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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022063919
(43)【公開日】2022-04-25
(54)【発明の名称】電子申請システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/06 20120101AFI20220418BHJP
【FI】
G06Q10/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020172323
(22)【出願日】2020-10-13
(71)【出願人】
【識別番号】517157927
【氏名又は名称】株式会社SmartHR
(74)【代理人】
【識別番号】110002790
【氏名又は名称】One ip特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】安達 隆
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA08
(57)【要約】
【課題】適切な申請を行うことができるようにする。
【解決手段】電子申請システムであって、電子申請のための申請書類を記憶する書類記憶部と、申請書類の種類に応じて申請書類の送信可能日が到来したか否かを判定する送信可否判定部と、送信可能日以降にのみ申請書類を送信する書類送信部と、を備えることを特徴とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子申請のための申請書類を記憶する書類記憶部と、
前記申請書類の種類に応じて前記申請書類の送信可能日が到来したか否かを判定する送信可否判定部と、
前記送信可能日以降にのみ前記申請書類を送信する書類送信部と、
を備えることを特徴とする電子申請システム。
【請求項2】
請求項1に記載の電子申請システムであって、
前記電子申請は、従業員の資格の取得又は喪失に係る届出であり、
前記従業員の人事労務に関する人事労務データを記憶する人事労務データ記憶部をさらに備え、
前記送信可否判定部は、前記人事労務データに基づいて、前記資格の取得又は喪失が生じる日付を前記送信可能日として特定すること、
を特徴とする電子申請システム。
【請求項3】
請求項1に記載の電子申請システムであって、
前記電子申請は、従業員に関する情報の変更に係る届出であり、
前記従業員の人事労務に関する人事労務データを記憶する人事労務データ記憶部をさらに備え、
前記送信可否判定部は、前記人事労務データから前記変更が生じた日付を取得し、取得した前記日付を前記送信可能日として特定すること、
を特徴とする電子申請システム。
【請求項4】
請求項1に記載の電子申請システムであって、
前記申請書類には、操作者による編集が可能な書類情報と、前記書類情報に基づいて作成される申請データとが含まれ、
前記申請書類の編集処理を行うとともに、前記書類情報に基づいて前記申請データを作成する書類編集部をさらに備え、
前記送信可否判定部は、前記書類情報に基づいて、前記資格の取得又は喪失が生じる日付を前記送信可能日として特定すること、
を特徴とする電子申請システム。
【請求項5】
請求項1に記載の電子申請システムであって、
前記申請書類に対応付けて送信済みか否かを示すステータスを記憶するステータス記憶部をさらに備え、
未送信の前記ステータスに対応する前記申請書類のうち、前記送信可能日が経過しているものを特定して報知するアラート報知部をさらに備えること、
を特徴とする電子申請システム。
【請求項6】
請求項1に記載の電子申請システムであって、
前記書類記憶部は、前記申請書類に対応付けて送信済みか否かを示すステータスを記憶しており、
前記書類送信部は、未送信の前記ステータスに対応する前記申請書類のうち、前記送信可能日が経過しているものを自動的に送信すること、
を特徴とする電子申請システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子申請システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には電子申請に当って入力する項目について申請に使用できる文字であるかを判別することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007-094683号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1では申請できる状態か否かの判断は手動で行う必要がある。
【0005】
本発明はこのような背景を鑑みてなされたものであり、適切な申請を行うことのできる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための本発明の主たる発明は、電子申請システムであって、電子申請のための申請書類を記憶する書類記憶部と、前記申請書類の種類に応じて前記申請書類の送信可能日が到来したか否かを判定する送信可否判定部と、前記送信可能日以降にのみ前記申請書類を送信する書類送信部と、を備えることを特徴とする。
【0007】
その他本願が開示する課題やその解決方法については、発明の実施形態の欄及び図面により明らかにされる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、適切な申請を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一実施形態に係る電子申請システムの全体構成例を示す図である。
図2】管理サーバ2のハードウェア構成例を示す図である。
図3】管理サーバ2のソフトウェア構成例を示す図である。
図4】本実施形態に係る申請処理の流れを説明する図である。
図5】公文書の取得処理の流れを説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<発明の概要>
本発明の実施形態の内容を列記して説明する。本発明は、たとえば、以下のような構成を備える。
[項目1]
電子申請のための申請書類を記憶する書類記憶部と、
前記申請書類の種類に応じて前記申請書類の送信可能日が到来したか否かを判定する送信可否判定部と、
前記送信可能日以降にのみ前記申請書類を送信する書類送信部と、
を備えることを特徴とする電子申請システム。
[項目2]
項目1に記載の電子申請システムであって、
前記電子申請は、従業員の資格の取得又は喪失に係る届出であり、
前記従業員の人事労務に関する人事労務データを記憶する人事労務データ記憶部をさらに備え、
前記送信可否判定部は、前記人事労務データに基づいて、前記資格の取得又は喪失が生じる日付を前記送信可能日として特定すること、
を特徴とする電子申請システム。
[項目3]
項目1に記載の電子申請システムであって、
前記電子申請は、従業員に関する情報の変更に係る届出であり、
前記従業員の人事労務に関する人事労務データを記憶する人事労務データ記憶部をさらに備え、
前記送信可否判定部は、前記人事労務データから前記変更が生じた日付を取得し、取得した前記日付を前記送信可能日として特定すること、
を特徴とする電子申請システム。
[項目4]
項目1に記載の電子申請システムであって、
前記申請書類には、操作者による編集が可能な書類情報と、前記書類情報に基づいて作成される申請データとが含まれ、
前記申請書類の編集処理を行うとともに、前記書類情報に基づいて前記申請データを作成する書類編集部をさらに備え、
前記送信可否判定部は、前記書類情報に基づいて、前記資格の取得又は喪失が生じる日付を前記送信可能日として特定すること、
を特徴とする電子申請システム。
[項目5]
項目1に記載の電子申請システムであって、
前記申請書類に対応付けて送信済みか否かを示すステータスを記憶するステータス記憶部をさらに備え、
未送信の前記ステータスに対応する前記申請書類のうち、前記送信可能日が経過しているものを特定して報知するアラート報知部をさらに備えること、
を特徴とする電子申請システム。
[項目6]
項目1に記載の電子申請システムであって、
前記書類記憶部は、前記申請書類に対応付けて送信済みか否かを示すステータスを記憶しており、
前記書類送信部は、未送信の前記ステータスに対応する前記申請書類のうち、前記送信可能日が経過しているものを自動的に送信すること、
を特徴とする電子申請システム。
【0011】
<システムの概要>
以下、本発明の一実施形態に係る電子申請システムについて説明する。本実施形態の電子申請システムは、例えば、社会保険や雇用保険の届出などの電子申請を行おうとするものである。本実施形態では、企業において従業員のための電子申請を行うことを想定している。本実施形態の電子申請システムは、人事労務データベースから取得したデータを用いて申請書類を作成し、ユーザからの操作に応じて申請書類を編集することができるようにしている。また、本実施形態の電子申請システムでは、申請書類の申請すること(すなわち電子政府サーバ等に送信すること)が可能となる申請可能日を管理し、申請可能日前に間違って申請してしまうことを防ぐとともに、申請可能日が到来した場合には自動的に申請がされるようにすることも可能としている。
【0012】
図1は、本発明の一実施形態に係る電子申請システムの全体構成例を示す図である。本実施形態の電子申請システムは、管理サーバ2を含んで構成される。管理サーバ2は、ユーザ端末1及び電子政府サーバ4と通信ネットワーク3を介して通信可能に接続される。通信ネットワーク3は、たとえばインターネットであり、公衆電話回線網や携帯電話回線網、無線通信路、イーサネット(登録商標)などにより構築される。
【0013】
ユーザ端末1は、例えば人事担当者などのユーザが操作するコンピュータである。ユーザ端末1は、例えば、スマートフォンやタブレットコンピュータ、パーソナルコンピュータなどとすることができる。ユーザはユーザ端末1を操作して管理サーバ2にアクセスし、申請書類の作成や編集、電子申請などを行うことができる。
【0014】
管理サーバ2は、申請書類の作成及び編集を支援するとともに、申請書類を例えば電子政府サーバ4に送信するなどの電子申請を行うことができるコンピュータである。管理サーバ2は、例えばワークステーションやパーソナルコンピュータのような汎用コンピュータとしてもよいし、あるいはクラウド・コンピューティングによって論理的に実現されてもよい。
【0015】
電子政府サーバ4は、電子申請を受け付けるコンピュータである。電子政府サーバ4は、例えば、e-Govやマイナポータルとして提供されているサーバとすることができる。電子政府サーバ4は、外部連携APIを提供しており、管理サーバ2は外部連携APIを呼び出すことにより申請書類をアップロードして電子申請処理を行うことができる。
【0016】
<管理サーバ>
図2は、管理サーバ2のハードウェア構成例を示す図である。なお、図示された構成は一例であり、これ以外の構成を有していてもよい。管理サーバ2は、CPU01、メモリ202、記憶装置203、通信インタフェース204、入力装置205、出力装置206を備える。記憶装置203は、各種のデータやプログラムを記憶する、例えばハードディスクドライブやソリッドステートドライブ、フラッシュメモリなどである。通信インタフェース204は、通信ネットワーク3に接続するためのインタフェースであり、例えばイーサネット(登録商標)に接続するためのアダプタ、公衆電話回線網に接続するためのモデム、無線通信を行うための無線通信機、シリアル通信のためのUSB(Universal Serial Bus)コネクタやRS232Cコネクタなどである。入力装置205は、データを入力する、例えばキーボードやマウス、タッチパネル、ボタン、マイクロフォンなどである。出力装置206は、データを出力する、例えばディスプレイやプリンタ、スピーカなどである。
【0017】
図3は、管理サーバ2のソフトウェア構成例を示す図である。管理サーバ2は、従業員の人事労務データを記憶する人事労務データ記憶部231と、電子申請のための申請書類を記憶する書類記憶部232と、申請書類の内容を電子政府サーバ4に送信する形式のデータ(以下、申請データという。)を記憶する申請データ記憶部233と、電子申請に係る公文書を記憶する公文書記憶部234と、電子申請のための条件を記憶する申請条件記憶部235と、電子申請のための申請書類の編集処理を行う書類編集部211と、申請書類の種類に応じて申請書類の送信可能日が到来したか否かを判定する送信可否判定部212と、送信可能日以降にのみ申請書類を送信する書類送信部213と、未送信のステータスである申請書類のうち、送信可能日が経過しているものを特定して報知するアラート報知部214と、電子申請に係る公文書を取得する公文書取得部215と、公文書に応じて人事労務データを更新する人事労務データ更新部216と、人事労務データの編集処理を行う人事労務データ編集部217と、を備えることができる。
【0018】
人事労務データ記憶部231は、申請書類に記載するための情報を記憶する情報記憶部であり、本実施形態では、申請書類に記載するための情報は人事労務に関する情報(以下、人事労務データという。)であることを想定している。人事労務データとは、人事労務に関連するデータであり、従業員を特定する情報(以下、従業員IDという。ただし、番号等の一意の情報である必要はなく、従業員を特定可能な情報であればよく、複数の情報の組み合わせであってもよい。)に対応づけて、氏名、性別、生年月日、個人番号、年齢などの基本情報、所属、役職、職種、入社年、異動の履歴などの所属情報、雇用契約形態、給与などの給与情報、社会保険番号、雇用保険番号、健康保険、厚生年金の等級、保険料などの保険情報、出勤形態(時短勤務、リモート勤務、フレックス勤務などの別)、勤務時間、休憩時間、休暇取得、残業時間等に関する勤怠情報、過去の評価、面談日、面談内容などの評価情報、家族構成、扶養家族、育児補助、介護の有無などの家族情報、通勤手当、通勤経路、住宅手当、住宅ローン控除などの住居情報、研修受講履歴、資格取得に関する補助、保有資格、資格手当などの研修情報、出張手当、交通費・宿泊費立替払履歴などの出張情報、病気休暇の取得、傷病手当、健康診断などの健康情報等の情報を含めることができる。なお、上述した内容以外にも各種の情報を含めることが可能である。
【0019】
人事労務データ編集部217は、人事労務データをユーザに編集させることができる。人事労務データ編集部217は、例えば、従業員の指定されたリクエストをユーザ端末1から受信したことに応じて、指定された従業員に対応する人事労務データを人事労務データ記憶部231から読み出し、読み出した人事労務データの内容を設定したフォーム(人事労務データが存在しない場合は空のフォーム)をユーザ端末1に送信し、ユーザ端末1においてフォームにおいて入力編集されたデータを受信して、受信したデータに基づいて人事労務データを更新することができる。
【0020】
申請書類は、電子申請の内容を含む情報であり、印刷を行うことにより紙の書類として申請を行うことも可能である。申請データは、申請書類に基づいて作成される、電子政府サーバ4に送信するためのデータであり、例えば、e-Govやマイナポータルの提供するオンライン申請サービスに規定された申請用のXMLデータである。
【0021】
書類編集部211は、例えば、社会保険の資格取得申請などの申請書類を作成し編集することができる。書類編集部211は、ユーザ端末1からのリクエストに応じて空の申請書類を作成することができる。リクエストは従業員が指定されるものとし、申請書類には、少なくとも従業員IDが設定される。また、書類編集部211は、指定された従業員に対応する人事労務データを人事労務データ記憶部231から特定し、特定した人事労務データに含まれる情報に基づいて申請書類を作成するようにすることもできる。書類編集部211は、作成した申請書類を書類記憶部232に登録することができる。
【0022】
書類編集部211は、人事労務データ記憶部231に記憶されている最新の情報により、書類記憶部232に記憶されている確定前の申請書類を更新し、確定の指示に応じて申請書類を確定することができる。書類編集部211は、書類記憶部232に記憶されている申請書類を定期的に更新するようにしてもよいし、申請書類が編集されている間のみ最新情報に更新するようにしてもよい。書類編集部211は、人事労務データ編集部215が人事労務データを更新したことを検知して、更新された人事労務データに基づいて申請書類を更新することができる。なお、書類編集部211は、確定フラグが「真」である申請書類については、人事労務データが更新されても申請書類を更新しないようにすることができる。
【0023】
書類編集部211は、申請書類を保存する際に、申請書類に基づいて申請データを作成することができる。書類編集部211は、複数の申請書類に基づいて1つの申請データを作成するようにしてもよい。書類編集部211は、異なる電子政府サーバ4について異なるフォーマットで申請データを作成するようにすることができる。申請書類に基づく申請データの作成処理は、書類編集部211が備えるアルゴリズムとして実装されるようにしてもよいし、電子政府サーバ4(が提供する電子申請サービス)ごとに、データ変換のルールを記憶装置203に記憶しておき、書類編集部211はルールに応じて申請書類から申請データを作成するようにすることができる。書類編集部211は、作成した申請データを申請データ記憶部233に登録することができる。
【0024】
申請データ記憶部233(本願発明のステータス記憶部に該当しうる。)は、従業員IDに対応付けて、電子政府サーバ4の提供する電子申請サービスの種類を示す申請種別と、申請データと、ステータスと、到達番号とを記憶することができる。ステータスには、例えば、まだ申請データを送信していないことを示す「未送信」、申請データを送信したが電子政府サーバ4からの応答(公文書)を受信していないことを示す「審査中」、及び、公文書を受信したことを示す「手続完了」を設定することができる。到達番号は、申請データを送信したときに電子政府サーバ4が応答する受付番号である。申請データの送信前には、到達番号には値が設定されない。
【0025】
書類記憶部232は、確定した申請書類を編集不能に記憶することができる。書類記憶部232は、例えば、申請書類に対応付けて編集可否を示す確定フラグを管理するようにし、確定フラグが編集不能を示す「真」である場合には、申請書類の更新がされないように、例えば、アクセス権の権限設定をすることができる。なお、書類記憶部232が申請書類のアクセス権等を管理せず、書類編集部211が確定フラグを参照して、確定フラグが編集可能であることを示す「偽」である場合にのみ、申請書類を最新情報に更新したり、また、ユーザ端末1において申請書類の編集ができるようにフォームデータを送信したりすることができるようにする制御してもよい。なお、書類記憶部232に申請データのステータスを管理するようにしてもよい(この場合、書類記憶部232は本願発明のステータス記憶部に該当しうる。)。
【0026】
申請書類によっては申請が可能となる条件が指定されていることがある。例えば、社会保険の資格取得届の電子申請は、当然ながらその資格が取得された後になされなければならない。同様に、社会保険の資格喪失届の電子申請は、当然ながらその資格が喪失された後になされなければならない。また、身上変更、被扶養者の異動、報酬月額変更届、賞与支払などに係る届出は、従業員に関するこれらの状態の変更が発生した日付より後になされなければならない。申請条件記憶部235は、申請書類の種類(申請種別)に対応付けて、このような条件を記憶する。条件には、具体的な日付(資格を取得若しくは喪失した日付、資格を取得若しくは喪失する予定の日付、変更が発生した日付、又は変更が発生する予定の日付)を設定するようにしてもよいし、人事労務データの項目の指定と当該項目の値とを指定して当該項目の値が指定された項目になったことを条件として設定してもよい。また、条件には、具体的な従業員又は従業員のグループを指定するようにしてもよく、特定の従業員又は特定のグループに所属する従業員についてのみ条件を設定するようにしてもよい。また、申請条件記憶部235は、1つの申請種別に対して複数の条件を設定することができる。この場合には、設定した複数の条件のいずれかが満たされるかどうかが判断されるOR条件となるため、複数のAND条件を設定する場合には、申請種別に紐付く1つの条件の中に複数の項目を指定してAND条件を設定するものとする。また、申請条件記憶部235は、申請種別及び条件に対応付けて通知フラグと通知先とを記憶することができる。通知フラグが「真」である場合には、当該申請種別の申請書類について条件が満たされた場合に、通知先に通知がなされるようにすることができる。また、申請条件記憶部235は、申請種別及び条件に対応付けて自動送信フラグを記憶することができる。自動送信フラグが「真」である場合には、当該申請種別の申請書類について条件が満たされた場合には、自動的に電子申請が行われるようにすることができる。
【0027】
送信可否判定部212は、申請書類がその申請種別に対応する条件を満たしているか否かに応じて、当該申請書類に係る電子申請の送信可否を判定することができる。送信可否判定部212は、指定された申請書類に対応する申請データ又は申請データ記憶部233に記憶されている未送信のステータスの申請データのそれぞれについて、当該申請データの内容(すなわち、当該申請データに対応する申請書類の内容)が、当該申請データの申請種別に対応する条件を満たすか否かを判定することができる。送信可否判定部212は、例えば、条件に日付(社会保険の受給資格の取得日若しくは喪失日、取得予定日若しくは喪失予定日、変更が発生した日付、又は変更が発生する予定の日付など)が設定されている場合には、現在の日付が条件の日付以後であるか否かに応じて送信可否を判定することができる。また、送信可否判定部212は、人事労務データから、資格の取得又は喪失が生じる日付を取得することができる。また、送信可否判定部212は、人事労務データから、変更が生じた又は生じる予定の日付を取得することができる。また、送信可否判定部212は、ユーザ(人事担当者等)により編集された申請書類から、社会保険の受給資格の取得日若しくは喪失日、取得予定日若しくは喪失予定日、変更が発生した日付、又は変更が発生する予定の日付などを取得することもできる。送信可否判定部212は、現在の日付が、取得した日付以後であるか否かに応じて、送信可否を判定することができる。送信可否判定部212は、例えば、条件に人事労務データの項目とその値が設定されている場合には、申請データの従業員IDに対応する人事労務データを人事労務データ記憶部231から検索し、検索した人事労務データの、条件に指定された項目の値が、条件に指定された値と一致するか否かに応じて、送信可否を判定することができる。このようにして、送信可否判定部212は、資格取得又は資格喪失に係る届出などの電子申請について、申請データを送信するタイミングを、資格が取得された又は資格が喪失した日付以後に確実に設定することができる。
【0028】
書類送信部213は、申請データを、例えば、e-Govの外部連携APIを利用して電子政府サーバ4に対して送信することができる。なお、電子政府サーバ4がマイナポータルである場合には、マイナポータルが提供するAPIを利用することができる。また、書類送信部213は、APIを利用せずに、例えばブラウザオートメーションなどの技術を用いて、電子政府サーバ4が提供するWebフォームに電子データの内容を入力して申請を行うようにしてもよい。書類送信部213は、送信可否判定部212が送信可能と判定した申請データのみを電子政府サーバ4に送信することができる。書類送信部213は、未送信のステータスに対応する申請データのうち、送信可否判定部212が送信可能と判断したもの(すなわち、送信可能日が経過しているもの)を自動的に電子政府サーバ4に送信するようにしてもよい。
【0029】
アラート報知部214は、ステータスが未送信である申請データのうち、対応する条件が満たされているもの(資格取得日や喪失日などの送信可能日が経過しているもの)を特定してアラートを発することができる。アラート報知部214は、例えば、ユーザ端末1に対してアラートのメッセージを送信することができる。メッセージには、送信条件が満たされた(資格取得日や喪失日などの送信可能日が経過した)未送信の申請データを特定する情報を含めることができる。また、アラート報知部214は、定期的に未送信の申請データについて送信可否を判定するようにして、アラートを報知するようにすることができる。また、アラート報知部214は、例えば、申請条件記憶部235に記憶されている条件に、人事労務データの項目に対する条件が設定されている場合には、人事労務データを監視して、人事労務データが更新されたことを検出するようにし、更新された人事労務データの項目が条件を満たすようになったことを報知するようにしてもよい。
【0030】
公文書取得部215は、電子申請に対して交付される公文書を取得する。公文書は、例えば、社会保険の資格取得申請に対して発行される社保決定通知書などである。公文書は、例えば、XMLにより記述されたデータである。公文書取得部215は、定期的に電子政府サーバ4にアクセスして、公文書を取得することができる。公文書取得部215は、例えば、書類送信部213が申請書類を送信したときに電子政府サーバ4から交付される到達番号を従業員IDに紐付けて記憶装置203に記憶しておき、その後定期的に電子政府サーバ4にアクセスした際に、到達番号をキーとして対応する公文書が発行されているか否かを確認することができる。公文書取得部215は、取得した公文書を従業員IDに対応付けて公文書記憶部234に登録することができる。
【0031】
人事労務データ更新部216は、公文書取得部215が取得した公文書から取得したデータを用いて人事労務データ記憶部231に記憶されている人事労務データを更新することができる。人事労務データ更新部216は、例えば、社会保険の資格取得申請について記憶された到達番号に対応する公文書を取得できた場合に、取得した公文書の中から、被保険者整理番号及び標準報酬月額を抽出し、抽出した被保険者整理番号及び標準報酬月額を、到達番号に紐付く従業員IDに対応する人事労務データに設定することができる。
【0032】
<動作>
図4は、本実施形態に係る申請処理の流れを説明する図である。
【0033】
管理サーバ2は、申請書類を作成する(S401)。管理サーバ2は、例えば、従業員が指定されたリクエストをユーザ端末1から受信することに応じて、従業員IDが設定された申請書類を作成することができる。作成された申請書類は書類記憶部232に登録することができる。申請書類の作成時には、申請書類に基づいて申請データを作成することができる。
【0034】
管理サーバ2は、申請書類の内容を最新の情報に更新する(S402)。管理サーバ2は、申請書類に設定されている従業員IDに対応する人事労務データを人事労務データ記憶部231から読み出して、人事労務データに設定されている各種情報を抽出して申請書類に設定することができる。申請書類の更新時にも、更新した申請書類に基づいて申請データを更新することができる。
【0035】
管理サーバ2は、申請書類の編集を行う(S403)。管理サーバ2は、ユーザ端末1に対して申請書類を編集するためのフォームを送信し、ユーザ端末1において申請書類の編集を行わせることができる。管理サーバ2は、ユーザ端末1から定期的に更新された申請書類の内容を受信して、書類記憶部232を更新するようにしてもよいし、ユーザ端末1から編集が終わった内容を受信して、書類記憶部232に記憶されている申請書類を更新するようにしてもよい。申請書類の編集時にも、編集された申請書類に基づいて申請データを更新することができる。この場合に、編集された申請書類に基づいて、関連する人事労務データを更新するようにしてもよい。
【0036】
管理サーバ2は、ユーザから申請書類の確定の指示を受け付けるまでは(S404:NO)、ステップS402からの処理を繰り返すことができる。なお、ユーザ端末1との通信が終了した後には、管理サーバ2は、ステップS402の申請書類の内容更新のみを行うようにしてもよい。
【0037】
ユーザから申請書類の確定の指示を受け付けた場合(S404:YES)、管理サーバ2は、編集中の申請書類の従業員IDに対応する書類記憶部232の確定フラグを真に設定する(S405)。
【0038】
管理サーバ2は、ユーザから電子申請の指示を受けた場合(S406:YES)、申請データ記憶部233に記憶されている申請データのうち、ステータスが未送信となっているもののそれぞれについて、当該申請データの申請種別に対応する条件が満たされているか否かにより申請データの送信可否を判定する(S407)。管理サーバ2は、送信可能と判断された申請データについてのみ(S408:YES)、申請データを電子政府サーバ4に送信することができる(S409)。
【0039】
管理サーバ2は、送信した申請データに対して電子政府サーバ4から応答される到達番号を取得して、申請データに対応付けて申請データ記憶部233に記憶する(S410)。管理サーバ2は、到達番号が取得できなかった場合には、電子申請が失敗したものとして申請データを再送するようにしてもよい。
【0040】
管理サーバ2は、申請データの送信後は、申請データ記憶部233に記憶されている申請データのステータスを審査中に設定することができる。
【0041】
図5は、公文書の取得処理の流れを説明する図である。管理サーバ2は、記憶されている到達番号のそれぞれについて図5に示す処理を実行することができる。
【0042】
管理サーバ2は、ステータスが審査中である到達番号を読み出して(S421)、電子政府サーバ4にアクセスし到達番号に対応する公文書をリクエストする(S422)。電子政府サーバ4から公文書が応答された場合(S423:YES)、管理サーバ2は、公文書から所定のデータを抽出し(S405)、抽出したデータにより、従業員IDに対応する人事労務データを更新することができる(S406)。ここで管理サーバ2は、到達番号に対応するステータスを手続完了に更新することができる。
【0043】
以上、本実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物も含まれる。
【0044】
例えば、本実施形態では、一例として、社会保険の資格取得申請に対応する公文書から被保険者整理番号及び標準報酬月額を抽出して人事労務データを更新するものとしたが、これに限らず、公文書から任意のデータを抽出して人事労務データに登録し又は更新することができる。この場合に、管理サーバ2は、どの公文書からどのデータを抽出し、どの人事労務データのどの項目を更新するかについて、公文書の種類を示す公文書種類情報と、公文書中のデータを特定するデータ特定情報(例えば、XMLのXPathにより指定することができる。)と、人事労務データの種類を示す人事労務データ種類情報と、人事労務データの項目名とを対応付けて記憶する更新情報記憶部を備えることができる。人事労務データ更新部214は、到達番号に対応する公文書を取得できた場合に、公文書の内容から公文書の種類を特定し、特定した種類に対応するデータ特定情報が示すデータを公文書から抽出するとともに、特定した種類に対応する人事労務データ種類情報と、到達番号に紐付いた従業員IDとに対応する人事労務データについて、特定した種類に対応する項目名が示す項目の内容を、抽出したデータにより更新することができる。
【0045】
また、本実施形態では、書類記憶部232に記憶されている申請書類(書類情報)に基づいて申請データを作成して電子政府サーバ4に送信するものとしたが、これに限らず、申請書類を電子政府サーバ4に送信可能な電子データとして保存するようにし、申請書類をそのまま電子政府サーバ4に送信するようにすることもできる。
【符号の説明】
【0046】
1 ユーザ端末
2 管理サーバ
3 通信ネットワーク
4 電子政府サーバ
231 人事労務データ記憶部
232 書類記憶部
233 申請データ記憶部
234 公文書記憶部
235 申請条件記憶部
211 書類編集部
212 送信可否判定部
213 書類送信部
214 アラート報知部
215 公文書取得部
216 人事労務データ更新部
217 人事労務データ編集部
図1
図2
図3
図4
図5