1溝部Q11の間において、中心線P2を挟んで相互に反対側に位置する。2個の第2溝部Q12は、中心線P2から略同じ距離に位置する。第2溝部Q12の長さL2は、第1溝部Q11の長さL1(y方向における長さ)よりも短い。第1溝部Q11の長さL1(y方向における長さ)に対する第2溝部Q12の長さL2の比は、例えば、0.5以上0.9以下であり、好適には0.65以上0.8以下である。
【0016】
第1溝部Q11と当該第1溝部Q11に隣り合う第2溝部Q12との間隔T12は、例えば、2個の第2溝部Q12の間隔T2よりも狭い。間隔T2に対する間隔T12の比は、例えば、0.5以上0.8以下であり、好適には0.6以上0.7以下である。なお、溝部Q1(Q11,Q12)は、基体部材10を当該溝部Q1に沿って折り曲げるための溝として利用される。
【0017】
第1把持部30Aと第2把持部30Bとは、中心線P2を軸として相互に対称になるように形成される。以下の説明では、第1把持部30Aと第2把持部30Bとを区別する必要がない場合には単に把持部30と表記する。連結部20とは反対側の端部(先端)に向かって幅(y方向における長さ)が小さくなるテーパー形状の部分301を含む。なお、把持部30の先端における周縁は曲線状である。平面視における把持部30の大きさ(表面積)は、例えば、利用者の指で操作しやすい大きさに設定する。
【0018】
把持部30の表面F(すなわち複数の溝部が形成される側と同じ側の表面)には、y方向に沿う1個以上の第3溝部Q3が形成される。本実施形態では、2個の第3溝部Q3が各把持部30に形成される構成を例示する。ただし、第3溝部Q3の個数は任意である。
【0019】
具体的には、第3溝部Q3は、把持部30のうち先端付近に形成される。2個の第3溝部Q3は、x方向に沿って所定の間隔で配列する。本実施形態では、第3溝部Q3は、中心線P1を跨ぐように、把持部30におけるy方向の負側の周縁から把持部30におけるy方向の正側の周縁に向かい形成される。なお、第3溝部Q3は、基体部材10を折り曲げるための溝ではなく、対象物を挟む際に滑りにくくするために設けられる溝である。したがって、
図2に例示される通り、第3溝部Q3の深さ(z方向における長さ)は、把持部30の強度の低下を防ぐ観点から、溝部Q1の深さ(z方向における長さ)よりも小さくてよい。ただし、第3溝部Q3を溝部Q1と同程度の深さにしてもよい。
【0020】
また、把持部30の表面Fには、連結部20と第3溝部Q3との間において2個の第4溝部Q4が形成される。第4溝部Q4は、連結部20から第3溝部Q3に向かって延在するように形成される。2個の第4溝部Q4は、中心線P1を挟んで相互に反対側に位置する。中心線P1を軸として相互に対称になるように2個の第4溝部Q4が形成される。例えば、第4溝部Q4は、第3溝部Q3側の端部が連結部20側の端部よりも外側に位置するように形成される。第4溝部Q4の深さ(z方向における長さ)は、溝部の深さ(z方向における長さ)と略同じである。ただし、第4溝部Q4の形状は以上の例示に限定されない。なお、第1溝部Q11と第2溝部Q12と第3溝部Q3と第4溝部Q4との幅は、略同じであるが、相違させてもよい。
【0021】
図3に例示される通り、基体部材10が各溝部Q1に沿って屈曲されることで、トング100として使用可能になる。溝部Q1が内側に位置するように基体部材10が屈曲(すなわち谷折り)される。以下、第1溝部Q11と第2溝部Q12とにおる屈曲の態様について説明する。
【0022】
上述した通り、第1溝部Q11は、第2溝部Q12よりも長さが大きい。したがって、基体部材10は、第2溝部Q12よりも第1溝部Q11において屈曲しやすくなる。2個の第1溝部Q11において屈曲することで、表面Fが相互に対向するように第1把持部30Aの表面Fと第2把持部30Bとが位置する。すなわち、第1溝部Q11は、第1把持部30Aと第2把持部30Bとが相互に対向するように基体部材10を折り曲げるための溝であるとも換言できる。
【0023】
一方で、第2溝部Q12は、第1溝部Q11よりも長さが短い。したがって、基体部材10は、第1溝部Q11よりも第2溝部Q12において屈曲しにくい。第2溝部Q12は第1溝部Q11よりも基体部材10が屈曲する量が少ないとも換言できる。2個の第1溝部Q11の内側で2個の第2溝部Q12が屈曲されることで、連結部20がアーチ状に維持される。
【0024】
そして、複数の溝部Q1(第1溝部Q11および第2溝部Q12)が屈曲した状態では基体部材10には、当該溝部Q1を中心に開く方向(屈曲を解消しようとする方向)に反発する力(以下「反発力」という)が発生する。具体的には、対向した状態の2個の把持部30における一方が他方から離れるような反発力が発生する。例えば2本の指で2個の把持部30を外側(表面Fとは反対側の表面)から挟み込むと、基体部材10に発生した反発力により把持部30が指に密着する。そして、指により2個の把持部30を操作することで、対象物を掴むことが可能になる。
【0025】
上述した通り、第2溝部Q12は第1溝部Q11よりも基体部材10が屈曲しにくい。言い換えれば、第2溝部Q12において発生する反発力は第1溝部Q11において発生する反発力よりも大きい。
【0026】
ここで、例えば、連結部20に2個の第1溝部Q11のみが形成される構成(以下「比較例1」という)では、第1把持部30Aと第2把持部30Bとを相互に対向するように基体部材10を折り曲げることは可能である。しかし、基体部材10における反発力が十分でないため、指に把持部30が密着せず、対象物を掴みにくいという問題がある。
【0027】
それに対して、本実施形態の構成によれば、2個の第1溝部Q11に加えて、当該第1溝部Q11の間に2個の第2溝部Q12が連結部20に形成されるから、第1把持部30Aと第2把持部30Bとを相互に対向するように基体部材10を屈曲させつつ、反発力を向上させることが可能になる。したがって、比較例1と比較して、対象物を掴み易くすることが可能である。
【0028】
ここで、例えば、複数の溝部Q1の長さが全てL1である構成(以下「比較例2」という)を想定する。比較例2では、全ての溝部Q1において基体部材10が十分に屈曲してしまうため、反発力を向上させて対象物を掴みやすくするという観点からは改善の余地がある。一方で、複数の溝部Q1の長さが全てL2である構成(以下「比較例3」という)では、溝部Q1(特に複数の溝部のうち外側に位置する溝部Q1)において基体部材10を幅方向にわたり十分に折り曲げることが困難である。例えば、基体部材10が溝部Q1に沿って直線状に折り曲がらない場合や、基体部材10を溝部Q1に沿って折り曲げるのに力が必要な場合もある。以上の通り、比較例3では、第1把持部30Aと第2把持部30Bとが対抗するように適切に基体部材10を屈曲させにくいという問題がある。
【0029】
それに対して、本実施形態の構成によれば、比較例2および比較例3と比較して、第1把持部30Aおよび第2把持部30Bとが相互に対向するように基体部材10を第1溝部Q11に沿って屈曲させやすく、かつ、第2溝部Q12により反発力を向上させやすい(すなわち対象物を掴みやすい)。本実施形態では、特に、第2溝部Q12の長さを第1溝部Q11に対して短くすることで(すなわち第1溝部Q11を第2溝部Q12よりも屈曲しやすくすることで)、基体部材10を折り曲げてトング100を使用できる状態にする際に、第2溝部Q12だけが折り曲がることを防ぐことができる。その結果、第1溝部Q11を十分に屈曲させることが可能になる。
【0030】
また、
図3に例示される通り、基体部材10が第4溝部Q4に沿って屈曲される。第4溝部Q4が内側に位置するように基体部材10が屈曲(すなわち谷折り)される。
図1の状態では、第4溝部Q4に沿ってz方向の正側に向かって基体部材10が屈曲される。したがって、トング100におけるz方向(第4溝部Q4を中心に基体部材10が折り曲がる方向)に対する強度が向上する。すなわち、第4溝部Q4において基体部材10を屈曲させる構成によれば、第4溝部Q4を設けない構成と比較して、強度を向上させることが可能である。例えば、基体部材10の厚さが0.5mmの場合において第4溝部Q4を設ける構成では、基体部材10の厚さが0.7mmの場合と同程度の強度まで向上させることができる。なお、2つの把持部30で対象物を挟みやすくなるという利点もある。
【0031】
ただし、
図4に例示される通り、第4溝部Q4が外側に位置するように基体部材10を屈曲(すなわち山折り)させてもよい。すなわち、
図1の状態において、第4溝部Q4に沿ってz方向の負側に向かって基体部材10が屈曲される。第4溝部Q4が外側に位置するように基体部材10を屈曲させた場合においても、トング100におけるz方向に対する強度が向上するという効果は得られる。なお、第4溝部Q4を表面Fに形成する構成を例示したが、第4溝部Q4を基体部材10における表面Fとは反対側の表面に形成してもよい。
【0032】
さらには、把持部30に第3溝部Q3が形成される本実施形態の構成によれば、対象物が把持部30の表面で滑りにくくなるという利点がある。
【0033】
第1把持部30Aおよび第2把持部30Bの各々はテーパー形状の部分301を含むから、
図5に例示される通り、トング100を机等に置いたときに先端付近が机等に接触しない。したがって衛生的である。なお、本発明において、第3溝部Q3および第4溝部Q4は必須ではない。
【0034】
溝部Q1(Q11,Q12)と第3溝部Q3と第4溝部Q4との形成には、公知の任意の加工技術が利用される。例えば、溝部Q1(Q11,Q12)と第3溝部Q3と第4溝部Q4とは、各溝部(Q1-Q4)に対応する凸部を有する型を基体部材10の表面Fに対して押し当てるプレス加工(例えばデボス加工)により形成される。
【0035】
<変形例>
以上に例示した形態は多様に変形され得る。具体的な変形の態様を以下に例示する。以下の例示から任意に選択された2以上の態様を適宜に併合することも可能である。
【0036】
(1)前述の形態では、トング100が第1把持部30Aと第2把持部30Bと連結部20とを具備する構成を例示したが、トング100の構成は以上の例示に限定されない。例えば、トング100が、第1把持部30Aと第2把持部30Bと連結部20とは異なる部分を含んでもよい。
【0037】
(2)前述の形態では、幅が一定に形成される連結部20を例示したが、連結部20の形状は以上の例示に限定されない。例えば、x方向の相事なる位置において幅が変化する連結部20を採用してもよい。
【0038】
(3)前述の形態では、把持部30がテーパー形状である部分301を含む構成を例示したが、把持部30の形状は以上の例示に限定されない。また、把持部30の先端における周縁の形状は曲線状には限定されない。例えば、把持部30の先端に対象物をさせるような櫛状の部分を設けてもよい。さらには、第1把持部30Aと第2把持部30Bとで形状を相違させてもよい。
【0039】
(4)前述の形態では、連結部20の幅がx方向にわたり一定である構成を例示したが、連結部の形状は任意である。また、連結部の幅や長さも任意である。
【0040】
(5)前述の形態では、指で操作可能な大きさの把持部30を想定したが、把持部30の大きさだけでなく、基体部材10の大きさも任意である。
【0041】
(6)前述の形態では、基体部材10を形成する可燃性の素材として紙を例示したが、可燃性の素材は紙には限定されない。例えば、プラスチック等の樹脂を可燃性の素材として使用してもよい。基体部材10には、可燃性であり、利用者が力を加えることで屈曲可能な任意の素材が利用される。
【0042】
(7)前述の形態では、2個の第1溝部Q11と2個の第2溝部Q12とで構成される溝部Q1を例示したが、溝部Q1の構成は以上の例示に限定されない。例えば、中心線P12から見て各第1溝部Q11の外側に、第1溝部Q11と同様の長さの溝部を設けてもよい。
【符号の説明】
【0043】
10 :基体部材
20 :連結部
30A :第1把持部
30B :第2把持部
100 :トング
Q1 :溝部
Q11 :第1溝部
Q12 :第2溝部
Q3 :第3溝部
Q4 :第4溝部