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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022063850
(43)【公開日】2022-04-22
(54)【発明の名称】厚さ測定装置
(51)【国際特許分類】
   G01B 5/06 20060101AFI20220415BHJP
【FI】
G01B5/06
【審査請求】有
【請求項の数】13
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021152503
(22)【出願日】2021-09-17
(31)【優先権主張番号】109135236
(32)【優先日】2020-10-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】521411851
【氏名又は名称】東友科技股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK特許業務法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】陳建穎
(72)【発明者】
【氏名】張▲ユィ▼仁
(72)【発明者】
【氏名】周根徳
【テーマコード(参考)】
2F062
【Fターム(参考)】
2F062AA27
2F062BB14
2F062BC08
2F062CC25
2F062EE04
2F062EE07
2F062EE22
2F062EE62
2F062FF13
2F062FF25
2F062GG68
2F062GG75
2F062HH15
(57)【要約】      (修正有)
【課題】低コスト、高精度の厚さ測定装置の提供。
【解決手段】基板1と第1移動アセンブリ2と第2移動アセンブリ3とフレーム4と協動アセンブリ5とを備える。基板は、基板本体とセンサーとを備える。第1移動アセンブリが第1方向X1に変位可能であり、かつ測定対象物と接触する接触端部を備える。第2移動アセンブリが第2方向X2に変位可能、かつセンサーに対応するように設置されるセンシング部材を備える。フレームが基板と組み合わせるように接続され、かつフレーム本体と第1ガイド溝部と第2ガイド溝部とを備える。第1移動アセンブリが第1ガイド溝部内に移動可能、第2移動アセンブリが第2ガイド溝部内に移動可能である。協動アセンブリは回転部材と第1接続部材と第2接続部材とを備える。第1接続部材が回転部材の表面に設置されかつ第1移動アセンブリに接続する。第2接続部材が回転部材の前記に設置されかつ第2移動アセンブリに接続する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
厚さ測定装置であって、基板と第1移動アセンブリと第2移動アセンブリと協動アセンブリと協動アセンブリとを備え、
前記基板は基板本体とセンサーとを備え、前記センサーが前記基板本体の1つの表面に配置され、
前記第1移動アセンブリは、第1方向に変位可能であり、かつ測定対象物と接触する接触端部を備え、
前記第2移動アセンブリは、第2方向に変位可能であり、かつ前記センサーに対応するように配置されるセンシング部材を備え、
前記フレームは、前記基板と組み合わせるように接続され、かつフレーム本体と第1ガイド溝部と第2ガイド溝部とを備え、前記第1ガイド溝部と前記第2ガイド溝部は、前記フレーム本体に形成され、前記第1移動アセンブリの少なくとも一部が前記第1ガイド溝部に収容されかつ前記第1ガイド溝部内に移動可能であり、前記第2移動アセンブリの少なくとも一部が前記第2ガイド溝部に収容されかつ前記第2ガイド溝部内に移動可能であり、
前記協動アセンブリは回転部材と第1接続部材と第2接続部材とを備え、前記第1接続部材が前記回転部材の表面に設けられかつ前記第1移動アセンブリに接続し、前記第2接続部材が前記回転部材の表面に設けられかつ前記第2移動アセンブリに接続する、ことを特徴とする厚さ測定装置。
【請求項2】
前記第1移動アセンブリは第1ブロック部材と第1スライダーとを備え、前記第1ブロック部材が前記第1スライダーに接続し、かつ前記接触端部が前記第1スライダーの一端に設けられ、前記第2移動アセンブリは第2ブロック部材と第2スライダーとを備え、前記第2ブロック部材が前記第2スライダーに接続し、前記センシング部材が前記第2スライダーの底面に設けられ、前記フレームは延伸部と第1貫通孔と第2貫通孔とを備え、前記延伸部が前記フレーム本体より延伸し、前記第1貫通孔と前記第2貫通孔は前記延伸部に形成され、前記第1貫通孔が前記第1ガイド溝部に連通し、前記第2貫通孔が前記第2ガイド溝部に連通し、前記第1移動アセンブリの前記第1ブロック部材が前記フレームの前記第1貫通孔に収容され、前記第1スライダーが前記第1ガイド溝部に収容され、前記第2移動アセンブリの前記第2ブロック部材が前記フレームの前記第2貫通孔に収容され、前記第2スライダーが前記第2ガイド溝部に収容される、ことを特徴とする請求項1に記載の厚さ測定装置。
【請求項3】
前記第1移動アセンブリの前記第1ブロック部材は第1溝部を備え、前記第2アセンブリの前記第2ブロック部材は第2溝部を備え、前記回転部材の前記第1接続部材の一部が前記第1溝部に収容され、前記回転部材の前記第2接続部材の一部が前記第2溝部に収容される、ことを特徴とする請求項2に記載の厚さ測定装置。
【請求項4】
前記協動アセンブリは第1固定部材を備え、前記回転部材は第1孔を備え、前記第1孔が前記回転部材に形成され、前記第1固定部材が前記第1孔を貫通して前記フレームの前記延伸部に接続し、前記回転部材が前記第1固定部材を回転軸として回転し、かつ前記第1接続部材と前記第1固定部材との間の距離は、前記第2接続部材と前記第1固定部材との間の距離よりも小さい、ことを特徴とする請求項2に記載の厚さ測定装置。
【請求項5】
前記協動アセンブリは第2固定部材を備え、前記回転部材は第2孔を備え、前記第2孔が前記回転部材に形成されかつ円弧形状であり、前記第2固定部材が前記第2孔を貫通して前記フレームの前記延伸部に接続され、前記回転部材が回転すると、前記第2固定部材が前記第2孔に沿って相対移動する、ことを特徴とする請求項4に記載の厚さ測定装置。
【請求項6】
前記第1接続部材と前記第1固定部材とを結ぶ線と、前記第2接続部材と前記第1固定部材とを結ぶ線とが夾角を形成し、前記夾角が45度~135度である、ことを特徴とする請求項4に記載の厚さ測定装置。
【請求項7】
前記第2移動アセンブリは弾性部材を備え、前記弾性部材は、前記第2ブロック部材と前記第2貫通孔の前記2つの側壁のいずれか1つとに当接する、ことを特徴とする請求項2に記載の厚さ測定装置。
【請求項8】
前記第1移動アセンブリは、第1ガイドロッドを備え、前記第2移動アセンブリは、第2ガイドロッドを備え、前記第1ガイドロッドが前記第1ブロック部材を貫通し、かつ両端はそれぞれ前記第1貫通孔の2つの側壁に固定するように接続され、前記第2ガイドロッドが前記第2ブロック部材を貫通し、かつ両端はそれぞれ前記第2貫通孔の2つの側壁に固定するように接続される、ことを特徴とする請求項2に記載の厚さ測定装置。
【請求項9】
前記第1ガイドロッドは、2つの第1凸部を備え、前記第2ガイドロッドは、2つの第2凸部を備え、前記2つの第1凸部が前記第1ガイドロッドの両端に設けられ、かつ前記フレームの前記延伸部に固定するように接続し、前記2つの第2凸部が前記第2ガイドロッドの両端に設けられ、かつ前記フレームの前記延伸部に固定するように接続する、ことを特徴とする請求項8に記載の厚さ測定装置。
【請求項10】
前記基板は、固定ベースと開口とを備え、前記固定ベースが前記基板の一端に設けられ、前記開口が前記固定ベースに設けられ、前記第1移動アセンブリの前記接触端部が前記開口を通して前記測定対象物に接触する、ことを特徴とする請求項1に記載の厚さ測定装置。
【請求項11】
前記フレームは、少なくとも1つの第1ベアリングと少なくとも1つの第2ベアリングとを備え、前記少なくとも1つの第1ベアリングと前記少なくとも1つの第2ベアリングは前記フレーム本体に設けられ、前記少なくとも1つの第1ベアリングが前記第1移動アセンブリに接触し、前記少なくとも1つの第2ベアリングが前記第2移動アセンブリに接触する、ことを特徴とする請求項1に記載の厚さ測定装置。
【請求項12】
前記第1方向と前記第2方向とが互いに垂直である、ことを特徴とする請求項1に記載の厚さ測定装置。
【請求項13】
前記センサーがキャパシタンスグレーティングセンサーであり、前記センシング部材が回折格子であることを特徴とする請求項1に記載の厚さ測定装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、厚さ測定装置に関し、より詳しくは、センシング部材の移動量を増幅して検出精度を向上させる厚さ測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ラミネーターがホットラミネートを行う場合、ホットラミネートのパラメーターを決定するため、ラミネートフィルムの厚さを確認する必要がある。既存のラミネートフィルムの厚さ計測機構では、回折格子と検出ロッドとを協動させて検測を行うのが一般である。検出ロッドが測定対象物に接触することによって変位される場合、キャパシタンスグレーティングセンサーに対する回折格子の相対移動距離を計測し、測定対象物の厚さを直接検出することができる。この構造設計での検出精度は、アセンブリの正確度およびセンサーの解析度に依存する。検出精度の要求が高いほど、アセンブリの正確度およびセンサーの解析度の要求も大幅に高まり、厚さ測定装置のコストが高くなる。
【0003】
したがって、従来技術が直面している問題を解決するために、上記の問題を解決できる厚さ測定装置を開発する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の主な目的は、前述した従来技術の問題点および欠点を解決できる、厚さ測定装置を提供することである。
【0005】
本発明のもう一つの目的は、厚さ測定装置を提供することである。協動アセンブリが第1移動アセンブリと第2移動アセンブリとの間に連結され、協動アセンブリの回転軸に対する、第1移動アセンブリおよび第2移動アセンブリとの距離の差によって、第2移動アセンブリがより大きな変位量を有し、検出信号を増幅させ、検出精度を向上させる効果がある。また、回転部材の構造設計によって、製造コストの削減効果もある。
【0006】
上記の目的を達成するために、本発明は厚さ測定装置を提供し、前記厚さ測定装置は、基板と第1移動アセンブリと第2移動アセンブリとフレームと協動アセンブリとを備える。基板は、基板本体とセンサーとを備える。センサーが基板本体の1つの表面に配置される。第1移動アセンブリが第1方向に変位可能であり、かつ測定対象物と接触する接触端部を備える。第2移動アセンブリが第2方向に変位可能であり、かつセンサーに対応するように設置されるセンシング部材を備える。フレームが基板と組み合わせるように接続され、かつフレーム本体と第1ガイド溝部と第2ガイド溝部とを備える。第1ガイド溝部と第2ガイド溝部はフレーム本体に形成される。第1移動アセンブリの少なくとも一部が第1ガイド溝部に収容されかつ第1ガイド溝部内に移動可能である。第2移動アセンブリの少なくとも一部が第2ガイド溝部に収容されかつ第2ガイド溝部内に移動可能である。協動アセンブリは回転部材と第1接続部材と第2接続部材とを備える。第1接続部材が回転部材の表面に設置されかつ第1移動アセンブリに接続する。第2接続部材が回転部材の前記に設置されかつ第2移動アセンブリに接続する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の第1実施形態における厚さ測定装置の正面図である。
図2図1に示す厚さ測定装置の立体構造を示す図である。
図3図1に示す厚さ測定装置をある角度から見た分解図である。
図4図1に示す厚さ測定装置を別の角度から見た分解図である。
図5図1に示す厚さ測定装置の第1移動アセンブリ、協動アセンブリ、および第2移動アセンブリの協動関係を示す図である。
図6】本発明の第2実施形態における厚さ測定装置の正面図である。
図7図6に示す厚さ測定装置の立体構造を示す図である。
図8図6に示す厚さ測定装置をある角度から見た分解図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の特徴および利点を具体化するいくつかの典型的な実施形態は、以下の内容で詳細に説明される。本発明は、様々な改良および変更を加えることができ、その改良および変更は本願特許請求の範囲から逸脱するものではない。また、本明細書に記載された内容および図面は、本発明を説明するためのものであり、本発明を限定するためのものではない。
【0009】
図1図4を参照されたい。図1は、本発明の第1実施形態における厚さ測定装置の正面図である。図2は、図1に示す厚さ測定装置の立体構造を示す図である。図3は、図1に示す厚さ測定装置をある角度から見た分解図である。図4は、図1に示す厚さ測定装置を別の角度から見た分解図である。図に示すように、厚さ測定装置は、基板1と、第1移動アセンブリ2と、第2移動アセンブリ3と、フレーム4と、協動アセンブリ5とを備える。基板1は、基板本体11とセンサー12とを備える。センサー12は、基板本体11の1つの表面に配置される。第1移動アセンブリ2は、第1方向X1に変位可能であり、かつ接触端部23を備える。前記接触端部23は測定対象物(すなわち、ラミネートフィルム)と接触するように使用される。本実施形態では、接触端部23は例えばローラーであるが、これには限定されない。第2移動アセンブリ3は、第2方向X2に変位可能であり、かつセンシング部材33を備える。前記センシング部材33はセンサー12に対応して配置される。本実施形態では、センサー12がキャパシタンスグレーティングセンサー(Capacitance-grating sensor)であり、センシング部材33が回折格子であるが、これには限定されない。フレーム4は、基板1と組み立てるように接続し、かつフレーム本体41と第1ガイド溝部45と第2ガイド溝部46とを備える。第1ガイド溝部45および第2ガイド溝部46はフレーム本体41に形成される。第1移動アセンブリ2の少なくとも一部が第1ガイド溝部45に収容されかつ第1ガイド溝部45に移動できる。第2移動アセンブリ3の少なくとも一部が第2ガイド溝部46に収容されかつ第2ガイド溝部46に移動できる。協動アセンブリ5は、回転部材51と、第1接続部材511と、第2接続部材512とを備える。第1接続部材511と第2接続部材512は、回転部材51の同じ側面に配置され、かつ第1接続部材511が第1移動アセンブリ2に接続し、第2接続部材512が第2移動アセンブリ3に接続する。
【0010】
本実施形態では、基板1は、固定ベース13と開口131とを備える。固定ベース13は、基板1の一端部に配置され、ラミネーターに接続して固定するように用いられる。開口131は、固定ベース13に配置され、第1移動アセンブリ2の接触端部23が開口131を通して測定対象物と接触する。
【0011】
本実施形態では、第1移動アセンブリ2は第1ブロック部材21と第1スライダー22とを備える。第1ブロック部材21が第1スライダー22に接続する。第1ブロック部材21は第1溝部211を備え、かつ接触端部23が第1スライダー22の一端に設けられる。第2移動アセンブリ3は第2ブロック部材31と第2スライダー32とを備える。第2ブロック部材31が第2スライダー32に接続する。第2ブロック部材31は第2溝部311を備える。センシング部材33が第2スライダー32の底面にかつ基板1のセンサー12に対応するように設けられる。フレーム4は延伸部42と第1貫通孔43と第2貫通孔44とを備える。延伸部42はフレーム本体41から延伸し、第1貫通孔43と第2貫通孔44とは延伸部42に設けられる。第1貫通孔43が第1ガイド溝部45に連通し、第2貫通孔44が第2ガイド溝部46に連通する。第1移動アセンブリ2の第1ブロック部材21がフレーム4の第1貫通孔43に収容され、第1スライダー22が第1ガイド溝部45に収容される。第2移動アセンブリ3の第2ブロック部材31がフレーム4の第2貫通孔44に収容され、第2スライダー32が第2ガイド溝部46に収容される。回転部材51の第1接続部材511が第1ブロック部材21の第1溝部211と係合するように設けられ、第2接続部材512が第2ブロック部材31の第2溝部311と係合するように設けられる。この構造によって、第1移動アセンブリ2と回転部材51と第2移動アセンブリ3は、互いに接続しかつ協動することができる。
【0012】
本実施形態では,協動アセンブリ5は第1固定部材52と第2固定部材53とを備える。回転部材51は第1孔513と第2孔514とを備える。第1孔513と第2孔514は回転部材51に設けられ、かつ第1孔513が概ね円形状であり、第2孔514が円弧形状である。第1固定部材52は、第1孔513を通してフレーム4の延伸部42に連結し、第2固定部材53が第2孔514を通してフレーム4の延伸部42に連結する。回転部材51は、第1固定部材52を回転軸として回転することができ、かつ第1接続部材511と第1固定部材52との間の距離は第2接続部材512と第1固定部材52との間の距離よりも小さい。第2孔514の円弧形状は、回転部材51の回転経路に従って設計され、この設計によって、第2固定部材53は、回転部材51の回転中に第2孔514に沿って相対的に移動することができる。本実施形態では、第1固定部材52および第2固定部材53は、固定、嵌合、または係合の方式によって、延伸部42と互いに接続および固定するが、これには限定されない。なお、本実施形態では、第2固定部材53および第2孔514は、回転部材51の回転中にフレーム4の延伸部42を離れることを防ぐためにのみ使用され、回転部材51の回転中の安定性を図るためものである。なお、これに限定されない。他の実施形態では、協動アセンブリ5が第2固定部材53を備えず、回転部材51が第2孔514を備えなくても良い。これによって、第1移動アセンブリ2の接触端部23が測定対象物に接触して第1方向X1に沿って移動すると、第1移動アセンブリ2は、第1接続部材511が第1方向X1に変位することを駆動し、回転部材51が第1固定部材52を回転軸として回転することを促進することができる。回転部材51が回転すると、回転部材51の第2接続部材512は、第2移動アセンブリ3が第2方向X2に変位することを駆動することができる。基板1におけるセンサー12が第2移動アセンブリ3のセンシング部材33の変位量を感知して、接触端部23の変位量、すなわち、ラミネートフィルムの厚さを算出することができる。また、第2接続部材512と回転部材51の回転軸との距離は第1接続部材511と回転部材51の回転軸の距離よりも大きいので、第2移動アセンブリ3の変位量は第1移動アセンブリ2の変位量よりも大きい。これによって、検出信号を増幅して測定精度を向上させる効果を奏する。
【0013】
図1および図5を参照されたい。図5は、図1に示す厚さ測定装置の第1移動アセンブリ、協動アセンブリ、および第2移動アセンブリの協動関係を示す図である。第2方向X2における第2移動アセンブリ3の変位量および第1方向X1における第1移動アセンブリ2の変位量の関係は、以下の式によって導出することができる。
ここでは、回転角度θは、第1移動アセンブリ2が回転部材51を回転させる角度である。夾角Kは、第1接続部材511と第1固定部材52とを結ぶ線と、第2接続部材512と第1固定部材52とを結ぶ線との夾角である。第1半径Aaは、第1接続部材511と第1固定部材52との間の距離に等しい。第2半径Abは、第2接続部材512と第1固定部材52との間の距離に等しい。第1移動距離Baは、回転部材51が回転する場合、第1接続部材511の移動距離である。第2移動距離Bbは、回転部材51が回転する場合、第2接続部材512の移動距離である。第1変位量Caは、回転部材51が回転する場合、第1方向X1における第1移動アセンブリ2の変位量である。第2変位量Cbは、回転部材51が回転する場合、第2方向X2における第2移動アセンブリ3の変位量である。
【0014】
本実施形態では、第1移動アセンブリ2および第2移動アセンブリ3は、協動アセンブリ5に接続されているので、第1移動アセンブリ2および第2移動アセンブリ3の移動経路は、実際には円弧形状であり、大まかに、第1移動距離Baおよび第2移動距離Bbで表示することができる。なお、フレーム4の構造は、第1移動アセンブリ2および第2移動アセンブリ3が円弧形状に移動可能に構成されている。
【0015】
上記の式により、第1変位量Caは第2変位量Cbから算出することができる。すなわち、第2移動アセンブリ3におけるセンシング部材33が第2方向X2に変位する変位量を検出することにより、測定対象物の厚さを算出することができる。なお、夾角Kが90度である場合、第2変位量Cbと第1変位量Caとの比は、第2半径Abと第1半径Aaとの比に等しい。したがって、本実施形態では、夾角Kが90度であることが好ましい。なお、本発明はこれに限定されない。別の実施形態では、夾角Kが45度~135度の範囲内である。本実施形態では、回転部材51の回転角度θが1度~45度であり、かつ第1方向X1が第2方向X2に垂直する。なお、本発明はこれに限定されない。
【0016】
本実施形態では、第1移動アセンブリ2は第1ガイドロッド24を備え、第2移動アセンブリ3は第2ガイドロッド34を備える。第1ガイドロッド24は、第1ブロック部材21を貫通し、かつ両端部はそれぞれ第1貫通孔43の2つの側壁に固定するように接続されている。第2ガイドロッド34は、第2ブロック部材31を貫通し、かつ両端部はそれぞれ第2貫通孔44の2つの側壁に固定するように接続されている。本実施形態では、第1ガイドロッド24は、第1方向X1に平行であり、例えば、貫通、係合、接着、または当接などの方式により、第1貫通孔43の2つの側壁に固定するように接続されており、かつ第1ブロック部材21が第1ガイドロッド24に沿って移動することができる。なお、本発明はこれに限定されない。第2ガイドロッド34は、第2方向X2に平行であり、例えば、貫通、係合、接着、または当接などの方式により、第2貫通孔44の2つの側壁に固定するように接続されており、かつ第2ブロック部材31が第2ガイドロッド34に沿って移動することができる。なお、本発明はこれに限定されない。本実施形態では、第1ガイドロッド24は2つの第1凸部241を備え、第2ガイドロッド34は2つの第2凸部341を備える。2つの第1凸部241は、それぞれ、第1ガイドロッド24の両端に設けられ、かつフレーム4の延伸部42に固定するように接続されている。2つの第2凸部341は、それぞれ、第2ガイドロッド34の両端部に設けられ、かつフレーム4の延伸部42に固定するように接続される。本実施形態では、第1凸部241および第2凸部341は、例えば、係合、嵌合、ロック固定などの方式により、延伸部42に固定するように接続される。なお、これには限定されない。第1ガイドロッド24、第2ガイドロッド34、第1凸部241、および第2凸部341の設置によって、第1移動アセンブリ2および第2移動アセンブリ3をより安定して移動させ、測定精度をさらに向上させることができる。
【0017】
本実施形態では、第2移動アセンブリ3は弾性部材35を備える。弾性部材35に第2ガイドロッド34を挿入し、弾性部材35は、第2ブロック部材31と第2貫通孔44の側壁との間に押し付けられ、第1移動アセンブリ2、回転部材51および第2移動アセンブリ3の復位機能を付与させる。
【0018】
図6図8を参照されたい。図6は、本発明の第2実施形態の厚さ測定装置の正面図である。図7は、図6に示す厚さ測定装置の立体構造を示す図である。図8は、図6に示す厚さ測定装置をある角度から見た分解図である。本実施形態では、協動アセンブリ5aの回転部材51aは比較的長くて狭い形状であり、かつフレーム4aは少なくとも1つの第1ベアリング47と、少なくとも1つの第2ベアリング48とを備える。第1ベアリング47および第2ベアリング48は、フレーム本体41に設けられる。第1ベアリング47が第1移動アセンブリ2に接触し、第2ベアリング48が第2移動アセンブリ3に接触する。本実施形態では、フレーム4aは、2組の第1ベアリング47と、2組の第2ベアリング48を備える。第1ベアリング47が第1移動アセンブリ2の第1ブロック部材21の側面に隣接し、第2ベアリング48が第2移動アセンブリ3の第2ブロック部材31の側面に隣接する。この構造によって、移動中の第1移動アセンブリ2および第2移動アセンブリ3とフレーム4との摩擦を低減し、円滑な移動性能を向上させ、厚さ測定の精度をさらに向上させることができる。
【0019】
本発明の第1および第2実施形態では、回転部材51が板部材である。なお、本発明の第1移動アセンブリ2および第2移動アセンブリ3は、単一の協動アセンブリ5によって連結されているので、本発明の厚さ測定装置は、比較的単純な構造を有しながら検出信号を増幅できる特徴を有する。これにより、本発明は、組み立て手順を簡素化し、構成の製造コストを削減するのに役立つ。
【0020】
以上のように、本発明は厚さ測定装置を提供しており、協動アセンブリの回転軸に対する、第1移動アセンブリおよび第2移動アセンブリの距離の差により、第2移動アセンブリがより大きな変位量を有し、検出信号を増幅する効果を有する。また、第1移動アセンブリおよび第2移動アセンブリは安定して移動する構造を備え、かつベアリングの設置によって、検出精度をさらに向上させることができる。また、回転部材の構造設計により、組み立て手順の簡素化および製造コストの削減効果を実現することができる。
【0021】
本発明は、当業者によって多くの変更および改良ができるが、その変更または改良のいずれも本願特許請求の範囲に含まれている。
【符号の説明】
【0022】
1:基板
11:基板本体
12:センサー
13:固定ベース
131:開口
2:第1移動アセンブリ
21:第1ブロック部材
211:第1溝部
22:第1スライダー
23:接触端部
24:第1ガイドロッド
241:第1凸部
3:第2移動アセンブリ
31:第2ブロック部材
311:第2溝部
32:第2スライダー
33:センシング部材
34:第2ガイドロッド
341:第2凸部
35:弾性部材
4、4a:フレーム
41:フレーム本体
42、42a:延伸部
43、43a:第1貫通孔
44、44a:第2貫通孔
45:第1ガイド溝部
46:第2ガイド溝部
47:第1ベアリング
48:第2ベアリング
5、5a:協動アセンブリ
51、51a:回転部材
511、511':第1接続部材
512、512':第2接続部材
513:第1孔
514:第2孔
52:第1固定部材
53:第2固定部材
Aa:第1半径
Ab:第2半径
Ba:第1移動距離
Bb:第2移動距離
Ca:第1変位量
Cb:第2変位量
Da:第1角度
Db:第2角度
Ea:第3角度
Eb:第4角度
Fa:第5角度
Fb:第6角度
Ga:第7角度
Gb:第8角度
Hb:第9角度
K:夾角
X1:第1方向
X2:第2方向
θ:回転角度
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【外国語明細書】