(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022063892
(43)【公開日】2022-04-25
(54)【発明の名称】マイクロフォン用カバー
(51)【国際特許分類】
H04R 1/08 20060101AFI20220418BHJP
H04R 1/12 20060101ALI20220418BHJP
【FI】
H04R1/08
H04R1/12
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020172263
(22)【出願日】2020-10-13
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-03-17
(71)【出願人】
【識別番号】520341821
【氏名又は名称】今本 善明
(74)【代理人】
【識別番号】100125645
【弁理士】
【氏名又は名称】是枝 洋介
(74)【代理人】
【識別番号】100145609
【弁理士】
【氏名又は名称】楠屋 宏行
(74)【代理人】
【識別番号】100149490
【弁理士】
【氏名又は名称】羽柴 拓司
(72)【発明者】
【氏名】今本 善明
(72)【発明者】
【氏名】松本 美智子
【テーマコード(参考)】
5D017
【Fターム(参考)】
5D017BE10
(57)【要約】
【課題】マイクを使用して発話や歌唱を行う場合に、自分が発する声を明瞭に聞き取りながら発話や歌唱を行うことができると共に、唾液の飛散を効果的に防止することができるマイクロフォン用カバーの提供を課題とする。
【解決手段】マイクロフォン30に着脱自在に装着して使用するマイクロフォン用カバー1であって、上面が開口したお椀型のカバー本体10の底面中央部に、マイクロフォン30の把持部32の最大径と同じかやや小さい径を有するマイクロフォン挿通用穴11を備えると共に、開口の径が、マイクロフォン30のマイク部31の最大径よりも大きいマイクロフォン用カバーである。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マイクロフォンに着脱自在に装着して使用するマイクロフォン用カバーであって、上面が開口したお椀型のカバー本体の底面中央部に、マイクロフォンの把持部の最大径と同じかやや小さい径を有するマイクロフォン挿通用穴を備えると共に、前記開口の径が、マイクロフォンのマイク部の最大径よりも大きいことを特徴とするマイクロフォン用カバー。
【請求項2】
マイクロフォン挿通用穴の周縁部に、弾性部材を配置してあることを特徴とする請求項1に記載のマイクロフォン用カバー。
【請求項3】
マイクロフォン挿通用穴の周縁部に、複数のスリットを設けてあることを特徴とする請求項1又は2に記載のマイクロフォン用カバー。
【請求項4】
カバー本体の内面に、マイクロフォンのマイク部を保持するための保持部を備えることを特徴とする請求項1~3の何れか1項に記載のマイクロフォン用カバー。
【請求項5】
保持部は、カバー本体の内面からマイクロフォン挿通用穴まで延びると共に、側面を、マイク部を受け止めて着座させる湾曲面とする薄板状の保持用片で構成され、前記保持用片をマイクロフォン挿通用穴の周方向に等間隔に三つ以上配置してあることを特徴とする請求項4に記載のマイクロフォン用カバー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自分が発する声を明瞭に聞き取りながら発話や歌唱を行うことができると共に、唾液の飛散を効果的に防止することができるマイクロフォン用カバーに関する。
【背景技術】
【0002】
マイクロフォン(以下、マイクとする。)は、発話者や歌唱者が発した音の振動を電気信号に変換するための装置である。マイクを使用して発話や歌唱を行う際、特に、街中やカラオケ店など、周囲が騒然とした場所では、発話者や歌唱者が自分の声を明瞭に聞き取りながら話したり、歌ったりすることは通常困難なことである。また、たとえ自宅などの静寂な場所で、例えばマイクを使用して歌唱の練習をする場合などでも、自分自身の声の状態を自分で明瞭に認識することは、ボイスレコーダーなどを利用して録音したものを聞く場合などを除いて困難なものである。
このような問題に対して、自分の歌声を自分自身で明瞭に聞き取ることができる従来技術として、例えば、下記特許文献1がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1は、歌唱練習用器具に関する発明で、カラオケ歌唱などの練習をする際にマイクを使わず歌う場合に、自分自身の歌声を明瞭に聞き取ることができるというメリットがある。
しかしながら、上記特許文献1に示す技術は、あくまでマイクを使わない場合に使用するものであり、マイクを使用する場合に自分が発する声を明瞭に聞き取りながら発話や歌唱を行うことができるものではないという問題が依然としてあった。
【0005】
そこで、本発明は上記従来における問題点を解決し、マイクを使用して発話や歌唱を行う場合に、自分が発する声を明瞭に聞き取りながら発話や歌唱を行うことができると共に、唾液の飛散を効果的に防止することができるマイクロフォン用カバーの提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を達成するため、本発明のマイクロフォン用カバーは、マイクロフォンに着脱自在に装着して使用するマイクロフォン用カバーであって、上面が開口したお椀型のカバー本体の底面中央部に、マイクロフォンの把持部の最大径と同じかやや小さい径を有するマイクロフォン挿通用穴を備えると共に、前記開口の径が、マイクロフォンのマイク部の最大径よりも大きいことを第1の特徴としている。
また、本発明のマイクロフォン用カバーは、上記第1の特徴に加えて、マイクロフォン挿通用穴の周縁部に、弾性部材を配置してあることを第2の特徴としている。
また、本発明のマイクロフォン用カバーは、上記第1又は第2の特徴に加えて、マイクロフォン挿通用穴の周縁部に、複数のスリットを設けてあることを第3の特徴としている。
また、本発明のマイクロフォン用カバーは、上記第1~第3の何れか1つの特徴に加えて、カバー本体の内面に、マイクロフォンのマイク部を保持するための保持部を備えることを第4の特徴としている。
また、本発明のマイクロフォン用カバーは、上記第4の特徴に加えて、保持部は、カバー本体の内面からマイクロフォン挿通用穴まで延びると共に、側面を、マイク部を受け止めて着座させる湾曲面とする薄板状の保持用片で構成され、前記保持用片をマイクロフォン挿通用穴の周方向に等間隔に三つ以上配置してあることを第5の特徴としている。
【発明の効果】
【0007】
上記第1の特徴によるマイクロフォン用カバーによれば、マイクロフォン挿通用穴にマイクロフォンを挿通させるだけで、容易且つ迅速にマイクロフォンにマイクロフォン用カバーを装着することができる。また、上面が開口したお椀型をなすと共に、開口の径がマイクロフォンのマイク部の最大径よりも大きい構成とすることで、発話者や歌唱者が発した音を発話者側や歌唱者側に確実に反響させることができる。よって、マイクを使用して発話や歌唱を行う場合に、自分が発する声を明瞭に聞き取りながら発話や歌唱を行うことができる。加えて、唾液の飛散を効果的に防止することができる。
【0008】
また、上記第2の特徴によるマイクロフォン用カバーによれば、上記第1の特徴による作用効果に加えて、把持部をより挿通させ易いと共に、挿通させた把持部をより確実に保持することができ、使用時にマイクロフォン用カバーがずれ動くことを効果的に防止することができる。
【0009】
また、上記第3の特徴によるマイクロフォン用カバーによれば、上記第1又は2の特徴による作用効果に加えて、把持部を一段と挿通させ易いマイクロフォン用カバーとすることができる。
【0010】
また、上記第4の特徴によるマイクロフォン用カバーによれば、上記第1~第3の何れか1つの特徴による作用効果に加えて、使用時にマイク部を確実に保持することができ、マイクロフォン用カバーがずれ動くことを一段と防止することができる。
【0011】
また、上記第5の特徴によるマイクロフォン用カバーによれば、上記第1~第4の何れか1つの特徴による作用効果に加えて、簡易な構成で保持部を形成することができると共に、保持部の軽量化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の実施形態に係るマイクロフォン用カバーの使用状態を示す図である。
【
図2】本発明の実施形態に係るマイクロフォン用カバーを示す図で、(a)はマイクロフォンに装着した状態を示す斜視図、(b)はマイクロフォンに装着する前の状態を示す斜視図である。
【
図3】本発明の実施形態に係るマイクロフォン用カバーを示す図で、(a)は平面図、(b)は底面図である。
【
図4】本発明の実施形態に係るマイクロフォン用カバーを示す図で、(a)はマイクロフォンに装着する状態を示す側面図、(b)はマイクロフォンに装着した状態を示す側面図である。
【
図5】本発明の実施形態に係るマイクロフォン用カバーの変形例を示す図で、(a)は変形例1に係るマイクロフォン用カバーを示す側面図、(b)は変形例2に係るマイクロフォン用カバーを示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、各図面を参照して、本発明の実施形態に係るマイクロフォン用カバーを説明し、本発明の理解に供する。しかし、以下の説明は特許請求の範囲に記載の本発明を限定するものではない。
【0014】
まず、
図1~
図4を参照して、本発明の実施形態に係るマイクロフォン用カバー1を説明する。
【0015】
図1を参照して、本発明の実施形態に係るマイクロフォン用カバー1は、マイクロフォン30に着脱自在に装着して使用するものである。
このマイクロフォン用カバー1は、
図1、
図2に示すように、カバー本体10と、保持部20とから構成される。
【0016】
前記カバー本体10は、マイクロフォン用カバー1の骨格を構成するもので、本実施形態においては
図1、
図2に示すように、上面が開口した平面視円形のお椀型の部材で構成されている。
また、
図2(b)に示すように、カバー本体10の底面14の中央部には、マイクロフォン30の把持部32の最大径と同じかやや小さい径を有する円形のマイクロフォン挿通用穴11を設けてある。なお、ここで「やや小さい」とは、マイクロフォン30の把持部32の最大径よりも1mm~2mm程度小さいことを意味するものである。
本実施形態においては、マイクロフォン30の把持部32の最大径と同じ径を有する円形のマイクロフォン挿通用穴11を設けてある。
なお、マイクロフォン挿通用穴11の形状は、円形に限るものではなく、適宜変更可能である。
【0017】
また、
図2(b)に示すように、マイクロフォン挿通用穴11の周辺部には、複数のスリット11aを設けてある。具体的には、マイクロフォン挿通用穴11の中心から放射状に直線状のスリットを複数(本実施形態においては、18個)設けてある。なお、スリット11aの長さは、3mm~5mm程度とすることが望ましい。勿論、スリットの数や形状は本実施形態のものに限るものではなく、適宜変更可能である。このスリットは、汎用されている裁断機を用いて形成することができる。
【0018】
また、
図1~
図3に示すように、開口の周縁部には、マイクロフォン挿通用穴11に挿通されるマイクロフォン30の把持部32の軸線と直交する方向に向けて、開口から外方へ延びる第1の開口部平坦面12を備えている。なお、第1の開口部平坦面の長さ(幅)は、7mm~8mm程度とすることが望ましい。
更に、開口から下方に数ミリ程度の位置に、マイクロフォン挿通用穴11に挿通されるマイクロフォン30の把持部32の軸線と直交する方向に向けて、開口から内方へ延びる第2の開口部平坦面13を備えている。なお、ここで「開口から下方に数ミリ程度」とは、8mm~1cm程度を意味するものである。なお、第2の開口部平坦面の長さ(幅)は、2mm~3mm程度とすることが望ましい。
【0019】
本実施形態においては、このような構成からなるカバー本体10を、天然植物繊維を主材料とする紙を用いて、型にてスリット11a以外を一体形成し、その後、裁断機を用いてスリット11aを形成する構成としてある。
なお、天然植物繊維としては、例えば、さとうきび繊維を用いることができる。
また、カバー本体10の厚みは、2mm~3mm程度とすることが望ましい。更に、カバー本体10の重さは、8グラム~15グラム程度とすることが望ましい。
【0020】
前記保持部20は、マイクロフォン用カバー1をマイクロフォン30に装着した際に、マイク部31を保持するためのものである。
本実施形態においては
図1~
図3に示すように、保持部20として、カバー本体10の内面からマイクロフォン挿通用穴11まで延びると共に、側面を、マイク部31を受け止めて着座させる湾曲面21とする薄板状の保持用片を用いる構成としてある。
より具体的には、保持部20として、カバー本体10の内面からマイクロフォン挿通用穴11まで延びると共に、側面を、カバー本体10の外方に向けて凹んだ湾曲面21とする薄板状の保持用片を用いる構成としてある。なお、保持用片の上面22の開口の径方向の長さは、25mm~28mm程度とすることが望ましい。また、湾曲面21の曲率半径は、マイク部31の曲率半径と同程度とすることが望ましい。更に、保持用片の厚みは、2mm~3mm程度とすることが望ましい。
また、本実施形態においては、このような保持用片を、マイクロフォン挿通用穴11の周方向に等間隔に三つ配置する構成としてある。勿論、保持用片の数や配置位置は本実施形態のものに限るものではなく、マイク部31をしっかりと保持できる構成であれば、適宜変更可能である。
また、本実施形態においては、
図3(a)に示す、三つの湾曲面21の頂部を通る円の直径Eの長さをマイク部31の最大径よりも長い構成とすることで、
図1、
図2(a)、
図4(b)に示すように、マイクロフォン31にマイクロフォン用カバー1を装着した状態において、マイク部31がマイクロフォン用カバー1の内部に収容される構成としてある。
なお、三つの保持用片は、例えば、カバー本体10を形成する天然植物繊維を主材料とする紙を用いて形成することができる。本実施形態においては、カバー本体10と同一部材を用いて三つの保持用片を形成すると共に、カバー本体10と一体成形する構成としてある。勿論、このような構成に限るものではなく、カバー本体10と別部材で形成し、接着剤などを介してカバー本体10に固定させるような構成としてもよい。
【0021】
なお、
図3(b)に示す開口の直径Fは、127mm~128mm程度とすることが望ましい。また、第1の開口部平坦面12の外周で構成される円の直径Gは、134mm~136mm程度とすることが望ましい。
【0022】
次に、
図4を参照して、本発明の実施形態に係るマイクロフォン用カバー1のマイクロフォン30への装着方法を説明する。
図4(a)を参照して、マイクロフォン30の下方に、開口をマイクロフォン30側に向けた状態でマイクロフォン用カバー1を配置する。
そして、その状態で把持部32の下端をマイクロフォン挿通用穴11に挿通させ、把持部32を下方にスライドさせる。
そして、把持部32が容易にスライドしない状態(把持部32の最大径の位置がマイクロフォン挿通用穴11に達した状態)となったところで、マイクロフォン30の下方への移動を停止する。
これにより、
図4(b)に示すように、マイクロフォン30へのマイクロフォン用カバー1の装着が完了する。
なお、把持部32の形状が、
図4(a)に示す把持部32の形状のように、マイク部31側が最大径となる構成ではなく、全て同じ径(太さ)であった場合には、できる限り把持部32を下方にスライドさせて、マイク部31の側でマイクロフォン用カバー1を装着させることが必要である。
【0023】
このような構成からなる本発明の実施形態に係るマイクロフォン用カバー1は、以下の効果を奏する。
【0024】
カバー本体10の底面14の中央部に、マイクロフォン30の把持部32の最大径と同じ径を有する円形のマイクロフォン挿通用穴11を備える構成とすることで、本実施形態における把持部32は
図4(a)に示すように、把持部32におけるマイク部31側が最大径となる構成であることから、マイクロフォン挿通用穴11に把持部32の下端を挿通させてマイクロフォン30を下方にスライド(或いはマイクロフォン用カバー1を上方にスライド)させるだけで、容易且つ迅速にマイクロフォン30にマイクロフォン用カバー1を装着することができる。よって、装着容易なマイクロフォン用カバー1とすることができる。加えて、マイクロフォン用カバー1をマイクロフォン30から取り外す際においても、マイクロフォン30或いはマイクロフォン用カバー1をスライドさせるだけで取り外すことができ、取り外し容易なマイクロフォン用カバー1とすることができる。
【0025】
また、上面が開口したお椀型をなすと共に、開口の径がマイクロフォン30のマイク部31の最大径よりも大きい構成とすることで、発話者や歌唱者が発した音を発話者側や歌唱者側に確実に反響させることができる。よって、マイクを使用して発話や歌唱を行う場合に、自分が発する声を明瞭に聞き取りながら発話や歌唱を行うことができる。このような効果は、自分の声の状態を確認しながら歌うことができることで、メロディーに一段と乗りながら楽しく歌うことができるようになる点において、カラオケで歌唱する場合に特に有効な効果である。また、周囲が騒然した街頭などで選挙演説を行う立候補者などが使用する場合にも有効な効果である。
更に、カバー本体10を、平面視円形のお椀型とすることで、発話者や歌唱者が発した音を発話者側や歌唱者側に均一に反響させ易くすることができる。よって、自分が発する声を一段と明瞭に聞き取りながら発話や歌唱を行うことができる。
加えて、発話や歌唱に伴う唾液の飛散を効果的に防止することができることで、ウイルス感染を防止することができ、衛生面においても極めて有用なマイクロフォン用カバー1とすることができる。
【0026】
また、カバー本体10を、天然植物繊維を主材料とする紙で形成することで、軽量化を図ることができると共に、生分解可能な製品とすることができる。また、たとえ1回毎の使い捨てとした場合でも、環境への負荷が少ない製品とすることができる。
【0027】
また、マイクロフォン挿通用穴11の周縁部に、複数のスリット11aを設ける構成とすることで、挿通用穴11の周縁部を容易に広げることが可能となり、把持部32を一段と挿通させ易いマイクロフォン用カバー1とすることができる。
【0028】
また、開口の周縁部に、マイクロフォン挿通用穴11に挿通される把持部32の軸線と直交する方向に向けて、開口から外方へ延びる第1の開口部平坦面12を設ける構成とすることで、発話者や歌唱者がマイクロフォン用カバー1を装着した状態でマイクロフォン30を使用する場合に、マイクロフォン用カバー1の自分に対する角度や向きを容易に確認することができる。よって、自分の声をより効率的、効果的に反響させるためのマイクロフォン用カバー1の向きや角度を使用中に即座に視覚で把握することができ、一段と利便性の高いマイクロフォン用カバー1とすることができる。
更に、マイクロフォン用カバー1を持ち運ぶ際に指で挟む挟持部とすることができ、片手でも持ちやすいマイクロフォン用カバー1とすることができる。
【0029】
また、カバー本体10の開口から下方に数ミリ程度の位置に、マイクロフォン挿通用穴11に挿通されるマイクロフォン30の把持部32の軸線と直交する方向に向けて、開口から内方へ延びる第2の開口部平坦面13を設ける構成とすることで、カバー本体10の開口から下方に数ミリ程度の位置に、段差を形成することができる。よって、マイクロフォン用カバー1を持ち運ぶ際に、人差し指を第1の開口部平坦面12の下面に当て、親指を第2の開口部平坦面13に上方から押し当てるだけで、片手で容易に且つ滑りを防止した状態でマイクロフォン用カバー1を持ち運ぶことができる。つまり、親指を載置させるための着座面として第2の開口部平坦面13を利用することができる。よって、一段と片手でもち運びがし易く利便性の高いマイクロフォン用カバー1とすることができる。
【0030】
また、保持部20を設ける構成とすることで、使用時にマイク部31を確実に保持することができ、マイクロフォン用カバー1がずれ動くことを一段と防止することができる。よって、一段と利便性の高いマイクロフォン用カバー1とすることができる。
また、保持部20として、カバー本体10の内面からマイクロフォン挿通用穴11まで延びると共に、側面を、マイク部31を受け止めて着座させる湾曲面21とする薄板状の保持用片で構成すると共に、このような保持用片を、マイクロフォン挿通用穴11の周方向に等間隔に三つ配置する構成とすることで、マイク部31を三つの湾曲面21に確実に着座させてマイクロフォン用カバー1がずれ動くことを確実に防止することができる。更に、保持用片の厚さを2mm~3mm程度とすると共に、カバー本体10と同一部材の天然植物繊維を主材料とする紙を用いてカバー本体10と一体成形する構成とすることで、簡易な構成で保持部20を形成することができると共に、保持部20の軽量化、省コスト化を図ることができる。
更に、三つの湾曲面21の頂部を通る円の直径Eの長さをマイク部31の最大径よりも長い構成とすることで、
図1、
図2(a)、
図4(b)に示すように、マイクロフォン30にマイクロフォン用カバー1を装着した状態において、マイク部31がマイクロフォン用カバー1の内部に収容される構成とすることができる。よって、使用時にマイクロフォン30が周囲の雑音を拾い難い構成とすることができる。加えて、マイクロフォン30を口元に近づけ易いマイクロフォン用カバー1とすることができ、唾液の飛沫をより効果的に防止可能なマイクロフォン用カバー1とすることができる。
【0031】
次に、
図5を参照して、本発明の実施形態に係るマイクロフォン用カバーの変形例1、2を説明する。
【0032】
まず、
図5(a)を参照して、本発明の実施形態に係るマイクロフォン用カバーの変形例1を説明する。
本変形例1に係るマイクロフォン用カバー2は、既述したマイクロフォン用カバー1に対して、三つの湾曲面21の頂部を通る円の直径の長さを変形したものである。その他の構成は既述した本発明の実施形態に係るマイクロフォン用カバー1と同様である。よって、同一部材、同一機能を果たすものには同一番号を付し、以下詳細な説明は省略するものとする。
具体的には、三つの湾曲面21の頂部を通る円の直径の長さをマイク部31の最大径よりも短い構成としてある。このような構成とすることで、マイク部31をマイクロフォン用カバー1から出した状態でマイクフォンカバー2をマイクロフォン30に装着することができる。このような構成とすることで、マイク部31をより確認し易い状態で使用可能なマイクロフォン用カバー2とすることができる。
【0033】
次に
図5(b)を参照して、本発明の実施形態に係るマイクロフォン用カバーの変形例2を説明する。
本変形例2に係るマイクロフォン用カバー3は、既述したマイクロフォン用カバー1に対して、マイクロフォン挿通用穴11の周縁部に、弾性部材40を配置すると共に、マイクロフォン挿通用穴11の径を、マイクロフォンの把持部の最大径よりもやや小さい径とする構成とするものである。その他の構成は既述した本発明の実施形態に係るマイクロフォン用カバー1と同様である。よって、同一部材、同一機能を果たすものには同一番号を付し、以下詳細な説明は省略するものとする。
具体的には、マイクロフォン挿通用穴11の周縁部に、
図5(b)にハッチングで示すフェルトを配置する構成としてある。また、マイクロフォン挿通用穴11の径を、マイクロフォンの把持部の最大径よりもやや小さい径とする構成とするものである。このような構成とすることで、フェルトは弾性力を備えるものであることから、マイクロフォン挿通用穴11の径が、マイクロフォンの把持部の最大径よりもやや小さい径であっても、マイクロフォンの把持部をマイクロフォン挿通用穴11に挿通させる際に、マイクロフォン挿通用穴11の周縁部を効果的に広げることができる。よって、把持部をより挿通させ易いマイクロフォン用カバー3とすることができる。
更に、把持部を挿通させた後のマイクロフォン用カバー3の使用時においては、一端下方外向きへ広がったフェルトの復帰力により把持部32を押圧してより確実に保持することができる。よって、使用時にマイクロフォン用カバー3がずれることを一段と効果的に防止することができ、一段と利便性に富んだマイクロフォン用カバー3とすることができる。
なお、弾性部材としては、フェルトに限るものではなく、例えば、薄いゴムを用いる構成としてもよい。
なお、弾性部材40は、例えば、接着剤を介してカバー本体10に貼り付けて固定するような構成とすることができる。
【0034】
なお、既述した本発明の実施形態に係るマイクロフォン用カバー1、2、3においては、カバー本体10を、天然植物繊維を主材料とする紙を用いて形成する構成としたが、必ずしもこのような構成に限るものではない。例えば、天然植物繊維以外のものを主材料とする紙でカバー本体10を形成する構成としてもよい。また、紙に替えて、発泡スチロール、プラスチックなどの樹脂、金属などの他の素材でカバー本体10を形成する構成としてもよい。つまり、上面が開口したお椀型で、且つ、底面中央部に、マイクロフォンの把持部の最大径と同じかやや小さい径を有するマイクロフォン挿通用穴11を形成することが可能な素材であれば、如何なる素材を用いてもよい。なお、発泡スチロールやプラスチックなどの樹脂を用いてカバー本体10を形成する構成とした場合は、軽くて耐水性を備えたマイクロフォン用カバーとすることができる。
また、保持部20を形成する保持用片についても、天然植物繊維以外のものを主材料とする紙で保持用片を形成する構成としてもよいし、紙に替えて、発泡スチロール、プラスチックなどの樹脂、金属などの他の素材で保持用片を形成する構成としてもよい。なお、コスト面や製造効率を勘案すれば、カバー本体10と同一部材で保持用片を形成する構成とすることが望ましい。
【0035】
また、既述した本発明の実施形態に係るマイクロフォン用カバー1、2、3は、全て保持部20を備える構成としたが、保持部20は必ずしも必要なものではなく、保持部20を設けない構成としてもよい。また、同様に、スリット11a、第1の開口部平坦面12、第2の開口部平坦面13も必ずしも必要なものではなく、スリット11a、第1の開口部平坦面12、第2の開口部平坦面13を設けない構成としてもよい。このような構成も本発明に含まれるものである。
【0036】
また、カバー本体10の表面に、図形や模様、文字や着色を施すような構成としてもよい。このような構成とすることで、例えば、広告宣伝機能を備えたマイクロフォン用カバーとすることができる。更に、デザイン性に富むと共に、使用時に楽しみながら利用可能なマイクロフォン用カバーとすることができる。また、カバー本体10に発光塗料等を塗布すれば、うす暗いカラオケ店内においても視認性に優れたマイクロフォン用カバーとすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0037】
本発明によれば、マイクを使用して発話や歌唱を行う場合に、自分が発する声を明瞭に聞き取りながら発話や歌唱を行うことができると共に、唾液の飛散を効果的に防止することができることから、マイクロフォン用カバーの分野における産業上の利用性が高い。
【符号の説明】
【0038】
1 マイクロフォン用カバー
2 マイクロフォン用カバー
3 マイクロフォン用カバー
10 カバー本体
11 マイクロフォン挿通用穴
11a スリット
12 第1の開口部平坦面
13 第2の開口部平坦面
14 底面
20 保持部
21 湾曲面
22 上面
30 マイクロフォン
31 マイク部
32 把持部
40 弾性部材
E 直径
F 直径
G 直径
【手続補正書】
【提出日】2020-12-14
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マイクロフォンに着脱自在に装着して使用するマイクロフォン用カバーであって、上面が開口したお椀型のカバー本体の底面中央部に、マイクロフォンの把持部の最大径と同じかやや小さい径を有するマイクロフォン挿通用穴を備えると共に、前記開口の径が、マイクロフォンのマイク部の最大径よりも大きく、前記カバー本体の内面に、マイクロフォンのマイク部を保持するための保持部を備え、前記保持部は、カバー本体の内面からマイクロフォン挿通用穴まで延びると共に、側面を、マイク部を受け止めて着座させる湾曲面とする薄板状の保持用片で構成され、前記保持用片をマイクロフォン挿通用穴の周方向に等間隔に三つ以上配置してあることを特徴とするマイクロフォン用カバー。
【請求項2】
マイクロフォン挿通用穴の周縁部に、弾性部材を配置してあることを特徴とする請求項1に記載のマイクロフォン用カバー。
【請求項3】
マイクロフォン挿通用穴の周縁部に、複数のスリットを設けてあることを特徴とする請求項1又は2に記載のマイクロフォン用カバー。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
上記課題を達成するため、本発明のマイクロフォン用カバーは、マイクロフォンに着脱自在に装着して使用するマイクロフォン用カバーであって、上面が開口したお椀型のカバー本体の底面中央部に、マイクロフォンの把持部の最大径と同じかやや小さい径を有するマイクロフォン挿通用穴を備えると共に、前記開口の径が、マイクロフォンのマイク部の最大径よりも大きく、前記カバー本体の内面に、マイクロフォンのマイク部を保持するための保持部を備え、前記保持部は、カバー本体の内面からマイクロフォン挿通用穴まで延びると共に、側面を、マイク部を受け止めて着座させる湾曲面とする薄板状の保持用片で構成され、前記保持用片をマイクロフォン挿通用穴の周方向に等間隔に三つ以上配置してあることを第1の特徴としている。
また、本発明のマイクロフォン用カバーは、上記第1の特徴に加えて、マイクロフォン挿通用穴の周縁部に、弾性部材を配置してあることを第2の特徴としている。
また、本発明のマイクロフォン用カバーは、上記第1又は第2の特徴に加えて、マイクロフォン挿通用穴の周縁部に、複数のスリットを設けてあることを第3の特徴としている。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
また、使用時にマイク部を確実に保持することができ、マイクロフォン用カバーがずれ動くことを一段と防止することができる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
また、簡易な構成で保持部を形成することができると共に、保持部の軽量化を図ることができる。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0010】
また、上記第2の特徴によるマイクロフォン用カバーによれば、上記第1の特徴による作用効果に加えて、把持部をより挿通させ易いと共に、挿通させた把持部をより確実に保持することができ、使用時にマイクロフォン用カバーがずれ動くことを効果的に防止することができる。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0011】
また、上記第3の特徴によるマイクロフォン用カバーによれば、上記第1又は第2の特徴による作用効果に加えて、把持部を一段と挿通させ易いマイクロフォン用カバーとすることができる。