(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022063822
(43)【公開日】2022-04-22
(54)【発明の名称】自動車用金属加工品の異種ナット溶接自動化システム
(51)【国際特許分類】
B23P 19/00 20060101AFI20220415BHJP
B23K 11/14 20060101ALI20220415BHJP
B23P 19/04 20060101ALN20220415BHJP
B23P 21/00 20060101ALN20220415BHJP
【FI】
B23P19/00 301L
B23K11/14 310
B23P19/04 B
B23P21/00 303B
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020190858
(22)【出願日】2020-11-17
(31)【優先権主張番号】10-2020-0131031
(32)【優先日】2020-10-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】520450949
【氏名又は名称】サムソン テック カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100130111
【弁理士】
【氏名又は名称】新保 斉
(72)【発明者】
【氏名】イム、ヨン テク
(72)【発明者】
【氏名】イ、テ ギル
【テーマコード(参考)】
3C030
【Fターム(参考)】
3C030AA19
3C030BB04
3C030BD06
3C030CC07
(57)【要約】 (修正有)
【課題】金属加工品の異種ナット溶接自動化システムを提供する。
【解決手段】複数個の金属加工品が一列で離隔配置される固定治具パートと、金属加工品を同時に一側から他側方向に間欠的に移送させる移送治具パートを含む自動シャトルマシン、異種ナットを溶接する溶接マシン200、前記溶接マシン200に異種ナットを供給するナット供給ユニット300、前記金属加工品を引き出しパッドに移動させる引き出しユニット400、ナットが溶接されるように金属加工品の位置を変更し、金属加工品を引き出しユニットに落下させるロボット500、および前記自動シャトルマシン、前記溶接マシン200、前記ナット供給ユニット300、前記引き出しユニット400および前記ロボット500から伝送される電気的信号を処理して制御信号を生成する制御ユニット、を含む金属加工品の異種ナット溶接自動化システムである。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一端で金属加工品がローディングされ、他端で金属加工品がアンローディングされるように複数個の金属加工品が一列で離隔配置される固定治具パートと、アンローディングが感知されると、前記固定治具パートにそれぞれ配置された金属加工品を同時に一側から他側方向に間欠的に移送させる移送治具パートを含む自動シャトルマシン;
金属加工品に形成された複数個の打抜き孔に異種ナットを溶接する溶接マシン;
前記溶接マシンに異種ナットを供給するナット供給ユニット;
金属加工品に溶接されたナットの個数が正常であるかどうかをチェックした後、前記金属加工品を引き出しパッドに移動させる引き出しユニット;
前記自動シャトルマシンで金属加工品をグリップした後、前記溶接マシンに移動させてナットが溶接されるように金属加工品の位置を変更し、金属加工品を引き出しユニットに落下させるロボット;および
前記自動シャトルマシン、前記溶接マシン、前記ナット供給ユニット、前記引き出しユニットおよび前記ロボットから伝送される電気的信号を処理して制御信号を生成する制御ユニット;を含む、金属加工品の異種ナット溶接自動化システム。
【請求項2】
溶接マシンは離隔配置される少なくとも2個以上の溶接ユニットを含み、
前記溶接ユニットは互いに異なる電流および加圧力を提供するように制御され、前記溶接ユニットには単一種類のナットのみを供給するナット供給ユニットが1個ずつそれぞれ連結される、請求項1に記載の金属加工品の異種ナット溶接自動化システム。
【請求項3】
前記固定治具パートは
複数個の締結孔が同一のパターンで繰り返し形成され、金属加工品の一部が載置されるように一定の間隔で突出するシート面が形成される第1垂直プレートを含む固定フレーム部;
前記締結孔を通じて前記固定フレーム部に一定の間隔で結合されて金属加工品を搭載する治具部;を含む、請求項1に記載の金属加工品の異種ナット溶接自動化システム。
【請求項4】
前記治具部のうち一端に配置されて金属加工品が最初にローディングされる第1治具部は
前記第1垂直プレートの一側面に設置されるブラケットフレーム;および
前記ブラケットフレームの内側に挿入され、前記シート面と同一高さを有するように形成されて通電の有無を検出する通電感知部;を含む、請求項3に記載の金属加工品の異種ナット溶接自動化システム。
【請求項5】
前記治具部は
前記第1垂直プレートの側面に結合されて金属加工品の載置を補助する補助シート面が形成される補助フレーム;
「コ」の形状であって、一端が前記第1垂直プレートの側面に結合される離隔フレーム;
前記離隔フレームの他端に結合され、金属加工品の前面を搭載する前面搭載フレーム;および
前記離隔フレームの一端の側面に前記離隔フレームと同一締結孔を通じて前記第1垂直プレートと結合され、金属加工品の後面を搭載する後面搭載フレーム;を含む、請求項3に記載の金属加工品の異種ナット溶接自動化システム。
【請求項6】
前記移送治具パートは、
移送フレーム部;
前記移送フレーム部に結合され、前記固定治具パートの内側に配置されて移送される金属加工品を搭載する移送治具ユニット;
前記移送フレーム部に上下の垂直運動を提供する昇降部;および
前記移送フレーム部に前後の水平運動を提供する水平移動部;を含む、請求項1に記載の金属加工品の異種ナット溶接自動化システム。
【請求項7】
前記移送治具ユニットは
前記移送フレーム部に結合される固定ブラケット部;
前記固定ブラケット部に結合され、移送される金属加工品の一部が載置されるように一定の間隔で突出する移送シート面が形成される第2垂直プレート;
前記第2垂直プレートに一定の間隔で結合され、移送される金属加工品を一時的に搭載する移送治具部;を含む、請求項6に記載の金属加工品の異種ナット溶接自動化システム。
【請求項8】
前記移送治具パートは
アンローディングが感知されると、1)前記移送治具ユニットが前記昇降部によって上方に移動しながら固定治具パートに配置される金属加工品をリフティングし、2)前記移送治具ユニットが前記水平移動部によって一側から他側方向にあらかじめ設定された距離だけ移動されると、3)前記移送治具ユニットが前記昇降部によって下方に移動しながら前記移送治具ユニットに搭載されていた金属加工品をすぐ次の固定治具パートにそれぞれ配置させる、請求項7に記載の金属加工品の異種ナット溶接自動化システム。
【請求項9】
前記引き出しユニットは
垂直、水平および傾斜方向に配置される複数個のアングルが結合されて形成されるボディフレーム部;
前記ボディフレーム部の上側に配置されて落下する金属加工品が前記引き出しパッド側にスライディングされるように傾斜して配置されるスロープロッド;および
前記ボディフレーム部の両側に配置されて金属加工品が離脱することを防止するサイドウォール;を含む、請求項1に記載の金属加工品の異種ナット溶接自動化システム。
【請求項10】
前記引き出しユニットは
前記ボディフレーム部の後面に配置されて金属加工品のあらかじめ設定された打抜き孔の位置にナットが正常に溶接されたかどうかを検査する第1センサ部;および
上側を向いて前記ボディフレーム部に配置され、前記スロープロッドを通じてスライディングされる金属加工品を検出する第2センサ部;をさらに含む、請求項9に記載の金属加工品の異種ナット溶接自動化システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はロボットを利用して金属加工品に形成された打抜き孔に互いに異なる種類のナットを自動で溶接するナット溶接自動化システムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に自動車は数多くの部品からなり、このような部品は自動化工程を通じて組み立てられる。自動車用部品はプレス工程、溶接工程等を通して最終的な製品、部品として生産され得る。溶接工程の対象である自動車用金属加工品はその形状が複雑で角の部分が鋭く、その大きさなどにより一定の重さを有する。また、このような金属加工品には多数の打抜き孔が形成され、互いに異なる種類のナット、ボルトなどが溶接される。
【0003】
従来の溶接加工は、作業者を投入して金属加工品を移送し、ナットの種類およびその個数を確認しながら行われる手作業の方式であった。しかし、このような作業方式は安全事故の問題、作業者のミスによる不良問題、生産性の低下問題などを内包していた。また、溶接工程は溶接部位で同一のトルク性能を提供しなければならず、均質な溶接品質を提供しなければならないが、これは作業者の熟練度などによって変わるという問題があった。
【0004】
したがって、溶接工程で、工程時間を短縮し、費用を節減し、生産性と製品競争力を向上させることができる設備に対する技術的ニーズとともに、自動化工程に対するシステムの開発が切に要求されているのが実情である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】大韓民国登録特許第10-2052304号(2019.11.28.登録)
【特許文献2】大韓民国公開特許第10-2018-0122981号(2018.11.14.公開)
【特許文献3】大韓民国登録特許第10-2015886号(2019.08.23.登録)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の実施例は前記のような問題点を解決するために案出されたもので、複雑な形状を有する自動車用金属加工品に互いに異なるナットを何度も溶接する過程において、自動化に最適化された各種要素技術を導入して金属加工品の異種ナット溶接自動化システムを構築することを目的とする。
【0007】
また、溶接工程でナットに応じて溶接の主要因子である電流および加圧力を均一に提供して品質の信頼性を確保することを目的とする。また、ナットの漏れや他種のナットが誤溶接されることを防止することを目的とする。これを通じて、製品に対する不良率を減少させることができる。
【0008】
また、溶接工程に対する運営の信頼性を確保し、生産性を全体的に向上させることを目的とする。また、製品の原価を削減して経営上の利益を改善することを目的とする。
【0009】
また、作業者の投入を最小化して作業者のミスなどによる安全事故の発生を減少させることを目的とする。また、本システムの各構成要素間の結合関係を容易にして各構成要素に対するメインテナンスを便利にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の実施例は前記のような課題を解決するために、一端で金属加工品がローディングされ、他端で金属加工品がアンローディングされるように複数個の金属加工品が一列で離隔配置される固定治具パートと、アンローディングが感知されると、前記固定治具パートにそれぞれ配置された金属加工品を同時に一側から他側方向に間欠的に移送させる移送治具パートを含む自動シャトルマシン;金属加工品に形成された複数個の打抜き孔に異種ナットを溶接する溶接マシン;前記溶接マシンに異種ナットを供給するナット供給ユニット;金属加工品に溶接されたナットの個数が正常であるかどうかをチェックした後、前記金属加工品を引き出しパッドに移動させる引き出しユニット;前記自動シャトルマシンで金属加工品をグリップした後、前記溶接マシンに移動させてナットが溶接されるように金属加工品の位置を変更し、金属加工品を引き出しユニットに落下させるロボット;および前記自動シャトルマシン、前記溶接マシン、前記ナット供給ユニット、前記引き出しユニットおよび前記ロボットから伝送される電気的信号を処理して制御信号を生成する制御ユニット;を含む金属加工品の異種ナット溶接自動化システムを提供する。
【0011】
溶接マシンは離隔配置される少なくとも2個以上の溶接ユニットを含み、前記溶接ユニットは互いに異なる電流および加圧力を提供するように制御され、前記溶接ユニットには単一種類のナットのみを供給するナット供給ユニットが1個ずつそれぞれ連結されることが好ましい。
【0012】
前記固定治具パートは複数個の締結孔が同一のパターンで繰り返し形成され、金属加工品の一部が載置されるように一定の間隔で突出するシート面が形成される第1垂直プレートを含む固定フレーム部;前記締結孔を通じて前記固定フレーム部に一定の間隔で結合されて金属加工品を搭載する治具部;を含むことが好ましい。
【0013】
前記治具部のうち一端に配置されて金属加工品が最初にローディングされる第1治具部は、前記第1垂直プレートの一側面に設置されるブラケットフレーム;および前記ブラケットフレームの内側に挿入され、前記シート面と同一高さを有するように形成されて通電の有無を検出する通電感知部;を含むことが好ましい。
【0014】
前記治具部は、前記第1垂直プレートの側面に結合されて金属加工品の載置を補助する補助シート面が形成される補助フレーム;「コ」の形状であって、一端が前記第1垂直プレートの側面に結合される離隔フレーム;前記離隔フレームの他端に結合され、金属加工品の前面を搭載する前面搭載フレーム;および前記離隔フレームの一端の側面に前記離隔フレームと同一締結孔を通じて前記第1垂直プレートと結合され、金属加工品の後面を搭載する後面搭載フレーム;を含むことが好ましい。
【0015】
前記移送治具パートは移送フレーム部;前記移送フレーム部に結合され、前記固定治具パートの内側に配置されて移送される金属加工品を搭載する移送治具ユニット;前記移送フレーム部に上下の垂直運動を提供する昇降部;および前記移送フレーム部に前後の水平運動を提供する水平移動部;を含むことが好ましい。
【0016】
前記移送治具ユニットは前記移送フレーム部に結合される固定ブラケット部;前記固定ブラケット部に結合され、移送される金属加工品の一部が載置されるように一定の間隔で突出する移送シート面が形成される第2垂直プレート;前記第2垂直プレートに一定の間隔で結合され、移送される金属加工品を一時的に搭載する移送治具部;を含むことが好ましい。
【0017】
前記移送治具パートはアンローディングが感知されると、1)前記移送治具ユニットが前記昇降部によって上方に移動しながら固定治具パートに配置される金属加工品をリフティングし、2)前記移送治具ユニットが前記水平移動部によって一側から他側方向にあらかじめ設定された距離だけ移動されると、3)前記移送治具ユニットが前記昇降部によって下方に移動しながら前記移送治具ユニットに搭載されていた金属加工品をすぐ次の固定治具パートにそれぞれ配置させることが好ましい。
【0018】
前記引き出しユニットは垂直、水平および傾斜方向に配置される複数個のアングルが結合されて形成されるボディフレーム部;前記ボディフレーム部の上側に配置されて落下する金属加工品が前記引き出しパッド側にスライディングされるように傾斜して配置されるスロープロッド;および前記ボディフレーム部の両側に配置されて金属加工品が離脱することを防止するサイドウォール;を含むことが好ましい。
【0019】
前記引き出しユニットは、前記ボディフレーム部の後面に配置されて金属加工品のあらかじめ設定された打抜き孔の位置にナットが正常に溶接されたかどうかを検査する第1センサ部;および上側を向いて前記ボディフレーム部に配置され、前記スロープロッドを通じてスライディングされる金属加工品を検出する第2センサ部;をさらに含むことが好ましい。
【発明の効果】
【0020】
以上で詳察した本発明の課題解決手段によると、次のような事項を含む多様な効果を期待することができる。ただし、本発明が下記のような効果をすべて発揮してこそ成立するものではない。
【0021】
本発明の一実施例に係る金属加工品の異種ナット溶接自動化システムは、複雑な形状を有する自動車用金属加工品に互いに異なるナットを何度も溶接する過程において、自動化に最適化された各種要素技術を導入することができる。
【0022】
また、溶接工程でナットに応じて溶接の主要因子である電流および加圧力を均一に提供して品質信頼性を確保することができる。また、ナットの漏れや他種のナットが誤溶接されることを防止することができる。これを通じて、製品に対する不良率を減少させることができる。また、溶接工程に対する運営の信頼性を確保し、生産性を全体的に向上させることができる。また、製品原価を節減して経営上の利益を改善することができる。また、作業者の投入を最小化して作業者のミスなどによる安全事故の発生を減少させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】一実施例に係る金属加工品の異種ナット溶接自動化システムの概略図である。
【
図2】
図1の自動シャトルマシンについての斜視図である。
【
図4】
図1の自動シャトルマシンの動作を示す概略図である。
【
図6】
図1のナット供給ユニットについての図面である。
【
図7】
図1の引き出しユニットについての斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明を説明するにおいて、関連した公知の機能についてこの分野の技術者に自明な事項であって、本発明の要旨を不要に曖昧にさせ得る恐れがあると判断される場合にはその詳細な説明を省略する。本出願で使った用語は単に特定の実施例を説明するために使われたものであって、本発明を限定しようとする意図ではない。単数の表現は文脈上明白に異なって意味しない限り、複数の表現を含む。
【0025】
本出願で、「含む」または「有する」等の用語は明細書上に記載された特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものが存在することを指定しようとするものであって、一つまたはそれ以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものなどの存在または付加の可能性をあらかじめ排除しないものと理解されるべきである。
【0026】
以下、図面を参照して本発明の具体的な実施例を詳細に説明する。
【0027】
図1は一実施例に係る金属加工品の異種ナット溶接自動化システムの概略図であり、
図2は
図1の自動シャトルマシンについての斜視図であり、
図3は
図2のA部分の拡大図であり、
図4は
図1の自動シャトルマシンの動作を示す概略図である。
図5は
図1の溶接マシンについての図面であり、
図6は
図1のナット供給ユニットについての図面である。
図7は
図1の引き出しユニットについての斜視図であり、
図8は
図7を異なる方向から見た斜視図であり、
図9は本システムを図式化したブロック図である。
【0028】
図1~
図9を参照すると、本発明の一実施例に係る金属加工品の異種ナット溶接自動化システムは、自動シャトルマシン1000、溶接マシン200、ナット供給ユニット300、引き出しユニット400、ロボット500、制御ユニット600、安全フェンス部700、サーバー部800、近距離ネットワーク部(図示されず)等を含むことができる。本自動化システムは工場などの特定の設置区域内に導入され得る。本システムは各構成要素を密集するように配置して作業工程間の距離を短くすることができるところ、タクトタイムを向上させることができる。一方、本システムを通じての自動化工程は、ローディング工程、移送工程、溶接工程、検査工程、引き出し工程などのカテゴリーで要約することができる。また、本システムは自動化工程で作業者の安全管理を通じて産業災害を防止することができる。
【0029】
自動シャトルマシン1000は、一端で金属加工品Tがローディングされ、他端で金属加工品Tがアンローディングされるように複数個の金属加工品Tが一列で離隔配置される固定治具パート1100と、アンローディングが感知されると固定治具パート1100にそれぞれ配置された金属加工品Tを同時に一側から他側方向に間欠的に移送させる移送治具パート1200を含む。ここで、金属加工品Tは(電気)自動車用部品であり得る。金属加工品Tは金属板を、例えばプレス加工を通じて成形される一定の形状と寸法を有する中間段階の部品であるか製品であり得る。このような金属加工品Tには複数個の打抜き孔が形成され得る。
【0030】
自動シャトルマシン1000は、一端でローディングされる金属加工品Tが順次他端に移送されてロボット500によりグリップされると、自動シャトルマシン1000でアンローディングされるように構成される。このために自動シャトルマシン1000は固定治具パート1100、移送治具パート1200を含む。また、自動シャトルマシン1000はローディングとアンローディングをそれぞれ感知する構成を含むことができる。
【0031】
固定治具パート1100は金属加工品Tの移送過程で駆動などの動作が発生しない固定部分を意味する。固定治具パート1100は複数個のプレートまたはフレームが結合されて形成され、下側は地面に固定されている。このような、固定治具パート1100は地面に垂直に配置される第1垂直プレート1120を含む。第1垂直プレート1120は2個が対向配置されて金属加工品Tの両端をそれぞれ支持することができる。
【0032】
第1垂直プレート1120には複数個の締結孔1121が同一のパターンで繰り返し形成され得る。締結孔1121は多様な大きさを有することができ、第1垂直プレート1120の側面を貫通して形成される。また、第1垂直プレート1120には金属加工品Tの一部が載置されるように一定の間隔で突出するシート面1122が形成され得る。シート(seat)面は扁平な面であって、表面には騒音や振動を防止する衝撃吸収パッドが形成され得る。シート面1122は金属加工品Tの形状によって多段で形成され得る。
【0033】
治具部1130は締結孔1121を通じて固定フレーム部1110に一定の間隔で結合されて金属加工品Tを搭載する役割をする。このような治具部1130は金属加工品Tの両端部をそれぞれ搭載する。治具部1130は締結孔1121を通じて固定フレーム部1110に結合され得る。一方、治具部1130のうち一端に配置されて金属加工品Tが最初にローディングされる第1治具部は感知部をさらに含むことができる。具体的には、第1治具部はブラケットフレーム1141を通じて配置される通電感知部1142により金属加工品Tのローディングの有無を検出することができる。ブラケットフレーム1141は例えば、通電感知部1142が挿入収容されるボディ部と、ボディ部から延びてブラケットフレーム1141が第1垂直プレート1120に結合されるようにする結合部からなり得る。その結果、ブラケットフレーム1141は第1垂直プレート1120の一側面に設置され得る。ここで、設置方法は前述した締結孔1121を通じてのねじ結合であり得る。
【0034】
通電感知部1142はブラケットフレーム1141の内側に挿入され、シート面1122と同一高さを有するように形成されて通電の有無を検出する。これは金属加工品Tが有する金属特性に起因する。通電感知部1142はブラケットフレーム1141の外側に露出する感知面を通じて金属加工品Tに接触され得る。このような通電感知部1142は第1治具部にそれぞれ配置されて金属加工品Tの一端と他端にそれぞれ接触され得る。通電感知部1142は第1治具部に金属加工品Tが正常にローディングされたかどうかを確認することができる。一方、通電感知部1142はローディングの有無に対する正常信号を生成して制御ユニット600に伝送することができる。
【0035】
これとは異なって、治具部1130のうち他端に配置されて金属加工品Tがアンローディングされる第n治具部は感知部をさらに含むことができる。ここで、感知部は第1治具部でブラケットフレーム1141を通じて配置される通電感知部1142と同一構成であり得る。この時、通電感知部1142は金属加工品Tのアンローディングの有無を検出することができる。ブラケットフレーム1141と通電感知部1142については前述した通りであるため、以下具体的な説明は省略する。通電感知部1142は第n治具部に金属加工品Tが正常にアンローディングされたかどうかを確認することができる。一方、通電感知部1142はアンローディングの有無に対する正常信号を生成して制御ユニット600に伝送することができる。
【0036】
また、治具部1130は補助フレーム1131、離隔フレーム1132、前面搭載フレーム1133、後面搭載フレーム1134、後面補助搭載フレーム1135、外側面搭載フレーム1136、固定ピンフレーム(図示されず)等をさらに含むことができる。補助フレーム1131には第1垂直プレート1120の側面に結合されて金属加工品Tの載置を補助する補助シート面1138が形成される。この時、補助シート面1138はシート面1122と同一高さを有するように形成され得る。補助シート面1138はシート面1122から一定の距離離隔する位置に形成され得る。離隔フレーム1132は「コ」の形状であり、一端が第1垂直プレート1120の側面に結合される。離隔フレーム1132は折り曲げ形成されるフレームを通じて前面搭載フレーム1133と後面補助搭載フレーム1135が第1垂直プレート1120から離隔配置され得るようにする。
【0037】
前面搭載フレーム1133は離隔フレーム1132の他端に結合され、金属加工品Tの前面を搭載する。後面搭載フレーム1134は離隔フレーム1132の一端の側面に離隔フレーム1132と同一の締結孔1121を通じて第1垂直プレート1120と結合され、金属加工品Tの後面を搭載する。この時、前面搭載フレーム1133と後面搭載フレーム1134は同じ厚さで形成される。一方、前面搭載フレーム1133と後面搭載フレーム1134の間の距離は金属加工品Tが前面と後面の間の距離より大きく設定されることが好ましい。
【0038】
また、後面補助搭載フレーム1135は離隔フレーム1132の他側に結合され、前面搭載フレーム1133と対向配置される。後面補助搭載フレーム1135は金属加工品Tの後面を補助的に搭載して金属加工品Tの搭載をより安定的にする。前面搭載フレーム1133と後面搭載フレーム1134の間の距離は前面搭載フレーム1133と後面補助搭載フレーム1135の間の距離より小さく設定されることが好ましい。
【0039】
外側面搭載フレーム1136は第1垂直プレート1120の外側面に結合されて金属加工品Tの両端を搭載する。固定ピンフレームは第1垂直プレート1120の側面に結合されて搭載される金属加工品Tの位置を制限する。固定ピンフレームは突出配置される固定ピンが金属加工品Tに形成される位置制限ホールに挿入されるなどの方式で金属加工品Tの位置を固定させることができる。
【0040】
移送治具パート1200はアンローディングが感知されると固定治具パート1100にそれぞれ配置された金属加工品Tを同時に一側から他側方向に間欠的に移送させる。具体的には、移送治具パート1200は移送フレーム部1210、移送治具ユニット1220、昇降部1230、水平移動部1240を含むことができる。移送フレーム部1210は複数個のフレームが結合されて形成され、上下左右方向に移送される部分である。移送治具ユニット1220は移送フレーム部1210に結合され、固定治具パート1100の内側に配置されて移送される金属加工品Tを搭載する役割をする。
【0041】
具体的には、移送治具ユニット1220は固定ブラケット部1221、第2垂直プレート1222、移送治具部1223等を含むことができる。固定ブラケット部1221は移送フレーム部1210に結合される。第2垂直プレート1222は固定ブラケット部1221に結合される。第2垂直プレート1222には複数個の締結孔が同一のパターンで繰り返し形成され得る。第2垂直プレート1222には移送される金属加工品Tの一部が載置されるように一定の間隔で突出する移送シート面1224が形成され得る。移送治具部1223は第2垂直プレート1222に一定の間隔で結合され、移送される金属加工品Tを一時的に搭載する。
【0042】
昇降部1230は移送フレーム部1210に結合され、第1駆動部を通じて移送治具ユニット1220に上下の垂直運動を提供する。水平移動部1240は移送フレーム部1210に結合され、第2駆動部を通じて移送治具ユニット1220に前後の水平運動を提供する。第1駆動部および第2駆動部はモータ、駆動シリンダー、減速機などの公知になっている駆動要素を含むところ、以下具体的な説明は省略する。
【0043】
移送治具パート1200はアンローディングが感知されると、1)移送治具ユニット1220が昇降部1230により上方に移動しながら固定治具パート1100に配置される金属加工品Tをリフティングし、2)移送治具ユニット1220が水平移動部1240により一側から他側方向にあらかじめ設定された距離だけ移動されると、3)移送治具ユニット1220が昇降部1230により下方に移動しながら移送治具ユニット1220に搭載された金属加工品Tをすぐ次の固定治具パート1100にそれぞれ配置させる。この時、移送治具ユニット1220は金属加工品Tと接触状態が解除され、金属加工品Tの下側に位置するようになるため干渉が発生しない。その後、移送治具ユニット1220が水平移動部1240により他側から一側方向に移動されて最初位置に復帰する。
【0044】
溶接マシン200は金属加工品Tにナットなどの締結部材を自動で溶接する装置である。溶接マシン200は金属加工品Tに形成された複数個の打抜き孔に異種ナットを溶接する。一実施例に係る打抜き孔には2種のナットが溶接され得る。このように、金属加工品Tにはナットが溶接されているため、自動車の車体などに固定されたり他の部品と結合され得る。溶接マシン200は例えば、電気抵抗溶接を遂行する装置であり得る。溶接マシン200はナットの種類に応じて電流および加圧力を一定に制御して最適な溶接工程を遂行できる。これを通じて、溶接マシン200はナットの種類に応じて各ナットに要請されるトルク性能を提供することができる。
【0045】
一実施例に係る溶接マシン200は、異種ナット(例えば、M6、M8等)に対する溶接を遂行するために離隔配置される少なくとも2個以上の溶接ユニット210を含むことができる。このような、溶接ユニット210は下部電極部212と上下移動可能な上部電極部211からなり得る。この時、下部電極部212には金属加工品Tが下面が支持される。この時、ナット載置機構213を通じてナットが金属加工品Tの上面に載置される。そうすると、上部電極部211は下降してナットが金属加工品Tと接触する地点で溶接を遂行する。
【0046】
各溶接ユニット210は互いに異なる電流および加圧力を提供するように制御され得る。すなわち、ナットの種類に応じて互いに異なる溶接ユニット210が使われる。一実施例に係る溶接マシン200には溶接ユニット210が2個配置されている。一方、溶接ユニット210は溶接工程で電流および加圧力に関する信号を測定してこれを制御ユニット600に伝送することができる。制御ユニット600は1個の金属加工品Tに溶接されるナットの総数量すなわち、打点の個数を一次的にカウントすることができる。
【0047】
一方、溶接ユニット210には単一種類のナットのみを供給するナット供給ユニット300が1個ずつそれぞれ連結されている。その結果、ナット供給ユニット300は溶接マシン200に異種ナットを供給することができる。ナット供給ユニット300は遠心力によってナットがホッパー310の内周面に誘導され、一列に並んで排出されるように案内する。この時、ナット供給ユニット300は振動を発生させてナットのより円滑な移動を可能にする。ホッパー310は上側が開放された形状であって、ナットが投入貯蔵される部分である。ナット供給ユニット300はホッパー310の一側端部にナットガイド部320が連結されている。ナットは溶接マシン200で溶接工程が進行中のとき、ナットガイド部320で待機し得る。また、ナットガイド部320の端部には移送ノズル330が連結されている。ナットは移送ノズル330を通じてナットガイド部320から溶接マシン200(特に、ナット載置機構213)に移送される。移送ノズル330は内部が空いているホースの形態を有する。
【0048】
引き出しユニット400は金属加工品Tに溶接されたナットの個数が正常であるかどうかをチェックした後、金属加工品Tを引き出しパッド440に移動させる役割をする。引き出しユニット400は複数個の近接センサを利用して金属加工品Tの特定の位置でナットを感知することができる。具体的には、引き出しユニット400はボディフレーム部410、スロープロッド420、サイドウォール430、第1センサ部450、第2センサ部460等を含むことができる。
【0049】
ボディフレーム部410は垂直、水平および傾斜方向に配置される複数個のアングルが結合されて形成される。ボディフレーム部410は地面に固定設置される。スロープロッド420はボディフレーム部410の上側に配置されて落下する金属加工品Tが引き出しパッド440側にスライディングされるように傾斜して配置される。スロープロッド420は例えば、一定間隔離隔して対向配置される1対で構成され得る。一方、サイドウォール430はボディフレーム部410の両側に配置されて金属加工品Tが離脱することを防止する。
【0050】
引き出しパッド440はボディフレーム部410に設置される。引き出しパッド440は引き出しユニット400で検査工程が完了した金属加工品Tが引き出される部分である。引き出しパッド440は弾性材質を含んでいるため、スライディングされる金属加工品Tに加えられる衝撃を吸収することができる。
【0051】
第1センサ部450はボディフレーム部410の後面に配置されて金属加工品Tのあらかじめ設定された打抜き孔の位置にナットが正常に溶接されたかどうかを検査する。第1センサ部450は複数個の近接センサからなり得る。ここで、近接センサはナットごとに1個ずつ使われることが好ましい。すなわち、近接センサの個数は金属加工品Tに溶接されるナットの総個数と同じである。近接センサはナットが一定の距離以内に位置する場合、感知することができる。近接センサは金属加工品Tに溶接されるナットの位置を考慮してボディフレーム部410に配置される。
【0052】
第1センサ部450は金属加工品Tに溶接されているナットの実際の個数を測定した後、制御ユニット600に伝送することができる。したがって、本システムは打点の個数と実際の金属加工品Tに溶接されたナットの個数を互いに比較する方式で二重でチェックすることができる。
【0053】
第2センサ部460は上側を向いてボディフレーム部410に配置され、スロープロッド420を通じてスライディングされる金属加工品Tを検出する。第2センサ部460は溶接工程が完了した金属加工品Tの数量をカウントすることができる。一方、第2センサ部460も溶接マシン200を通じて測定される金属加工品Tの個数と実際の引き出しユニット400を通じて引き出される金属加工品Tの個数を比較する方式で二重でチェックすることができる。
【0054】
ロボット500は自動シャトルマシン1000で金属加工品Tをグリップした後、溶接マシン200に移動させてナットが溶接されるように金属加工品Tの位置を複数回変更し、金属加工品Tを引き出しユニット400に落下させる。このようなロボット500は制御ユニット600とあらかじめ設定されるアルゴリズムにより駆動することができる。ロボット500は複数個のリンク部が連結されて多軸回動をする。ロボット500は各回転軸ごとに駆動モータを使って多軸回動による作業自由度を向上させることができる。ロボット500は関節部による屈曲能力、方向変換能力等を通して、3次元空間で金属加工品Tの位置を自由に変更させることができる。
【0055】
ロボット500はアーム(arm)の端部に形成されるグリップ部を通じて金属加工品Tをグリップすることができる。ロボット500は下部電極部212に金属加工品Tの打抜き孔が正確に位置するように金属加工品Tの位置を移動させる。ロボット500はナット1個に対する溶接が完了すると、その次のナットに対する溶接工程のために金属加工品Tの位置を変更させる。一実施例に係るロボット500は、一側の溶接ユニット210で、ある1種のナットの溶接が完了すると、他側の溶接ユニット210に移動して他種のナット溶接が行われるようにする。
【0056】
制御ユニット600は自動シャトルマシン1000、溶接マシン200、ナット供給ユニット300、引き出しユニット400およびロボット500から伝送される電気的信号を処理して制御信号を生成する。一方、制御ユニット600は本システムの各構成要素に制御信号を送信して個別的に制御することができる。このような制御ユニット600はサーバー部800内に含まれ得る。一方、このようなサーバー部800はデータベース、無線送受信部などをさらに含むことができる。
【0057】
制御ユニット600は例えば、第1センサ部450で測定される電気的信号を受信してこれに対応する制御信号を生成することができる。また、制御ユニット600は各構成要素から伝送されるデータを処理して本システムを統合的に制御することができる。その結果、構成要素のうちいずれか一部分で故障、事故およびその他のエラーなどが発生すると、本システムは全体的に作動が中止され得る。例えば、引き出しユニット400で第1センサ部450を通じて測定されるナットの個数が打点の個数と不一致する場合、本システムは一時的に停止され得る。また、本システムの各構成要素間は電気的に互いに連結されている。
【0058】
近距離ネットワーク部は本システムを構成する各構成要素だけでなく、作業者のスマートフォン、管理者のスマートフォンの相互間の電気的信号およびデータを伝達する役割をする。一方、作業者のスマートフォン、管理者のスマートフォンにはそれぞれ専用アプリケーションが設置され得る。これを通じて、サーバー部800は無線送受信部を通じて作業者のスマートフォン、管理者のスマートフォンと例えば、ブルートゥース(登録商標)基盤の無線通信ができる。専用アプリケーションを実行すると作業者情報、勤務日程、勤務状況、勤務組の編成、安全守則情報などを確認することができる。これは位置情報に基づいて作業者が本システムの特定の設置区域付近に位置すると自動で認識される。一方、作業者は勤務日程にしたがって本人に割り当てられる作業数量が終了すると管理者の確認により作業終了に関するメッセージを伝送することができる。
【0059】
また、安全フェンス部700は本システムが配置される設置区域を囲む形態で形成される。安全フェンス部700は作業者が設置区域内に出入りできるように安全ドアを含んでいる。一方、安全ドアにはロッキングの有無を感知する第3センサ部710が設置され、第3センサ部710は制御ユニット600に測定信号を伝送することができる。例えば、安全ドアがオープンされると、本システムは制御ユニット600により一時的に停止され得る。
【0060】
以上では本発明の好ましい実施例を例示的に説明したが、本発明の範囲はこのような特定の実施例にのみ限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された範疇内で適切に変更可能なものでである。