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特開2022-63869弾性バネを有する接触トリガ解放式針ガード
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022063869
(43)【公開日】2022-04-22
(54)【発明の名称】弾性バネを有する接触トリガ解放式針ガード
(51)【国際特許分類】
   A61M 5/32 20060101AFI20220415BHJP
【FI】
A61M5/32 500
A61M5/32 510R
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021177440
(22)【出願日】2021-10-29
(62)【分割の表示】P 2019231402の分割
【原出願日】2013-06-19
(31)【優先権主張番号】61/662,303
(32)【優先日】2012-06-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】13/802,130
(32)【優先日】2013-03-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】514022279
【氏名又は名称】セーフティ シリンジズ, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ライアン ショーンメイカー
【テーマコード(参考)】
4C066
【Fターム(参考)】
4C066AA09
4C066BB01
4C066EE14
4C066FF05
4C066LL26
4C066NN02
(57)【要約】
【課題】好適な弾性バネを有する接触トリガ解放式針ガードを提供すること。
【解決手段】その即時充填可能状態において、予充填された注射器に搭載可能な針ガードデバイス。本デバイスは、可撓性部材を用いて係止つばに相互接続され、係止つばに対して移動するように付勢される、デバイス遮蔽体を含む。係止つばは、デバイスを注射器に取着するための注射器首部と接合する。デバイス遮蔽体が近位に移動するにつれて、係止つばの回転アームは、デバイス遮蔽体内の角度が付けられた切り欠きと相互作用し、デバイス遮蔽体を係止つばに対して回転させ、デバイス遮蔽体上の1つ以上のキーを係止つば内の1つ以上のキー溝から係脱させ、デバイス遮蔽体をトリガし、デバイス遮蔽体が注射器先鋭部を暴露させるように後退可能な第1の構成から、デバイス遮蔽体が注射器先鋭部を被覆するように固定して位置付けられる第2の構成に移動させる。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
図面等に記載の注射器のための安全システム等。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(分野)
本明細書に提供される実施形態は、概して、注射器のための安全システムに関し、より具体的には、注射器の針を被覆するために自動的に起動される遮蔽体を含む、注射器のための針ガードに関する。
【背景技術】
【0002】
(背景情報)
薬剤は、多くの場合、一端の針と、他端に摺動可能に挿入され、ゴムストッパに結合される、プランジャとを伴う、注射筒を有する、ガラス製注射器等の薬品カートリッジを使用して、分注される。そのようなカートリッジは、空のまま装備され、注射を行なう前にユーザによって充填される、従来の注射器と比較して、最初に提供されるときに、規定投与量または体積の薬剤を含有し得るため、多くの場合、「予充填注射器」と称される。
【0003】
ガラス製注射器およびゴムストッパは、長年の間、酸素に対する不浸透性、低抽出性、生体適合性、耐久性等の一意の特性を有する、理想的薬物貯蔵封入体を提供してきた。しかしながら、両方とも、厳密な幾何学的公差には役立たないプロセスによって形成される。厳密な公差は、これらのデバイスが、他のデバイスと機械的に併用されなかったため、元々必要とされなかった。
【0004】
伝染性疾患のリスクのため、いくつかの注射器およびアダプタが、偶発的針刺しおよび/または注射器の不慮の再使用を防止するように意図されて開発されている。予充填された注射器のための従来の受動的針刺し防止安全デバイスは、注射の間、プランジャロッドを移動させるために要求される力に過剰に干渉せず、かつプランジャロッドの完全進行を防止しないように、注射器に搭載しなければならない。安全機構は、必然的に、薬物の投与または注射の終了に向かって(すなわち、プランジャロッド進行の終了近傍で)トリガされなければならない。しかしながら、事実上、全ての安全デバイスは、注射器の指掛け用フランジ下のある点において、安全デバイスに対して注射器を定めるため、安全デバイスの操作性は、注射器およびストッパの公差に依存する傾向となる。
【0005】
加えて、予充填された注射器のための従来の受動的針刺し防止安全デバイスは、注射器の注射筒またはその上に搭載する傾向にあるため、安全デバイスは、注射器の内容物を見えなくする傾向にあり、注射器の充填後に適用されなければならない。
【0006】
予充填された注射器は、形成プロセスおよび針の取着後、注射器が、内側および外側が徹底的に洗浄され、次いで、密閉された容器に定置され、次いで、滅菌され、薬品を充填する準備ができた状態で医薬系顧客に出荷される、即時充填可能注射器として、医薬系顧客に出荷される傾向にある。注射器容器は、100~160個の注射器を含有してもよく、それぞれ、確立された注射器取扱機器と一致する、幾何学的空間およびアクセスを伴う。注射器に適用される安全デバイスは、定位置にあり、それらの薬剤での充填に先立って、注射器をチェックする、光学検査システムを見えなくしてはならない。
【0007】
故に、即時充填可能注射器およびストッパ公差から独立した安全デバイストリガ機構を有し、注射器取扱容器に対する注射器位置に、または充填および包装の間、取扱機器が注射器を搬送する経路に悪影響を及ぼさず、かつ検査プロセスを妨害せず、注射器に組み立てられる、注射器のための針ガードを有することが望ましいであろう。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
(要約)
本明細書に説明されるシステムおよび方法は、注射器およびストッパ公差から独立した安全デバイストリガ機構を有する、注射器のための針ガードを対象とする。本明細書に説明される接触トリガ解放式針ガードデバイスは、即時充填可能注射器の遠位端に取着されるように設計される、針刺し防止デバイスである。針ガードデバイスは、係止つばと、係止つばに対して移動可能なデバイス遮蔽体とを含む。デバイス遮蔽体は、デバイス遮蔽体と係止つばとの間に連結された弾性バネによって、係止つばに対して付勢される。係止つばは、注射器首部および陥凹と接合し、針ガードデバイスを即時充填可能注射器に取着させる。剛性および軟性針遮蔽体を備える、剛性針遮蔽体サブアセンブリの除去によって、デバイス遮蔽体は、注射器首部に沿って、近位に自由に移動し、係止つばと相互作用し、デバイス遮蔽体をトリガし、デバイス遮蔽体が注射器先鋭部を暴露させるように移動可能な第1の構成から、針が固定して遮蔽または被覆される第2の構成に、係止つばに対して移動させる。
【0009】
使用時、デバイスユーザは、剛性針遮蔽体サブアセンブリを除去し、針等の注射器先鋭部を注射部位に挿入し、デバイス遮蔽体と皮膚の初期接触点を越えて注射器を押下し、デバイス遮蔽体を係止つばに沿って近位に移動させる。デバイス遮蔽体が係止つばに沿って近位に移動するにつれて、係止つばの回転アームは、デバイス遮蔽体内の角度が付けられた切り欠きと相互作用し、デバイス遮蔽体を係止つばに対して回転させ、デバイス遮蔽体上の1つ以上のキーを係止つば内の1つ以上のキー溝から係脱させ、デバイス遮蔽体をトリガし、デバイス遮蔽体が注射器先鋭部を暴露させるように後退可能な第1の構成から、デバイス遮蔽体が遮蔽体に固定して位置付けられる、または注射器先鋭部を被覆する第2の構成に移動させる。
本明細書は、例えば、以下の項目も提供する。
(項目1)
注射器に連結可能な針ガードであって、前記針ガードは、
注射器の首部に連結可能な係止つばと、
デバイス遮蔽体と、
前記係止つばおよび前記デバイス遮蔽体を相互接続する可撓性部材と
を備え、
前記デバイス遮蔽体は、前記デバイス遮蔽体が注射器先鋭部を暴露させるように自由に近位に後退される第1の構成から、前記デバイス遮蔽体が前記注射器先鋭部を被覆する位置に固定される第2の構成に、前記係止つばに対して移動可能であり、前記デバイス遮蔽体は、前記デバイス遮蔽体が近位に移動するにつれて、前記第1の構成から係脱させられ、前記デバイス遮蔽体が、前記可撓性部材の付勢下、前記第2の構成へと遠位に移動することを可能にする、針ガード。
(項目2)
前記可撓性部材は、前記デバイス遮蔽体が前記係止つばに対して近位に移動するにつれてエネルギーを貯蔵し、前記デバイス遮蔽体を付勢して前記第2の構成に向かって遠位に移動させるように構成される、項目1に記載の針ガード。
(項目3)
前記注射器の首部に取り外し可能に連結された剛性針遮蔽体アセンブリをさらに備える、項目1に記載の針ガード。
(項目4)
前記針遮蔽体アセンブリは、剛性針遮蔽体構成要素と、前記剛性針遮蔽体構成要素内に受容された軟性針遮蔽体構成要素とを備える、項目3に記載の針ガード。
(項目5)
前記デバイス遮蔽体は、1つ以上のロックアウトアームを含み、前記係止つばは、1つ以上の陥凹を含み、前記1つ以上のロックアウトアームは、前記1つ以上の陥凹内に係合し、前記デバイス遮蔽体を前記第2の構成に保定する、項目1に記載の針ガード。
(項目6)
前記1つ以上のロックアウトアームは、前記1つ以上の陥凹の上部および底部表面に当接する上部および底部表面を有する、項目5に記載の針ガード。
(項目7)
前記係止つばは、1つ以上の係止つばタブを含み、前記1つ以上の係止つばタブは、前記注射器の首部内の陥凹の中に受容可能であり、前記係止つばを前記注射器の首部上に保定する、項目1に記載の針ガード。
(項目8)
前記デバイス遮蔽体の起動を示す触知フィードバック機構をさらに備える、項目1に記載の針ガード。
(項目9)
前記触知フィードバック機構は、前記係止つば内の1つ以上の軸方向に延在するキー溝と、前記デバイス遮蔽体の内部に沿って軸方向に延在し、前記1つ以上のキー溝内に受容される、1つ以上のキーとを含む、項目8に記載の針ガード。
(項目10)
前記デバイス遮蔽体は、前記係止つばに対する前記デバイス遮蔽体の回転の際に、前記1つ以上のキーが、撓曲し、前記1つ以上のキー溝から係脱することを可能にする、1つ以上の切り欠きを含む、項目9に記載の針ガード。
(項目11)
前記デバイス遮蔽体内の1つ以上の角度が付けられた切り欠きと、前記係止つば上にあり、前記1つ以上の角度が付けられた切り欠き内に受容可能な1つ以上の回転アームとをさらに備える、項目10に記載の針ガード。
(項目12)
前記係止つばに対する前記デバイス遮蔽体の近位移動は、前記1つ以上の回転アームを前記1つ以上の角度が付けられた切り欠き内で移動させ、前記デバイス遮蔽体を前記係止つばに対して回転させる、項目11に記載の針ガード。
(項目13)
前記1つ以上のキーによって係合可能な前記係止つば上の1つ以上の回転停止タブをさらに備える、項目10に記載の針ガード。
(項目14)
注射器アセンブリであって、前記注射器アセンブリは、
注射器と、
前記注射器の遠位端において注射器首部から延在する針と、
前記注射器首部に連結された針ガードであって、前記注射器首部に連結可能な係止つばを含む、針ガードと、
前記デバイス遮蔽体および前記係止つばに連結された可撓性部材によって、前記係止つばに対して移動するように付勢されたデバイス遮蔽体と
を備え、
前記針ガードは、前記デバイス遮蔽体が注射器先鋭部を暴露させるように前記係止つばに対して近位に移動可能である第1の構成と、前記注射器先鋭部が前記デバイス遮蔽体によって固定して被覆される第2の構成とを有し、前記デバイス遮蔽体は、前記デバイス遮蔽体が近位に移動するにつれて、前記第1の構成から係脱させられ、前記デバイス遮蔽体が、前記可撓性部材の付勢下、前記第2の構成へと遠位に移動することを可能にする、注射器アセンブリ。
(項目15)
前記可撓性部材は、前記デバイス遮蔽体が前記係止つばに対して近位に移動するにつれてエネルギーを貯蔵し、前記デバイス遮蔽体を付勢して前記第2の構成に向かって遠位に移動させるように構成される、項目14に記載の注射器アセンブリ。
(項目16)
前記注射器の首部に取り外し可能に連結された剛性針遮蔽体アセンブリをさらに備える、項目14に記載の注射器アセンブリ。
(項目17)
前記針遮蔽体アセンブリは、剛性針遮蔽体構成要素と、前記剛性針遮蔽体構成要素内に受容された軟性針遮蔽体構成要素とを備える、項目16に記載の注射器アセンブリ。
(項目18)
前記デバイス遮蔽体は、1つ以上のロックアウトアームを含み、前記係止つばは、1つ以上の陥凹を含み、前記1つ以上のロックアウトアームは、前記1つ以上の陥凹内に係合し、前記デバイス遮蔽体を前記第2の構成に保定する、項目14に記載の注射器アセンブリ。
(項目19)
前記1つ以上のロックアウトアームは、前記1つ以上の陥凹の上部および底部表面に当接する上部および底部表面を有する、項目18に記載の注射器アセンブリ。
(項目20)
前記係止つばは、1つ以上の係止つばタブを含み、前記1つ以上の係止つばタブは、前記注射器首部内の陥凹の中に受容可能であり、前記係止つばを前記注射器首部上に保定する、項目14に記載の注射器アセンブリ。
(項目21)
前記係止つば内の1つ以上の軸方向に延在するキー溝と、前記デバイス遮蔽体の内部に沿って軸方向に延在し、前記1つ以上のキー溝内に受容される、1つ以上のキーとをさらに備える、項目14に記載の注射器アセンブリ。
(項目22)
前記デバイス遮蔽体は、前記係止つばに対する前記デバイス遮蔽体の回転の際に、前記1つ以上のキーが、撓曲し、前記1つ以上のキー溝から係脱することを可能にする、1つ以上の切り欠きを含む、項目21に記載の注射器アセンブリ。
(項目23)
前記デバイス遮蔽体内の1つ以上の角度が付けられた切り欠きと、前記係止つば上にあり、前記1つ以上の角度が付けられた切り欠き内に受容可能な1つ以上の回転アームとをさらに備える、項目22に記載の注射器アセンブリ。
(項目24)
前記係止つばに対する前記デバイス遮蔽体の近位移動は、前記1つ以上の回転アームを前記1つ以上の角度が付けられた切り欠き内で移動させ、前記デバイス遮蔽体を前記係止つばに対して回転させる、項目23に記載の注射器アセンブリ。
(項目25)
前記1つ以上のキーによって係合可能な前記係止つば上の1つ以上の回転停止タブをさらに備える、項目24に記載の注射器アセンブリ。
【0010】
本発明の他のシステム、方法、特徴、および利点は、以下の図および発明を実施するための形態の検討に応じて、当業者に明白となるであろう。
【0011】
加工、構造、および動作を含む、本明細書に提供される本発明の詳細は、類似参照番号が、類似部品を指す、付随の図の検証によって、部分的に得られ得る。図中の構成要素は、必ずしも、正確な縮尺ではなく、代わりに、本発明の原理を図示するために強調される。さらに、全ての例証は、概念を伝達することを意図しており、相対的サイズ、形状、および他の詳細な属性は、文言的または精密にではなく、図式的に図示され得る。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、安全デバイスと注射器の分解アセンブリの等角図である。
図2図2は、統合された係止つば、デバイス遮蔽体、および可撓性相互接続部品を製造するプロセスにおける第1のステップ(ポリマー射出成形-第1のショット)後の係止つばおよびデバイス遮蔽体の等角図である。
図3図3は、統合された係止つば、デバイス遮蔽体、および可撓性相互接続部品を製造するプロセスにおける第2のステップ(TPE射出成形-第2のショット)後の係止つば、デバイス遮蔽体、および可撓性相互接続の等角図である。
図4図4は、統合された係止つば、デバイス遮蔽体、および可撓性相互接続部品を製造するプロセスにおける第3のステップ(係止つば/デバイス遮蔽体ブリッジの切り取り)後の係止つば、デバイス遮蔽体、および可撓性相互接続の等角図である。
図5図5は、デバイス遮蔽体内に挿入された係止つばとともに組み立てられた統合された係止つば、デバイス遮蔽体、および可撓性相互接続部品の等角図である。
図6図6は、デバイス遮蔽体内に挿入された係止つばとともに組み立てられた統合された係止つば、デバイス遮蔽体、および可撓性相互接続部品の横断面図である。
図7図7は、使用に先立って、剛性針遮蔽体(RNS)を定位置に伴う、注射器首部に組み立てられた安全デバイスの横断面図である。
図8図8は、安全デバイスとの統合のためのカスタム首部を伴う、注射器の正面図である。
図9図9は、安全デバイスの係止つばの上面図である。
図10図10は、安全デバイスからの容易な除去のための統合されたグリップを伴う、RNSの等角図である。
図11図11は、RNSの等角横断面図である。
図12図12は、注射器およびプランジャと完全に組み立てられ、RNSが除去された安全デバイスの等角図である。デバイスは、患者の皮膚に対して圧接され、針を注射部位に挿入する準備ができた状態で描写される。
図13図13は、注射器と完全に組み立てられ、RNSが除去された、安全デバイスの断面部分等角図である。安全デバイスは、患者の皮膚に対して圧接され、針を注射部位に挿入する準備ができた状態で描写される。
図14図14は、注射部位への針の挿入に先立ったデバイスの断面等角図であり、デバイス遮蔽体係止アームが上方に進行する、係止つば内の斜面を示す。
図15図15は、係止つばの等角図である。
図16図16は、デバイス遮蔽体および可撓性相互接続部の一部が切り取られた、注射部位への針挿入に先立った安全デバイスの等角図である。本図は、係止つば回転アームおよびデバイス遮蔽体内の角度が付けられた切り欠きとのその整合を示す。
図17図17は、安全デバイスの上部を通した横断面図であり、デバイス遮蔽体上のキーおよび係止つば内のキー溝を介したデバイス遮蔽体および係止つばの回転依存を示す。
図18図18は、デバイス遮蔽体の断面等角図である。
図19図19は、針挿入の間、デバイス遮蔽体の角度が付けられた切り欠きと係合されている、係止つば回転アームの等角詳細図である。
図20図20は、針挿入の間、デバイス遮蔽体の角度が付けられた切り欠きと係合されている、係止つば回転アーム等の安全デバイスの等角詳細図である。
図21図21は、係止つばに対するデバイス遮蔽体の回転方向および針挿入点においてキー溝から撓曲するデバイス遮蔽体キーの能力を示す、針挿入の間の安全デバイスを通した等角横断面図である。
図22図22は、係止つばに対するデバイス遮蔽体の回転方向および針挿入点においてキー溝から撓曲するデバイス遮蔽体キーの能力を示す、針挿入の間の安全デバイスを通した近位端から見た横断面図である。
図23図23は、デバイス遮蔽体の角度が付けられた切り欠きの点Bに係止つば回転アームを伴う、完全針挿入時の安全デバイスの等角図である。
図24図24は、完全針挿入時のデバイス遮蔽体の角度が付けられた切り欠きの点Bにおける係止つば回転アームの詳細図である。
図25図25は、完全針挿入後の安全デバイスの等角横断面図であり、係止つばタブと回転係止されたデバイス遮蔽体キーを示す。
図26図26は、デバイス遮蔽体の断面(図18から90度オフセットされた)等角図である。
図27図27は、完全針挿入後の安全デバイスの等角横断面図であり、係止つば回転アームにかかるいかなる応力も緩和するための定位置におけるデバイス遮蔽体切り欠きを示す。
図28図28は、デバイス遮蔽体ロックアウトアームが係止つばと再係合するにつれた針除去に応じた安全デバイスの等角図である。
図29図29は、デバイス遮蔽体ロックアウトアームが係止つばと再係合するにつれた針除去に応じた安全デバイスの詳細横断面図である。
図30図30は、針除去およびデバイスロックアウト後のデバイスの断面部分等角図である。
図31図31は、ロックアウト位置にデバイス遮蔽体ロックアウトアームを伴う、針除去およびデバイスロックアウト後のデバイスの詳細断面等角図である。
図32図32は、デバイス遮蔽体の一部がデバイスの内側が見えるように切り取られた代替ロックアウト方法実施形態の部分等角図である。代替ロックアウト方法実施形態は、デバイス使用に先立った状態に示される。
図33図33は、デバイス使用に先立った代替ロックアウト方法実施形態の部分等角図である。
図34図34は、針が注射部位に途中まで挿入された後の代替ロックアウト方法実施形態の部分等角図である。
図35図35は、針が注射部位に途中まで挿入された後の代替ロックアウト方法実施形態の断面部分等角図である。
図36図36は、代替ロックアウト方法実施形態において使用される係止リングの等角図である。
図37図37AおよびBは、針が注射部位に完全に挿入された後の代替ロックアウト方法実施形態の断面部分等角図である。
図38図38AおよびBは、針が注射部位から完全に除去され、デバイスが係止状態に来た後の代替ロックアウト方法実施形態の断面部分等角図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(詳細な説明)
本明細書に説明されるシステムおよび方法は、注射器幾何学形状から独立する安全デバイストリガ機構を有する、注射器のための針ガードを対象とする。ここで、図を参照すると、図1-38は、接触トリガ解放式針ガードの実施形態を示す。本明細書に説明される針ガードは、その即時充填可能状態において、予充填された注射器の遠位端に取着されるように設計された針刺し防止安全デバイスである。図1に描写されるように、針刺し防止安全デバイスまたは針ガード100は、その即時充填可能状態において、注射器50の遠位端に取着されるように設計される。デバイス100は、係止つば10と、デバイス遮蔽体20と、可撓性相互接続部30と、剛性外側構成要素41および軟性内側構成要素42(図7、9、および10参照)から成る剛性針遮蔽体40とから成る。好ましい実施形態では、係止つば10、デバイス遮蔽体20、および可撓性相互接続部30は、1つの射出成形プロセスにおいて生産される。プロセスは、単一ポリマー材料を用いた第1の射出成形ショットにおいて、係止つば10およびデバイス遮蔽体20を射出成形するステップから成る。図2に描写されるように、2つの部品は、薄い材料のブリッジ60を介して、または典型的には組合せ金型として知られるランナシステムを介して、接続されてもよい。第2の射出成形ショットは、図3に示されるように、係止つば10をデバイス遮蔽体20に物理的に接続する可撓性相互接続部30を生産するであろう、熱可塑性物質エラストマー(TPE)等の可撓性材料から成るであろう。射出成形プロセスの間、可撓性相互接続部30は、係止つば10およびデバイス遮蔽体20に物理的に結合するであろう。代替として、係止つば10およびデバイス遮蔽体20は、可撓性相互接続部30が射出成形されると、物理機械的結合が部品間に生成されるように設計されてもよい。プロセスにおける最後のステップは、ブリッジ60を切り取ることである。安全デバイス100は、図4では、ブリッジ60を伴わずに描写される。
【0014】
図5および6に示されるように、安全デバイス100が組み立てられると、係止つば10は、デバイス遮蔽体20内に押動または挿入される。本ステップは、係止つば10とデバイス遮蔽体20との間に連結され、その間に位置付けられる、可撓性相互接続部30の可撓性によって可能となる。
【0015】
図7、8、および9を参照すると、デバイス100は、注射器首部53内の陥凹52および係止つば10の内径上に位置する係止つばタブ11を介して、注射器50に組み立てられて示される。剛性針遮蔽体40は、注射器54の遠位端に取着される。図10および11に示されるように、剛性針遮蔽体40は、外側剛性熱可塑性物質41と、例えば、Stelmi剛性針遮蔽体またはBD剛性針遮蔽体等、現在市販され、多くの場合、針および薬物を保護するためのガラス製の予充填された注射器上で使用されるような内側軟性エラストマー針遮蔽体42とから成る。注射器54の遠位端は、標準的1ml長の予充填されたガラス製注射器と同じであるように設計される。その結果、剛性針遮蔽体40は、現在の予充填された注射器剛性針遮蔽体システムと同じく機能し、軟性針遮蔽体構成要素42と注射器の球状部55および軟性針遮蔽体構成要素42と注射器先鋭部51との間にシールを生成することによって、針先鋭部51および注射器50の内容物の両方を保護する。
【0016】
剛性針遮蔽体40はまた、図7に描写されるように、デバイス遮蔽体20の底部から突出する、外側剛性部分41から延在するグリップ区画43を含有する。グリップ43は、ユーザが、注射器50および安全デバイス100の使用に先立って、剛性針遮蔽体40を把持および除去するために利用可能である。剛性針遮蔽体40の除去後、注射器50および安全デバイス100は、薬物注射のための準備ができる。
【0017】
図12を参照すると、ユーザに注射を行うために、デバイス遮蔽体20の遠位端28を注射部位70に対して留置し、注射器50を押動させ、針51を挿入するであろう。注射器50が遠位に押動されるにつれて、デバイス遮蔽体20は、注射器50に沿って、近位に進行するであろう。図13に示されるように、可撓性相互接続部30は、係止つば10の遠位端およびデバイス遮蔽体20の近位端に結合または固定され、その結果、注射器50が、遠位に押動されるにつれて、注射器50に連結された係止つば10は、デバイス遮蔽体20に対して遠位に進行し、可撓性相互接続部30を伸展させ、それによって、エネルギーを貯蔵し、したがって、ばねのように作用する。
【0018】
近位に注射器50に沿ったデバイス遮蔽体20の初期数ミリメートルの進行の間、デバイス遮蔽体ロックアウトアーム22が、図14に示されるように、係止つば10上に位置する斜面12に沿って上方または近位に乗設される。その結果、デバイス遮蔽体ロックアウトアーム22は、撓曲し、注射部位70への針51の挿入の間、撓曲した状態で注射器50に沿って上方または近位に乗設されるであろう。図15および16を参照すると、角度が付けられた切り欠き23が、デバイス遮蔽体20内に示され、回転アーム14が、係止つば10上に示される。回転アーム14は、角度が付けられた切り欠き23の開始点(点A)と垂直に整合される。図17および18に描写されるように、針51挿入に先立って、係止つば10およびデバイス遮蔽体20は、デバイス遮蔽体20の内部に沿って軸方向に延在するキー25および係止つば10の外側周縁上に位置するキー溝15を介して回転連結される。図19および20を参照すると、係止つば10の回転アーム14が角度が付けられた切り欠き23の点Aに到達するように十分な所定の距離だけ、デバイス遮蔽体20が、注射器50に沿って上方または近位に進行すると、デバイス遮蔽体20の内側にある間、撓曲状態にある回転アーム14は、デバイス遮蔽体20内の角度が付けられた切り欠き23の中に跳ね返るであろう。角度が付けられた切り欠き表面26と回転アーム14の底部縁16との間で行われるここでの接触および注射器50に対するデバイス遮蔽体20の持続的近位移動の結果、デバイス遮蔽体20および係止つば10は、相互に対して回転し始めるであろう。図21および22に描写されるように、針51が、注射部位70内にさらに挿入されるにつれて、デバイス遮蔽体20および係止つば10が相互に対して回転するため、デバイス遮蔽体キー25上の角度が付けられたまたは面取り表面27およびデバイス遮蔽体20内の切り欠き28は、デバイス遮蔽体キー25が、キー溝15から外方に撓曲し、係止つばタブ17にわたって進行することを可能にする。
図23および24を参照すると、係止つば回転アーム14が角度が付けられた切り欠き23内の点Bに到達する点において、針51は、注射部位70内に完全に挿入され、デバイス遮蔽体20は、回転アーム14の底部表面16と角度が付けられた切り欠き23の底部表面29との間の界面のため、これ以上注射器50に沿って上方または近位に移動することができず、図25に示されるように、デバイス遮蔽体20および係止つば10は、キー25が係止つばタブ17との係合に跳ね返されるにつれて、回転固定される。デバイス遮蔽体20および係止つば10は、本デバイスの使用点において、回転固定されるのが好ましく、そうでなければ、針51挿入の間の係止つば10に関連したデバイス遮蔽体20の捻転の結果、可撓性相互接続部30内に生成された捻転が、針51除去の際に、デバイス遮蔽体20および係止つば10を相互に対して押勢し、その元の配向に跳ね返させる傾向となるであろう。そのような発生は、デバイス遮蔽体20が、注射部位70からの完全針除去51の際に、遮蔽位置に適切に係止することを妨害する傾向となるであろう。
【0019】
注射が与えられ、注射器50が注射部位70から引き離された後、応力または可撓性相互接続部30内に貯蔵されたエネルギーは、デバイス遮蔽体20を押勢し、注射器50を辿って遠位に後方に移動させる。その結果、デバイス遮蔽体20は、常時、針51を遮蔽し、その結果、投与者が針51で自らを偶発的に刺すことを防止する。図26および27を参照すると、デバイス遮蔽体20が、注射器50の遠位端に向かって後方に押勢されるにつれて、回転アーム14は、デバイス遮蔽体20の内部内のチャネル65の中に乗設される。チャネル65の目的は、回転アーム14が撓曲するために要求されないように保ち、その結果、針51遮蔽の間、回転アーム14とデバイス遮蔽体20との間に抵抗摩擦力を生成することである。
さらに、図28および29に示されるように、デバイス遮蔽体20が、伸展された可撓性相互接続部30からの力の結果、注射器50の遠位端に向かって後方に押勢されるにつれて、デバイス遮蔽体ロックアウトアーム22は、注射器50の表面に沿って、次いで、係止つば10内のへり18に沿って、撓曲状態で乗設される。図30および31に描写されるように、デバイス遮蔽体ロックアウトアーム22が係止つばのへり18を辿って遠位に乗設されるにつれて、係止つば内の陥凹19に遭遇し、その撓曲状態のため、その中にスナップするであろう。デバイス遮蔽体ロックアウトアーム22の上部または近位縁66と係止つば陥凹19の上部または遠位表面68との間の界面は、デバイス遮蔽体22を係止状態にさせ、針51を恒久的に保護および遮蔽する。ロックアウトアーム22の底部と係止つば陥凹19の底部表面との間の界面は、注射器50に対するデバイス遮蔽体20のさらなる遠位移動を防止する。
【0020】
図32および33を参照すると、代替実施形態は、異なるデバイスロックアウト方法を含むように示される。係止リング150は、デバイス使用の前に、その遠位端において、係止つば110に組み立てられる。係止リング150は、両側に、デバイス遮蔽体120内の2つのチャネル121の中に着座する2つのタブ151を含有する。図34に示されるように、針挿入の間、チャネルの底部表面128が係止リングタブ151に接触するまで、係止リングタブ151がデバイス遮蔽体チャネル121内を摺動するように、針遮蔽体120が注射部位から注射器160筒まで近位に移動する。デバイス遮蔽体120が、注射器160筒まで移動し続け、針がさらに注射部位を穿刺するにつれて、係止リング150は、図35に描写されるように、係止つば110のシャフト112までデバイス遮蔽体120とともに搬送され、そこで、係止つば110の両側の勾配斜面114に遭遇し、勾配斜面114にわたって撓曲する。図36に示されるように、係止リング150は、文字Cのように成形され、可撓性になる。
図37AおよびBを参照すると、係止つば110の勾配斜面114の上部に、平坦表面115を含む。係止リング150が、勾配斜面114に乗設されると、その元の形状に戻るように弛緩し、その底部表面154は、勾配斜面114の平坦表面115上に静置するであろう。係止リング150上の2つの突出部156(各側に1つ)は、ここで、注射器160筒の外側寸法と噛合および合致する。それらはまた、デバイス遮蔽体ロックアウトアーム122と垂直整合する。
注射が完了し、注射器が注射部位から引っ張られた後、デバイス遮蔽体120は、弾性および可撓性相互接続部130によって発生されるばね力のため、前述の実施形態に説明されたように、注射器160筒を辿って後方に遠位に移動するであろう。安全デバイスをロックアウトするために、撓曲梁状態にあるデバイス遮蔽体ロックアウトアーム122は、針が注射部位から除去されるにつれて、注射器160筒から係止リング突出156に接触を移行し、図38AおよびBに示されるように、次いで、突出部156下の定位置にスナップするであろう。図32に示されるように、係止リング150は、係止つば勾配斜面114の平坦表面115および係止つばへり119の底部表面によって垂直に拘束されるため、遮蔽体120は、注射筒160に対して上下に移動することが不可能であり、その結果、デバイスに係止し、ユーザを偶発的針刺しから保護するであろう。
【0021】
前述の明細書では、本発明は、その具体的実施形態を参照して説明された。しかしながら、種々の修正および変更が、より広義な本発明の精神および範囲から逸脱することなく、そこに成され得ることは明白であるであろう。例えば、読者は、本明細書に説明されるプロセスフロー図に示される、プロセス作用の具体的順序および組み合わせが、別様に記載されない限り、単に、例証であり、本発明は、異なるまたは付加的プロセス作用、あるいはプロセス作用の異なる組み合わせまたは順序を使用して行なわれ得ることを理解するはずである。別の実施例として、一実施形態の各特徴は、他の実施形態に示される他の特徴とうまく組み合わせられ得る。当業者に既知の特徴およびプロセスも、同様に、所望に応じて、組み込まれてもよい。加えて、明白であるが、特徴は、所望に応じて、追加または除外されてもよい。故に、本発明は、添付の請求項およびその均等物に照らして以外、制約されるものではない。
図1
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【外国語明細書】