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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022063795
(43)【公開日】2022-04-22
(54)【発明の名称】密閉・密集回避装置及び回避方法
(51)【国際特許分類】
   F24F 11/64 20180101AFI20220415BHJP
   F24F 11/52 20180101ALI20220415BHJP
   F24F 7/007 20060101ALI20220415BHJP
   F24F 110/30 20180101ALN20220415BHJP
   F24F 110/70 20180101ALN20220415BHJP
【FI】
F24F11/64
F24F11/52
F24F7/007 B
F24F110:30
F24F110:70
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020172217
(22)【出願日】2020-10-12
(71)【出願人】
【識別番号】518402875
【氏名又は名称】株式会社ほうじゅ倶楽部
(71)【出願人】
【識別番号】514277592
【氏名又は名称】有限会社バベッジ
(74)【代理人】
【識別番号】100142136
【弁理士】
【氏名又は名称】深澤 潔
(72)【発明者】
【氏名】古屋 一高
(72)【発明者】
【氏名】古屋 陽佳
(72)【発明者】
【氏名】舟久保 五一
【テーマコード(参考)】
3L056
3L260
【Fターム(参考)】
3L056BD01
3L056BD04
3L260AA01
3L260AB15
3L260BA13
3L260BA73
3L260CA15
3L260CA17
3L260EA07
3L260EA09
3L260EA27
3L260FA01
3L260FA12
3L260FC08
3L260GA17
3L260HA06
(57)【要約】
【課題】換気の悪い密閉空間や多数が集まる密集場所であるか否かを判断することができ、当該状態を回避することを可能とする密閉・密集回避装置及び回避方法を提供すること。
【解決手段】窓を有する部屋における室内の密閉・密集回避装置10は、室内の二酸化炭素濃度を計測するCO2計測部11と、室内の密閉・密集状態の度合いを判定するための二酸化炭素濃度の閾値12が格納された記憶部13と、CO2計測部11による計測結果と閾値12とを比較して室内の密閉・密集状態の度合いを判定する密状態判定部15と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
窓を有する部屋における室内の密閉・密集回避装置であって、
前記室内の二酸化炭素濃度を計測するCO2計測部と、
前記室内の密閉・密集状態の度合いを判定するための二酸化炭素濃度の閾値が格納された記憶部と、
前記CO2計測部による計測結果と前記閾値とを比較して前記室内の密閉・密集状態の度合いを判定する密状態判定部と、
を備える密閉・密集回避装置。
【請求項2】
風速の閾値が前記記憶部に格納され、
前記室内の風速を計測する速度計測部と、
前記室内の風速と前記二酸化炭素濃度の変化状況とから現状を判定する比較判定部と、
前記現状に応じて前記二酸化炭素濃度の閾値を変更する閾値変更部と、
を備える請求項1に記載の密閉・密集回避装置。
【請求項3】
所定期間における風速の平均値を前記計測結果とする平均風速算出部を備える請求項2に記載の密閉・密集回避装置。
【請求項4】
前記二酸化炭素濃度の閾値が、相対的に小さい第一閾値及び相対的に大きい第二閾値を備え、
増加する前記室内の二酸化炭素濃度が前記第一閾値以上になって或いは前記第一閾値を超えてから、前記第二閾値に至る或いは前記第二閾値を超えるまでの上昇時間、及び/又は、増加する前記室内の二酸化炭素濃度が前記第二閾値以上になって或いは前記第二閾値を超えてから、前記第一閾値に至る或いは前記第一閾値を下回るまでの下降時間を算出する経過時間算出部と、
前記上昇時間及び前記下降時間の比率を前記窓の開閉率として算出する窓開閉率算出部と、
前記窓の開閉を判定するとともに、前記開閉率が算出されているときには前記開閉率に基づき前記窓の開閉を指示する窓開閉指示部と、
を備える請求項1から3の何れか一つに記載の密閉・密集回避装置。
【請求項5】
前記二酸化炭素濃度の閾値が、相対的に小さい第一閾値及び相対的に大きい第二閾値を備え、
増加する前記室内の二酸化炭素濃度が前記第二閾値以上になった又は前記第二閾値を超えた場合に前記窓の全開を指示する窓開指示部と、
前記室内の二酸化炭素濃度が前記第一閾値以下になった又は前記第一閾値未満に減少した場合に前記窓の全閉を指示する窓閉指示部と、
前記窓の全開指示から前記窓の全閉指示までの窓開時間を算出する開時間算出部と、
前記窓の全開指示から次の前記窓の全開指示までの窓開閉時間を算出する開閉時間算出部と、
複数の前記窓開時間の平均値を算出する平均開時間算出部と、
複数の前記窓開閉時間の平均値を算出する平均開閉時間算出部と、
を備える請求項1から3の何れか一つに記載の密閉・密集回避装置。
【請求項6】
コンピュータにより実行される、窓を有する部屋における室内の密閉・密集回避方法であって、
前記室内の二酸化炭素濃度を計測するCO2計測ステップと、
前記室内の二酸化炭素濃度の計測結果と、設定された二酸化炭素濃度の閾値と、を比較して前記室内の密閉・密集状態の度合いを判定する密状態判定ステップと、
を備える密閉・密集回避方法。
【請求項7】
風速の閾値が設定され、
前記室内の風速を計測する速度計測ステップと、
前記室内の風速と前記二酸化炭素濃度の変化状況とから現状を判定する比較判定ステップと、
前記現状に応じて前記二酸化炭素濃度の閾値を変更する閾値変更ステップと、
を備える請求項6に記載の密閉・密集回避方法。
【請求項8】
前記速度計測ステップにおいて、所定期間における風速の平均値を前記計測結果とする請求項7に記載の密閉・密集回避方法。
【請求項9】
前記二酸化炭素濃度の閾値が、相対的に小さい第一閾値及び相対的に大きい第二閾値を備え、
増加する前記室内の二酸化炭素濃度が前記第一閾値以上になって或いは前記第一閾値を超えてから、前記第二閾値に至る或いは前記第二閾値を超えるまでの上昇時間、及び/又は、増加する前記室内の二酸化炭素濃度が前記第二閾値以上になって或いは前記第二閾値を超えてから、前記第一閾値に至る或いは前記第一閾値を下回るまでの下降時間を算出する経過時間算出ステップと、
前記上昇時間及び前記下降時間の比率を前記窓の開閉率として算出する窓開閉率算出ステップと、
前記窓の開閉を判定するとともに、前記開閉率が算出されているときには前記開閉率に基づき前記窓の開閉を指示する窓開閉判定・指示ステップと、
を備える請求項6から8の何れか一つに記載の密閉・密集回避方法。
【請求項10】
前記二酸化炭素濃度の閾値が、相対的に小さい第一閾値及び相対的に大きい第二閾値を備え、
増加する前記室内の二酸化炭素濃度が前記第二閾値以上又は超えた場合に前記窓の全開を判定・指示する窓開判定・指示ステップと、
減少する前記室内の二酸化炭素濃度が前記第一閾値以下又は未満になった場合に前記窓の全閉を判定・指示する窓閉判定・指示ステップと、
前記窓の全開指示から前記窓の全閉指示までの窓開時間を算出する開時間算出ステップと、
前記窓の全開指示から前記窓の全閉指示を経て次の前記窓の全開指示までの窓開閉時間を算出する開閉時間算出ステップと、
複数の前記窓開時間の平均値を算出する平均開時間算出ステップと、
複数の前記窓開閉時間の平均値を算出する平均開閉時間算出ステップと、
を備える請求項6から8の何れか一つに記載の密閉・密集回避方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、密閉・密集回避装置及び回避方法に関する。
【背景技術】
【0002】
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)拡大にともなう集団感染防止のために、換気の悪い密閉空間、多数が集まる密集場所、間近で会話や発声をする密接場面の「3つの密」、いわゆる「三密」を回避することが呼びかけられている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
三密回避に際し、間近で会話や発声をする密接場面の回避については、いわゆる「ソーシャルディスタンス」と呼ばれる話し手相互間で確保すべき距離の目安が提示されている。しかしながら、換気の悪い密閉空間、多数が集まる密集場所については、どのような状況になれば換気の悪い密閉空間や多数が集まる密集場所となるのか、客観的な判断指標までは明示されていないので、当該状態の回避判断が難しい。
【0004】
本発明は上記事情に鑑みて成されたものであり、換気の悪い密閉空間や多数が集まる密集場所であるか否かを判断することができ、当該状態を回避することを可能とする密閉・密集回避装置及び回避方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を採用する。
本発明に係る密閉・密集回避装置は、窓を有する部屋における室内の密閉・密集回避装置であって、前記室内の二酸化炭素濃度を計測するCO2計測部と、前記室内の密閉・密集状態の度合いを判定するための二酸化炭素濃度の閾値が格納された記憶部と、前記CO2計測部による計測結果と前記閾値とを比較して前記室内の密閉・密集状態の度合いを判定する密状態判定部と、を備える。
【0006】
また、本発明に係る密閉・密集回避装置は、さらに、風速の閾値が前記記憶部に格納され、前記室内の風速を計測する速度計測部と、前記室内の風速と前記二酸化炭素濃度の変化状況とから現状を判定する比較判定部と、前記現状に応じて前記二酸化炭素濃度の閾値を変更する閾値変更部と、を備える。
【0007】
また、本発明に係る密閉・密集回避装置は、さらに、所定期間における風速の平均値を前記計測結果とする平均風速算出部を備える。
【0008】
また、本発明に係る密閉・密集回避装置は、さらに前記二酸化炭素濃度の閾値が、相対的に小さい第一閾値及び相対的に大きい第二閾値を備え、増加する前記室内の二酸化炭素濃度が前記第一閾値以上になって或いは前記第一閾値を超えてから、前記第二閾値に至る或いは前記第二閾値を超えるまでの上昇時間、及び/又は、増加する前記室内の二酸化炭素濃度が前記第二閾値以上になって或いは前記第二閾値を超えてから、前記第一閾値に至る或いは前記第一閾値を下回るまでの下降時間を算出する経過時間算出部と、前記上昇時間及び前記下降時間の比率を前記窓の開閉率として算出する窓開閉率算出部と、前記窓の開閉を判定するとともに、前記開閉率が算出されているときには前記開閉率に基づき前記窓の開閉を指示する窓開閉指示部と、を備える。
【0009】
また、本発明に係る密閉・密集回避装置は、さらに前記二酸化炭素濃度の閾値が、相対的に小さい第一閾値及び相対的に大きい第二閾値を備え、増加する前記室内の二酸化炭素濃度が前記第二閾値以上になった又は前記第二閾値を超えた場合に前記窓の全開を指示する窓開指示部と、前記室内の二酸化炭素濃度が前記第一閾値以下になった又は前記第一閾値未満に減少した場合に前記窓の全閉を指示する窓閉指示部と、前記窓の全開指示から前記窓の全閉指示までの窓開時間を算出する開時間算出部と、前記窓の全開指示から次の前記窓の全開指示までの窓開閉時間を算出する開閉時間算出部と、複数の前記窓開時間の平均値を算出する平均開時間算出部と、複数の前記窓開閉時間の平均値を算出する平均開閉時間算出部と、を備える。
【0010】
本発明に係る密閉・密集回避方法は、コンピュータにより実行される、窓を有する部屋における室内の密閉・密集回避方法であって、前記室内の二酸化炭素濃度を計測するCO2計測ステップと、前記室内の二酸化炭素濃度の計測結果と、設定された二酸化炭素濃度の閾値と、を比較して前記室内の密閉・密集状態の度合いを判定する密状態判定ステップと、を備える。
【0011】
また、本発明に係る密閉・密集回避方法は、さらに、風速の閾値が設定され、前記室内の風速を計測する速度計測ステップと、前記室内の風速と前記二酸化炭素濃度の変化状況とから現状を判定する比較判定ステップと、前記現状に応じて前記二酸化炭素濃度の閾値を変更する閾値変更ステップと、を備える。
【0012】
また、本発明に係る密閉・密集回避方法は、さらに、前記速度計測ステップにおいて、所定期間における風速の平均値を前記計測結果とする。
【0013】
また、本発明に係る密閉・密集回避方法は、さらに前記二酸化炭素濃度の閾値が、相対的に小さい第一閾値及び相対的に大きい第二閾値を備え、増加する前記室内の二酸化炭素濃度が前記第一閾値以上になって或いは前記第一閾値を超えてから、前記第二閾値に至る或いは前記第二閾値を超えるまでの上昇時間、及び/又は、増加する前記室内の二酸化炭素濃度が前記第二閾値以上になって或いは前記第二閾値を超えてから、前記第一閾値に至る或いは前記第一閾値を下回るまでの下降時間を算出する経過時間算出ステップと、前記上昇時間及び前記下降時間の比率を前記窓の開閉率として算出する窓開閉率算出ステップと、前記窓の開閉を判定するとともに、前記開閉率に基づき前記窓の開閉を指示する窓開閉判定・指示ステップと、を備える。
【0014】
また、本発明に係る密閉・密集回避方法は、さらに前記二酸化炭素濃度の閾値が、相対的に小さい第一閾値及び相対的に大きい第二閾値を備え、増加する前記室内の二酸化炭素濃度が前記第二閾値以上又は超えた場合に前記窓の全開を判定・指示する窓開判定・指示ステップと、減少する前記室内の二酸化炭素濃度が前記第一閾値以下又は未満になった場合に前記窓の全閉を判定・指示する窓閉判定・指示ステップと、前記窓の全開指示から前記窓の全閉指示までの窓開時間を算出する開時間算出ステップと、前記窓の全開指示から前記窓の全閉指示を経て次の前記窓の全開指示までの窓開閉時間を算出する開閉時間算出ステップと、複数の前記窓開時間の平均値を算出する平均開時間算出ステップと、複数の前記窓開閉時間の平均値を算出する平均開閉時間算出ステップと、を備える。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、換気の悪い密閉空間や多数が集まる密集場所であるか否かを判断することができ、当該状態を回避することを可能とする。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の第1の実施形態に係る密閉・密集回避装置を示す機能構成図である。
図2】本発明の第1の実施形態に係る密閉・密集回避方法を示すフロー図である。
図3】本発明の第2の実施形態に係る密閉・密集回避装置を示す機能構成図である。
図4】本発明の第2の実施形態に係る密閉・密集回避方法を示すフロー図である。
図5】本発明の第2の実施形態に係る密閉・密集回避装置の別形態を示す機能構成図である。
図6】本発明の第3の実施形態に係る密閉・密集回避装置を示す機能構成図である。
図7】本発明の第3の実施形態に係る密閉・密集回避方法を示すフロー図である。
図8】本発明の第3の実施形態に係る密閉・密集回避装置及び方法による二酸化炭素濃度の変化を示す説明図である。
図9】本発明の第4の実施形態に係る密閉・密集回避装置を示す機能構成図である。
図10】本発明の第4の実施形態に係る密閉・密集回避方法を示すフロー図である。
図11】本発明の第4の実施形態に係る密閉・密集回避装置及び方法による二酸化炭素濃度の変化を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
(第1実施形態)
本発明に係る第1実施形態について、図1及び図2を参照して説明する。
本実施形態に係る密閉・密集回避装置10は、不図示の窓を有する不図示の部屋における室内の二酸化炭素濃度に基づき、密閉・密集状態を知らせるものである。この装置10は、図1に示すように、室内の二酸化炭素濃度を計測するCO2計測部11と、室内の密閉・密集状態の度合いを判定するための二酸化炭素濃度Cの閾値12が格納された記憶部13と、室内の密閉・密集状態の度合いを判定する密状態判定部15と、密状態判定部15による判定結果を出力する出力部16と、二酸化炭素濃度Cの変化する時間を計測する時間計測部17と、を備える。
【0018】
密閉・密集回避装置10は、所定のプログラムに従って各種の演算処理及び動作制御を実行するプロセッサと、その他の周辺装置とを組み合わせたコンピュータとして構成されている。また、当該プロセッサは、CPU(Central Processing Unit)、又はMPU(Micro-Processing Unit)である。
【0019】
CO2計測部11は、室内の二酸化炭素濃度Cを検知するとともに、検出結果を密状態判定部15へ出力する。二酸化炭素濃度Cの閾値12は、密閉・密集状態になりつつある状態として周囲に注意を促すための低濃度側閾値THLと、密閉・密集状態になった状態として周囲に警告するための高濃度側閾値THHと、を備える。記憶部13は、プロセッサが動作するためのシステムワークメモリであるRAM(Random Access Memory)、並びにプログラム及びシステムソフトウェアを格納するROM(Read Only Memory)等の記憶装置を含む。
【0020】
密状態判定部15は、CO2計測部11による計測結果と低濃度側閾値THL及び高濃度側閾値THHを比較して、密閉・密集状態ではない状態、密閉・密集状態になりつつある状態、及び密閉・密集状態である状態の何れかの状態であると判定する。出力部16は、判定結果である、密閉・密集状態に至っていない状態、注意状態、警告状態の3つの状態を、例えば、周囲に色分け表示又は音声等により告知する。
【0021】
次に、本実施形態に係る密閉・密集回避装置10の作用を密閉・密集回避方法とともに説明する。本実施形態に係る密閉・密集回避方法は、図2に示すように、CO2計測ステップ(S11)、密状態判定ステップ(S12)を備える。これらのステップは、例えば、1秒毎に繰り返される。
【0022】
CO2計測ステップ(S11)では、CO2計測部11により室内の二酸化炭素濃度Cを計測する。次に密状態判定ステップ(S12)に移行して、CO2計測部11より出力された室内の二酸化炭素濃度Cの計測結果と、設定された二酸化炭素濃度Cの閾値12と、を比較して密状態判定部15が室内の密閉・密集状態の度合いを判定する。例えば、低濃度側閾値THLを1000ppm、高濃度側閾値THHを1500ppmとした場合、二酸化炭素濃度Cの計測結果が1000ppm未満(C<THL)の場合には、「密閉・密集状態ではない」と判定する。一方、二酸化炭素濃度Cの計測結果が1000ppm以上1500ppm未満(THL≦C<THH)の場合には、「密閉・密集状態になりつつある」と判定する。また、二酸化炭素濃度Cの計測結果が、1500ppm以上(C≧THH)の場合には、「密閉・密集状態である」と判定する。こうして、各判定結果を出力部16に伝送して所定の手段によって出力させる。なお、二酸化炭素濃度Cの計測結果と閾値12との判定に際しては、C≦THL、THL<C≦THH、C>THHと場合分けしてもよい。
【0023】
この密閉・密集回避装置10及び密閉・密集回避方法によれば、室内の二酸化炭素濃度Cを測定し、密閉・密集状態を判定するための閾値と比較することによって、室内の密閉・密集状態を判定して周囲の人々に告知することができる。
【0024】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について図3から図5を参照して説明する。
なお、上述した第1実施形態と同様の構成要素には同一符号を付すとともに説明を省略する。
第2実施形態と第1実施形態との異なる点は、本実施形態に係る密閉・密集回避装置20が、図3に示すように、室内の風速vを計測する速度計測部21と、二酸化炭素濃度Cの変化度合いと風速vとの関係性を算出する比較判定部22と、二酸化炭素濃度Cの閾値12を変更する閾値変更部23と、をさらに備えているとした点である。
【0025】
速度計測部21は、室内の風速vを計測するとともに、検出結果を比較判定部22へ出力する。比較判定部22は、CO2計測部11による室内の二酸化炭素濃度Cの計測結果と速度計測部21による室内の風速vの計測結果とから、風速vの有無と二酸化炭素濃度Cが増加又は減少しているかどうかとで現状を判定する。
【0026】
比較判定部22によって風速vのもと二酸化炭素濃度Cが減少していると判定された場合、閾値変更部23は風速vの閾値25を参照して、計測された風速vに応じた二酸化炭素濃度Cの閾値12の変更幅に沿って低濃度側閾値THL及び高濃度側閾値THHをそれぞれ変化させる。なお、風速vが0の場合、又は、計測されても二酸化炭素濃度Cが減少していない場合には閾値12は変更されない。
【0027】
記憶部13には、二酸化炭素濃度Cの閾値12とともに風速vの閾値25が格納される。この風速vの閾値25は、複数の風速vと各風速vにおける二酸化炭素濃度Cの閾値12からの変更幅とからなる。例えば、風速vの閾値25は、表1に示すように設定される。
【0028】
【表1】
【0029】
なお、図4に示すように、所定期間(例えば30秒間)における風速vの計測結果の平均値を所定期間中の風速とする平均風速算出部26を備える密閉・密集回避装置27としてもよい。この場合、風速vの閾値25との比較に使用される風速の計測値は、計測時の風速値ではなく、平均風速となる。
【0030】
次に、本実施形態に係る密閉・密集回避装置20の作用を密閉・密集回避方法とともに説明する。本実施形態に係る密閉・密集回避方法は、図5に示すように、CO2計測ステップ(S11)、速度計測ステップ(S21)、比較ステップ(S22)、閾値変更ステップ(S23)及び密状態判定ステップ(S12)を備える。
【0031】
まず、第1の実施形態と同様にCO2計測ステップ(S11)を実施し、続いて速度計測ステップ(S21)を実施する。速度計測ステップ(S21)では、速度計測部21が室内の風速vを計測する。
【0032】
次に比較ステップ(S22)に移行して、CO2計測部11による室内の二酸化炭素濃度Cの計測結果と速度計測部21による室内の風速vの計測結果とから、比較判定部22が、風速vがない状態で二酸化炭素濃度Cが上昇又は下降しているか、風速vが計測された場合に二酸化炭素濃度Cが上昇又は下降しているかを場合分けする。そして、風速vが計測された場合かつ二酸化炭素濃度Cが下降している場合、閾値変更ステップ(S23)に移行する。それ以外の場合には、第1の実施形態と同様に密状態判定ステップ(S12)、及び出力ステップ(S13)にて室内の密閉・密集状態を判定、結果を出力する。このとき、判定に際しては、低濃度側閾値THL及び高濃度側閾値THHを使用する。
【0033】
閾値変更ステップ(S23)では、風速vの測定結果と風速vの閾値25とを比較して、風速vに応じた二酸化炭素濃度Cの閾値12の変更幅に応じて低濃度側閾値THL及び高濃度側閾値THHをそれぞれ変化させる。例えば、風速vが0.1m/s~0.2m/sの範囲にある場合に、低濃度側閾値THL及び高濃度側閾値THHをそれぞれ200ppmずつ増加して、低濃度側閾値THLを1200ppm、高濃度側閾値THHを1700ppmに変更する。
【0034】
その後、第1の実施形態と同様に密状態判定ステップ(S12)にて室内の密閉・密集状態を判定し、結果を出力する。判定に際しては、二酸化炭素濃度Cの閾値として変更後の低濃度側閾値及び高濃度側閾値を使用する。
【0035】
風速の計測値として計測時の風速値ではなく平均風速を使用する場合には、速度計測ステップ(S21)の後にさらに不図示の平均風速算出ステップ(S24)に移行して、平均風速算出部26にて風速vから平均風速を算出する。そして次に比較ステップ(S22)に移行して、算出された平均風速を風速vとして比較を行う。
【0036】
この密閉・密集回避装置20及び回避方法によれば、窓が開けられて換気されている状態では室内の二酸化炭素濃度Cも上昇しにくいことを反映する。そして部屋の換気の有無を風速vに基づき判定することによって、風速vを計測できる場合には換気状態であるとして密状態を判定する二酸化炭素濃度の閾値12を上げることができる。一方、換気によらず、単にエアコンや扇風機の駆動によって室内に風が発生している場合には、室内の二酸化炭素濃度が上昇するので、風速vを計測するまでもなく、第1の実施形態と同様に当初の閾値12にて密状態を判定することができる。
【0037】
特に、平均風速算出部26を備える密閉・密集回避装置27によれば、例えば窓を開放して換気していても風速vが一定ではない場合に判定結果が頻繁に変動するのを抑制することができる。
【0038】
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態について図6から図8を参照して説明する。
なお、上述した各実施形態と同様の構成要素には同一符号を付すとともに説明を省略する。
第3実施形態と第1及び第2実施形態との異なる点は、本実施形態に係る密閉・密集回避装置30が、図6に示すように、経過時間算出部31と、窓の開閉率を算出する窓開閉率算出部32と、窓の開閉の判定及び指示を行う窓開閉判定指示部33と、をさらに備えているとした点である。
【0039】
この密閉・密集回避装置30の記憶部13に格納される二酸化炭素濃度Cの閾値35は、相対的に小さい第一閾値35Aと相対的に大きい第二閾値35Bとをさらに備える。第一閾値35Aは、低濃度側閾値THLよりも大きく、第二閾値35Bは、高濃度側閾値THHよりも小さい値としてもよく、ここでは、例えば、第一閾値35Aを1100ppm、第二閾値35Bを1400ppmとする。
【0040】
経過時間算出部31は、増加する室内の二酸化炭素濃度Cが第一閾値35Aを超えてから第二閾値35Bに至るまでの上昇時間、及び、その後に室内の二酸化炭素濃度Cが減少に転じて第二閾値35Bを下回ってから第一閾値35Aに至るまでの下降時間を算出する。算出された時間は、記憶部13に記憶される。
【0041】
窓開閉率算出部32は、経過時間算出部31によって算出された上昇時間及び下降時間の比率から窓の開閉率を算出する。窓開閉判定指示部33は、CO2計測部11による計測結果と第一閾値35A及び第二閾値35Bとを比較して、窓の開閉判定及び開閉指示、特に、開閉率が算出されているときには開閉率に基づく開閉指示を行う。また、CO2計測部11による計測結果と第一閾値35A及び第二閾値35Bとを比較して、二酸化炭素濃度Cの上昇時間や下降時間の算出を行うか否かについての判定も行う。
【0042】
次に、本実施形態に係る密閉・密集回避装置30の作用を密閉・密集回避方法とともに説明する。本実施形態に係る密閉・密集回避方法は、図7に示すように、第1の実施形態と同様のCO2計測ステップ(S11)及び密状態判定ステップ(S12)に加えて、窓開閉判定・指示ステップ(S31)、経過時間算出ステップ(S32)、及び窓開閉率算出ステップ(S33)を備える。なお、第2の実施形態に係る速度計測ステップ(S21)、比較ステップ(S22)、及び閾値変更ステップ(S23)をさらに備えていても構わない。
【0043】
まず、窓が閉まった状態から開始するとして、第1の実施形態と同様に、CO2計測ステップ(S11)及び密状態判定ステップ(S12)にて室内の密閉・密集状態を判定する。この際、二酸化炭素濃度Cの計測結果とともに時間計測部17によって経過時間が計測され、記憶部13に蓄積される。なお、図6には閾値12が記載されていないが、密閉・密集状態の判定にあたり、閾値12を用いてもよいし、低濃度側閾値THL及び高濃度側閾値THHの代わりに第一閾値35A及び第二閾値35Bを用いても構わない。
【0044】
図8に示すように、二酸化炭素濃度Cの計測結果が第一閾値35Aを超えてさらに第二閾値35Bを超えたときに、窓開閉判定・指示ステップ(S31)に移行して、窓開閉判定指示部33が窓を開けるべき状態であると判定するとともに窓を開けるよう指示を出して出力部16が窓開け指示を出力する。このとき、窓開閉率算出前なので、例えばユーザは適当な状態で窓開けを行う。
【0045】
次に経過時間算出ステップ(S32)に移行して、記憶部13に蓄積された時間データに基づき、室内の二酸化炭素濃度Cが第一閾値35Aを超えて第二閾値35Bに達するまでの経過時間を経過時間算出部31が第一上昇時間37として算出する。
【0046】
再びCO2計測ステップ(S11)及び密状態判定ステップ(S12)にて室内の密閉・密集状態を判定する。そして窓開けによって室内の二酸化炭素濃度Cが減少に転じて第二閾値35Bからさらに第一閾値35Aを下回ったとき、窓開閉判定・指示ステップ(S31)に移行して、窓開閉判定指示部33が窓を閉めてもよい状態であると判定するとともに窓を閉めるよう指示を出し、出力部16が窓閉め指示を出力する。このとき、窓開閉率算出前なので、ユーザは窓が開いた状態から少し窓閉めを行う。
【0047】
次に、経過時間算出ステップ(S32)に移行して、二酸化炭素濃度Cが第二閾値35Bから第一閾値35Aに減少するまでの経過時間を経過時間算出部31が第一下降時間38として算出する。
【0048】
再びCO2計測ステップ(S11)及び密状態判定ステップ(S12)にて室内の密閉・密集状態を判定する。そして窓を閉めることによって、第一閾値35Aを下回った二酸化炭素濃度Cが再び増加に転ずる。そして、二酸化炭素濃度Cが再び第二閾値35Bを超えたときに、窓開閉率算出ステップ(S33)に移行して、窓開閉率算出部32が、第一上昇時間37と第一下降時間38との比率(第一上昇時間37/第一下降時間38)を現状の窓開け状態に対する窓開閉率として算出する。算出後、窓開閉判定・指示ステップ(S31)に移行して、窓開閉判定指示部33が、算出した窓開閉率に基づき窓を開けるよう指示を出し、出力部16が窓開閉率に基づく窓開け指示を出力する。
【0049】
次に経過時間算出ステップ(S32)に移行して、記憶部13に蓄積された時間データに基づき、二酸化炭素濃度Cが第一閾値35Aを超えてから第二閾値35Bに至るまでの経過時間を経過時間算出部31が第二上昇時間39として算出する。
【0050】
再びCO2計測ステップ(S11)及び密状態判定ステップ(S12)にて室内の密閉・密集状態を判定する。そして窓開けによって室内の二酸化炭素濃度Cが減少に転じて第二閾値35Bからさらに第一閾値35Aを下回ったとき、窓開閉率算出ステップ(S33)に移行して、窓開閉率算出部32が、第一下降時間38と第二上昇時間39との比率(第一下降時間38/第二上昇時間39)を現状の窓開け状態に対する窓開閉率として算出する。算出後、窓開閉判定・指示ステップ(S31)に移行して、窓開閉判定指示部33が、算出した窓開閉率に基づき窓を閉めるよう指示を出し、出力部16が窓開閉率に基づく窓閉め指示を出力する。
【0051】
再びCO2計測ステップ(S11)及び密状態判定ステップ(S12)にて室内の密閉・密集状態を判定する。そして窓を閉めることによって、第一閾値35Aを下回った二酸化炭素濃度Cが再び増加に転ずる。以降、上記、窓開閉判定・指示ステップ(S31)、経過時間算出ステップ(S32)及び窓開閉率算出ステップ(S33)を複数回繰り返す。なお、窓開閉率を算出するための上昇時間や下降時間は、1回目以降の各時間を平均化した時間を使用しても構わない。
【0052】
この密閉・密集回避装置30及び密閉・密集回避方法によれば、部屋の規模や人数に応じて密閉・密集状態を避けるために現状の窓の開閉状態に対する窓開閉率を算出することができる。そして、本操作を複数回繰り返すことによってより安定した窓開閉率を算出することができる。したがって、エアコンなどの省エネのために窓を全開し続けることが困難な場合であっても、当該窓開閉率に基づいて窓の開閉を行うことによって、室内の二酸化炭素濃度Cを第一閾値35Aと第二閾値35Bとの間に保つことができる。部屋の広さと室内の人数に応じた窓開閉率をマニュアル化しても構わない。
【0053】
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態について図9から図11を参照して説明する。
なお、上述した各実施形態と同様の構成要素には同一符号を付すとともに説明を省略する。
第4実施形態と第3実施形態との異なる点は、本実施形態に係る密閉・密集回避装置40が、図9に示すように、窓開閉判定指示部33の代わりに、窓の全開の判定及び指示を行う窓開判定指示部41及び窓の全閉の判定及び指示を行う窓閉判定指示部42、並びに、経過時間算出部31の代わりに開時間算出部43、開閉時間算出部45、平均開時間算出部46、及び平均開閉時間算出部47をさらに備えているとした点である。
【0054】
窓開判定指示部41は、増加する室内の二酸化炭素濃度が第二閾値35B以上になった又は第二閾値35Bを超えた場合に窓を全開すべきと判定するとともに窓の全開を指示する。窓閉判定指示部42は、減少する室内の二酸化炭素濃度が第一閾値35A以下になった又は第一閾値35A未満に減少した場合に窓を全閉すべきと判定するとともに窓の全閉を指示する。
【0055】
開時間算出部43は、窓の全開指示から窓の全閉指示までの窓開時間48を算出する。開閉時間算出部45は、窓の全開指示から窓の全閉指示、さらには次の窓の全開指示までの開閉周期として窓開閉時間49を算出する。平均開時間算出部46は、複数回計測された窓開時間48の平均値を算出する。平均開閉時間算出部47は、複数回計測された窓開閉時間49の平均値を算出する。
【0056】
次に、本実施形態に係る密閉・密集回避装置40の作用を密閉・密集回避方法とともに説明する。本実施形態に係る密閉・密集回避方法は、図10に示すように、第1の実施形態と同様のCO2計測ステップ(S11)及び密状態判定ステップ(S12)に加えて、窓開閉判定・指示ステップ(S41)、窓開時間算出ステップ(S42)、窓開閉時間算出ステップ(S43)、平均窓開時間算出ステップ(S44)、及び平均窓開閉時間算出ステップ(S45)を備える。
【0057】
まず、窓が閉まった状態から開始するとして、第1の実施形態と同様に、CO2計測ステップ(S11)及び密状態判定ステップ(S12)にて室内の密閉・密集状態を判定する。この際、二酸化炭素濃度Cの計測結果とともに時間計測部17によって経過時間が計測され、記憶部13に蓄積される。
【0058】
図11に示すように、二酸化炭素濃度Cの計測結果が第一閾値35Aを超えて第二閾値35Bに達したときに、窓開閉判定・指示ステップ(S41)に移行して窓開判定指示部41が窓を全開すべき状態であると判定するとともに、窓を全開するよう指示を出し、出力部16が窓開け指示を出力する。このとき、例えばユーザは窓を全開する。
【0059】
再びCO2計測ステップ(S11)及び密状態判定ステップ(S12)にて室内の密閉・密集状態を判定する。そして窓開けにより、室内の二酸化炭素濃度Cが第二閾値35Bから第一閾値35Aに至るまで再び減少する。第一閾値35Aを下回ったとき、窓開閉判定・指示ステップ(S41)に移行して窓閉判定指示部42が窓を全閉すべき状態であると判定するとともに、窓を全閉するよう指示を出し、出力部16が窓閉め指示を出力する。このとき、例えばユーザは窓を全閉する。
【0060】
続いて、窓開時間算出ステップ(S42)に移行して、開時間算出部43が1回目の窓の全開指示から窓の全閉指示までの窓開時間48を算出する。
【0061】
再びCO2計測ステップ(S11)及び密状態判定ステップ(S12)にて室内の密閉・密集状態を判定する。そして窓を閉めることによって、二酸化炭素濃度Cが再び増加に転ずる。そして、二酸化炭素濃度Cが第一閾値35Aを超えて第二閾値35Bに達したときに、窓開閉判定・指示ステップ(S41)に移行して窓開判定指示部41が窓を全開すべき状態であると判定するとともに、窓を全開するよう指示を出し、出力部16が窓開け指示を出力する。
【0062】
そして、窓開閉時間算出ステップ(S43)に移行して、開閉時間算出部45が、前回の窓の全開指示から今回の窓の全開指示までの1回目の窓開閉周期を窓開閉時間49として算出する。
【0063】
再びCO2計測ステップ(S11)及び密状態判定ステップ(S12)にて室内の密閉・密集状態を判定する。そして窓開けにより、室内の二酸化炭素濃度Cが第二閾値35Bから第一閾値35Aに至るまで再び減少する。第一閾値35Aを下回ったとき、窓開閉判定・指示ステップ(S41)に移行して窓閉判定指示部42が窓を全閉すべき状態であると判定するとともに、窓を全閉するよう指示を出し、出力部16が窓閉め指示を出力する。このとき、例えばユーザは窓を全閉する。
【0064】
続いて、窓開時間算出ステップ(S42)に移行して、開時間算出部43が2回目の窓の全開指示から窓の全閉指示までの窓開時間48を算出する。そして平均窓開時間算出ステップ(S44)に移行して、平均開時間算出部46が、1回目の窓開時間48と2回目の窓開時間48との平均値を算出する。
【0065】
再びCO2計測ステップ(S11)及び密状態判定ステップ(S12)にて室内の密閉・密集状態を判定する。そして窓を閉めることによって、二酸化炭素濃度Cが再び増加に転ずる。そして、二酸化炭素濃度Cが第一閾値35Aを超えて第二閾値35Bに達したときに、窓開閉判定・指示ステップ(S41)に移行して窓開判定指示部41が窓を全開すべき状態であると判定するとともに、窓を全開するよう指示を出し、出力部16が窓開け指示を出力する。
【0066】
続いて、窓開閉時間算出ステップ(S43)に移行して、開閉時間算出部45が、前回の窓の全開指示から今回の窓の全開指示までの2回目の窓開閉周期を窓開閉時間49として算出する。そして、平均窓開閉時間算出ステップ(S45)に移行して、平均開閉時間算出部47が、1回目の窓開閉時間49と2回目の窓開閉時間49との平均値を算出する。こうして算出された各平均値が出力部16からそれぞれ出力される。以降、同様にして窓の開閉指示及び窓開時間や窓開閉時間の算出を繰り返す。
【0067】
この密閉・密集回避装置40及び密閉・密集回避方法によれば、部屋の規模や人数に応じて密閉・密集状態を避けるために必要な窓の全開時間、及び全開から全閉までの周期を算出することができる。そして、本操作を複数回繰り返すことによってより安定した周期を算出することができる。したがって、エアコンなどの省エネのために窓を全開し続けることが困難な場合など、当該周期に基づいて窓の開閉を行うことによって室内の二酸化炭素濃度Cを第一閾値35Aと第二閾値35Bとの間に保つことができる。この周期をマニュアル化したり、タイマーにて周知させるようにしても構わない。
【0068】
なお、本発明の技術範囲は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上記実施形態では室内の密閉・密集回避を想定しているが、室内に限らず自動車や電車などの窓の開閉が可能な車両内での密閉・密集回避であっても構わない。また、窓の開閉はユーザが行う場合に限らず、例えば、開閉に必要な機構を設けて、出力部16と当該機構とを連携させて窓を自動的に開閉できるようにしても構わない。
【符号の説明】
【0069】
10,20,27,30,40 密閉・密集回避装置
11 CO2計測部
12,35 閾値
13 記憶部
15 密状態判定部
16 出力部
21 速度計測部
23 閾値変更部
25 風速の閾値
26 平均風速算出部
31 経過時間算出部
32 窓開閉率算出部
33 窓開閉判定指示部
35A 第一閾値
35B 第二閾値
41 窓開判定指示部
42 窓閉判定指示部
43 開時間算出部
45 開閉時間算出部
46 平均開時間算出部
47 平均開閉時間算出部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11